目 次
第一章 序論……… 1
第一節 研究の動機と研究の目的……… 1
第二節 研究方法と研究手順……… 3
第三節 研究範囲と資料出所……… 4
第二章 台湾の医療福祉機器産業の環境……… 5
第一節 台湾の医療機器産業の発展の現況分析……… 5
第二節 医療機器の世界市場の分析……… 9
第三節 発展の展望……… 10
第三章 介護産業の発展の趨勢……… 13
第一節 現行の介護産業発展の現況分析……… 13
第二節 介護産業の将来の発展趨勢およびそのボトルネック……… 20
第三節 医療体系と介護体系の統合……… 25
第四章 発展戦略の各面の状況……… 32
第一節 政策面……… 32
第二節 戦略的提携……… 35
第五章 将来の展望……… 38
第一節 医療福祉機器産業の将来の展望……… 38
第二節 介護産業の将来の展望……… 45
第六章 結論と提案……… 53
第一節 結論……… 53
第二節 提案……… 56
参 考 文 献……… 59
第一章 序論
第一節 研究の動機と研究の目的
近年、台湾の経済は安定成長し、国民の生活水準が向上、医療衛生技術が改善したこと によって、住民の平均寿命は長くなっている。2004 年を例にとると、女性の平均寿命は 79.4歳、男性は73.6歳で、65歳以上の人口が、全国の人口の9.5% を占め、国連が定めた 7% の基準を超える。老齢化した国になっており、台湾に高齢化時代が既に訪れているこ とが見て取れる。人口の高齢化は、社会福祉と医療保健に直接影響を及ぼし、労働市場の 人材減少に間接的な影響を及ぼす。家庭と社会の面でいうと、扶養や介護が増加し、医療 負担が重くなり、高齢者を介護しなければならなくなる。2003 年度の健保医療の支出の 面では、医療外来支出部分の給付は、65 歳以上の人口が全体の 27% を占め、入院給付で は全体の 44% 、健保の 65 歳以上の高齢者への支払が、健保局に毎年非常に大きな費用の 支出をもたらしていることは明らかである。
さらに、出生率の低下、離婚率の上昇により、台湾では少子化、無子化、単身化、単親化、
および高齢化といった社会現象が一種の普遍的な現象となっている。この趨勢の下、高齢 化社会と人口構造の転換によって、介護される者が急速に増加し、家庭での介護能力が弱 まるという現象が現れ、否応なしに社会に大きな影響を与えている。そのため、将来の台 湾の介護産業は、急速に成長する新興産業となっている。
また、台湾の医療機器は、約 90%を輸入に頼っており、輸入額は毎年 100 億元以上に 達し、着実に増加している。社会生活の質の向上、人口の老齢化および国民健康保険の実 施に伴い、台湾に適した医療工業および医療情報を確立し、医療機器産業のレベルアップ を推進することが必要となる。台湾は、2000年代に入ってから、国際経済の舞台において、
より重要な役割を果たすようになっており、台湾の外貨準備高、情報電子産業は世界中が 羨む焦点となっている。医療電子機器は、比較的長期的な投資であり、ハイテクの多くの 分野にまたがる人材から構成されるため、開発および生産、販売を立ち上げることは比較 的困難であるが、メリットは大きく、市場における独占性は疑いがない。技術移転または 産業での戦略的提携によって足りない部分を補い、開発スケジュールを短縮し、市場の製 造販売のタイミングを充分に把握することが、非常に重要な要素である。
この研究の目的は次のとおりである。
1. 台湾の医療福祉機器産業の環境および現況を分析し、台湾の医療福祉機器産業の発展 の展望について、より深く検討する。
2. 介護産業の発展の趨勢および現況を分析し、台湾の将来の発展の趨勢とボトルネック を理解し、医療体系と介護体系の統合を目指す。
3. 医療福祉機器と介護産業の発展について、政策面および技術面から検討し、実際に実 行可能な戦略的提携の方法を発展させる。
第二節 研究方法と研究手順
上述の研究の目的を達成するため、この研究では、まず台湾の医療福祉機器と介護産業 の現況を検討し、データを収集することによって、初歩的なデータを取得し、図表を運用 することによって、医療福祉機器および介護産業を分かりやすく表現する。本文の研究の 手順は次のとおりである。
1 .関連文献の収集および研究:
研究の動機と目的を確定した後、まず関連文献の収集および研究を行い、関連研 究の課題、研究の方法について、産業の関連研究データをより深く理解する。
2 .データの分析:
収集した医療福祉機器と介護産業のコストと市場の需給などのデータについて、
理論的および方法的なデータに基づき、研究問題をはっきりさせ、研究の枠組みを 確認する。
3 . 得られた結論に基づき、将来の発展と研究の方向について提案を提出する。流れは 下図1-1のとおりである。
図1-1 研究のフローチャート
第三節 研究範囲と資料出所
この研究の目的と方法を確定した後、この研究の範囲および資料の出所について、次の とおり説明する。
一、研究範囲
本文では、台湾の医療福祉機器産業の環境および介護産業の発展の現況について調査し、
その発展のボトルネックおよび両者の相互関係の研究を枠組みとし、台湾地区を研究の範 囲とする。
二、資料出所
本文の主要な資料出所には、次の二次的データが含まれる。
1. 「中華民国戸籍人口統計月報統計」、この資料の出所は、行政院内政部戸政司所が出 版したもので、引用した資料は、台湾・福建地区各県市の人口を、性別および単一 年齢で分けたものである。
2. 内政部戸政司統計資料の検索、この資料の出所は、行政院内政部戸政司が構築した もので、引用した資料は、戸籍人口統計月報である。
3. 中華民国税関輸出入統計資料、この資料の出所は、財政部関税総区が構築したもの で、引用した資料は、台湾医療機器輸出入額である。
4. 国民健康保険統計、この資料の出所は、行政院衛生署中央健康保険局で、この数値 を各項の医療支出割合の計算の依拠とした。
第二章 台湾の医療福祉機器産業の環境
第一節 台湾の医療機器産業の発展の現況分析
社会経済の急速な成長に伴い、住民の生活水準は急速に向上し、老年人口の割合は増加 しており、医療衛生技術の改善によって、住民の平均寿命は長くなっている。図 2-1 のよ うに、1991年の台湾の女性の平均寿命は77.1歳、男性は71.8歳であったが、その後年々 伸びて、2004年には女性の平均寿命は、79.4歳に、男性は73.6歳に達している。台湾の 65 歳以上の人口は、1993 年に国連が定めた 7% の基準を超え、急速に増加し、2005 年 5 月には、全国の人口の 9.58% を占めている(表 2-1 参照)。このことから、台湾が既に高齢 化時代に入っていることが見て取れる。
