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ナ ホ トカ号重油漂着 と重油分解 細菌 に よる生 物浄化

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第45巻(1998) 土 木 学 会,951‑955. ナ ホ トカ号重油漂着 と重油分解 細菌 に よる生 物浄化. 板. 1.. 緒. 垣. 英. 治*・ 石. 田. 啓**. 点 の概 略 を示 す が,各 採 取 地 点 は,汀 線 よ り約40〜60m. 論. 陸側 地 点 で あ る.採 取 した 試 料 は,採 取 日の 内 に,生 息 平 成9年1月2日,C重. 油19,000キ. ロ リ ッ トル を満 載. 細 菌 の 菌 数 計 測 に 用 い,残 存 試 料 は4℃ で 保 存 し た.対 照. した ロ シ ア船 籍 タ ンカ ー 「ナ ホ トカ号 」は,島 根 県 沖106. 試 料 と し て,各 浜 の 海 水 お よ び砂 を 随 時 採 取 し た.な お. kmの. 隣 接 す る内 灘 浜 で の試 料 を,平 成9年3月12日. 荒 天 の 日本 海 を航 行 中,船 体 を破 断 し,船 首 部 分 が. 1月7日. に福 井 県 三 国 町 の海 岸 に漂 着座 礁 した.破 断 し. た 重 油 タ ン クか ら推 定6,240キ. ロ リ ッ トル の 暖 房 用C重. 油 が 流 出 し,石 川 県 沿 岸18市. 町 を は じめ福 井 県 や 京 都 府. の海 岸 に 次 々 と漂 着 した.特. に多 量 の 重 油 の 漂 着 し た海. お よび. 16日 に採 取 した. 2.2. 重 油 分 解 菌 の 分 離 と培 養. 重 油 分 解 菌 の培 養 は, Sugiura et al.(1997)の. 無機 塩. 類 培 地 を用 い,生 育 を促 進 す る た め に酵 母 エ キ ス を微 量. 岸 の市 や 町 は,重 油 汚 染 の た め に,漁 業 や 観 光 に多 大 の. 添 加 し た(Higashibara. 被 害 を 受 けた.石 川 県 で は202,947人. C14H30)を 炭 素 源 お よび エ ネ ル ギ ー源 とす る時 は,5ml/. あ た り,22,199.1キ. が重油除去作業 に. ロ リ ッ トル の 油 を回 収 し,ま た金 沢. 市 で は,重 油 回 収 に は14,083人 5,574人 が 出動 し,194.8キ. が,汚 染 海 岸 の浄 化 に は. ロ リ ッ トル(ド ラ ム缶974本). の重 油 を 回 収 した が,そ れ で も海 岸 に は,依 然 と して漂. et al.,1978).n‑テ. 1添 加 した 。他 種n‑ア ル カ ン も同 様 に使 用 した.漂 着 重 油 を用 い る時 は,n‑ヘ. キ サ ンに溶 解 し,不 溶 物 を 除去 して. 液 体 培 地 に添 加 した. 添 加 重 油 量 は,ヘ キ サ ン溶 液 の乾 燥 重 量 か ら求 め た.. 着 重 油 が 残 る 状 況 で あ っ た(金 沢 市 油 流 出 災 害 記 録,. 振 とう培 養 は,試 験 管(直 径12mm)ま. 1998).一 般 に,海 水 中 に は種 々 の 重 油 炭 化 水 素 分 解 細 菌. コ(500ml)を. が 生 息 す る こ とが 知 られ て お り,そ れ が 海 洋 の油 汚 染 に. で 行 っ た.