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内6つの総合型地域スポーツクラブの事例から

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内6つの総合型地域スポーツクラブの事例から

Author(s) 村上, 孔輔; 今, 竜一; 山本, 理人

Citation 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 72(1): 553‑561

Issue Date 2021‑08

URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/12032

Rights

(2)

北海道教育大学紀要(教育科学編)第72巻 第1号 令和3年8月 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.72,No.1 August,2021

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携に関する質的研究

―北海道内6つの総合型地域スポーツクラブの事例から―

村上 孔輔・今  竜一・山本 理人**

北海道根室高等学校

三笠市立萱野中学校

**北海道教育大学岩見沢校スポーツ教育学研究室

AQualitativeStudyofCooperationbetweenCommunitySportsClubs andSchoolPhysicalEducationPrograms:

ACaseStudyofSixCommunitySportsClubsinHokkaido.

MURAKAMIKosuke,KONRyuichiandYAMAMOTORihito**

HokkaidoNemuroHighSchool

MikasaKayanoJuniorHighSchool

**DepartmentofSportPedagogy,IwamizawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation

概 要

近年,学校教育においては「社会に開かれた教育課程」の重要性が指摘されており,その取 組みの1つとして総合型地域スポーツクラブと学校の連携がある。本研究は,学校体育をより 良くしていくという視点に立ち,学校体育の学びの質の向上を目指す取組みである総合型地域 スポーツクラブとの連携における成果と課題を明確にするための質的研究を行った。その結果,

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携は,総合型地域スポーツクラブと学校の教員・子 供とそれを取り巻く地域に「クラブ理念の実現」「運動技術向上」「学びの機会の提供」など複 数の好影響を与える点から一定程度の成果は認められるが,クラブと学校,行政の3者間にお いて連携する目的の共有に起因する事業に関する「財源」「打ち合わせ時間」「事業の評価」な ど様々な課題があることが明らかになった。今後は,この3者間で事業の目的を明確にし,連 携を深めていく必要があると考えられる。

キーワード:総合型地域スポーツクラブ,学校体育,地域連携

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1.緒 言

近年,学校教育においては,「社会に開かれた 教育課程」の重要性が指摘されており,学びの質 の向上がキーワードとなっている。その中で,体 育の授業においては,各種の運動がもたらす体の 健康への効果はもとより,心の健康も運動と密接 に関連していることを踏まえ,生涯にわたる豊か なスポーツライフを実現する資質・能力の育成が 重要視(文部科学省,2016)されている。このこ とから,体育における学びの質の向上には,スポー ツの面白さを知り,その幅を広げることや深める ことが大切であるということが考えられる。

しかしながら,小学校から高校までの体育にお いては,指導者によって授業の質にばらつきが出 る こ と が 問 題 と な っ て い る( 文 部 科 学 省,

2016)。とりわけ,小学校の体育においては,「① 小学校教員は全教科を担当するため,体育の教材 研究にかけられる時間が限られていること」「② 教科書がないこと」「③体育実技について必修の 研修はなく,参加は個人の選択に任されているこ と」「④教員の高齢化によって示範を行うことが 難しい場合があること」「⑤教員養成の課程で各 教科に関する科目の単位は少なく,専門性が高い とは言えないことなどの課題があり,『教師によっ て指導レベルの格差がある』『専門性を重視した 指導が十分に実施されていない』などの『教員の 指導に関する問題』が生じていること」(鬼澤ら,

2017)が明らかになっている。

そこで,国や地方自治体は,スポーツの面白さ を子供達に伝えられる「外部指導者」などの専門 性の高い人材の活用を模索しており,近年におい ては総合型地域スポーツクラブと学校の連携が期 待されている(文部科学省,2015)。総合型地域 スポーツクラブと学校の連携についての調査・研 究は,学校運動部活動との連携について数多くな されているものの,学校体育との連携に関する調 査・研究は少ない。数少ない調査・研究の中には,

文部科学省主導の事業を追った事例研究があり,

「事業が単年度のため,継続性が大きな問題となっ

ている」と指摘されている(永谷,2014)。しか しながら,教員への調査は行っておらず,クラブ 側と学校側が考える連携における成果と課題は明 らかにされていない。

これらのことから,学校体育の学びの質の向上 を目指す取組みである総合型地域スポーツクラブ との連携における成果と課題を明確にする必要が あると考える。

よって本研究の目的は,対象の総合型地域ス ポーツクラブのこれまでの活動状況ならびに学校 体育の連携状況を調査し,クラブの指導者と学校 教員へのインタビュー調査から総合型地域スポー ツクラブの学校体育における連携の成果と課題を 明らかにすることである。

