2017 公益社団法人日本水産学会/The Japanese Society of Fisheries Science Tel81162327166.Fax81162327171.Emailsano-minoru@hro.or.jp
北海道北部日本海沿岸のたこ箱漁場におけるミズダコの
鉛直分布の季節変化
佐 野
稔,
1梅 田 有 宏,
2佐々木隆浩
3 (2016 年 8 月 14 日受付,2017 年 1 月 30 日受理,2017 年 4 月 25 日 JSTAGE 早期公開) 1北海道立総合研究機構稚内水産試験場,2渡島北部地区水産技術普及指導所,3渡島地区水産技術普及指導所Seasonal changes in the vertical distribution of North Paciˆc giant octopusEnteroctopus do‰eini in a box-ˆshery oŠ northern Hokkaido in the Sea of Japan
MINORU SANO,1ARIHIROUMEDA2AND TAKAHIROSASAKI3
1Wakkanai Fisheries Research Institute, Hokkaido Research Organization, Wakkanai, Hokkaido 0970001, 2Oshima-hokubu Fisheries O‹ce, Mori, Hokkaido 0492313,3Oshima Fisheries O‹ce, Hakodate, Hokkaido
0418558, Japan
The seasonal vertical distribution and biological characteristics of North Paciˆc giant octopus Enteroctopus do‰einiwere investigated using box-ˆsheries data in the Sea of Japan oŠ the coast of northern Hokkaido between 2006 and 2011. The results showed that the depth distribution of E. do‰eini was >50 m from August to Septem-ber, <40 m from October to DecemSeptem-ber, 3060 m from January to February, <30 m from April to May and 2050 m from June to July. Most individuals were immature with body weights ranging from 2.5 to 10.0 kg (mean 5.7 kg). The most abundant food items included Urechis unicinctus, various ˆsh, crabs, and octopus. The results showed that immature octopuses in this ˆshery appear to undertake two seasonal migrations per year. キーワードたこ箱,日本海,分布,ミズダコ 大 型 の 底 生 性 頭 足 類 で あ る ミ ズ ダ コ Enteroctopus do‰einiは,北海道周辺のほぼ全ての海域で漁獲される 重要な水産資源である。北海道における漁獲量は約 2 万トン/年,漁獲高は約 70 億円/年に達する(北海道水 産資源管理マニュアル http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ sr/ggk/manualHP2010.htm, 2016 年 4 月 20 日)。北海 道周辺海域において,ミズダコは潮下帯から水深 200 m 付近まで分布し,主に樽流し,たこ箱,たこ篭などで漁 獲される。各海域で体重 23 kg 未満の個体の漁獲が規 制され,本資源の持続的利用が進められている(http:// www.ˆshexp.hro.or.jp/exp/central/kanri/SigenHyoka/ Kokai/, 2016 年 4 月 20 日)。 北海道北部日本海沿岸域は,北海道周辺海域における ミズダコの主要な漁場の 1 つであり,1)主にたこ箱で漁 獲されている。たこ箱は,ミズダコが巣穴に隠れる性質 を利用した漁法である。2)(http://www.hro.or.jp/list/
ˆsheries / marine / o7u1kr000000cusp.html # s4, 2016 年 12 月 14 日)。たこ箱漁業では,ミズダコを誘導する餌 を用いない。たこ箱は縦 45 cm,横 33 cm,高さ 19 cm の箱に,長径 16 cm,短径 12 cmの楕円もしくは一辺 19 cm の正方形の穴が空いた構造となっている。たこ箱 は未成熟から成熟,さらに産卵するための雌までを対象 とした体重選択性のない漁法であり,海域によっては体 重 30 kg 以上のミズダコも漁獲される。北海道北部日本 海沿岸域では,たこ箱漁具 1 式は約 800 m の幹縄に 50 個の箱をつけた仕掛けとなっており,天塩町から増毛町 までの沿岸水深 1070 m には周年敷設されている。漁 獲はほぼ周年行われ,漁獲量の多い時期は 67 月およ び 121 月である。受動的な漁法であるため,たこ箱漁 場へのミズダコの来遊と滞留が漁獲量を左右する重要な 要素である。 本海域では,ミズダコの季節的な深浅移動が報告され