寒 天 平 板 培 地 は3%寒. お い て,バ イ オ レ メ デ ィ エ ー シ ョ ン に重 要 な役 割 を演 じ. 類 培 地,n‑テ. て い る こ とが 判 明 して い る.と. の 分 離 は油 塊 試料 を少 量(0.1g程. こ ろが,我 が 国 で は,こ. の細 菌 の 生 息 を調 査 確 認 した地 域 は限 られ て お り(藤 沢 ら,1978;. Higashihara. et al.,1978),今. トラデ カ ン(n‑. 用 い,振. た は坂 口 フ ラス. と う培 養 機(130回/分)で28℃ 天 を含 む 重 油‑無 機 塩. トラ デ カ ン‑無 機 塩 類 培 地 を 用 い た.細 菌 度)と り,3%NaClを. 加 え,細 菌 の抽 出 を行 い,抽 出 液 を寒 天 平 板 培 地 に 塗 布. 回の 重 油 汚 染 地. 域 で の この 細 菌 につ い て の情 報 は全 く無 く,漂 着 し たC 重 油 の 生 物 浄 化 につ い て の評 価 ・期 待 は,全. く分 か らな. い状 況 で あ っ た.本 論 文 で は,金 沢 市 の 海 岸 に漂 着 した 重 油 に,重 油 炭 化 水 素 分 解 細 菌 が付 着 ・増 殖 し て い る こ とを確 認 し,漂 着 重 油 の生 物 浄 化 に よ る 自然 回復 の 過 程 を,1年. 間 に わ た って 観 察 し た.さ らに,漂 着 油 塊 か ら,. 多数 の 海 洋 性 重 油 炭 化 水 素 分 解 細 菌(以 下 重 油 分 解 菌 と 略 す)の 菌株 を単 離 し,そ の重 油 分 解 能 を研 究 して,そ の能 力 の優 れ た も の を ス ク リー ニ ング した. 2.. 実 験 方 法. 2.1. 油塊試料採 取. 油 塊 試 料 は,金 沢 市 打 木 浜,専. 光 寺 浜,金 石 浜 お よび. 大 野 浜 に 設 定 した 定 点 よ り,毎 月 採 取 した.図‑1に *理 **正 会員. 博 工博. 金沢大学教授 金沢大学教授. 理学部化学科 工学部土木建設工学科. 採取. 図‑1. 金沢海岸 にお ける漂着重油試料採取地点.

(2) 952. 海. 展 開 し,28℃. 岸. 工. で培 養 し て行 っ た.適 宜,コ. 学. 論. 文. ロ ニ ー を選 択. し,培 養 を繰 り返 す こ とに よ り,単 一 菌 株 を得 た. 2.3. 集. 第45巻(1998). 地 点 に 多 く油 塊 が 見 られ た.試 料 採 取 点 は 図‑1に. た海 岸 の 漂 着 重 油 量 の 多 い 地 点 を選 び,金 石 浜 で は波 打. 菌数の測定. ち 際 か ら65m,大. 油 塊 試 料 の重 量 を測 定 後,100〜200mgを. 試 験 管 にか. m×2m)よ. 野 浜 で は40mと. し,こ の設 定 場 所(2. り採 取 した 重 油 塊 の採 取 日 と重 量 を表‑1に. き取 り,そ の重 量 を測 定 した.こ れ に3%NaClを1ml加. 示 す が,油 塊 は砂 浜 の 表 層 よ り20cm以. え,微 温 等 中 で加 温 後,洗 浄 用音 波 発 生 器 で1分 間 処 理. て い た.漂 着 重 油 の 化 学 組 成 は,C20のEicosaneを. し,そ の上 澄 み 液 を試 料 原 液 と した.10倍. して,C9〜C30の. 希釈法 によ り. 