JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発
著者 福井 至
雑誌名 東京家政大学附属臨床相談センター紀要
巻 3
ページ 29‑48
発行年 2003
出版者 東京家政大学附属臨床相談センター
URL http://id.nii.ac.jp/1653/00010016/
〔東京家政大学 臨床相談センター紀要 第3集 P.29〜40,2003〕
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発
福井 至
Development of Revised Versions of JIBT, DACS, and DASI
Itaru FUKUI
要約
本研究では、不合理な信念を測定するためのJIBT(Japanese Irrational Belief Test)(松村,1991)(70項目)と、
抑うっと不安の自動思考を測定するためのDACS(Depression and Anxiety Cognition Scale)(福井,1998a)(50 項目)、および抑うっと不安の症状を測定するためのDASI(Depression and Anxiety Symptom Inventory)(福 井,1998b)(62項目)の改訂版の開発をおこなった。これらの質問紙は、質問項目数が多く、臨床場面で用いるに
は不向きであった。このことから、本研究では臨床的に使用しやすいように、より項目数の少ない短縮版を作する ことを目的とした。
3っの調査から、JIBTの短縮版であるJIBT−R(38項目)と、 DACSの短縮版である2種類のDACS−S1とDACS−
S2(それぞれ25項目ずつ)、およびDASIの短縮版であるDASS(Depression and Anxiety Symptom Scale)(27 項目)が開発された。これらの短縮版質問紙はそれぞれ原版の質問紙の約半数以下の質問項目数から構成されてお
り、原版の質問紙よりも明らかに臨床場面で使用しやすい質問紙となった。
キーワード 不安・抑うつ、質問紙、不合理な信念、自動思考、不安・抑うっ症状
問題と目的
福井(2002)は、Fig.1に示した抑うっと不安 の関係を説明する認知行動モデルであるDACモ デルを提唱した。このモデルは、抑うっと不安と 系的な
1 推論の誤り
不合理な信念
の0.5前後の相関関係を説明するため、各種質問 紙調査や実験結果に基づいて構築された認知行動 モデルである。
自動思考一一一一一一一一一一一一一一一一→〉気分 認知内容と気分を除外した各種症状
問題回避 自己否定
抑うつ気分特有の症状
@抑うつ症状
@死の反復思考・無価値感・罪責感症状
将来否占 抑うつ気分
外的無力感 過去・現在否定
抑うつ気分と不安気分に共通の症状
@不安の生理的症状
@恐怖症・強迫行為症状
@筋緊張・熱感・めまい・
@ 死ぬことに対する恐怖症状
@睡眠障害症状 ノ
脅威・嫌悪状況予潰 不安気分
依子 状況の脅威度・嫌悪度 不安気分特有の症状
@不安の認知的症状
ヅ
注L外的無力感の不合理な信念と過去・現在否定の自動思考のため、将来否定と脅威・嫌悪状況予測の自動思考に.50前後の相関が生じ、
抑うつ気分と不安気分との相関、および抑うつ気分の特有症状と不安気分の特有症状の相関も.50前後となる。
注2将来否定もしくは脅威・嫌悪状況予測の自動思考を認知変容すると、図に示された因果関係とは逆方向の因果関係が自動思考間に生じる。
Fig.1 DACモデル(福井,2002より)
心理教育学科 臨床心理学第1研究室
このモデルにおいては、図の上部に示されてい るように、不合理な信念が外的刺激と体系的な推 論の誤りの影響を受けて自動思考を引き起こし、
抑うっ気分や不安気分を引き起こすという因果関 係が示されている。また、気分から不合理な信念 や自動思考にも影響するということが、図の下部 に示されており、循環的な因果モデルとなってい る。さらに、気分と気分以外の各種症状との関係 については、因果関係ではなく抑うつ気分もしく は不安気分と相対的に強い相関のある症状として 示されている。
このモデルにおける不合理な信念とは、外的刺 激に対する評価基準として各個人が持っている信 念体系のうちでも特に、適応の障害となる可能性 の高い信念のことである。また自動思考とは、何 らかの外的刺激を受けたときに自動的に自分の意 志とは関係なく意識にポップアップしてくる考え のことである。
っまり、例えば外的無力感の信念である「子供 の頃に親から非難されっづけ、自尊心をもてなかっ たことが事が今も尾をひいている。」という不合 理な信念を持っている人がいたとしよう。そして、
最近また、親から非難されるという外的刺激を受 けたとする。すると、自動的に本人の意識に、
「私はだめだなあ。」という自己否定の自動思考と、
「私はいっも親から非難される。」という過去・現 在否定の自動思考が生じる。そして、これらの自 己否定の自動思考と過去・現在否定の自動思考か らは、将来否定の自動思考である「将来もきっと 自分はほめられたり自尊心を持ったりすることが できず、非難されっづけるのだろう。」という自 動思考が生じる。そして、この将来否定の自動思 考が強い抑うっ気分を引き起こす。このような、
過剰な抑うつ気分や不安気分を引き起こす認知的 な因果関係を象徴的に示したのがFig.1のモデル
である。
DACモデルにおいては、抑うつに関しては問 題回避と外的無力感の不合理な信念が自己否定の 自動思考を,また外的無力感の不合理な信念は自 己否定のみではなく過去・現在否定の自動思考も 引き起こすこと。そして、この自己否定と過去・
現在否定の自動思考が将来否定の自動思考を引き 起こし,抑うっ気分を引き起こすことが示されて いる。また、抑うっ気分は,抑うっ気分特有の症 状である抑うっ症状および死の反復思考・無価値 観・罪責感症状と,抑うっ気分と不安気分の共通 症状である不安の生理的症状、恐怖症・強迫行為 症状,筋緊張・熱感・めまい・死ぬことに対する 恐怖症状,睡眠障害症状と相関が強いことが示さ れている。
他方、不安に関しては、依存と外的無力感の不 合理な信念が状況の脅威度・嫌悪度の自動思考を、
また外的無力感の不合理な信念が過去・現在否定 の自動思考も引き起こすこと。また、この過去・
