/
中 学 校
平 成11年 度
教 育 研 究 員 研 究 報 告 書
囲
東 京 都 教 育 委 員 会
平 成11年 度
教 育 研 究 員 名 簿(理 科)
分科会名 区 市 町 村 名 学 校 名 氏 名
文 京 文 京 区 立 文 林 中 学 校 奥 村 宏
第 江 東 江 東 区 立 深 川 第 七 中 学 校 青 柳 敦
1 北 北 区 立 岩 淵 中 学 校 小 野 昭 二
分 八 王 子 八 王 子 市 立 川 口 中 学 校 中 嶋 昭 江 科 府 中 府 中 市 立 府 中 第 四 中 学 校 宮 里 克 己
会 東 村 山 東村 山市立東村 山第六中学校 小 原 恒 見
狛 江 狛 江 市 立 狛 江 第 一 中 学 校 ○ 広 瀬 成 行
墨 田 墨 田 区 立 錦 糸 中 学 校 柴 田 等
第 世 田 谷 世 田 谷 区 立 烏 山 中 学 校 青 木 久 美子
2 杉 並 杉 並 区 立 神 明 中 学 校 野 口 由美 子
分 足 立 足 立 区 立 谷 中 中 学 校 中 西 孝
科 江 戸 川 江戸 川 区 立 葛 西 第 二 中 学 校 木 植 洋 子 会 日 野 日野 市 立 日 野 第 四 中 学 校 ◎ 青 木 久 敏 稲 城 稲城 市 立 稲 城 第 四 中 学 校 佐 々木 智
◎ 世話 人 ○ 副世話人
担 当 教育庁 指導部中学校教育指導課指導主 事 岡 田 行 雄
学 習 内 容 と 日常 生 活 と の 関 連 を 重 視 し、 興 味 ・関 心 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫
目 次
1主 題 設 定 の 理 由
II「 電 流 」 の 学 習 に お い て 、 生 徒 の 興 味 ・関 心 を 高 め 、 主 体 的 に 学 ぶ 指 導 法 の 工 夫
19自0045
1⊥200
研 究 の ね ら い 研 究 の 方 法 研 究 の 内 容
「電 流 」 の 単 元 の 指 導 上 の 課 題 教 材 ・教 具 の 工 夫
学習計 画 授業展 開例
生 徒 事 前 ア ン ケ ー ト及 び 事 後 ア ン ケ ー トの 調 査 結 果 に よ る 考 察 4研 究 の ま と め と今 後 の 課 題
III「 天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 で 、 学 習 内 容 と 日常 生 活 と の 関 連 を 重 視 し、
興 味 ・関 心 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫
19臼004門0ρ0
1⊥り自QU
研 究 の ね ら い 研 究 の 方 法 研 究 の 内 容
教 員 へ の ア ン ケ ー ト 生 徒 へ の ア ン ケ ー ト 教 材 ・教 具 の 開 発 露 点 と 湿 度 の 求 め 方
学習計画
事 後 の ア ン ケ ー ト分 析 4研 究 の ま と め と 今 後 の 課 題
一1一
2
0000Qσρ)78可⊥31⊥‑ 4411 ρ0瓜U800004111り乙9乙2り乙
研 究 主 題
学 習 内 容 と 日 常 生 活 と の 関 連 を 重 視 し、 興 味 ・関 心 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫
1主 題 設 定 の理 由
こ れ か らの 新 し い 理 科 教 育 は 、 生 徒 が 知 的 好 奇 心 や 探 究 心 を も っ て 、 自 然 に 親 し み 目 的 意 識 を も っ て 観 察 、 実 験 を 行 う こ と に よ り、 科 学 的 に 調 べ る 能 力 や 態 度 を 育 て 、 科 学 的 な も の の 見 方 や 考 え 方 を 養 う と と も に 、 自 然 体 験 や 日常 生 活 と の 関 連 を 図 っ た 学 習 及 び 自 然 環 境 と人 間 と の 関 わ り な ど の 学 習 を 一 層 重 視 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。
しか し、 現 在 の 理 科 教 育 に お い て は 、 比 較 的 単 純 な 自 然 現 象 に っ い て の 知 識 は 身 に つ い て い る が 知 的 好 奇 心 や 探 究 心 が 十 分 に 育 っ て い な か っ た り 、 実 験 結 果 を 基 に 考 察 し、 根 拠 を 考 え た り 自分 で 課 題 を 見 い だ し解 決 す る 力 や 科 学 的 な 思 考 力 が 十 分 育 って い な い こ と な ど が 課 題 と し て あ げ ら れ て い る 。
私 た ち の 周 り に は 実 に 多 く の 自 然 事 象 が あ る が 、 そ れ ら と学 習 内 容 が 結 び っ か ず 、 生 徒 が 興 味 ・関 心 や 目 的 意 識 を も っ て 学 習 す る こ と が 難 しい と の 指 摘 も あ る 。 日常 的 な 自 然 事 象 を 授 業 の 中 に 取 り 入 れ 、 興 味 ・関 心 を 喚 起 し た り学 ぶ 意 味 を 十 分 に 把 握 さ せ た り し な が ら学 習 を 進 め る こ と が 重 要 な こ と で あ る と言 え よ う。
そ こ で 、 私 達 は 学 習 に 対 す る 生 徒 の 興 味 ・関 心 を 高 め 、 主 体 的 に 学 ぶ 生 徒 を 育 て る に は 、 日 常 生 活 の 中 で よ く使 わ れ て い る素 材 を 用 い た 教 材 を 学 習 に 使 っ た り、 生 活 の 中 で 体 験 す る 自 然 事 象 を 学 習 内 容 と 関 連 さ せ て 自 然 事 象 に 対 す る 興 味 ・関 心 を 高 め た り す る こ と が 学 習 に 対 す る 興 味 ・関 心 を 高 め る こ と に っ な が る と 考 え 、 上 記 主 題 を 設 定 し た 。
な お 、 本 研 究 に お い て は 、 次 の 点 に 留 意 して 研 究 を 進 め た 。
① で き る だ け 身 近 な 素 材 を 用 い て 教 材 を 工 夫 。製 作 す る こ と。
② 生 徒 の 発 想 を で き る だ け 生 か す よ う な 学 習 展 開 を 工 夫 す る こ と。
③ 日常 の 生 活 で 経 験 す る事 象 と学 習 内 容 を で き る だ け 関 連 付 け る こ と。
こ の 研 究 会 で は 、 次 の 二 っ の 分 科 会 に 分 か れ て 、 そ れ ぞ れ 次 の よ う に研 究 を 進 め た 。
【第1分 科 会 】
「電 流 」 の 学 習 に お い て 、 次 の 内 容 で 研 究 を 進 め た 。
① 身 近 な 素 材 を 用 い た 教 材 の 開 発
② 生 徒 が 電 流 に 関 す る規 則 性 を あ る 程 度 発 見 で き る 指 導 計 画 の 工 夫
③ 開 発 し た 教 材 を 用 い て 、 生 徒 が 興 味 ・関 心 を 高 め る 指 導 計 画 の 工 夫
【第2分 科 会 】
「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 に お い て 、 次 の 内 容 で 研 究 を 進 め た。
① 興 味 ・関 心 を 喚 起 し、 学 習 課 題 を 把 握 で き る教 材 の 開 発
② 田 常 生 活 と の 関 連 を 重 視 し た 指 導 方 法 の 工 夫
③ 自 ら規 則 性 を 発 見 で き る よ う な 学 習 展 開 の 工 夫
一2一
皿
1
「電 流 」 の 学 習 に お い て 、 生 徒 の 興 味 ・関 心 を 高 め 、
主 体 的 に 学 ぶ 指 導 法 の 工 夫
研 究 の ね ら い
「電 流 」 の 学 習 は 、 「電 流 回 路 に つ い て の 観 察 、 実 験 を 通 し て 、 電 流 と 電 圧 と の 関 係 お よ び 電 流 の 働 き に っ い て 理 解 さ せ る」 こ と を ね らい と して い る。 「回 路 を っ く り 、 回 路 の 電 流 や 電 圧 を 測 定 す る 実 験 を 行 い 、 各 点 を 流 れ る電 流 や 回 路 の 各 部 に加 わ る 電 圧 に う い て の 規 則 性 を 見 い だ す こ と」 が 、 電 流 の 学 習 内 容 の1つ の 柱 に な っ て い る。