希 釈 し,テ. トラ デ カ ン‑無 機 塩 類 寒 天 培 地 の表 面 に塗 布. し,280Cで. の培 養 を行 っ た.7日. 精 秤 し,こ れ に2ml. キ サ ン を添 加,可 溶 性 成 分 を抽 出 し,こ れ を1m1. 分 取 し,窒 素 気 流 下 乾 燥 し,さ 圧 乾 燥 し た後,秤. 3月16日. 2.5. 示す. らに デ シ ケ ー タ ー 内 で 減. 量 した.重 油 炭 化 水 素 の分 析 は,酢 酸. 行 った.. に大 野 浜 で 採 取 し た油 塊 は,写 真‑2. に示 す よ う に,そ の性 状 を崩 れ 易 い もの へ と大 き く変 え て い た.重 油 含 量 は,漂 着 時 の1月 の 油 塊 のn‑ヘ キサ ン 抽 出物 と して は約46%で. あ り,2月. 着 す る もの で は,約25%で. エ チ ル 抽 出物 を濃 縮 後,ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ ィ(OV‑17 カ ラム,3m)で. に内 灘 浜 で採 取 した 油 塊 は,写 真‑1に. た.し か し6月18日. 油 塊 試 料 の重 量 を求 め,約1gを. 中心 に. 炭 化 水 素 で あ り,芳 香 族 成 分 は少 なか っ. よ うに,重 油 の周 りに砂 粒 が 付 着 し た状 態 の もの で あ っ. 重油含量の測定. のn‑ヘ. 内 の 所 に分 布 し. た(柴 田 康 行 ら,1997).. 目 に生 育 し た コロ ニ ー. 数 を求 め,元 の 油 塊 試 料 中 の菌 体 概 数 を求 め た. 2.4. 示 し. 図‑2は,表‑1に. に採 集 した 砂 粒 を付. あ っ た.. 示 した 油 塊 の そ の後 の 重 油 含 量 の変. 化 を調 べ た もの で あ り,漂 着 した 油 塊 の重 油含 量 は,初. 菌 株 の 炭 化 水 素 と重 油 の 分 解 能 検 定. め の6ヶ 月 で 急 速 に低 下 し,約4%程. 度 に下 が っ て いた.. む5mlの. 液体. 3.2. 培 地 に接 種 し,振 と う培 養 を行 い,生 育 を560nmで. の濁. 3月 に 採 取 した 油 塊 を 用 い,重 油 あ る い は テ トラ デ カ. 度 の 測 定 で調 べ た.重 油 を用 い た場 合 は,培 地 表 面 に浮. ン を炭 素 源 とす る培 地 を 用 い て細 菌 の生 育 実験 を行 った. 分 離 した 菌 株 をテ トラ デ カ ン58mg含. 遊 す る油 塊 の消 失,培. 地 の濁 りな どか ら,定 性 的 に 変 化. と ころ,濁 度 を増 し細 菌 の 生育 が み ら れ た.テ. トラ デ カ. ン‑無 機 塩 類 寒 天 平 板 培 地 に 油 塊 を塗 布 し,28℃ で7日. を観 察 し た. 2.6. 油 塊 に生 息 す る細 菌. 細菌の検鏡. 分 離 し た菌 株 は,Pt‑Pd‑コ 顕 微 鏡(日 立U‑2250Sお 3.. 結. 3.1. 採 取 した 油 塊. 平 成9年1月18日. ー テ ィ ン グ後,走 査 電 子. よびS‑3200N)で. 観 察 した.. 果. に金 沢 海 岸 へ の 重 油 の 漂 着 が 始 ま. り,荒 天 の た め波 打 ち 際 か ら30〜60mと. か な り離 れ た 表‑1. 油 塊 試 料 の 重 量,採. 写 真‑1. 取 場 所,採. 3月 の油 塊. 取 日. 写 真‑2. 6月 の油 塊.

