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である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の

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Academic year: 2021

シェア "である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の"

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答 申

審 査 請 求 人( 以 下「 請 求 人 」と い う 。)が 提 起 し た 地 方 税 法( 以 下「 法 」 と い う 。)7 2 条 の 2 第 3 項 及 び 東 京 都 都 税 条 例( 昭 和 2 5 年 東 京 都 条 例 第 5 6 号 。以 下「 条 例 」と い う 。)2 5 条 4 項 の 規 定 に 基 づ く 個 人 の 行 う 事 業 に 対 す る 事 業 税( 以 下「 個 人 事 業 税 」と い う 。)賦 課 処 分 に 係 る 審 査 請 求 に つ い て 、 審 査 庁 か ら 諮 問 が あ っ た の で 、 次 の と お り 答 申 す る 。 第 1 審 査 会 の 結 論 本 件 審 査 請 求 は 、 棄 却 す べ き で あ る 。 第 2 審 査 請 求 の 趣 旨 本 件 審 査 請 求 の 趣 旨 は 、 ○ ○ 都 税 事 務 所 長 ( 以 下 「 処 分 庁 」 と い う 。) が 、 請 求 人 に 対 し 、 平 成 2 9 年 1 0 月 2 日 付 け で 行 っ た 平 成 2 9 年 度 分 の 個 人 事 業 税 賦 課 処 分 ( 内 容 は 、 別 紙 処 分 目 録 記 載 の と お り 。 以 下 「 本 件 処 分 」 と い う 。) に つ い て 、 そ の 取 消 し を 求 め る と い う も の で あ る 。 第 3 請 求 人 の 主 張 の 要 旨 請 求 人 は 、 お お む ね 以 下 の 理 由 か ら 、 本 件 処 分 の 違 法 性 又 は 不 当 性 を 主 張 し て い る 。 請 求 人 は 、 本 件 会 社 と の 間 で 「 営 業 社 員 雇 用 契 約 」 を 締 結 し て い る 生 命 保 険 外 交 員 で あ り 、 報 酬 は 歩 合 制 で あ る が 、 労 働 時 間 と 労 働 場 所 に つ い て 「 営 業 社 員 就 業 規 則 」 に て 拘 束 を 受 け て い る 本 件 会 社 の 使 用 人 、 労 働 者 で あ り 、 ま た 、 以 下 の よ う な 諸 要 素 か ら 、 保 険 代 理 業 と は 認 定 で き な い も の で あ る た め 、 個 人 事 業 税 の 課 税 は 不 適 当

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で あ る 。 な お 、 国 の 通 達 で も 、 生 命 保 険 外 交 員 は 、 代 理 業 で な い 限 り 個 人 事 業 税 の 課 税 は 不 可 と さ れ て い る 。 仕 事 の 依 頼 に 諾 否 の 自 由 は な く 、 業 務 の 内 容 及 び 遂 行 方 法 に つ い て 本 件 会 社 の 指 揮 命 令 を 受 け 、 ア シ ス タ ン ト 雇 用 等 に 関 す る 規 定 等 に よ り 、 業 務 を 他 人 に 代 替 さ せ え な い 。 所 得 税 の 源 泉 徴 収 、 雇 用 保 険 、 厚 生 年 金 、 健 康 保 険 の 保 険 料 徴 収 を 受 け て い る 。 営 業 所 、 事 務 用 品 は 本 件 会 社 の 提 供 に 係 る も の で あ り 、 経 費 は 立 替 精 算 で あ る 。 ま た 、 生 命 保 険 契 約 の 引 受 の 危 険 は 本 件 会 社 が 負 う 。 さ ら に 、 東 京 都 主 税 局 長 通 達 に お い て 定 め ら れ て い る 判 定 基 準 に 照 ら せ ば 、 請 求 人 は 代 理 業 に 該 当 す る と 認 定 さ れ る も の で は な い 。 第 4 審 理 員 意 見 書 の 結 論 本 件 審 査 請 求 は 理 由 が な い か ら 、 行 政 不 服 審 査 法 4 5 条 2 項 に よ り 、 棄 却 す べ き で あ る 。 第 5 調 査 審 議 の 経 過 審 査 会 は 、 本 件 諮 問 に つ い て 、 以 下 の よ う に 審 議 し た 。 年 月 日 審 議 経 過 平 成 3 0 年 5 月 2 3 日 諮 問 平 成 3 0 年 7 月 1 7 日 審 議 ( 第 2 3 回 第 4 部 会 ) 平 成 3 0 年 8 月 1 7 日 審 議 ( 第 2 4 回 第 4 部 会 ) 第 6 審 査 会 の 判 断 の 理 由 審 査 会 は 、 請 求 人 の 主 張 、 審 理 員 意 見 書 等 を 具 体 的 に 検 討 し た 結 果 、 以 下 の よ う に 判 断 す る 。 1 法 令 等 の 定 め