現在否定と状況の脅威度・嫌悪度の自動思考が脅 威・嫌悪状況予測の自動思考を引き起こし、不安 気分を引き起こすことが示されている。さらに、
不安気分は、不安気分特有の症状である不安の認 知的症状と、抑うっ気分と不安気分の共通症状と 相関が強いことが示されている。
また、注1には、外的無力感の不合理な信念と 過去・現在否定の自動思考のため将来否定と脅威・
嫌悪状況予測の自動思考に.50前後の相関が生じ、
抑うっ気分と不安気分との相関,および抑うっの 特有症状と不安の特有症状との相関が.50前後と なることが示されている。さらに、注2には、将 来否定もしくは脅威・嫌悪状況予測の自動思考の 変容を行なうと、図に示された因果関係とは逆方 向の因果関係が自動思考間に生じることが示され
ている。
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発 このDACモデルの、自動思考と気分との間の
因果関係の正当性は実験により確認され、また不 合理な信念が自動思考を引き起こし自動思考が気 分を引き起こすという因果関係も共分散構造分析 によりその正当性が確認されている(福井,2002)。
さらに、コンピューターを用いたカウンセリング であるComputer Assisted Counselingによる実 験とケース研究から、DACモデルに基づく認知 行動療法は抑うつと不安が同等に問題となる「混 合性不安抑うつ障害」や「不安と抑うっ気分を伴 う適応障害」「うつ病性障害」および「社会不安 障害」に効果があることが明らかとなっている
(福井,2002)。
ところで、このDACモデルに基づく認知行動 療法の導入においては、不合理な信念をJapanese Irrational Belief Test(以下JIBTと略記する)
(松村,1991)で、体系的な推論の誤りをThinking Error Scale(以下TESと略記する)(丹野・坂本・
石垣・杉浦・毛利,1998)で測定した。また、自動 思考をDepression and Anxiety Cognition Scale
(以下DACSと略記する)(福井,1998a)で、抑う っ気分と不安気分をDepression and Anxiety Mood Scale(以下DAMSと略記する)(福井,1997)
で測定した。さらに、気分以外の症状をDepression and Anxiety Symptom Inventory(以下DASI と略記する)(福井,1998)で測定していた(福井,
1998b)。
これらの質問紙それぞれの項目数は、JIBTが 70項目、TESが19項目、 DACSが50項目、 DAMS
が9項目、DASIが62項目からなっていた。っま り、5種類の質問紙の項目数の合計は220項目と、
大変に膨大な数となっていた。そのため、これら 5種類の質問紙すべてをクライエントに実施する と、クライエントには大変な負担をかけることと なっていた。
ところで、DACSとDAMSにおいては、各項 目の因子負荷量が1つの因子に.45以上で他の因 子に.35未満となることを基準として項目が選定 されていた。しかし、JIBTとDASIにおいては、
そのような基準は採用されていない。そのため、
JIBTとDASIにおいては、因子間の相関が高いと いう問題と因子構造の再現性が低いという問題が あった。このことから、JIBTとDASIにおいても、
各項目の因子負荷量が1っの因子に.45以上で他 の因子に.35未満となることを基準として項目を 選定し直す必要があるものと考えられる。
以上のことから、DACモデルに基づく認知行 動療法の導入においてクライエントの負担を軽減 するため、特に質問項目の多いJIBTとDACS、
およびDASIの短縮版を作成することを本研究の 目的とした。その際、JIBTとDASIにおいては、
各項目の因子負荷量が1っの因子に.45以上で他 の因子に.35未満となることを基準として項目を 選定し直すこととした。また、DACSにおいては、
因子的妥当性に差がなくかっ質問項目にできるだ け重複がない2種類の質問紙を作成することとし た。これは、クライエントによっては、同一の因 子に含まれる質問項目であっても非常によくあて はまる項目と全くあてはまらない項目があるクラ イエントがいることに配慮したためである。
調査1 目的
7因子各10項目ずっの合計70項目からなる原版 JIBTから、因子的妥当性がより高く臨床的にも より使用しやすい短縮版のJIBTを作成すること を目的とした。
方法
被検査者 大学生131名(男子117名、女子14名)、
女子短期大学生102名、専門学校生93名(男子20名、
女子73名)の合計326名(男子137名、女子189名)
が被検査者であった。
質問紙 松村(1991)が開発したJIBTを用いた。
原版は、測定時点での不合理な信念の強さを「全 くそう思わない」から「非常にそう思う」までの 5件法で回答させるものであった。しかしこれを、
DACSの測定期間と同じ過去2〜3日間の不合理 な信念の強さを「1.全くそう思っていなかった」
から「5.非常にそう思っていた」までの5件法で 回答させるように変更した。これは、臨床場面で DACSと同時に用いた場合、 DACSの測定期間と 一致させたほうが不合理な信念と自動思考との関 連を把握しやすいためである。
手続き 講義時間を用いて、集団法で調査を実施
した。
結果と考察
大学生23名(男子21名、女子2名)、女子短期 大学生9名、そして専門大学生11名(男子2名、
女子9名)に無回答などの不備な回答があった。
そのため、以下これら43名を除いた283名(男子 114名,女子169名)の結果を示す。平均年齢は、男 子が18.7歳(SD=1.1)、女子が18.7歳(SD−1.1)で あった。
まず全70項目にっいて、被検査者の回答をもと に因子数を7としてバリマックス回転を用いた主 成分法による因子分析をおこなった。次に、各項 目の因子負荷量が1つの因子に.45以上で他の因 子に.35未満となることを基準として、基準に合 致しない項目を削除した。その結果、「65.大地震 が起これば世界は終わりだ。」「60.家族が落ちこ んでいたら自分も落ちこむのが当然だ。」、「52.友 人の悩みは自分の悩みであるべきだ。」、「31.状況 が思わしくない時は投げ出したくなって当然だ。」、