(3) 953. ナ ホ トカ号 重油 漂 着 と重 油 分 解細 菌 に よ る生 物 浄化. 図‑2. 漂着油塊 の重油含 量の径時変化. 間 培 養 した と ころ,写 真‑3示. す よ うに,白 い 斑 点 状 の 多. 図‑3. 重 油塊 に生息す る菌数 の経時変化. くの コ ロニ ーが 見 られ た.こ れ らの細 菌 を繰 り返 し培 養 す る こ とに よ り,炭 化 水 素 を炭 素 源,エ て 生 育 す る細 菌(す 確 認 した.3月. ネルギー源 とし. な わ ち重 油 分 解 細 菌)で. よ り毎 月,4海. あ る こ とを. 岸 に設 定 した 地 点 よ り採. 10〜102個/mlで. あ り,波 打 ち 際 の 砂 で は,約103個/gで. あ った.. 取 した 油 塊 の外 見,重 油 含 量 お よ び 重 油 分 解 細 菌 の菌 数. 3.3. を計 測 し,漂 着 した 油 塊 の生 物 浄 化 の 進 行 状 況 を調 査 し. 毎 月 採 取 した 油 塊 よ り重 油 分 解 細 菌 を分 離 し,約25の. た.. 油 塊 よ りの 重 油 分 解 菌 分 離 とそ の性 状. 菌 株 を得 た.こ れ ら を テ トラ デ カ ン‑無 機 塩 類 液 体 培 地. 図‑3は,表‑1に. 示 した 重 油 塊1g当. 殖 す る細 菌 の菌 数(概 数)の1年. 間 の 変 化 を調 べ た 結 果. で あ り,油 塊 に は106か ら108個/gの す る事 が 明 らか と な った.特. た りに生 息 ・増. 重油分解細菌 が生息. に 注 目す べ き事 柄 は,冬 期. で 低 温 に もか か わ らず,105個 の 細 菌 が,漂 着 して わ ず か. お よび 重 油‑無 機 塩 類 液 体 培 地 を 用 い て,さ. らに ス ク. リー ニ ング を行 う こ とに よ り,こ れ ら の培 地 で 生 育 の よ い,す. な わ ち 重 油 分 解 能 の 高 い 菌 株4種(SY103,. UT103,0209,K103)を 図‑4に,こ. 選 び 出 す こ とが 出来 た.. れ ら の菌 株 に つ い て テ トラ デ カ ン‑液 体. の 日数 しか 経 って い な い もの に 見 られ る こ とで あ っ た.. 培 地 で培 養 実 験 を行 っ た 結 果 を示 す.ど の 菌 株 も24時 間. 3月 か ら6月 にか け て の菌 数 の 増 加 と,重 油 含 量 の 著 し. で 対 数 期 を終 え,旺 盛 な 生 育 を示 した.こ. い低 下 お よび 油 塊 の高 い粘 度 を持 った 構 造 体 か ら脆 い 構. デ カ ン消 費 は8.4〜30mgあ. 造 体 へ の 変 化(写 真‑2)と. は,互 い に関 係 が あ る と考 え. られ る.. 写 真‑4は24時 (b)がUT103株. 油 塊 よ り重 油 炭 化 水 素 を抽 出 し,ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ ィで 分 析 した 結 果 も,6月. に採 取 し た 重 油含 量 の 低 い. の 時 の テ トラ. った.. 間 後 の培 養液 で あ り,(a)がO209株, で あ る が,そ れ らの 白濁 状 態 か ら,細 菌. が テ トラデ カ ン を消 費 して 生 育 し て い る こ とが 分 か る. これ らの 菌 株 をn‑ヘ. キサ デ カ ン(C16H34),n‑オ. 油 塊 で は,各 炭 化 水 素 含 量 の 低 下 を示 して い た.対 照 と. カ ン(C18H38),n‑エ. イ コ サ ン(C20H42)を. クタデ. して 調 査 した 金 沢 海 岸 の 海 水 中 の 重 油 分 解 菌 の 菌 体 数 は. ル ギ ー 源 とした 場 合 で も,生 育 速 度 の違 い は あ るが,同. 炭 素 源,エ. ネ. 様 に そ れ らの炭 化 水 素 を消 費 し て生 育 した. 次 に,重 油 を炭 素 源 とす る液 体 培 地 で の 生 育 実 験 を お こな った.平 成9年4月. 大 野 浜 で 採 取 した 漂 着 重 油 をn. ‑ヘ キサ ン に溶 解 し,砂 や ゴ ミを 除 き,滅 菌 直 後 の熱 い 無 機 塩 類 液 体 培 地5mlに65mgを 揮 発 し て除 き,冷 却 後,そ. 添 加 し,ヘ キ サ ン を. れ ぞ れ の 菌株 を植 え た.こ の. 時 の 培 養 液 の状 態 を 写 真‑5に. 示 す と,当 初 重 油 滴 は,. (a)の よ うに液 面 に浮 遊 し て い る が,こ の 重 油 滴 は 菌 の 生 育 に伴 っ て消 滅 し,18時 間後 の培 養 液 の色 は,O209株 で は,(b)の. よ う に黒 褐 色 に,UT103株. う に茶 褐 色 に変 化 した.こ. で は,(c)の. よ. れ は細 菌 が 炭 化 水 素 を 消 費 し. た た め に,着 色 成 分 が 液 中 に け ん 濁 した もの と考 え られ る.特 に,(c)のUT103株 写 真‑3. 金石浜の重油分解細菌 のコロニー. で は,振. とう培 養 を して い る. に もか か わ らず,試 験 管 壁 が 油 成 分 で 汚 れ て い な い こ と.

