オペアンプ基礎
2020
年9
月30
日群馬大学協力研究員 東京電機大学非常勤講師
中谷 隆之 1)オペアンプとは?(理想オペアンプ)
2)増幅器回路の基本
・反転増幅器と非反転増幅器 3)負帰還の効果
・精度や歪の改善
・入力抵抗の理想化、出力抵抗の理想化 4)キーとなるオペアンプ仕様
・DC特性(入力バイアス電流、オフセット電圧/電流と温度ドリフト)
・AC特性(周波数特性、スルーレート、歪、雑音など)
5)電圧帰還オペアンプと電流帰還オペアンプ
・汎用、高精度、高速オペアンプの選択
・電圧モードオペアンプと電流モードオペアンプの選択
実践的
オペアンプ ( 演算増幅器)
2
オペアンプはアナログ回路設計における基本コンポーネント。
名前の通り、様々な演算(線形演算、非線形演算)が可能なコンポーネント オペアンプを用いた回路設計のポイントを理解しよう。
線形回路応用:
・増幅(ゲインアンプ)
・信号加減算
・差動増幅
・電圧源
・電流源
・電圧
-
電流変換・電流
-
電圧変換・アクティブフィルタ
・積分回路
・微分回路 など
非線形回路応用:
・対数演算
・指数演算
・平方根演算
・乗算
/
除算演算・絶対値演算
・正弦波発振
・方形波、三角波発振
・リミッタ回路 など
http://www.philbrickarchive.org/
1952 年
世界初商用真空管オペアンプ
K2-W GAP/R
社(George A Philbrick)
真空管:12AX7 2
本 ゲイン:X15,000 (84dB)
電源:±300V4.5mA
信号レンジ:±50V
価格:20
ドル用途:
アナログコンピュータ
1963
年世界初モノリシックオペアンプ
μA702 Fairchild
ゲイン:
68dB
電源:+12V/-6V
価格:
300
ドル(売れず)1965
年μA709 Fairchild
ゲイン:94dB
電源:±15V
商業的に大成功Operational Amplifier
オペアンプ重要技術
・負帰還
(Negative Feedback)
・差動対
( Differential Pair)
理想オペアンプ
理想オペアンプの条件
・オープンループゲインが無限大
・入力インピーダンスが無限大 すなわち入力電流がゼロ
・出力インピーダンスがゼロ
すなわち出力電流による出力電圧変化なし
・周波数特性が無限大
・パルス立ち上がりや立下り時間がゼロ(スルーレートが無限大)
・入力オフセット電圧がゼロ。温度影響なし
・内部雑音ゼロ
実際のオペアンプ回路設計では、
・まず理想オペアンプで回路設計を行い
・次に様々な特性劣化要因、誤差要因
を検討して最適なオペアンプを選択し回路設計 を行うとやりやすい。
Ideal Op Amp.
出力 反転入力
非反転入力 +
- A
Non-inverting input
inverting input
A
反転入力 非反転入力
オペアンプのシンボル
この様なシンボルもある
4
基本的な使い方:反転増幅回路
いろいろな言い方 バーチャル・ショート バーチャル・グランド イマジナリ・ショート イマジナリ・グランド
仮想接地、仮想グランド、
仮想短絡
二つの入力端子(反転入力と非反転入力端子)の電圧差が
0V
というバーチャル・ショート(仮想短絡)の考えを利用すると回路設計が簡単。そうすればオームの法則程度で設計可能。
入力
出力
Vout Vin
0V R1
仮想接地
R2
基準点
R1
R2
Vin
仮想接地Vout
V1≈0V
電流
I
反転増幅回路は
シーソーと同じ考え方
負帰還が正しく動作していると、
・オペアンプの反転入力はバーチャルグランド(
V1≈ 0V )
・入力電流は
I=Vin/R1
・この電流は
R2
にのみ流れて、R2
の両端にVR2=Ix R2
すなわち
電流
I
𝐕𝐨𝐮𝐭 = −𝐈 𝐱 𝐑𝟐 = −𝐕𝐢𝐧 𝐑𝟐 𝐑𝟏
𝑮𝒂𝒊𝒏 = − 𝑹𝟐 𝑹𝟏
反転ゲイン式
Inverting amplifier
R1,R2 抵抗の絶対精度ではなく比精度が重要
反転増幅回路の特徴
反転増幅回路の特徴
・入出力の位相が反転
・入力抵抗が低い(
Rin
になる)・
CMRR
(同相信号除去特性)の影響受けない 反転入力の電位が固定されて入る為・簡単に信号の加算回路が作れる
Rin
Rf
Vin Vout
入力抵抗
帰還抵抗
R1 R2
Rf Vin1
Vin2
Vout 信号の加算
~
~
𝑽 𝒐𝒖𝒕 = − 𝑹 𝒇
𝑹 𝟏 𝑽 𝒊𝒏𝟏 + 𝑹 𝒇
𝑹 𝟐 𝑽 𝒊𝒏𝟐
R
の最適抵抗値範囲(
経験的に)・高精度
DC
応用:10K~100KΩ
高い抵抗精度(組抵抗)得るには
100KΩ
が限度 抵抗値大きくすると抵抗雑音が増加・
Audio
帯域応用:2K~20KΩ
周波数帯域確保、抵抗からの雑音低くするため
・
Video
帯域応用:200
~2KΩ
周波数帯域確保するため抵抗値は高くできない これ以上抵抗下げると電力増加と歪増加
信号切り替え / ゲイン切り替え回路
6
反転増幅回路+ CMOS スイッチ
で入力切替やゲイン切り替え回路を構成 すると、
CMOS
スイッチのON
抵抗がゲイン 精度に影響する.
