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龍谷大學論集 480 - 010中根 真「保育者のワーク・ライフ・バランス(Work-Life Balance)研究序説 : 保育者論の新たな展開のために」

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保育者のワーク・ライフ・バランス

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) 研究序説

一一保育者論の新たな展開のために一一

中 根

は じ め に

本稿の目的は,保育者のワーク・ライフ・バランス (Work-LifeBalance, 以下WLBと略記)研究序説として,政府刊行物を中心に保育者の労働と生活 をめぐる統計的な実態把握を試みる。なお,ここにいう保育者という用語は, 保育所保育士,施設保育士,幼稚園教諭を含めて使用しているロ 調査対象となる主たる政府刊行物は,具体的には厚生労働省による『社会福 祉施設等調査報告』および『賃金センサスあさらに文部科学省による『学校 教員統計調査中間報告』等である。これらの統計的な実態把握を通して,保育 所保育士および施設保育土(児童養護施設等の職員),幼稚園教諭の労働と生 活をめぐる現状を理解しておくことは,保育者のWLB研究に不可欠であると 考えた。 なお,本稿の構成は以下のとおりである。まず問題の所在を明らかにし(1 ,) 研究の方法 (11),結果 (III),考察と結論(lV),課題と展望 (V)を順次論述して いる。

1

.問題の所在

( 1 ) わが国における WLBの動向 まず, WLBをめぐる政府の動向を述べると,官民が一体となって従前の働 き方を抜本的に改革し,仕事と生活の調和を推進するため,

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平成

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月に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活 の調和推進のための行動指針」を決定している(内閣府編

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)

。また, 政労使,都道府県がパートナーとして密接に連携,協働するネットワークの中 核的組織として

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平成

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)

1

月に「仕事と生活の調和推進室」を設置した - 46ー 龍 谷 大 学 論 集

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(内閣府編2009: 84)ロその他,国民の取組機運を醸成するために,仕事と生 活の調和推進ポータルサイトの開設,仕事と生活の調和推進のための国民運動 「カエル!ジャパン」キャンペーン,各種勉強会やセミナー・シンポジウム等 への講師派遣,企業への働きかけ,男性の働き方の見直しを推進している(内 閣府編2009: 85-88)。つまり,政府としての WLB推進政策は実質的には2008 年以降に展開されてきたと言える。 なお,日本における WLB推進・研究拠点の形成をめざす東京大学社会科学 研究所はワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクトを発足させ,企業 における WLB推進と働き方の関係などに関する調査研究を展開している。 ( 2 ) 児童福祉施設および幼稚園における保育者の WLB 以上のように,政府や企業における WLB推進の活動や研究が積極的に進め られるなか,社会福祉施設や幼稚園におけるWLB推進は一体どのような現状 にあるのだろうか。 すでに社会福祉分野に関するいくつかの論稿があるが(北浦2009:社)愛誠 会2009:坂本2011),結論的に言えば,保育を含む児童福祉分野および幼児教 育分野においては他の分野に比較して,職員のWLBをめぐる論議が低調であ るように思われる。とすれば,なぜその論議が低調なのか,その背景や理由を 探る必要がある。 その背景の一端を素描すれば,例えば,保育土の離職率が高いこと(社)全 国保育士養成協議会専門委員会編2010: 273-276) に加え,直近では都市部を 中心に保育士不足が深刻化しているとのニュースや新聞の報道が散見される。 加えて,「両立支援」政策下における保育士の労働価値の相対的低下,つまり 処遇低下と雇用の不安定化に関する言及もある(萩原2010: 95)。なお,全国 の国公立・私立幼稚園,認可保育所を対象とする大規模な実態調査を実施した 後藤憲子は「経験年数の長いベテラン保育者を確保するには,私立の幼稚園, 保育所でも,女性のワークライブバランスを考えた働き続けられる環境が,重 要な課題の一つであるJ (後藤2009: 23) と指摘している。 また,児童養護施設職員の職場環境とストレスに関する調査によれば,女性 が多い職場であるにもかかわらず,結婚・出産後も働き続げられる体制にない ことへの不満や,施設職員が家庭と仕事を両立できる体制づくりという施設ア ドミニストレーションの課題の1つが示されている(伊藤2007: 155-156)。 さらに,幼稚園教諭については私立幼稚園勤務の保育者が約76.6%となって 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work.LifeBalance)研究序説(中根) ー4