「電 流 」 の 学 習 は 、 小 学 校 に お い て は 、 豆 電 球 と電 池 を 使 っ て 直 列 ・並 列 の 回 路 を 作 り 、 豆 電 球 の 明 る さ の 違 い か ら規 則 性 を 考 え さ せ る な ど、 比 較 的 定 性 的 な 内 容 で あ り、 中 学 校 に
お い て は 、 小 学 校 で 学 習 し た 内 容 を 計 器 等 を 使 っ て 数 値 を 求 め 、 定 量 的 に 扱 う こ と に よ って よ り確 か な も の と し、 さ ら に オ ー ム の 法 則 を 学 習 す る こ と に な っ て い る。 した が っ て 、 実 験 も 多 く生 徒 が 楽 し く学 ん で い る 様 子 が う か が え る が 、 一 方 で 「難 し い 」 「わ か り に く い 」 と い う感 想 が も た れ が ち で あ っ た 。
そ こ で 本 分 科 会 で は 、
① 身 近 な 素 材 を 用 い て 電 流 の 学 習 に 対 し て 興 味 ・関 心 を 高 め る た め の 教 材 の 開 発
② 定 量 的 な 扱 い に な じみ に く い 生 徒 に と っ て も親 し み や す い 教 材 の 工 夫
③ 課 題 を 自 ら発 見 し、 解 決 して い け る よ う な 実 験 の 手 順 や 方 法 の 工 夫
④ 生 徒 が 規 則 性 を 発 見 で き る よ う な 授 業 の 展 開 の 工 夫 を ね ら っ て 研 究 を 進 め た 。
2研 究 の 方 法
本 研 究 に あ た り、 次 の よ う な 方 法 で 研 究 を 進 め た 。
(1)「 電 流 」 の 単 元 を 指 導 す る上 で の 課 題 の 把 握(教 師 用 ア ン ケ ー トの 実 施)
② 教 材 ・教 具 の 工 夫 (3)指 導 計 画 の 作 成 と実 践
(4)実 践 を と お した 生 徒 の 変 容 の 把 握(生 徒 用 ア ン ケ ー トの 実 施) (5>研 究 の ま と め と今 後 の 課 題
3研 究 内 容
(1)「 電 流 」 の 単 元 の 指 導 上 の 課 題
① 実 態 調 査(教 師 用 ア ン ケ ー トの 結 果)
「電 流 」 の 単 元 に つ い て 、 平 成11年7月 に 研 究 員 の 所 属 す る 地 域 の 中 学 校 理 科 の 先 生 方60名 に 協 力 を 得 て 、 質 問 紙 法 に よ り調 査 を 行 っ た 。 以 下 に そ の 結 果 に っ い て ま と め た 。
一3一
『一二7=π 一二 三==7「7
7一 τ 二π 二 τ 「一一 ‑i1電流 の単元 で生徒が理解 しに くいと思われ る項 目は何 ですか
。(複 数回答可) 電 流 の概 念
電 圧 の概 念 抵 抗 の概 念 オ ー ムの法 則 キ ル ヒホ ッフの 第1法 則(電流) キ ル ヒホ ッ フの第2法 則(電圧) 合成 抵 抗 その 他
0 5
そ の 他 の 記 述 ・計 算 が と も な う こ と。 ・発 熱 量
10 15 20 25
(%)
2電 流 の 単 元 で 生 徒 が 興 味 ・関 心 を も っ て 学 習 し て い る(し そ う な)項 目 は 何 で す か 。 電 流 の 概念
電 圧 の概 念 抵 抗 の概 念 オ ー ムの法 則 キ ル ヒホ ッフの 第1法 則(電流 》 キ ル ヒホ ッフの 第2法 則(電圧)
合 成抵 抗 そ の他
そ の他 の記 述
0 5 10 15 20 25
・空 中 放 電 ・モ ー タ ー ・電 流 の 正 体 。電 流 と磁 界
・実 験 は好 き で あ る が 内 容 を 理 解 し、 興 味 ・関 心 を も っ て 前 向 き な 姿 勢 で 学 習 して い る か ど うか が 不 安 で あ る 。
30 (%)
電 流 の 単 元 で 指 導 上 、 工 夫 を して い る 項 目 が あ れ ば 、 回 答 く だ さ い 。(複 数 回 答 可) 電 流 の概 念
電 圧 の概 念 抵 抗 の 概 念 オ ー ム の法 則 キル ヒホ ッフの 第1法 則(電流) キル ヒホ ッ フの 第2法 則(電圧) 合 成 抵 抗 その 他
30 (%)
② 実 態 調 査 に 対 す る 考 察(教 師 用 ア ン ケ ー ト の 結 果 に 対 す る 考 察)
「電 流 」 の 学 習 内 容 の 中 で 上 記 の 調 査 項 目 に 着 目 し、 研 究 を 進 め る た め の 資 料 と し て 、 こ の 調 査 を 実 施 し た 。 設 問1の 結 果 よ り 、 「キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 の 第1法 則(電 流)」 は 生 徒 が 理 解 し や す い と 多 く の 教 員 は 考 え て い る 。 し か し 、 そ の 項 目 に っ い て 設 問2の 結 果 を 見 て み る と 、 生 徒 は あ ま り 興 味 ・関 心 を 示 さ な い 、 ま た は 示 さ な い で あ ろ う と 考 え て い る 教 員 が 多 い 。 ま た 、 設 問3の 結 果 よ り 工 夫 さ れ た 授 業 が あ ま り な さ れ て い な い 、 な ど の こ と が 読 み と れ る 。
一4一
本 研 究 の 主 題 に あ る 「興 味 ・関 心 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫 」 の 視 点 か ら 考 え る と 「キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 の 第1法 則(電 流)」 は 理 解 し や す い が 、 興 味 ・関 心 を 示 さ な い と い う 点 や 、 工 夫 さ れ た 授 業 が 展 開 さ れ て い な い と い う 調 査 結 果 に つ い て 我 々 は 注 目 し た 。
そ こ で 、 「キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 の 第1法 則(電 流)」 を 中 心 に 、 工 夫 さ れ て い る 授 業 が 展 開 さ れ て い る こ と が 少 な い と 考 え ら れ る 項 目(「 オ ー ム の 法 則 」 「キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 の 第2法 則(電 圧)」 「合 成 抵 抗 」)に も 生 徒 が 興 味 ・関 心 を も っ て 学 習 で き る よ う に す る た め 、 次 の よ う に 「自 作 教 材 の 工 夫 の 観 点 」 と 「授 業 展 開 の 工 夫 の 観 点 」 を ま と め 、 そ れ ら を 踏 ま え て 自 作 教 材 と 学 習 計 画 を 考 え 、 「研 究 主 題 」 に 迫 る こ と に し た 。
③ 教 材 の 工 夫 ・授 業 展 開 の 工 夫 の 観 点 と 研 究 の 方 向 性
a Ib
ド
d e
↓
安 全 で あ る 製 作 が 容 易 で あ る
自作 教 材 の 工 夫 の 観 点 材 料 が 安 価 で 手 に 入 り や す い
生 徒 が 自 由 に 使 用 で き る 規 則 性 が あ る 程 度 あ る
1
0 0
③
④ 0
生 徒 が 主 体 的 に 活 動 で き る授 業 生 徒 の 理 解 度 を 上 げ ら れ る授 業
授 業 展 開 の 工 夫 の 観 点
生 徒 が 興 味 ・関 心 を 示 し、 高 め られ る 授 業 生 徒 が 興 味 ・関 心 を 持 続 さ せ る こ と の で き る授 業
生 徒 の 自由な発 想 に よ る課題 解決 的 な実験 が で きる授 業
i i
「自 作 電 流 計 」 を 自 作 教 材 と し て 取 り上 げ る
O
r"一"一'.i L.̲..̲..̲i
: :
自 作 教 材 の 工 夫 の 観 点 授 業 展 開 の 工 夫 の 観 点
(自 作 電 流 計 の 利 点)
a 材 料 が 安 価 で 手 に 入 れ や す い 。
1
iOO自興 味 ・関 心 を示 すら褻 搾 す る こ と か らコ。1
1
11
1
1
1
lb・c 安 全 で 、 生 徒 各 自 で 1 台 製 作 が 可 能 。r→'L..