図2-1 台湾地区の男女平均寿命(1991〜2004年)
近年、医療保健機器産業は、当局および一般社会大衆に非常に重視されており、医療保 健機器工業は、住民が病気を予防し、診断治療し、リハビリを行うために必須の民生工業 の一つとなっている。医療機器産業の技術は、医学工学、電子情報、精密機械、統計、物 理、化学、分子生物、遺伝子工学などの分野にまたがるため、産業ごとの技術格差は非常
に明らかである。台湾の産業は、医学科学研究のスタートが遅かったため、参入の敷居が 比較的低い家庭用医療計測機器 (Home-Monitoring Devices) を切り口としている。Home- Monitoring の医療機器の範囲は広く、人の生理信号を取り込むのに用いられる、体温計、
血圧計、血糖計、尿酸計、血中酸素濃度計などの機器が含まれる。また、技術レベルの比 較的高い心電計、血管硬度測定器、コレステロール測定器などもこの分野に属し、さらに、
計測された数値を、転送するために用いられるソフト、ハードも、この分野に属す。
経済部工業研究院の IEK バイオメディカル班の馮晉嘉氏の研究報告によれば、医療機器 の輸出入製品の上位 10 品目は、表 2-2 のとおりである。2004 年の台湾の医療機器の輸入 額は、2003年に比べ1.6% 増加しており、金額は304億元に達した。2005年1月、2月の 医療機器の輸入額は、前年同期に比べ約 4% 減少した。病院が健康保険の財源縮小に直面 し、大型医療設備の調達に消極的になったが、美容医学機器、レーザー視力矯正などの、
その他の自己負担医療項目が発展する中、第 1 四半期の輸入金額は、2004 年同期に比べ、
7% の成長が予測されている。2005年通年の医療機器の輸入金額は、338億元に達し、前 年に比べ 11%成長することが予測される。輸出の部分に関しては、米国の医療保険・医 療補助サービスセンター (Center of Medicare and Medicaid Services, CMS) が、電動車椅 子の補助案件について厳しく審査し、電動車椅子補助コードの修正に着手したため、米国 の現地のディーラーが発注を遅らせた影響を受け、2004 年の総輸出額は、前年同期に比 べ13.6% 減少し、204億元となった。それに対し、2005年1月、2月には、台湾の医療機 器の輸出額は 9.4% 増加し、2005 年第 1 四半期の輸出金額は、53 億元に達し、2005 年第 1四半期の輸出は12% 成長することが予測され、2005年の輸出金額は、242億元に達し、
19%成長することが予測される。
台湾地区医療器材工業同業会の調査によれば、台湾の 2002 年の医療機器の生産高は、
14億米ドルに達し、世界の市場における占有率は0.7% で、年平均成長率は14.83% である。
台湾で生産されている医療機器は、主に非侵入性医療消耗材、リハビリ機器、機能が比較 的簡単で先端技術ではないレベルの病院設備、医療計器、バイオメディカル材料などであ り、比較的先端の医療機器は輸入に頼っている。対外的輸出の面では、主な輸出項目は、
2004 年の輸出額の大きなものから順番に、原動機付および原動機なしの病人用車両およ びその部分品、血糖計、聴診器、理学療法マッサージ器、および血圧計などである。
表2-1 台湾の戸籍登記現住人口および割合 Population and Percentage
(単位:人、%)
年(月)末別 総人口数 0〜64歳 総人口に
占める割合 65歳以上 総人口に
占める割合 平均年齢
(歳)
1990年 20,401,305 19,132,674 93.78 1,268,631 6.22 1991年 20,605,831 19,260,402 93.47 1,345,429 6.53 1992年 20,802,622 19,386,489 93.19 1,416,133 6.81
1993年 20,995,416 19,504,615 92.90 1,490,801 7.10 31.11 1994年 21,177,874 19,615,518 92.62 1,562,356 7.38 31.45 1995年 21,357,431 19,726,377 92.36 1,631,054 7.64 31.79 1996年 21,525,433 19,833,825 92.14 1,691,608 7.86 32.11 1997年 21,742,815 19,990,759 91.94 1,752,056 8.06 32.42 1998年 21,928,591 20,118,360 91.74 1,810,231 8.26 32.83 1999年 22,092,387 20,226,915 91.56 1,865,472 8.44 33.21 2000年 22,276,672 20,355,364 91.38 1,921,308 8.62 33.55 2001年 22,405,568 20,432,211 91.19 1,973,357 8.81 33.96 2002年 22,520,776 20,489,476 90.98 2,031,300 9.02 34.37 2003年 22,604,550 20,516,816 90.76 2,087,734 9.24 34.82 2004年 22,689,122 20,538,647 90.52 2,150,475 9.48 35.28 2005年1月 22,696,349 20,537,787 90.49 2,158,562 9.51 35.33 2005年2月 22,701,627 20,535,782 90.46 2,165,845 9.54 35.37 2005年3月 22,703,295 20,533,586 90.44 2,169,709 9.56 35.41 2005年4月 22,708,280 20,534,894 90.43 2,173,386 9.57 35.44 2005年5月 22,715,030 20,538,422 90.42 2,176,608 9.58 35.47 資料出所:内政部戸政司。
Source : Dept. of Household Registration Affairs, MOI.