CMOS
スイッチのON
抵抗は数十~数百Ω
しかも、温度や信号レベルでON
抵抗が変化R1 R2
Vin1 R3
Vin2
CMOS
スイッチr on1 r on2
Vout
反転増幅
反転増幅回路で CMOS スイッチの ON 抵抗が問題とならないゲイン切り替え
V
in1V
in2V
OUTR1 R2
R3 R4
SW1 SW2
V
inV
OUTR1 R2 R3
SW1 SW2
𝐆 𝐚𝐢𝐧 1=- 𝐑
𝟐+𝐑
𝟑𝐑
𝟏𝐆 𝐚𝐢𝐧 𝟐=- 𝐑
𝟑𝐑
𝟏+𝐑
𝟐基本的な使い方:非反転増幅回路
非反転増幅回路でもバーチャル・ショート(仮想短絡)の考えを利用する 。
非反転増幅回路の特徴
・入出力の位相が同相
・入力抵抗が極めて高い。この特徴が重要
CMOS
スイッチを用いたゲイン切り替え回路 などに多用されるR1
R2
Vin
Vout
GND 0V
非反転増幅器の考え方
負帰還が正しく動作していると、
・反転入力は非反転入力電位が入力電圧に と等しくなる
・
R1,R2
に流れる電流は、I=Vin/R1
・出力
Vout
はR1
とR2
にかかる電位の足し算Vout=Vin+(I x R2)
すなわち𝑽𝒐𝒖𝒕 = 𝑽𝒊𝒏 + ( 𝑽𝒊𝒏
𝑹𝟏 R2)=Vin(1+ 𝑹𝟐
𝑹𝟏 )
Non-inverting amplifier
Vin Vout
R1 R2
バーチャルショートで この電位は
Vin
電流
I Vin
非反転増幅ゲイン式
𝐈 = 𝐕𝐢𝐧
𝐑𝟏
𝑮 𝒂𝒊𝒏 =1+ 𝑹 𝟐
𝑹 𝟏
信号切り替え / ゲイン切り替え回路
8
非反転増器の入力インピーダンスが非常に大きい(理想オペアンプでは無限大)特性を利用
・信号源抵抗 Rs の影響を無視できる
・非反転増幅回路をゲイン切り替えに使用すると、 CMOS スイッチの ON 抵抗が無視できる
CMOS
スイッチR1
R3 R2 r on1
r on2
- +
~
Vin
Rs
Vs
信号源
Zin= ∞
Zin
= ∞
+ Vout
-
ゲインを決める抵抗は
高精度レシオ特性
(
比精度)を持つ アレイ抵抗(組抵抗)使用CMOS
オン抵抗ron
の影響は、オペアンプ反転入力 インピーダンスが高いため無視できる非反転増幅
Gain𝟏 = 𝟏 + 𝐑
𝟏𝐑
𝟐+𝐑
𝟑𝐆ain2=1+ 𝐑
𝟏+𝐑
𝟐𝐑
𝟑CMOS アナログスイッチを用いたゲイン切り替え回路
9
・非反転増幅で X1,X10,X100,X1000 ゲイン切り替え
・ AD797 はバイポーラ入力超低雑音オペアンプ。等価入力雑音 0.9nV/√Hz(typ)
・ ADG412 は汎用 CMOS アナログスイッチ。 Ron = 25Ω(typ) 、 ton=175ns(typ)
CMOS
アナログスイッチRon
特性ADG412
10K
1K
100Ω 11.1Ω x1 x10
x100 x1000 20p
1K
1K
1K +15V
-15V 1K
Vin Vout
スイッチ 制御
(
TTL)
0.1μ
0.1μ
0.1μ 0.1μ 0.1μ ADG412
AD797
+15V -15V
+5V 高精度アレイ抵抗
ADG412データシートAnalog Devices反転増幅+非反転増幅組み合わせ:信号加減算回路
10
・オペアンプの反転、非反転回路を組み合わせると信号の加減算回路(差動回路)を構成できる
・左回路だと入力抵抗低いので、各入力に非反転増幅回路を付加して高精度差動回路
(Differential Amplifier)を実現。
加減算(差動)回路 V
in1V
in2R1 R2
R3
R4
V
OUTR1=R3
R2=R4
とすると𝑽𝒐𝒖𝒕 = 𝑹𝟐
𝑹𝟏 (V in2 -V in1 )
差動回路:Vdiff差動信号のみ増幅しVCOM同相信号(誘導雑音など)は除去
R1
R3
R2
R4
R5
R6
R7 +
+ - -
V
OUTVin1
Vin2
V
diffV
COM~
~
高精度差動増幅回路
R1=R2 R4=R5=R6=R7
とするとVout=(1+
𝟐𝐑𝟏𝐑𝟑) 𝐕𝐢𝐧𝟐 − 𝐕𝐢𝐧𝟏 = (1+ 𝟐𝐑𝟏
𝐑𝟑 )𝐕 𝐝𝐢𝐟𝐟
Vin1
Vin2
差動信号
(
信号成分)同相信号
(雑音成分)
Note:
右回路も仮想短絡の考え方使えばオームの法則で解析可能負帰還システム
11
・負帰還は 1927 年にベル研の Harold S. Black により発明
・増幅度 A を有する増幅器出力から帰還増幅度 β (通常減衰系)を介した信号を 入力に負帰還する。増幅度 A が充分に大きいと、ゲインは β により決まる。
負帰還の効果を知る Negative Feedback
β
回路は一般的に抵抗網で構成増幅度 A
帰還増幅度 β
+ Σ
-
入力
Vin 出力
帰還 Vout V
βVout=A 𝑽 𝒊𝒏 − 𝑽 𝜷
=A 𝑽 𝒊𝒏 − 𝜷𝑽 𝒐𝒖𝒕
𝑽 𝒐𝒖𝒕
𝑽 𝒊𝒏 = 𝟏 𝜷
𝟏 𝟏 + 𝟏
𝑨𝜷
Vout V
βR1
R2 β= 𝑹𝟏
𝑹𝟏+𝑹𝟐
𝑽
𝜷= 𝑹𝟏
𝑹𝟏 + 𝑹𝟐 𝑽
𝒐𝒖𝒕Harold S. Black
負帰還の基本原理と効果
12
負帰還:
オペアンプ出力を位相反転して入力へ帰還すること 負帰還の主な効果
・安定なゲインの確保、高精度化、歪の改善
・オペアンプ出力インピーダンスの低減
・オペアンプ入力インピーダンスの増加
負帰還動作時の入出力関係式
Vout=Vin 𝑨
𝟏+𝑨𝜷
𝛃 = 𝐑𝟏 𝐑𝟏 + 𝐑𝟐
Vin Vout
R1 R2 β 回路
A
