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越境電子商取引を利用した日本の中小企業の海外進出に関する調査調査レポート 2016 年 6 月 独立行政法人中小企業基盤整備機構販路支援部販路支援課

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越境電子商取引を利用した

日本の中小企業の海外進出に関する調査 調査レポート

2016年6月

独立行政法人中小企業基盤整備機構 販路支援部販路支援課

(2)

目次 1/4

Ⅰ.はじめに 1 調査概要

Ⅱ.各国の進出可能性と課題 中国への進出可能性と課題 アメリカへの進出可能性と課題 シンガポールへの進出可能性と課題 韓国への進出可能性と課題 台湾への進出可能性と課題 オーストラリアへの進出可能性と課題

Ⅲ.各国における中小企業のビジネス展開の可能性 中国

1 国の概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況

2 インターネット及びEC利用動向 2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECで利用する端末・購入品目 2.7 オンラインショップ利用状況 2.8 EC決済手段

2.9 越境ECの利用状況

3 法規制

3.1. 販売商品の規制

3.2 消費者保護法と自由貿易試験区

3.3 個人輸入の免税基準と越境ECに関する新制度 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法

4.2.1 モール・ECサイト詳細-GLPlaza-

4.2.2 モール・ECサイト詳細–跨境通(KJT.com)-

4.2.3 モール・ECサイト詳細–京東全球購(JDWorldwide)- 4.2.4 モール・ECサイト詳細–天猫国際(TmallGlobal)- 4.2.5 モール・ECサイト詳細–1688.com-

4.2.6 モール・ECサイト詳細–Alibaba.com- アメリカ

1 国の概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況

2 インターネット及びEC利用動向 2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECで利用する端末・購入品目 2.7 オンラインショップ利用状況 2.8 EC決済手段

2.9 越境ECの利用状況 3 規制

3.1 販売商品の規制

3.2 個人輸入の免税基準と消費者保護法 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法 P6

P9-11 P12-14 P15-17 P18-20 P21-23 P24,25

P27 P29 P29 P30 P32 P33 P34 P35 P36 P37 P38 P39 P40,41

P43 P44 P46 P47-49 P50,51 P52-54 P55-59 P60-63 P64-66 P67-69

P72 P73 P74 P75 P77 P78 P79 P80 P81 P82 P83 P84 P85,86 P88 P89 P91-93

(3)

目次 2/4

シンガポール

1 国の概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況

2 インターネット及びEC利用動向 2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECでの利用端末と購入品目 2.7 オンラインショップ利用状況 2.8 EC決済手段

2.9 越境ECの利用状況 3 規制

3.1 販売商品の規制

3.2 個人輸入の免税基準と消費者保護法 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法

4.2.1 モール・ECサイト詳細–Qoo10-

4.2.2 モール・ECサイト詳細–eBay Singapore- 4.2.3 モール・ECサイト詳細–LAZADA-

4.2.4 モール・ECサイト詳細–RedMart- 4.2.5 自社ECサイト詳細–Reebonz- 4.2.6 自社ECサイト詳細–HipVan- 4.2.7 モール・ECサイト詳細–JRunway-

P106 P107 P108 P109 P111 P112 P113 P114 P115 P116 P117 P118 P119-121 P123 P124 P126-128 P129-132 P133-135 P136-138 P139-141 P142-144 P145,146 P147,148

韓国

1 国の概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況 2 インターネット及びEC利用動向

2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECでの利用端末と購入品目 2.7 オンラインショップ利用状況 2.8 EC決済手段

2.9 越境ECの利用状況 3 規制

3.1 販売商品の規制

3.2 個人輸入の免税基準と消費者保護法 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法

4.2.1 モール・ECサイト詳細–11street- 4.2.2 モール・ECサイト詳細–Interpark-

4.2.3 モール・ECサイト詳細–NAVER Shopping- 4.2.4 モール・ECサイト詳細–Olive Young- 4.2.5 モール・ECサイト詳細–SSG.com-

P151 P152P153 P154 P157 P158 P159 P160 P161 P162 P163 P164 P165,166 P168 P169 P171-173 P174-177 P178-180 P181-182 P183,184 P185,186

(4)

