物体を空気中で落下させると、落下速度が時間とともに増す。
空気抵抗を無視すると加速度は一定で、その加速度を 重力加速度 という。記号は
g(
gravityの
g)
g≒9.8 m/s2≒10 m/s2
第2回(4/17) 1 ページ
10 でかまいませんので、
重力加速度の値は覚えて下さい
例1(p14):初速が
0 の等加速度直線運動である自由落下では、物体が落下し始めてからの落下時間
tと落下距離に間に 加速度が一定の運動:等加速度運動
x(t) = gt1 2 2
問2(
p15)自由落下を始めてから1秒後,2秒後,3秒後の速度を落下距離を求めよ。
g= 10 m/s2とせよ。
積分
10 10
時刻
t [s]時刻
t[s]時刻
t[s]位置
x[m]速度
v[m/s]加速度
a[m/s2]x(t) = gt1 2 2
v(t) = gt a(t) = g= 10
微分
積分 微分
1 1 5
1
これまでの内容を整理してみると・・・(3章でより詳しく説明します。)
位置の変化が5 m
速度の変化が10 m/s
という関係がある。物体の速度
v(t) と加速度a(t) を求めよ。gは定数である。
x
0 t= 0
t= 1
t= 2
赤道:9.78 富山:9.80 北極:9.83
変位 速度変化
(落下距離)
本来は逆にa= gを 積分してv(t) , x(t) を求める。
学生にやってもらう。
重力加速度
(大鉄球も小鉄球も鳥の羽も)
重力
(教科書p14)
t= 0
1秒後 2秒後 3秒後
速度
v(
m/s)
0 10 20 30落下距離
x(
m)
0 5 20 45動画参照
2章 運動の法則と力の法則
摩擦の無い水平面 摩擦のない水平面上にある物体を考える。
物体に水平に「力」を加えると、物体は力の向きに動き出し加速する。(力の向きに加速度が生じる。)
加速度の大きさは、力の大きさに比例し、物体の質量に反比例する。
2倍の力で押せば加速度も2倍になる。
物体の質量が2倍になれば、加速度は半分になる。
どういうことかというと、
これは、実験的に確かめられている。(実験したらそうなる。)
式で書くと、
a ∝ F m F:力(Force)
m
:質量(mass)
a
:加速度(acceleration)
力の単位
上の式は、
F= k×
ma(
kは比例定数)と書ける。
力の単位は、式が簡単になるように
k= 1となるように決める。つまり、
1 kg の物体を1 m/s2
で加速することができる力の大きさを1単位の力の大きさ:
1 N(ニュートン) とする。
1 N = 1 kg
・
m/s2組立単位:kg , m, s の3つの組み合わせで 力学で使うすべての単位が表現できる。
組立単位でもよいが、専用の単位ある場合は それ(この場合はニュートン)を用いた方がよい。
この式は、この授業で一番重要な式: ニュートンの運動方程式
(公式を記憶するのが物理ではないが、どれでもいいから一つ選んでしっかり記憶しよう)
F = ma
ma =F a = F
m
物体に力を加えると、物体は力の向きに加速する。
その加速度は、力に比例し、物体の質量に反比例する。
意味:
この式は最も根源的な式で、他の公式や法則から導き出すことはできない。
(導き出すことができないので、記憶するしかない。)
力学の内容はこの式に集約されているといってよい。(様々な公式の出発点)
結果をまとめると・・・
(F ∝ma )
教科書1,2, 1.3節は後で・・・
授業は教科書の順ではない
力
F加速度
a質量
m(
p24)
ベクトル :大きさと向きで表現される量 例:変位,速度,加速度,力,・・・
スカラー :大きさだけで表現される量 例:質量,速さ,移動距離,温度,・・・
問題:摩擦のない水平面上にある質量
3 kg の物体が静止している。この物体に
2 秒間、水平方向の一定な力を加えたら、物体の速度が4 m/s になった。力を加えた
2 秒間の平均の加速度と、力の大きさはいくらか?(空気抵抗は無視せよ。)答:
a= m/s2 F= N[求め方]
第2回(4/17) 3ページ
ベクトル と スカラー
ベクトルはプリントでは
Fのように太文字で表し、黒板では のように二重線で書く
記号の上に矢印を書いてもよい
F
力の表し方
矢印の始点:力の作用点 矢印の長さ:力の大きさに比例 矢印の向き:力の向き
矢印で表現する
質点(質量を持つ点)の場合は、作用点は質点の位置 大きさの無視できる理想化した物体
物体の大きさを考慮すると 作用点の位置によって 物体が回転したりする。
(第8章剛体で勉強する)
ニュートンの運動方程式(ベクトル)
(教科書p15 )
力が1つの場合、
矢印の長さには あまり意味は無い 力が2つ以上ある 場合は、矢印の 長さは力の大きさ に比例させて書く。
ma =F
↑ ↑
ベクトル スカラー
左辺: (スカラー×ベクトル) はベクトル ↓
ベクトルを定数倍してもベクトル
この式は以下の2つの意味がある。
①
maの大きさが
Fの大きさに等しい
② 加速度
aの向きと 力
Fの向きが等しい
いくつかの力が1つの物体に作用しているとき、
これらの力と同じ効果を与える1つの力を 合 力 という
力だけでなくベクトルの足し算は平行四辺形の規則に従う。(例:変位) 北へ
1 km + 東へ1 km= 北東へ√2 km
合力(ベクトルの足し算)
F1
F2 F1+F2
平行四辺形の規則
F1
とF
2の合力F は、F
1とF
2を隣合う2辺とする 平行四辺形の対角線に対応する力である。
(F
1の終点からF
2を描いてもよい。)
問題:F
1とF
2の合力
Fを求めよ。
F1
F2
F1
F2
↑
作用点
↑
作用点
F1
F1 F2
F2
3つ以上の力の合力
平行四辺形の規則を繰り返し使えばよい。
F1
とF
2とF
3の合力F は、
F1
とF
2を合力を平行四辺形の規則で求めたあと、
その合力とF
3の合力を求めればよい。(他2通り)
[問題] 下の3つの力の合力を求めよ。(左右の図は全く同じです。)
平行四辺形の規則を用いて足し合わせる順番は全部で3通りあるが、
どの順番で足し合わせてもその合力は同じになることも確かめよ。
F1 F2
F3 F1
F2
F3
(教科書p27 )
(F
2の終点からF
1を描いてもよい。)
運動の第1法則( 慣性の法則 )
第2回(4/17) 5ページ
物体に力が働いていない場合(
F= 0)の物体の運動
ma=Fma= 0
a= = 0 dv
なので
tで積分すると
v = C(
Cは任意定数)、つまり
v=一定
dtv=
一定というのは、静止している物体は静止の状態をつづけ、
運動している物体は、同じ速度で運動を続ける(等速直線運動)。
物体に作用している力の合力が
0 であれば、静止している物体は静止したままであり、運動している物体は等速直線運動をつづける。逆に、物体が静止しつづけているか または等速直線運動をしていれば、物体に作用している力の合力は
0 である。無重力状態では、慣性の法則がより実感できる 毛利宇宙飛行士の実験(動画)参照
(確認:
v(t) = Cを
tで微分すると、
dv =a= 0)
dt第1法則(慣性の法則)は、ニュートンの運動方程式
ma=Fの
F= 0の場合の説明である。
慣性の法則の内容は、ニュートンの運動方程式に含まれている。
a= 0
m≠ 0
物体に力が働いていなければ 加速度は0だということ
運動の第2法則(ニュートンの運動方程式)
物体に力が作用するとき、物体には力(合力)の向きに加速度が生じる。
加速度の大きさは力(合力)に比例し、物体の質量
mに反比例する。
ma=F a= F
m
上の第2法則は、下のニュートンの運動方程式そのまま
第1法則と、第2法則の内容は、
ma = Fという式(ニュートンの運動方程式)にすべて含まれる。
歴史的には、第1法則(慣性の法則)は、それまでの世界観を打ち砕くという意味があった。
慣性系の定義、第2、第3法則の舞台設定という意味もある。
教科書p25
教科書p26