1
1
「 7e
に 得 られ る
測 定 値 を あ る 程 度 正 確
id
個 別 実 験 が 可 能 。↓ ac 豊 富 な台数i
1
7
曹茎 跳 醗 藍
「
「オ ー ム の 法 則 」 「合 成 抵 抗 」 実 験 に も 使 用 す る こ と も 考 え ら れ る 。
等 の
7
1
回 路 に 複 数 の 自 作 電 流 計 を 入 れ る り同 時 に 複 数 の デ ー タを 得 られ る 。
こ と に よ b
き れ て も 、 き る 。
市 販 の 電 流 計 と 違 い 過 電 流 が 流 れ 、 針 が 振 り 続 け て 使 用 で
...,↓ …
「
L闘 心 蛙 持 続 三 せ ら れ る0
i② ・④ 生 徒 の 理 解 度 は増 ず と同 時 に 興 喋 ・
i
幽●
●・
」r. 「7
r・・
L.⑤
09.・ o ■● 騨
生 徒 の 自 由 な.発想 に よ至 課 題 解 決 的 な窯 験 等 に活 用 で き る。
・● ●● ■●
コ
●じ
de 実 験 終 了 後 、 家 庭 で 電 池 残 量 チ ェ ッ カ ー と し て 使 用 で き る。
身 近 な 電 気 製 品 な ど を 使 用 し て 学 習 の 確 認 実 験 が で き る 。 i
研 関 心 を 高 め 、
究 主 題
主体 的 に学ぶ指導法の工夫 生 徒 の 興 味 ・
一5一
(2)教 材 ・教 具 の 工 夫
① 工 夫 に あ た っ て
本 研 究 で は 、 「生 徒 の 興 味 ・関 心 を 高 め る 」 と い う 視 点 か ら 、 自 作 教 材 に よ る 個 別 実 験 を 行 う こ と と し た 。 そ の た め 、 身 近 な も の で 材 料 が 入 手 し や す く 、 比 較 的 簡 単 に 作 る こ と が で き 、 安 全 で あ る こ と に 重 点 を 置 い た 教 材 の 工 夫 ・開 発 に 努 め た 。 ま た 、 生 徒 に 親 し み や す い 名 前 と い う こ と で 、 「電 流 チ ェ ッ カ ー 」 と 名 付 け た 。
② 教 材 の 製 作(電 流 チ ェ ッ カ ー の 製 作)
《材
《工
料 》 ・ フ ィ ル ム ケ ー ス ・ ス ト ロ ー(の5mm×70mm)・ エ ナ メ ル 線(長 さ5m程 度)
・ ゴ ム 磁 石(磁 化 の 方 向 が 長 軸 方 向 に あ る も の を 幅2mmに 切 っ て 使 用)
。板 目 紙 ・ 目 盛 用 紙 ・ テ グ ス(IOcm程 度)・ ビ ー ズ(2個)・ ク リ ッ プ 具 》 ・ は さ み ・ 油 性 サ イ ン ペ ン(細)・ 安 全 ピ ン(穴 開 け 用)・ セ ロ テ ー プ
・紙 ヤ ス リ
《製 作 方 法 》
ア 指 針 の頼 作
﹄ 亡
S甑(N嶺}
bi鍵 欄 がN頓(S嶺)
下 か ら15■ の と こ ろに 安 全 ビ ンで 穴 を あ け る
ウ 組 立
Zさ
ス ト・一の/
先 顔 を切 る
ス トロー に ̲∫{
ゴム礁石を人れる (磁石の肉 唇に注意)
サ インベンで /し るしを腸ける N
・」
エ 台 紙 ・目盛 用紙 台畿
イ 本 体の 製 作
卜一一loo圏 一 → 下oo■上
陥 N̲!‑r、
■
痂 針の 穴 に テ グ スを 通 し、 ●綾 に ビー ズ を 人れ.
本 体 の軸 を 通#Xi:通 し.セ ロテ ー プ でwitる
③ 電 流 チ ェ ッ カ ー の 特 徴
(
本佑に4力 漸の穴を ノ 安 全ピンであける
エ ナ メ ル纏 の 両嬬 は 且Orロ稚 度 漏 は 績 ヤ ス リで エ ナ メ ルを は が す
80呈 8ト3↓
・唖臓 掃
Tg=ー⊥ 下︒︒置⊥
オ 完 威
エ ナ メ ル繍 を 怨 き(ditる
台繊を右佑に差し込h.日 臓珊嘱 を 台畿にク リツブで とめ る
電 流 計 の 目 盛 の 読 み 方 が 分 か らな くて も 、 振 れ 幅 の 大 き さ で 回 路 を 流 れ る 電 流 の 大 き さ が わ か る 。 ま た 、 目盛 を 入 れ る こ と に よ り電 流 計 と し て も使 用 で き 「オ ー ム の 法 則 」 な ど の 実 験 に も使 用 可 能 で あ る 。 しか し、 こ の 場 合 精 度 を 高 め る工 夫 が 必 要 で あ る 。
④ 実 験 方 法
電 流 計 と 同 様 に 回 路 に 直 列 に 入 れ 、 回 路 に 電 流 を 流 し、 針 の 振 れ を 目盛 用 紙 に し るす 。 振 れ 幅 の 大 き さ を 比 べ る こ と に よ り回 路 を 流 れ る電 流 の 大 小 が 分 か り、 そ れ を 利 用 す る
こ と に よ っ て 直 列 ・並 列 回 路 に お け る電 流 の 規 則 性 を 導 き だ す 。
一6一
(3)学 習 計 画
興 味 ・関 心 が 高 め られ る よ う に 、 生 徒 一 人 一 人 が 電 流 チ ェ ッ カ ー を 製 作 し、 さ ら に そ れ を 用 い て 基 本 的 な 回 路 や 、 生 徒 が 考 え た 回 路 を 流 れ る 電 流 の 規 則 性 が 発 見 で き る よ う に学 習 計 画 を 立 て た 。
学 習 項 目 学 習 活 動
第1次 流 れ る筋 道
(1時 間)
電 流 の1・ 小 学 校 で 学 習 し た 豆 電 球 と 乾 電 池 、電 磁 石 、
留 意 点
モ ー タ ー を 用 い て 簡 単 な 実 験 を 行 い 、 直 唄
曽