目次 3/4

台湾

1 台湾の概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況 2 インターネット及びEC利用動向

2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECで利用する端末・購入品目 2.7 オンラインショップ利用率・会員数 2.8 EC決済手段・配送手段 2.9 越境ECの利用状況 3 規制

3.1 販売商品の規制

3.2 個人輸入の免税基準と消費者保護法 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法

4.2.1 モール・ECサイト詳細–PChome- 4.2.2 モール・ECサイト詳細–Yahoo!奇摩- 4.2.3 モール・ECサイト詳細–博客来- 4.2.4 モール・ECサイト詳細–LuxJoy- 4.2.5 モール・ECサイト詳細–WORLDiBUY-

P189 P190 P191 P192 P194 P195 P196 P197 P200 P201 P202 P203 P204,205 P205 P206 P208-210 P211-213 P214-217 P218,219 P220,221 P222-224

オーストラリア

1 オーストラリアの概要と小売市場概況 1.1 基礎情報

1.2 消費トレンド 1.3 訪日観光客の状況 1.4 小売市場概況

2 インターネット及びEC利用動向 2.1 インターネット利用率とデバイス 2.2 検索とSNS

2.3 動画サービス 2.4 人気アプリ

2.5 EC市場規模の推移

2.6 ECで利用する端末・購入品目 2.7 オンラインショップ利用率 2.8 EC決済手段

2.9 越境ECの利用状況 3 規制

3.1 販売商品の規制

3.2 個人輸入の免税基準と消費者保護法 4 販売手法と実態

4.1 主な販売手法

P227 P228 P229 P230 P232 P233 P234 P235 P236 P237 P238 P239 P240,241 P243 P244 P246-248

(5)

Ⅰ. はじめに

(6)

1. 調査概要 1/2

ⅰ. 調査の背景

ⅱ. 調査の目的

ⅲ. 調査の対象国

ⅳ. 調査方法

平成28年に、TPP関連補正予算による海外展開支援事業が実施される見込みとなり、中小企業にとっても海外 進出の大きな機会となることが期待されている。特に、越境電子商取引(以降越境EC)という言葉が普及し、その 可能性が注目されているが、一方で、海外現地情報や、越境ECでの進出の実態に関する情報の取得が困難であ ることが、進出の足枷となっている。

本調査は、海外現地における日本商品のニーズや、現地への販売方法、商流、その他進出における課題や留意点 などについて調査、情報収集を行い、提供することで、日本の中小企業の海外展開を支援することを目的とする。

調査対象国については、TPP加盟国のうち、市場の大きいアメリカ、シンガポール、オーストラリアに加え、インバウンド 需要が見込める中国、韓国、台湾の計6か国を選定した。

各国の概要と市場概況、インターネット及びEC利用動向等については、デスク調査により、2014年以降公に発表さ れている情報を中心に収集した。販売手法については、現地に渡航し、プラットフォーム提供企業や、出店販売、代 行会等関連企業に取材を行い、主なモール・ECサイトについてまとめた。

また、オーストラリアについては主なモールがアメリカと類似していることからデスク調査のみ実施した。

(7)

1. 調査概要 2/2

ⅴ. ECの定義

ⅵ. 越境ECの定義

本調査におけるEC(電子商取引)の定義は、「物・サービスの売却あるいは購入であり、企業、世帯、個人、政府、

その他 公的あるいは私的機関の間で、インターネット上で行われるもの」とした。こちらは経済産業省「平成26年度 我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」の報告書に記されているのと同様、

OECDによるEC定義に基づく。

本調査における越境ECの定義は、欧州委員会(European Commission)による越境取引(Cross-

Border Shopping)に関するアンケート調査を参考とし、「消費者と、当該消費者が居住している国以外に国籍 を持つ事業者との電子商取引(購買)」と定義する。そのため、中小企業が日本サーバーの自社サイトから海外の 消費者に対してサービスを提供する形態の他、海外のECモールに中小企業が出店する、または出品する形態が主と なる。ただし、ECの仕組みを活用し、海外に販路を開拓する可能性を模索するために、本調査では、海外のEC小 売事業者に、日本の中小企業が商品を卸す、または委託販売をする形態についても含めて調査を行った。

(8)

Ⅱ.各国の進出可能性と課題

(9)

