第1章 長浜市のみどりの現況と課題
第1節 都市の現況
1.自然的状況 (1)位 置 長浜市は滋賀県の東北部に位置し、東に伊吹山系の山々、西に琵琶湖が広がる、面積 681.02㎞2(うち陸地539.63㎞2)のまちです。平成18年2月13日に旧長浜市、東浅井郡浅 井町、びわ町の1市2町が合併して誕生し、さらに、平成22年1月1日には東浅井郡虎姫 町、湖北町、伊香郡高月町、木之本町、余呉町、西浅井町の6町と合併し、県内で最大の 面積となっています。 この地域は、京阪神や中京、北陸の経済圏の結節点としての位置にあり ます。また、京 都市や名古屋市からは約60km圏域、大阪市からは約100km圏域にあり、JR北陸本線やJ R湖西線、北陸自動車道、国道8号、国道365号、国道303号を主な広域交通軸として、こ れらの経済圏と利便性高く結びついています。 (2)地形・地質 地形は、北部から東部にかけて は伊吹山系の山々が広がっていま す。また、中南部では、伊吹山系 を源とする草野川や高時川、姉川 等により形成された平野部が、山 地から琵琶湖までゆるやかに標高 を下げながら広がっています。 地質は、山地が古生代の砂岩・ 粘板岩・チャート及びそれらの互 層、丘陵地が丹波層群から構成さ れ、低地部には沖積層が分布して います。また、湖岸沿いの地域は 砂礫の混じった砂質地盤となって(3)動植物の生息状況 1000m級の山岳域から琵琶湖まで、多様な自然環境に恵まれており、気候区分が太 平洋型と日本海型の境にあるため、多くの生物の生息が確認されています。 植生は、市域の外縁を針広混交林が取り囲むように広がり、そこから琵琶湖沿岸部まで 水田地帯が広がっています。特に北部山岳域に見られる広大なブナ林帯、湖岸に見られる ヨシ・ヤナギ林が特徴的です。また、竹生島や北部の湖岸には暖地性の照葉樹林が残って おり、特筆すべき植生となっています。 魚類では、琵琶湖や姉川・高時川などの多様な水域があることから種類も豊富です。ア ユやビワマスの他、カネヒラ、アブラボテなどのタナゴ類、オイカワ、カワムツなどたく さんの種が生息しています。湧水のある水域では、ハリヨやホトケドジョウなど希少種も 見られます。 両生類では、希少種の生息も確認されており、豊かな自然環境が残っている北部で県指 定の絶滅危惧種になっている特別天然記念物のオオサンショウウオが確認されています。 また、南部でも県指定の希少種であるカスミサンショウウオが生息しています。 鳥類では、山岳域のクマタカ・イヌワシ、湖岸域のコハクチョウ・オオヒシクイなどた くさんの種が生息しています。特に湖北水鳥公園周辺は県内随一の野鳥の飛来地となって います。 昆虫類では、市内各所の水路でゲンジボタルやヘイケボタルが見られるなど、水生昆虫 の豊富さが特徴です。特にゲンジボタルは、市街地内の河川にも多数生息しており、水環 境のよさがうかがえます。 哺乳類も多く、特に豊かな自然環境が残っている北部山岳域の森を中心に、ツキノワグ マ、ニホンカモシカなどが多数生息しています。 (4)水系 主要河川として、姉川・草野川・高時川・余呉川 など93本の一級河川があり、いずれも淀川水系に属 し、流末はすべて、琵琶湖に注いでいます。 これらの河川が市域の大部分を縫うように流れ、
(5)土地・自然特性 自然特性としては、琵琶湖・余呉湖や姉川等の河川に代表される水辺など野生動物の生 息地が数多くあることがあげられます。琵琶湖では、1,000種類を超える動植物が生息す るとともに、湖岸にはヨシやヤナギの群落が見られる豊かな生物相となっています。また、 琵琶湖八景の一つに謳われている竹生島は良好な植物群落となっていますが、近年はカワ ウによるタブ林の植生被害が深刻となっています。 また、伝統的・歴史的風土を代表するみどりとしては、国指定の史跡である小谷城跡や 古保利古墳群などがあります。 2.社会的状況 (1)人口・世帯数 平成27年国勢調査によると、本市の人口は118,193人 、世帯数は41,788世帯で、世帯当 たり人員は2.8人です。年々、核家族化が進行しています。 65歳以上の老年人口割合は平成27年で26.4%であり、昭和55年以降大きく増加し、高齢 化が進行しています。 この傾向は今後も続くと予想され、高齢者にやさしい公園・緑地の整備が求められます。 ■人口・世帯数の推移ならびに年齢3区分別人口割合の推移
(2)土地利用 市域の陸地面積53,963haのうち、36.8%の19,854.6haが都市計画区域に指定されており、 そのうち1,317.9haが市街化区域(市域の陸地面積の2.4%)、非線引き都市計画区域も含 め1,679.2ha(同3.1%)が用途地域に指定されています。 市街化調整区域および用途地域外は18,175.4ha(同33.7%)で、農地や丘陵地・山地 などの自然的土地利用が中心となっています。 また、本市の都市計画区域は市域の南側から順に「彦根長浜都市計画区域」、「 長浜北 部都市計画区域」があり ます。