Fig. 1 Box-ˆshery of North Paciˆc giant octopus Enteroc-topus do‰eini in the Sea of Japan oŠ Shosanbetsu mura in northern Hokkaido (dashed lines). Solid circles, sampling stations for recording the number of individ-uals caught using boxes; solid rectangles, aquaculture beds of Yezo giant scallop Patinopecten yessoensis. ている。35)金丸,山下4)は標識放流調査を行い,56 月 に水深 4060 m に放流した個体が 7 月に水深 60200 m で再捕されたことから,夏季に浅所から深所へ移動する ことを示している。ミズダコが夏季に浅所から深所へ移 動する現象は,水深帯は異なるものの宗谷海峡,6)津軽 海峡,7)常磐沿岸8)でも報告されている。佐野,坂東6)は 夏季に宗谷海峡において浅所から深所へ移動するのは, 岸近くに形成される水温 18°C 以上の水温帯を回避する ためであると推定している。 一方で,北海道北部日本海沿岸におけるミズダコの冬 季の移動については異なる考察が示されている。金丸3) は漁業者からの聞き取りをもとに 1011 月に接岸し, 23 月に沖合へ移動して,45 月に再接岸すると推定し ているのに対し,山下,吉田5)は,12 月に水深 3845 m の範囲に放流した個体が 15 月に放流場所もしくは浅 い海域で再捕されていることから,冬期間は沿岸に滞留 するとしている。冬期間における沖合への移動は,宗谷 海峡,6)津軽海峡,7)常磐沿岸8)では報告されていない。 ただし,金丸3)の報告には分布水深の記載はなく,山 下,吉田5)は金丸3)の結果と比較をしておらず,本海域 における冬期間のミズダコの移動については検証されて いない。 さらに,本海域のたこ箱漁場で漁獲されるミズダコの 体重組成や成熟段階組成,食物組成も明らかでない。こ れらは,本海域のミズダコの資源管理を進めて行くうえ で必要な情報である。そこで,本研究では,北海道北部 日本海沿岸の初山別村地区を対象にして,たこ箱漁場に おけるミズダコの出現状況,体重組成,成熟段階,食物 組成を明らかにし,本海域における鉛直分布の季節変化 とその要因について考察することを目的とする。 材料と方法 20062011 年に,北海道北部に位置する初山別村沿 岸域で北るもい漁業協同組合初山別村支所の協力を得て 調査を行った。本海域では海岸線に沿って等深線が平行 になっており,水深 3040 m で若干急勾配になってい る。本海域ではミズダコを対象にして漁獲する漁法はた こ箱だけであり,ホタテガイの養殖施設が設置されてい る海域を除く,海岸線 24 km,距岸 13 km,水深 1070 mの範囲にたこ箱が周年敷設されている(Fig. 1)。本 海域のたこ箱でのミズダコ漁獲量は 20062011 年の年 平均で 173 トンあり,67 月と 121 月に最も多く,3 月および 9 月に少なくなる。漁業協同組合が自主的に 決定した資源管理計画により,休漁期間が 9 月 14 日か ら 10 月 14 日まで設定されている。さらに,出荷可能 なミズダコは 2.5 kg 以上と決めており,2.5 kg 未満の ミズダコが漁獲された場合には放流している。 本海域のミズダコの鉛直分布を季節的に把握するため に,2006 年 7 月から 2011 年 3 月に本海域のたこ箱漁 業者の協力を得て操業日誌調査を実施した。漁業者が所 有するたこ箱漁具 1 式(1 放しはたこ箱 50 箱)を調査 用の 1 定点として,たこ箱漁場の 9 カ所の漁具を St. 1 から St. 9 に設定した(Fig. 1)。これらの水深は 13.5 m から 65.0 m である。漁業者は漁具 1 放しを引き揚げ た際に漁獲された 2.5 kg 未満と 2.5 kg 以上のミズダコ 個体数を紙に記録した。後日,これら操業日誌を回収し て,CPUE(1 放しあたりの採集個体数)を算出した。 さらに,たこ箱漁場の水温を観測するために,St. 46 に水温ロガー(tidbit V2, Onset 社製)を漁具に取り付 けて 1 時間間隔で海底直上の水温を記録した。St. 46 の水深は,それぞれ 22, 38, 59 m である。ミズダコの 月別の漁獲水深を明らかにするために,CPUE で重み 付けした漁具の敷設水深の平均と標準偏差を月別に算出 した。さらに,その漁獲場所の海底水温を把握するため に,定点別の月平均水温を算出し,それをもとに,St. 46 の水深 2259 m の範囲について,季節的な等温線 を作成した。 2006 年 7 月 か ら 2011 年 1 月 の 各 年 の 7 月 と 1 月 に 漁獲物の生物学的調査を実施した。これらの月は,1 年
Fig. 2 Seasonal changes in the monthly mean catch per unit eŠort (CPUE, i.e. the number of individuals caught per 50 boxes) in diŠerent size cohorts. Body weight at the time of capture: (a) <2.5 kg, (b) 2.5 kg. Solid line, inter-annual mean.