・オープンループゲイン: A
・帰還率: β
・ループゲイン: Aβ
・帰還量: 1+Aβ
・クローズループゲイン: G
Vin Vout
+ - A
負帰還 ループ
βVout β
𝑮 = 𝑽𝒐𝒖𝒕
𝑽𝒊𝒏 =(1+ 𝑹𝟐
𝑹𝟏 )( 𝟏
𝟏+ 𝟏
𝑨𝜷
)
𝟏
𝜷
誤差項負帰還の効果:高精度化
例えばオープンループゲイン A
OL=100dB(=10
5) を有するオペアンプで、クローズゲイン A
CL=40dB (x 100 )で使用すると、帰還量 Aβ は 60dB となり、精度、歪などが 60dB(x1000 または 1/1000) 改善される
𝑽𝒐𝒖𝒕
𝑽𝒊𝒏 =(1+ 𝑹𝟐
𝑹𝟏 )( 𝟏
𝟏+ 𝟏
𝑨𝜷
)
誤差項 周波数
(Hz)
100
80
60
40
20
0
ゲ イ ン (d B)
10 100 1k 10k 100k 1M
クローズループゲイン :
A
CL=1+R2/R1
オープンループゲイン :A OL
帰還量 1+Aβ
(≒ループゲイン Aβ
)-6dB/oct(-20dB/dec) の一次特性
帰還量
(1+Aβ)≈ 𝑨β
これが精度や歪の改善に 寄与する
回路設計では、この 帰還量が必要な精度 を満たす様に設計
帰還量
60dB
だと0.1%
精度0.01%
精度必要なら帰還量は
80dB
確保周波数
2
倍で-6db
減衰 周波数10
倍で-20dB
減衰負帰還:オープンループゲインが及ぼす精度
14
1M 100K
10K 1K
100 10
1 0
-1.0 +40 +100 +120
ゲ イン 誤差
(% )
-0.5
ゲイ ン(dB)
拡大
オープンループゲイン 120dB と 100dB オペアンプ(ユニティゲイン周波数は 1MHz で同じ)
クローズループゲイン 20dB(x100) としたときの、ゲイン精度をシミュレーション
A
OL=120dB オペアンプではゲイン誤差 0.01%,A
OL=100dB オペアンプではゲイン誤差 0.1%
𝐀
𝐎𝐋= 𝟏𝟐𝟎𝐝𝐁 𝟏0𝟎𝐝𝐁
𝐀
𝐂𝐋= 𝟒𝟎𝐝𝐁(𝐱𝟏𝟎𝟎)
𝐀
𝐎𝐋= 𝟏𝟎𝟎𝐝𝐁 クローズループゲイン精度
シミュレーション
負帰還:ノイズゲインと信号ゲイン
15
信号ゲイン
=1+R2/R1
信号ゲイン
=-R2/R1
信号ゲイン
=-R2/R1
信号ゲイン
=-R2/R3
信号ゲイン
=-R2/R1
ノイズゲイン
=1+R2/R1
ノイズゲイン
=1+R2/R1
ノイズゲイン
=1+
𝐑𝟏∕∕𝐑𝟑𝐑𝟐ノイズゲイン
=1+
𝐑𝟏∕∕𝐑𝟑𝐑𝟐・
Vin
入力に対するVout
出力へは 信号ゲインで決まる・電圧ノイズやオフセット電圧は ノイズゲインで決まる
・負帰還の安定性に寄与する
β
は ノイズゲインによる・非反転増幅器では、信号ゲインと ノイズゲインは同じ
・反転増幅器では、信号ゲインと ノイズゲインが異なる
・負帰還回路で(
D)
の様にR3
追加すると 帰還の安定性は向上するが精度劣化、雑音増加、
オフセット電圧誤差増加を伴う
(A)
非反転増幅(C)
反転加算増幅(B)
反転増幅(D)
位相補償でR3
追加Vin
+ Vout
-
Vin1 Vin2
Vout
R1 R2
R1
R3 R2
+ -
Vin
Vout R1
R3 R2
+ -
Vin Vout
R1 R2
+ - 信号ゲイン:入出力間の信号ゲイン
ノイズゲイン:帰還量を決め、精度を決める
非反転増幅では
信号ゲイン=ノイズゲイン
実際のオペアンプオープンループゲイン直線性
16
入力
30μV
出力 20V
8μV -27%
高精度オペアンプ OP177 の オープンループ DC 直線性の例
・オープンループゲイン
A
OL≒20V/30μV=6.67x10
5=116dB
・±
10V
出力における、エンドポイント 法での最大非直線性誤差は約
27%
もある。図はOP177データシートAnalog Devices
・オープンループ直線性があれば簡単にゲイン補正で精度維持可能
・実際のオペアンプにおけるオープンループゲインは非安定性、非直線性が数十
%
にも及ぶ 原因は温度、負荷、電源電圧、信号レベル依存性ほか様々・このため負帰還で必要精度を確保するには帰還量
1+Aβ
が必要 入力出力
オペアンプの出力インピーダンス特性
シミュレーション オペアンプ
Aol
特性100dB
0dB 10Hz 1MHz
負帰還を施したオペアンプの出力インピーダンス
A + -
オープンループ 出力抵抗
Ro
オペアンプはオープンループで数十~数百 Ω の出力抵抗がある。
負帰還をかけると、出力インピーダンスは帰還量だけ改善(出力インピーダンスが低下)
Zo
𝒁𝒐 ≈ 𝑹𝒐 𝑨𝜷
オープンループ特性が周波数特性を持つので、周波数高くなると帰還量が減り 出力インピーダンスは高なる。
Aβ が 80dB あれば Ro が 𝟏
𝟏𝟎
𝟒倍される
10 100 1K 10K 100K 1M 10M
100 10 1 100m 10m 1m
出力インピーダンス
Zo (Ω
)周波数
(Hz)
出力インピーダンス特性
(シミュレーション)・非反転バッファ
・オープンループゲイン
100dB
・ユニティゲイン周波数
1MHz
・オープンループ出力抵抗
100Ω
オペアンプの入力インピーダンス特性
18
オープンループ入力抵抗
Rin=100KΩ
とした時の、入力インピーダンス特性(シミュレーション)シミュレーション オペアンプ
Aol
特性100dB
0dB 10Hz 1MHz