(4) 954. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第45巻 表‑2. 図‑4. O109. (b). 写真‑4. (a). 4種 の重油分解細菌の形態 と性状. 重油分解能 の高い4菌 株の生育速度. (a). 写真‑5. (1998). (a). 重 油 分 解 細 菌K103. (b). 重 油 分 解 細 菌O209. UT103. 生育 した菌株 の培 養液. 移植 なし. (b). O209. (c). UT103. 重油分解細菌 の重油一無機塩類 液体培地での培養. は注 目 さ れ る. 3.4. 重 油 分 解 細 菌 の 形態 と性 状. 重 油 分 解 細 菌 の う ち,図‑4に. 示 し た 高 い重 油 分 解 能. を持 つ4菌 株 の形 態 と性 状 を表‑2に 電 子 顕 微 鏡 を用 い て,K103株,O209株 株 を,倍 率5000倍 お よび(c)に. 示 し,さ ら に,走 査 お よ びUT103. で撮 影 した 写 真 を,写 真‑6(a),(b). 示 す.. これ ら の細 菌 は海 洋性 好 気 的 従 属 栄 養細 菌 で あ り,色 素 の 形 成 は炭 化 水 素‑無. 機 塩 類 培 地 に 生 育 した 時 に見 ら. れ,栄 養 培 地 に生 育 す る場 合 に は見 られ な い.グ 色 お よびDNA塩. ラ ム染. 基 組 成 分 析 も行 っ た が 菌 株 を 同 定 す る. (c). 写真‑6. 重 油 分 解細 菌UT103. 重油分解細菌 の走 査電子顕微鏡写真像. まで に は至 っ て い な い. 4.. 結. 材,機 材 を投 入 して の 回 収 作 業 が行 な わ れ た が,完 全 な. 論. ナ ホ トカ 号 の 重 油 が石 川 県 の 海 岸 に漂 着 し,多. 除 去 は困 難 で あ っ た.重 油 の 自然 浄 化 と して は,C重 くの人. 油が. 難 拡 散 性 で高 粘 度 の 油 で あ る こ とを 考 え る と,化 学 的 ・.

(5) ナ ホ トカ号 重 油 漂 着 と重 油分 解 細 菌 に よる生 物浄 化 物 理 的 分 解 や 拡 散 消 滅 な ど は期 待 で きな い が,微 生 物 に. 955. 進 す る に は どの よ う にす れ ば よい か な ど の基 礎 的 な 研 究. よ る分 解 は大 い に期 待 され る も の で あ っ た.し か し,従. を行 う こ とに よ り,バ イ オ に よ る有 用 な環 境 復 元 手 法 が. 来,日 本 海 側 の海 岸 や 港 湾 で の重 油 分 解細 菌 につ い て の. 得 られ る と期 待 され て い る.. 調 査 報 告 は な く,今 回 の 流 出 事 故 に お い て,本 研 究 に よ り初 め て 調 査 が 行 わ れ た. 重 油 の 漂 着 し た 時 期 が 冬 期 で あ り,微 生 物 の 活 動 に と って 好 条 件 で は な い に もか か わ らず,3月 油 塊 に約105個/gの. 謝 辞;本. 研 究 に あ た り,油 塊 試 料 の 採 取 に ご尽 力 下. さ った 金 沢 市 の 関 係 各 位,走. に採 取 した. 重 油 分 解 細 菌 が 付 着 し,5月,6月. に. 査電 子 顕 微 鏡 観 察 に助 力 を. 賜 った 金 沢 大 学 工 学 部 五 十 嵐 心 一助 教 授,山 戸 博 晃 技 官, 日立 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 株 式 会 社 テ ク ノ リサ ー チ リ セ ン ター 和 田正 夫 氏 お よ び西 村 雅 子氏 に,深 謝 の意 を 表 す る.. 