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大阪府立産業技術総合研究所 No.

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励起、発光、スパーク放電、誘導結合プラズマ(ICP)、金属材料、定量分析

01007 01007 01007 01007 01007

発光分光分析法

はじめに はじめにはじめに はじめに はじめに

各種機械・金属製品にはその用途に応じてさ まざまな金属材料が用いられています。そのた め、これらの製品が目的とする組成で造られて いるか品質管理を行う必要があります。特に最 近では、海外からの輸入品が多くなってきてお り、品質管理の重要性はより高まっています。

また、製品の使用にあたり、何か予期しない問 題(例えば、破損や腐食)が発生した場合、そ の製品の材質に問題がないかを調べることが求 められます。

これらの製品の組成分析は製造元で行われる ことが望ましいですが、機器が高価である、人 手不足、ノウハウの欠如などの理由により分析 が行われないことがあります。当所ではこれら の問題に応えるべく、発光分光分析法を用いた 金属材料の組成分析を依頼試験で行っていま す。ここでは、金属材料の組成分析の代表例と して、スパーク放電発光分光分析法と高周波誘 導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を紹介し ます。

発光分光分析法とは?

発光分光分析法とは?

発光分光分析法とは?

発光分光分析法とは?

発光分光分析法とは?

原子に何らかの方法でエネルギーを与える と、殻外電子があるエネルギー準位からそれよ り高い準位に上がります。これを励起といいま す。この励起状態から再び下のエネルギー準位 に戻る際、スペクトル線(波長λの光)を放射 します。これを発光といいます。以上を模式的 に表したものを図 1 に示します。この発光スペ クトルは原子に固有の波長を示すことから、こ の光を分光器で選別して計測することによっ て、試料の構成元素の種類と量を知ることがで きます。

定量分析については、あらかじめ含有量既知 の標準試料によるスペクトル線の強度を求めて おき、これと未知試料のスペクトル線強度を比 較することによって含有量が求められます。

スパーク放電発光分光分析法 スパーク放電発光分光分析法 スパーク放電発光分光分析法 スパーク放電発光分光分析法 スパーク放電発光分光分析法

この分析法は、分析試料を電極の一端として スパーク放電を起こさせ、それで得られる発光 スペクトルを解析することによって定量分析を 行う方法です。当所には外観を図 2 に示す(株)

島津製作所製の発光分析装置OES‑5014を設置し ています。この装置はφ14より大きい平面を有 する試料であれば試料中の多くの元素を同時に しかも迅速に微量成分から高含有成分まで分析 できる大きな特徴を持っています。ところで、

スパーク放電発光分光分析法で得られる分析情 報は表面から 10 μ m 程度であるため、表面に汚 れ、めっき層、浸炭層、脱炭層などがあると誤っ た分析値となります。このような場合は表面層 を除去する前処理が必要となります。また、分 析誤差を招かないために分析試料と合致した標 準試料の採用と適正な分析手順が重要です。当 所で組成分析を行っている金属材料として、炭 素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼を代表とする高 合金鋼、鋳鉄、アルミニウム合金、亜鉛合金な どが挙げられます。特に日本工業規格(JIS)に 該当する材質のものについては、その多くを網 羅しています。

例として、白銑化鋳鉄中のマグネシウムの定 量分析について紹介します。7 個の標準試料を 用いてマグネシウムの検量線を作成した結果を 図 3に示します。横軸がマグネシウムの含有量、

縦軸が発光スペクトルの強度を表します。発光 スペクトルの強度はマグネシウム量と比例関係

図1 原子の励起と発光 図1 原子の励起と発光図1 原子の励起と発光 図1 原子の励起と発光 図1 原子の励起と発光 機器紹介

機器紹介機器紹介 機器紹介 機器紹介

(2)

作成者  評価技術部 金属分析グループ 岡本 明  作成者  評価技術部 金属分析グループ 岡本 明 作成者  評価技術部 金属分析グループ 岡本 明  作成者  評価技術部 金属分析グループ 岡本 明 

作成者  評価技術部 金属分析グループ 岡本 明 Phone:0725‑51‑2737Phone:0725‑51‑2737Phone:0725‑51‑2737Phone:0725‑51‑2737Phone:0725‑51‑2737 発行日  

発行日  発行日   発行日  

発行日  2001200120012001 年2001年年年年 99999 月月月月 28月282828 日28日日日日

にあることがわかります。例えば、ここで分析 試料の発光スペクトルの強度が 60 と得られれ ば、図 3 の直線から読み取って分析試料のマグ ネシウム量は0.043%であることがわかります。

このような操作はほとんど付属のコンピュー ターによって行われます。

高周波誘導結合プラズマ 高周波誘導結合プラズマ高周波誘導結合プラズマ 高周波誘導結合プラズマ

高周波誘導結合プラズマ(ICP)(ICP)(ICP)(ICP)(ICP)発光分光分析法発光分光分析法発光分光分析法発光分光分析法発光分光分析法 スパーク放電発光分光分析装置では、薄い試 料や線材、小さい試料、形状が複雑で平面が取 れない試料などは組成分析を行うことができま せん。また JIS に定められていないような合金 系についても、それに対応する標準試料がなけ れば、組成分析を行うことができません。

これらの問題を抱える分析試料については、

ICP 発光分光分析装置が適しています。当所で は外観を図 4 に示す(株)島津製作所製の高周 波プラズマ発光分光分析装置 ICPS‑2000 を設置 しています。この方法で測定を行う場合、標準 試料および分析試料はともに溶液として準備す る必要があります。コイルに高周波をかけて発 生させたプラズマトーチ中にこれらの溶液を噴 霧し、得られる発光スペクトルを解析すること で元素の定量分析を行います。

ICP 発光分光分析法の特徴として、高感度で あることが挙げられます。通常、金属材料では、

ppm オーダーまで分析することが可能です。ま た、検量線の直線範囲が広いため、ppm レベル の微量成分から主成分まで分析できます。ま た、共存元素の影響が少なく高精度の分析方法 です。

この分析法では酸などを用いて試料を溶液に するため、分析前処理が煩雑で、また、ノウハ ウを必要とする場合があります。例えば、溶液 にする際に沈殿物や溶け残りなどの残さが生じ た場合、さらに別の方法で残さを溶解しなけれ ばなりません。

おわりに おわりにおわりに おわりにおわりに

以上に当所で行っている 2 種類の発光分析法 について紹介しましたが、これらの分析法では 組成分析できない場合もあります。例えば、全 く材質不明の金属材料には簡単に対処すること ができません。当所ではこのような場合でも他 の分析装置を併用しながら依頼試験を行ってい ます。詳しくは、金属分析グループまでご相談 ください。

図2 スパーク放電発光分光分析装置の外観 図2 スパーク放電発光分光分析装置の外観図2 スパーク放電発光分光分析装置の外観 図2 スパーク放電発光分光分析装置の外観 図2 スパーク放電発光分光分析装置の外観

0 20 40 60 80 100

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08

Intensity

Content(mass%)

図3  図3 図3 

図3 図3 MgMgMgMgMg の検量線の検量線の検量線の検量線の検量線 図4 ICP発光分光分析装置の外観図4 ICP発光分光分析装置の外観図4 ICP発光分光分析装置の外観図4 ICP発光分光分析装置の外観図4 ICP発光分光分析装置の外観

参照

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