(3)交通体系 近畿、東海、北陸圏の広域的な幹線道路や鉄道などが通っており、交通の要衝となって います。 道路は、高速自動車道として北陸自動車道が、広域幹線道路として国道8号が市域の中 央部を南北に、国道365号が市域の南東部から北西部に、国道303号が市域の北部を東西に かけて通過しています。これらをつなぐ主要地方道、一般県道、主要市道による道路網が 形成されています。 また、鉄道はJR北陸本線が市の中心部を南北に結び、長浜駅・田村駅・虎姫駅・河毛 駅・高月駅・木ノ本駅・余呉駅・近江塩津駅の8駅が設置されています。またJR湖西線 が市の西部を走っており、永原駅が設置されています。
(4)土地区画整理事業 土地区画整理事業は、市施行の1地区を含む11地区122.0haで行われ、すべて完了して います。そのうち市街化区域内が10地区を占め、区域面積は市街化区域面積の8.3%にあ たる109.7haとなっています。 これらのほとんどの地区で、区画整理事業にともない都市公園が整備されています。 主な市街地開発事業 土地区画整理事業 凡 例 ■長浜駅 ◎ 長浜市役所
第2節 みどりの現況
1.みどりの分布 (1)樹林地 東部から北部、西部の外縁を取り囲むように森林が分布し、保安林を含め市域の約63% が地域森林計画対象民有林に指定されており、伊吹山系をはじめとする山々が広がってい ます。また、南東部に広がる横山丘陵の一部などでは、風致地区に指定され、八条山公園 などが整備されています。横山丘陵に多く位置している風致地区は、市域の約2%を占め ています。 姉川や高時川などの河川堤防にも樹林がみられ、琵琶湖に浮かぶ竹生島は、主に針葉 樹・広葉樹が混在しています。 (2)農 地 農 地 は 、 市 街 地 を 包 む よ う に 広 が り 、 農 業 振 興 地 域 の う ち 市 域 の 約 15 % を 占 め る 7,860.7haが農用地区域に指定されています。 また、市域全域の耕地面積は、平成15年には8,356haありましたが、平成26年には8,100ha になり、農のみどりが減少しつつあります。 (3)水辺環境 市域の南西には琵琶湖の広大な水面が広がるとともに、湖岸では約48haが緑地に指定さ れ、ヨシやヤナギの群落が見られます。姉川や高時川をはじめ、93本の一級河川により良 好なみどりと水辺の空間が形成されています。 姉川や高時川の伏流水が農業用水の水源として活用されるなど水環境に恵まれており、 また、姉川では約258haが緑地に指定されるなど、河川敷は緑地が多く、みどりの帯を形 成しており、親水空間になっています。 山あいを流れる草野川や杉野川沿いの集落空間は、生活感あふれるなかに奥行きがあり、 川沿いにはみどりが繁茂しています。 市街地を流れる米川や十一川沿いにはみどりが点在し、また、市街地周辺を流れる長浜 新川の河川敷などはみどりの帯として、市街地のなかでは貴重なみどりと水辺の空間を形 成しています。(4)市街地 市街地内には、農地の減少もあってみどりが減少しつつありますが、都市公園や児童遊 園などが整備されており、市民に身近なみどりの拠点となっています。また、市街地の一 部にはポケットパークなどが整備されており、花きが市民や来街者の目を楽しませていま す。こうしたみどりとともに市街地の貴重なみどりとして、大通寺や長浜八幡宮をはじめ とする社寺のみどりが市街地内に点在し、地域のランドマークとなっています。 (5)みどりの推移 本市の土地利用の推移を評価総地積※から見ると、田や畑・山林などのみどりの面積は 年々減少しており、平成10年と平成25年とで比較すると、田が約4%、畑が約6%、山林 が約2%減少しています。一方、宅地の面積は年々増加しています。 ■土地利用の推移(評価総地積)
面積(ha) 構成比(%) 面積(ha) 構成比(%) 面積(ha) 構成比(%) 面積(ha) 構成比(%) 田 7,883 33.5 7,740 33.6 7,655 33.3 7,585 32.7 畑 966 4.1 930 4.0 922 4.0 911 3.9 宅地 2,302 9.8 2,376 10.3 2,450 10.7 2,558 11.0 池 1 0.0 1 0.0 1 0.0 1 0.0 山林 11,555 49.1 11,123 48.3 11,097 48.3 11,360 48.9 牧場 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 原野 418 1.8 407 1.8 406 1.8 397 1.7 雑種地 430 1.8 445 1.9 445 1.9 397 1.7 合計 23,555 100 23,022 100 22,970 100 22,970 100 平成10年 平成15年 平成20年 平成25年 資料:滋賀県統計書 ※評価総地積とは、地方税法で固定資産税の課税対象とされる土地の面積の合計値を指し ます。なお、同法で非課税とされる土地(国・公有地、公用地、公共用地、保安林、墓 地、境内地、学校用地など)の面積は含みません。 ※面積及び構成比は、四捨五入しているため、合計が一致しない場合があります。