表2-2 台湾の2005年第1四半期の医療機器の輸出入製品上位10品目
(単位:1,000元、%)
輸入製品 輸入額 比率
(%) 輸出製品 輸出額 比率
(%)
その他の 9018 節に属す
る製品 902,852.51 10.9 身体障害者用車両、原動機付 1,197,827.23 22.6 その他のカテーテル、カ
ニューレおよび類似品 719,968.33 8.7 そ の 他 の 理 学 療 法 マ ッサージ器具 384,371.63 7.3 その他の診断または実験
用のプレートのある試薬 および診断または実験用 の配合試薬、プレートが あるかないかにかかわら ず、第 3002 節または第 3006 節に列記されたも のは含まない
711,636.66 8.6 その他の第 9018 節に属 する製品の部分品および
付属品 296,887.47 5.6
その他の第 9018 節に属
する部分品および付属品 658,256.87 8.0 プラスチック製の一次性検査手袋 286,282.37 5.4 人口腎臓(透析)用装置 439,976.09 5.3 その他の第 9021 節に属する製品 230,301.96 4.3 コンタクトレンズ 272,437.67 3.3 身体障害者用車の部分品および付属品 229,277.67 4.3 そ の 他 の 理 学 療 法 マ ッ
サージ器具 228,915.31 2.8 コンタクトレンズ 217,354.06 4.1 歯科用その他の機器およ
び器具の部分品および付
属品 210,035.82 2.5 その他の接着性を有する
被覆材その他の接着層を
有する製品 195,995.61 3.7 コンピュータ断層診断装
置 196,522.67 2.4 その他のプラスチック製
の実験室、衛生および医
療用の物品 176,273.06 3.3 その他のプラスチック製
の実験室、衛生および医
療用の物品 175,292.57 2.1 身体障害者用車両、原動機なし 161,997.26 3.1 輸入製品上位10品目小計 4,515,894.49 54.6 輸出製品上位10品目小計 3,376,568.32 63.7 輸入合計 8,265,729.67 100.0 輸出合計 5,299,805.10 100.0 注: 9018節 - 医療用または獣医用の機器(シンチグラフ装置その他の医療用電気機器および視力検
査機器を含む。)
注: 9021節 - 整形外科用機器(松葉づえ、外科用ベルトおよび脱腸帯を含む。)、補聴器その他器官 の欠損または不全を補う機器(着用し、携帯しまたは人体内に埋めて使用するものに限る。)、
人造の人体の部分および副木その他の骨折治療具
資料出所:中華民国税関輸出入統計資料:工業研究院 IEK-ITIS 計画(2005/04)
第二節 医療機器の世界市場の分析
近年、世界各地での生命に対する重視と健康意識の向上によって、医療機器産業の発展 が刺激されている。米国商務省の予測によれば、2010年までに、世界に10の大きな新興 医療機器市場が誕生し、中華経済圏は最も急速に成長する市場である。日本の経済審議会 が発表した「1995 〜 2000 年新経済政策」の資料によれば、医療保健産業は、21 世紀の日 本で最も重要な 7 つの産業の一つである。このことによっても、医療保健機器産業が、世 界において、将来の成長の潜在性をもっていることが見て取れる。
米国 Frost & Sullivan の1996年の資料の定義によれば、家庭用生理信号読み取り機器と は、家庭用医療機器、家庭用妊娠および排卵検査、家庭用血圧測定システム、家庭用糖尿 病血糖値測定器、家庭用体温測定システム、家庭用コレステロール測定製品、検査計デジ タル電子式、検査計赤外線耳式体温計、試薬水銀式、試薬デジタル電子式である。
台湾経済部工業局の研究報告によれば、世界の医療保健市場の規模は、1992 年の 708 億米ドルから、2002 年の 1,392 億米ドルにまで成長している。毎年の平均複合成長率は 7% である。米国の研究機構、Frost & Sullivan の、米国の家庭医療機器に関する統計によ れば、1997 年の米国の家庭用自己測定医療機器の生産高は既に 14.4 億米ドルに達してお り、2002年の市場販売額は、28.2億米ドルに達している。1992年から2002年までの複 合年成長率は14.8% で、世界の自己測定医療機器の市場の需要量は非常に大きいことを現 している。台湾地区医療器材工業同業会の調査によれば、2000年の世界の医療機器(医療 保健に比べ広範な定義)の市場規模は、総販売額で 1,974 億米ドルに達しており、年平均 成長率は 9.4% である、そのうち、米国が 625 億米ドルで首位であり、日本が 194 億米ド ルでそれに続き、台湾の市場規模は14億米ドルである。
今後数年のうちに、アジアとラテンアメリカの市場がより拡大し、成長率はそれぞれ 19% および 12% に達する。上述の開発途上国または新興国の高度成長に比べ、医薬の観 念が比較的成熟した、米国、ヨーロッパ、日本などの国の成長率は緩やかになるが、7%
程度の成長がある。また、製品の種類でいえば、外科用機器設備が最も多く、その次は医 療電子設備 (Electromedical & Electrotherapeutic Apparatus) である。前者は、1996 年の 世界の市場規模が360億米ドルに達し、後者は150億米ドルであった。以上の市場データ から、民衆が日増しに医療保健の観念を重視する状況の下、医療保健機器市場の需要が、
必ず拡大を続けるであろうことが分かる。医療機器市場の規模と成長性は魅力的であるが、
正視しなければならないのは、上述の市場はほとんどすべて米国、ヨーロッパ、日本など の先進国に独占されていることである。HIMA の資料によれば、世界の80% 以上の医療機 器は米国、ヨーロッパおよび日本の三カ国・地域で創造されており、これらの国・地域は、
自国の市場を独占している。
第三節 発展の展望
医療機器の良し悪しは、医療品質と人体の健康や命に密接にかかわっており、医療機器 は通常、直接または間接に人体で使用されるため、国際的に、医療機器に対する管理は日 増しに厳しくなっている。米、欧、アジアの各国は、医療機器に対し、米国の FDA 510K 許可、カナダの医療機器適合評価システム(CMDCAS)、ヨーロッパ市場の CE 標示、医療 機器指令(MDD, 93/42/EEC)、体外診断用機器指令(IVDD, 98/79/EC)以および日本的 JIS 測試と評価など、関連する法規を制定している。
台湾の医療機器の管理モデルは、表 2-3 に示したように、全部で 3 クラスに分けられ、
クラス III の規範が最も厳しく、医療器材製造管理および品質管理基準(GMP)、検査登記 および臨床関連資料に合格しなければならない。薬事法施行細則第 23 条の規定により、