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⑴ 法 7 2 条 の 2 第 3 項 は 、個 人 事 業 税 は 、個 人 の 行 う 第 一 種 事 業 、 第 二 種 事 業 及 び 第 三 種 事 業 に 対 し 、 所 得 を 課 税 標 準 と し て 事 務 所 又 は 事 業 所 所 在 の 道 府 県 に お い て 、 そ の 個 人 に 課 す る 旨 を 定 め 、 同 条 8 項 に お い て 「 第 一 種 事 業 」 と す る 業 種 を 定 め て 同 項 2 3 号 を 代 理 業 と す る 。 ま た 、 都 税 条 例 2 5 条 4 項 は 、 個 人 の 行 う 法 7 2 条 の 2 第 8 項 か ら 第 1 0 項 ま で に 規 定 す る 第 一 種 事 業 、 第 二 種 事 業 及 び 第 三 種 事 業 に 対 し 、 所 得 を 課 税 標 準 と し て 、 そ の 個 人 に 課 す る 旨 を 定 め る 。 ア 「 事 業 」 と は 、 一 定 の 技 能 、 知 識 に 基 づ い て 利 益 を 得 る 目 的 で 継 続 的 に 行 う 業 務 を い う も の と さ れ て い る ( 財 団 法 人 地 方 財 務 協 会 発 行 の 自 治 省 府 県 税 課 編「 事 業 税 逐 条 解 説 」2 2 頁 参 照 )。 イ 「 事 業 を 行 う 個 人 」 と は 、 当 該 事 業 の 収 支 の 結 果 を 自 己 に 帰 属 せ し め て い る 個 人 を い う 、と 定 義 さ れ て い る(「 地 方 税 法 の 施 行 に 関 す る 取 扱 い に つ い て ( 道 府 県 税 関 係 )」( 平 成 2 2 年 4 月 1 日 付 総 税 都 第 1 6 号 総 務 大 臣 通 知( 以 下「 取 扱 通 知 」と い う 。) 第 3 章 ・ 第 1 節 ・ 第 1 ・ 1 の 5 )。 ウ 「 第 一 種 事 業 」 と は 原 則 と し て 商 工 業 等 い わ ゆ る 営 業 に 属 す る も の で あ り 、「 営 業 」と は 継 続 的 集 団 的 に 同 種 の 営 利 行 為 を 行 う こ と を い い( 前 掲 書 3 5 頁 )、代 理 業 は こ れ に 該 当 す る( 法 7 2 条 の 2 第 8 項 2 3 号 )。 な お 、「 代 理 業 」 と は 、 手 数 料 等 の 報 酬 の 収 得 を 目 的 と し て 、 商 人 の た め に そ の 平 常 の 営 業 の 部 類 に 属 す る 取 引 の 代 理 又 は 媒 介 を す る 事 業 を い う も の と さ れ て い る ( 前 掲 書 4 4 頁 及 び 商 法 2 7 条 ( 代 理 商 ))。 ⑵ 法 7 2 条 の 4 9 の 1 1 第 1 項 は 、 個 人 事 業 税 の 課 税 標 準 は 、 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 に お け る 個 人 の 事 業 の 所 得 に よ る 旨 を 定 め て い る 。 な お 、 条 例 も 、 3 8 条 1 項 に 同 旨 の 規 定 を 置 い て い る 。

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上 記 課 税 標 準 の 算 定 方 法 と し て 、 法 7 2 条 の 4 9 の 1 2 第 1 項 は 、 前 条 1 項 の 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 に お け る 個 人 の 事 業 の 所 得 は 、 当 該 個 人 の 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 に お け る 事 業 に 係 る 総 収 入 金 額 か ら 必 要 な 経 費 を 控 除 し た 金 額 に よ る も の と し 、 こ の 法 律 又 は 政 令 で 特 別 の 定 め を す る 場 合 を 除 く ほ か 、 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 の 所 得 税 の 課 税 標 準 で あ る 所 得 に つ き 適 用 さ れ る 所 得 税 法 2 6 条 及 び 2 7 条 に 規 定 す る 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 の 計 算 の 例 ( 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 の 金 額 は 、 そ の 年 中 の 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 に 係 る 総 収 入 金 額 か ら 必 要 経 費 を 控 除 し た 金 額 と す る 。) に よ っ て 算 定 す る と す る 。 ま た 、 法 7 2 条 の 4 9 の 1 2 第 2 項 は 、 事 業 を 行 う 個 人 ( 所 得 税 法 2 条 1 項 4 0 号 に 規 定 す る 青 色 申 告 書 ( 同 法 1 4 3 条 ( 青 色 申 告 ) の 規 定 に よ り 青 色 の 申 告 書 に よ っ て 提 出 す る 確 定 申 告 書 及 び 確 定 申 告 書 に 係 る 修 正 申 告 書 ) を 提 出 す る こ と に つ き 国 の 税 務 官 署 の 承 認 を 受 け て い る 者 に 限 る 。)と 生 計 を 一 に す る 親 族 で 専 ら 当 該 個 人 の 行 う 事 業 に 従 事 す る も の ( 以 下 「 青 色 事 業 専 従 者 」 と い う 。) が 当 該 事 業 か ら 同 法 5 7 条 2 項 の 書 類 ( 青 色 事 業 専 従 者 の 氏 名 、 そ の 職 務 の 内 容 及 び 給 与 の 金 額 並 び に そ の 給 与 の 支 給 期 そ の 他 財 務 省 令 で 定 め る 事 項 を 記 載 し た 書 類 ) に 記 載 さ れ て い る 方 法 に 従 い そ の 記 載 さ れ て い る 金 額 の 範 囲 内 に お い て 給 与 の 支 払 を 受 け た 場 合 に は 、 同 条 1 項 の 規 定 に よ る 計 算 の 例 に よ っ て 当 該 個 人 の 事 業 の 所 得 を 算 定 す る も の と す る と し て い る 。 そ の た め 、 青 色 事 業 専 従 者 が 支 給 を 受 け た 給 与 の 金 額 で そ の 労 務 の 対 価 と し て 相 当 で あ る と 認 め ら れ る も の は 、 当 該 個 人 の 行 う 事 業 の 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 す る こ と と な る ( 青 色 事 業 専 従 者 控 除 )。 ⑶ 法 7 2 条 の 4 9 の 1 4 第 1 項 は 、 事 業 を 行 う 個 人 に つ い て は 、 当 該 個 人 の 事 業 の 所 得 の 計 算 上 2 9 0 万 円 を 控 除 す る と 規 定 す る ( 事 業 主 控 除 )。