「49.っかの間の快楽でも楽しまなければ損だ。」、
「35.大切な仕事をしている時に邪魔されるのは我
慢のならない事だ。」、「33.経験のないことはでき ないのが当たり前だ。」、「50.親の育て方によって 子供の人生は決定される。」、「39.自分の愛する人 を失うことは破滅的なことである。」、「20.結果が 同じなら、なるべく楽な道をとる方が利口だ。」、
「17.物事を決める時ははっきり賛否を表さない方 が無難だ。」、「14.自分で自分を鍛錬していくこと など不可能だ。」、「70.過去は現在や未来に対して 絶対的な影響を持っている。」、「64.幼児期に形成 された性格を変えることはできない。」、「53.仲間 はずれにされるということはあってはならない。」、
「51.この世は親切と安らぎの場所であるべきだ。」、
「56.人は倫理に反して行動すべきではない。」、
「57.時間は有限であるから一瞬たりとも無駄には できない。」、「22.泥棒は懲らしめられて当然だ。」、
「21.重罪を犯した人は厳しく罰せられて当然だ。」、
「58.家族全員から愛されなければならない。」、
「32、何をやっても上手くできない時にはすっか りやる気をなくして当然だ。」、「23.殺人を犯した 人は死刑に処されるべきである。」の項目を削除
した。そして、これらの23項目を削除して同様の 因子分析をおこなった。その結果、第6因子の
「30.人を裏切るような人は罰を受けて当然だ。」、
「29.私を不当に苦しめる人は復讐されて当然だ。」、
「27.嘘をっくことは悪いことだから罰せられて当 然だ。」、「25.不道徳なことをする人は堕落した人 間だ。」という4項目と、第7因子の「24.一度と りかかった仕事はどんなことがあっても最後まで やり遂げるべきだ。」、「54.不公平は断じてあるべ きではない。」の項目も、因子負荷量が1っの因 子に.45以上で他の因子に.35未満となるという基 準に合致しなくなった。そのため、これらの6項 目を削除し、2因子分の項目がなくなったことか ら5因子で、やはりバリマックス回転を用いた主 成分法による因子分析をおこなった。その結果、
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発 Table l JIBT−Rの因子分析結果
因 荷量 項目
1自己期待(α=.917)
3いつも目覚ましい行いをしなくてはならない。
6.私はすべての点で有能でなければならない。
4.私は常に業績を上げなければならない。
5.いつも申し分ない行為をしなくてはならない。
2私はいつも頭が良く働かなければならない。
7.物事は完全無欠になし遂げねばならない。
1.私は欠点のない人間でなければならない。
8.自分の評判が落ちることなどあってはならない。
9.知らないことがあるなんて我慢できない。
10.たくさんの仕事を引き受けても立派にこなさなければ ならない。
∬依存(α=.829)
43.いつも自分を引っ張っていってくれる人が必要だ。
44.相談できる人が常にいないと困る。
42.頼れる友人がいなければやっていけない。
45.自分より有能な人に頼らなければうまくいかない。
41.常に指示してくれる人がいなければならない。
46.大きな組織の中にいると安心していられる。
47.偉大な人に頼ってその恩恵を被らなければ損だ。
59.自分で考えるよりまず人に相談するべきだ。
26.戦争が起こったら私の人生はおしまいだ。
皿問題回避(α=.757)
13.危険や困難なことには近づかないことだ。
11.面倒がふりふりかからぬよう目立たないでいる方がい
い^
12.リーダーなどを引き受けるとろくなことはない。
16.いざこざが起こった時には知らん顔をしているのにこ したことはない。
18.何もしなくてよい状態が最上の幸福だ。
19.自分でやるより人にやってもらう方が楽だ。
15.人と話をする時は差し障りのないことだけを話した方 がいい。
IV外的無力感(α=.706)
62.子供の頃の不幸せなできごとが今も尾をひいている。
69,一度の誤りが破局につながる。
67.自動車事故に会って死ぬのではないかと恐ろしい 68.飛行機は墜落の危険があるから乗らない。
63.かつてあることが自分の人生に大きな影響を与えた。
66.私の悩みの原因は社会的習慣の圧力のためだ。
61.いつも人が私を悩ませる。
V内的無力感(α=.739)
37.憂欝な気分は無意識的に生じるものだからどうするこ ともできない。
36.怒りや絶望の感情はコントロール不可能だ。
40.憂欝や悲しみの感情はコントロール不可能だ。
38.批判されたり文句を言われたりすると腹が立つのは当 たり前だ。
34.大きな災難に出会ったら精神的に混乱するのが当たり
前だ。
0.842 0」13 0.009 0.101 0.816 0.147 0.022 0.118 0.804 0、081 0。152 0。039 0.795 0.076 0.067 0.113 0.767 −0.065 0L186 0.132 0.761 −0.016 −0.029 0L104 0.729 0,058 0.070 0.142 0.679 0.063 0.069 0.138 0.620 0.054 0.071 0」32
一〇.006 0.732 α076 0.708 0.044 0。680 0.039 0.656 0.065 0.649
−0.080 0.598 α099 0.570 0.Ol 1 0.490 0.059 0.413 O、601 0.056 0.122 0.154 0.006 0.402
0.056 0.755 0.120 0.062 0.041 0.748 −o.126 0.107 0,008 0.745 −0.096 0.042 0」53 0.628 0.153 0.012 0.197 0.623 0.150 −0.044 0.052 0.559 0.226 −0.046 0.130 0.551 α179 α080 0.007 0.492 −0.069 0,253
−0.068 0.482 0.058 0.265
0.090 α128 0.734 0.044
0.038