負帰還によりバイポーラ入力オペアンプの入力抵抗を理想に近づける オープンループ入力抵抗値が、負帰還効果で Aβ 倍される。
A +
Zin -
𝑍𝑖𝑛 = 𝐴β Rin
オープンループ特性が周波数特性を持つので、周波数高くなると帰還量が減り 入力インピーダンスは低くなる。
Aβ が 80dB あれば Rin が 10
4倍される
100k 1M
10M 100M
1G 10G
0dB 20dB
1M 100k
10k 1k
100 10
𝐀
𝐂𝐋= 𝟒𝟎𝐝𝐁
周波数
(Hz)
入力インピーダンス
(Ω
)負帰還:負帰還系の安定性に留意
・一般的な汎用オペアンプは、単一極のみを持つ一次特性に内部位相補償されている。
このため、
x1
~Aol
までのクローズループゲインにおいて、安定して使用可能(発振しない)・オープンループ特性に
2
つ以上の極を持つと、クロズーループゲンイをx1
からfp2
の範囲で使用 すると発振。fp1
~fp2
の範囲で使用すれば負帰還の系は安定。クローズループゲイン 全て範囲で
負帰還系は安定
この範囲だと不安定
(
発振)この範囲だと 安定
周波数
(Log
) 周波数(Log
)fp1 fp1
fp2
オープンループゲイン
(d B )
オープンループゲイン
(dB )
-6dB/oct (-20dB/dec)
-6dB/oct (-20dB/dec)
-12dB/oct (-40dB/dec)
0 0 0
A
OLA
OLA
CLA
CL2 つの極(時定数)を持つ負帰還
20
2
つの極(
時定数)を持つオペアンプ回路において、2
つ目の極をfp2
とすると・クローズループゲイン
ACL
をfp2
以上とすると不安定・
ACL
がfp2
だと、周波数特性上に+3dB
のピーク発生(
位相余裕45
度)・
ACL
を1/fp2
以下とすると、ピークの発生はほとんどない(位相余裕60
度)・
fp2
の極が不安定性に影響する低いACL
で使用する場合は、位相補償を行う 極-
ゼロ補償や、fp1
を低い周波数に移すなどfp1
に極を持つオペアンプRo
CL
負帰還
+ -
Ro
とCL
によるfp2
2 つの極(時定数)が出来る例
負荷容量
A
OLA
CLf
p2f
p1-6dB/oct(-20dB/dec)
-12dB/oct (-40dB/dec)
f
C< f
p2/2
周波数
(Hz)
クローズループゲインA
CLをこの範囲で使用する
クローズループゲイン
A
CLを この範囲で使用すると不安定ゲイン
(d B)
オペアンプの主な仕様
入力特性 主な単位
AC動的特性
主な単位入力オフセット電圧
(Vos) mV
ゲインバンド幅積(GBW) MHz
オフセット電圧ドリフト(dVos/dT)
μV/℃ フルパワーゲインバンド幅(FPBW) MHz
入力バイアス電流(Ib) nA
スルーレート(SR) V/μs
入力オフセット電流(Ios) nA
高調波歪み(HD2,HD3) %
同相入力電圧範囲(Vcm) V
全高調波歪み+雑音(THD+N) %
同相信号除去比(CMRR) dB
セトリング時間(ts)
μs オープンループループゲイン(Aol) dB
入力インピーダンス
(Zin) kΩ//pF
雑音特性入力電圧雑音
(En:0.1~10Hz)
μV/p-p出力特性 等価入力電圧雑音密度
(e
n) nV/ H
Z出力電圧範囲
(Vo) V
等価入力電流雑音密度(i
n) nA/ H
Z最大出力電流
(Io) mA
短絡電流
(Is) mA
電源特性出力インピーダンス
(Zo)
Ω 電源電圧(Vs) V
最大容量負荷
(Cload) pF
静的電源電流(Is) mA
電源電圧変動(PSRR) dB
代表的なオペアンプ仕様
オペアンプの仕様を理解しよう
入力オフセット電圧・バイアス電流・オフセット電流
22
入力オフセット電圧は、オペアンプ入力段を構成する
2
つのトランジスタ(差動回路)のベース-
エミッタ間電圧Vbe
差により発生。FET
入力オペアンプでは差動構成FET
のゲート-
ソース間 電圧Vgs
差により発生。入力バイアス電流は、入力トランジスタのベース電流
. FET
ではゲート電流は、ほとんど無視できる。入力オフセット電流は、+入力と
-
入力の 入力バイアス差Ios=Ib(+)-Ib(-)
入力オフセット電圧
Vos I b+
I b-
入力バイアス電流
A
+
-
2I
I I Q1 Q2
FET 入力オペアンプ 入力部
+ -
𝑉
𝑂𝑆= 𝑉
𝑔𝑠1− 𝑉
𝑔𝑠2入力オフセット電圧
2I
I I
Q1 Q2
バイポーラ入力 オペアンプ入力部
+ - Ib+
Ib-
𝑉
𝑂𝑆= 𝑉
𝑏𝑒1− 𝑉
𝑏𝑒2入力オフセット電圧 入力
バイアス電流 入力
バイアス電流 は
pA
Differential pair
入力オフセット電圧・バイアス電流・オフセット電流の影響
オペアンプの入力オフセット電圧 Vos および入力バイアス電流 Ib の影響を計算 出力換算オフセット誤差 (RTO)=Vos 1 + 𝑅
2𝑅
1+ {𝐼 𝑏+ ⋅ 𝑅 3 1 + 𝑅
2𝑅
1} − (𝐼 𝑏− ⋅ 𝑅 2 )
入力換算オフセット誤差 (RTI)=𝑉 𝑂𝑆 + 𝐼 𝑏+ ⋅ 𝑅 3 − 𝐼 𝑏− 𝑅
1∙𝑅
2𝑅
1+𝑅
2ただし 𝑅 3 = 𝑅
1∙𝑅
2𝑅
1+𝑅
2ならば 入力換算オフセット誤差 (RTI)=𝑉 𝑂𝑆
ノイズゲイン =𝟏 + 𝐑
𝟐𝐑
𝟏V in1 に対する
