• 検索結果がありません。

Vol.25 No.12(1996) 19 (3) 新 しい ベ ネ チ ア 協 議 会 の ラ グ ー ン の 形 態 的 保 全 総 合計 画 新 し いベ ネ チ ア 協 議 会 は,ラ 目 的 と し た 法798/84に グー ン環境 の回復 を よ っ て 公 共 事 業 者 お よ び

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Vol.25 No.12(1996) 19 (3) 新 しい ベ ネ チ ア 協 議 会 の ラ グ ー ン の 形 態 的 保 全 総 合計 画 新 し いベ ネ チ ア 協 議 会 は,ラ 目 的 と し た 法798/84に グー ン環境 の回復 を よ っ て 公 共 事 業 者 お よ び"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

特集 ・河川整備 と流域管理

ヨー ロ ッパ の湖 沼 ・河 川 の水 質 浄 化 対 策

均*

1.水 問 題 解 決 の た め の 制 度 的 対 応 (イ ギ リ ス) (1)水関 係 機 関 の 統 合 イ ギ リ ス で は1974年 に,イ ン グ ラ ン ド及 び ウ ェ ー ル ズ で,そ れ ま で29の 河 川 庁,157の 水 道 会 社,1,393 の下 水 道 局 等 の 水 関 係 機 関 を,同 一 水 系 ・河 川 流 域 を単 位 と した,10の 水 管 理 公 社 に統 合 し,国 有 の 水 機 関 と し て 一 元 的 な 管 理 運 用 を行 う こ と とな っ た. そ の後,総 合 的 な 水 管 理 機 関 と し て15年 間 に わ た り 運 用 さ れ た 後,上 下 水 道 の 民 営 化 に伴 い そ の 幕 を閉 じた. (2)上下 水 道 事 業 の 民 営 化 イ ギ リス の 上 下 水 道 の 民 営 化 に つ い て は,サ ッ チ 図-1イ ギリ ス の水 管 理公 社 ヤ ー 政 権 の,市 場 原 理 を取 り戻 し小 さ な 政 府 へ の 回 帰 を標 榜 し,こ れ まで 膨 張 の一 途 を辿 っ て き た 公 企 業 部 門 を非 国 有 化 また は 民 営 化 す るた め 実 施 さ れ た もの で あ る。1989年 に,時 の 首 相 サ ッ チ ャ ー は,「 見 て み ろ,サ ッチ ャ ー は 空 か ら降 っ て く る雨 も民 営 化 す る ぞ 」 と言 わ れ て も,私 は 「水 は神 の恵 み か も知 れ な い が 水 道 管 や 配 管 工 事 は違 う」 と言 っ て 反 論 し 上 下 水 道 事 業 の 民 営 化 を行 い,全 国10ヶ 所 の 水 道 事 業 会 社 が 設 立 さ れ た. (3)全国 河 川 管 理 庁 の 設 置 イ ギ リ ス 政 府 は,水 管 理 公 社 の 上 下 水 道 の 民 営 化 に伴 い,河 川 管 理 に つ い て は公 的 管 理 が 必 要,と し て,1989年 に全 国 河 川 管 理 庁 を10ヶ 所 設 置 し た. 全 国 河 川 管 理 庁 の 機 能 は,(1)水 資 源,(2)環 境 及 び 汚 染 規 制,(3)土 地 排 水 及 び洪 水 防 御,(4)漁 業,(5)環 境 保 全 及 び レ ク リエ ー シ ョ ン,(6)船 航 等 で あ る. 2.ベ ネ チ ア ラ グ ー ン の 水 環 境 改 善 の 新 し い 取 り組 み(イ タ リ ア) (1)ベネ チ ア ラ グ ー ン の 水 環 境 の 悪 化 イ タ リア の ベ ネ チ ア ラ グ ー ン は,満 潮 時420km2で, イ タ リア 本 土 の 流 城 の 水 とベ ネ チ ア 島 ・他 島 の排 水 が 流 入 し,流 出 先 は ア ド リ ア海 で,昔 は7ヶ 所 あ っ た 水 の 出 入 口 が 現 在 は3ヶ 所 と な っ て い る 。 内 湾, ア ド リ ア海 と も漁 業 が 盛 ん で,水 質 の保 全 が 重 要 な 課 題 で あ る.ベ ネ チ ア ラ グ ー ン で は,最 近 ラ グ ー ン 周 辺 で の経 済 活 動(農 業,工 業),都 市 活 動 等 の 要 因 で,下 記 の よ う な 環 境 悪 化 を も た ら して い る 。 (1)ラ グ ー ン水 域 の 停 滞 に よ る富 栄 養 化.(2)富 栄 養 化 に起 因 す る ラ グ ー ン底 の 脆 弱 化 に伴 う浅 瀬 植 物 の 自 浄 能 力 の 低 下 に つ な が る.(3)ラ グ ー ン 内 生 物 多 様 性 の 喪 失. (2)ベネ チ ア ラ グ ー ン保 全 の 総 合 的 取 り組 み ベ ネ チ ア ラ グ ー ン の 環 境 再 生 の た め の 国 家 的 取 り ・爾 琵 琶湖 ・淀 川 水 質 保 全 機 構 Hitoshi OHTSUKI