問題:自由落下する物体の加速度は重力加速度
g≒9.8≒10 m/s2である。
質量
m[kg] の物体に働いている重力の大きさはどれだけか?質量
m加速度
g質量
mkgの物体に働く重力の大きさは
mg[N]重力
W重力Fでもよい
[
求め方
]答:
W= [N]重力
(教科書p30)他人から手で押されたりする力は実感しやすいが 重力は体の各部分に一様に作用するので感じにくい あまりに、あたりまえ(当然)で意識していない
1 kg
の物体に働く重力の大きさを
1 重力キログラム(記号kgf)という。
1 キログラム重(記号kgw)ともいう。
1 kgf , 1 kgw
は、MKS単位系ではないが、感覚的にはよくわかる力の単位である。(実用単位)
問題:1 kgf は約何
N か?[求め方]
答:
1 kgf ≒ N1 kgf ≒9.8 N
(約
10 N)
force weight
工学では、1 kgf = 9.80665 N と定義
9.80665: 標準重力加速度 国際度量衡局(パリ)における重力加速度の値 ヒント:重力が働くから加速度gで落下する
は重要の意味
(国際単位系)
1 N ≒0.1 kgf (約100 g の物体に作用する重力の大きさ)
運動の第3法則 作用・反作用 の法則
問題:スペースシャトル内(無重力状態)で物体の質量を測定するにはどうすればよいか?
上皿天秤や体重計は使用できない。ヒント:毛利さんの実験、実際の測定の様子(若田さん)
第2回(4/17) 7ページ
上のやり方は式で書くと簡単だが、実際に行うのは困難 後で勉強するバネの振動を利用すると その振動周期から,もっと簡単に求めることができる。
物体Aが物体Bに力
FBAを作用していれば、物体Bも物体Aに力
FABを作用している。
2つの力はたがいに逆向きで、大きさは等しい。(
FBA =-
FAB)
例1
F床人
:人(足裏)が床を押す 立っている人
床
F人床:床が人(足裏)を押す
問題:作用・反作用の対になっている力を 見つけてみよ。
第1法則:慣性の法則 第2法則: ma= F
力はこのように必ず対になっている。AがBに力を及ぼせば、必ずBもAに力を及ぼす。
教科書p28
ラジオメーター(解説)
4枚羽根で、それぞれの羽根は、片面が白く、片面が黒い 羽根の支柱は、摩擦が少なく、回転しやすいようになっている
内部は低圧で真空に近いが、完全な真空にすると、
回らなくなってしまう。
上から見た図
問題: ラジオメータの内部は真空に近い。ラジオメーターの内部を1気圧の気体で満たすと、回転し なくなる。なぜか?ちなみに空気抵抗が大きくなるためではない。(超難問です)
白と黒の話
夏、直射日光が当たっているとき、白い服を着ている方が黒い服を着ているよりすずしい。
[問題] 冬の暗く寒い夜、白い服と黒い服では、どちらが暖かいか?
電磁波(光)をよく吸収する物質は(その波長)でよく電磁波を放射する
気体分子
気体分子
回転 方向
(1)光があたると、黒い方が光をよく吸収 するので黒い面の温度が上がる。白い方 は光を反射する。
(2)黒い面の温度が上がる=黒い面の分 子運動が激しくなる。
(3)黒い面で跳ね返る分子の速さは 白い面で跳ね返る分子の速さより大きい。
(4)黒い面が受ける衝撃(圧力)は 白い面が受ける衝撃(圧力)より大きい ので黒い面を背にして回転する。
完全な真空では、羽根に衝突する 気体分子が無いので回らない。
(冷めやすい)
電磁波(光)を吸収しない物質は(その波長)で電磁波を放射しない
白・銀色・鏡 (冷めにくい)
例:魔法瓶、レスキューシートは銀色
→放射しにくい 黒
分子の受ける衝撃と羽根の受ける衝撃の大きさは等しい
(作用・反作用の法則)
(虹の7色をすべて吸収)
(虹の7色をすべて反射)
答:おそらく い服
注:体が放射するのは(遠)赤外線。(遠)赤外線で白いか黒いかが重要
白色・銀色の服→寒い時は暖かい。周囲が高温の時涼しい。
レスキューシート
(サバイバルシート)
消防隊員
耐熱服(銀色)