製造、輸入を申請する医療機器が新規の医療機器または新しい医療機能、応用を追加して いる場合、規定により処理しなければならないだけでなく、学術理論の依拠と関連する研 究報告および資料、安全性試験報告および臨床試験報告を提出しなければならない。一部 のクラス III の製品は、台湾内で臨床試験を行わなければならず、衛生署の公告を基準と する。現代の医療環境は、医療設備に高度に依存しており、各国は、医療機器の安全と品 質を確保するため、医療機器メーカーに、国際基準と法規を遵守して適合し、品質管理シ ステムを厳しく実行することを要求していることが分かる。
表2-3 台湾の医療機器の管理モデル表
クラス I クラス II クラス III
医療器材製造管理および品質管 理基準(GMP)(一部の物品は実 施の必要なし)
医療器材製造管理および品質管
理基準(GMP) 医療器材製造管理および品質管
理基準(GMP)
検査登記の必要なし 検査登記 *(一部の物品は検査
登記の必要なし) 検査登記 + 臨床関連資料
* 検査登記時には、次の書類を提出しなければならない。
1. 生産国の最高衛生機関が発行した製造販売許可証明書の原本(国産の場合は免除)。
2. 授権登記書の原本(国産の場合は免除)。
3. 製造元の検査規格と方法および検査成績書、または製造元の本署が公告した基準に準拠してい ることの自己宣告。
4. 製造元の能書、使用説明書の原本およびその詳細な中国語の能書原稿、最小包装、ラベル。
5. 製薬会社の許可証のコピーおよび国際貿易局が発行した輸入業者登記カードのコピー。
6. 製品の構造、材料、仕様、性能、用途、図面などの完全な技術資料。
7. 医療器材製造管理および品質管理基準 (GMP) または品質システム書類 (QSD) 認可登録証明通達。
8. 遊離放射線を発生する機器の放射線防護安全資料。
資料出所:台湾地区医療器材産業情報ネット
工作大贏家(仕事の勝ち組)の2005年8月号の医療保健業の記載によれば、現在の世界的 な景気の低迷、発展の緩慢な情況の下、医療保健産業は、2ケタに近い成長率を見せており、
世界で成長速度の最も速い産業として認められている。域内の高齢者人口の増加に伴い、
台湾は徐々に高齢化社会に入り、医療保健産業の将来の成長の潜在力はあなどれず、新世 代の 1 兆元産業となることが期待されている。米国の研発機構、Battelle によれば、医療 保健産業の1999年から2003年までの年平均複合成長率は9% に達し、さらには医療保健 産業が、21世紀の世界10大産業機会の首位に躍り出ることが予測されている。
特に、世界の高齢化の趨勢の下、医療保健産業の発展の展望は、さらに各界が楽観的 な予測を行っている。米国人口調査局のウェブサイト(www.prb.org)の資料によれば、
2015年には、世界の65歳以上の人口は5.5億人に達し、世界の総人口の約7.1% を占める。
この成長率は 125.8% に達し、世界の総人口の成長率である 25.8% をはるかに超えている。
台湾について見てみると、内政部の人口資料によれば、台湾で現在 50 歳から 65 歳までの 熟年人口は約300万人で、65歳以上の人口は約200万人である。今後1〜10年間に、300
〜400万人が熟年段階(50歳以上)に入り、シルバー人口も倍数で成長し、台湾に1,000万 の熟年とシルバー消費人口が生まれ、医療保健のビジネスチャンスは、少なくとも 1 兆元 以上が見込まれている。
台湾で医薬分業および国民健康保険が実施されたことは、医療サービス、医療機器およ び薬品市場の発展にとって、大きな役割を果たしている。しかし、医療保健産業において、
バイオテクノロジー産業の展望が、やはり最も注目される焦点となっている。台湾経済部 ITIS 計画(Industrial Technology Intelligence Services・産業技術情報サービス推進計画)に よれば、2004 年の台湾のバイオテクノロジー産業の生産高は約 1,102 億元で、前年に比 べ10%成長し、2005年には10%の成長率を維持し、2006年には、2,500億元まで成長す ることが予想されている。
全体的にいって、台湾のバイオテクノロジー産業の規模は小さく、2003 年を例にとる と、製薬、新興バイオテクノロジーおよび医療機器産業の総生産高は 1,102 億元程度であ り、世界のバイオテクノロジー産業の総生産高の約 0.5%を占めているに過ぎない。その うち、製薬工業(漢方薬を含む)の生産高は、約 522 億元で、GMP 認証を有する生産業者 は計232社、医療機器の生産高は約370億元で、登記製造業者は約322社、新興バイオテ クノロジーの生産高は約210億元で、関連登記業者は既に770社を超えている。医療機器 は台湾で現在、バイオテクノロジー産業の中で輸出比率が最も高く、輸出比率は 44% に 達する。輸出金額の比較的高いのは、電動車椅子、注射器、カテーテル、デジタル体温計 などの製品である。しかし、バイオテクノロジーの急速な発展に伴い、医療機器製品は微 小化、スマート化、バイオミメティック、低侵入性、カスタム化に向けて発展しており、
各種の新興医療機器製品も、それに伴い発売されている。さらに世界人口の高齢化の趨勢 により、自宅介護産業のような新興応用市場がそれに伴っておこり、医療機器産業に無限 のビジネスチャンスが生まれる。医療機器産業は、景気の影響を受けにくく、利益が高い
という特性があるため、多くの業者が電子、電機の量産技術の製造の強みによって、医療 機器産業に参入し投資しており、徐々に産業の発展をもたらしている。
医療機器産業の関連性、技術レベルおよび付加価値のある商品などの特徴を考慮し、台 湾当局はこれを10大新興工業の一つとしており、2001年には、医療機器産業を台湾バイ オテクノロジーの産業範疇に入れ、これを台湾経済部「バイオテクノロジー産業強化推進 案」の推進項目の一つとしている。
第三章 介護産業の発展の趨勢
第一節 現行の介護産業発展の現況分析
公共衛生および医薬技術の高度な発展に伴い、各種疾病は有効に予防できるようになっ てきており、死亡率は、そのために年々下がっている。また、所得および生活品質の大 幅な改善と向上によって、人類の平均寿命も延びている。台湾では、1993 年 9 月の時点 で、65歳以上の高齢者人口が、既に147万人以上に達しており、総人口の7%を占め、国 連が定めた高齢化社会に正式に突入した。2005年9月には、高齢者人口は既に220万人以 上に達し、総人口に占める割合は、9.65% に達した(表 3-1 参照)。行政院経済建設委員会 の予測では、2018年に高齢者人口は14% まで増え、2025年には20% に達し、ほぼ4人に 1人が高齢者となる。現在、先進国の65歳以上の高齢者人口の平均は14% に達しており、
2030 年には、その総人口に占める割合は、24%まで増える予測であり、一部の国では、
30%にまで達している。台湾の人口高齢化現象は、先進国ほどではないが、行政院経済 建設委員会の予測では、2018年に高齢者人口は14% まで増え、2025年には20% に達し、