一〇.057 0.695 0.OOI O.683
0.024 0.272 0.254
0.160 0.617 0.238 0.645 0,074 0.571 0229 0.494 0.113 0.463
−0.035 0.370 0,206 0.401 0.008 0.311 α201 0.351
一〇.003 0.564 一〇,073
−0.066 0.567 0.537 0.171 −O.008 0.578 −0.022 0.247 0.424 0.OlO O.081 0.566 −0.042 0.119 0.343 0」19 0.219 0.561 −0.145 0.138 0.416 0.150 0.081 0.467 0.173 0.100 0.287
0.191 0.000 0.070 0.638 0.191 0,071 0.209 0.621 0.036 0.272 0.002 α572 0.176 α125 0.147 0,560 0.078 −O.120 −0」59 0.490 0.272 0.076 0.051 0.484 0.269 0.120 0.145 0.463
0.190 0.485 0.042 0.472
−−nD62 0.407 0.036 0.383 0.247 0,346
−0.002 0.316 0.184 0.356
一〇.058 0.107 0.121 0.143 0.726 0.577 0.111 0.136 一α020 0」33 0.724 0,573
−0.064 0.257 0.000 0.065 0.717 0.589 O.141 0.173 0.138 0.013 0.529 0.349
O.034 0.261 0.201 0.081 0.496 0.362
因子分散 6.025 4.026 3.138 2.673 2.613 18.475
寄与率(%) 15.855 10.594 8.258 7.035 6.877 48.619
「28.悪質な伝染病に感染したら私の人生はおしま いだ。」、「48.両親がいなければ生きていけない。」
の項目も、因子負荷量が1つの因子に.45以上で 他の因子に.35未満となるという基準に合致しな くなった。そのため、さらにこの2項目を削除し て、同様の因子分析をおこなった。以上の結果、
すべての項目が、因子負荷量が1つの因子に.45 以上で他の因子に.35未満となるという基準に合 致した。この結果をTable 1に示した。第1因子
は、原版JIBTの第1因子「自己期待」の項目と 全く同一であるため、同じく「自己期待」とした。
第2因子は、原版JIBTの第5因子「依存」の10 項目中の7項目と「倫理的非難」の「26.戦争が 起こったら私の人生はおしまいだ。」および「協 調主義」の「59.自分で考えるよりまず人に相談 するべきだ。」の2項目からなっていた。そのた め、第2因子は「依存」とした。第3因子は、原 版JIBTの第2因子「問題回避i」の10項目中の7 項目であったため「問題回避」とした。第4因子
は、原版JIBTの第7因子「外的無力感」の10項 目中の7項目であったための「外的無力感」とし た。第5因子は、原版JIBTの第4因子「内的無
力感」の10項目中の5項目であったため「内的無 力感」とした。
各因子のα係数の値は.917〜.706の範囲にあり、
各下位尺度の内的整合性は高く、信頼性が高いこ とが示唆された。
これらの5因子を、やはりJIBTの短縮版であ るJIBT−20(森・長谷川・石隈・嶋田・坂野、
1994)と比較してみる。すると、JIBT−20は「自 己期待」「依存」「倫理的非難」「問題回避」「無力 感」の5因子となっており、またこの「無力感」
の因子は原版JIBTの「内的無力感」の10項目の うちの4項目となっていた。このことから、「自 己期待」「依存」「問題回避」の3因子は名称とも に一致しており、JIBT−20の「無力感」の因子は Table 5の「内的無力感」と同一の因子であり4 因子までは一致しているものと考えられた。しか し残る1因子であるTable 5の「外的無力感」の 因子はJIBT−20では抽出されておらず、 JIBT−20 の「倫理的非難」の因子はTable 5では抽出され なかった。このような差が出た原因は、本研究で は因子負荷量から項目を削除していったが、JIB T−20では最初に固有値の大きい5因子を残して Table 2 JIBT−Rの各尺度の平均、標準偏差、歪度、尖度
尺x 自己期待 依存 男子 問題回避 外的無力感 内的無力感
平均 嘉扁 歪x 又 、
22.89 22.49 19.12 15.60
1 5.50
8.19 0.50 0.31 5.92 −0。32 −0.27 5.34 −0.29 −0,23 4.39 0.14 −0.44 4.08 0.24 0.08
自己期待 依存 女子 問題回避 外的無力感 内的無力感
20.64 26.02
1 8.54 1 6.43
17.13
7.69 6.21 4.68 5.07 3.71
0,78
−0,04 0.03 α61
−O.33
0.59
−0.11
−0。24 0.98 0.25
自己期待 依存 合計 問題回避 外的無力感 内的無力感
21.54 24.59 18.78
1 6.09 16.47
7.96 0.66 0.39 6.32 −0.10 −0.05 4.95 −0.11 。0。25 4.82 0.50 0.73 3.94 −0.11 −0.05
目木
対
度
数
%90
80 70
60
50
40 30 20
10
0 一①ーNO 邸〒障α N①−ωO ω†ωq ω①1轟O 待丑−轟q 轟①ーαO
期 己
自
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発
霧蕊麗蚕ぎi蕊麗ぎi蕊麗
o ul o σ10 ql o a o e1 σ1 0 σI o en
依存 問題回避 外的無力感
Fig.2 JIBT−Rの各尺度の相対度数分布
「内的無力感」と「協調主義」の2因子の項目を 削除したためと考えられる。
Table 2は、 JIBT−Rの各因子に含まれる質問 項目への回答を単純加算したものを各尺度得点と し、平均、標準偏差、歪度、尖度の値を示したも のである。
