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本報告書に関する問い合わせ先 : 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 海外市場開拓課 東京都港区赤坂 TEL: 免責条項 ジェトロは 本報告書の記載内容に関して生じた直接的 間接的 あるいは

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米国アパレル市場情報および販売の手引き

2011 年1月

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本報告書に関する問い合わせ先: 日本貿易振興機構(ジェトロ) 海外市場開拓課 〒107-6006 東京都港区赤坂 1-12-32 TEL:03-3582-5313 email:[email protected] 【免責条項】 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および 利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロがかかる損害の可 能性を知らされていても同様とします。 © JETRO 2011 本報告書の無断転載を禁ずる。 【ご注意】この情報は2011年1月時点で調査したものです。その後、企業情報、URLなどの収録情報に変更が生じていることも考えられます。 ご利用にあたっては、各自でご確認いただくようお願いします。

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アンケート返送先 FAX 03-5572-7044 日本貿易振興機構 海外市場開拓課宛 ● ジェトロアンケート ● 米国アパレル市場情報および販売の手引きに関するアンケート」 ジェトロでは将来の市場として、潜在的需要が高い可能性のある国や地域のマーケット情報を 日本の中堅中小企業の方々に紹介することを目的に本調査を実施いたしました。報告書をお読 みいただいた後、是非アンケートにご協力をお願い致します。 ■質問1:今回、本報告書で提供させていただきました「米国アパレル市場情報および販売 の手引き」について、どのように思われましたでしょうか?(○をひとつ) 4:役に立った 3:まあ役に立った 2:あまり役に立たなかった 1:役に立たなかった ■ 質問2:上記のように判断された理由、また、その他、本報告書に関するご感想をご記入下 さい。 ■ 質問3:その他、ジェトロへの今後のご希望等がございましたら、ご記入願います。 ■お客様の会社名等をご記入ください。(任意記入) ご所属 □企業・団体 会社・団体名 部署・部署名 □個人 ~ご協力有難うございました~

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ページ数 はじめに 第一章 市場調査 1 1 市場調査の重要性と内容 1 2 市場調査の方法 7 3 米国市場戦略構築 10 第二章 米国市場 14 1 14 2 米国のライフスタイル 16 3 ニューヨークのファッション事情 22 4 米国市場と日本企業 27 5 米国のファッション市場 34 資料 1000人の米国女性(1000 American Women) 38 資料 米国の女性ファッション統計 149 資料 米国のファッションメディア一覧表 153 資料 雑誌で見るトレンド 154 資料 米国の商圏(首都圏人口) 178 第三章 米国の商品 180 1 180 2 米国のデザイン・品質 181 3 188 4 189 5 米国の業界の概況 190 資料  有力な米国ファッションブランド・リスト 194 資料  US商品リスト 204 資料  ブランド調査シート 224 資料  ブランド価格比較表 280 資料  米国のサイズ 289 第四章 米国の店舗 292 1 専門店 292 2 専門店チェーン 294 3 デパート 296 資料 ファッション店訪問調査シート 299 資料 デパート訪問調査シート 340 資料 USファッション専門店シート 356 第五章 米国のビジネス 416 1 米国のビジネス、日本のビジネス 416 2 受注 419 3 流通・納品 425 4 代金の回収 430 5 カスタマーサービス 436 6 営業フォロー 437 資料 POサンプル 438 資料 Payment Agreementサンプル 439 資料 Line sheetサンプル 440 資料 News letterサンプル 443 資料 Press Releaseサンプル 444 資料 Reaction Memoサンプル 448 第六章 449 1 商品の基本コンセプト 449 2 商品構成 452 3 デザイン・品質 455 4 商品の価格 456 5 ブランド戦略 458 6 商品戦略のまとめ 460 資料 実際に流通している商品の「洗濯ネーム」サンプル 461 資料 Writing a Care label (洗濯表示の書き方) 462

商品の価格 ブランド 目次 商品戦略のポイント 米国の社会 商品構成

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ページ数 第七章 組織戦略のポイント 469 1 アメリカにおける販売組織 469 2 現地エージェントとの連携 470 3 現地法人の設立 473 4 段階的前進 482 5 トラブルの回避 484 第八章 487 1 販売戦略の前提 487 2 営業計画 489 3 販売方法 「展示会販売」 490 4 販売方法「ショールーム販売」 500 資料 ファッション展示会リスト 502 資料 ファッション・アクセサリーを扱うショールーム一覧 504 資料 コーテリー展示会申し込み書類 509 資料 Conversation in the Booth(ブース内英会話) 522 第九章 米国市場開拓戦略のまとめ 527 1 具体的行動計画の提案 527 2 米国市場開拓戦略の構築 530 3 全体のストーリー 532 4 世界市場に向けて 532 おわりに 販売戦略のポイント