中国への進出可能性と課題 1/3

【中国】

市場・EC概況

○ 中間層の急速な拡大でECは急成長、市場規模は世界最大

• 世界最大の人口をほこるが、2030年をピークに急激に減少、2060年には12億7,676万人と予測されている。

• GDP(PPP)はアメリカを抜き世界最大。ただ1人あたりのGDPは約8,000ドルで日本の約5分の1にとどまる。

• アメリカの2倍の規模に増加した中間層が、より質の高い商品を求めインターネットが急速に普及している背景 から、情報収集から購入までできるECが急成長。EC市場は2014年に5,244億ドル(前年比147%)で世 界一となっている。

越境EC概況

○ 国産品への信頼が低く、越境ECに対して品質や安全・安さを求めている

• 越境EC利用者は35%。購入者の6割近くがアメリカから購入、韓国が続き、日本からの購入は3番目。

• 越境ECで購入する理由は、品質や安全・安さを求めており、粉ミルク汚染事件等の影響で国産品が信頼され ていないことが背景のひとつとして挙げられる。

日本商品のニーズ

○ 日本商品には安心・安全・高品質など評価だが、最近は価格とのバランスも重要視され始めた

• 海外から配送された商品は中国商品より安心・安全・高品質だと思われており、日本商品はそのうちの一つにす ぎない。

• カテゴリーとしては健康関連、高級食品、ベビーマタニティーなどが有力で、日本商品への注目はデジタル商品か ら、生活用品に移行しつつある。

• 最近は安心・安全・高品質というだけでは売れない。消費者にとって安くよいものが買えるというコストパフォーマン スが重要視される。また店舗での顧客対応のクオリティーの高さも重要である。

• 中国での認知度が出店条件になっているモールもある。認知度に応じて、戦略の立て方が大きく変わってくる。

(10)

中国への進出可能性と課題 2/3

【中国】

商流

○ 代行業者経由での出店・出品が推奨される。信頼できる現地パートナーと提携することが重要

モール出店が低コスト・低リスクな進出方法で、天猫国際(Tmall Global)と京東全球購(JD Worldwide)が2 大モール。ただし天猫国際は現在、日本企業の出店に条件を付与しており、商品認知などの課題をクリアする必要があ る。一方、京東全球購は天猫国際に比べると出店条件は緩く、日本企業も数多く出店している。

モールへの出店後、消費者とのやり取りを直接行うなら、中国市場に対する理解や知識も必要なため、精通したスタッフ が必要になる。

現地の小売業もしくは卸サイトでの商品流通に関しても、交渉や手続きなどを日本に現地を置く中小企業が自社で行う のは難易度が高い。

従って、重要となるのが代行会社との連携で、信頼できる現地パートナーを見つけることがポイントとなる。日本国内にも 代行事業者は存在しているが、中国向けECで日本商品を販売できる力を持っている企業は決して多くはない。中国市 場は日本市場とは全く別物であり、日本の成功経験とは切り離して実績のある代行企業を選別することが重要となる。

進出の際のポイント

○ 中国消費者のニーズにあった商品の投入、スピード感を持った対応、中長期での取り組みが必要

代行業者に任せれば攻略できるものではない。日本商品はクオリティーも高く、競争力があるので売れるだろうという漠然 とした考えは危険であり、中国の消費者のニーズを正確に洞察し、消費者がスピードを持って商品を投入することが重要 となる。

中国は市場情勢変化が早いため、このスピードについてこられることが大切。日本本社の経営陣が決済するのではなく、

中国の現地の責任者がその場で判断していかないと機会損失につながる。

日本での成功経験やマネジメント手法がそのまま通じることはない。中国市場を理解して、すぐに結果を求めるのではなく、

進出するのであれば覚悟を決めて中長期的視点で取り組むことが必要だ。

他国の進出状況

○ 国をあげて韓国が中国の越境ECに取り組む

(11)

中国への進出可能性と課題 3/3

【中国】

物流体制

○ 中国の保税倉庫の活用か、「直送モデル」か

保税倉庫を活用した試みでは、中国の保税区内に設けた倉庫に在庫を置き、注文を受けたら保税倉庫から発送する。

天猫や跨境通、京東全球購などが保税区内に設置した倉庫を出店者に提供している。日本市場と同様、中国市場で も「より早く」「より安く」商品を求める消費者ニーズが顕在化しており、そのニーズに応えることができる。