台湾は12年間で、成年型高齢化社会(高齢者人口の割合が7% 〜10%)から、老齢型高齢社 会(高齢者人口の割合が14% 以上)になり、欧米諸国で50年から80年を必要としたのに比 べ、はるかに速くなっている。
主計処の2000年の調査によれば、台湾の1世帯当たりの平均人数は、1990年の4人か ら、2000年の3.3人まで下がっており、世帯の構成規模が日増しに縮小しているだけでな く、世帯の構造も、夫婦および未婚の子によって構成された核家族が中心となり、41.5%
を占めて最も多くなっている。祖父母、父母および未婚の子から構成される三世代家族は、
わずか 10.5%しか占めておらず、さらに女性の就業率も 1990 年の 35.6%から 2000 年の 48.4%まで増加しており、家庭で提供できる介護能力は、以前より劣ってきている。介 護能力の制限以外に、近年、失業率が上昇し、貧富の差が広がっていることも、家庭の介 護経済における負担能力を大幅に弱めている。失業率で見ると、1999 年が 2.92% であっ たのが、2001年には4.57% まで上がり、2003年8月には5.21% にまで達している。世帯 所得を5段階に分けて計算すると、1980年は最低の4.17倍で、1990年は5.18倍、1996 年には5.38倍にまで上昇し、2003年にはさらに6.16倍にまで達している。そのため、人 口の高齢化、高齢者の長期介護の問題は、慎重に対応すべき重要な課題なのである。
行政院主計処の 2000 年の世帯および住宅国勢調査の統計結果によれば、台湾地区で長 期介護を必要とする高齢者は計18万2,000人で、高齢者全体の9.7%を占めており、すな わち 10 人に 1 人の高齢者が長期介護を必要としている。そのうち、軽度の介護を必要と
表3-1 近年の台湾の高齢者人口数一覧表 年末別総人口数 65歳以上 総人口数
0〜14歳15〜64歳高齢者人口 成長数
成長比 (%)
高齢者人口 比率
(%)
老化指数 (%)
高齢者 依存比(%)
扶養比 (%)
1992年末20,802,6221,416,1335,361,34714,025,14270,7045.266.8126.4110.1048.32 1993年末20,995,4161,490,8015,279,70514,224,91074,6685.277.1028.2410.4847.60 1994年末21,177,8741,562,3565,169,58114,445,93771,5554.807.3830.2210.8246.60 1995年末21,357,4311,631,0545,076,08314,650,29468,6984.407.6432.1311.1345.78 1996年末21,525,4331,691,6084,982,54314,851,28260,5543.717.8633.9511.3944.94 1997年末21,742,8151,752,0564,914,28015,076,47960,4483.578.0635.6511.6244.22 1998年末21,928,5911,810,2314,815,40015,302,96058,1753.328.2637.5911.8343.30 1999年末22,092,3871,865,4724,734,59615,492,31955,2413.058.4439.4012.0442.60 2000年末22,276,6721,921,3084,703,09315,652,27155,8362.998.6240.8512.2742.32 2001年末22,405,5681,973,3574,661,88415,770,32752,0492.718.8142.3312.5142.07 2002年末22,520,7762,031,3004,598,89215,890,58457,9432.949.0244.1712.7841.72 2003年末22,604,5502,087,7344,481,62016,035,19656,4342.789.2446.5813.0240.97 2004年末22,689,1222,150,4754,387,08216,151,56562,7413.019.4849.0213.3140.48 2005年1月22,696,3492,158,5624,378,13016,159,6578,0870.389.5149.3013.3640.45 2005年2月22,701,6272,165,8454,367,87016,167,9127,2830.349.5449.5913.4040.41 2005年3月22,703,2952,169,7094,358,47616,175,1103,8640.189.5649.7813.4140.36 2005年4月22,708,2802,173,3864,348,51816,186,3763,6770.179.5749.9813.4340.29 2005年5月22,715,0302,176,6084,339,53116,198,8913,2220.159.5850.1613.4440.23 2005年6月22,722,5592,180,2304,339,53116,198,8913,6220.179.6050.2413.4640.25 2005年7月22,730,8192,184,3134,316,99816,229,5084,0830.199.6150.6013.4640.06 2005年8月22,738,5592,188,5784,305,02816,244,9534,2650.209.6250.8413.4739.97 2005年9月22,744,8392,195,6614,293,17716,256,0017,0830.329.6551.1413.5139.92 説明: 1.資料出所:内政部戸政司。 2.高齢者人口比率=総人口に占める65歳以上人口の比率。 3.老化指数=65歳以上の人口÷0〜14歳の人口×100。 4.高齢者依存比=65歳以上の人口÷15〜64歳の人口×100。 5.扶養比=(0〜14歳の人口+65歳以上の人口)÷15〜64歳の人口×100。
しているものが最も多く、37.7%を占め、重度の介護を必要とするものがそれに続き、
27.0%を占める。中度の介護と極めて重度の介護を必要とする者は、それぞれ 17.8%と 17.5%を占める。長期の介護を必要とする高齢者のうち、養護施設に居住している者は わずか7.7%、一人暮らしの者が13.8%、残りの78.5%が配偶者、子供または友人と同居 している。現在、大部分の長期介護の責任を、家庭が独力で負担しており、深刻な心身と 費用の負荷となっていることを表している。内政部社会司の統計資料(表 3-2 参照)によれ ば、2004年8月の当局認定の老人養護および長期介護施設は計1,634カ所で、合わせて7 万2,026床を提供することができ、平均すると、高齢者1万人当たり396.5床を供給するこ とができる。そのうち、養護施設が898カ所で4万4,709床、介護ホームが250カ所で1万 3,799床、退役軍人ホームが18カ所で1万3,022床、昼間介護が25カ所で496床、居宅介 護が443カ所である。県市別で見てみると、平均して高齢者1万人当たりに供給可能なベッ ド数は、台東県が 1 位で高齢者 1 万人当たり 696 床を供給可能であり、そのうち退役軍人 ホームが多く、935床を占めている。2位は嘉義市で、高齢者1万人当たり688.7床を供給 可能である。高齢者1万人当たりに提供可能なベッド数が200床に満たない県市としては、