信号ゲイン = 𝟏 + 𝐑
𝟐𝐑
𝟏V in2 に対する
信号ゲイン =− 𝐑
𝟐𝐑
𝟏+ -
入力オフセット電圧
入力バイアス電流
Refer to output
Refer to input
FET 入力オペアンプの入力バイアス電流
24
FET入力オペアンプの入力バイアス電流はバイポーラ入力タイプに比べ極めて低い
FETゲート電流は、周囲温度+自己発熱により大きく影響され、 10度で2倍
増加する。また入力レベル(CMV:同相電圧)によりバイアス電流が変化する。
高インピーダンス部分の高精度回路設計では要注意。
汎用FET入力 オペアンプ(LF412) 入力バイアス電流
約50pA
汎用FET入力 オペアンプ(LF412) 入力バイアス電流 温度特性
高速・高精度FET 入力オペアンプ
(OP627)
入力バイアス電流
TIデータシートより
100 80 60 40 20
0 -5 0 5 10
-10
同相(入力)電圧(V) 入
力 バイ アス 電流(PA)
1p 10p 100p 1n 入 10n 力 バイ アス 電流(A)
-50 0 50 100
温度(℃)
-50 0 50 100 150
接合部温度(℃) 1p
10p 100p 1n 10n
0.1p 入 力 バイ アス 電 流(A
)
OPA627
入力 バイアス電流 温度特性1.0 1.1 1.2
0.9
0.8-15 0 15
同相(入力)電圧 (V) 入
力 バイ アス 電流( 倍 率)
オープンループゲイン特性
25
汎用タイプLF412 オープンループゲイン
A OL =106dB
高精度タイプOP177 オープンループゲイン
A OL =140dB
ビデオ用高速タイプAD8045 オープンループゲイン
A OL =63dB
・DCにおけるオープンループゲインA
OLは
汎用オペアンプで約106dB,高精度タイプで120dB以上、ビデオ用で約60dB
・基本的には1次特性(-6dB/oct,-20dB/dec)になっており、0dBのクローズループで 使用しても安定となるように内部位相補償されている
・広帯域オペアンプではx2やx10以上で安定となるように内部位相補償してある品種もある
100
0 80 60 40 20 120
1M 10K
100 1
利 得(dB)
周波数(Hz)
0 80
40 120 140
1M 10K
100 0.01 1
周波数(Hz) 利
得(dB)
0 20 40 60
1G 10M
100K 1M 100M
0
-90
-180
-270
-360 位相
ゲイン 利
得(dB)
位相
(deg)
Open loop gain
同相信号除去( CMRR) 特性
26
オペアンプの入力電圧が変化すると 同相信号除去特性(CMRR)を受け 入力部での誤差要因となる。
・非反転増幅回路で影響
・反転増幅回路では影響受けない 反転、非反転入力が≒0Vのため
・CMRRは周波数特性を有する オープンループ(AOL
)に似た特性
非反転増幅器では、必ず CMRR 特性に よる精度劣化を伴う
高精度オペアンプのCMRR特性例
100K 10K
1K 100
10 150
140 130 120 110 100 90 80
CMRR( dB )
周波数
(Hz) OP177
Common mode rejection ratio
ADIデータシートより
非反転増幅における CMRR による誤差
A +
- CMRR=100dB
とするとCMRR
による誤差10
5入力レベル( CMV) により変化する CMRR およびオフセット誤差
27
・入力電圧(CMV)範囲において、CMRR特性が 変化するオペアンプがある。
・特にCMOSオペアンプRail to Rail特性に注意
・(+)入力と(-)入力でCMRRが相違
・ある入力レベルの所でCMRRに段差を生ずる
・入力同相電圧で入力バイアス電流が変化 するオペアンプがある。
入力同相電圧でCMRR特性が変化するオペアンプ例
CMRR
http://www.rohm.co.jp/web/japan/news-detail?news-
Common mode voltage
電源電圧変動( PSRR)
28
PSRRは電源電圧の変動がオペアンプ出力に及ぼす影響。
・PSRRは周波数特性を有する。オープンループゲイン特性と近い特性
・高い周波数でのPSRRが悪くなるので、最適なパスコンによるデカップリングが重要
オペアンプ電源にスイッチング電源使用するとスイッチング雑音がオペアンプ出力に重畳される
1M 10K
100 1
140 120 100 80 60 40 20 0
周波数
(Hz)
PSR R (d B)
OP177 オペアンプのPSRR特性例 Power supply rejection ratio
OP177データシートAnalog Devices
電源ピンは“入力信号ピン”と考えよ
電源ピン
0.1μF
セラコン100μF
~ 電解コンデンサ 電源入力
+V
-V
数十
μF
電解コンデンサ数十
μF
電解コンデンサ~
5cm 100μF
~電解コンデンサ
+
+
+
+
A
ノイズ特性:オペアンプ電圧ノイズと電流ノイズ
等価入力電流ノイズ密度
電流ノイズは1Hzあたりの密度で表す
𝑖
𝑛=pA/ 𝐻
𝑍または nA/ 𝐻
𝑍オペアンプ雑音は、
fc
周波数より高い周波数 では、フラットなノイズ特性(ホワイトノイズ)特性を有する。
fc
以下では、1/f