「直送モデル」は、注文が入る都度日本から商品を発送する。通関手続きを含めた配達期間が長く、送料が割高になる ケースが一般的。保税倉庫を活用する場合と比較し、倉庫での保管費用や売れない場合の日本への返送料が発生し ないというメリットはある。

プロモーション

○ 中間層の急速な拡大でECは急成長、市場規模は世界最大

プロモーションやキャンペーンもスマートフォン中心となっている。大企業ではWeChatが中国内で最も大きな影響力を保 持しており、WeChatを中心にSNSを使ったマーケティング・プロモーション施策を行っている。

天猫、KJTといった越境ECプラットフォームから出店者に対してプロモーションの提案もある。商品検索を通じて購入する ユーザーが多い中国では、モール内のプロモーションも顧客を作る重要な手法であるという。

SNS、口コミサイト、公式アカウントの運営、検索サイトでの露出、PR記事など様々なチャネルを組み合わせたプロモー ションが必須との声もある。

法規制

○ 越境ECに関する新制度の一部は1年間延期に

2016年4月から越境ECに関する新制度が導入され、税制と通関制度の変更が行われた。新税制では、増値税、消 費税の免税限度額が撤廃された他、消費税率の変更、個人輸入関税の免税措置が廃止。これによって、以前と比較 し商品分類や価格によって実質増税になる場合と減税になる場合がある。また、個人輸入が可能な商品が個人用生 活用品を中心に設定され、通関書類の提出が必要となった。

しかし、導入してから1か月経ちトラブルが絶えないこともあり、新制度の一部、通関書類提出の義務化については1年 間延期することとなった。新しい税金制度は延期されずそのまま維持されている。延期された商品カテゴリは、化粧品、乳 児用粉ミルク、医療機械、特殊食品(健康食品、医用食品など)。

(12)

アメリカへの進出可能性と課題 1/3

【米国】

市場・EC概況

○ 世界最大級の経済大国で、EC市場も中国と並び世界最大級

• 人口は約3.2億人、GDP(PPP)は日本の3.7倍、一人あたりのGDPも日本の1.47倍の経済大国。

• 国土が広く身近で購入できない商品を通販で購入する文化が育ち、通販市場が拡大。それに合わせ、EC市 場も拡大し、EC市場規模は日本の約4倍に達する。

• Amazon.comやeBayなどグローバルなサービスが牽引。

越境EC概況

○ 越境EC利用率は低いが、同じ英語圏のカナダやイギリスが多い。安さを求める消費者は中国から

• 越境ECの経験者は、EC利用者の22%にとどまる。アメリカ内で十分に商品が流通しており、あえて越境ECで 購入する必要性は小さい。

• 同じ英語圏のカナダやイギリスのECサイト、安価で商品購入が可能な中国のサイトが利用されている。

日本商品のニーズ

○ 日本の存在感は大きくないが、オタク系や中古品のニーズは高い

• 国民の6割強は日本に好感を持つものの、日本商品に対するイメージはほとんど持っていない。

• その中で売れているものは、おもちゃやゲーム及びその関連製品、コレクタブル(※)、品質管理された中古品 である “ユーズド・イン・ジャパン”。

• アメリカ市場では、日本商品の競合と想定される中国製品を含めて、どこにもないようなユニークな商品や何かし ら尖った商品、マニアックな商品のほうが、注目される可能性が高い。

(13)

アメリカへの進出可能性と課題 2/3

【米国】

商流

○ Amazon.comやeBay への出店が基本

• Amazon.comに商品を卸す際には、アメリカ法人があると取引しやすい。また、eBayは小売事業に取り組まず、

プラットフォームだけを提供している。そのため、Amazon.comやeBayが日本の中小企業から直接仕入れて販 売することはない。

• 日本の中小企業のアメリカへの進出では、Amazon.comやeBayが提供するモールへの出店が基本。2社とも 日本法人による出品等のサポートや相談にも応じている。アカウントの開設から、出品、プロモーション、配送など 各プロセスで中小企業も支援を受けることができるため、出店のハードルは低い。。