回 路 や 並 列 回 路 の 配 線 や 豆 電 球 の 明 る さ の ち が い を 確 認 を す る 。
・電 流 に つ い て の 説 明 を 聞 く 。 電 気::記 号 の 説 明 を 聞 く 。
・電 気 に 関 す る 意 識 調 査 を 行 う。
・小 学 校 で 学 習 し た 内 容 の 確 認 を す る。
第2次 電 流
チ ェ ッ カ ー 製 作 (1時 閤)
一 人1台 の 電 流 チ ェ ッ カ ー を 製 作 す る。 ・作 業 を 一 っ 一 つ 説 明 し 、 わ か ら な い と こ ろ は 、 個 別 に 指 導 す る 。 第3次 回 路 を
流 れ る 電 流 (3時 間)
第4次
並 列 回 路 に 流 れ 直 列 、 に 流 れ
層 ・実 験 の
・電 源 装
,き
難 灘 饗 鎌 書
、 操・実 験1:乾 電 池1個 と 豆 電 球2個 で 、 直 ダ 回 路 と 並 列 回 路 を 組 み 、 電 流 チ ェ ッ カ ー で 電 流 の 大 き さ を 測 定 す る 。
・発 展 実 験:乾 電 池1個 と 豆 電 球 数 個 で 、 生 徒 各 自 が 考 え た 回 路 を 組 み 立 て 、 電 流 チ ェ ッ カ ー で 電 流 の 大 き さ を 測 定 す る 。
・実 験 の 考 察 を 発 表 す る 。
る暫 購 さ ド 実験1や 発購 で測定 した電流の大 きさ
を 市 販 の 電 流 計 で 再 度 測 定 す る 。
・実 験 の 考 察 を 発 表 す る。
。 ま と め を す る。
。電 流 チ ェ ッ カ ー の っ な ぎ 方 や 記 録 の 取 り 方 を 説 明 す る 。
・生 徒 自身 の 発 想 を 大 切 に し な が ら個 別 に指 導 す る。
・教 材 提 示 装 置 を 使 う な ど、 発 表 方 法 を 工 夫 す る。
・電 流 の 流 れ る 向 き や+
極 、 一 極 の 確 認 を す る 。
・ 目 盛 り の 読 み 方 の 確 認 を す る 。
・定 量 的 な 学 習 に 発 展 さ せ る 。
r 鱒
瀞 ∵ヤ
轡 ÷
鄭
ρ 驚,
轡 多Ψ
灘
勢
銭N
融 織 疑
髄
響
渉 曝
執
、 霧
ノ 護
詐
麺麟 碧麟魯
窪,験聯
一7一
(4)授 業 展 開 例 第3次1/3、2/3時
学 習 活 動 留 意 点
第 3 次
1 時
「実 験1回 路 を 流 れ る 電 流 を 調 べ よ う」 ・生 徒 が 作 っ た 電 流 チ ェ ッ カ ー が 動 く か ど
・プ リ ン トを 見 な が ら 実 験 の 説 明 を 聞 く。 う か 、 事 前 に チ ェ ッ ク し て お く 。
・実 験 道 具 を 準 備 す る 。
と め 基 準 の 印 を 付 け る 。
・図1の よ う な 回 路 を 組 む 。
・電 流 チ ェ ッ カ ー を 図1の ① の 場 所 へ 入 れ 、 針 の 振 れ た と こ ろ に 印 を 付 け る 。
・同 じ よ う に し て 図1の ② を 測 定 す る 。
・図2 、 図3の 測 定 を す る 。
・電 流 チ ェ ッ カ ー に 目 盛 用 紙 を ク リ ッ プ で ・一 っ 一 つ の 作 業 を 確 認 し な が ら 、 実 験 を 進 め て い く 。
・電 流 チ ェ ッ カ ー の 針 の 振 れ が 同 じ 方 向 に な る よ う に っ な ぎ 方 を 注 意 す る 。
・生 徒 一 人 一 人 の ペ ー ス で 測 定 を 行 な わ せ る 。
電 球 の っ な ぎ 方 を 考 え 、 プ リ ン ト に 回 路 図 を 書 く。
・実 験 が 終 了 し た ら 、 そ れ ぞ れ の 回 路 の 実 ・生 徒 の 考 え を 尊 重 し な が ら も 、 回 路 が 複 験 結 果 か ら わ か っ た こ と を 考 察 に 書 く。 雑 に な ら な い よ う に 助 言 す る 。
・発 展 実 験 の プ リ ン ト を 使 っ て 、 数 個 の 豆 ・実 験1が 終 了 し た 生 徒 に は 、 発 展 実 験 の プ リ ン トを 配 布 し 、 い ろ い ろ な 回 路 図 を 考 え さ せ る 。
第 3 次
2 時
「発 展 実 験 回 路 を 流 れ る 電 流 を 調 べ よ う」
・プ リ ン トを 配 布 し、 実 験 の 説 明 を 聞 く。
・各 自 で 回 路 図 を 考 え、 プ リ ン トに 記 入 す る。
一
・生 徒 自 身 の 発 想 を 大 切 に し な が ら、 い く つ か の 回 路 図 を 書 か せ る 。
・机 間 巡 視 を し て 個 別 に 指 導 す る。
・実 験 道 具 を 準 備 し 、 実 験 を 始 め る 。 ・ リ ー ド線 、 豆 電 球 を さ ら に 必 要 と す る 生 徒 に は 、 自 由 に 使 え る よ う に 準 備 し て お く。
・ 自 分 の 考 え た 回 路 図 と 配 線 し た 回 路 が 同 じ も の か を 個 別 指 導 し な が ら 確 認 す る 。
・実 験 が 終 了 し た ら 、 そ れ ぞ れ の 回 路 の 実 験 結 果 か ら わ か っ た こ と を 考 察 に 書 く。
・次 回、 実 験 の ま と め を 発 表 す る 生 徒 を 決 め 、 発 表 の 準 備 を す る 。
・同 じ 回 路 で も、 生 徒 に よ っ て 色 々 な 配 線 が あ る の で 、 な る べ く 多 く の 生 徒 が 発 表 で き る よ う に 配 慮 す る 。
鱒飛灘,.