(2)

図-2ベ ネ チ ア ラ ク ー ン 組 み に つ い て は,図 に示 す よ う に 事 業 の 実 施 組 織 と して,事 業 の 広 域 性 に 応 じ て 公 共 事 業 省 水 管 理 局,ベ ネ ト州,ベ ネ チ ア 市,民 間 協 議 会 等 が あ る.こ の 内,ラ グ ー ン へ 流 入 す る河 川 の 流 域 で の 河 川 削 減 対 策 は べ ネ ト州 が 実 施 し,ラ グ ー ン内 の 水 路 事 業,浅 瀬 の 再 生 建 設 な ど水 循 環 や 浄 化 作 用 促 進 の た め の 形 態 的 復 元 対 策 は,水 管 理 局 よ り委 任 さ れ て い る 民 間 の 建 設 企 業 を 主 体 とす る新 し い ベ ネ チ ア 協 議 会 が 実 施 して い る. (3)「新 しい ベ ネ チ ア 協 議 会 」 の ラ グ ー ン の 形 態 的 保 全 総 合 計 画 新 し いベ ネ チ ア 協 議 会 は,ラ グ ー ン 環 境 の 回 復 を 目 的 と し た 法798/84に よ っ て 公 共 事 業 者 お よ び水 管 理 公 団 よ り,そ の 目 的 の 遂 行 業 務 を 委 任 さ れ た 機 関 で あ り,主 と して 多 くの 建 設 業 か ら成 る民 間 機 関 で あ る.具 体 的 に は次 の4種 類 の 事 業 が 計 画 され て い る。(1)ラ グ ー ン の 水 路 か ら浚 渫 した 流 出 土 砂 を,ラ グ ー ン復 元 の た め の 建 設 資 材 とす る.(2)瓦 礫 を用 い て 中 小 の 諸 島 の 形 態 を復 元 す る.(3)marinephaner-ogamsを ラ グ ー ン の 底 に 移 植 す る.(4)海 の 堆 積 土 砂 を ラ グ ー ン 内 に 人 為 的 に 移 動 さ せ る. 3.国 民 的 資 産 バ ラ トン 湖 の 抜 本 的 な 水 質 浄 化 対 策(ハ ン ガ リー) (1)ハ ンガ リー とバ ラ トン湖 ハ ンガ リー は 海 の 無 い国 で人 口 は 約1千 万 人 で あ る.首 都 ブ タ ペ ス トの 西110kmに 位 置 す るバ ラ トン湖 は,湖 面 積600km2,平 均 水 深3.3mと 浅 い. 図- 4ハ ン ガ リー バ ラ トン湖 図-3 ベ ネチ ア環 境 再 生 の た めの 国家 的 取 り組 み

(3)