• 日本語のマニュアルや説明動画、出品・出店者への支援ツールもの提供も行われている。

日本企業の進出状況

○ 日本企業の出店も多数

• 数千社(者)がAmazon.comに出品しており、eBayも合わせて多数の日本企業が出店。

他国の進出状況

○ アメリカに倉庫を設けて展開する中国事業者も存在

• 越境ECユーザーの半数は中国からの購入経験あり。

• Amazon.comのような物流インフラが提供されていないeBayでの販売に対し、自前の倉庫をアメリカに構えス ピード感を持って取り組む事業者も存在。

(14)

アメリカへの進出可能性と課題 3/3

【米国】

物流体制

○ Amazon.comではFBAが利用可能、eBayでは日本からEMSなどで都度発送

Amazon.comはフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)を提供しており、配送サービス全てを委託することが可能で、

多数の日本企業も活用。

eBayへの出品では、出品者による配送が必要となる。多くの場合は日本から個別に発送することとなり、追跡サービスの あるEMSやFedEx、DHLなどが推奨されている。

マーケティング

○ プロモーション手法、自社ブランドの育成など戦略が重要

良質な商品や安価な商品がすでに多数流通しているアメリカ市場で勝負し成功することは簡単ではない。ニッチな商品 や尖った商品であればともかく、このような中に日本商品が入っていくためのハードルは高い。

商品を訴求するには、ディスカウントプロモーション、セールスイベント、プロモーテッドリスティング(検索結果での上位表 示)等のプロモーションは欠かせない。ランディングページを自社ECサイトではなく、利用者の多いAmazon.comや eBayに設定するのも一つの手である。

自社ブランドをどのように育てていくかについては、モールへの出店か自社ECサイトで展開するのか、価格をどのように設定 するかといったブランド戦略が重要となる。

法規制

○ 個人輸入の課税対象金額の下限が800ドルに引き上げられ、輸入量の増加が見込まれる

化粧品・食品・幼児用品等の肌に触れる可能性のある商品に関しては食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)の指導対象になり、輸入者は通関に関してFDAの事前承認が必要。

個人輸入される物品への課税対象金額の下限が、200ドルから800ドルに引き上げられ、個人輸入量の増加が見込 まれる。

その他の課題

○ 顧客対応、在庫管理など、きめ細やかな運営が重要

モールではマイナス評価のコントロールが重要となる。顧客に商品がきちんと届くことは基本であるが、在庫切れでもマイナ ス評価がつけられることがあるため、在庫管理も重要となる。

(15)

【シンガポール】

シンガポールへの進出可能性と課題 1/3

市場概況

○細分化された多種多様なクラスター。

 人口554万人に対して約三分の一が外国人。多種多様な民族・言語・宗教を抱え、格差も大きい。

 小国のためGDP(PPP)は日本の約1割にとどまるが、一人あたりGDP(PPP)は日本の2.2倍。

EC市場概況

○ECはまだ浸透し始めたばかり。地場サイトだけでなく、英語圏、中国語圏のサイトも利用

 EC市場規模は8.6億ドル(2014年:約911億円)で前年比12%増。

 インターネット利用率は高いものの、EC利用率は32%程度とまだ伸び白がある。

 シンガポールのQoo10、米国Amazon.com、中国Taobao.comがECサイトとしてトップ3。

越境EC概況

○EC利用者の7割が越境ECを利用、英語圏と中国語圏のサービスがメイン。価格を重視

 EC利用者のうち7割が越境ECを経験。英語圏と中国語圏のサイトをよく利用している。

 購入先はアメリカ、中国、韓国、日本の順で多く、日本からの購入は10億円(2013年)程度。

 衣類・アクセサリーがよく購入され、価格が最重要の決定要因。デザインや品質、ブランドなども考慮される。

日本商品のニーズ

○日本商品の評価は高いが、すでに飽和状態。価格も重視される。

 ドラマ等の影響で日本商品は人気が高い。質の良さも評価されているが、価格が高いという印象を持たれている。

 街中には日本商品や日本食飲食店が溢れており、飽和状態に近い。

 ECにおいては日本のファッション、化粧品、食品などの分野が人気がある。

(16)