拶 φ
転 滅 卿
轟
毒
一g一
実 験 ■ 回路を流れる電流を調べよう
②
一g一
発 展 実 験 回 路 を流 れ る 電 流 を調 べ よ うNa
年 組 番 名 前
(準 備)乾 電 池 、 乾 電 池 ホ ル ダー(各1個)電 流 チ ェ ッカ ー 、 目盛 り用 紙(4枚) ク リ ッ プ(2個)リ ー ド線(赤4本 、 黒4本)豆 電 球(数 個)
発 展 実 験
回路を流れる電流を調べよう 考察年 組
一10一
(5)生 徒 事 前 ア ン ケ ー ト及 び 事 後 ア ン ケ ー トの 調 査 結 果 に よ る 考 察
電 流 チ 瓢 ッ カ ー を 臼 作 し、 実 験 を 行 う こ と に よ り 「電 流 」 の 学 習 に 対 す る 生 徒 の 興 味 ・ 関 心 が ど の よ う に 変 容 し た か を 調 べ る た め に 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 自 作 し て 「電 流 」 の 単 元 を 学 習 し た2年 生(1校118名)と 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 わ ず に 「電 流 」 の 単 元 を 学 習 し た 同 じ 学 校 の3年 生(1校113名)の 興 味 ・関 心 に 関 す る ア ン ケ ー ト を 行 っ た 。
さ ら に 、 生 徒 が 教 材 と し て の 電 流 チ ェ ッ カ ー を ど の よ う に 感 じ て い る か 、 自 作 し た2年 生(1校118名)に 対 し、 ア ン ケ ー トを 行 っ た 。
① 「電 流 」 の 単 元 に 関 す る 興 味 ・関 心 に つ い て
下 の 図 の 結 果 か ら み る と 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 用 し て い な い3年 生 で は お も し ろ く な か っ た ・ っ ま ら な か っ た と 感 じ て い る 生 徒 が 多 い が 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 用 し た2年 生 で は お も し ろ か っ た ・楽 し か っ た と 感 じ て い る 生 徒 が 多 い 。 こ の こ と か ら も 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 用 し た2年 生 は 電 流 の 学 習 に 対 し 、 興 味 ・関 心 を 持 ち な が ら取 り 組 め た と 思 わ れ る 。
2・3年 生 と も に 、 ど ち ら も む ず か し か っ た と 感 じ て い る 生 徒 が 最 も 多 い 。 確 か に 、 電 流 ・電 圧 の 概 念 を 考 え た り 、 計 算 を 必 要 と す る も の が は い っ て く る と 、 苦 手 意 識 を も
ち や す い 。 そ し て 、 こ の 単 元 の 内 容 に 興 味 ・関 心 を 示 さ ず に 学 習 が 終 わ る 場 合 が 多 い 。 電 流 の 学 習 に 対 す る イ メ ー ジ
(1人1つ 解 答)
お も しろ くな か った ・つ ま らな か った
む ず か しか った
お も しろ か った ・楽 しか った
も っと 色 々 な こ と を しりた い
:一
o●:一
ls燃%i
1一 ■■■1
%吻i
‑13
i
0 10 20 30 40 50 socis
%/電 流 チ ェ ッカ ー を使 用 して いな い3年 生 ■ 電流 チ ェ ッカ ー を使 用 した2年 生
し か し 、 学 習 後 に 興 味 の あ っ た 項 目 を 回 答 さ せ た ア ン ケ ー ト結 果 で は 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 っ た2年 生 と 使 っ て い な い3年 生 で は 大 き な 違 い が 見 ら れ た 。
本 研 究 を 行 っ た2年 生 は 内 容 を 良 く 理 解 し難 し い と 感 じ て い る が 、 同 じ 難 し い と 感 じ て い る3年 生 に く ら べ 電 流 の 学 習 に 興 味 。関 心 を 高 く 示 し て い る 。 約60%の 生 徒 が 電 流 チ ェ ッ カ ー に 興 味 ・関 心 が あ る と 答 え て い た 。 さ ら に 、 電 流 チ ェ ッ カ ー を 一 人 一 人 が 自 作 し 、 実 験 に 意 欲 的 に 取 り 組 め た こ と に よ り 、 電 流 計 ・電 圧 計 の 項 目 が3年 生 の4倍 の 数 字 に な っ た 。 ま た 、 難 し い と 考 え る 理 由 の1っ に は 、 一 人1台 の 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 う 結 果 、"他 人 任 せ に で き な い=難 し い"と 感 じ る の で は な い か と も 思 わ れ る 。 っ ま り 、 生 徒 は 電 流 の 学 習 に 興 味 ・関 心 を も っ て い る が 実 験 等 に 良 く 取 り 組 ん だ 結 果 、 難 し い と 感 じ る の で は な い だ ろ う か 。
一11一
学 習 後 、 興 味 ・関 心 の あ っ た 内 容
(電 流 チ ェ ッ カ ー に よ る 興 味 ・関 心 の 違 い 、 複 数 回 答 可)
直列回路の電流 並列回路の電流 直列回路の電圧 並列回路の電圧 電流計の使い方 電圧計の使い方 オームの法則 抵抗の大きさ その他 自作電流計など
0 20 40 so 80(%)
i電 流 チ
ェ ッカ ー を使 用 して いな い3年 生 ■ 電流 チ ェ ッカ ー を使 用 した2年 生
② 電 流 チ ェ ッ カ ー の ア ン ケ ー ト結 果 に つ い て
下 の グ ラ フ か ら わ か る よ う に 電 流 チ ェ ッ カ ー を 作 っ た り 、 使 っ て 実 験 を し た り す る こ と は 約60%の 生 徒 が お も し ろ か っ た と 答 え て い る 。
電 流 チ ェ ッ カ ー に つ い て
作 って み て お も し ろか った で すか 。
簡 単 に作 れ ま した か 。
奥 験 は お も し ろか った で す か 。
0 20 ao so 80 100(%)
翅 はい ■ いいえ
ま た 、 下 の 生 徒 の 感 想 か ら も わ か る よ う に 、 多 く の 生 徒 が と て も 身 近 な 素 材 か ら で き る こ と に 驚 き を 感 じ て い る こ と が わ か っ た 。 そ し て 、 実 際 に 使 う こ と に よ っ て 電 流 の 学 習 に 興 味 ・関 心 を 持 っ た 生 徒 が 多 く い た 。
Aあ ん な に か ん た ん な 物 で 実 験 が 正 確 に で き る こ と に お ど ろ い た 。
い っ も は 最 初 か ら で き て い る 実 験 器 具 を 使 っ て い る が 自 分 た ち で 作 っ た 物 で 実 験 が 成 功 す る と 達 成 感 が あ る 。
B製 品 の 電 流 チ ェ ッ カ ー を 使 っ た こ と が あ る け ど 、 そ れ が 自 分 で 簡 単 に 作 れ て 使 え て と て も 良 か っ た で す 。 さ っ そ く 家 で 使 っ て み た ら と て も 気 持 ち よ か っ た で す 。
こ れ ら の こ と か ら、 本 研 究 で 生 徒 が 自 作 し た 教 材 を 用 い て 行 っ た 電 流 の 学 習 の 興 味 ・ 関 心 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫 は有 効 で あ る と い え る 。
一12一
4研 究 の ま と め と今 後 の 課 題 (1>ま と め
本 研 究 で は 、 生 徒 が 興 味 ・関 心 を 高 あ て い く こ と を ね ら い と し、 教 材 を 自 分 で 作 り、 実 験 を 個 別 化 し て 回 路 を 流 れ る電 流 の 規 則 性 を 習 得 す る た め の 学 習 計 画 と 授 業 展 開 の 工 夫 を 行 っ た 。
研 究 の 成 果 に つ い て は 、 個 別 実 験 で の 生 徒 の 取 り組 む 姿 勢 や 事 前 ・事 後 調 査 の 結 果 の 比 較 か ら生 徒 の 変 容 の 把 握 を 行 っ た 。
① 教 材 ・教 具 の 工 夫
