セルフセンタリング性能を有する柱SC-梁S構造骨組の開発研究 [ PDF
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(2) 表 3 実 験開 始時 の軸 力. 1000kNジャッキ. ピン. 760. ピン. 鉛 直 力 (kN ) 14 2 14 2 14 2 14 2 14 2 14 2 14 2 25 3. 0 8- 1 0 8- 2 0 9- 1 0 9- 2 1 1- 1 1 1- 2 1 1- 3 1 1- 4. 760. 1000kNロードセル. 軸 力 (kN) 254 278 270 274 266 165 175 292. 軸 力 比 0 .1 4 1 0 .1 5 4 0 .1 6 6 0 .1 6 8 0 .1 9 1 0 .1 1 8 0 .0 9 9 0 .1 6 5. Qc. 門型フレーム 面外補剛装置 100kNロードセル. 棒 鋼 張 力 (kN ) 11 2 13 6 12 8 13 2 12 4 23 33 39. Qb. 100kNロードセル ピン. 100kNジャッキ. {. }Mbp Mcp. 100kNジャッキ ピン. ピン. 1000. Qb. 1000. Qc. 図 3 載荷 装置 ①. 図 5 加 力時 のモ ーメ ント 図. ②. 8mm ゴムを貼った.type.E はスプリット T の板厚を 薄くするために,2 枚の鋼板を組み合わせてスプ リッ ト T を 作 製 し た . さ ら に , 鋼 管 と 接 す る面 に テフロンシートを貼り,8 m m ゴムの代わりに開 先 加工を施した. 3 . 加力実験 載荷装置を図 3 に示す.試験体は柱上下をピン支 持となるように設置し,梁の両端に取り付けた 100kN 油圧ジャッキにより逆対称変形を与える載荷を行っ た.梁とジャッキは鋼板を介してピン接合としてい る.4本の棒鋼にはそれぞれ張力を導入した.その 後,上部の 1000kN 油圧ジャッキからピンを介して試 験体の柱に鉛直軸力を作用させて,試験中一定に 保った.表 3 には実験開始時に作用している軸力 N お よび軸力比 N/N 0 を示している.N 0 はコンクリート断 面にシリンダー強度をかけて算出している. 測定装置を図 4 に示す.変形の測定は , 試験体の 柱 頭 お よ び 柱 脚 の ピ ン 部 分 か ら 取 り 出 し た アル ミ 製のフレームに変位計を取り付け,梁の先端部と 柱の鉛直変形,上下柱の水平変形を測定した.図. 試験体. 変位計. 図 4 測定 装置. させ,降伏後の挙動を調べること を意図している. 11-1,11-2,11-3,11-4 試験体は H 形鋼梁のウェブ を山形鋼を介して,パネル部鋼管と高力ボルトを 用いて接合している.これは柱梁接合部の局所変 形を防ぐことを目的としている. 組立ダイアフラムの 詳細については図 2 に示す. 大きな違いは,組立ダイアフラムを構成するスプ リット T の板厚である.type.A と type.B はスプリッ ト T をつなぐ鋼板に PL-175 × 166 × 9 を用いた.type.B にはシアーキーを設けている.type.C と type.D は鋼 板に PL-9 1 × 16 6 × 9 を用いた.さらに,鋼管と接 する面にテフロンシートを貼り,図 2 に示す位置に 40 20 0 -20 -40 -60 -2.0. -1.0. 0.0. 1.0. 2.0. 60. 60. 40. 40. 40. 20 0 -20 -40 -60 -3.0. 3.0. -2.0. 部材角 Rb (×1/100rad). 0.0. 1.0. 2.0. 0 -20 -40 -60 -3.0. 3.0. (a) 08-1. (c) 09-1. 0 -20 -40. せん断力 Qb (kN). せん断力 Qb (kN). 20. 20 0 -20 -40. -60 -1.0. 0.0. 1.0. 部材角 Rb (×1/100rad). (b) 08-2. 2.0. 3.0. -60 -3.0. -2.0. -1.0. 0.0. 1.0. 0.0. 1.0. 2.0. 0 -20 -40 -60 -3.0. 3.0. -2.0. 2.0. 3.0. 部材角 Rb (×1/100rad). 60. 40. 40. 20 0 -20 -40 -2.0. -1.0. 0.0. 1.0. 2.0. 部材角 Rb (×1/100rad.). (d) 09-2 (f) 11-2 図 6 せん 断力 - 部材角 関係. 55-2. 0.0. 1.0. 2.0. 3.0. (g) 11-3. 60. -60 -3.0. -1.0. 部材角 Rb (×1/100rad.). (e) 11-1. 40. 40. -2.0. -1.0. 20. 部材角 Rb (×1/100rad.). 60. 60. -80 -3.0. -2.0. 部材角 Rb (×1/100rad). 80. せん断力 Qb (kN). -1.0. 20. せん断力 Qb (kN). -80 -3.0. 60. せん断力 Qb (kN). せん断力 Qb (kN). せん断力 Qb (kN). 60. せん断力 Qb (kN). 80. 3.0. 20 0 -20 -40 -60 -3.0. -2.0. -1.0. 0.0. 1.0. 2.0. 部材角 Rb (×1/100rad.). (h) 11-4. 3.0.