またFig.2は、 JIBT−Rの各尺度得点の相対度 数分布を示したものである。Table 2に示された 歪度と尖度の値はすべて絶対値で1以下であり、
正規分布からのずれは少ないことが示された。こ のことから、正規性の仮定に対して頑健な統計手 法であれば使用可能と考えられた。
以上のことから、今回作成されたJIBT−Rは原 版JIBTよりも因子的妥当性が高く、信頼性にも 問題がなく、さらに主要な不合理な信念を正確に 測定できる質問紙であると考えられる。
調査2
目的
5因子各10項目ずっの合計50項目からなる原版 DACSから、5因子各5項目ずっ合計25項目の短
Σ−障O己0−NO二⊥O
α⊥O
感
力
無 的 内
縮版DACSを、因子的妥当性に差がなくかっ質 問項目にできるだけ重複がないように2種類作成 することを目的とした。
方法
被検査者 大学生148名(男子100名、女子48名)、
女子短期大学生231名、専門学校生205名(男子 177名、女子28名)の合計584名(男子277名、女子 307名)を対象とした。
質問紙 原版のDACSを用いた。
手続き 調査は講義時間を用いて集団法で実施し
た。
結果と考察
大学生男子5名、女子短期大学生5名、専門学 校生36名(男子35名、女子1名)に回答ミスや回 答もれがあったため、それらの被検査者を除いた 538名(男子237名、女子301名)の回答を分析の対 象とした。被検査者の平均年齢は男子が19.5歳
(SD−1.8)女子が18.9歳(SD ・1.0)であった。
因子的妥当性に差のない2種類の短縮版DACS を作成するため、各項目の因子負荷量が1っの因 子に.45以上で他の因子に.35未満となることを基
準とした。また、2種類の質問紙に重複する項目 がないよう、各因子に含まれる10項目を5項目ず っに分け、被検査者の回答をもとにバリマックス 回転を用いた主成分法による因子分析を繰り返し た。しかし、全く重複がなく上記の基準に合致す る項目の分割はできなかった。そこで、重複する 項目ができるだけ少なくなるようにしながら、項 目を入れ替えながら同様の因子分析を繰り返した。
その結果、Table 3とTable 4に示したように、
各項目の因子負荷量が1っの因子に.45以上で他の 因子に.35未満の基準に合致し、かつ重複する項 目が7項目である25項目ずっの2種類のDACS短 縮版の項目が決定された。
この2種類のDACS短縮版で重複している項目 は、将来否定では「私の生活はこの先寂しいもの になるだろう。」と「私はこの先幸せになれない だろう。」であった。また、自己否定では「私は 他人に自慢できるとりえがない。」と「私には才 能がない。」および「私は自己主張できない。」の 3項目であり。さらに、過去・現在否定では「私 は人に悪口を言われている。」と「私は人から嫌 われている。」の2項目であった。状況の脅威度・
嫌悪度と脅威・嫌悪状況予測には重複する項目は なかった。
以上のことから、Table 3の25項目をDACS−S1
(Depression and Anxiety Cognition Scale Table 3 DACS−Slの因子分析結果
項
将 否 1私にはこの先嬉しいことがないだろう。
2私はこの先幸せになれないだろう。
4私にはこの先良いことがないだろう。
5私は幸せになれないだろう。
3私の生活はこの先寂しいものになるだろう。
状況の脅威度・嫌悪度
43人から無視されるのは恐ろしい。
44人から悪く思われることは恐ろしい。
42人間関係がうまくいかないのはとても恐ろし 45人から信用されないのは恐ろしい。
41裏切られるのは恐ろしい。
脅威嫌悪状況予測
12私にはこの先嫌なことをことわれない事態が たくさんあるだろう。
14私にはこの先やりたくない仕事を無理矢理や らさせることが多いだろう。
11私にはこの先嫌な人とつきあわなければなら ないことがなくさんあるだろう。
15私にはこの先思い通りにならないことがたくさ んあるだろう。
13私にはこの先他人に誤解されることがたびた びあるだろう。
自己否定22私は他人に自慢できるとりえがない。
23私は無能だ。
21私には才能がない。
24私は自信がない。
26私は自己主張できない。
過去・現在否定
34私は人から無視されている。
35私は人に嫌われている。
31私は人に悪ロをいわれている。
33私は人に約束を破られる。
36ムは也人 哲つけてしまう 因子N 瓢%
因 ・
第1因子第2因子第3因子第4因子第5因子共通
0.857 0.850 0.832 0.785 0.728 0.159 0.146 0.173 0.140 0.162
0」42 0.182 0.120
0.,1 64
0.134 0.829 0.821 0.798 0.771 0.753
0.147 0.193 0.169 0.841 0.183 0,206 0.172 0,861 0.142 0.234 0.204 0.823 0.193 0.263 0.174 0。780 0.230 0.222 0.132 0.668 0.209 0.151 0.254 0.844 0.225 0.190 0.199 0.822 0.244 0.202 0.196 0.805 0.324 0.183 0.170 0.782 0,243 0.157 0.279 0.755
0.222 0,243 0.781 0.221 0.164 0.794 0.158 0.229 0.751 0.182 0.164 0.701
0.245 0.251 0.724 0.180 0.184 0.713
0.214 0.269 0.696 0。262 0.160 0.697
0.211 0.310 0.632 0.099 0.343 0.668
0.156 0.236 0.281 0.269 0.294 0.187 0.173 0.190 0.317 0.Ol 3
0.166 0.111 0.130 0.259 0.297 0.216 0.240 0.276 0.171
0」63
O.1 72 0.203 0.171 0.180 0.198 0.075 0.254 0.230 0.191
0427
0.844 0.818 0.807 0.708 0.528 O.140 0.222 0」47 0.128 0.14
O. 1 44