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⑷ 法 7 2 条 の 4 9 の 1 8 は 、 個 人 事 業 税 の 徴 収 に つ い て は 、 普 通 徴 収 ( 徴 税 吏 員 が 納 税 通 知 書 を 当 該 納 税 者 に 交 付 す る こ と に よ っ て 地 方 税 を 徴 収 す る こ と 。 法 1 条 1 項 7 号 ) の 方 法 に よ る べ き 旨 を 定 め て い る 。 な お 、 条 例 も 、 3 9 条 の 4 に 同 旨 の 規 定 を 置 い て い る 。 そ し て 、 法 7 2 条 の 5 0 第 1 項 は 、 個 人 事 業 税 を 賦 課 す る 方 法 と し て 、 当 該 個 人 の 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 の 所 得 税 の 課 税 標 準 で あ る 所 得 の う ち 、 法 7 2 条 の 4 9 の 1 2 第 1 項 に お い て そ の 計 算 の 例 に よ る も の と さ れ る 所 得 税 法 2 6 条 及 び 2 7 条 に 規 定 す る 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 に つ い て 、 当 該 個 人 が 税 務 官 署 に 申 告 し た 課 税 標 準 を 基 準 と し て 、 個 人 事 業 税 を 賦 課 す る 旨 を 定 め て い る 。 ま た 、 法 7 2 条 の 5 5 第 1 項 に よ れ ば 、 個 人 事 業 税 の 納 税 義 務 者 で 、 法 7 2 条 の 4 9 の 1 2 第 1 項 の 規 定 に よ っ て 算 出 し た 個 人 の 事 業 の 所 得 の 金 額 が 法 7 2 条 の 4 9 の 1 4 第 1 項 の 規 定 に よ る 控 除 額 ( 事 業 主 控 除 2 9 0 万 円 ) を 超 え る 者 に は 、 道 府 県 知 事 に 対 し て 、 当 該 事 業 の 所 得 の 計 算 に 必 要 な 事 項 ( 青 色 事 業 専 従 者 控 除 に 関 す る 事 項 を 含 む 。) を 申 告 す る 義 務 が あ る が 、 法 7 2 条 の 5 5 の 2 第 1 項 及 び 2 項 に よ れ ば 、 前 年 分 の 所 得 税 に つ き 所 得 税 法 2 条 1 項 3 7 号 の 確 定 申 告 書 を 提 出 し た 場 合 に は 、 当 該 申 告 書 が 提 出 さ れ た 日 に 上 記 道 府 県 知 事 に 対 す る 申 告 が な さ れ た も の と み な さ れ る 。 な お 、 こ の 場 合 、 青 色 申 告 特 別 控 除 の 適 用 を 受 け た 者 は そ の 旨 を 確 定 申 告 書 に 附 記 し な け れ ば な ら ず 、 当 該 附 記 し た 事 項 は 、 個 人 事 業 税 の 賦 課 徴 収 に つ き 申 告 を 必 要 と す る 他 の 事 項 に 相 当 す る も の で 上 記 確 定 申 告 書 に よ り 申 告 さ れ た も の と と も に 、 道 府 県 知 事 に 対 し て 申 告 さ れ た も の と み な す 旨 定 め ら れ て い る ( 法 7 2 条 の 5 5 の 2 第 2 項 及 び 3 項 、 法 施 行 規 則 7 条 の 2 第 5 号 )。 ⑸ 法 7 2 条 の 4 9 の 1 7 第 1 項 1 号 に よ れ ば 、個 人 事 業 税 の 額 は 、

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第 一 種 事 業 を 行 う 個 人 に つ い て は 、 所 得 に 1 0 0 分 の 5 の 標 準 税 率 に よ っ て 定 め た 率 を 乗 じ て 得 た 金 額 と す る と さ れ て い る と こ ろ 、 条 例 は 、 3 9 条 の 3 に お い て 、 第 一 種 事 業 を 行 う 個 人 に つ い て の 事 業 税 の 額 は 、「 所 得 に 1 0 0 分 の 5 の 税 率 を 乗 じ て 得 た 金 額 」( 同 条 1 号 ) と し て い る 。 ⑹ 法 7 2 条 の 5 1 第 1 項 の 規 定 は 、 個 人 事 業 税 の 納 期 は 、 8 月 及 び 1 1 月 中 に お い て 当 該 道 府 県 の 条 例 で 定 め る と す る が 、 同 項 た だ し 書 に お い て 、 特 別 の 事 情 が あ る 場 合 に お い て は 、 こ れ と 異 な る 納 期 を 定 め る こ と が で き る 旨 を 規 定 し て い る 。 条 例 3 9 条 の 5 は 、 個 人 事 業 税 の 納 期 を 、 原 則 と し て 、 第 1 期 が 8 月 1 日 か ら 同 月 3 1 日 ま で 、 第 2 期 が 1 1 月 1 日 か ら 同 月 3 0 日 ま で と し た 上 で 、 特 別 の 事 情 が あ る 場 合 に お け る 個 人 事 業 税 の 納 期 は 、 納 税 通 知 書 に 定 め る と こ ろ に よ る と し て い る 。 2 「 事 業 を 行 う 個 人 」 及 び 「 事 業 」 並 び に 「 代 理 業 」 に 関 す る 総 務 大 臣 通 知 及 び 東 京 都 主 税 局 長 通 達 に つ い て ⑴ 地 方 自 治 法 2 4 5 条 の 4 第 1 項 の 規 定 に 基 づ く 技 術 的 な 助 言 で あ る 「 地 方 税 法 の 施 行 に 関 す る 取 扱 い に つ い て ( 道 府 県 税 関 係 )」 ( 平 成 2 2 年 4 月 1 日 付 総 税 都 第 1 6 号 ( 全 部 改 正 ) 総 務 大 臣 通 知 。 以 下 「 取 扱 通 知 」 と い う 。) に よ れ ば 、 事 業 税 の 納 税 義 務 者 で あ る 「 事 業 を 行 う 個 人 」 に 当 た る か 否 か の 判 断 基 準 に つ い て 、 事 業 を 行 う 個 人 と は 、 当 該 事 業 の 収 支 の 結 果 を 自 己 に 帰 属 せ し め て い る 個 人 を い う も の で あ る と し た 上 で 、 他 の 諸 法 規 に お い て 雇 傭 者 と し て の 取 扱 い を 受 け て い る と い う こ と の み の 理 由 で 直 ち に 法 上 「 事 業 を 行 う 者 」 に 該 当 し な い と は い え ず 、「 そ の 事 業 に 従 事 し て い る 形 態 が 契 約 に よ っ て 明 確 に 規 制 さ れ て い る と き は 、 雇 傭 関 係 の 有 無 は そ の 契 約 内 容 に お け る 事 業 の 収 支 の 結 果 が 自 己 の 負 担 に 帰 属 す る か ど う か に よ っ て 判 断 し 、 ま た 契 約 の 内 容 が 上 記 の ご と く 明 確 で な い と き は 、 そ の 土 地 の 慣 習 、 慣 行 等 を も 勘 案 の う え 当 該 事 業 の 実 態 に 即 し て 判 断 す る こ と 」 と さ れ て い る ( 取 扱 通 知