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はじめに

本調査レポートは、米国のアパレル市場を調査分析して、日本のアパレル企業が米国市場に商 品を販売する道を探ることを目的としている。 本レポートを作成するに当たり、1000 人の米国女性のファッションを街頭で撮影した。非常に 時間がかかったが、これが本レポートの「原点」である。これらの米国女性にどのようなファ ッションを提供すれば購入してもらえるのか・・という点を核心に、米国ファッション市場を 研究、模索していきたい。 米国市場には、様々な分野において日本の製品が次第に増えてきたと感じる。かつては、日本 製品は質は良いものの高すぎるというのが一般的な評価であった。米国市場には、発展途上国 からの多くの低価格商品が小売店で販売されている。Made in USA, Made in Japan の製品を探 すのは困難であった。しかしながら、デザインが限られる、低価格がゆえに品質が低い、長く 使えないという欠点も多く、米国の消費者を満足させることはできなかった。 金融バブル崩壊以降の米国市場は、まず消費者は慎重に製 品を選択するようになった。「安ければいい」という考えか ら、デザインが良い、品質が良い、長持ちするというよう な「価値のあるものを買いたい」という傾向が強まってき た。一方、小売店から離れていった顧客を呼び戻そうと、 小売店バイヤーは、顧客の満足する「目新しい商品」「品質 の良い商品」を仕入れるようになってきた。それが、日本 製品が市場に増えてきた原因になっている。この傾向は、 ますます強くなっていくと思われる。 アパレル製品はどうかというと、そう簡単にはいかない。ファッションの製品は、非常に細か い要素で構成されていて、その中の一つでも消費者が満足できないと売れない。例えば、米国 市場で人気の高いプレミアム・ジーンズにおいて、日本のデニム素材の評価は高いが、ジーン ズのパターンがトレンドより少しでも細かったり、太かったりすれば、どんなに素材が良くて も売れないのである。デザイン、素材、付属品、色、の一つでも市場に合っていないと売れな い。その意味では、商品がまさに米国市場に完璧に合っていないと消費者は敬遠するし、小売 店バイヤーたちは仕入れることはない。 その意味で、アパレル製品ほど、米国市場調査、研究が必要な製品カテゴリーはないと言える。

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本レポートは、統計表や数字の羅列を避け、日本のアパレル 企業が米国市場でビジネスを展開できるように実践的な観点 から構成している。米国のビジネスに役に立つ資料をできる だけ多く添付した。特に、「米国の商品」「米国の感覚」を充 分に理解してもらうために、デザインの写真を豊富に使用し た。また、米国の感覚を感じてもらう為に、展示会、店舗の 写真はもとより町の風景、ライフスタイルの写真なども数多 く使っている。顧客開拓に役に立つように、有力なアパレル 店舗の入っている全米の専門店 2400 店の最新のリストアッ プを行なった。これは、非常に時間がかかったが有効に活用 できると期待している。 日本のアパレル企業が、米国市場で良いビジネスができる だろうか?答えは、YES である。その目的に向けて、何か ら行わなければならないか?答えは明瞭である。「マーケ ットを知る」ことである。それは、外から眺めるという次 元ではなく、米国市場の中にしっかりと入り、競争相手で ある米国のアパレル企業に近い認識と感覚を持たなければ ならない。それは可能だろうか?その答えも YES である。 米国市場で、日本のアパレル企業が商品を販売することは 充分可能なことである。その方法論をこのレポートによっ て提案したい。 本市場調査レポートが、日本アパレル企業の米国進出の一助になれば幸いである。