【シンガポール】

シンガポールへの進出可能性と課題 2/3

商流

○出店・出品ハードルが低いモール、日本商品を求めている小売りECサイトも。

 シンガポールのモールではQoo10やeBay Singaporeが、物流の観点で進出しやすい。

 一方で、LazadaやRedmart等は、シンガポール現地法人が必要になる他、注文後2、3日以内配送などの 制約があり、日本からの発送では間に合わない等の物流の観点から、日本にいながらの取引は難しい。

 グローバルなAmazon.comやebay.comの利用者も多く、 出店が容易なAmazon.comやebay.comでシ ンガポールを販売対象国とすることも可能。

 小売ECサイトの中には、積極的に新たな日本商品を求めているところもあるため、自社の商品が適合してうまく 提携できれば可能性がある。

日本企業の進出状況

 日本窓口のあるQoo10を活用して、すでに多くの日本企業がシンガポールでの販売を行っている。

 外資規制が少ないことや、知的財産権が保護されることなどから、シンガポールに進出し、近隣のASEAN進出 を目指す日本企業も多い。

他国の進出状況

○ドラマ等の追風で韓国商品も人気。安価な中国商品も多く流通。世界中から最新のものが集まる。

 シンガポールの市場には、世界各国から商品が集まり、流行のサイクルも早い。

 化粧品やファッションについては、日本以外にも韓国ドラマからの影響も強く、質の高さと安さをウリにしている。

 中国からも安価な商品が入ってきているため、日本商品は質と価格のバランスが重要。

(17)

【シンガポール】

シンガポールへの進出可能性と課題 3/3

法規制

○食品や化粧品、医薬品などのカテゴリは認証が必要であり、代行業者経由のほうが安全

免税金額は400シンガポールドル(約3.2万円)。

シンガポールへの輸出にあたっては、食品や化粧品、医薬品などのカテゴリでは事前の確認が必要である。中小企業にとっては、現 地事業者と提携するほうが安全。

プロモーション

○クラスターが細かいからこそターゲットを明確に。国土の狭さも利用し、オフラインも絡めた施策が効果的

民族や所得格差によりクラスターが細分化しているため、オールターゲットなプロモーションが響きづらい。

国土が狭いため、オフラインプロモーションの接触効率が比較的高い。ポップアップストアや、リアルイベント等と絡めてWEBに誘導す ることでリーチを拡大。

その他課題

○販売価格は日本と同水準か、2割増程度までが望まれる

消費者のリテラシーが高いため、日本での販売価格とかけ離れた価格設定ができない。

シンガポールで成功しても、周辺のASEAN諸国で売れるとは限らない。

(18)

韓国への進出可能性と課題 1/3

【韓国】

市場・EC概況

○ マーケットサイズは日本の4割ほどであるが、EC市場は急速に拡大

• EC市場規模は53.9兆ウォン(2015)で前年比19.1%増。小売販売額全体が1.9%の伸びの中、高い成 長率を示している。

• 民間消費が低迷する中、より安さを重視しオンラインでの購入へシフト。そのため、プチプラが支持されているが、

格差拡大により富裕層には高級品も売れている。また、特に食品や化粧品が前年比3割増と高い伸びで、食 品ではMERSの流行から感染防止のためネットで購入する人が増えたと言われる。

• オープンマーケット型モールが主流で、Gmarket、11street、Auctionが上位売上を占める。

• Coupang、Ticket Monster等のソーシャルコマースも人気。

越境EC概況

○ 越境EC市場は急拡大で、日本はアメリカに次いで多い購入先

• EC利用者のうち27%は越境ECの経験があり、購入先はアメリカ、日本、中国の順。

• 2014年の越境ECの市場規模は45億ドルとされていて拡大傾向にある。

• その背景には、関税が高いためローカルストアでは輸入品が元値の20~30%増しで販売されているが、個人輸 入すると安く手に入る場合がある、ことが挙げられる。

(19)

韓国への進出可能性と課題 2/3

【韓国】

日本商品のニーズ

○ 評価は高いが韓国産商品が競合。アイディア性やオリジナリティなどの差別化が必要

• 韓国消費者の日本商品に対しての信頼度は高く、品質がよく、繊細、丈夫といった評価がされており、日用品 やキッチングッズ、食品、リビング関係、化粧品などのジャンルでニーズがある。

• ただし、韓国産商品が競合となる。韓国産にも質がよく価格も抑えられた商品が多数あり、日本商品の購入に はハードルがある。アイディア性やオリジナリティなどの差別化が求められる。