Fig. 3 Daily mean water temperature at sea bottom in the Enteroctopus do‰eini box-ˆshery from 2006 to 2011. Dotted line, St. 4; solid black line, St. 5; solid gray line, St. 6. の中で月別漁獲量の多い月である。調査日に北るもい漁 業協同組合初山別村支所に水揚げされ,同漁業協同組合 の加工場へ搬入されたミズダコから無作為に最大 200 個体を抽出した。抽出した個体ごとに体重を測定したあ と,加工場職員がこれら個体から内臓を切り出した。切 り出された内臓を個体別にビニール袋に入れ,冷凍庫で 冷凍して保管した。内臓を解凍後,各器官の重量を測定 した。雌性生殖器官では,輸卵管球における精子の有無 を観察した。雄性生殖器官については,陰茎および精莢 嚢における精莢の有無を観察した。これらをもとに,ミ ズダコの成熟段階の基準8)に沿って,成熟段階を個体ご とに判別した。雌では輸卵管球に精子が認められない個 体を未成熟,認められた個体を成熟とし,成熟個体につ いては体重と雌性生殖器官重量との関係から当年に産卵 する個体(N 年産卵雌),翌年に産卵する個体(N+1 年産卵雌)に判別した。雄では,陰茎もしくは精莢嚢に 精莢が認められない個体を未成熟,認められた個体を成 熟とし,成熟個体については体重と雄性生殖器官重量と の関係から当年に産卵する雌と交接する個体(N 年交 接雄),翌年に産卵する雌と交接する個体(N+1 年交 接雄)に区別した。さらに食物組成を把握するために, 胃内容物の観察を行った。胃から取り出した内容物をビ ニール袋に収納して冷凍した。胃内容物を観察する際に は,内容物を解凍したあと目合い 0.5 mm の篩の上で水 洗いして,篩の上に残った固形物を種類ごとに選り分 け,種類別に湿重量を測定した。 結 果 CPUE の季節変化は,体重 2.5 kg 未満と 2.5 kg 以上 で 異 な っ た (Fig. 2)。 体 重 2.5 kg 未 満 の ミ ズ ダ コ の CPUE は,4 月に調査期間平均で 1.9 個体/放し,9 月 に 1.2 個体/放しと高くなり,いずれもその後減少し た。一方で,体重 2.5 kg 以上の CPUE は 26 月までは 約 2.0 個体/放しで推移し,8 月に減少した後,緩やか に上昇して 12 月に 3.6 個体/放し,1 月に 4.2 個体/放 しと高くなった。 たこ箱漁場の海底水温は,夏季に浅所側が深所側より 高く,冬季には浅所側が深所側より低かった(Fig. 3)。 一年を通じた海底水温の変動範囲は岸側の St. 4 で最も 大きく,水深 22 m の St. 4 では 2.022.0°C,水深 38 m の St. 5 で は 3.5 20.4 °C , 水 深 59 m の St. 6 で は 3.8 15.8°C であった。海底水温が最高値となる時期は観測 地点により異なり,St. 4, St. 5 では 9 月中旬であるの に対し,St. 6 では 10 月中旬であった。海底水温が最低 値となる時期は St. 4 は 2 月中旬から下旬,St. 5, St. 6 は 2 月下旬から 3 月上旬であった。 漁獲水深は,89 月と 12 月に深所側へ偏った(Fig. 4a, b)。体重 2.5 kg 未満の個体の漁獲水深は 89 月に 水深 50 m 以深,1112 月には 2040 m, 12 月には深 所側 の水 深 3050 mと な り, 45 月に は 30 m 以 浅と なった(Fig. 4a)。体重 2.5 kg 以上の個体の漁獲水深も, 89 月と 12 月に深所側,1112 月と 45 月に浅所側に 変化した(Fig. 4b)。ただし,どちらの体重において も,漁獲水深は 89 月のほうが 12 月より深かった。
Fig. 4 Monthly changes in the depth at which Enterocto-pus do‰eini individuals were caught in the Sea of Japan using boxes oŠ Shosanbetsu mura in northern Hok-kaido from 2006 to 2011. (a) Solid circles, mean depth weighted by individuals with a body weight <2.5 kg; contour lines, isotherms; gray area, isotherms >18°C. (b) Solid triangles, body weight 2.5 kg.