本調査は、ジェトロ・ニューヨーク・センターのイニシアティブのもと、Mira Design Corporation に委 託した。

*写真提供:Mira Design Corporation

日本貿易振興機構 2011 年 1 月

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第一章 市場調査

米国市場を新たに開拓するために、まず第一に重要なのは「市場調査」(Marketing Research マーケティング・リサーチ)である。

1 市場調査の重要性と内容

① 市場調査から始まる ファッション製 品 のみではないが、米 国 市 場 に日 本 の商 品 は確 実 に増 えてきている。「 米 国 では、低 価 格 品 しか 売れない」というのはすでに過去の話である。現在は、景 気後退をきっかけとして、各店舗は、品質の良いもの、目 新 しいものを求 めているのである。その結 果 、日 本 の製 品がファッション市場においても注目されてきた。 しかし、米 国 市 場 に販 売 を試 みた日 本 企 業 の中 には、 成 果 が上 がっていない企 業 も少 なくない。これらの会 社 の不振の原 因は実に明 解である。日 本 市 場での販 売の 延 長 線 上 に、米 国 市 場 の販 売 を行 おうとしたからである。 「二つの市場」には明らかに違いがある。その違いを無視して強引に日本的なやり方で米国に おいてビジネスを行おうとしても無理がある。 海 外 市 場 に製 品 を販 売 する時 、第 一 に行 わなければならないことは、「市 場 調 査 」である。日 本のビジネスマンは、日 本 市 場 においては、長 い間に培 った感 覚 、積 み重 ねてきた生 活 観 、 過去に接した多くの情報、人的ネットワークで、改めて「市場調査」を行わなくても適正なビジネ スは可能である。しかしながら、米国市場でそれらの必要な情報無しにビジネスを開始すること は、「闇の中を歩く」に等しく大変無謀である。多くの中小企業は、米国に出張して、関連店舗、 展 示会 をある程 度 見ることによって、「市 場調 査 を行なった」と簡 単に考えてしまう。そして、中 途半端な情報、不十分な戦略の元に展示会に出展し、顧客にアプローチをしては失敗する。 米 国 市 場に定 着できなかった日 本 企 業の失 敗の原 因 は、「不 十 分 な市 場 調 査 」であることが 多い。

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ビジネスは商品体制、販売体制、組織体制が整っていない状態では、いかに商品の市場性が 高く魅 力 的であったとしても、適 正なビジネスを作 り上げることはできない。はじめにしっかり行 なわなくてはならないのが「市場調査」であり、それが米国市場で行なうビジネスの成否を決め るのである。そして、「市 場 調 査 」は、一 度 やればよいということはなく、定 期 的に行 って、常 に 市場の動きを見つめ、企画、販売戦略に活用していくべきである。 市 場 調 査 の 核 心 は何 か ? 店 舗 、販 売 、 流 通、回 収なども重要ではあるものの、もっとも 核 心になるものは「米 国 市 場における感 覚」 である。理 論 的 な情 報 は、時 間 をかければ 次第に集まってくる。「感覚的なこと」は、しっ かりと意 識 して吸 収 して行 かなければビジネ スの出 発 点 を誤 ってしまう。「感 覚 的 なこと」 とは、米国市場において、「米国消費者が持 っている感覚」である。米国の消費者はどういうものが好きだろうか?ということである。それが、 ファッション・ビジネスの核心になる。米 国 企業はその感覚を長いビジネスの経験でしっかり身 につけている。「消 費 者の動 向を読む」ことができるのである。この点は、日 本 企 業は持 ってい ない。したがって、米 国企 業と同じように、「消 費者 の感覚」を理 解するようにならなければ、的 確な商品を市場に提供することはできない。日本の有力デザイナーが、満を持して NY に大き な店舗を構えても、思うように売れないのはこの問題に取り組んでいないからである。 いかにデザインが優れている洋服のラインと出会ったとしても、今まで蓄積してきたクローゼット の洋服を全て捨てて買いなおす人はいない。通 常 、洋 服の購入は、今まで持っている洋服を ベースに、「不足しているアイテム」「新鮮なデザイン」を新たに買うのである。したがって、米国 人が「現在」着ている洋 服 の理解無しに新たな提案 をしても、それは消費者 =市場無 視の独り よがりの商品戦略でしかなく、バイヤー、消費者はピンと来ない。 ファッションの商 品 は、小 さい要 素 の積み重 ねの絶 妙 なバランスで成 り立 っている。洋 服の素 材の風合いと色、裏地、縫製、しん、ボタンやファスナーなどの付属品、刺繍などの 2 次加工、 仕 上 げのプレスなどである。それらのどれか一つでも手 を抜いてしまったら、製 品 全 体の価 値 が損なわれるという微妙で繊細な世界である。ここまでの製品は他のカテゴリーには無いかもし れない。日本製品は概して品質が高いのでどれ一つとっても米国製品の各要素で劣るとは思 えないが、「異質」であったとしたら、市場には受け入れられないのである。どんなに完璧なデザ