2.緑地の総量 (1)緑地の現況 緑地の総面積のうち、天然林の面積が約20,000haを占め、最も多くなっています。次い で、スギ・ヒノキなどの人工林が約12,500ha、水田の面積が約8,000ha以上あり、これら が緑地の総量の大半を占めており、市域における緑地の量は大変多い状況にあります。し かしながら、都市公園の緑地面積は約165ha、公共公益施設の緑地面積は約93haとわずか です。 地域区分からみたみどりの現況面積は、本市の東部から北部、西部の外縁にかけて樹林 地が多いことから、都市計画区域の約74%がみどりとなっており、市域全体で高い割合を 占めています。
(2)みどりの総量 ■みどりの総量 区 分 市街化区域 +用途地域 (1) 市街化調整区域 +用途地域外 (2) 都市計画区域 (1)+(2) 施 設 緑 地
都市公園 29.33ha 135.26ha 164.59ha 公共施設緑地 29.55ha 63.83ha 93.38ha 民間施設緑地 47.52ha 44.92ha 92.44ha 施設緑地合計 106.40ha 244.01ha 350.41ha
地 域 制 緑 地 法 に よ る も の 特別緑地保全地区 - - - 風致地区 - 936.50ha 936.50ha 保安林 - 2,534.02ha 2,534.02ha 地域森林計画対象民有林 - 6,791.48ha 6,791.48ha 農業振興地域農用地区域 - 6,848.45ha 6,848.45ha 河川区域 26.88ha 225.23ha 252.11ha 自然公園 - 690.08ha 690.08ha
条例等によるもの - - -
地域制緑地小計 26.88ha 18,025.76ha 18,052.64ha 地域制緑地間の重複 - 3,686.70ha 3,686.70ha 地域制緑地合計 26.88ha 14,339.06ha 14,365.94ha 緑地現況量総計 133.28ha 14,583.07ha 14,716.35ha
3.施設緑地の現況 都市公園、公共施設、民間施設を含めた施設緑地の総面積は350.41haです。地域の特性を 活かした公園や緑地としては、総合公園として琵琶湖畔の長浜城跡に整備されている豊公園、 緑地として姉川の河川敷を活かした姉川緑地などがあります。 現在、供用されている都市公園は40箇所、164.59ha あり、市民一人あたりの都市公園面積 は、約13.9㎡となっています。都市公園法施行令に定められた都市公園の敷地面積の標準は、 市民一人あたり10㎡以上となっており、これを上回っています。全国、滋賀県、周辺市の都 市公園の整備状況を平成27年現在で比較してみても、本市は県内で高い水準にあります。 しかしながら、市街化区域内の緑地率は、開発が進むなど決して高いとは言えない状況で す。 (1)都市公園 地域の特徴を活かした大規模公園として、豊公園、神照運動公園、奥びわスポーツの森、 姉川東緑地、姉川西緑地などがあります。また、豊公園、神照運動公園、奥びわスポーツ の森は広域避難場所として指定されています。 本市の都市公園は都市計画区域内に設置されており、住区基幹公園27箇所(街区公園22 箇所、近隣公園4箇所、地区公園1箇所)、総合公園2箇所、風致公園4箇所、都市緑地 6箇所、墓園1箇所の合計40箇所となっています。 ■都市公園 種別 箇所数 計画面積(ha) 供用開始(現況) 面積(ha) 街区公園 22 3.92 3.92 近隣公園 4 5.40 1.51 地区公園 1 8.80 8.20 総合公園 2 36.90 36.90
(2)公共施設緑地 ① 児童遊園・農村公園 児童福祉法に基づく4箇所の児童遊園や、農村公園など、都市公園以外にも地域の公園と してあわせて約43.7haの公園が設置され、地元自治会などにより管理されています。 ② 街路樹 国道8号や湖岸道路(さざなみ街道)などの59路線は、街路樹により緑化され、避難路 としての機能も確保されています。しかし、長浜駅周辺などの市街地では道路幅員を確保 できないため街路樹が植栽できない状況です。街路樹の樹種は、クスノキが多く、トウカ エデやサクラ、サルスベリ、ケヤキ、イブキなどもみられます。 ③ 教育施設 幼稚園9園、小学校27校、中学校13校、高等学校5校のほか、長浜バイオ大学と滋賀文 教短期大学、県立長浜養護学校が設置されています。教育施設の緑被率は、おおむね20% となっています。 ④ スポーツ・レクリエーション施設 都市公園以外に、浅井文化スポーツ公園や長浜ドーム、長浜球場などはみどりが多く、 地域にある草の根広場などは、健康的に活動できる憩いの場として地域住民に利用されて います。また、高山キャンプ場・大見いこいの広場・ウッディパル余呉などは、自然のみ どりとふれあえる施設となっています。 ⑤ 公共公益施設 公共公益施設を見ると、市立病院2箇所、診療所6箇所、健康・保健センターや福祉ス テーション16箇所、勤労者施設6箇所、社会福祉施設3箇所、児童福祉施設3箇所、保育 園14箇所、認定子ども園8箇所、市役所・支所8箇所などが設置され、これらの施設の緑 被率は、おおむね20%となっています。