0.130 0.166 0.169 0.172 0.750 0.749 0.722 0.643
0482
0.814 0.795 0.803 0.701 0.522 0。670 0.762 0.708 0.595
0462 4161 4064 3580 3.543 3041 18388
16.643 16.255 14.319 14.170 12.165 73.553
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発 Table 4 DACS−S2の因子分析結果
第1因子第2因子 P3因子第4因子第5因子共通性 将来否定3私の生活はこの先寂しいものになるだろう。
6私はこの先きっと孤独になるだろう。
7この先私の生活は楽しくないものになるだろ 2私はこの先幸せになれないだろう。
9この先きっと私の努力はむくわれないだろう。
状況の脅威度・嫌悪度
48自分が必要とされないのはとても嫌だ。
49友達がいないのは恐ろしい。
47誰も自分をわかってくれないのはとても嫌だ。
50努力がむくわれないのはとても嫌だ。
45いじめられることはとても恐ろしい。
自己否定22私は他人に自慢できるとりえがない。
21私には才能がない。
27私はみんなより劣っている。
30私は意志が弱い。
26私は自己主張できない。
脅威・嫌悪状況予測
20私はこの先人とたびたび喧嘩することになる だろう。16
私にはこの先恥をかくことがよくあるだろう。
12私にはこの先嫌なことをことわれない事態が たくさんあるだろう。
私はこの先大きな失敗を犯すだろう。18 h私にはこの先嫌な人とつきあわなければなら ないことがなくさんあるだろう。
過去・現在否定
37私は人から叱られてばかりいる。
38私は人から注意されてばかりいる。
31私は人に悪口をいわれている。
35私は人に嫌われている。
39ムは嘘つきだ
因子分 ロ 鳩%
O.798 0.129 0.775 0.121 0,765 0.114 0.755 0.222 0.721 0.162 0.126 0.789 0.129 0.778 0.229 0.777 0」14 0.755 0.149 0.754 0.158 0.158 0.292 0,085 0.297 0.258 0.186 0.160 0.311 0.244
0.057 0.147 0.161 0.246 0.265 0.302 0.302 0.211 0.297 0.302
0.027 0.172 0.087 0」92 0.320 0.217 0.338 0.235
0193 0032
0.198 0.225 0.197 0.242 0.233 0.159 0.124 0.164 0.175 0.159 O.802 0.768 0.684 0.617 0.602
0.104 0.194 0.226 0。254 0」85 0.168 0.175 0.114 0.184 0.304
0」60 0.169 0.746 0.191 0」72 0.732 0.135 0.204 0.696 0.129 0.174 0.724 0.188 0」32 0。653 0.259 0.254 0.794 0.177 0.199 0.708 0,195 0.196 0.759 0.201 0.170 0.683 0.119 0,279 0.708 0.152 0.164 0。743 0.214 0.164 0.755 0.143 0」84 0.678 0.174 0」60 0.497 0.159 0.343 0.662
0.725 0.144 0.583 0.725 0.130 0.666 0.634 0.166 0.642 0.621 0.169 0.614 0。575 0」72 0.573
0.104 0.750 0.632 0.167 0.749 0.664 0.279 0.722 0,761 0.326 0.643 0。723
0294 0482 0450 3903 3749 3206 2946 3041 16.846 15.613 14.997 12.825 11.784 12.165 67,384
Short Form One)、そしてTable 4の25項目を が十分低減した場合には、心理療法開始前と終了 DACS−S2(Depression and Anxiety Cognition 時にDACS−S 1とDACS−S 2をそれぞれおこなっ Scale Short Form Two)とした。また、各尺度
の名称は原版の名称である「将来否定」「脅威・嫌 悪状況予測」「自己否定」「過去・現在否定」「状況 の脅威度・嫌悪度」をそのまま用いることとした。
Table 5は、 DACS−S1の各因子に含まれる5項 目ずっを単純加算して各尺度得点をもとあ、それ それの得点の男女別及び男女合計の平均、標準偏 差、歪度、尖度の値を示したものである。また、
Table 6は、 DACS−S2の同様の値にっいて示した ものである。DACS−S 1とDACS−S 2の対応する各 尺度の平均値の差は、女子における状況の脅威度・
嫌悪度の1.01が最大であり、すべてほぼ近い値と
たとしても、各尺度得点そのままで各認知が低減 したかをほぼ確認できるものと考えられた。
ところで、尖度と歪度の値は、原版のDACSと 比較するとすべて大きな値となっていた。Fig.3 はDACS−S 1の男女別の各尺度の分布を示したも のであり、Fig.4はDAcs−s 2の男女別の各尺度 の分布を示したものである。すべての尺度におい て、低得点側への著しい傾斜が示されている。ま た、Table 5とTable 6においても、歪度と尖度 の値が絶対値で1以下であるのはDACS−S 1の脅 威・嫌悪状況予測のみであった。このことから DACS−S 1とDACS−S 2の各下位尺度においては分 なっていた。このことから、心理療法等で各認知 布の正規性を仮定した統計手法は使用できないも
Table 5 DACS−S1の各尺度の平均、標準偏差、歪度、尖度 尺又
将来否定
脅威・嫌悪状況予測 男子 自己否定
過去・現在否定 状況の脅威度・嫌悪度
平》
7.82 10.90 9.10 8.00 10.32
票ラ 扁 4.35 4.98 4.70 3.66 5.75
歪ヌ.