苗栗県が172床、澎湖県が116床、金門県が144床となっており、台湾の長期介護施設の 分布にバランスが取れていないことが分かる。表 3-3 では、台湾の老人ホームおよび老人 福祉施設は、大部分の県市で、需要数が供給数を上回っており、台湾の大部分の老人介護は、
家庭が独立して負担していることが顕著に現れており(外国人労働者による介護を含む)、
高齢者人口が増加するのに伴い、通常、介護の需要も増加するが、それに加え、台湾の高 齢化の速度は速く、解決すべき課題が、より厳しいものになっている。
上述のこれらの数字によって解る事実としては、家庭の介護能力が全般的に下がってお り、家庭を自己依存的な経済・社会単位とすることを要求することは、実際的でないとい うことである。人口の高齢化に伴う老衰と慢性病によって、介護の需要が激増すること以 外に、公共衛生の向上と医療技術の進歩により、多くの病気がもたらすものは、もはや死 亡ではなく、病気を原因とした心身機能障害であり、こういった要素が、介護サービスを 必要とする老衰または心身障害の人口を日増しに増加させているのである。台湾主計処国 勢調査局の 2000 年の世帯および人口国勢調査の資料によれば、33 万 8,000 人が介護サー ビスを必要としており、「長期介護のための機構」を必要とする人が 50 万人、また「1996 年老人状況調査報告」の資料によれば、当局が優先して提供すべきであると住民が感じて いる老人福祉措置の中で、「長期介護サービスの提供」が最も高くなっており、その重要性 は「老人急性医療介護サービス」を超えている。
介護の需要はこのように大きなものであるが、台湾の介護サービス体系は不完全なもの であるため、老人福祉法第九条の規定により、老人福祉施設は以下の5種類に分けること ができ、それぞれに異なるサービス対象がある。
表3-2 台湾福建地区老人養護および長期介護資源分布表 県市別05年8月末 人口数 05年8月末高 齢者人口数 高齢者 人口比 率(%)
養護施設 (05.8.30)
介護ホーム (04.12.31)
退役軍人ホー ム(04.12.31)
昼間介護 (04.12.31)在宅介護 (04.12.31)総床数
現在の高齢 者1万人当 たりの床数 準備中 の床数 高齢者1万人 当たりに供給 可能な床数
箇所床数箇所床数箇所床数箇所床数箇所 総計22,738,559 2,188,578 9.62898 44,709 250 13,799 18 13,022 25 496 443 72,026 329.1 14,741 396.5 台北市2,619,117 291,784 11.14194 7,457 14746 120278,223 281.8 110 285.6 高雄市1,511,762 127,682 8.4558 2,909 3617601 500 00285,169 404.8 128 414.9 台北県3,726,039 260,1316.98158 6,865 177762 2,413 2354810,089 387.8 905 422.6 宜蘭県461,505 54,46011.8026 834 6284 00181,118 205.3 865 364.1 桃園県1,871,474 143,4347.6654 2,859 169962 2,174 250206,079 423.8 1,540 531.2 新竹県474,26551,03610.7611 729 63341 580 00151,643 321.9 700 459.1 苗栗県559,558 69,20212.377 575 8466 00131,041 150.4 150 172.1 台中県1,530,298 122,8778.0324 1,509 16745 375182,329 189.5 2,296 376.4 彰化県1,315,020 142,64310.8540 2,143 128572 1,346 115224,361 305.7 1,511 411.7 南投県537,345 65,45612.1815 1,374 6295 00111,669 255.0 0 255.0 雲林県734,052 99,21113.5215 844 84161 620 231251,911 192.6 191 211.9 嘉義県556,365 79,07414.2121 849 5303 00231,152 145.7 574 218.3 台南県1,105,050 132,40711.9854 2,648 146403 1,740 00245,028 379.7 2,156 542.6 高雄県1,240,203 115,2939.3042 1,952 2412221 1,133 110254,317 374.4 1,628 515.6 屏東県898,611 101,37611.2848 3,056 95031 744 00304,303 424.5 428 466.7 台東県239,184 28,99512.128 521 31822 935 00221,638 564.9 380 696.0 花蓮県347,641 40,11311.5412 1,171 43532 837 350182,411 601.1 100 626.0 澎湖県92,362 13,62014.751 72 286 009158 116.0 0 116.0 基隆市392,084 38,8009.9023 1,511 8379 1841,898 489.2 0 489.2 新竹市389,488 34,6098.8912 461 5176 1304667 192.7 98 221.0 台中市1,029,644 74,6577.2529 1,830 12969 370182,869 384.3 532 455.6 嘉義市271,949 26,8069.8612 997 8763 23771,797 670.4 49 688.7 台南市756,751 64,9328.5832 1,403 11548 25572,006 308.9 400 370.5 金門県68,265 9,012 13.201 120 0 0 1104 130 144.3 144.3 連江県10,527 968 9.201 20 0 0 003 20 206.6 206.6 資料出所: 内政部社会司
表3-3 2005年度第2四半期の台湾地区老人ホームおよび老人福祉施設需給情報統計表
項目 老人ホーム 老人福祉施設 2005/7/20
県市別 60歳以上