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イン、素材、サイズであったとしても、「色」がマーケットに合わなかったら誰も買うことは無いとい う「厳しい世 界」なのである。それがファッション・ビジネスの難 しいところである。したがって、マ ーケットに合わない「異 質 なもの」を提 案 してしまわないためにも、市 場 調 査 を充 分に行 って、 マーケットにすんなりと入っていく製品にすることが必要である。 ② 「米国」の理解 日本人の「米国の理解」は、一面的であることが多く、それがビジネスの方向を誤らせる原因に なっている。多くの日本人 は「米国」について、ニュース、インターネット、テレビ・映画、短期滞 在の中からを自分なりの「米国のイメージ」を作っている。しかし、そのイメージの多くはニューヨ ークやカリフォルニアであることが多く、それは一 面 的で正 確ではない。米 国 の実像をしっかり 把握しなくては、正確な市場の内容をつかむことはできない。 いかなるカテゴリーでも、「商 品」は「ライフスタイルを豊 か にするもの」である。米国のライフスタイルを豊かにするデ ザインやカラー、または便利な機能を持たなければ、その 商 品 は米 国の社 会で必 要とされない。ファッションは、ま さしくマーケットの流 れに合 っていなければ、取 り扱 う店 舗 はない。「米 国 市 場 へ販 売 する」という計 画を立 てて、 いきなり販 売 活 動 を開 始 するのではなく、「米 国 のライフ スタイル」と「米国のビジネス」そして「米国のファッション」 をしっかりと理解するところからスタートすべきである。 ③ ライフスタイルの実像 まず、米国のライフスタイルを理解することが「市場調査の第一歩」である。米国人が住んでい る住居、使っている家具、日用品がどのようなものであるか、ライフスタイルの内容を知らなくて は適したファッションを準備できない。ライフスタイルに合わないファッションはないのである。こ の「ライフスタイルの感覚」は想像で行うのではなく、根拠のあるものでなければならない。様々 な資料を集めて整理すると、米国人の「ライフスタイルの実像」は見えてくるはずである。

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④ 日本の商品 日本の商品は、日本の住居、ライフスタイルに合わせて、日本の消費者に向けて生産されてい る。ファッション・アイテムも同 様である。日 本の商 品 を米 国に輸 出 して、米 国のライフスタイル に溶け込 み、米 国 人 消 費 者 を満 足させるかどうか・・・市 場 調 査でこの点 をしっかり調 査しなく てはならない。それは単に商品そのものだけではなくて、ブランドのプレゼンテーションも含まれ る。米 国の消 費 者が、「米 国の商 品」のように、「日 本の商 品」を抵 抗なく買うことにより日 本 企 業は大きなビジネスに近づいていく。ただし、米国にある商品と同じだから「売れる」ということに はならない。それらはいくらでも米国にはあるのだから。むしろ、米 国には無 い「新鮮なもの」が 求められるのも事実である。「新鮮さ」と「マーケットに合う要素」とのバランスが必要ということに なる。そのあたりの解明も市場調査のテーマとなる。 ⑤ 米国のビジネス 日本企業は、日本市場においては、すでに得意先(店舗)がおり、その得意先を通して、商品 が消費者の手元にスムースに流れていく。流 通方 法も様々であるが通常納 期どおりに商品は 納品される。そして販売代金はその得意先から自社に入金される。 米国市場においても、これと同じような流れを作り上 げるために、米国のビジネスのシステムについて、は じめにしっかり把握しておく。それが中途半端なまま、 販 売 活 動 を行 うと、受 注 、流 通 、回 収 の過 程 でトラ ブルに見 舞 われる。これは避 けなければならない。 ビジネスの立ち上がり時の失敗は方向を誤らせ、自 信 を失 わせる。この最 初 の失 敗 で、挫 折 、撤 退 して しまう日本企業も少なくない。販売を開始する前に、 米国のビジネスに関する情報を蓄積して自社にあった受注体制、流通体制、回収体制を構築 しておく必要がある。市場調査の重要なテーマである。 ⑥ 業界の状況 日本でも米 国でも「ファッション業界」というものがある。日本においても、業界 の流れを知らず してビジネスはできないのと同じように、米国でも業界の状況を把握しておかなければならない。 特に、似たような商品 、同 じカテゴリーの商品 を販 売している米 国ファッション企業の存 在、商