2.03 0.98 1.48
1 .75
1.07
、
ヱ 4。28 0.29 1 .72 2。82 0.13
将来否定
脅威・嫌悪状況予測 女子 自己否定
過去・現在否定 状況の脅威度・嫌悪度
6.34 9.77 8.31 6.81 9.26
2.72 4.40 4.16 2.31 4.94
2.95 0.79 1.65 1.87 1.35
10.71
−0.32 2.65 4.78 1.18
将来否定
脅威・嫌悪状況予測 合計 自己否定
過去・現在否定
・識 の ・ 悪
6.99 10.27 8.66 7.33 9.72
3.61 4.69 4.41 3,04 5.33
2.53 0.91 1.58 2.05 1.23
7.36 0.17 2.21 4。89 0.67
Table 6 DACS−S2の各尺度の平均、標準偏差、歪度、尖度 尺x
将来否定
脅威・嫌悪状況予測 男子 自己否定
過去・現在否定 状況の脅威度・嫌悪度
平均
7.97 10.00 9.38 8.35 9.86
票歩 歪又
4.16 4.62 4.42 3.79 5.32
1.97 1.06 1.26 1.49 1.21
ノ 、
ヱ 3.95 0.61 1.31 1.83 0.61 将脅自過状 来威己去況 捌
悪度 嫌 子
女
6.64 8.76 8.64 6.92 9.32
2.91 3.84 3.95 2.60 4.64
2.86 1.04 1.44 1.72 1.28
1 O.41
0.48 2.03 2.67 1.16
将来否定
脅威・嫌悪状況予測 合計 自己否定
過去・現在否定
こ の ・ 悪
7.26 9.31 8.97 7.56 9.50
3.57 4.25 4.48 3.26 4.96
2.41
111
1.36 1.75 1.27
6.06 0.82 1.69 3.09 0.94
のと考えられる。
以上のように、因子的妥当性に差がなくかっ質 問項目にできるだけ重複がないように短縮版のD ACS−S1とDACS−S2の2種類の質問紙を作成する
ことができた。しかし、この短縮版のDACSは、
各尺度得点の低得点側への傾斜が原版のDACSよ りも著しく、正規性の仮定を用いた統計手法には 不向きであることが示された。
調査3
目的
抑うっと不安の各種症状を測定する質問紙であ るDASI(福井、2000)の原版から、より因子的妥
当性の高い質問紙Depression and Anxiety Symptom Scale(以下DASSと略記する)を作成 することを目的とした。
方法
被検査者 大学生234名(男子157名、女子77名)、
女子短期大学生94名、専門学校生107名(男子43名、
女子64名)の合計435名(男子200名、女子235名)を 被検査者とした。
質問紙 DASI(福井、2000)の62項目から作成し た。まず、DACSやJIBT−Rの測定期間である
「ここ2〜3日間」と一致させるため、DASIの質 問項目から「最近」や「この2週間」といった言 葉を削除した。その際、「この1ヶ月で体重のだ
相対度数
%0
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発
01◎〇一一L−N⊃NO en CQ ・一 NM en◎o 一一M卜⊃ (ハco一一一L N N
l8一轟刈Oω lI−・PL、JOω ll一孝」㌔」Oω 1「一ホL刈Oω
SU l I l I I SU−・l l l l i St l l l l l 刈一 I l l l l o−−mL−NON} o 一一N卜⊃ 〇一L −MN o 一一MM ωo㊤Mσ1 000Mσ1 ωooMσ1 ωσ》oNσ1
将来否定 脅威・嫌悪状況予測 自己否定 過去・現在否定 Fig.3 DAcs−s1の各尺度の相対度数分布
gn◎〇一■凶●誌卜o M l l 一ム零L刈oω s」一L I l I l l o一己一■一ト○卜◎
ω σ⊃㊤N)σ1
状況の脅威度・
嫌悪度
相対度数
%ll :: :: :: i9
覧繋罎顎繋護曙暮繋蒙顎繋窪湖ま碁§§
将来否定鍼・嬬状況予測自己否定過去 現在否定騰餅厳
Fig.4 DAcs−s2の各尺度の相対度数分布
いたい5%以上の増減があった。」という項目は 削除した。また、不安の症状を測定する項目に
「不安で…」という項目が多かったため、教示文 を「以下の抑うつや不安の症状に関する質問項目 をよんで…」と変更し各質問項目中の「不安で」
という言葉を削除した。その結果、「不安で寝つ きが悪い。」という項目が、「寝っきが悪い。」と いう項目と重複したため削除した。この2項目を 削除した結果、質問項目は60項目となった。
手続き 講義時間を用いた集団法と個人法により 調査を実施した。
結果と考察
大学生7名(男子3名、女子4名)、女子短期大学 生4名、専門学校生3名(男子1名、女子2名)に 無回答などの不備な回答があったため、以下これ
ら14名を除いた421名(男子196名、女子225名)の 結果を示す。平均年齢は男子が20.0歳(SD−2.3)、
女子が19.5歳(SD・=1.1)であった。
まず全60項目にっいて、被検査者の回答をもと に因子数を7としてバリマックス回転を用いた主 成分法による因子分析をおこなった。次に、各項 目の因子負荷量が1っの因子に.45以上で他の因 子に.35未満となることを基準として、基準に合 致しない21項目を削除した。その結果、項目数は 39項目となり、この39項目で同様の因子分析をお こなった。さらに、この因子分析の結果抽出され た7因子それぞれにおいて、因子負荷量の高い上 位4項目ずっを短縮化のために取り上げることと した。しかし、因子に含まれる項目が3項目の因 子があり、その因子の項目は3項目を取り上げる
こととした。そのため、全27項目で同様の因子分 析をおこなった。この結果をTable 7に示す。
第1因子はDASIの「恐怖症・強迫行為症状」の 因子のなかの恐怖症にかんする質問項目が抽出さ れたものであり、これを「恐怖症状」とした。第
2因子はDASIの「不安の認知的症状」に含まれ る質問項目と「抑うっ症状」に含まれていた項目 が抽出されたものであり、これを「抑うつと不安 の認知的症状」とした。第3因子は、DASIの
「不安の生理的症状」の項目が抽出されたもので あったが、第5因子も「不安の生理的症状」に含 まれていた質問項目であったことと、第3因子に 含まれる質問項目の内容がパニック発作の診断基 準に含まれる症状であることから、「パニック障 害症状」とした。第4因子は、DASIの「死の反 復思考・無価値観・罪責感の症状」に含まれてい た質問項目であり、質問項目の内容から「死の反 復思考」と名づけることにした。第5因子は、D ASIの「不安の生理的症状」に含まれる項目が抽 出されたものであり、これを「不安の生理的症状」
とした。第6因子は、DASIの「睡眠障害症状」
が抽出されたものであり、これを「睡眠障害症状」
とした。第7因子は、DASIの「筋緊張・熱感・
めまい・死ぬことに対する恐怖症状」のうちの死 ぬことに対する恐怖症状を抜かした項目と「不安 の生理的症状」の頭のふらっく感じを問う項目が 抽出されたものであった。そのため、これを「筋 緊張・熱感・めまい」とした。各因子のα係数は