バ ラ トン 湖 の 汚 染 物 質 に は 基 本 的 に は,次 の4つ の 排 出 源 が あ る こ とが わ か っ た. (1)湖 辺 の 集 落 か らの 生 活 廃 棄 物,(2)流 域 の 農 業 地 域 か ら湖 に流 入 す る 有 機 物 質 そ の 他 の汚 染 物 質,(3)流 域 を源 とす る 産 業 廃 棄 物,(4)般 舶 を原 因 とす る 汚 染 等 で あ る.こ の 結 果1960年 か ら1970年 に か け て 多 量 の ア オ コ が 発 生 し大 き な 問 題 と な っ た. (2)バラ ト ン湖 の 水 質 保 全 対 策 現 在,バ ラ ト ン湖 で は,(1)バ ラ トン湖 と大 湿 地 帯 に よ る汚 染 削 減,(2)水 底 の 浚 渫,(3)下 水 処 理 水 の 流 域 外 放 流,(4)有 機 農 業 へ の 転 換 促 進,等 の対 策 が 実 施 中 で あ る. 4.ラ イ ン 川 の 水 質 保 全 の た め の 国 際 的 な 取 り 組 み(ド イ ツ) (1)ライ ン川 の 概 要 ラ イ ン川 流 域 は9ヶ 国 に また が り,面積185,000k m3にわ た り,全 長1,000㎞ を 越 え る 川 に沿 っ た,ス イ ス, フ ラ ン ス,ド イ ツ,ル クセ ン ブ ル ク,オ ラ ン ダ が 流 域 の 主 要 部 分 を 占 め,流 域 に は 約4,200万 人 が 生 活 し,集 約 的 な 土 地 利 用 と工 場 集 中 が 見 られ る. (2)ライ ン 川 の 国 際 的 な 水 質 保 全 の 取 り組 み ラ イ ン 川 の 水 質 汚 染 が 初 め て 国 際 問 題 化 し た の は 1932年,オ ラ ン ダ が フ ラ ン ス の 背 可 物 放 流 許 可 に 抗 議 した の が 最 初 で あ る.第2次 対 戦 後,未 処 理 の 下 水 や 産 業 排 水 の 汚 染 に よ り飲 料 水 の 異 臭 味 問 題 が 顕 在 化 し た.こ れ に対 し,1950年 に 国 際 ラ イ ン 汚 染 防 止 委 員 会 が,ス イ ス,フ ラ ン ス,ド イ ツ,オ ラ ン ダ, ル ク セ ン ブ ル ク の5ヶ 国 に よ り発 足 し そ の 後ECも 1976年 に 参 加 し て い る. (3)国際 ラ イ ン汚 染 防 止 委 員 会 の 「ラ イ ン行 動 計 画 」 ラ イ ン 川 行 動 計 画 は,ICPRが1987 年 に策 定 し た,ラ イ ン 川 の 水 質 改 善 の た め の 行 動 計 画 で あ る. 〔計 画 の 目標 〕2000年 前 後 ま で に ・以 前 ラ イ ン川 に生 息 し て い た 高 等 生 物 種(サ ケ や カ ワ ウ ソ な ど)が 川 に 帰 っ て くる よ う に す る こ と. ・ラ イ ン川 の 水 を将 来 も飲 料 水 と して 供 給 で き る こ と. ・安 全 な 埋 め 立 て や 海 洋 投 入 の た め, 有 害 物 質 に よ る堆 積 物 の 汚 染 を軽 減 す る こ と.

図-5国

際ライ ン汚染防止委員会組織図

(4)水質 の 監 視 と警 報 ICPRは,9個 の 国 際 監 視 所 と20余 り の 国 内 計 測 所 で 構 成 す る,警 告 警 報 シ ス テ ム 「ラ イ ン」 を設 置 し,ラ イ ン 川 全 体 の 水 質 監 視 を行 っ て い る. 5.ベ ル リ ン,テ ー ゲ ル 湖 水 質 改 善 の た め の 水 浄 化 施 設(ド イ ツ) (1)ベル リ ン市 テ ー ゲ ル 湖 の 水 質 汚 染 対 策 東 西 ドイ ツ分 断 時 に,西 ベ ル リ ン地 区 に あ る テ ー ゲ ル 湖 は,東 ドイ ツ地 区 か らの 汚 染 に よ り湖 が 富 栄 養 化 し,ア オ コ が 発 生 して,周 辺 の 水 道 水 源 が 異 常 臭 気 を発 生 す る よ う に な っ た.こ の た め,西 ベ ル リ ン で は,独 自 で対 応 が 必 要 と な り,テ ー ゲ ル 湖 へ 流 入 し て い る河 川 水 と湖 の 水 を浄 化 す る た め,1985年 ま で に リ ン 除 去施 設 を設 置 し水 質 の浄 化 を行 っ た 結 果,ア オ コ の 発 生 は 見 られ な くな り,テ ー ゲ ル湖 の 水 質 は 改 善 され た. (2)テー ゲ ル 湖 の 水 質 浄 化 施 設 ベ ル リ ン の テ ー ゲ ル 湖 は,ベ ル リ ン の 北 西 に 位 置 し,湖 面 積4㎞,平 均 水 深4m,貯 水 量3,200万 ト ン の 湖 で,主 要 な流 入 河 川 は テ ー ゲ ル 川 と ノ ル トグ ラ 図- 6ベ ル リ ン市 テ ー ゲ ル湖