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品、動向は重要である。全く同じ商品ではないとしても、同じカテゴリーの商品として市場価値 が必要である。 業界で一 般的な価格 帯 から大きく外れた商品は売れることはない。特に、価格に敏感な米国 市場ではそう言えよう。「これは、ユニークな商品だから普通の商品の 2 倍する」という商品はよ ほど特別なもの、世界的に有名なブランドでない限り、デザインが良い、品質が高いと言っても、 米国のバイヤー、消費者を納得させることは難しい。米国の業界の状況をできるだけ認 識して、 バランスの取れた価格を提案する必要がある。米国のファッション業界における現状を市場調 査によってできるだけ把握する必要がある。 ⑦ 競争相手の分析 自 社 とカテゴリー、デザイン、テイストが近 い企 業 =「競 争 相 手 」の分 析 は重 要 である。むしろ、 米国の同じカテゴリーの有力企業に対しては、 敬 意 をもって「お手 本にする」と良いのである。 彼らの商品、価格、販売方法、販売ツール、販 売 先 などを調 査 するのが市 場 に慣 れていく一 番の近道と言える。製品 の「ものまね」をする必 要 は全 くないが、少 なくとも、彼 らの商 品 的 営 業的な動向はこれから市場開拓する日本企業にとっては価値ある「ヒント」になるのは間違いな い。多くのアパレル企業は、取引先、一般顧客に向けたウェブサイトを持っているので、競争相 手の研究は比較的行いやすい。 ⑧ 米国市場形成の土台 市場調査は、米国市場形成の土台である。繰り返しになるが、この土台作りをやらなかったり、 中途半端に行ったりしたら、米国市場の形成はスタート時点から失敗してしまう。実際、市場調 査を行わないでいきなり展 示 会に出展 する日 本 企 業もかつては多く存 在 し失 敗したか、中 途 で撤退したのである。大手企業であっても、無駄な時間と経費を費やしてしまう。

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初回展示会出展を、「最初は何もわからないのだ から、注文が取れなくとも、マーケティングとして位 置づけよう」として出 展する日 本 企 業もいるかもし れない。この場合はどうなるだろうか。市場調査を していないので、価 格 は米 国 市 場 とつりあわなか ったり、FOB 価 格 を提 示 していたり、ブースには 日本 人がずらりと並び、受 注方 法も日 本的であり、 流通方法、回収方法も明確に決まっていない。こ のようなブースで商 品 を仕 入 れるバイヤーはまず いないのである。その結果、バイヤーは素通りしてしまい、商品の反応も小さく、マーケティング にもならずに終わってしまう。そして、「当 社の商 品 はマーケットには合わないのではないか」と いう結論になり、米国 戦略 は挫折してしまう。本当に「もったいない」ストーリーが多く見られる。 激しい競争の日本市 場の中で生き残ってきた商品 であれば、市場調 査を行 い展示会の準備 を緻密に行ってさえいれば、商品はある程度売れ、市場を形成できる見込みがある。 ⑨ バイヤーの不安 米国のバイヤーは、「確実な仕入れ」が仕事である。販売員が仕入れも担当しているというのは、 パパママ・ストア(小規 模 な専門 店)である。企業 的 な店舗は、規 模が小さくとも、バイヤーが存 在する。そのバイヤーが、「この会社は米国市場に慣れていないのでは?」「この商品はきちん と納品されるのだろうか?」などの不安を感じたら仕入れることはない。 極論かもしれないが、わかりやすく言えば、バイヤーは次の傾向がある。 ・ 海外から来ているアパレルからは商品流通の保証がないので仕入れたくない。 ・ 海外系のアパレルでも米国国内に定着している企業からは仕入れる。 仕入れることができる米国 のサプライヤー(セールスレップ、アパレル)はたくさんあるのだから、 何も、リスクが伴う企業から妥協して仕入れることはない。もしも、納期が遅い、商品が来ない、 品質が低い…などというトラブルになったら、それらはバイヤーの責任になる。そのため、彼らは、 非常に慎重に、安心して仕入れられる企業から商 品を仕入れる。たとえ、デザイン 、品質が少 し落 ちても、全 体的にバランスが取れて安 定している企業から商 品を仕 入れ たいと思うのであ る。