の周波数特性でノイズが 増加する1/f
ノイズ特性を有する。またオペアンプは電圧性ノイズと電流性ノイズ がスペックされる。
ノイズは
1Hz
あたりの密度で定義される等価入力電圧ノイズ密度
電圧ノイズは1Hzあたりの密度で表す
𝑒
𝑛= 𝑛𝑉/ 𝐻
𝑍周波数
(Hz)
雑音密度nV/ 𝑯
𝒁k
f
C𝟏
𝒇
コーナ周波数-3dB/octave
𝑒
𝑛= 𝑘 𝑓
𝑐1
1/f
ノイズ𝑓
ホワイトノイズ
~ +
等価入力
ノイズ電圧密度
e
nI
n+I
n-等価入力電流 ノイズ密度
+
抵抗から発生するノイズは大きい
30
全ての抵抗は次式で表される熱雑音 e
nを発生する。
抵抗値が大きくなるとノイズが増加し、また温度が上昇してもノイズが増加する
R: 抵抗値 (Ω)
T: 絶対温度 T(K)=T (
℃)+273 B: ノイズ帯域 (Hz)
K: ボルツマン定数 (1.38 x10
-23J/K)
27
℃において・
50Ω
の抵抗は0.9nV/ 𝐻
𝑍・
1KΩ
の抵抗は4nV/ 𝐻
𝑍・
10KΩ
の抵抗は12.7nV/ 𝐻
𝑍のノイズを発生 オペアンプ用いたノイズ設計では、・オペアンプ電圧ノイズ、電流ノイズ
・抵抗熱雑音(結構大きい)
・ノイズは周波数帯域の関数 に留意した設計を行うこと
𝒆 𝒏 = 𝟒𝒌𝑻𝑩𝑹 (𝑉
𝑟𝑚𝑠/ 𝐻
𝑍)
抵抗の熱雑音
1
0.1 10 100 1000
雑音電圧密度
(nV / 𝑯
𝒁)
抵抗値
(Ω
)1 10 100 1K 10K 100K 1M
27 ℃
ノイズ帯域と rms/p-p ノイズ
ノイズ計算するときの帯域はノイズ帯域。
一次特性の( -3 d B) 帯域とは異なる。
rms と p-p ノイズの関係
ノイズ計算は
rms
実効値で計算される。rms
実効値とp-p
雑音の関係は ノイズがガウシアン分布と仮定し、一般的に
p-p≈6.6 x rms
で扱われるp-p値 左記p-pを 外れる確率
2 x rms 32%
3 x rms 13
4 x rms 4.6
5 x rms 1.2
6 x rms 0.27 6.6x rms 0.10
7 x rms 0.046 8 x rms 0.0006
ノイズ帯域
-6dB/oct
一次特性 ノイズ帯域の定義fp fe
ゲイ ン
(d B)
周波数
𝑓 𝑒 = π
2 𝑓 𝑝 =1.57𝑓 𝑝
-3dB
帯域ノイズ特性: rms ノイズの計算
32
rms ノイズは周波数の関数。周波数帯域広ければrmsノイズは増加する 周波数帯域( f
L~ f
H)の Vn rms ノイズは、
1/f
ノイズ𝑽 𝒏 𝒓𝒎𝒔 = 𝑽nw 𝒇 𝑪 𝐥𝐧 𝒇 𝑪
𝒇 𝑳 + 𝒇 𝑯 − 𝒇 𝑪
ホワイトノイズ 電圧密度
nV/√Hz
ホワイトノイズ
NJM5532(NJRC)
1/f
ノイズコーナー周波数fc=10Hz
V
nwホワイトノイズ1/f
ノイズオペアンプ入力換算電圧雑音特性例
計算例:
𝒇
𝐋= 𝟎. 𝟓𝐇𝐳, 𝒇
𝐇= 𝟏𝐊𝐇𝐳, 𝒇
𝐂= 𝟏𝟎𝐇𝐳,
𝑽
𝒏,𝒓𝒎𝒔= 𝟏𝟔𝟎𝒏𝑽 𝒓𝒎𝒔
𝑽
𝒏,𝒑−𝒑= 𝟔. 𝟔𝒙𝟏𝟔𝟎𝒏𝑽𝒓𝒎𝒔
= 𝟏. 𝟎𝟔μ𝑽𝒑 − 𝒑
𝐕
𝐧𝐰= 𝟓𝐧𝐕/ 𝐇
𝐙DC 計測以外では、 rms ノイズは ホワイトノイズが支配項となる
NJRCデータシート
オペアンプノイズ特性例
33
・入力電圧ノイズ特性において、バイポーラ入力タイプは FET 入力タイプより低ノイズ バイポーラ入力低雑音オペアンプでは、 1nv/ 𝑯
𝒁以下の低ノイズタイプもある 1nv/ 𝑯
𝒁は 50Ω 抵抗で発生する熱雑音レベル
・ FET 入力低ノイズオペアンプでは 5nv/ 𝑯
𝒁程度
・ FET 入力タイプの 1/f ノイズはバイポーラ入力に比べて大きく 1/f コーナ周波数も高い
fc
コーナが約100Hz
でen
≒0.9nV/√Hz fc
コーナが約10KHz
でen
≒1nV/√Hz
FET
入力タイプは1/f
コーナがブロードFET入力低雑音タイプOPA627
1M 10K
100 11
10 100
周波数(Hz)
入 力電 圧 雑 音 密 度(nV/√Hz)
バイポーラ低雑音タイプAD797
100 10K 1M
0 1 2 3 4
周波数(Hz)
入 力 電 圧 雑 音 密 度(nV/√Hz)
バイポーラ高速タイプAD8099
1M 100M
10K 100
11 10 100 1000
入 力 電 圧 雑 音 密 度(nV/√Hz)
オペアンプ増幅器におけるノイズ計算
34
50Ω
抵抗熱雑音1KΩ
抵抗熱雑音1KΩ
抵抗熱雑音 オペアンプ電圧雑音オペアンプ電流雑音 オペアンプ電流雑音 出力換算雑音 雑音源
Op Amp Applications :Analog Devices
ノイズゲイン
50Ω
信号源、オペアンプ非反転増幅器(x2)
、オペアンプ等価入力電圧雑音密度5nV/√Hz,
等価入力電流雑音密度
2pA/√Hz
、オペアンプ帯域180MHz(-3dB)
としたときの出力雑音rms
を計算。各要素雑音を 2乗加算し平方根
オペアンプ:ゲイン帯域幅積 (GBW)
オペアンプのオープンループゲイン特性
A
OLが一次特性(-6dB/oct)
とし、小信号ユニティゲイン
fu(
オープンループゲインがx1=0dB
となる周波数))
とすると、各クローズループゲイン
G
(正確にはノイズゲイン)とカットオフ周波数fc
の積が等しい𝑮 𝟏 𝒇 𝑪𝟏 =𝑮 𝟐 𝒇 𝑪𝟐 =𝒇 𝑼
例えばユニティゲイン周波数