(3)民間施設緑地 民間施設緑地は、社寺境内地が大半を占めており、身近に歴史・伝統的な文化に触れら れる地域住民の憩いの場として利用されています。 社寺林のなかでも、長浜八幡宮や大通寺は、市街地におけるまとまったみどりとなって おり、歴史的なまちのイメージを構成するうえでも重要な役割を果たしています。また、 市街地以外の地域では、社寺の敷地内に巨木や保存樹に指定されている樹木があり、地域 の資源となっています。 住宅地における緑化状況をみると、市街地の周辺部や新しい住宅地では、所々に生垣や 花きにより緑化された戸建住宅が見られますが、住宅が密集した中心市街地では、玄関先 にフラワーポットや植木鉢のみどりが見られる程度になっています。また、町家の中庭な どは、みどりがくらしのなかで大切にされていますが、見通すことのできない場所である ため、不特定多数の人がみどりを感じられない状況です。 幹線道路沿道の商業・業務地における緑化状況は、大型商業施設の一部で積極的な緑化 が見られますが、全体としては、みどりの平面的な広がりが十分でない状況です。 工業地における緑化状況は、工場立地法や長浜市開発事業に関する指導要綱などにより 緑化が進められており、一部の工業団地では緑地協定を締結しています。 4.地域制緑地の現況 (1)風致地区 都市計画法第8条の規定に基づき、都市計画に定める地域地区として、良好な都市の風 致を維持するために6箇所の風致地区が指定されています。 ■風致地区 地区名称 現況面積(ha)
(2)保安林 森林法第25条または第25条の2の規定に基づき、農林水産大臣または滋賀県知事が水源 の涵養、土砂の流出防備などの目的を達成するため、必要に応じて保安林が指定されます。 主 な 指 定 箇 所 は 横 山 丘 陵 の 一 部 、 伊 吹 山 系 の 山 間 地 の 一 部 、 竹 生 島 全 域 な ど で 約 13,122haが指定されています。 (3)地域森林計画対象民有林 森林法第5条の規定に基づき、知事により森林の経済的機能と公益的機能を総合的かつ 高度に発揮させるために民有林を対象に地域森林計画が定められています。計画の対象と なる森林は、市域の東部から北部を経て西部の外縁を取り囲むように約34,000haが指定さ れています。 (4)農業振興地域 本市の農業振興地域は、市街地を取り巻くよう広範囲に指定されています。都市計画区 域内で見ると、区域の約35%を占める約6,850haが農業振興地域に指定されています。そ のうちの過半を占める農用地区域では、ほ場整備がほぼ完了しています。 (5)河川区域 河川区域では、姉川、高時川、余呉川などが一級河川として指定されています。その多 くは、市域の東部から北部に広がる伊吹山系などの山々が水源となって、南や西へと流下 しながら、琵琶湖へと流れています。 都市計画区域内の河川区域の面積は、水面・水辺を合わせると約252haあります。 (6)自然公園 自然公園法第2条に規定される自然公園として、琵琶湖が「琵琶湖国定公園」に指定さ れていることから、本市域では、琵琶湖湖岸、余呉湖周辺及び竹生島の3,295haが該当し ます。また、竹生島の一部は、自然公園特別保護地区としても指定されています。 (7)保存樹 長浜市住みよい緑のまちづくりの会が、「世の中の移り変わりをじっと見つめ、豊かな みどりで私たちに潤いと安らぎを与えてくれる、樹齢を重ねているなど由緒ある樹木」を
(8)史跡・名勝 「文化財保護法」第69条の規定に基づく国指定の史跡としては、竹生島、小谷城跡、北 近江城館跡群 下坂氏館跡・三田村氏館跡、玄蕃尾城(内中尾山城)跡、古保利古墳群の 5件が、名勝としては、竹生島、大通寺含山軒及び蘭亭庭園、慶雲館庭園、浄信寺庭園の 4箇所が指定されており、歴史文化遺産の貴重な緑地となっています。 ■史跡・名勝 名 称 区 分 現 況 面 積(ha) 竹生島 史跡名勝 18.9 小谷城跡 史跡 - 北近江城館跡群 下坂氏館跡・三田村氏館跡 史跡 2.4 玄蕃尾城(内中尾山城)跡 史跡 - 古保利古墳群 史跡 - 大通寺含山軒及び蘭亭庭園 名勝 0.6 慶雲館庭園 名勝 0.5 浄信寺庭園 名勝 - 合 計 22.4 (9)緑地協定 都市緑地法第45条に基づき、地域の良好な環境を確保するため、工業団地で2箇所、約 52haの区域で、住宅団地で1箇所、約2haの区域で緑地協定が締結され、緑化が進められ ています。 5.機能別緑地の現況 (1)みどりの環境保全機能 環境保全機能を有する主要なみどりは、次のようなものが分布しています。
動植物の生態系保全機能を有するみどりとしては、伊吹山系、横山丘陵、琵琶湖、余呉 湖、姉川、草野川、野田沼緑地、高時川、余呉川、西池・神田溜・常喜溜等のため池のほ か早崎内湖ビオトープなどがあります。 ■湖岸のヨシ群 ■姉川の緑地 (2)みどりのレクリエーション機能 レクリエーション機能を有する主要なみどりは、次のようなものが分布しています。 自然とのふれあいの場として、琵琶湖岸、姉川・草野川・高時川・余呉川などの水辺空 間や、横山丘陵の都市公園、山本山から賤ヶ岳へと続く近江湖の辺のみちのハイキングコ ース、水辺と山をつなぐ中部北陸自然歩道、高山キャンプ場、大見いこいの広場、ウッデ ィパル余呉などの森林空間があります。 くらしに身近な場として、街区公園、近隣公園や児童遊園などとともに、手軽なスポー ツができるまとまった規模の広場として、草の根広場が整備されています。 また、広域的なレクリエーションの場として、豊公園、長浜ドーム、神照運動公園、奥 びわスポーツの森や浅井文化スポーツ公園などとともに、サイクリングロードなどがあり、 これらは、みどりのネットワーク化に資する資源となっています。 ■湖岸緑地 ■都市公園(近隣公園)