採 取 した 油 塊 の細 菌 数 は,108個 に 達 し,さ ら に気 温 の上. また 本 研 究 の 一 部 は文 部 省 特 定研 究 費 補 助 金 「流 出 重 油. 昇 に よ り微 生 物 の活 動 が 盛 ん に な っ て,7月. 処 理 対 策 と海 洋 環 境 復 元 に 関 す る研 究 」 の補 助 を受 け て. まで に含 量. の 急 速 な低 下 が観 察 され,日 本 海 側 で の 重 油 分 解 細 菌 の 実 態 が 明 らか に な っ た.. 参. 本 研 究 は,金 沢 市 の4海 岸 を 中心 と して の 調 査 を行 っ た もの で あ る が,隣 接 の 内 灘 浜,加. 賀 市 塩 屋 浜 で採 取 し. た 油 塊 か ら も重 油 分 解 細 菌 を検 出 した(板 垣 英 治,1998). これ ら の単 離 菌 株 のn‑ア. 行 った もの で あ り,記 し て謝 意 を表 す る.. ル カ ン分 解 能(炭 素 源 と して. の 生 育 能 力),重 油 分 解 能 を培 養 実 験 に よ り調 べ,4菌. 株. を優 れ た 能 力 を持 つ 菌 株 とし て選 択 した. その 細 菌 学 的性 質 は それ ぞ れ異 な るが,テ. トラ デ カ ン. を は じ め,高 級 炭 化 水 素 を炭 素 源,エ ネ ル ギー 源 と して, また,重 油 も同 様 に代 謝 した.特 にUT103株. は培 養 実 験. にお い て,油 滴 を24時 間 以 内 に完 全 に消 滅 させ,茶 褐 色 の 乳 濁 液 に変 え た.こ の こ とは,こ の 菌 株 は お そ ら く強 い ア ル カ ン酸 化 酵 素 活 性 を持 っ て い る もの と考 え ら れ る. 今 回 の よ うな 油 流 出 事 故 に お い て,微 生 物 の油 分 解 能 を利 用 し た 自然 界 で の 浄 化 も考 え られ て お り,自 然 条 件 の 基 で 石 油 分 解 細 菌 が ど の よ うに働 くか,そ. の働 き を促. 考. 文. 献. 板垣英治(1998):「 ナホ トカ」号重油流 出に よる環境汚染 と生物 浄化:重 油炭化水 素分解細菌の検出 と分離,金 沢大学 日本海 域研究所報告,第29号,pp.1‑12. 金沢市(1998):「 金沢市 口シアタンカー油 流出災害記録」,「取 り 戻 したぞふるさ との美 しい海」 柴田康行,畑 野 浩,木 村祐二(1997):国 立環境研究所,ナ ホ トカ号油 流出事故 緊急環境調査 について(中間報告),国 会図 書館 藤沢浩明 ・村上正 忠 ・真鍋武彦(1978):我 が国の沿岸海域 にお ける炭化水 素酸 化細 菌 に関す る生態学 的研究II,水 島重油流 出事故 によって汚染 された海域 の炭化 水素酸化細 菌 の分 布, 日本水産 学雑誌44巻,pp.91‑104. Sugiura, K., M. Ishihara, T. Shimauchi and S. Harayama (1997): Physicochemical properties and biodegrability of crude oil, Environ. Sci. and Technol., Vol. 311, pp.45-51. Higashibara, T., R. Sato, and U. Simizu, (1978): An MPN method for the enumeration of marine hydrocarbon degrading bacteria, Nippon Suisan Gakkaishi, Vol. 44, pp. 1127-1134..

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参照

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