1MHz (GBW=1MHz)
のオペアンプで、20dB
ゲイン(x10)
増幅器構成すると-3dB
周波数帯域は100KHz
40dB
ゲイン(x100)
増幅器構成すると-3dB
周波数帯域は10KHz
ただし小信号時
Gain bandwidth product
ゲ イ ン (d B)
A
OLオープンループゲイン特性 -6dB/oct (-20dB/dec)
fc1 fc2 fu
A
CL2A
CL1ノイズゲイン
G1
ノイズゲイン
G2
G= 1 +
𝑅2𝑅1
周波数 (Hz) 10K 100K 1M
x100
x10
x1
スルーレートとフルパワーバンド幅
36
スルーレート(SR)とは出力電圧の最大変化率の事 通常v/μsで表す。
・バイポーラ汎用オペアンプでは数V/μs
・FET汎用オペアンプでは十数V/μs
・ビデオ用高速オペアンプでは数百V/μs オペアンプのフルパワーバンド幅(FPBW)は アンプの最大フル振幅を 2Vp とすると サイン波の最大スルーレート(傾き)は
(dV/dt) max =2πfVp
(Hz)
計算例
スルーレート
SR=10V/μs,
振幅Vp=10V(20Vp-p)
FPBW= 𝑺𝑹
𝟐𝝅𝑽𝒑 = 𝟏𝟎(
𝑽 𝝁𝒔
)
𝟐𝝅×𝟏𝟎 = 𝟏𝟓𝟗 (𝑲𝑯𝒛)
Slew rate & Full power bandwidth
入力波形
Ein
出力波形
Eout
スルーレートで 歪んだ波形
NECデータブック
小信号ユニティ帯域が
3MHz
あっても、FPBW
は159KHz
Ein
A Eout
ボルテージ フォロワー
オペアンプ:全高調波歪 (THD と THD+N)
37
THD+N = 𝑉 2
2 +𝑉 3 2 +𝑉 4 2 + ...+𝑉 𝑛 2 +𝑉 𝑛 2
𝑉 𝑆 * 100 (%)
THD = 𝑉
22
+𝑉
32+𝑉
42+ ...+𝑉
𝑛2𝑉
𝑆∗ 100 (%)
Vs: 信号振幅 (Vrms) V
2:2 次高調波歪 (Vrms) V
n:n 次高調波歪 (Vrms)
V
n: 測定帯域での全ノイズ (Vrms)
全高調波歪 THD は信号振幅( Vrms )と、 n 次までの高調波歪成分 (Vrms) の比。 % か dB で表現。
一般的には 5 次高調波成分まで計算されることが多い。
高調波歪は 2 次歪みと 3 次歪成分が支配項。
THD+N では、高調波歪と雑音の合算と信号振幅の比で計算。ただし DC 成分は除く
Total harmonic distortion
THD =20Log
𝑉22+𝑉32+𝑉42+ ...+𝑉𝑛2
𝑉𝑆
(𝑑𝐵)
または
THD+N =20Log 𝑉
22
+𝑉
32+𝑉
42+ ...+𝑉
𝑛2+𝑉
𝑛2𝑉
𝑆(dB)
または
各オペアンプのオーディオ帯域 THD+N 特性の例
38
NE5532 (NJRC) :
汎用オーディオ用Gain=+10,RL=10kΩ
出力電圧(Vrms)
-80
-100
-120 (dB)
20KHz
1KHz
20Hz
LME49990 (TI)
超低歪みオペアンプ-80 -100 -120 -140 (dB)
Gain=1相当
AD797 (ADI)
超低ノイズ産業用Gain=+10 RL=600Ω f=10KHz
0.001 0.01 0.1
0.0001
(%) OPA627 (TI) FET
入力産業用-60 -80 -100 -120 -140 (dB)
TI,およびADIデータシートより
セトリング特性
39
・セトリング時間は、最終収束値の規定誤差範囲に収まるまでの時間
・最終収束値の 0.1% または 0.01% に収まるまでの時間で規定される場合が多い
・高速 / 高精度なセトリング時間を測定するには高度な測定ノウハウが必要。
・セトリング特性にロングテール特性を有するものがあるので注意 位相補償方法や熱的な結合などにより発生
高速オペアンプのセトリング特性例
AD8099
+0.1%
-0.1%
Settling time
AD8099データシート Analog Devices
出 力
0
時間セトリング時間 立上り 回復時間 不感時間 時間
セトリング時間 仕様の誤差幅
セトリング特性 :
周波数特性ピーク発生とパルス特性オーバシュート
40
パルス特性上でのオーバシュート
周波数特性上でのピーク
周波数
(Hz)
ゲイン
(dB )
周波数特性上での位相余裕量とピーク量 規
格 化 ゲイ ン
(dB )
規格化周波数
(Hz)
位相余裕30
度-3dB
Operational Amplifier Analog Devices
広帯域化かセトリング特性重視かで、
最適な位相補償方法が異なる
一次特性に位相補償されたオペアンプがセトリング特性に有利
41
きれいな一次特性
-6dB/oct
高精度なセトリング特性は、一次特性が優れる 一次特性セトリング時間
誤差 時間 1% 4.6τ 0.1% 6.9τ 0.01% 9.2τ 10ppm 11.6τ
1ppm 13.8τ 周波数特性
最終値
τ
時間63%
100%
0
時定数 τ=CR
R
~ C
Vin Vout
セトリング特性:ロングテールの発生
42
オペアンプの位相補償回路において、
極-ゼロがミスマッチしていると、過渡応答に
“ロングテール”と呼ばれる長い時定数を持つ セトリング項が形成される
高精度セトリング特性の劣化 Long tail
セトリング特性
セトリング特性に
テール(段差)が生じる