ア 身 近 な 材 料 で 電 流 の 大 き さ を 測 れ る 教 材 を 作 る こ と に よ り、 電 流 の 学 習 に 対 す る興 味 ・関 心 を 高 め 、 実 験 に 対 して も積 極 的 に取 り組 む よ う に な っ た 。
イ 複 雑 な 操 作 を す る こ と な く、 簡 単 に 電 流 を 測 れ る の で 、 生 徒 に と っ て 身 近 な 学 習 内 容 に な っ た 。
② 学 習 計 画 と授 業 展 開 の 工 夫
ア 実 験 を 個 別 化 す る こ と に よ り、 生 徒 一 人 一 人 の 課 題 に 応 じ た 学 習 を 進 あ る こ と が で き た 。
イ さ ま ざ ま な 実 験 結 果 の 発 表 会 を 通 して 、 回 路 の 描 き 方 に 習 熟 し た 。
③ 実 験 の 工 夫
規 則 性 を 発 見 す る た め に 生 徒 の 自 由 な 発 想 を 重 視 し、 実 験 を 通 し て 一 人 一 人 の 課 題 に 応 じ た 学 習 が な さ れ た 。
(2)今 後 の 課 題
① 本 研 究 で 工 夫 した 教 材 ・教 具 に つ い て
「 電 流 チ ェ ッ カ ー 」 は 前 述 の と お り 数 々 の 利 点 が あ り、 ま た 、 市 販 の 電 流 計 や 電 圧 計 を 扱 う学 習 に も十 分 有 効 で あ っ た 。 し か し、 「電 流 チ ェ ッ カ ー」 を 使 っ て 「キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 」 だ け で な く、 「オ ー ム の 法 則 」 ま で 活 用 す る に は 、 さ ら に 精 度 や 測 定 し や す さ 等 の 工 夫 が 必 要 で あ る。
② 学 習 計 画 に つ い て
学 習 計 画 を 作 成 す る に 当 た っ て は次 の 点 を 考 え る必 要 が あ る。
・生 徒 の 思 考 を ふ ま え た 小 さ な ス テ ッ プ の 工 夫
・予 想 → 実 験 → 考 察 を 繰 り返 し、 規 則 性 を 正 し く無 理 な く見 い だ す こ と が で き る、
よ り柔 軟 な 学 習 計 画 の 工 夫
・個 別 実 験 の 考 察 を 全 体 の も の と す る た め の 発 表 の 仕 方 の 工 夫
③ 実 態 調 査 か ら
実 験 に お け る 個 別 の 作 業 や 取 り組 み が ふ え た 分 、 「難 し い 」 と い う感 覚 が ぬ ぐえ な か っ た 。 こ れ は毎 日 の 授 業 で の 経 験 や 取 り組 み が 生 か さ れ る も の で あ る。 そ の た め に も常 日 頃 の 授 業 か ら個 別 化 へ の 取 り組 み が 必 要 で あ ろ う。
一13一
皿 「天 気 とそ の変 化 」 の 学 習 で、 学 習 内容 と 日常 生 活 との 関 連 を重 視 し、 興 味 ・関 心 を高 め る指 導 法 の 工 夫
1研 究 の ね ら い
本 分 科 会 で は 、 「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 と 日 常 生 活 と の 関 連 を 図 る た め に 、 天 気 の 変 化 が 毎 日 の 生 活 に 密 着 して い る こ と か ら、 天 気 の 変 化 の 大 き な 要 因 の 一 っ で あ る雲 を 取 り上 げ 、 特 に 雲 の で き 方 の 学 習 を 中 心 と し て 研 究 を 進 め る こ と に し た。 学 習 指 導 要 領 に は 「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 に お い て は 、 霧 や 雲 の 発 生 に つ い て の 観 察 、 実 験 を 行 い 、 そ の で き方 を 気 圧 、 気 温 及 び 湿 度 の 変 化 と 関 連 付 け て と ら え る と あ る。 教 科 書 で は、 コ ッ プ の 表 面 に つ く 水 滴 か ら露 点 を 測 定 す る実 験 と 、 閉 ざ さ れ た 空 間 を 減 圧 さ せ て 雲 を 発 生 さ せ る 等 の 実 験 を 取
り扱 っ て い る。 こ れ らの 実 験 は 、 視 覚 で 変 化 を と ら え る こ と が で き る な ど わ か りや す い 実 験 で あ る 。
しか し、 生 徒 の 学 習 の 実 態 と して 、 水 蒸 気 と 水 滴 の 区 別 が っ い て い な い こ と や 気 温 と 飽 和 水 蒸 気 量 の 関 係 を 示 す グ ラ フ や 湿 度 の 計 算 な ど 、 つ ま ず き や す い 項 目 が 多 い こ と も事 実 で あ
る。
そ こ で 私 達 は 、 「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 の 中 で 、 空 気 中 の 目 に 見 え な い 水 蒸 気 を 目 に 見 え る よ う に す る こ と に よ り、 空 気 中 の 水 蒸 気 の 存 在 や 温 度 の 違 い に よ っ て で き る水 滴 の 量 の 違 い に気 づ く こ と が で き る 教 材 の 開 発 と指 導 計 画 の 作 成 を ね ら っ て 研 究 を 進 め た 。
な お 、 本 分 科 会 で は
① 「空 気 中 の 水 蒸 気 」 の 学 習 形 態 に 関 す る課 題 と 分 析
② 学 習 の 興 味 ・関 心 を 高 め る た め の 身 近 な 素 材 を 用 い た 教 材 の 開 発
③ 日常 生 活 と の 関 連 を 重 視 し、 生 徒 が 主 体 的 に学 習 す る 指 導 計 画 の 工 夫 を 中 心 と して 研 究 を 行 っ た 。
2研 究 の 方 法
本 研 究 に あ た り次 の よ うな 方 法 で 研 究 を 進 め た 。 (1)研 究 の ね ら い の 設 定
(2)「 空 気 中 の 水 蒸 気 」 の 学 習 指 導 に 関 す る 調 査 ・分 析 (3)教 材 ・教 具 の 工 夫 と 開 発
(4)主 体 的 に 学 習 す る指 導 計 画 の 工 夫 (5)授 業 実 践 と学 習 後 の 事 後 調 査 分 析 (6)研 究 の ま と め と今 後 の 課 題
3研 究 内 容
(1)教 員 へ の ア ン ケ ー ト
こ の 調 査 は 、 「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 で 、 指 導 上 困 難 で あ る と 考 え ら れ る こ と や 工 夫 を し て い る こ と を 調 べ る た め に 、 都 内 の 各 地 域(墨 田 区 ・世 田 谷 区 ・杉 並 区 ・足 立 区 ・江 戸 川 区 ・ 日 野 市 ・稲 城 市)の 理 科 の 教 員 計114名 に 対 し て ア ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た も の で
一14一
あ る 。
以 下 に 、 そ の 結 果 と ま と め 及 び 考 察 を し た 。
〈表1>教 員 用 ア ン ケ ー トの 設 問 と 結 果
(設 問)「 天 気 と そ の 変 化 」 の 単 元 の 学 習 で 、 指 導 上 困 難 で あ る と 思 わ れ る こ と に ○ を っ け て 下 さ い 。(い く つ で も 可)
ゆ 乾湿計 の使 い方 轍 えに くい。 貼%
u水 の 三 態 変 化 が 教 え に くい 。11%
卜
匝 巫 中の水蒸気の存在瀦 させにくい・ 26%
}④ 飽 和 水 蒸 気 量 の 概 念 を 理 解 さ せ に くい 。
回 5$%
⑤ 露 点 に 関 す る 説 明 が しづ ら い 。 32
1⑥ 湿 度 の 計 算 が 教 え に く い. 33%
塵 発生の原理が教 えに くい・ 11%
19%
⑨ 水 の 循 環 の 様 子 が 教 え に く い 。 2%
⑩ そ の 他(回 答 の 一 部)
・気 象 そ の もの を 教 え る こ と に 困 難 は な い が 、分 数 の 計 算 や 比 の 概 念 な ど、
基 礎 的 な 部 分 で 理 解 の 遅 れ て い る生 徒 が 多 い 。
【教 員 へ の ア ン ケ ー ト調 査 に 対 す る 考 察 】