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第 3 章 ・ 第 1 節 ・ 第 1 ・ 1 の 5 ・ ⑵ )。 ⑵ 東 京 都 で は 、 個 人 事 業 税 の 課 税 事 務 の 運 営 に 当 た り 、「 個 人 事 業 税 課 税 事 務 提 要 」( 平 成 2 4 年 8 月 1 日 付 2 4 主 課 課 第 1 5 3 号 東 京 都 主 税 局 長 通 達 。 な お 、 本 件 に 適 用 さ れ る の は 、 平 成 2 9 年 3 月 3 1 日 付 2 8 主 課 課 第 5 4 6 号 に よ る 改 定 後 の も の で あ る 。 以 下 「 事 務 提 要 」 と い う 。) を 策 定 し て い る 。 ア 事 務 提 要 に お い て は 、 事 業 税 に お け る 「 事 業 」 の 定 義 に つ い て 、「 事 業 と は 、 一 般 に 営 利 又 は 対 価 の 収 得 を 目 的 と し て 、 自 己 の 危 険 と 計 算 に お い て 独 立 的 に 反 復 継 続 し て 行 わ れ る 経 済 行 為 と 解 さ れ る 。 し か し 、 事 業 の 意 義 に つ い て は 地 方 税 法 上 特 段 こ れ を 定 義 す る 規 定 が 設 け ら れ て い な い た め 、 あ る 経 済 行 為 が 事 業 に 該 当 す る か ど う か の 判 断 は 、 最 終 的 に は 法 意 及 び 社 会 通 念 に 照 ら し て 行 う こ と と な る 。」 と し て い る ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 1 節 ・ 第 1 ・ 1 ・ ⑴ )。 イ 上 記 1 ・ ⑵ の と お り 、 第 一 種 事 業 に 該 当 す る も の と し て 、 法 7 2 条 の 2 第 8 項 2 3 号 に よ り 、「 代 理 業 」 も こ れ に 含 ま れ る こ と と さ れ て い る と こ ろ 、 事 務 提 要 で は 、 代 理 業 は 、 ① 一 定 の 商 人 の た め に ( 原 則 と し て 特 定 の 者 の た め に )、 ② 反 復 継 続 し て 行 わ れ 、 ③ 取 引 を 代 理 し 、 又 は 媒 介 す る 、 ④ 独 立 し た 事 業 で あ る と 認 め ら れ る こ と が 必 要 で あ る と す る 。 そ し て 、 代 理 業 の 認 定 基 準 に 関 し て 、「 個 人 事 業 税 の 代 理 業 に 該 当 す る か は 、 原 則 と し て 申 告 書 等 の 各 種 資 料 に 基 づ き 認 定 を 行 う 」 と し た 上 で 、「 個 人 事 業 税 に い う 代 理 業 は 、 通 常 は 、 自 ら が 支 配 、 管 理 す る こ と の で き る 営 業 所 を 有 し 、 営 業 費 を 支 出 し 、 自 己 の 活 動 形 式 と 労 働 時 間 を 決 定 し て 、 そ の な し た 行 為 に つ い て 手 数 料 を 歩 合 的 に 受 け 取 っ て い る も の で あ る こ と 。 身 分 的 従 属 関 係 の み を 重 視 し 、 実 質 的 に 自 己 の 責 任 に お い て 営 業 行 為 と み な し 得 る 収 支 計 算 を 行 っ て い る 者 に 対 し て 課 税 し な い こ と は 、課 税 の 均 衡 を 失 す る こ と と な る た め 、十 分 調 査 を 行 う こ と 。」

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と し て い る( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 1 、同 2 ・ ⑴ )。 ウ ま た 、 事 務 提 要 に お け る 留 意 事 項 と し て は 、「 外 交 員 、 外 務 員 等 の 名 称 や 名 目 上 の 契 約 に か か わ ら ず 、 実 態 と し て 代 理 業 の 定 義 を 満 た す 場 合 に は 代 理 業 に 該 当 す る 。 外 交 員 、 外 務 員 等 の 課 税 の 可 否 に つ い て は 、 過 去 に 具 体 的 な 個 々 の 事 例 に 関 し て 関 係 府 県 と 自 治 省 と の 間 に 照 復 が 行 わ れ 、 課 税 対 象 外 と 示 さ れ た 例 が あ る が 、 こ れ ら の 行 政 実 例 は い ず れ も 具 体 的 な 事 例 に つ い て 個 別 に 判 定 の 結 果 を 指 示 し て い る に 止 ま り 、 代 理 業 に 該 当 す る 外 交 員 、 外 務 員 等 ま で を 課 税 対 象 外 と す る 趣 旨 で は な い 。」 と す る ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 3 ・ ⑷ )。 3 以 上 を 前 提 に 、 ま ず 本 件 に つ い て 、 請 求 人 が 法 7 2 条 の 2 第 8 項 2 3 号 に 規 定 す る 「 代 理 業 」 を 行 う 「 事 業 を 行 う 個 人 」 で あ る と 認 め る こ と が で き る か 否 か に つ い て 、 以 下 に 検 討 す る 。 ⑴ 本 件 申 告 書 類 及 び 請 求 人 提 出 の 「 営 業 社 員 雇 用 契 約 書 」 に よ れ ば 、 請 求 人 は 、 平 成 2 1 年 3 月 1 日 、 本 件 会 社 と の 間 で 、 営 業 社 員 と し て の 契 約 ( 期 間 を 1 年 と し 自 動 更 新 の 条 項 が あ る 。) を 締 結 し て お り 、 平 成 2 8 年 1 月 1 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で に お い て 、 本 件 会 社 と の 間 の 同 契 約 に 基 づ い て 、 本 件 会 社 の た め に 、 生 命 保 険 外 交 員 と し て 、 平 常 の 業 務 と し て 保 険 募 集 業 務 及 び そ れ ら に 関 連 す る 一 切 の 業 務 ( 以 下 「 本 件 外 交 員 業 務 」 と い う 。) を 行 っ て い た も の で 、 本 件 外 交 員 業 務 の 遂 行 に よ り 、 本 件 会 社 か ら 、 歩 合 制 に よ り 報 酬 の 支 払 い を 受 け 、 こ れ を 、 請 求 人 の 平 成 2 8 年 に お け る 収 入 の う ち 、 営 業 等 に よ る 収 入 と し て ( な お 、 本 件 確 定 申 告 書 に よ る と 、請 求 人 は 、「 営 業 等 」に か か る も の の ほ か に も 収 入 ・ 所 得 の 申 告 が あ る 。)、 所 得 税 法 1 4 3 条 の 規 定 す る 青 色 申 告 の 方 法 を 利 用 し て 、 ○ ○ 税 務 署 長 に 対 し て 申 告 を 行 っ た も の で あ る と 認 め ら れ る 。 ⑵ 本 件 申 告 書 類 に よ る と 、 請 求 人 は 、 本 件 外 交 員 業 務 に よ り 、 本 件 会 社 か ら の 報 酬 と し て 収 入 ( 2 1 3 , 8 2 4 , 8 2 9 円 ) を 得