年、国産木材の需要低迷・森林資源利用の減少などによる森林の手入れ不足に加えて、松・ ナラ枯れなどの森林被害も進み、森林の機能が低下しています。 また、市街化区域内の主要なみどりとなっている学校・公共公益施設のグラウンドや広 場、総合公園、地区公園は避難地に位置づけられています。 緊急輸送や消防活動の優先道路として位置づけられる 北陸自動車道や主要な幹線道路 は、街路樹が植栽されるなどみどりの軸が形成され、災害時には延焼などを防ぐ役割を果 たしています。 ■福良の森 ■避難所に指定されている小学校 (4)みどりの景観形成機能 景観形成機能を有する主要なみどりは、次のようなものが分布しています。 ◇琵琶湖と湖岸の景観 ◇里山の山なみと田園のみどり ◇北近江の山なみのみどりとその眺望 ◇余呉湖、姉川などの水とみどりの帯 田村山や神田山・虎御前山・山本山などの暮らしに身近な里山、福良の森、ため池など は、地域の良好な自然景観として特徴的なものと言えます。 市域の大部分を占める自然環境の多くが眺望景観の対象であり、その主要な視点場とし ては、琵琶湖岸、奥びわスポーツの森、長浜城歴史博物館の望楼、小谷城跡や横山丘陵の 山頂、奥琵琶湖パークウェイなどのほか、山本山から賤ヶ岳へと縦走するハイキングコー スなど、市域の東部から北部を経て西部に広がる山々などがあります。 また、景観の重要な構成要素として、ランドマークとなるみどりとしては、総合公園、 地区公園や社寺のみどりなどがあげられます。 都市景観の創出が必要な地区である、中心市街地など人々の集中する場、駅前通りや国
■田村山 ■国道8号 6.みどりづくりの現況 (1)緑のトポスと緑化推進 公園整備や地域制緑地の指定などとともに、緑化を推進するため、昭和60年より緑のト ポス事業を展開し、植樹などを進めるとともに、市民や自治会が行う緑化活動に対し支援 を行ってきました。個人や自治会等の各種団体に対する支援制度は、平成11年度から、長 浜市緑化推進事業補助金として再構築し、プランターや花壇づくりなど植栽事業への支援 を行っています。 (2)長浜市住みよい緑のまちづくりの会 緑化推進団体として、市と連合自治会や関係団体、企業で組織する「長浜市住みよい緑 のまちづくりの会」が、「みどりを守り、育て、活かす活動を通じて環境美化に努め、潤 いと安らぎのあるまちづくりを推進する」ことを目的に緑化活動を進めています。街頭募 金や自治会などの協力による「緑の募金活動」を展開し、この募金を活用した公共施設の 植樹や苗木の配布事業などを実施するとともに、保存樹の指定や保存樹見学会を継続して 開催し、緑化の啓発にも取り組んでいます。また、財団法人滋賀県緑化推進会の支援を受 け、「森林・みどりに親しみ、愛し、育てることを通じて健全な心身を養う」ことを目的 とした「緑の少年団」の育成にも取り組んでいます。「緑の少年団」は、各小学校の高学 年の児童を中心に市内では15団体が結成されており、樹木の植栽などを通してみどりの学 習を進めています。 (3)地域における保全活動団体
会、河毛竹炭焼遊倶楽部、ほっこりおせんどさん山里の会、ふるさとのせせらぎを守る会、 木之本町サンデー林業グループ、特用林産物研究会などがあげられます。 (4)林業研究グループ 林業研究グループは、地域の森林や山の整備など森林・林業にかかわる活動のほか、森 林所有者への森林づくりの技術や経営改善のアドバイス・働きかけなど、地域の森林づく りに取り組まれています。市内には滋賀県林業研究グループ連絡協議会登録団体として、 北近江林友会・長浜市伊香林業研究グループがあります。
第3節 みどりに関する市民の意識
1.みどりに関するアンケート調査結果から (1)自治会長対象アンケート(平成 20 年6月実施) 市民の意識を把握し、計画に反映させるため、市内の自治会長を対象にアンケート調査を 実施しました。調査結果では、6割の人が長浜市は「みどりが豊かなまちだと思う」と答え ており、「豊かなまちとは思わない」と答えた人の約2倍となっています。 みどりの保全と開発との調和に関しては、「必要な開発はやむを得ないが、できるだけみど りを残す」との回答が多く、市の発展と自然環境の保全との調和が求められています。 個人所有の土地の保全方法に関しては、「市民・企業・行政が一体となって保全するための 基金などをつくり、募金を募る」と「個人の土地であっても法律などで土地利用を規制し、 開発行為を制限する」が最も多くなっており、市民共有の資産である自然のみどりについて も法的な規制だけではなく、市民共有の財産として保全していくことが望まれています。 自治会(住まい周辺)の公園・緑地の整備状況に関しては、「数・質とも不十分である」と いう意見が最も多く45%、逆に「数・質とも十分である」と考えている人は20%となってい ます。 