調 査 結 果 か ら、 「天 気 と そ の 変 化 」 の 単 元 で 、 飽 和 水 蒸 気 量 の 概 念 ・湿 度 の 計 算 ・露 点 の 説 明 ・空 気 中 の 水 蒸 気 の 存 在 の 認 識 等 が 、 授 業 を 行 う上 で 困 難 が あ る、 と考 え て い る 教 員 が 多 い こ と が わ か っ た 。 特 に 、 飽 和 水 蒸 気 量 の 概 念 を 教 え る こ と に 関 し て は 、6割 近 く の 教 員 が 困 難 を 感 じ て い る。 こ れ は、 用 語 の 難 し さ に 加 え て 、 グ ラ フ な ど 数 値 的 な 扱 い を 多 く伴 う こ と が 要 因 と考 え ら れ る。
(2>生 徒 へ の ア ン ケ ー ト
こ の 調 査 は 、 「天 気 と そ の 変 化 」 の 学 習 に 関 す る 履 修 前 の 生 徒 の 状 況 に つ い て 、 都 内 の 各 地 域(計7校)の 中 学2年 生 、 計664名 に 対 し て 平 成11年9月 上 旬 に 、 ア ン ケ ー トを 行 っ た も の で あ る 。
以 下 に 、 そ の 結 果 と ま と め 及 び 考 察 を し た 。
<表2>生 徒 用 事 前 ア ン ケ ー ト の 設 問 と 結 果 及 び 設 問 の 観 点
Na 設 問 回 答 % 設問 の観点
1 テ レ ビや 新 聞 で 天 気 予 報 を 見 ま す 見 る か 。
91
関 心 。意 欲 ・態 度
見 な い 9
自 分 で 、 天 気 を 予 測 し た こ と が あ あ る2i
⊥ り ま す か ・ な い
53 1451 i
科学 的 な思考
一i5一
3 天 気 を 予 測 し た こ と で あ な た の 生 活 に 役 立 っ た こ と が あ り ま す か 。
あ る 43 日 常 生 活 と の か か
な い 52 わ り
4 空 を 見 上 げ て 、 雲 の 様 子 を 見 る こ と が あ り ま す か 。
あ る 84
関 心 ・意 欲 ・態 度
な い 14
5 日 常 生 活 で 、 気 温 を 確 か め た こ と が あ り ま す か 。
あ る 61 観 察 ・実 験 の 技 能 科 学 的 な 思 考
な い 38
6 天 気 予 報 の 解 説 の 内 容 が 分 か り ま す か 。
分 か る 16
知 識 ・理 解 だ い た い 分 か る 67
分 か ら な い 19
7
雲 は 、 何 で で き て い る か 知 っ て い ま す か 。 答 と 思 う も の に ○ を っ け な さ い 。
①水 蒸 気 83
知 識 ・理 解
②水 滴 8
③ 知 ら な い 9
【生 徒 へ の ア ン ケ ー ト調 査 に対 す る 考 察 】
調 査 結 果 か ら、9割 以 上 の 生 徒 が 日 頃 か ら天 気 予 報 に 関 心 を 持 ち 、 多 く の 生 徒 は そ の 内 容 を だ い た い 分 か る と答 え て い る 。
ま た 、8割 を 越 え る生 徒 が 空 の 雲 の 様 子 を 日 頃 か ら見 て い る が 、 自分 で 天 気 を 予 測 し た こ と の あ る 生 徒 は5割 強 で あ り 、 天 気 の 予 測 が 日常 生 活 に 役 立 っ て い る こ と を 認 識 し て い る 生 徒 は4割 強 に と ど ま っ て い る こ と が 分 か る 。 さ ら に 、 自 ら気 温 を 調 べ た こ と の あ る 生 徒 は6割 前 後 い る こ と が 分 か っ た 。
『天 気 と そ の 変 化 』 の 単 元 を 学 習 す る に 当 た っ て 、 天 気 の 変 化 に 関 して 大 き な 役 割 を 果 た す 「雲 」 に 関 す る項 目 で は 、 雲 が 水 蒸 気
か ら で き て い る と 、 誤 認 し て い る生 徒 が8「 テ レ ビや 新 聞 で 天 気 予 報 を 見 ま す か 」 割 以 上 い る 。 と い う 結 果 を 得 た 。1年 生 の
1分 野 の 「水 の 三 態 変 化 」 で 、
・ 目 に 見 え る 状 態(液 体)→ 水
・ 目 に 見 え な い 状 態(気 体)→ 水 蒸 気 と い う こ と を 学 習 済 み で あ る が 、 「水 」 と い う 物 質 の 、 気 体 の 状 態 で あ る 「水 蒸 気 」
と 、 液 体 の 状 態 で あ る 「水 滴 」 と の 認 識 が 不 十 分 で あ る こ と が 分 か っ た 。 こ の こ と が 、
「天 気 と そ の 変 化Jの 学 習 の 中 の 、 特 に
「空 気 中 の 水 蒸 気 」 の 学 習 を 難 し く し て い る 原 因 と 考 え 、 こ の よ う な 問 題 の 解 決 を 目 指 し て 「空 気 中 の 水 蒸 気 」 の 学 習 を5時 間 で 進 め る 指 導 計 画 を 作 成 し た 。
■ ある 口 ない
020406080100(%)
「雲 は 何 で で き て い る か 知 っ て い ま す か 」
■ 水蒸気 [=]水 滴
■ 知らない
020406080100(%)
一16一
(3)教 材 ・教 具 の 開 発
① 開 発 に あ た っ て
本 研 究 で は 、 興 味 ・関 心 を 高 め る た め に(視 覚 に う っ た え る)教 材 と 、(日 常 生 活 と の 関 連 を 図 る)教 材 の2っ を 開 発 の 観 点 と し て 研 究 を 行 っ た 。
ア 視 覚 に う っ た え る 教 材
気 体 と し て 空 気 中 に 存 在 す る 水 蒸 気 を 、 水 滴 と し て 目 に 見 え る 形 で 取 り 出 す こ と に 重 点 を 置 い て 開 発 し た 。 こ れ ま で の 雲 を 作 る 実 験 で は 、 減 圧 さ せ 一 時 的 に 断 熱 膨 張 の 状 態 を つ く っ て 水 蒸 気 を 水 滴 に 変 え て い た が 、 減 圧 率 や 温 度 変 化 が 小 さ い た め 思 う よ う に 水 滴 を 作 る こ と が 出 来 な い で い た 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 減 圧 に よ る 状 態 変 化 を 省 き 、 空 気 中 の 水 蒸 気 の 存 在 を 、 「水 滴 と し て 現 れ る 現 象 」 で 確 か め ら れ る こ と を 中 心 に 考 え 、 温 度 変 化 の み で 行 う こ と と し た 。 こ の よ う に す る こ と で 、 減 圧 の 方 法 と し て 用 い て き た ピ ス ト ン や フ ラ ス コ と い う 限 ら れ て 空 間 で は な く 、 隔 た り の な い 空 気 中 で 現 象 を 確 認 で き 、 線 香 な ど の 煙 を 使 用 し な い た め 、 白 い 煙 状 に 見 え る 水 滴 と 線 香 な ど
の 煙 と の 混 同 を 避 け ら れ る と 考 え た 。 イ 日 常 生 活 と の 関 連 を 図 る 教 材
最 近 生 鮮 食 料 品 や 洋 菓 子 な ど の 保 冷 剤 と し て 使 用 さ れ て い る ド ラ イ ア イ ス を 冷 却 剤 と し て 利 用 す る こ と と し た 。 ド ラ イ ア イ ス は 一78℃ の 二 酸 化 炭 素 の 固 体 で 、 軍 手 な ど を 使 う こ と で 直 接 手 で 扱 う こ と が で き 、 大 き さ や 形 も 自 由 に 変 え ら れ 、 冷 却 効 果 に も 優 れ て い る 素 材 で あ る 。 こ の ド ラ イ ア イ ス を 利 用 す る こ と で 急 激 な 低 温 状 態 を 作 り 出 す こ と が で き た 。
し か し、 ド ラ イ ア イ ス を 使 う に は 問 題 点 も あ っ た 。 ド ラ イ ア イ ス を 常 温 に 放 置 す る だ け で 、 ド ラ イ ア イ ス と 接 し て い る 空 気 中 の 水 蒸 気 が 状 態 変 化 を 起 こ し 、 水 滴 と な り 白 い 煙 状 で 現 れ る が 、 こ の 煙 の 正 体 に っ い て 、 「 ド ラ イ ア イ ス が 状 態 変 化 し た た め に 発 生 す る 二 酸 化 炭 素 で は な い か 」 と い う 誤 っ た 認 識 を 抱 く 生 徒 も 多 か っ た 。 こ の 問 題 点 の 解 消 に 、 ド ラ イ ア イ ス を あ く ま で 他 の 物 質 の 冷 却 剤 と し て 利 用 し、 間 接 的 に 空 気
と 触 れ さ せ る 方 法 を 考 え た 。
② 開 発 し た 教 材
ド ラ イ ア イ ス に よ る 金 属 製 パ イ プ の 冷 却 ア 準 備 と 方 法
金 属 製 の パ イ プ は 、 ホ ー ム セ ン タ ー
篇 轟 潔 轍 謬 灘 ズ 金 属 製 邸轟.