(3) 35. 50 40 30 20. 30 25 20 15 10. 10. 5. 0. 0. -2. -1. 0. 1. 2. 3. 450. 450. 400. 400. 350 300 250. -3. -2. -1. 0. 1. 2. 200. 3. -3. -2. -1. 2. 200. 3. -3. -2. -1. 0. 1. 2. 部材角 Rb (×1/100rad.). (a) 11-1. (b) 11-4. (a) 11-1. (b) 11-4. 08-1 08-2. 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.5. 1.0. 1.5. 2.0. 2.5. 経験部材角 Rb0 (×1/100rad.). (a) 08-1,08-2. 3.0. 0.80 0.70. 09-1 09-2. 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 0.0. 0.5. 1.0. 3. 図 8 軸力 - 部材角 関係. 1.5. 2.0. 2.5. 3.0. 図 7 に 4 本の棒鋼の 張力の平 均である 棒鋼張力 部材角関係,図 8 に柱に作用する鉛直力と棒鋼張力 の総和である軸力 - 部材角関係を示す.( a ) は内蔵棒 鋼として PC 鋼棒を用いた 11 - 1 試験体,(b )は丸鋼を 用いた 11-4 試験体の結果である.図 7 から 11-1 試験 体は変形が増すにつれて張力が導入されている. 11-4 試験体は Rb =1.5/100rad. で丸鋼が降伏して張力が 頭 打 ち に な っ て お り , 降 伏 後 は 小 変 形 時 の 張力 が 0となる.図 8 から,小変形時の軸力に大きな差は 無いものの,R b =2.5/100rad. 時には 11-1 試験体に 114 試験体 のお よそ 1 . 2 倍の 軸力 が導 入 され てい る. ここで,図 6 を見ると 11-1 試験体より 11-4 試験体の 方が優れたセルフ センタリング性 能を示している. これらのことから,棒鋼が降伏するか否かに関わ らず,セルフセンタリング性能を発揮することが 分かる.つまり,用いる内蔵棒鋼によらず性能を 発揮するといえる. 荷 重 が 0 に な っ た 時 の 残 留 変 形 に つ い て 詳し く 見るために残留部材角 R b r −経験部材角 関係 R b 0 を 図 6 に示す.図 9(a )は 08 -1 ,0 8 -2 試験体,(b )は 0 9 1,09-2 試験体,(c)は 11-1,11-2 試験体,(d)は 11-3, 11-4 試験体の結果であり,残留部材角,経験部材角 ともに梁 の部材 角 R b で示して いる.点線および実 線で示された回帰曲線を見ると残留部材角は,0 8 1,0 8-2 ,09-1 試験体においては経験部材角の 20 % 程度,09-2,11-1 試験体においては経験部材角の 10 %程度,11-2,11-3,11-4 試験体においては経験部 材角の 5 %程度となっている.全体的にダクトをな く し た 試 験 体 が 優 れ た セ ル フ セ ン タ リ ン グ 性能 を 示している.ダクトがある場合,変形時に危険断 面のひび割れ部分でずれが生じて,除荷時にひび 割 れ 同 士 が か み 合 わ ず 残 留 変 形 が 残 る と 考 えら れ る . 一 方 で ダ ク ト を な く す こ と で 内 蔵 棒 鋼 がず れ に 抵 抗 し て , 危 険 断 面 で の 滑 り 変 形 を 拘 束 し, 残 留変形が小さく収まると考えられる. 残留部材角 Rbr (×1/100rad.). 残留部材角 Rbr (×1/100rad.). 残留部材角 Rbr (×1/100rad.). 1. 部材角 Rb (×1/100rad.). 4 . 実験結果 実験によって得られた梁のせん断力 Q b − 部 材 角 R b 関係を図 6 に実線で示す.図の縦軸は両側の ジャッキから与えられる荷重の差の平均で,横軸 は梁の部 材角 R b で表し ている .図中に 破線で 示す のは,R b =1.5/100rad. 時の柱の曲げ耐力 M cp を梁のせ ん断力 Q b で表したものである.08-1,08-2 試験体で 時折耐力が低下する点が見られる.これは組立ダ イア フ ラ ム の ス プ リ ッ ト T と 鋼 管 の 間 に 急 激 な す べりが生じたからであると考えられる.