人口数(人) 需要数(人) 供給数(人) 需要数(人) 供給数(人) 報告日 台北市 390,337 3,630 1,020 5,972 7,491 2005/7/12 高雄市 180,852 1,229 0 3,642 2,909 2005/7/22 台北県 373,953 449 94 9,349 6,344 2005/7/8 桃園県 194,357 233 1,416 3,933 3,870 2005/7/14 新竹県 67,518 1,688 0 1,385 947 2005/8/22 苗栗県 91,430 403 0 1,883 575 2005/6/25 南投県 65,305 78 0 1,175 1,512 2005/7/15 台中県 170,014 204 0 3,336 1,566 2005/7/22 彰化県 190,559 228 0 5,202 1,443 2005/6/24 雲林県 98,850 119 0 1,779 563 2005/7/21 嘉義県 103,293 95 0 1,419 849 2005/7/12 台南県 174,184 209 0 4,755 2,514 2005/7/8 高雄県 160,687 104,290 180 3,257 6,268 2005/6/27 屏東県 145,122 145 0 3,201 2,503 2005/9/23 台東県 40,679 49 0 1,111 934 2005/8/29 花蓮県 53,656 64 0 1,464 2,012 2005/7/20 宜蘭県 73,102 88 0 1,316 1,675 2005/7/21
澎湖県 17,189 21 0 309 0 2005/7/15
金門県 11,907 14 0 223 120 2005/7/13
連江県 1,281 2 0 7 20 2005/7/4
基隆市 52,244 63 0 1,427 1,511 2005/7/6 新竹市 46,682 2,753 0 942 637 2005/7/21 台中市 103,516 124 0 1,863 2,692 2005/6/24
嘉義市 36,563 44 0 576 949 2005/8/4
台南市 90,808 663 194 801 670 2005/9/12 合 計 2,934,088 116,885 2,904 60,327 50,574
備考:1. 資料出所: 台湾の各地方自治体が、現地の物価水準、高齢者の教育背景、生活形態、消費習性、
経済条件および健康状況の長期観察および認識に基づき、推測して提供。
2. 資料統計日:2005年6月末時点。
1 .長期介護施設:
長期的な慢性疾病に罹り看護サービスを必要とする高齢者の介護を目的とする。
2 .養護施設:
生活自活能力に欠け、かつ技術的介護サービスを必要としない高齢者の介護を目 的とする。
3 .軽費養護施設:
自費の高齢者の養護、もしくは扶養義務のある親族がいない、または扶養義務の ある親族に扶養能力がない高齢者の養護を目的とする。
4 .レクリエーション施設:
高齢者のレジャー、レクリエーション、文芸、技芸、習い事および交流活動を行 うことを目的とする。
5 .サービス施設:
高齢者に昼間介護、臨時介護、就業情報、ボランティアサービス、在宅サービス、
飲食サービス、短期保護および入所、退職準備サービス、法律顧問サービスなどの 総合的サービスを提供することを目的とする。
以上の5種類の施設は、単独で行うことも総合的に行うこともでき、自給自足のため、
提供する設備またはサービスについて費用を徴収することができる。現在、公立の老人福 祉施設は、内政部北区、中区、東区、南区、澎湖老人ホーム、彰化老人養護センター、台 北市浩然敬老院、基隆市立博愛仁愛ホーム、台中市立仁愛ホーム:金門大同ホームなど、
計 19 カ所ある。上述の老人福祉施設以外に、軽費養護の面では、コミュニティ安養堂(施 設)および退除役官兵指導委員会が管理する栄誉国民ホーム(栄家)がある。前者は、一部 の身寄りのない低収入の高齢者のために、住み慣れた場所から遠く離れずに公費で住むこ とのできる軽費養護施設で、台湾省の 1976 年の小康計画に合わせ、コミュニティまたは 町内で修築した小型住宅を運用し、安養堂を設置して、コミュニティの人達が組織した管 理委員会が管理の責任を負うものであるが、経費不足、人手不足のため、設置されていな い、または設置されたが廃止された県市もある。現在、台湾省の各市町村の役所が責任を 負っているコミュニティ安養堂は、計20カ所あり、合わせて560人以上を収容可能である。
後者の栄家は14カ所あり、約1万4,000人以上の退役軍人を収容しており、提供している サービスとしては、生活指導、日常に必要な衣、食、住、交通手段、教育の供給、退役軍 人死亡時の葬儀、出棺、各種年中行事、医療保健、障害者のリハビリ、習い事や生産の奨 励、教育レクリエーションの強化などがある。これは上述の軽費老人養護施設が提供する サービスとほとんど大きな違いはない。
現在、台湾の老人養護施設がサービスを提供する対象は、身体上または精神上もしくは
環境上、経済上問題があり、かつ自宅で適切な介護を受けることができない者である。こ の老人養護施設は、地方の公共団体または社会福祉法人が設置したものであるが、入所で きるかどうかは、市町村が評価し、決定する。老人福祉施設の種類としては、昼間介護(デ イサービスセンター)、短期入所施設、特別老人養護施設、老人養護施設、費用の安い老 人施設、居宅介護支援センターおよび老人福祉センターがあり、その他、老人福祉を向上 させるための施設としては、老人休息ホームなどの施設がある。これらの施設の中で、特 に特別老人養護施設については、入所の必要のある介護老人の生活空間に関し、準備およ び改善を行う。また、施設サービスは、寝たきり老人などの介護の専門施設で、この施設 には、専門的知識と豊富な経験があり、その任務は、昼間介護、短期入所生活介護および 訪問介護事業などの在宅福祉サービスである。
第二節 介護産業の将来の発展趨勢およびそのボトルネック
台湾地区の長期介護施設は、1995年には、居宅介護施設、軽費養護介護、介護ホーム、
昼間介護ホームなどいずれも、その数は 100 カ所を超えていなかったが(図 3-1 参照)、人 口の高齢化、少子化など多くの社会問題に伴い、これらの施設が倍数で成長し、2003 年 には、介護ホームは30倍近く増加し、最も快速かつ急激な増加であり、これには介護ホー ム施設、栄家介護ホーム施設が含まれる。軽費養護介護施設は数が最も多く、養護施設、
栄家養護施設および長期介護施設の数が含まれている。昼間介護は、増加数が最も少なく、
数の最も少ない施設であり、通常は、24 時間介護が中心であることが理解でき、また介 護産業の台湾における需要が、非常に切迫したものであることが理解できる。