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る 一 方 で 、 自 宅 を 事 務 所 と し て 設 け て 維 持 す る こ と 及 び 事 業 用 の 車 両 、 小 型 艇 、 家 具 、 備 品 等 を 設 け る こ と に つ い て 、 上 記 収 入 を 得 る た め の 経 費 と し て 、 こ れ ら の 費 用 の 全 部 又 は 一 部 を 負 担 し て お り 、 本 件 青 色 申 告 決 算 書 に よ れ ば 、 地 代 家 賃 ( 1 0 , 6 4 6 , 0 7 5 円 )、 減 価 償 却 費 ( 1 9 , 1 3 5 , 9 8 4 円 ) 等 を 計 上 し て い る こ と が 認 め ら れ る 。 ま た 、 請 求 人 は 、 外 注 工 賃 と し て 4 , 4 9 0 , 2 4 0 円 を 計 上 し て お り 、 自 ら の 収 入 か ら 支 出 す る 経 費 と し て 、 外 部 の 者 に 業 務 の た め に 必 要 と す る も の の 加 工 等 を 請 け 負 わ せ る こ と に よ り 、 本 件 外 交 員 業 務 を 行 っ て い る こ と が 認 め ら れ る 。 さ ら に 、 旅 費 交 通 費 に つ い て 、 立 替 精 算 に よ る 本 件 会 社 負 担 の 制 度 が 存 在 す る に も か か わ ら ず 、 本 件 会 社 負 担 以 外 に 、 自 ら 8 , 9 4 1 , 4 4 4 円 を 支 出 し 、 接 待 交 際 費 に つ い て 5 7 , 1 6 8 , 5 8 2 円 を 負 担 し 、 販 売 促 進 費 も 2 , 5 4 8 , 4 9 8 円 を 負 担 し て 、 こ れ ら を 経 費 と し て 計 上 し て い る ほ か 、 給 料 賃 金 と し て 2 名 分 7 , 7 3 2 , 1 3 0 円 を 本 件 外 交 員 業 務 に 係 る 収 入 を 得 る こ と に 伴 う 経 費 と し て 支 出 し て い る こ と が 認 め ら れ る 。 こ の ほ か 、 請 求 人 の 配 偶 者 を 青 色 事 業 専 従 者 と し て 届 け 出 、 そ の 給 与 6 , 0 0 0 , 0 0 0 円 を 計 上 し て い る こ と も 認 め ら れ る 。 そ し て 、 上 記 青 色 事 業 専 従 者 の 給 与 以 外 の 各 種 経 費 と し て の 支 出 の 合 計 額 ( 1 3 3 , 1 5 9 , 5 8 3 円 ) が 、 営 業 等 に 係 る 事 業 収 入 の 額 ( 2 1 3 , 8 2 4 , 8 2 9 円 ) に 対 し て 、 約 6 2 . 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に 相 当 す る こ と か ら す れ ば 、 請 求 人 と 本 件 会 社 と の 関 係 が 両 者 の 間 で 取 り 交 さ れ た 「 営 業 社 員 雇 用 契 約 書 」 に 基 づ い て い る と し て も 、請 求 人 が 本 件 会 社 か ら 支 給 さ れ て い る 報 酬 は 、 請 求 人 が 単 に 一 従 業 員 と し て 本 件 会 社 に 労 務 の 提 供 を 行 い 、 本 件 会 社 か ら 受 け る 一 定 の 空 間 的 、 時 間 的 な 拘 束 の 下 、 継 続 的 な い し 断 続 的 に 本 件 会 社 に 対 し て 労 務 又 は 役 務 の 提 供 を し た 結 果 、 そ れ に 応 じ た 対 価 と し て 本 件 会 社 か ら 提 供 さ れ た も の と 評 価 す る こ と

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は 困 難 と い う べ く 、 む し ろ 、 こ の よ う な 収 支 の 結 果 は 、 各 種 経 費 を 、 自 ら の 裁 量 判 断 の も と に 自 ら 負 担 す る こ と に よ っ て 、 本 件 外 交 員 業 務 を 遂 行 し て 多 額 の 収 入 を 得 る 結 果 を も た ら し た 請 求 人 自 身 に 帰 属 す る も の と み る べ き で あ り 、 請 求 人 は 、 自 己 の 危 険 と 計 算 に お い て 本 件 外 交 員 業 務 を 行 っ て い る と 認 め る の が 相 当 で あ る 。 な お 、 本 件 外 交 員 業 務 は 、 歩 合 制 報 酬 で あ る そ の 性 質 上 、 営 利 又 は 対 価 の 収 得 を 目 的 と し て 行 わ れ る も の で あ る こ と は 明 ら か で あ る し 、地 代 家 賃 や 給 与 の 支 払 い が 年 間 を 通 し て 計 上 さ れ て お り 、 ま た 年 間 を 通 じ 月 ご と の 売 上 も あ る こ と か ら 、 反 復 継 続 し て 行 わ れ て い る も の で あ る こ と も 明 ら か で あ る 。 そ う す る と 、 本 件 外 交 員 業 務 は 、 営 利 又 は 対 価 の 収 得 を 目 的 と し て 、 自 己 の 危 険 と 計 算 に お い て 、 独 立 的 に 反 復 継 続 し て 行 わ れ る 経 済 行 為 で あ る と 認 め ら れ る か ら 、 事 務 提 要 の い う 「 事 業 」 に 該 当 し ( 2 ・ ⑵ ・ ア )、 請 求 人 は 、 事 業 を 行 う 個 人 で あ る と 認 め ら れ る 。 ⑶ 法 7 2 条 の 2 第 8 項 2 3 号 に 規 定 す る 「 代 理 業 」 に 該 当 す る か 否 か に つ い て 請 求 人 は 、 本 件 確 定 申 告 書 に お い て 自 ら の 職 業 を 「 生 命 保 険 外 交 員 」 で あ る と 申 告 し て お り 、 本 件 外 交 員 業 務 の 対 価 と し て 歩 合 制 に よ る 報 酬 を 得 て い る も の と 認 め ら れ る が 、 一 般 に 「 外 交 員 」 と は 、「 事 業 主 の 委 託 を 受 け 、 継 続 的 に 事 業 主 の 商 品 等 の 購 入 の 勧 誘 を 行 い 、 購 入 者 と 事 業 主 と の 間 の 売 買 契 約 の 締 結 を 媒 介 す る 役 務 を 自 己 の 計 算 に お い て 事 業 主 に 提 供 し 、 そ の 報 酬 が 商 品 等 の 販 売 高 に 応 じ て 定 め ら れ て い る 者 」 と 解 さ れ て い る ( 関 東 信 越 国 税 不 服 審 判 所 平 成 1 1 年 3 月 1 1 日 裁 決 ・ 国 税 不 服 審 判 所 ウ ェ ブ サ イ ト・公 表 裁 決 事 例 登 載・裁 決 事 例 集 N o .5 7 ― 2 0 6 頁 参 照 )。 ま た 、 保 険 業 法 は 、 2 条 2 6 項 に お い て 、「 保 険 募 集 」 と は 、 保 険 契 約 の 締 結 の 代 理 又 は 媒 介 を 行 う こ と を い う と 規 定 し て い る と