10 月の漁獲水深は年により異なるものの,漁獲水深の 海底水温はいずれの年も 18°C 以下であった。最も海底 水温が下がる 13 月の漁獲水深は,海底水温との明瞭 な関係は認められなかった。 本 海 域 の 7 月 と 1 月 に 漁 獲 さ れ る 大 半 の ミ ズ ダ コ は,体重 210 kg の範囲に含まれる未成熟の雌雄であっ た。(Fig. 5)ほとんどの月で漁獲物の体重組成は 215 kg の範囲に含まれ,体重 36 kg にモードのある右裾広 がりの分布型であった。割合は少ないものの,N+1 年 産卵雌,N+1 年交接雄も認められた。しかし,採集し た年に産卵する N 年産卵雌,ならびにそれら雌と交接 して死亡していく N 年交接雄は ほとんど認めら れな かった。 ミズダコは体重に関係なく多様な動物を摂食してい た。主な胃内容物は 7 月ではカニ類,ユムシ,魚類,1 月ではユムシ,タコ類,魚類であった(Fig. 6)。7 月の 胃内容物の重量組成には,カニ類,ユムシ,魚類が,全 ての調査年で認められ,それら割合の合計は大半の体重 階級で全胃内要物重量の 60 以上を占めていた。2009 年 7 月や 2010 年 7 月のよ うに体重の増加 にともなっ て,カニ類の割合が減少し,ユムシの割合が増加する傾 向が認められた一方で,2007 年のように体重の増加と 明瞭な関係が認められない年もあった。1 月では,大半 の体重階級で魚類,タコ類,ユムシの合計で全胃内容物 重量の 70 を超える割合を占めていた。 考 察 本調査の結果,北海道北部日本海のたこ箱漁場におけ るミズダコの鉛直分布をまとめると以下のようになる。 4 月に体重 2.5 kg 未満と体重 2.5 kg 以上のミズダコが 水深 2030 m 付近に出現する。これらは漁場内に出現 し続ける。漁獲量の多い 7 月には体重 210 kg の未成 熟個体が主体となり,主にカニ類,ユムシ,魚類を摂食 する。89 月に岸側の海底水温が 18°C 以上まで上昇す ると,ミズダコは沖側の水深 50 m以深に出現する。そ の後,岸側の海底水温が 18°C より低下し始める10 月頃 からミズダコは浅所側へ出現し始め,1112 月には水深 2040 m に分布する。12 月には出現水深は再び深くな り,水深 3050 m 付近に出現する。これら個体の大半 も体重 10 kg 以下の未成熟個体であり,同年 67 月ご ろに産卵すると思われる 10 kg を超える大型の成熟個体 はほとんど出現しない。この時期には主にユムシ,タコ 類,魚類を摂食する。これらから,本海域では年 2 回 未成熟個体による季節的な深浅移動があると思われた。 本漁場において,89 月に岸側の海底水温が高くなる と漁獲水深が深くなることから,ミズダコは夏季に水深 50 m 以深の深所へ移動したと言える。同様の現象は, 宗谷海峡,6)津軽海峡,7)常磐沿岸8)でも報告されてい る。この要因として宗谷海峡では 18°C 以上の海底水 温,6)津軽海峡では 15°C 以上の海底水温を避ける7)こと が考察されている。本調査海域でもミズダコの分布は海 底水温が 18°C 以上の海域と重ならないことから,本海 域においても夏季の深所への移動は高水温からの回避で あると思われる。 ミズダコの 12 月の漁獲水深は,前年の 1112 月, 当年の 47 月に比べて深所側の水深 3050 m になって いたことから,この期間にミズダコは漁場内の深所側へ 移動すると思われる。ただし,その変化は小さく,夏季 のように明瞭な沖側の漁場外への移動ではない。山下, 吉田5)は,標識放流調査からも冬期間,水深 3845 m 付
Fig. 5 Frequency distribution of Enteroctopus do‰eini body weight and number () of individuals in diŠerent size cohorts caught in the Sea of Japan in January and July oŠ Shosanbetsu mura in northern Hokkaido from 2006 to 2011.