他の試験 体は組立ダイアフラムにテフロンシートを貼った ため,急な耐力低下は見られない.08-1,08-2,091,09-2,11-1 試験体と 11-2,11-3,11-4 試験体を比 べると後者の方がセルフセンタリング性能が優れ ていることが分かる.また,11-2,11-3,11-4 試験 体は R b =1 .5/100rad. を境にして耐力が頭打ちとなっ ている.これは,内部の丸鋼が R b =1.5 /10 0rad . で降 伏したからである.. 0.00 0.0. 0. 部材角 Rb (×1/100rad.). 4 の①および②の変位計から,両梁端部の鉛直変位 の差を計測し,これを計測間距離(1 6 2 0 mm )で除 して梁の部材角 R b を求めた.加力は,この R b を用 いて変位制御で行った.4本の棒鋼に作用する引 張力は,試験体下部のロー ドセルにより測 定した. これは,直径と高さが 3 6 m m の鋼製円柱に P C 鋼棒 を通す 1 5 mm の穴を開け,周囲に4枚の1軸ゲージ を添付したものである.即ち,棒鋼に作用する引 張力を鋼製円柱を介する事で圧縮ひずみとして4 ゲージ法で検出している. 図 5 に 十 形 試 験 体 の 加 力 時 に 予 想 さ れ る モ ー メ ント図を示す.本骨組は柱の曲げ降伏が先行する ように設計しているため,柱の曲げ耐力 M c p から骨 組の耐力が算定される.柱の曲げ耐力 M c p について は後述する.なお,他の部分の耐力の計算方法に つい ては 文献 3 )を参 照さ れた い.. 0.70. 300. 部材角 Rb (×1/100rad.). 図 7 棒鋼 張力 - 部材角 関係. 0.80. 350. 250. 0.80 0.70. 11-1 11-2. 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 0.0. 経験部材角 Rb0 (×1/100rad.). 0.5. 1.0. 1.5. 2.0. 2.5. 経験部材角 Rb0 (×1/100rad.). (b) 09-1,09-2. (c) 11-1,11-2. 図 9 残 留変 形部 材角 - 経験部 材角 関係. 55-3. 3.0. 残留部材角 Rbr (×1/100rad.). -3. 軸力 Nm (kN). 60. 降伏強度 引張強度. 軸力 Nm (kN). 40. 70. 棒鋼張力 (kN). 棒鋼張力 (kN). 80. 0.80 0.70. 11-3 11-4. 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 0.0. 0.5. 1.0. 1.5. 2.0. 2.5. 経験部材角 Rb0 (×1/100rad.). (d) 11-3,11-4. 3.0.
(4) 08-1 08-2 09-1 09-2 11-1 11-2 11-3 11-4. ダクト. 圧縮ストラット. 図 1 0 コンクリートの有効断面. 5 . 耐力算定 前 述 し た 柱 の 曲 げ 耐 力 M c p の 算 定 式 を 以 下 に 示 す. M cp c. M. s. M. Nm 2. c. c. M Nm. D c. cB. c. (1). b. ここで ,s M は内蔵棒鋼 が,c M はコンクリ ートが 負担する 曲げモ ーメント であり ,N m は当該断 面に 作用している鉛直力と棒鋼張力の和である.s M は, 内蔵 棒鋼 の 引張 力 の差 分 から 得 られ る .c M は無筋 コンクリート柱の全塑性耐力として算定した.柱 にダクトを設けた試験体(08-1,08-2,09-1,09-2,111)は,図 10 の様にダクト部分にコンクリートの圧 縮束が成立しないとして断面幅からダクト幅を減 じた 値を 有 効断 面 幅 c b とし た.ダク トを 設け て い ない試験体(11-2,11-3,11-4)は柱断面全体にコン クリートの圧縮束が成立するとして断面幅をその まま有効断面幅 c b とした.また c σ c B は鋼管で横補 強されたコンクリートの圧縮強度である. 本骨組は加力時に柱端部のひび割れが大きく開 き,これにより内蔵棒鋼に張力が付加される.そ のため,加力時の変形に合わせて軸 力が変動する. 図 1 1 に 1 1 -1 試験体の柱の曲げ耐力と軸力の関係を 示す.