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こ ろ 、 本 件 外 交 員 業 務 に お い て 行 わ れ る 「 保 険 募 集 」 の 具 体 的 内 容 と し て は 、 保 険 契 約 の 締 結 の 勧 誘 、 そ の 勧 誘 を 目 的 と し た 保 険 商 品 の 内 容 説 明 、 保 険 契 約 の 申 込 み の 受 領 及 び そ の 他 の 保 険 契 約 の 締 結 の 代 理 又 は 媒 介 と い っ た 行 為 を い う も の と 解 さ れ る ( 金 融 庁 「 保 険 会 社 向 け の 総 合 的 な 監 督 指 針 ( 平 成 2 8 年 8 月 、 な お 平 成 3 0 年 2 月 改 定 後 も 同 様 )」 Ⅱ - 4 - 2 - 1 ・ ⑴ )。 保 険 業 法 2 7 5 条 1 項 は 、 同 項 各 号 に 定 め る 者 が 同 項 各 号 に 定 め る 保 険 募 集 を 行 う 場 合 を 除 く ほ か 、 何 人 も 保 険 募 集 を 行 っ て は な ら な い と 定 め て い る と こ ろ 、 同 項 1 号 に は 、「 次 条 ( 特 定 保 険 募 集 人 は 同 法 の 定 め る と こ ろ に よ り 内 閣 総 理 大 臣 の 登 録 を 受 け な け れ ば な ら な い 旨 を 定 め る 同 法 2 7 6 条 を 指 す 。)の 登 録 を 受 け た 生 命 保 険 募 集 人 そ の 所 属 保 険 会 社 等 の た め に 行 う 保 険 契 約 の 締 結 の 代 理 又 は 媒 介 」 と 規 定 さ れ て い る 。 ま た 、 同 法 2 7 6 条 の 登 録 の 申 請 が あ っ た 場 合 は 、 同 法 の 規 定 に よ り 登 録 を 拒 否 す る 場 合 を 除 い て 、 内 閣 総 理 大 臣 は 直 ち に 登 録 し な け れ ば な ら な い 旨 が 定 め ら れ て い る ( 同 法 2 7 8 条 1 項 )。 請 求 人 は 、 保 険 業 法 2 7 8 条 1 項 に よ る 登 録 が な さ れ て い る こ と か ら 、 同 法 2 7 5 条 1 項 1 号 に い う 生 命 保 険 募 集 人 と し て 、 本 件 会 社 の た め に 保 険 契 約 の 締 結 の 代 理 又 は 媒 介 を 行 っ て い る も の で あ る と 認 め ら れ る 。 こ の こ と を 事 務 提 要 に 照 ら し て い え ば 、 請 求 人 は 、 本 件 外 交 員 業 務 を 行 う に つ い て 、 ① 一 定 の 商 人 の た め に ( 原 則 と し て 特 定 の 者 の た め に )、② 反 復 継 続 し て 行 わ れ 、③ 取 引 を 代 理 し 、又 は 媒 介 す る 業 務 を 行 う 者 で あ る と 認 め ら れ る も の で あ る 。 な お 、 そ の 業 務 遂 行 の 態 様 は 、 単 な る 従 業 員 と し て の 労 務 の 提 供 に 止 ま ら ず 、 ④「 独 立 し た 事 業 で あ る 」と 認 め ら れ る 性 格 の も の で あ る こ と は 、 上 記 ⑵ の と お り で あ る か ら 、 本 件 外 交 員 業 務 は 、 事 務 提 要 が 掲 げ る 代 理 業 と し て の 要 件 ( 2 ・ ⑵ ・ イ ) を 充 た し て い る こ と が 認 め ら れ る 。

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以 上 の こ と か ら 、 請 求 人 が 生 命 保 険 外 交 員 と し て 行 う 本 件 外 交 員 業 務 は 、 個 人 事 業 税 の 課 税 対 象 で あ る 第 一 種 事 業 ( 法 7 2 条 の 2 第 3 項 )で あ る「 代 理 業 」( 同 条 8 項 2 3 号 )に 当 た る も の と 認 め ら れ る も の で あ る 。 4 次 に 、 本 件 処 分 に お け る 税 額 に つ い て 、 そ の 算 定 が 適 正 か 否 か を 検 証 す る 。 上 記 2 に よ り 、 請 求 人 は 、 個 人 事 業 税 の 納 税 義 務 者 と 認 め ら れ る と こ ろ 、 平 成 2 8 年 に お け る 請 求 人 の 事 業 の 所 得 の 金 額 は 、 事 業 主 控 除 の 額 2 9 0 万 円 を 超 過 す る も の と 認 め ら れ る か ら 、 当 該 事 業 の 所 得 の 計 算 に 必 要 な 事 項 を 申 告 す る 義 務 を 負 う も の で あ る が 、 同 年 の 所 得 に つ き ○ ○ 税 務 署 長 に 対 し 本 件 申 告 書 類 の 提 出 が な さ れ て い る た め 、 個 人 事 業 税 に つ い て も 申 告 が あ り 、 青 色 事 業 専 従 者 に 支 給 し た 給 与 の 総 額 、 青 色 申 告 特 別 控 除 の 適 用 を 受 け た 旨 に つ い て も 申 告 が な さ れ た も の と み な さ れ る こ と と な る ( 1 ・ ⑷ )。 そ こ で 、 本 件 申 告 書 類 を 基 に し て 個 人 事 業 税 の 課 税 標 準 を 算 定 す る に 、 ○ ○ 税 務 署 長 に 申 告 さ れ た 請 求 人 の 平 成 2 8 年 の 事 業 所 得 の 額 は 、 7 4 , 5 6 5 , 2 4 6 円 で あ る と こ ろ 、 こ の 金 額 は 、 国 税 に 固 有 の 青 色 申 告 特 別 控 除 ( 租 税 特 別 措 置 法 2 5 条 の 2 第 1 項 1 号 ) を 適 用 し た 後 の 金 額 で あ る た め 、同 控 除 額 と し て 計 上 さ れ た 1 0 0 , 0 0 0 円 に つ い て は 、 個 人 事 業 税 の 課 税 対 象 と す る 所 得 の 計 算 上 は 上 記 申 告 に か か る 事 業 所 得 の 額 に こ れ を 加 算 し 、 そ こ か ら 個 人 事 業 税 に お け る 事 業 主 控 除 の 額 2 , 9 0 0 , 0 0 0 円 ( 法 7 2 条 の 4 9 の 1 4 第 1 項 ) を 減 じ て 得 た 7 1 , 7 6 5 , 0 0 0 円 ( 法 2 0 条 の 4 の 2 第 1 項 の 規 定 に よ り 、 千 円 未 満 の 端 数 金 額 は 切 捨 て る 。) が 課 税 標 準 額 と な る も の で あ る ( 1 ・ ⑵ な い し ⑷ )。 そ し て 、 代 理 業 は 第 一 種 事 業 で あ る か ら ( 1 ・ ⑴ )、 上 記 に よ り 求 め た 課 税 標 準 額 7 1 , 7 6 5 , 0 0 0 円 に 、 第 一 種 事 業 に つ い て 東 京 都 に お い て 課 す る 個 人 事 業 税 の 税 率 1 0 0 分 の 5 ( 法 7 2 条 の 4 9 の 1 7 第 1 項 1 号 及 び 条 例 3 9 条 の 3 第 1 号 ) を 乗 じ た 額 3 , 5