2.方 法

本研究では,学校体育において連携している北 海道内の総合型地域スポーツクラブの指導者とそ れに関わる学校教員を対象に半構造化インタ ビュー調査を実施した。また,インタビュー調査 の逐語録を作成した後,KJ法を用いてカテゴ リー分析を行った。なお,カテゴリー分析につい ては,保健体育科教育学を専門とする大学教員と 大学院生とで協議を重ね,分析を行った。

⑴ 調査対象

総合型地域スポーツクラブについては,現在ク ラブの活動において学校の体育授業と連携してい るクラブとした。対象クラブは,表1の通りであ る。選定基準としては,北海道スポーツ協会が現 在学校体育の連携を行っていると確認しているク ラブであるということである。また,この内文部 科学省のモデル事業を受けたクラブは,A・E・

Fクラブの3つである。

調査対象者は,クラブマネージャーの資格を有 しており,学校体育の連携に関わった指導者とし た。また,学校側の調査対象は,学校体育の連携 に関わったクラスの学級担任とし,インタビュー 調査の承諾を得ることが出来た指導者・教員に調

(4)

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携

査を行った。調査対象者の基本属性は,以下に表 として示す(表2,3)。なお,宗谷区域枝幸町 の教員に関しては,インタビュー調査の承諾が得 られなかったため,インタビューガイドに準拠し た自由記述の質問紙を用いて調査を行った。

⑵ 調査時期

①総合型地域スポーツクラブの指導者 A氏:2020年9月6日日曜日 B氏:2020年10月6日火曜日 C氏:2020年10月7日水曜日 D氏:2020年10月6日火曜日

E氏:2020年10月13日火曜日 F氏:2020年9月14日月曜日 G氏:2020年9月17日木曜日

②教 員

A氏:2020年10月15日木曜日 B氏:2020年10月30日金曜日 C氏:2020年10月30日金曜日 D氏:2020年9月24日木曜日

なお,宗谷管内域枝幸町の教員に関しては,調 査対象に適した小学校教諭16名にインタビューガ イドに準拠した自由記述の質問紙を2020年10月1 日から2020年10月31日の期間に配布・回収した。

⑶ 調査内容

調査対象者11名には半構造化インタビュー(指 導者側:60分程度,教員側:45分から60分程度)

を実施した。音声に関する匿名性を担保するため に研究倫理遵守に関する誓約書を作成し,十分な 了解を得たうえでお互いにサインを交わした。イ ンタビュー内容は調査対象者の了解を得てICレ コーダーに録音し,後に逐語録を作成した。その 後,「成果」と「課題」に分け,KJ法を用いてカ テゴリーごとに分類した。また,インタビュー調 査の質問については以下のような項目で行い,② と③を「成果」として,④から⑥を「課題」とし て分析した。

①基本属性(年齢,指導歴・教員歴,専門種目・

教科,活動地区,役職等)について

②総合型地域スポーツクラブと学校教育が連携す ることについて

③連携をするうえでのメリットや良い点について

④連携をするうえでのデメリットや改善点につい て

⑤連携を継続することの困難さについて

⑥連携を困難にしているものについて

⑷ 倫理的配慮

データの収集に際してすべての調査対象者に対 表1 対象クラブと活動地区

対象クラブ名 活動地域 1 Aクラブ 胆振管内域登別市 2 Bクラブ 石狩管内域恵庭市 3 Cクラブ 根室管内域羅臼町 4 Dクラブ 留萌管内域留萌市 5 Eクラブ 宗谷管内域枝幸町 6 Fクラブ 十勝管内域幕別町

表2 調査対象者の基本属性(クラブの指導者)

対象者 活動 地域

年齢 指導 歴

役職

Info.A 登別市 48歳 26年 クラブマネージャー Info.B 恵庭市 31歳 10年 クラブマネージャー Info.C 羅臼町 44歳 8年 クラブマネージャー Info.D 羅臼町 26歳 8年 クラブマネージャー Info.E 留萌市 65歳 19年 クラブマネージャー Info.F 枝幸町 61歳 15年 クラブマネージャー Info.G 幕別町 48歳 24年 クラブマネージャー

表3 調査対象者の基本属性(教員)

対象者 活動地域 年齢 教員歴 専門教科 (副教科) Info.A 羅臼町 48歳 23年 保健体育 Info.B 留萌市 40歳 18年 社会科 Info.C 留萌市 25歳 2年 なし