Application Report JAJA206 TI
ω
0ω
1ω
1’ゼロ点 極(ポール)
極(ポール)
極 - ゼロ補償の Bode 線図例
極
-
ゼロ位相補償で段差生じやすい周波数 ゲイン
(dB)
時間 出
力 電 圧
オペアンプの出力位相反転
入力が許容コモンモード電圧範囲を外れた場合、反転入力と非反転入力の機能が 入れ替わり、出力が反転する現象。古いタイプの FET 入力オペアンプなどで見られる。
Analog Devices AN-849
位相反転を生じない CMOS オペアンプ例
OPAx172
シリーズTI
オペアンプの位相反転例
OPAx172データシートTI
出力位相反転せずに 飽和するのみ
位相反転なし、過大入力保護内蔵オペアンプ例
44
ADA4096 オペアンプ
オペアンプ内蔵の過大入力保護用に、シリーズ抵抗に替え て
FET
を使用。過大電圧により等価ON
抵抗が増加する。過大電圧
0V
では4.5KΩ
が、30V
では22kΩ
に増加。±
40V
の過大同相入力電圧印加しても、位相反転を 生じない。ADA4096オペアンプデータシートADI
過大入力印加時の入力バイアス電流
ADA4096
入力±
40V
出力±
10V
オペアンプ 電源±
10V
の時ADA4096
オペアンプの EMI 除去比: EMIRR
45
EMI
対策オペアンプ 一般的なオペアンプ 携帯電話などのRF電磁波(数百M~数GHz)が オペアンプに入力されると、RF信号がオペアンプ内 部の非線形性要因で検波され、オペアンプ出力に オフセット電圧誤差として現れる。
最近のオペアンプでは入力にEMI対策がされている タイプもある。
携帯電話など
オペアンプ出力
最近の
CMOS
オペアンプEMI
特性(OPAx172
)OPAx172データシート TI
Electromagnetic interference rejection ratio
両電源(デュアル電源)オペアンプ
46
両電源(デュアル電源)オペアンプでは、プラスとマイナスの 2 種類の電源を使用する。
一般的には、± 15V または± 5V がよく使われる。
単一電源でも、プラスとマイナスの電源電圧が異なっても問題ない。
両電源動作における信号振幅範囲
+V
-V
+V +V
-V -V
GND
GND
電源電圧が異なる両電源 GNDレベルが中心ではない 電源電圧が同じ両電源
GNDレベルが中心
パスコンは
+V,-V
にそれぞれ接続 信号振幅を最大限利用できる マイナス側での信号振幅が制限される
単電源オペアンプ 単電源動作における信号振幅範囲 プラスの単一電源
+V
+V
GND
マイナスの単一電源 GND
-V -V
両電源(デュアル電源)での使用も OK
+V
-V
+V
-V GND +V
+V/2
単電源での一般的使用方法
(AC
結合アンプ)単電源オペアンプ
48 48
単電源オペアンプ特長
・一電源のみでOK
・一般的に低消費電力
・バッテリ駆動ポータブル機器用などに適する 単電源オペアンプ設計上の留意点
・信号振幅が小さくなるので誤差の影響が大きくなる
オフセット電圧、バイアス電流、有限なオープンループ利得、雑音など
・一般的に、ノイズの多いデジタル電源が使用される事が多いので PSRR に要注意
・扱う振幅から Rail-to-Rail 入力&出力特性が必要とされることが多い
・デュアル電源オペアンプに比べて一般的に精度が劣る。必要精度を吟味
・多くのオペアンプでは単電源動作での仕様もデータシートに提示している。
ただし GND および電源電圧近傍の Rail-to-Rail 特性についての仕様に注意
レール・ツー・レール オペアンプ
信号振幅が電源電圧 (+Vcc ~ GND または +Vcc ~ -Vcc) 範囲まで扱えるオペアンプを Rail-to Rail オペアンプと呼ぶ。
Rail to rail Op amp
汎用両電源オペアンプ 汎用単電源オペアンプ
GND +V
-V GND
+V
この範囲使用 NG
Rail to rail オペアンプ
GND +V
GND
~+V
範囲で使用可能+V
GND
+V 入力 rail to rail
GND
+V 出力 rail to rail
入力 rail to rail 、出力 rail to rail および入出力 rail to rail タイプがある
2 個入り、 4 個入りオペアンプ
50
AD822(dualタイプ)のクロストーク 2 個入り( Dual タイプ)、 4 個入り( Quad タイプ)オペアンプでは
チャンネル間クロストーク(チャンネル間セパレーション)に注意
・1 KH zで約 -130dB, 100 KH zで約ー 95dB のクロストーク発生。
・ DC 応用では問題ないがビデオ帯域では注意必要
・発熱変動(負荷電流変化)大きい所での使用は注意。(熱帰還影響)
・経験的に 4 個入りのスペースフアクターはあまり高くない。デュアルタイプが使いやすい。
NEC産業用リニアICハンドブック
-80 -70
-90 -100 -110 -120 -130
-140 1k 10k 100k 1M
周波数
(Hz)
クロストーク(dB)
100K 10K
1K 100
10 150
100
50
0
周波数
(Hz)
チャンネルセパレーション
(dB )
Analog Devicesデータシート
デュアルタイプ 汎用オペアンプ チャンネルセパレーション