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8 8 , 2 0 0 円 ( 法 2 0 条 の 4 の 2 第 3 項 の 規 定 に よ り 、 百 円 未 満 の 端 数 金 額 は 切 捨 て る 。) が 、 請 求 人 に 賦 課 す べ き 平 成 2 9 年 の 個 人 事 業 税 の 税 額 と な る も の で あ る ( 1 ・ ⑸ )。 本 件 処 分 に お け る 税 額 3 , 5 8 8 , 2 0 0 円 ( 別 紙 処 分 目 録 参 照 ) は 、 こ れ に 一 致 し て お り 、 違 算 等 の 事 実 は 認 め ら れ な い こ と は 明 ら か で あ る 。 5 以 上 の と お り 、 本 件 処 分 は 、 請 求 人 に 対 し て 、 請 求 人 が 平 成 2 8 年 に お い て 行 っ た 第 一 種 事 業 で あ る 代 理 業 に つ い て 、 法 令 等 の 定 め に 基 づ き 個 人 事 業 税 を 課 し 、 か つ 適 正 な 課 税 標 準 を 基 礎 と し て 税 額 を 算 定 し た も の で あ り 、 違 法 又 は 不 当 な 点 を 認 め る こ と は で き な い も の で あ る 。 6 請 求 人 の 主 張 に つ い て ⑴ 請 求 人 は 、 上 記 第 3 の と お り 主 張 し 、 請 求 人 は 本 件 会 社 に 雇 用 さ れ た 立 場 の 生 命 保 険 外 交 員 で あ っ て 、 独 立 し て 事 業 を 行 っ て い る 事 実 は な い か ら 、 個 人 事 業 税 の 賦 課 対 象 と は な ら な い 旨 を 主 張 し て い る 。 し か し 、 個 人 事 業 税 の 課 税 要 件 の 検 討 に お い て は 、 他 の 諸 法 規 に お い て 雇 用 者 と し て 取 扱 い を 受 け て い る こ と の み の 理 由 で 直 ち に 事 業 を 行 う 者 に 該 当 し な い と 判 断 す べ き で は な い こ と ( 取 扱 通 知 第 3 章 ・ 第 1 節 ・ 第 1 ・ 1 の 5 ・ ⑵ )、 身 分 的 従 属 関 係 の み を 重 視 す べ き で は な く 、 実 質 的 に 自 己 の 責 任 に お い て 営 業 行 為 と み な し う る 収 支 計 算 を 行 っ て い る か ど う か に つ い て 十 分 調 査 を す べ き こ と ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 2 ・ ⑴ ) が 求 め ら れ て い る 。 そ し て 、 こ れ ら の こ と を 踏 ま え た 上 で 検 討 し た 結 果 、 請 求 人 は 独 立 し て 事 業 を 行 っ て い る 個 人 と 認 め る こ と が 妥 当 で あ る こ と は 、 上 記 3 に 述 べ た と お り で あ る 。 す な わ ち 、 自 宅 を 事 務 所 と し て 地 代 家 賃 を 請 求 人 の 負 担 す る 経 費 と す る ほ か 、 営 業 収 入 か ら 多 額 の 経 費 を 負 担 し て お り 、 こ の こ と か ら す る と 、 本 件 外 交 員 業 務