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2 市場調査の方法

本レポートは「ファッションの市場調査レポート」で ある。ファッション・アイテム(婦人洋服)を対象とし ている。つまり、あるカテゴリーをしっかり掘 り下 げ た調 査 ではなく、各 カテゴリー共 通の調 査 を行 っ ている。したがって、日 本 のファッション企 業 は本 レポートを「基 礎 的 な市 場 調 査 レポート」として活 用し、さらに「自社の商品」を軸としたより掘り下げ た市場調査を行うべきである。ヤングカジュアルの アパレルはそのカテゴリーを調査し、ボトムのアパレルはそのカテゴリーを調査するというように。 では、その市場調査をどのように行えばよいか、そのポイントを説明する。 市場調査自体は自社で行うこともできるし、調査会社に委託することも可能である。 ① 自社で市場調査を行う 自社で市場 調査 を行うことは可能である。その方が、より多くの勉 強になる。しかし、米 国に長 期的に滞在できないからと、中途半端では意味がない。日本でできることも少なくないので、ま ず日本でできることを徹底的に行い、その後に米国にある程度の期間滞在して市場調査をす れば良いだろう。 ⅰ 日本でできること ・ 自社商品に近い米国の競争相手(以降「競合企業」と呼ぶ)を 3 社程度探す。 ・ その競合企業のウェブサイトを研究する。商品の写真は全てプリントアウトする。 ・ その企業の得意先を探し、リストとしてまとめる。多くの米国企 業は、「当社の商品はここで 買えます」という情報を Store Locator(商品が買える小売店リスト)で消費者に公開してい る。 ・ 「小売店リスト」の店舗でウェブサイトを持っている店舗も少なくないので、店舗のウェブサイ トから、取扱商品を選び出し、プリントアウトする。できたら商品リストとしてまとめると、デザイ ン、色 、価 格 などを検 討 する時には大 変 役 に立つ。そして、米 国に流 通 している同じカテ ゴリーの商品群の全体像を把握できる。 ・ 米国の雑誌を購入して、米国のライフスタイル、文化、トレンド(流行)の流れをつかむ。

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・ ファッションカラー専門誌から米国のトレンド・カラーを把握する。 ・ 複数の会社の商品を扱う米国企業をウェブサイトで探す。これは、ディストリビューター、エ ージェントを見つけるためである。 ・ その他、ビジネスに関わるあらゆる情報をウェブサイトで探しだす。 ・ 特に米国のライフスタイルを知るためには、米国の人気小売チェーン店のウェブサイトを常 に見ておくことでライフスタイルの流れ、トレンドの動向がわかる。 ・ 業界紙の記事を翻訳し、米国ファッション業界のニュースを集める。 ⅱ 米国に出張して行うこと ・ 調査して得た店舗、販売先に行き、自社に近い商品を観察する。ブランド名、デザイン、カ ラー、サイズ、パッケージ、価格、売り場構成、什器など、きめ細かく観察しメモを取る。 ・ 米 国のライフスタイルを肌 で感じるために、スーパー・マーケット、デパート、人 気 小 売チェ ーン店を訪問し調査する。 ・ 必要な雑誌、業界紙などをできるだけ多く購入する。 ・ 競合企業のサンプルを購入するのもラベル方法、表示方法が良くわかり役に立つ。 ・ 関連展示会を視察する。 ・ 関係者に会う。小売店バイヤー、ディストリビューター、セールスレップ、ショールーム、ウェ アハウス(倉庫シッピング配送業者)、バイイングオフィス(仕入れ代行会社)など。 ・ ジェトロの現地オフィスで相談する。 ⅲ 小売店訪問のポイント 小売店に訪問 したら、漫 然と店内を見 てまわるの ではなく、次 のような細 かい調 査 を行 う。できたら カメラ、レコーダーを持っていくと調査内容を正確 に集約できる。 ・ 全体の商品構成を観察し、ファッション商品の売り場構成比率を見る。 ・ 主流のブランドを見出す。 ・ 競合メーカーの会社名をメモする。 ・ 価格をチェックする。 ・ パッケージを観察する。 ・ 店のディスプレイを見る(特に什器)。