Info.D 幕別町 60歳 38年 数学(保健体育)

(5)

し,研究趣旨及び倫理的誓約について説明を行い,

研究倫理遵守に関する承諾書にて研究協力の同意 を得て行われた。なお,本研究は北海道教育大学 における研究倫理審査により承認(2020095001)

を得て実施された。

3.結果と考察

⑴ 総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携 の成果

クラブ側のサブカテゴリーをみると,複数のク ラブから生成されたものとして「クラブ」にはク ラブ理念の実現と知名度の向上,専門性の発揮,

新規事業の拡大,次世代の育成,実績向上,子ど もの実態把握,新規会員の獲得があることが明ら

かになった。「地域」には地域貢献,地域連携,

地域課題の発見があることが明らかになった。

連携の成果について共通しているカテゴリー は,クラブ側が「クラブ」「地域」の2つのカテ ゴリーであり,教員側が「子供達」「教師」「指導 者」の3つのカテゴリーであった(表4,5)。

学校側のサブカテゴリーをみると,複数の教員 から生成されたものとして「子供達」には技術向 上とコミュニケーション,個に応じた指導,関心 意欲の向上,リスクマネジメント,体力向上があ ることが明らかになった。「教師」には人的資源 の確保とサポート,学びの機会があることが明ら かになった。「指導者」には専門性の高さを求め ていることが明らかになった。

これらのことから,総合型地域スポーツクラブ

表4 連携における成果(総合型地域スポーツクラブの指導者)

カテゴリ―名 サブカテゴリ―名 Aクラブ Bクラブ Cクラブ Dクラブ Eクラブ Fクラブ 合計数

子供達

活動量の確保 ○       1

リスクマネジメント ○         ○ 2

体力向上   ○         1

技術向上       ○ 1

コミュニケーション       ○ 1

個に応じた指導       ○ 1

教師 サポート ○   ○ ○   ○ 4

負担軽減       ○ 1

クラブ

クラブ理念の実現 ○ ○ ○ ○     4

知名度向上 ○   ○   ○ ○ 4

専門性の発揮 ○   ○       2

新規事業の拡大 ○   ○ ○ ○   4

次世代の育成   ○   ○     2

実績向上   ○ ○     ○ 3

子供の実態把握     ○   ○ ○ 3

新規会員の獲得     ○ ○     2

指導者の意識向上     ○       1

指導力向上       ○ 1

指導者の獲得         ○   1

地域

地域連携   ○ ○ ○ ○ ○ 5

地域貢献   ○     ○   2

地域課題の発見 ○   ○   ○   3

(6)

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携

と学校体育の連携の成果として,クラブ側はクラ ブの理念の実現と知名度の向上,専門性の発揮,

新規事業の拡大,次世代の育成,実績向上,子ど もの実態把握,新規会員の獲得があることと地域 の貢献と連携,課題発見があることが考えられる。

また,学校側は子供達の技術向上とコミュニ ケーションの向上,個に応じた指導,関心意欲の 向上,リスクマネジメントの強化,体力向上があ ることと教師の人的資源の確保とサポート,学び の機会があること,指導者の専門性の高さを活か すことが成果としてあることが考えられる。

⑵ 総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携 の課題

連携の課題については,共通しているカテゴ リーは,クラブ側は,「教師」「事業」「行政」の 3つのカテゴリーであり,教員側は「学校」「ク ラブ」「事業」の3つのカテゴリーであった(表6,

7)。

クラブ側のサブカテゴリーをみると,複数のク

ラブから生成されたものとして「教師」には目的 の共有と教師間の温度差,閉塞性,人事異動があ ることが明らかになった。「事業」には財源,事 業への評価,勤務時間,新規開拓の困難さ,打ち 合わせ時間,授業時数,連携の形,継続の不透明 さがあることが明らかになった。「行政」には担 当者の温度差と無理解,人事異動,非協力的な行 政,目的の共有があることが明らかになった。

学校側のサブカテゴリーをみると,複数の教員 から生成されたものとして「学校」には教育課程 の位置づけと授業時数,学校のニーズがあること が明らかになった。「クラブ」にはクラブの実績 と子供の実態把握があることが明らかになった。

「事業」には財源と打ち合わせ時間,事業の継続 性,事業への評価があることが明らかになった。

これらのことから,総合型地域スポーツクラブ と学校体育の連携の課題として,両者ともに事業 の財源と授業時数,事業への評価,打ち合わせ時 間が課題としてあることが考えられる。