現在、自治会で実践している「みどり」を守り、増やすための活動は、「身近な公園等の除 草清掃活動」が最も多く、今後も継続して実践していきたいと思う活動でも最も多くなって います。 (2)公民館利用者対象アンケート(平成 20 年6月実施) 公民館に設置したアンケート調査結果では、まわりに欲しい「みどり」の空間に関しては、 「子どもや高齢者が利用できる身近な公園」や「みどり豊かで芝生が広がる広場や森林公園」、 「花やみどりであふれた散歩道がある水辺」などの回答が多く、全体として気軽に利用でき る公園が望まれています。 市として重点を置くべき取り組みについては、「公園・緑地の整備・充実」が最も多く、次 いで「山や農地、河川などを保全・管理する」といった回答が多く、全体として自然のみど りの保全を求める傾向にあります。 「みどり」を守り増やしていくために取り組まれていることとしては、「自宅や周辺道路、 地域の公園などの緑化推進」や「自宅に花や庭木を植えたり、生け垣などを施す」といった樹を守るためには「保存樹の手入れを行うボランティア活動に参加する」ことと「保存樹に ついて広く知ってもらうためのPR活動を行う」ことが重要であるという意見が多くなって います。 また、身近な「みどり」の空間への要望としては、「花や緑であふれた散歩道がある水辺」 や「生物の観察ができるような水辺や森」、「みどり豊かで芝生が広がる広場や森林公園」が 多くなっています。 「みどり」を守りふやしていくための取り組みでは「自宅に花や庭木を植えたり、生け垣 などを施す」ことが最も多くなっています。 市としての重点的に取り組むこととしては、「山や農地、河川などを保全・管理する」こと が最も多くなっています。 (4)事業所アンケート(平成 20 年7月実施) 市内の事業所を対象に行ったアンケート調査結果では、現在、取り組んでいる緑化活動と 今後取り組みたい活動は、「敷地内に樹木を植える」ことや「花壇を設ける」ことが多くなっ ています。 みどりを守り増やしていく取り組みの実践にあたっては、「緑化や維持管理に対して費用 や労力がかかること」が問題・課題として考えられています。 今後の開発行為に対してみどりを保全するためには、「市と開発の事業主が協定を結ぶこ とにより、緑地の確保・保全を行う」ことや「条例などにより土地の利用を規制し、緑地の 確保・保全を行うこと」が多くなっています。 2.まちづくりに関するアンケート調査結果から(平成18年10月~11月実施) 「長浜市基本構想」の策定にあたり、市民の考え方や意見等を踏まえて、計画づくりを進 めていくための基礎資料を得ることを目的に平成18年10月20日~11月2日にかけて実施され た「長浜市のまちづくりに関するアンケート調査」の結果によると、長浜市のイメージは、 「歴史・伝統のあるまち」「観光・レクリエーションの盛んなまち」「山、川など自然が残
3.景観づくり市民アンケート調査結果から(平成19年9月実施) 景観計画の策定にあたり、市民の景観に対する意識やニーズを調査し、計画策定の基礎資 料を得ることを目的に平成19年9月3日~25日にかけて実施された「長浜市景観づくりアン ケート調査」の結果によると、80%以上の人が今の長浜市の景観や風景・まちなみなどに対 して「誇りや愛着を感じている」「誇りや愛着を少し感じている/時々感じる」と答えており、 多くの市民が本市の景観や風景・まちなみへ愛着が持たれていることが分かります。また、 長浜らしさを感じる場所や本市にとって重要であると感じる場所としては、「北国街道や大 通寺の門前などのまちなみ」「長浜城や豊公園の風景」といった歴史性のある景観や、「伊吹 山が見える風景」「琵琶湖の湖岸風景」といった自然の景観が多くなっています。 美しいまちづくりのためには、「街路樹・花などによる道路等の緑化を進める」や「市と市 民が協働して風景づくりをおこなえるような体制、仕組みづくり」が多くなっており、美し いまちづくりのために「自宅の生垣、庭先、ベランダの緑や花を増やす」を実行したいとい う意見が多くなっています。 4.中学生ワークショップの結果から(平成20年8月実施) 緑化について重点的に取り組むべき地区の中学生(長浜駅周辺:長浜西中学校、田村駅周 辺:長浜南中学校、福良の森周辺:浅井中学校)を対象にワークショップを開催しました。 各地区におけるみどりの現況、課題を踏まえた後に対策を検討したところ、地元の地区を身 近に見てきた中学生の視点で以下のような提案がされました。 長浜駅周辺では、「地域の小中学生と行政が協力して植樹活動を行い、みどりを増やすとと もに、住民のみどりに対する意識を高める」、「川について、芝生や草花を植えたり、元の状 態に戻す」などの意見が出されました。 田村駅周辺では、「長浜ドームをつたで覆う」、「田村山周辺では、山の手入れや登山道の整 備、間伐を行って明るくし、ごみを捨てないようにする」などの意見が出されました。 福良の森周辺では、「福良の森を環境学習の場とする」ことや、「ボランティア活動を積極 的に行うこと」、「草野川を川遊びができるように整備する」などの意見が出されました。 全体として環境美化や緑地の保全、みどりに対する意識を高める必要性などについて多く の意見が出されました。