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・ できたら写真を撮る。 ・ 参考サンプルを買うのも良い。 ・ 店舗の名刺をもらう。 ・ カタログをもらう。 ・ バイヤーの名前、連絡先、できたらEmailアドレスを聞く(これは可能)。 ⅳ 市場調査をまとめる 市場調査の内容をバラバラにファイルしてお いては、使 うべき時 に使 えない。厚 手 のファ イルにきちんと中表紙や目次をつけ、内容を 整 理 して保 管 する。自 社 で市 場 調 査 をして も、感覚だけで捉えて、これをきちんと整理し ておかないと何 もならない。このファイルが、 充分 な量になれば、次のステップが見えてく るはずである。おそらく、調査レポートは全部 で 100 ページ以上になるはずである。日本で の調査から米国での調査、そしてそのまとめまで、おそらく 2 カ月以上は要する。ここまで徹底 して行うと、米国市場がグッと身近になり、多くのことがクリアに見えてくる。そして、無駄な試行 錯誤は大幅に削減される。 ② 市場調査会社に依頼する 自社で市場調査を行う時間的な余裕がない場合は、米国の企業に依頼することも可能である。 米国の企業も、日系企業と米国系企業があるが、できるだけ日系企業にしたほうが良いだろう。 それは、言語の問題もあるが、米国系企業は日本 企業が欲している情報、日本 企業が知らな い情 報 をよく理 解 していない場 合が多く、必 要 な情 報がなかったり、不 必 要 な情 報があったり でうまく噛みあわないことが起こりやすいからである。また、日本のファッション製品の知識が希 薄だと、市場調査のポイントがぼやけてしまうという点もある。 いずれにしても、市場調査をアウトソーシングするのであれば、コミュニケーションをしっかり行い、 調査会社の過去の実績も確認して納得の行く市場調査を依頼すべきである。 「市 場 調 査が米 国 市 場 の第 一 歩 」であるから、これが中 途 半 端 な結 果 になってしまったら、そ の後がうまく行かないのは自明の理である。くれぐれも慎重に内容のある市場調査 が可能な調

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査会社を選択する。

3 米国市場戦略構築

市場調査をしっかり行えば、米国市場におけるビジネスの重要なポイントが浮かび上がってくる はずである。日本市場との違い、これから準備しなければならないことも明確になる。それらを、 「米国市場戦略」として文章化してまとめる。市場戦略の骨子は、どのような商品を米国に提案 するかという「商品戦 略」、販売方法を決定する「販売戦略」、そして商品を販 売する体制を形 成する「組織戦略」になるであろう。 ① 商品戦略 ⅰ 商品の違い 自 社 と同 じカテゴリーの「米 国 企 業 の商 品 」を分 析 してみると、サイズはもとより自 社 製 品 との違 い を発 見 する。むろん、違 いがないと、商 品 の魅 力 がないということになり市場性に問題があるのだが、 「差 別 化 」という商 品 の価 値 に属 する「違 い」はあ るべきである。しかし、あきらかに日 本 市 場向きの 要素や、米国の消費者へのインパクトが不足して いる場 合 には、米 国 市 場 にあわせて商 品 を改 良 する必要が生 じる。例えば、「和」の雰 囲気が強すぎる商品や日本のトレンドに偏りすぎている 商 品である。米 国 市 場にあったアイテム、サイズ、デザイン、色に調 整 するのが商 品 戦 略であ る。 ⅱ 価格の違い 自社と同じカテゴリーの米国企業の商品の価格と全く同じである必要はないものの、極端な差 になると問題である。デザイン、素材の違いなどでリーズナブルな価格差があるのはよいだろう。 しかしながら、ただ品 質の良さだけで、価 格に大きな違いがあるというのは、バイヤー、消 費 者 を納 得 させるのは難しい。まして、自 社 商 品 だけが、飛びぬけて高 いということでは、バイヤー は仕入れないだろうし、店頭に置かれたとしても、手を出す消費者は少ない。米国に商品を販