• 価格に対してもシビアであり、送料を含めても、日本での販売価格と同程度かせいぜい15%増までしか許容さ れないといったことが注意点として挙げられる。

商流

○ 代行業者を介した取引きが望まれているが、日本に興味を示すモールも存在

• 韓国のオンラインモールは誰でも出店が可能なオープンモールであるが、日本企業が直接出店しているケースは 少なく、多くが代行業者を通じた取引となっている。その背景には韓国語対応の課題がある。

• “日本館“や日本語の管理画面を検討しており、日本商品に対して大きな興味を示すモールも存在。

• 積極的に日本製品を取り扱う小売事業者もあるが、輸入代行業者を通じた取引がほとんどのようである。

日本企業の進出状況

○ 日本商品は流通しているが、直接進出している事例は少ない

• 現地法人と直接取引を行っている事例もあるが、日本企業が直接進出している例は少なく、代行業者等を通 じた取引が多い。

(20)

韓国への進出可能性と課題 3/3

【韓国】

法規制

○ 認証が必要となる医薬品や電子商品、おもちゃなどの取引きでは代行業者経由が推奨されている

• 韓国へ輸出する場合、食品・健康食品や化粧品、医薬品、電子商品、ベビーシートなどの子供用品、おもちゃ 等は輸入事業者が認証を受ける必要がある。認証には時間や手間がかかるため、モール事業者、小売事業者 側としても、代行業者経由を推奨している。

• 個人輸入の場合の免税基準は、総課税額が15万ウォンに設定。

• 消費者保護法により、7日以内の返品・交換対応が義務付けられている。

プロモーション

○ 韓国商品との競争となり、認知度やブランド力、プロモーションが課題

• 韓国企業の商品との競争となるため、認知度やブランド力がない場合、プロモーションが課題である。

• モール内での検索連動型広告やバナー広告に加え、割引クーポンの発行が定石で、TVCMとの組み合わせはさ らに効果が高い。

• 中小企業の場合、まずは日本での知名度、ブランド力もある程度高いことを前提に、韓国でもモール事業者や 小売事業者の助けを得ながら、プロモーションを行っていくことが重要。

その他課題

○ 韓国語のリソース確保が必須

• 出店申し込みや担当者とのやり取りなど、対事業者とのコミュニケーションで韓国語が必須となる。

• 商品説明や顧客対応など、対消費者とのコミュニケーションにおいても韓国語が必須となる。韓国語対応のリ ソース確保が難しい場合は、代行業者が必要となる。

(21)

台湾への進出可能性と課題 1/3

【台湾】

市場・EC概況

○ EC市場規模は日本の1割未満であるが前年比10%で拡大

• EC市場規模は75億ドル(2014、約7,945億円)で前年比10%増。小売販売額全体の増加は0.32%

にとどまる中、高い成長率を示している。

• Yahoo!奇摩やPChome等が代表的なECサイト。

越境EC概況

○ 中国本土や日本に、国内で買えないものやより安いものを求めている

• EC利用者のうち4割が越境ECの経験があり、購入先は中国大陸と日本がメイン。

• 国内で買えないものや安さを求めており、ファッション関係が多い。

日本商品のニーズ

○ 日本商品への評価は高く、すでに多くの日本商品が流通している

• 日本商品の安全性、信頼性の高さを評価しており、日本商品のニーズは全体的に高い。親日であり、日本製と いうだけでも評価される。

• 一方で、街中にも日本商品が多く流通しており、個人バイヤーからの購入や、日本のECサイトでの代理購入・

転送サービスの利用も多いことから、越境ECでは、それらのルートで購入できる日本商品との競合をいかに回避 するかが重要になる。

(22)

台湾への進出可能性と課題 2/3

【台湾】

商流

○ 最大手のYahoo!奇摩、PChomeは代行業者が必須。中小規模や専門分野に特化したECサイトのほう が取引しやすい

• 最大手のYahoo!奇摩やPChomeとの取引きでは現地法人か代行業者が必須。大手企業でないと直接取 引きは難しい。

• 大手2社よりも規模の小さい小売事業者、専門分野に特化した小売事業者のほうが、取引しやすい環境にあ る。商品撮影や物流・倉庫など細かなところへのサポートも相談しやすい雰囲気がある。