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に つ い て は 、 本 件 会 社 と の 間 に 一 定 の 従 属 関 係 は あ る と は い え 、 営 業 の 相 手 方 や 営 業 の 方 法 の 選 択 等 そ の 他 実 際 の 営 業 活 動 に つ い て は 、 本 件 会 社 の 指 揮 命 令 に 従 っ て そ の 拘 束 の 下 に 遂 行 す る と い う 要 素 が 支 配 的 で あ る と は 推 測 で き ず 、 む し ろ 、 当 該 営 業 活 動 は 、 い か な る 経 費 を 投 入 し て 売 上 を 得 る の か 等 に つ い て 、 請 求 人 の 裁 量 に よ り 、 そ の 危 険 と 計 算 に お い て 行 わ れ て お り 、 収 支 の 結 果 は 請 求 人 に 属 し て い る と 認 め ら れ る べ き も の で あ る 。 そ う で あ る 以 上 、 た と え 本 件 会 社 に お い て 請 求 人 に 対 す る 報 酬 に つ い て 所 得 税 の 源 泉 徴 収 が あ り 、 ま た 、 雇 用 保 険 、 健 康 保 険 及 び 厚 生 年 金 の 保 険 料 が 本 件 会 社 を 通 じ て 徴 収 さ れ て い る 事 実 が あ っ た と し て も 、 そ れ ら の こ と は 上 記 認 定 の 妨 げ に は な ら な い も の と い う べ き で あ る 。 な お 、 請 求 人 が い う 通 達 に 相 当 す る も の と し て は 、「 代 理 業 ( 例 え ば 代 理 店 等 ) で な い 限 り 、 法 定 事 業 に 該 当 し な い も の と 思 料 さ れ る か ら 課 税 は 不 可 で あ る 。」 と す る 行 政 実 例 ( 昭 和 2 9 年 8 月 1 4 日 自 丁 府 発 第 6 2 号 福 井 県 総 務 部 長 あ て 自 治 庁 府 県 税 課 長 回 答 「 個 人 事 業 税 ( 生 命 保 険 外 交 員 に 対 す る 課 税 ) の 疑 義 に つ い て 」) が あ る が 、 こ の 回 答 は 、 当 該 照 会 の あ っ た 個 別 具 体 的 な 事 例 に つ い て 判 定 の 結 果 を 指 示 し て い る に 止 ま る も の で あ る 。 そ し て 、 生 命 保 険 外 交 員 の 身 分 を 有 す る 個 人 で あ っ て も 代 理 業 に 該 当 す る と 認 定 す べ き 場 合 が あ る こ と を 一 律 に 否 定 し 、 そ の よ う な 認 定 が 可 能 な 場 合 ま で 全 て 課 税 対 象 外 と す る 趣 旨 の 通 達 は 存 在 し な い も の で あ る ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 3 ・ ⑷ )。 以 上 の と お り で あ る か ら 、 請 求 人 の 上 記 主 張 は 、 理 由 が な い 。 ⑵ な お 、 請 求 人 は 、「 判 定 基 準 」 に つ い て も 言 及 し て い る 。 事 務 提 要 で は 、 代 理 業 の 認 定 に つ い て 、「 認 定 基 準 」 の 項 に お い て 、「 個 人 事 業 税 の 代 理 業 に 該 当 す る か は 、 原 則 と し て 申 告 書 等 の 各 種 資 料 に 基 づ き 認 定 を 行 う 。 そ の 上 で な お 実 態 等 に 疑 義 が 生 じ る 事 例 に つ い て は 、 下 記 の 判 定 基 準 も あ わ せ て 精 査 す る こ と で 認

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定 を 行 う も の と す る 。」 と し て い る と こ ろ で あ る が ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 2 )、 当 該 「 判 定 基 準 」 は 、 具 体 的 に は 、 納 税 者 が 行 う 業 務 に つ い て 、 個 人 事 業 税 の 賦 課 対 象 と な る 代 理 業 に 該 当 す る か 否 か を 、 報 酬 支 払 の 方 法 、 営 業 所 の 所 有 及 び 営 業 費 の 分 担 関 係 、 活 動 形 式 と 労 働 時 間 の 拘 束 関 係 な ど に つ い て 各 種 項 目 を 設 け て 、 項 目 ご と に Y ( Y E S )、 N ( N O ) を 決 定 し 、 該 当 す る 項 目 の 多 寡 を 基 準 に 判 定 を 行 う と い う も の で あ る ( 同 2 ・ ⑵ )。 そ し て 、 事 務 提 要 の 「 留 意 事 項 」 に お い て は 、「 判 定 基 準 は 絶 対 唯 一 の 判 定 と な る も の で は な く 、 判 定 の 結 果 に つ い て な お 不 合 理 が あ る と 考 え ら れ る と き は 、 そ の 他 の 事 情 を も 十 分 勘 案 し て 最 終 的 判 定 を 下 す も の と す る 。 具 体 的 に は 、 判 定 基 準 に よ る 結 果 が 各 種 資 料 に 基 づ い て 総 合 判 断 さ れ る 結 果 と 異 な り 、 そ の 総 合 判 断 に 用 い ら れ た 資 料 の 挙 証 能 力 が 判 定 基 準 の 各 項 目 に よ っ て 表 さ れ る も の よ り も 高 い と 認 め ら れ る 場 合 な ど に は 、 一 律 に 判 定 基 準 を 適 用 せ ず 、 各 種 資 料 に 基 づ い た 総 合 判 断 に よ り 認 定 を 行 う こ と 。」 と さ れ て い る ( 事 務 提 要 第 3 章 ・ 第 2 節 ・ 第 2 3 ・ 3 ・ ⑸ )。 代 理 業 の 認 定 に お け る 上 記 の よ う な 判 定 基 準 の 位 置 づ け か ら す る と 、 そ も そ も 判 定 基 準 に 依 拠 す る ま で も な く 、 申 告 書 類 等 か ら 、 納 税 者 の 業 務 を 代 理 業 と 認 定 し て 個 人 事 業 税 を 賦 課 す る 処 分 を 行 っ た か ら と い っ て 、 そ の こ と か ら 当 該 賦 課 処 分 が 直 ち に 違 法 ・ 不 当 と な る も の で は な い こ と は 明 ら か で あ る 。 ま た 、 本 件 に 関 し て い え ば 、 本 件 申 告 書 類 に 基 づ い て 、 本 件 外 交 員 業 務 が 個 人 事 業 税 の 対 象 と な る 代 理 業 に 該 当 す る と 認 定 す る こ と は 十 分 に 可 能 で あ り 、 当 該 認 定 に つ い て さ ら に 疑 義 が 生 じ る よ う な も の で は な か っ た も の と 認 め ら れ 、 本 件 申 告 書 類 を 基 に 行 っ た 処 分 庁 の 認 定 判 断 が 適 法 か つ 妥 当 な も の で あ る こ と は 、 上 記 3 に 述 べ た と こ ろ か ら 明 ら か で あ る か ら 、 請 求 人 の 主 張 す る 点 に つ い て は 、 本 件 処 分 を 違 法 又 は 不 当 と す べ き 理 由 と し て 採 用 す る こ と は で き な い も の で あ る 。

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7 請 求 人 の 主 張 以 外 の 違 法 性 又 は 不 当 性 に つ い て の 検 討 そ の 他 、 本 件 処 分 に 違 法 又 は 不 当 な 点 は 認 め ら れ な い 。 以 上 の と お り 、 審 査 会 と し て 、 審 理 員 が 行 っ た 審 理 手 続 の 適 正 性 や 法 令 解 釈 の 妥 当 性 を 審 議 し た 結 果 、 審 理 手 続 、 法 令 解 釈 の い ず れ も 適 正 に 行 わ れ て い る も の と 判 断 す る 。 よ っ て 、「 第 1 審 査 会 の 結 論 」 の と お り 判 断 す る 。 ( 答 申 を 行 っ た 委 員 の 氏 名 ) 松 井 多 美 雄 、 宗 宮 英 俊 、 大 橋 真 由 美 別 紙 ( 略 )

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