介護ホーム施設のベッド数(図3-2参照)は、図からもすぐに分かるように、1995年に開 業していたベッド数は580床しかなかったが、その後急速に成長し、2003年には1万1,997 床に達し、21倍に増加している。許可されたベッド数は、1995年から2003年までで、9 倍しか増加していない。しかし、許可された介護ホームのベッド数は、開業している介護 ホームのベッド数との間には差があるものであり、落差はおよそ 1 〜 3 年であり、当局の 主務官庁の認可後に、介護ホームの建設を行い、ある程度時間をかけて関連する設備を購 入する必要があるためである。将来の単親化、少子化、および高齢化を原因とする家庭介 護能力の弱化および介護される者の大量増加により、長期介護は、現段階においても将来 においても切迫した需要があり、特に、台湾の成年型高齢化社会から老齢型高齢化社会へ の転換が欧米諸国より速いことから、将来、台湾の介護産業が急速に増加し、成長するこ とが予測できる。
欧米諸国および台湾地区の状況を参考にすると、台湾の介護産業の発展の趨勢は次のよ うなものになる。
1 .在宅サービス方式を中心とし、「地元で入所」および「地元で高齢化」の原則に準拠する:
現在、世界には多くの「高齢化社会」の国があり、徐々に老人介護が「生活の正常 化」と「サービスのコミュニティ化」の2大ポイントに向かっており、高齢者ができる だけ自分がよく知っている環境で居住できるようにし、不必要な入所施設を減少さ せ、「家庭化および社会化」の原則を徹底させるため、在宅サービスが将来、当局が 力を入れて推進させる福祉措置となっている。事実上、台湾の内政部は、既に補助 および委託の方式で、老人在宅サービス、老人給食、老人ホームの改善、老人デイ サービスなど、各種老人コミュニティ介護サービスを行っているが、現在の時点で、
実際の利用者はまだ少数であるため、将来、台湾当局が、より積極的に居宅サービ スを推進し、老人長期介護計画の方向「地元で入所」、「地元で高齢化」の原則に則り、
コミュニティにおいて居宅生活介護を必要としている者が、全員適切な介護サービ スを得られるようにし、高齢者が、家庭において老後の生活を送ることができるよ うにし、中国固有の伝統的な孝行を発揮できるようにしていく。そのため、将来、
施設型の介護サービスは、在宅型の介護サービスの支援の方向に向かい、サービス 品質の向上と医療介護を中心としたものとなる。
2 .私立の養護施設を中心に、公立の介護施設で補助し、完備された老人保護ネットワー クを確立する:
社会の急速な変化に伴い、家族の構造が核家族化し、共働きの家庭が既に主流に なっており、一人暮らしの高齢者および老年夫婦だけの同居の比率が日増しに増加 しているため、老人養護の責任を、伝統的な家庭の機能によって達成させることに 期待することは、既に難しくなっている。そのため、高齢者人口の養護問題に対応 するため、台湾では近年、不認可の私立養護施設が急速に増加しているが、その介 護品質と安全は保障が難しく、高齢者の生存・健康権が被害を受けないようにする ため、台湾当局が将来積極的に指導管理監督し、考査、評価するポイントとなる。
公立の養護センターは、低収入または身寄りのない高齢者の介護を中心とする。ま た、老人保護ネットワークを完全なものにするには、老人保護センターを確立する 必要があり、川下の社会資源を統合し、老人緊急庇護所、短期介護センター、長期 介護施設、老人コミュニティ介護体系などの、各種老人専門施設の支援を保護ネッ トワークの中に取り込み、緊急、短期および長期介護の機能を発揮して、高齢者に 完全な支援とサービスを提供し、実質的な保護機能を発揮する必要がある。
3 .専門介護人員の大量需要:
台湾の高齢者人口の比率は、1956 年末の 2.5%から徐々に増加し、2000 年末に は既に 8.6%に達している。台湾の高齢化の程度は、欧米や日本などの先進国ほど 重大ではないが、人口の高齢化の速度は非常に速い。それに加え、台湾の老人扶養 の比率が上昇を続け、子供と同居する高齢者人口が、年々減少しており、一人暮 らしの高齢者は日増しに増加し、10年で16万8,000人から29万9,000人に増加し、
78.4%成長している。介護産業施設の需要の急激な増加のため、介護人員の需要が、
供給に追いつかないことが予測される。
4 .介護産業の新型設備の研究開発:
将来の介護産業発展の趨勢は、長期介護施設の老人介護設備にしても、一人暮ら しの高齢者への安全な居住環境の提供にしても、科学技術の発展によって、老人介 護産業をより便利なものにすることができる。例えば、住宅または施設のバリアフ リー環境や緊急通報システムの設置、ハイテク化した医療機器などが、将来のこの 産業の発展のポイントとなる。
5 .「コミュニティ型老人総合サービスセンター」を確立し、「三代隣居」の目的を達成する:
現在の台湾の長期介護の状況を概観すると、現在、需要の激増、家庭機能の弱化、
財政難などの問題に直面しており、台湾の住民の志向の面では、台湾は伝統的に強 烈な「葉落ちて根に帰す」という観念を持っており、将来、経済レベルと高齢者教育 が徐々に向上するという二重の影響の下、社会構造の変化も加わり、高齢者と子供 の同居は減少する。「三代隣居」の居住方式は、両親への孝行と小さな家庭というメ リットを兼ねそろえているため、この種の居住方式の高齢者と中年者の人が、それ ぞれ6% と7% を占めている。例えば、シンガポールの公共住宅の「一世帯フラット」
の建設方式によって、二世代が隣り合って住むような方式である。子供と隣居でき ない高齢者は、コミュニティ化された介護を採用し、民間にデイサービスや医療な どのサービスの提供を委託し、高齢者が家庭に残り、コミュニティで活動できるよ うにする。
台湾の介護産業が直面しているボトルネックには、介護施設が経営において直面してい る難しさがあり、その経営難には、次のような原因が存在している。
1 .同業間の値下げ競争:
介護産業の需要の増加に伴い、近年、私立の介護施設が、雨後の筍のように急速 に増加しており、そのため多くの介護施設が新しく設立された後、積極的に入所者 を募集し、投入したコストを短期間で回収し、経営の規模を達成しようとしたが、
それがかえって値下げ競争を招き、元々の入所者を奪い合う形となり、理解する時 間もなく新規顧客を開拓したため、介護産業全体の価格競争を招き、業者が正当な 利益を得ることができなくなった。
2 .経営収支のアンバランス:
人口の高齢化などの問題によって、介護産業の需要は増加しているが、当局の認 可において新設される介護施設は、初期に当局の規定により大額のコストを投入し、
合法的な養護施設を設立する必要があるにも関わらず、設立後、すべての施設が経 営規模を達成できるわけではなく、言い換えれば、支出が収入を上回り、長期的な 赤字の場合には、その施設は介護産業から撤退せざるを得ない。
3 .同町村の施設の過剰:
介護産業の需要が供給を上回ると皆が感じていた時は、皆が利益が得られると考 え、競って介護施設を設立し、当局の新規施設の認可も比較的緩かった。しかし、
そのことによって往々にして地域性の問題をきちんと考慮せず、用地の取得が容易 な地区に多くの介護施設が設立されたが、その地区の需要はそれほど大きくなく、