財源に関しては,一朝一夕で解決できる問題で 表5 連携における成果(教員)

カテゴリ―名 サブカテゴリ―名 Cクラブ 教員

Dクラブ 教員

Eクラブ 教員

Fクラブ

教員 合計数

子供達

技術向上 ○ ○ ○ ○ 4

コミュニケーション ○ ○ ○ 3

個に応じた指導 ○ ○ ○ 3

関心意欲の向上 ○ ○ ○ 3

リスクマネジメント ○ ○ ○ 3

体力向上 ○ 1

活動量の確保 ○ 1

生涯スポーツの意識向上 ○ 1

学校 連携のアピール ○ 1

教師

サポート ○ ○ ○ ○ 4

学びの機会 ○ ○ ○ ○ 4

人的な確保 ○ ○ ○ ○ 4

負担軽減 ○ 1

指導者 専門性の高さ ○ ○ ○ ○ 4

プログラムの提供 ○ 1

地域 地域連携 ○ ○ 2

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はないが,ヨーロッパの事例研究(富本ら,

2015)のように行政の財源だけではなく,教育団 体や民間の企業から協力を取り付ける取り組みが 必要である。授業時数と事業への評価,打ち合わ せ時間については,連携の体制を明確にし,工夫 することで十分解決できる課題であると考える。

特徴的なクラブ側の課題としては,行政に関わ る課題が多く見受けられることから,連携に対し て行政との関係において何らかの問題が存在して いる可能性が示唆される。これについては,クラ ブと学校,行政の3者が子供達のためであるとい うことを前提に事業の目的を共有していくこと

(長田,2018)がとても重要である。また,連携 が行政からの押し付けではなく,教員からの要請 からであるというボトムアップ型の事業創造が求 められると考える。

4.結 語

本研究は,「社会に開かれた教育課程」の実現 が模索されている中で体育授業において総合型地 域スポーツクラブと学校が体育授業で連携する視 点から出発した。そのうえで,総合型地域スポー ツクラブと学校体育の連携の成果と課題を明らか 表6 連携における課題(総合型地域スポーツクラブの指導者)

カテゴリ―名 サブカテゴリ―名 Aクラブ Bクラブ Cクラブ Dクラブ Eクラブ Fクラブ 合計数

学校 学校の規模 ○       1

教師

閉塞性 ○ ○ ○ ○   ○ 5

教師間の温度差 ○ ○ ○ ○     4

管理職の理解       ○ 1

専門性の高い教師   ○         1

人事異動 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6

目的の共有 ○ ○ ○   ○ ○ 5

クラブ

指導者の確保 ○ ○   ○ ○   4

情報共有不足   ○         1

指導者への批判     ○       1

種目の特性     ○       1

事業

打ち合わせ時間 ○ ○     ○ ○ 4

勤務時間 ○ ○ ○     ○ 4

財源 ○ ○   ○ ○ ○ 5

継続の不透明さ ○ ○ ○     ○ 4

事業への評価 ○ ○ ○   ○ ○ 5

連携の形 ○ ○   ○     3

新規開拓の困難さ   ○   ○     2

授業時数   ○ ○     ○ 3

行政

無理解 ○   ○ ○ ○ ○ 5

担当者の温度差 ○ ○ ○       3

人事異動 ○ ○ ○   ○ ○ 5

非協力的な行政   ○   ○ ○ ○ 4

目的の共有     ○   ○ ○ 3

行政との関係       ○     1

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総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携

にする必要があると考えて調査を実施したもので ある。総合型地域スポーツクラブと学校体育の連 携の成果と課題は以下の通りである。

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携の 成果は,クラブと学校,地域の3つからとらえる と一定程度認められる。クラブにとっては,学校 と関わることにより総合型地域スポーツクラブの 理念の実現につながり,指導者の専門性を発揮す

ることができる。それは,総合型地域スポーツク ラブが子どもから大人までという「多世代」と様々 なスポーツを行えるという「多種目」と初心者か ら上級者までという「多志向」の3つがテーマと なっている団体であり,各地域のクラブの理念も それに則っているものであるからだと考えられ る。また,次世代を担う子供が集まる学校という 場所で活動することによって,クラブを知っても 表7 連携における課題(教員)