(4)

ーベ ン川 で あ り,下 水 処 理 水 や 農 業 排 水 等 の 流 入 に よ り富 栄 養 化 が 進 み,藻 類 の 異 常 発 生 とい う危 機 的 事 態 が 発 生 し,こ れ に対 処 す る た め リ ン 浄 化 施 設 が 建 設 され た.テ ー ゲ ル 湖 の リ ン浄 化 施 設 は,処 理 能 力 日量26万 ㎡ で,3基 の 沈 殿 槽 に よ る沈 殿 処 理 を 行 う も の で あ り平 均2.88mg超(1961∼1980年 平 均)の 湖 水 リ ン濃 度 を,目 標 水 質0.03mg/lま で 下 げ る根 幹 的 施 設 と して 位 置 づ け られ る. 6.世 界 で 最 初 の 水 道 の 膜 処 理 水 の 給 水 と不 測 事 態 へ の 対 策(フ ラ ン ス) (1)フラ ン ス オ ア ゼ 浄 水 場 オ ア ゼ 浄 水 場 は,オ ア ゼ 川 の セ ー ヌ 川 との 合 流 点 の 約15km上 流 に あ り,処 理 能 力 は 日量27万 ㎡ で あ る が,将 来 計 画 と し て は 日量40万 ㎡ ま で 拡 張 さ れ る予 定 で あ る. 浄 水 場 の 浄 化 シ ス テ ム は,(1)オ ア ゼ 川 よ り取 水(2) 事 前 オ ゾ ン処 理(3)貯 水 に よ る 浄 化(4)凝 集 沈 殿(5)急 速 ・生 物 ろ 過(6)オ ゾ ン処 理 ・生 物 ろ過(活 性 炭 に よ る)(7)事 後 オ ゾ ン処 理(8)塩 素 殺 菌(9)脱塩 素 処 理(10)給 水.な お,膜 処 理 は凝 集 沈 殿 水 を(1)MF処 理(2)NF 処 理(3)給 水 の ス テ ッ プ で 実 施 して い る. (2)オア ゼ 浄 水 場 の 膜 処 理 水 の 給 水 オ ア ゼ 浄 水 場 の 既 存 浄 水 能 力 日量27万m3に 対 し, 現 在 の 膜 処 理 施 設 の 能 力 は,日 量1,400m3で,将 来40 万 ㎡ ま で 拡 張 さ れ る予 定 で あ る.こ の 浄 水 場 の浄 水 プ ロ セ ス は,凝 集 沈 殿 → 急 速 濾 過 → オ ゾ ン処 理 が 中 心 で あ る が,膜 処 理 に つ い て は,凝 集 沈 殿 の プ ロ セ ス を経 た 水 を ナ ノ フ ィル テ ー シ ョ ン膜 に よ り処 理 し て い る. (3)イル ・ ド ・フ ラ ン ス 水 道 組 合 の 浄 水 場 間 相 互 給 水 図-8浄 水 場 間相 互 給 水 融通 ネ ッ トワー ク 融 通 シ ス テ ム イ ル ・ド ・フ ラ ン ス 水 道 組 合 の 所 有 す る3つ の 浄 水 場,セ ー ヌ 川 よ り取 水 し て い る,シ ュ ロ ア,マ ル ヌ 川 よ り取 水 して い る ヌ イ シ ュ マ ル タ,オ ア ゼ 川 よ り取 水 し て い る オ ア ゼ の 各 浄 水 場 を 図 に示 す よ う に 管 路 で 結 び,相 互 給 水 融 通 ネ ッ トワ ー ク シ ス テ ム を 確 立 して い る. 7.今 後 の 水 環 境 改 善 の 方 向 (1)湖沼 ・河 川 の 流 域 総 合 管 理 イ ギ リ ス で は,今 か ら約20年 前 に 水 関 係 機 関 を 水 系 ・流 域 単 位 に統 合 し,総 合 管 理 を 実 施 し て い る. ラ イ ン 川 で も,水 系 全 体 の 国 際 管 理 が 実 施 さ れ て い る. 我 が 国 に お い て も,湖 沼 や 河 川 の 合 理 的 な 管 理 や 効 果 的 な 水 質 保 全 対 策 の 推 進 の た め に は,水 系 ・流 域 単 位 の 一 元 的 な統 合 管 理 に つ い て 具 体 的 な検 討 を 行 う必 要 が あ る. (2)水問 題 解 決 へ の 新 た な 組 織 づ く り 図-7 オ アゼ 浄水 場 の 膜 処理 シ ステ ム