Fig. 6 Stomach-content composition in diŠerent size co-horts of Enteroctopus do‰eini caught in the Sea of Japan oŠ Shosanbetsu mura in northern Hokkaido from 2006 to 2011. 近に滞留する結果を得ている。金丸4)は分布水深を明ら かにしてないが,23 月に沖側へ移動すると考察してお り,もしかしたら夏季の深所への大きな移動とは異なる 水深 2040 m 付近から水深 3050 m 付近への移動を示 していたのかもしれない。この時期の海底水温は岸近く で 23°C,水深 40 m 付近では 35°C であり,水温勾配 がほとんど無いため低水温を回避した移動である可能性 は低い。 本たこ箱漁場はミズダコの産卵場として,ほとんど利 用されていないと思われる。漁獲の盛期である 7 月,1 月ともに漁獲されるミズダコが主に体重 2.510.0 kg の 未成熟もしくは成熟し始めて翌年に産卵する個体であっ た。ミズダコの産卵期は 67 月と推定されており,9,10)1 月,7 月の調査ではともに当年に産卵する大型の雌がほ とんど認められなかった。ミズダコは,水深 50 m 以深 の 人 工産 卵 礁 や 漁 具に 産 卵 し た 事 例 が 報 告 さ れ て お り,11)産卵場は本たこ箱漁場よりも深所に形成されてい るかもしれない。 本調査により,北海道北部日本海のたこ箱漁場におけ るミズダコの季節的な鉛直分布,漁獲物の生物学的特徴 を明らかにすることができ,ミズダコの生活史における 本海域の役割を推定した。これら知見は,本海域の資源 管理を推進するうえで活用される実用的な知見である。 そのため,今後は本知見をもとにして,ミズダコ資源の 持続的利用を推進していく必要がある。
謝 辞 本調査を実施するにあたり,北るもい漁業協同組合初 山別村支所の皆様には長期間にわたりご支援,ご協力を いただいた。また,漁獲物調査の際には,同支所の加工 場の職員および留萌地区水産技術普及指導所の方々にご 協力をいただいた。ここに記して謝意を表す。本研究は JSPS 科研費 25450288, 16K07856 を活用した成果であ る。 文 献 1) 佐野 稔.地理情報システムによるミズダコの資源管理 を目的とした北海道沿岸域の漁場の地理的区分.北海道 水産試験場研究報告2010;77: 7382. 2) 留萌北部水産技術普及指導所.たこ箱漁業.「北海道漁業 漁具漁法図鑑」(鈴木梅二,小原昭雄,射羽 藩監修) 水産北海道協会,北海道,1981; 332334. 3) 金丸信一.留萌沿岸のタコの種類とミズダコの生活.北 水試月報1964;21: 189210. 4) 金丸信一,山下 豊.ミズダコの漁業生物学的研究() 鬼鹿海域における夏漁期の群行動について.水産庁北海 道区水産研究所研究報告 1969;35: 178197. 5) 山下 豊,吉田久春.増毛鬼鹿海域における冬漁期の ミズダコの移動について.北水試月報1973;30(7): 1 10.
6) Sano M, Bando T. Seasonal migration of North Paciˆc giant octopus Enteroctopus do‰eini in the Soya/La P áerouse Strait. Nippon Suisan Gakkaishi 2015; 81: 2742 (in Japanese with English abstract).
7) 野呂恭成,桜井泰憲.津軽海峡周辺海域におけるミズダ コの移動と分布及び成長.水産増殖 2012;60: 429443. 8) 石田敏則,遠藤克彦.常磐海域におけるミズダコ及びヤ
ナギダコについて.福島県水産試験場研究報告2003; 11: 2748.
9) Sano M, Bando T, Mihara Y. Seasonal changes in the sex-ual maturity of the north Paciˆc giant octopus Enterocto-pus do‰eini in the Soya/La Perouse Strait. Nippon Suisan Gakkaishi2011;77: 616624 (in Japanese with English abstract).
10) 西内修一.礼文島周辺海域におけるミズダコの性成熟. 北水試月報1985;42: 113.
11) 福田敏光.ミズダコ産卵礁の効果について.育てる漁業 1985;145: 24.