カテゴリ―名 サブカテゴリ―名 Cクラブ 教員

Dクラブ 教員

Eクラブ 教員

Fクラブ

教員 合計数

学校

教育課程の位置づけ ○ ○     2

人事異動 ○       1

授業時数 ○ ○ ○ ○ 4

学校のニーズ ○     ○ 2

研修時間の確保     ○   1

教師

内容の評価 ○ ○     2

内容の継続   ○     1

教師間の温度差 ○     ○ 2

目的の共有 ○ ○     2

管理職の負担   ○   ○ 2

人事異動   ○     1

業務の増加   ○     1

日々の忙しさ   ○   ○ 2

クラブ

目的の共有 ○       1

連携する内容 ○       1

クラブの実績 ○ ○     2

子供の実態把握   ○ ○ ○ 3

人事異動   ○     1

指導者の確保     ○   1

事業

財源 ○ ○ ○   3

事業への評価   ○ ○   2

事業の継続性   ○   ○ 2

打ち合わせ時間   ○ ○ ○ 3

連携の形   ○     1

目的の共有     ○   1

連携の取りにくさ       ○ 1

行政 目的の共有 ○       1

無理解   ○     1

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らうことにつながり,新規会員を獲得するきっか けになる。さらには,学校という組織と一緒に授 業を作り上げることによって,クラブの社会的な 実績が評価され,新規事業を拡大するにあたりと ても大きな後ろ盾となりうる。

一方,学校にとっては,教員と子供達の両方に メリットがある。教員が専門性の高い指導者と一 緒に授業を行うことにより学びの機会になり,教 員自身の授業の改善にも役立つ。また,体育授業 が苦手な教員や専門性のない種目を教える場合に はサポート役となりうる。そして,教員数の増加 を見込めない現状を考えれば,人的資源の確保に つながる。子供達については,教員と指導者から 個に応じた指導を受けるによって,運動の技術向 上はもとよりコミュニケーション能力や関心意欲 の向上がみこめる。また,安全に体育を行うこと が出来ることも大きな成果である。

地域にとっては,普段はあまり関わることがな い子供達とクラブの指導者,学校の教員が学校を 通じて関わることにより,地域連携が強まるとい うことが考えられる。

以上の3つの視点から総合的に判断すると総合 型地域スポーツクラブと学校体育の連携の成果 は,クラブと学校,地域の3つからとらえると一 定程度認められるという結論が導き出される。

総合型地域スポーツクラブと学校体育の連携の 課題は,クラブと学校,事業という3つの視点か ら考えると様々なものがある。クラブについては,

学校という組織の閉塞性や教員によって事業への 協力度合いが異なるということが課題となってお り,教員の人事異動という要因が連携を行う目的 の共有を阻害していると考えられる。行政につい ては,事業に対して理解がないということや協力 的ではないということが課題になっていることが 示唆される。行政の人事異動についても連携を行 う目的の共有を阻害していると考えられる。

学校については,学校体育で連携を行うための 授業時数が課題となっている。また,教師はクラ ブの指導者に対して,子供達の実態把握というと ころに課題を感じている。

事業については,クラブの指導者と学校の教員 の両者が打ち合わせの時間に課題を感じている。

クラブにとっては,事業の勤務時間や財源,継続 の不透明さ,事業の評価がなされていないという ことなど多くのことに課題がある。

以上のことから,クラブと学校という2者だけ でなく,行政も入れた3者間で人事異動があって も問題がないよう「連携を行う目的の共有」を行 うことが課題の解決につながると考える。また,

そのことが事業全体の課題の解決につながること が示唆される。

本研究においては,対象がクラブの指導者と教 員だけであることから成果と課題についての一般 化には至らない。よって,今後はクラブ側と学校 側だけでなく,本研究で明らかになった行政とい う存在の中にいる連携に関わった人物や実際に連 携した体育授業を受けた児童・生徒に対象を広げ る必要がある。また,本研究は北海道においての 事例を追った研究であるため,北海道以外の地域 においても同様の結果が得られるのかという視点 に立って研究を深めていくことが求められる。

謝 辞

本研究を行うにあたり,調査に協力して頂きま した協力者の皆様や質的調査の対象者として協力 して頂いた総合型地域スポーツクラブの関係者と 教員の皆様に心から深く感謝申し上げます。

付 記

調査資料の収集にあたっては,科学研究費補助 金,「『体つくりの運動遊び』領域における学校と 地域が連携した学習支援システムの構築(基盤研 究C:課題番号19K11613)の補助を受けた。

文 献

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(10)

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(村上 孔輔 北海道根室高等学校教諭)

(今  竜一 三笠市立萱野中学校教諭)

(山本 理人 岩見沢校教授)     

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参照

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