灘 聯螺 謡翠}讐論
方 に よ る く も り 方 の 変 化 が 現 れ や す い もの こ と を 基 準 に し 、 直 径 は 、 ド ラ イ ア イ
ス の 入 れ や す い 大 き さ を 考 え て 決 め た 。 ア ル ミ ニ ウ ム 製 の も の で も 行 っ た が 、 表 面 の
一17一
金 属 光 沢 が な い た あ く も り 方 が わ か り に く く 、 熱 の 伝 わ り 方 も 良 く な か っ た 。
ド ラ イ ア イ ス は 、 季 節 に よ っ て 入 手 し に く い 時 期 も あ る が 、 教 材 販 売 店 な ど で 入 手 で き る 。 扱 い は 低 温 や け ど に 注 意 し 、 軍 手 着 用 で 行 い 、 小 型 の 金 槌 や 木 槌 な ど を 用 い て 適 当 な 大 き さ に 砕 き 使 用 す る 。
用 意 し た ス テ ン レ ス 製 の パ イ プ の 中 央 部 に 、 ド ラ イ ア イ ス を 入 れ る 。 挿 入 時 は 滑 り や す く 中 央 に 落 ち 着 か な い
場 合 が あ る が 、 ガ ラ ス 棒 な ど で 押 さ え る と 安 定 す る 。 数 秒 で 空 気 中 の 水 蒸 気 が 氷 結 し パ イ プ 内 壁 と 結 合 す る の で 、 多 少 パ イ プ を 傾 け て も 滑 り 出 す よ う な こ と は な い 。 挿 入 直 後 よ り 、 ド ラ イ ア イ ス が あ る 部 分 か ら 、 パ イ プ の 両 端 に 向 か っ て 段 階 的 に 水 滴 が 付 着 し は じ あ る 。
ド ラ イ ア イ ス が 入 っ て い る
伍
胴 ー 〜 葱 響
部 分 は 氷 着 し 、 表 面 付 近 の 空 気 が 白 い 煙 状 に な っ て 現 れ て く る の が 観 察 で き る 。 表 面 に 付 着 し た 水 は 、 端 に い く に し た が っ て 細 か い 氷 か ら 水 滴 に 変 化 し て い く 。
イ 特 性
金 属 製 の パ イ プ を 用 い る こ と で 、 次 の 効 果 が 期 待 で き る 。
・ ド ラ イ ア イ ス を 使 用 し て 金 属 製 の パ イ プ を 冷 や し た の で 、 ド ラ イ ア イ ス の 表 面 か ら 出 る 白 い 煙 を 意 識 せ ず に す む 。
・冷 た い 缶 ジ ュ ー ス な ど の 表 面 に つ い た 水 滴 の 現 れ 方 と 原 理 や 素 材 が 同 じ こ と か ら 、 日 常 生 活 と の 関 連 も 意 識 さ せ や す い 。
・金 属 の 性 質 か ら 、 温 度 の 変 化 の 勾 配 を 金 属 製 の パ イ プ の 表 面 の く も り 方 で 観 察 す る こ と が で き 、 水 の 状 態 変 化 と 温 度 の 関 係 を 意 識 さ せ や す い 。
ウ 今 後 の 課 題
今 回 は 市 販 の 金 属 製 の パ イ プ を 利 用 し た が 、 よ り 日 常 生 活 と の 関 連 を 意 識 さ せ る た め に は 、 身 の 回 り に あ る も の を 利 用 で き る こ と が 最 適 で あ る 。 清 涼 飲 料 水 な ど の ス チ ー ル 缶 や ア ル ミ ニ ウ ム 缶 な ど の 活 用 も 考 え ら れ る 。 ま た 、 冷 却 剤 と し て 利 用 し た ド ラ イ ア イ ス に つ い て も 、 生 徒 に と っ て は 非 常 に 興 味 を 引 く 素 材 で あ る の で 、 本 単 元 中 の
「雲 の 発 生 」 な ど で 関 連 づ け て 活 用 し て い く こ と が 望 ま し い 。
一18一
(4>露 点 と 湿 度 の 求 め 方
① 露 点 の 測 定 の 実 験 に つ い て
露 点 の 測 定 を 行 う際 に は 、 実 験 装 置 の 温 度 変 化 を 均 一 に した り 、 水 滴 の 付 着 を 検 出 し や す く し た りす る こ と が 特 に 重 要 で あ る。 しか し、 生 徒 が 通 常 入 手 しや す い 器 具 を 用 い て 実 験 を 行 う に は 、 精 度 に 限 界 が あ る の で 留 意 す べ き 点 を 以 下 に 述 べ る 。
A市 販 の ス テ ン レ ス コ ッ プ を 使 用 す る(熱 伝 導 率 が よ い)
Bス テ ン レ ス コ ッ プ の 外 側 に セ ロ テ ー プ を 貼 る(水 滴 を 発 見 しや す い) Cく み 置 き の 水 を 使 う(気 温 に 近 い 水 温 で あ る)
D氷 を 直 径2㎝ ほ ど の 試 験 管 に つ め る(ゆ っ く り 冷 却 で き る)
② 露 点 の 読 み と り に つ い て
な る べ く時 間 を か け て 、 水 の 温 度 を 変 化 さ せ る こ と に よ っ て 、 水 の 温 度=金 属 表 面 の 温 度=金 属 の 周 囲 の 空 気 の 温 度
と な る は ず で あ る が 、 生 徒 は 水 滴 が で き て い る こ と に 気 づ く の が 遅 れ 、 実 際 の 露 点 よ り 低 い 温 度 で 読 み と る 傾 向 が あ り 、 乾 湿 計 で 求 め た 湿 度 よ り 低 く な る こ と が 多 か っ た 。
③ 露 点 の 算 出 方 法 に っ い て
そ こ で 、 次 の ア と イ の2っ の 温 度 を 読 み と り そ の 中 間 値 を 露 点 と し た 。
ア 金 属 コ ッ プ の 中 の 水 を 氷 入 り の 試 験 管 で ゆ っ く り 冷 や し 、 金 属 の 表 面 が く も り 始 め た と き の 温 度
イ 金 属 コ ッ プ の 水 の 中 か ら 氷 入 り の 試 験 管 を 外 し 、 ゆ っ く り 温 度 を 上 げ 、 金 属 の 表 面 の く も り が 消 え た と き の 温 度
(ア く も り 始 め た と き の 温 度+イ く も り が 消 え た と き の 温 度)÷2二 露 点
④ 生 徒 の 実 験 記 録 よ り湿 度 を 計 算 す る
従 来 の 求 め 方 と新 し い 求 め 方 で 結 果 を 比 べ て み る と 、 次 の よ う な 結 果 に な っ た 。
実 験 日1999年12月4日(土)時 間950〜!0:40
乾 湿 計 か ら 読 み と っ た 湿 度 乾 球 温 度19℃(気 温)湿 球 温 度14℃
以 上 の 結 果 を 、 湿 度 表 か ら 読 み と る と 、 湿 度 は54%と な る
従 来 の 求 め 方 新 し い 求 め 方 く も り始 め た と き の 温 度
1
8°C 8°C
く も り が 消 え た と き の 温 度 測 定 し な い 11°C
中 間 値(露 点) 計 算 し な い
●
(8+11)÷2=9,5℃
19℃ の 時 の 飽 和 水 蒸 気 量 16.2g 16.2g
露 点 よ り8℃ 又 は9.5℃ の 時 の 飽 和 水 蒸 気 量 8.3g 9.1g 湿 度 を 求 め る 8.3=16.2x100=51.2% 9.1=16.2x100=56.1%
以 上 の よ う な 結 果 と な り、 く も り始 め た と き の 温 度 と く も り が 消 え た と き の 温 度 の 中 間 値 を 露 点 と し た 方 が 、 乾 湿 計 の 結 果 に 近 い こ と が わ か る。
一19一