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売する一番の意義は、ある程度の「量の販売」である。少量の販売では米国 市場開 拓に費や す費 用 と時 間 とつりあわないので遅 かれ早 かれ挫 折 してしまう。米 国 商 品 の価 格 を入 念 に調 査して、「量のビジネス」につながる「市場にあった価格帯」を決めることは重要である。 本レポートには、多くの米国商 品の価格を紹 介しているが、自社 商品のカテゴリーにあった適 正な価格を調査して工夫すれば、グンと売りやすい商品になる。 価格調査をしていけば分かるだろうが、「米国の価格は低い!これでは勝てない」という厳しい 現実に直面するかもしれない。しかし、分析を進めていけば、必ず方向は見出せるはずである。 つまり、商品が違えば適正な価格差は当然であり、それがバイヤー、消費者の納得のできる内 容かどうかである。 このような違いを乗り越えて、商 品 、価 格 を工 夫し、米 国 市 場にあわせていく努 力が必 要であ る。この道のりは、大手 企 業を含め全ての日 本企業が通る道である。しかし、ここでは、単 に「安 くした方 が売 れる」「米 国 的 にしたほう が売 れる」ということを意 味 しているわけでは なく、競 合 会 社 との距 離も考えた上で「市 場 にあったバランスの良い商品 戦 略」が必要と いうことである。 ② 販売戦略 ⅰ 販売体制 市 場をきちんと調 査すると、どういう店 舗に販 売したらよいか、どのような販 売 方 法 が良いかが 見えてくる。販 売 対 象 をはっきりと見 極めて販 売 するのと、「とにかく買 ってもらえるならば誰で も」という方法は大きな差が出てくる。後者はまさしく試行錯誤の元である。販売戦略も、まずは 「3 年の販売計画」を作成すると良いだろう。市場調査を良く理解していないはじめの段階で固 定的な長期計画を作ると、実態に合わないということもありうるので、段階的な計画でかつ常時 改良を加え柔軟に対応するとよい。

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ⅱ 初年度の販売対象 市場に慣れていない初年度は、「一番販売したいタ ーゲット」には販 売 しない方 がよい。商 品 、パッケー ジの改良が完全に終わっていない時に売ってしまう と、相手にとってあまり良い結果がでないと、中途 で ビジネスが終わってしまう可能性がある。その結果 、 途 中 で切 られてしまい、その後 が大 変 難 しくなるの である。「本 当 はデパートを中 心 に市 場 開 拓 して行 きたい」という商品の場合、いきなりデパートのバイヤ ーに商品のプレゼンテーションを行った時、サイズの不十分さ、ブランディングの不十分さを指 摘されて断られてしまう。そうなると、次にアポを取るのは非常に難しくなる。ベンダーC クラスの 烙印を押されてしまう結果 になってしまっては次のアプローチができない。そのためにも、大手 ターゲットへのアプローチは、日本企業が市場に充分慣れて、かつ商品体制 、流通体制が完 成してから行動に移すべきである。初年度 は、まず販売 体 制の準 備を行い、専門 店 、小 規 模 小 売 店に力を入れて市 場 に慣れていき、かつ商 品 をマーケットの反応にあわせて調 整 してい く。 ③ 組織戦略 ⅰ 日常営業 日 本 から展 示 会 ごとに米 国に出 張 して年 間 売 上 げを作るというのでは無 理がある。商 品 を販 売するためには、「毎日誰が売るのか」が必要なことは言うまでもない。展示会ではすぐに注文 しない店 舗、少 量を発 注 し、後は少 しずつ追加 注 文をしていく店 舗、展 示 会に行 かない店 舗 など様々であるから、アパレル側の日常的な営業活 動が必要不可欠である。展示会だけで米 国のビジネスを大きくしていくということは不 可 能である。したがって、日 常 的 に営 業を行 う「販 売組織作り」が必要になる。

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ⅱ 流通 流通についても、日本から各得意先にバラバラに納品を 行うと、送料が高くなり採算が取れない。やはり、「米国の 拠 点」に一 度に全 発 注 量 の商 品を送 り、そこから全 米の 各店舗に納品するという「流通の拠点」が必要になる。 ⅲ 代金回収 代金の回収も、「商品を送る前に日本の当社に銀行振り込みしてほしい」というオファーに納得 する店 舗 は少 ない。米 国 では、代 金の支 払いを「銀 行 振 り込みする」という方 法 は行われず、 仕入先に「小切手を郵送する」という方法が一般的である。米国の拠点に小切手を送ってもら う。小切手を現金化するためには、米国国内に銀行口座を保有することが必要となる。代金の 回収、信用調査をスムースに行うために、米国にはファクタリング会社(後述)が存在するが、フ ァクタリング会社との提携も銀行口座を持つにも米国に登録された企業しかできないことから米 国法人である「拠点」=組織が必要である。そこで、ビジネスを開始するはじめの段階から拠点 作り=組織戦略が不可欠である。 上記に述べたように、米国市場戦略を構築するためには上記の 3 つの戦略(商品戦略、販売 戦略、組織戦略)が必要となる。これらの点をあいまいにして販売をスタートしてしまうと、すぐに 矛盾の壁にぶつかる。適切な米国市場戦略を構築するためには、商品の市場性だけではなく、 ビジネスの可能性、発展性に関するトータルな市場調査が鍵になる。

参照

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