(5)

イ ギ リ スで は政 治 課 題 解 決 の 一 環 と し て,上 下 水 道 の 民 営 化 を 実 施 し,そ れ に 伴 い 河 川 に つ い て は, 公 的 な 流 域 管 理 が 必 要 と し て,新 た に 河 川 管 理 庁 を 設 け た.ラ イ ン川 で は,国 際 河 川 の保 全 の た め に, 国 際 ラ イ ン汚 染 防止 委 員 会 を設 け,大 き な 成 果 を上 げて い る.イ タ リア の ベ ネ チ ア で は,ラ グ ー ン とい うデ リケ ー トな地 域 の 水 環 境 改 善 の た め,民 間 企 業 が 中 心 と な り,新 し い ベ ネ チ ア協 議 会 を 設 け,新 た な取 り組 み を 始 め て い る. 今 後 我 が 国 で も,水 環 境 問 題 解 決 の た め に は,既 存 組 織 だ けで の対 応 で は な く,新 た な 組 織 の 設 置 を 考 え る 必 要 が あ る. (3)水環 境 改善 へ 科 学 技 術 的 ア プ ロ ー チ ベ ネ チ ア ラ グ ー ン の 水 環 境 改 善 に つ い て は,実 験 的 試 み と して,形 態 学 的 保 全 事 業 が 対 策 の 効 果 を科 学 的 に 確 認(予 測)し な が ら 進 め られ て い る.旧 西 ドイ ツ で は,テ ー ゲ ル 湖 の 水 質 改 善 の た め に,最 先 端 の 科 学 技術 と膨 大 な 費 用 を 投 じ 水 浄 化 施 設 を建 設 し,水 環 境 の 改 善 を 図 っ て い る.フ ラ ン ス の オ ア ゼ 浄 水 場 で は,世 界 で初 め て 水 道 で膜 処 理 を 行 い 給 水 して い る. こ れ らの 事 例 は,水 環 境 の 改 善 に つ い て は,科 学 的 な ア プ ロー チ と大 胆 な施 策 の 実 施 が 必 要 で あ り, 水 問 題 解 決 に 対 す る 技 術 開 発 と実 施 体 制 の 確 立 が 必 要 で あ る こ と を示 して い る. (4)水環 境 改 善 対 策 の 自然 へ の 傾 倒 バ ラ トン湖 の 水 質 浄 化 対 策 の 中 心 的 施 策 は,ザ ラ 川 か らバ ラ ト ン湖 へ の流 入 部 に小 バ ラ ト ン湖 と大 湿 地帯 を設 け て い る が,こ れ は 自然 的 浄 化 作 用 を 狙 っ た もの で あ る.ベ ネ チ ア ラ グ ー ン に お い て も,浅 瀬 や 湿 地 帯 の 形 勢 に よ る 植 物 浄 化 機 能 を活 用 し て い る. これ ら は,自 然 の 浄 化 機 能 を 活 用 し よ う とす る も の で,時 間 や 空 間 を要 す る が,よ り根 源 的 な 対 策 で あ り,か つ 自 然 の 再 生 と い う副 産 物 を使 う メ リ ッ ト も大 き く,我 が 国 で も今 後 各 方 面 で 具 体 的 な 検 討 を 行 い,そ の 導 入 が 必 要 で あ る と考 え ら れ る. (5)不測 事 態 へ の 対 応 ラ イ ン 川 で は,水 系 全 体 を対 象 と し た 水 質 事 故 の 警 報 警 告 シ ス テ ム 「ラ イ ン 」 を設 置 し,水 質 の 管 理 を行 っ て い る.