.761〜.929の範囲にあり、各下位尺度得点の内的 整合性は高く、信頼性に問題がないことが示唆さ
れた。
以上の結果をDASIの因子構造を比較してみる。
すると、DASIで第1因子として抽出された「不 安の生理的症状」が、第3因子の「パニック障害 症状」と第5因子の「不安の生理的症状」という 2っの因子に分割されることとなった。また、
DASIで第4因子として抽出された「恐怖症・強 迫行為症状」のうちの強迫行為症状は測定項目か ら除外されることとなった。同様に、DASIで第 5因子として抽出された「筋緊張・熱感・めまい・
JIBTとDACSおよびDASIの改訂版の開発 Table 7 DASSの因子分析結果 項目
1.恐 症状(α=.833)
48他の人の前で話すのが恐ろしいことがある。
47バスや列車に乗るのが恐ろしいことがある。
他の人の前で食事をするのが落ち着かないこ とがある。49
45人ごみの中にいるのが恐ろしいことがある。
.皿.抑うつと不安の認知的症状(α =・835)
.25イライラすることがある。
30怒りっぽくなることがある。
28疲れやすいことがある。
27集中できないことがある。
皿.パニック障害症状(α=.865)
15予期せず突然に恐怖を感じたり不安になった りして、ひどく気分が悪くなってしまうのではな いかと心配している
23気が狂うのではないかと恐ろしくなることがあ 17予期せず突然に恐怖を感じたり不安になった りして、ひどく気分が悪くなることがある。
24自制心を失うのではないかと恐ろしくなること がある。
1V,死の反復思考(α・=.928)
57毎日死ぬことを何度も考えている 56毎日死んだほうがましだと思っている。
58毎日生きていても仕方がないと思っている。
V.不安の生理的症状(α=.798)
4胸が圧迫されているように感じることがある。
12呼吸しにくくなることがある。
5胸の痛みを感じることがある。
9息が詰まるような感じがすることがある。
VI.睡眠障害(α=.770)
60夜中によく目が覚める。
61睡眠の途中で目が覚めることがある。
62寝つきが悪い。
63朝非常に早く目が覚めて、後眠れない。
皿筋緊張・熱感・めまい(α=.761)
51筋肉がピクピクすることがある。
52身体のどこかがほてることがある。
54めまいがすることがある。
11頭がふらつく感じがすることがある 因子分 口 照%
因子 ・毘
第1因子第2因子第3因子第4因子第5因子第6因子第7因子共通性
O.841 0.133 0.096 0.130 0.195 0.092 0.072 0.802 0.771 0.084 0.131 0.142 α005 0」91 0.105 0.687 0.707 0.168 0.137 0.096 0.174 0.106 ℃1.n776 0.628 0.678 0.070 0.289 0.245 0,058 0.155 0.:129 0.652 0.080 0.791 0.118
0.083 0.778 0.107 0.144 0.728 0.074 0.136 0.717 0.157
O.158
0D92
0.Ol1 0.102
0.117 0,038 0忽20 0,734 0.061 −0。053 0227 0.690 0.189 0.216 0」085 0.646 0」89 0.134 0jn23 0.671
O.115 0.041 0.770 0.127 0.203 0.174 7⑦撚39 0.752
0.201 0,224 0.732 0.227 0.225 0.078 0.003 0.735 0.153 0.094 0.730 0.159 0.242 0.144 0、299 0.760 0.256 0.211 0.705 0.170 0.202 0.118 0.009 0.691
0.192 0.132 0.150 0.110 0.062 0」96 0.259 0.161 0.188
0。134 0.110 0.267 0.049 0.088 0.093 0.076 0」02 0.216 0.157 0.238 0.165 0.092 0.052 0」76 0.100 0.078 0.024 0.092 0.140 0.055 0.245 −0.024 0.191 0,080 0,170 0.207 0.130 0.259 0.119 0.135 0.150 −0.044 0.127 0.204 0.152
O.873 0.891 0.850 0」00
−0,001 0.233 0.110 0。037 0.064 0.016 0.264 0.032 0.008 0.110 0.104
0.147 0.083 0D42 0.870 0」08 0.113 0,108 0.884 0.128 0.103 0.066 0.882 0.731 0.120 0:129 0.677 0.707 0.157 0.106 0.555 0.704 0.099 α137 0.642 0.700 0.084 0.108 0.630 0.145 0.827 0月42 0.769 0.140 0.823 α080 0.724 0.089 0.640 0.113 0.462 0.066 0.606 0.025 0,539 OD36 0.049 0.712 0.590 0.Ol4 0.145 0.712 0.626 0。277 0.120 0.699 0.634 0.343 0.127 0.598 0,582 2.768 2761 2747 2.725 2.671 2.500 2.342 18.514 10.251 10.227 10」73 10.093 9.893 9.259 8.674 68.569
Table 8 DASSの各尺度の平均、標準偏差、歪度、尖度
尺又 平均 嘉 歪x 尖x
男子
恐怖症状
抑うつと不安の認知的症状 パニック障害症状
死の反復思考 不安の生理的症状 睡眠障害症状
筋緊張・熱感・めまい
6.19 11.69 6,92 4.05 7.25 8.05 8.24
3.64 4.69 4.16 2.36 3.70 4.50 4.10
1.91 0.06 1.61 2.50 0.92 1.16 1.02
3.12
−1.06 1.75 6.53
−O.28 0.67 0:22
女子
恐怖症状
抑うつと不安の認知的症状 パニック障害症状
死の反復思考 不安の生理的症状 睡眠障害症状
筋緊張・熱感・めまい
6,24 13.70 6.86 4.13 7.77 7.23 10.25
3.07 4.19 3.99 2.54 3.97 3.46 4.06
1.75
−0.26 1.48 2.64 0.85 1.18 0.24
2.90
−0.67 1.27 6.50
−O.36 0.92
−0.87
合計
恐怖症状
抑うつと不安の認知的症状 パニック障害症状
死の反復思考 不安の生理的症状 睡眠障害症状
筋、張・熱感・めまい
6.22 12.77 6.89 4.09 7.53 7.61
3.34 4.53 4.07 2.45 3.85 4.99
1.85
−0.15 1.54 2。58 0.89
1 .25
3.15
−0.91 1.50 6.49
−0.31 1.13