点線は Rb=1.5/100rad.,Rb=2.0/100rad.,Rb=2.5/ 1 0 0 r a d . 載荷時の軸力と曲げモーメントの関係を示 し て い る . 図 か ら , 曲 げ モ ー メ ン ト が 増 加す る に つれ,軸力が付加されて曲げ耐力が増加している ことが分かる.PC 鋼棒を用いた 1 1 - 1 試験体は理論 上,軸力比 0 . 5 まで柱の耐力が増加し続けると考え. 表 4 計 算耐 力・実験 耐力 一覧 実験耐力 計算耐力 実験耐力/計算耐力 (kN) (kN) 53.1 38.1 1.39 54.2 36.2 1.50 38.2 34.5 1.11 43.8 37.3 1.17 36.8 32.8 1.12 31.1 27.6 1.13 28.5 26.1 1.09 35.8 36.0 1.00. 組立 ダイア フラム 板厚 (mm ). 11 11 9 11 4.5 9 4.5 9. られる.このため,設計上目標としている変形で ある R b =1.5/10 0rad. 時の耐力について検討を行う. 表 4 に 実 験 試 験 体 の 計 算 耐 力 と 実 験 耐 力 を 梁の せん断力 Q b で示す.R b =1.5/100rad. 時に観測された軸 力を基に計算した耐力を計算耐力,Rb =1.5/100rad. 時 に観測されたせん断力を実験耐力としている.0 8 1,0 8-2 試験体では実験値が計算値の 1 .3 9 倍以上と なっている.この理由は二つ考えられる.一つ目 に , 想 定 し た 危 険 断 面 で 破 壊 が 起 き て い な かっ た からと考えられる.実験終了後の試験体を観察し たところ,計算で仮定した危険断面より柱の中央 寄りで破壊が起きていた.このため,実験耐力が 上昇したと考えられる.これは,組立ダイアフラ ムの ス プ リ ッ ト T の 板 厚 が 影 響 し て い る と 考え ら れ る . 二 つ 目 に , 実 験 中 の ス プ リ ッ ト T のフ ラン ジ 部 分 と 鋼 管 と の 間 に 発 生 し た 摩 擦 力 と ス プリ ッ ト T のフランジ部分の曲げモーメントが,柱の曲 げ モ ー メ ン ト を 負 担 し た か ら と 考 え ら れ る .そ の 他の試験体には,組立ダイアフラムの鋼管に接す る 面 に テ フ ロ ン シ ー ト を 貼 り , ス プ リ ッ ト T の板 厚を薄くするなど改良を加えた.板厚を 1 1mm から 9 m m にすることで 計算誤差は 1 割程度となり耐力 推定精度は向上したが,さらに板厚を薄くしても 効果は見られなかった.. 6 . 結論 本研究で得られた結果を以下に示す. 1) 内蔵棒鋼の降伏の有無によらずセルフセンタリ ング性能を発揮することが分かった. 2) ダクトを無くすことでセルフセンタリング性能 が改善されることが分かった. 3) 組立ダイアフラムの板厚を減じることで,計算 精度が向上した.. 100 0. <参考文献>. 800. 1). 中原浩之,崎野健治,江崎文也:柱降伏を先 行させる自己復原型RC骨組の開発に 関する実験的研究,日本建築学会構造系論文集,第 628,pp.957-964,2008.6.. N (kN). 600. R b = 2 .5 / 1 0 0 r a d . R b = 2 .0 / 1 0 0 r a d .. 2). R. b. = 1 .5 / 1 0 0 r a d .. R b= 0 / 1 0 0 ra d .. 200. 塩田浩旦,窪寺弘顕,北島幸一郎,中原浩之,崎野健治,江崎文也:セルフセンタ リング性能を有する鋼・コンクリート合成構造十形フレームの実験的研究, 日本建. 400. 築学会研究報告,九州支部,第 48 号・1(構造系),pp.441-444,2009.3 3). 高山一斗,中原浩之,崎野健治,江崎文也:損傷制御機能を有する柱SC-梁 S構造 十形骨組の実験的研究,日本建築学会研究報告,九州支部,第 48号・1(構造系),. 0 0 .0. 5 .0. 1 0 .0. 1 5 .0. 2 0 .0. 2 5 .0. 3 0 .0. pp.593-596,2010.3. 3 5 .0. M (k N ・ m ). 図 1 1 曲げモ ーメント - 軸力関係. 55-4.
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