日本企業の進出状況

○ すでに多くの日本商品が流通しており、競争は激しい

• Yahoo!奇摩魔やPChomeなどの主要なECモールやECサイトはすでに日本商品が販売されている。

• そのまま出店しても見つけてもらえないなど、出店後も各種競争にさらされる。

他国の進出状況

○ 安さをウリにした韓国の化粧品なども人気

• 台湾の越境EC利用者は中国、韓国からも多く購入しており、その背景には両国が国をあげて越境ECでの外需 取り込みに力を入れていることが関係している。

• ただし、安心感やクオリティは追いついておらず、日本商品はこの点で競合との差異を出しつつ、戦略を考える必 要がある。

(23)

台湾への進出可能性と課題 3/3

【台湾】

法規制

○ 化粧品や薬品は規制が厳しいため、商社や代理店経由が望まれている

• 台湾へ輸出する場合、化粧品や医薬品、健康食品、酒類等は輸入者による事前の許可が必要となる。

• 消費者保護法により、7日以内の返品・交換対応が義務付けられている。

プロモーション

○ ネットに加えて、マスメディアや交通広告との組み合わせが有効

• インターネットでのプロモーションではGoogleとYahoo!奇摩での取り組みが重要。また、ブログマーケティングも有 効で、化粧品や食品での効果が高い。

• インターネットでのプロモーションのみだと、大きな効果は見込めず、マスメディアや交通広告等の手法を組み合わ せるのが効果的。日本と比較し、広告単価は安いものの、出稿費用がかさんでしまうので、中小企業が負担で きるかは課題。

(24)

オーストラリアへの進出可能性と課題 1/2

【豪州】

EC概況

○ 国内需要ボリューム及びEC市場規模は大きくなく、伸び率も他国より低い

• 人口は約2400万人、GDPは日本の2割弱で先進国としては国内の需要ボリュームは少ない。

• 2014年のEC市場規模は237億ドル(2.26兆円)で、韓国や台湾よりも小さく、2025年までの平均の伸び 率は5.71%も他国より低い数値にとどまる。

• EC利用率は8割であるが、サービスに不満をもつユーザーも多い。

越境EC概況

○ 越境EC利用率は世界の中でも最も高い国の一つ、英語圏のアメリカやイギリス、安さを求め て中国から購入

• 越境ECの経験者は、EC利用者の65%と非常に高い数値。国内の小売事業者のEC対応の遅れに加え、

1000オーストラリアドル(約8.3万円)に設定されている免税限度額が越境ECの利用が進んでいる要因と なっている。

• 同じ英語圏のアメリカやイギリスのECのサイトを利用するか、安価で商品購入が可能な中国サイトが人気。

日本商品のニーズ

○ 日本の存在感は大きくなく、日本製品に対するニーズは小さい

• 国民の半数近くは日本に関心がなく、日本に対してあまり具体的なイメージをいだいていない人がほとんど。

• 日本ブランドが特に目立っていたり、注目されたり、指名買いされたりといったことはあまり聞かれない。

【豪州】

(25)

オーストラリアへの進出可能性と課題 2/2

【豪州】

商流

○ Amazon.comやebay.comに出店すれば現地での販売が可能。有力な現地のECサイト は存在しない

• eBayの現地サイトebay.com.auがあるのみで、Amazon.comやebay.comなどグローバルなサイトが利用さ れている。

• Amazon.comやebay.comに出店すれば、オーストラリアでの販売も可能。

• 現地の小売事業者がECサイトも展開しているが、有力なサイトは存在しない。

日本企業の進出状況

○ 日本企業の進出事例はごくわずか

• 日本企業が直接進出している例はほとんど見られない。

他国の進出状況

○ 中国のECサイトの利用も多い

• グローバルなサイトの利用が多いが、中国のアリババグループのaliexpress.comなども利用されている。

法規制

○ 返品・交換対応が義務付けられていることに注意が必要

• 化粧品や加工食品、玩具等で確認が必要となる場合がある。

• 個人輸入の場合の免税基準は、1000オーストラリアドル(約8万円)と高い。

• 消費者法により、返品・交換対応等が義務付けられている。

【豪州】

参照

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