5.虎姫・湖北・高月・木之本・余呉・西浅井地区自治会長対象アンケート調査結果から (平成22年8月実施) 計画の改定にあたり、新しく市域に加わった地域の市民意識を把握し、計画の改定に反映 させるため、虎姫・湖北・高月・木之本・余呉・西浅井地区の自治会長を対象にアンケート 調査を実施しました。 なお、アンケート調査の内容は、合併前の市域の市民意識と比較が行えるよう、計画策定 時に実施した自治会長対象アンケートとほぼ同じ調査項目としています。 調査結果では、約85%の人が長浜市は「みどりが豊かなまちだと思う」と答えており、「豊 かなまちとは思わない」と答えた人の約7倍となっています。 個人所有の土地の保全方法に関しては、「個人の土地であっても法律などで土地利用を規 制し、開発行為を制限する」と「市民・企業・行政が一体となって保全するための募金など をつのり、土地を買い取って保全する」が多くなっており、市民共有の資産である自然のみ どりについても法的な規制だけではなく、市民共有の財産として保全していくことが望まれ ています。 自治会(住まい周辺)のみどりの量に関しては、「多い」という意見が最も多く約56%、「や や多い」と合わせると7割近くになります。逆に「少ない・やや少ない」と考えている人は 約6%とわずかです。 自治会(住まい周辺)のみどりの満足度に関しては、「大変満足・どちらかといえば満足」 と答えた方が50%、逆に「大変不満・どちらかといえば不満」と考えている人は約16%とな っています。 現在、自治会で実践している「みどり」を守り、増やすための活動は、「身近な公園・道路・ 河川などの除草や清掃活動」が最も多く、今後も継続して実践していきたいと思う活動でも 最も多くなっています。 調査結果を合併前の市域の市民意識と比較すると、長浜市を「みどりが豊かなまちだと思 う」人の割合が大きいものの、全体的に同様の傾向を示しています。
第4節 みどりの課題
本市のみどりの現況を踏まえ、みどりづくりを進めるうえでの課題を整理すると以下のよ うにまとめることができます。 1.まちを包むみどりの保全 ・大きな割合を占める山のみどりは、一部で松くい虫などの病害虫による立ち枯れなどみど りが損なわれている状態がみられ、地権者の高齢化や産業構造の変化にともなう林業の低 迷、従事者の減少などによる山林の荒廃や水源かん養などの様々な機能の低下が懸念され ます。良好な自然環境として次代へ継承するためには、人が山に近づく環境づくりなど、 山林の積極的な保全や活用を進める必要があります。 ・中山間地域においては、耕作放棄地や遊休農地が見受けられることから、これらを解消す るための地域活動を高めていく仕組みづくりや、市民との連携による保全・活用が求めら れています。 ・琵琶湖岸、余呉湖や姉川、草野川、高時川、余呉川などの河川、西池などのため池、野田 沼緑地、早崎内湖ビオトープなどの水辺のみどりは、多様な生物の生息・生育場所となっ ており、生命の源となるものであるため、生態系に配慮した保全が求められます。 ・琵琶湖岸の松林の立ち枯れや余呉湖周辺、姉川・高時川などにおける草木の繁茂などは、 環境美化や治水への影響が見られるため、市民と連携した保全活動も必要です。 ・市街地周辺の水辺空間では、都市と自然が共生する水辺の環境として、くらしの営みのな かで大切に守られるよう、適切に保全することが必要です。 ・竹生島や葛籠尾崎では、カワウの営巣により、多くの樹木が枯れかかり、被害が深刻化し ていることから、抜本的な保全対策が求められています。 ・市街地を包むように広がる農のみどりは、山のみどりとともに市内のみどりの大きな割合 を占め、身近なみどりの空間となっていますが、農業従事者の高齢化、小規模農地の耕作 放棄など、農地の維持が困難になりつつあることから、くらしの営みと結びついた農のみ どりを守り、育てる必要があります。市街化区域内では宅地化により農地が減少しており、 敷地内の緑化や屋上緑化など、みどりの量を減らさない工夫が必要です。 ・市街地周辺部に点在する島状の緑地は、地域の個性ある景観を創り出すとともに、動植物 の貴重な生息環境を形成していることから、所有者の理解を得ながら適切に保全する必要2.安全なまちをつくるみどりの育成 ・市内のみどりは市街地を取り巻く山林や農地が大きな割合を占めています。一方、市街化 区域内では、他市と比較してみどりの量が少なく、特に市街地では、防災の観点からも緑 化が必要です。また、これとあわせて、人為的に森を整備するなどの視点を加えるなかで、 公園などのまとまったみどりを増やすことも必要です。 ・市街地の公園や街路樹などのみどりは、地震による建築物や工作物の倒壊・火災の延焼な どを防ぐだけでなくランドマークとなり、また、避難生活を支える避難所としての役割も 果たすなど、都市防災の観点から非常に有効なオープンスペースとなるため、地域の実情 に合わせて、みどりの空間を創出する取組が必要です。 ・幹線道路等の街路樹などは、建築物や工作物の倒壊をくい止め、安全な避難路を確保する ことから、災害発生時に安心して避難できるようネットワーク化が必要です。 ・市域の北部や東部・西部の山裾は、急傾斜地崩壊危険個所などに指定され、土砂崩れなど の対策が必要なことから、森林の適切な管理と保全が必要です。 3.まちの個性となるみどりの活用 ・本市には、長浜八幡宮や大通寺・木之本地蔵院をはじめとする社寺や長浜城跡に広がる豊 公園、桃山文化を今に伝える竹生島や、虎御前山や小谷山、賤ヶ岳の史跡など、地域の歴 史や文化と深く関わっているみどりや、伊吹山系の山々や琵琶湖に代表される水辺環境な ど自然環境のなかで育まれてきたみどりがあります。これらのみどりが、地域の個性や、 それらを象徴する景観を創り出していることから、市民にとって住みたいまち、来訪者に とって訪れたいまちとなるよう、みどりを保全し、活用したまちの魅力づくりなどが必要 です。 ・長浜駅周辺は、豊公園や慶雲館といったみどりの空間が近接しているものの、駅前広場か ら中心市街地をつなぐ経路にはみどりが不足していることから、まちのシンボルとなるみ
・本市の景観には伊吹山系の山なみのみどりが大きな役割を果たしていますが、近年、マン ションなど高層の建築物が建設され、山なみへの眺望が遮られるようになっています。こ のため、道路や河川をはじめとしたみどりの軸が視線を山なみへ誘導できるよう、山なみ のみどりを楽しむことができるみどりの軸を市内の各地に確保することが 必要です。 ・「日本の重要湿地500」や「日本水源の森百選」に選ばれている山門水源の森は、貴重な生 態系を守るみどりとなっているため、適切な保全が必要です。また、保全に関してはボラ ンティアと協働し、継続的な活動が行えるような仕組みづくりが必要です。 4.身近にみどりと触れ合える場の充実 ・安らぎと潤いのある質の高い市民生活の確保に向けて、身近な場所でみどりとふれあう機 会が増えるよう、街区公園や児童遊園などの整備状況を勘案しながら、公園の機能分担や 統廃合を行うなど地域バランスのとれた公園・緑地の配置を進める必要があります。 ・地域の身近な都市公園は、これまで画一的で個性の感じられない公園も多く、少子高齢化 の進展や社会の成熟化にともなう市民ニーズの変化などにより、公園そのものの質的な向 上が求められることから、都市公園・緑地のあり方について検討し、子どもやお年寄りが 気軽に利用でき、地域の声を反映した個性ある空間づくりに努めていくことが必要です。 ・住宅開発にともない提供される公園によって、児童遊園の数は増えていますが、一箇所ご との規模は小さく、老朽化などにより地域住民の日常的な利用ニーズに適合していないも のもあります。こうした状況に対応するため、市民やNPOなど多様な主体の参加による 公園の整備や管理など、多様化する市民ニーズに対応した公園づくりを進める必要があり ます。 ・大規模な公園である豊公園、神照運動公園、奥びわスポーツの森や浅井文化スポーツ公園 は、市民がレクリエーションに親しめる身近な場として整備されていますが、機能的に重 複しており、また、移動型のレクリエーションゾーンとして整備されているサイクリング ロードや横山のハイキングコースなどは、整備後30年以上が経過し、現在では、十分に活 用されていない状況になっています。このため、各施設の個性や魅力づくりなど、みどり と触れ合えるレクリエーションゾーンのあり方を様々な視点から検討する必要がありま す。 ・横山丘陵、虎御前山や小谷山、山本山から賤ヶ岳にかけての尾根などは、史跡を含めた適
・公共施設は、市民が集い、憩いの場となるよう、様々な手法により緑化されていますが、 地域の緑化の先導的な役割を果たす必要もあり、地域の個性を創り出す空間にもなること から、今後も積極的な緑化に努め、みどりあふれる場とすることが必要です。 5.市民協働による緑化の推進 ・民有地のみどりの大きな割合を占める山のみどりや農のみどりは、良好な自然環境を形成 するうえでも市民共有の大切な資産であると言えます。また、個人の住宅の敷地内にあっ ても、文化性のある庭園や年輪を重ねた樹木などのみどりは、地域の大切な資産となるこ とから、市民一人ひとりが今まで以上にみどりの価値を認識し、主体的に活動できるよう、 市民の意識を高める必要があります。 ・市内のみどりの多くは民有地のみどりであることから、市民・市民団体・NPO・事業者・ 行政が各々の立場でみどりづくりを進めるとともに、多様な主体が連携し、みどりを守り、 つくり、育み、つなげることができるしくみを構築する必要があります。 ・みどりを身近に感じ触れ合うためには、みどりについて知識を深め、大切さを理解するこ とが必要であることから、保存樹の活用などみどりについて触れ合いながら学ぶしくみを 構築していく必要があります。 ・みどりづくりは、短期間に達成し、成果が見えるものではなく、持続的な取り組みが必要 なことから、地域や個人の緑化の取り組みにあっても、継続した活動として促進する必要 があります。 ・市内には豊作祈願に野の神様としてまつられる「野神」など、地域のシンボルともいえる 巨木や名木があります。これらの樹木を大切に保全し、次代へ継承できるような支援や体 制などを検討する必要があります。 ・都市公園や児童遊園などは、地域の大切なみどりを有し、身近にみどりと触れ合える場で あることから、地域と連携した維持管理が必要です。