イ ル ・ ド ・フ ラ ンス 水 道 組 合 で は, 汚 染 事 故 対 策 と し て 浄 水 場 間 の相 互 連 絡 管 を設 置 し て い るが,最 大 の リス ク は セ ー ヌ 川 上 流 に 原 子 力 発 電 所 が あ り,そ こか らの 汚 染 で セ ー ヌ が 使 え な くな る恐 れ が あ る た め で あ る. これ ら は,水 源 の 汚 染 事 故 に対 し,即 座 に対 応 で き る よ う危 機 管 理 シ ス テ ム の 整 備 を行 っ て い る もの で,我 が 国 で も,外 部 か らの 汚 染 事 故 等 に 即 応 可 能 な,広 域 的 な 危 機 管 理 シ ス テ ム の 整 備 が 必 要 で あ る. (6)国際 協 調 に よ る取 り組 み ラ イ ン川 や ボ ー デ ン湖 で は,水 質 保 全 の た め に 国 際 的 な委 員 会 を設 け,大 き な成 果 を上 げ て い る.ま た,琵 瑚 湖 ・淀 川 水 質 保 全 機 構 で は,ヨ ー ロ ッパ の 国 際 ラ イ ン 汚 染 防 止 委 員 会 や,ハ ンガ リー の バ ラ ト ン連 合 と,水 質 保 全 の た め の 技 術 協 力 協 定 を結 ん だ. 湖 沼 や 河 川 の 水 質 保 全 対 策 の 推 進 に つ い て は,同 じ よ うな 条 件 の 水 環 境 の場 合,国 際 協 調 に よ っ て 問 題 解 決 を図 る こ と は 有 効 で あ る と考 え られ る. 我 が 国 で は,最 近 の 水 環 境 の 悪 化 に対 し,目 に 見 え た 改 善 が 見 られ ず,既 存 の対 策 だ け で は 限 界 が あ る こ とが 明 ら か に な っ た.こ の た め,単 に水 環 境 改 善 対 策 だ け で な く社 会 的 な対 策 も含 め 新 た な 取 り組 み が 必 要 で あ る こ とか ら,ヨ ー ロ ッパ の 事 例 は 大 い に 参 考 に な る の で は な い か と考 え られ る. 参 考 文 献 1) 吉永昌幸「英 国流域管理庁 の民営化」河川,昭 和62年1月 ・ 63年5月 2) 斎藤博康 「イギ リスにおける水管理公社 の民営 化」水 道協 会雑誌,第663・664号 3) (財)琵琶湖 ・淀 川水 質保全機構 「ヨー ロッパ の水質浄 化」平 成8年1月 4) マーガ レッ ト・サ ッチ ャー 「サ ッチャー 回顧録」下,日 本 経済新聞社,1996年9月

参照

関連したドキュメント

Emmerich, BGB – Schuldrecht Besonderer Teil 1(... また、右近健男編・前掲書三八七頁以下(青野博之執筆)参照。

2030年カーボンハーフを目指すこととしております。本年5月、当審議会に環境基本計画の

⑤ 

協⼒企業 × ・⼿順書、TBM-KY、リスクアセスメント活動において、危険箇所の抽出不⾜がある 共通 ◯

あった︒しかし︑それは︑すでに職業 9

瀬戸内海の水質保全のため︑特別立法により︑広域的かつ総鼠的規制を図ったことは︑政策として画期的なもので

●「安全衛生協議組織」については、当社及び元方事業者約40社による安全推

  NACCS を利用している事業者が 49%、 netNACCS と併用している事業者が 35%おり、 NACCS の利用者は 84%に達している。netNACCS の利用者は netNACCS