(3)

7-おり,国立や公立の幼稚園に比べて大多数を占めているが,そのライフコース は「専門学校や短期大学を卒業して就職し, 10年以内に結婚や出産で離職する 者が多い」と集約されている(秋田編集代表2009: 183 : 188)。 以上のように,保育所等の児童福祉施設および幼稚園という子育ち・子育て 支援に最も密接不可分な専門機関に勤務する保育者をめぐっては,先述した政 府や企業による

WLB

推進の活動等とは様相が異なり,

WLB

の議論どころか, それ以前の問題に窮迫しているようである。

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. 方法

(

1

)

保育者の労働と生活をめぐる統計的な実態把握の必要性 先述した保育者をめぐる部分的な観察結果を寄せ集めてみるだけでも,保育 者の

WLB

など全く議論の余地がないかのような印象を抱きがちであるが,こ こではそのような印象を排し,データにもとづく堅実な議論を展開する基礎と して,既存の政府刊行物を活用した統計的な実態把握が有益であると考えた。

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)

文献調査の対象 既存の政府刊行物のうち,保育者の労働と生活に関わるデータを得るという 目的から,以下の各種調査を選択し,文献調査を行った。

1

)厚生労働省関係 大臣官房統計情報部編 r社会福祉施設等調査報告』 統計情報部編『賃金センサス』

2

)文部科学省関係 『学校教員統計調査中間報告』等 ( 3 ) データ分析の基本的枠組み まず,以上の統計調査から得られる膨大なデータを分析するための基本的枠 組みが不可欠である。 保育者の労働,さらには生活の実態を把握するために注目する必要があるの は基本的には勤務先の経営主体と雇用形態である。なぜなら,経営主体が公立 (幼稚園の場合,国立も含む)であるのか,私立であるのかによって,また正 規職員であるのか,非正規職員であるのかによって,その労働条件は異なるか らである(垣内編著2011: 30-57 : 88-92)。さらに,こうした労働条件の相違 が結果的に保育者の平均勤続年数の相違を生み出している一因であるとも考え - 48ー 龍 谷 大 学 論 集

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られる。 し た が っ て, 保育 者 のWLBと し て 一 括 し た 把 握 を 試 み る の で は な し よ り 現 実 的 な 諸 条 件 を 加 味 す る こ と に よ り,WLB推 進 の 個 別・具体 的 な 諸 条 件 と 課 題 の 検 討 が 可 能 に な る と 考 え,実 態 の 如 何 と は 無 関 係 に 表lの 枠 組 み を 設 定 し,A~Pまでの 16パターンを想定した。 表 1 保育者の労働と生活を捉えるための基本的枠組み 雇用形態 私立 国立・独立行政法人 公立(都道府県・市 区町村立を含む) 正規職員 A G K 保 育 所 非正規職員 B H L 正規職員 C M 幼稚園 非正規職員 D N 正規職員 E

児童後護施設 ~I,正規職員 F P

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結果

( 1 ) 各 施 設・学 校 の 設 置 状 況 各 施 設 お よ び 学 校 の 設 置 状 況 は 表

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のとおりであった。 表 2 各施設・学校の設置状況 言ト 私立 国立・独立行政法人 公立(都道府県・市 区町村立を含む) 保育 所 21.681 11.794(54.4%) l 9.886 幼稚悶 13.299 8.226 (61.9%) 49 5.024 児童援護施設 582*

注)保育所および児

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護施設については2010年10月l日現在のデータ(厚生労働省 『平成22年初 会福祉施設等調査J20日年11月30日公表)に,また幼稚園については2011年5月1日現在のデー タ(文部科学省 r平成23年度学校基本調査(確定値)J2012年2月6日公表)にそれぞれ依拠して, 中板其が独自に作成。

*

(参考)児童t旋諮施設は2008年12月1日現在, 総数567か所,その内訳は公立47か所,私立520か 所であり (r平成22年版厚生労働白 ~fJ p.l81),私立が全体の9l.7%を占めていた。 保育者のワーク ・ライフ ・バランス (Work-Life8alance)研究序説(中根) -49一

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)

各施設・学校における雇用形態別の保育者数 各施設および学校における雇用形態別の保育者数(保育士および教員の数) は表3のとおりであった。 表3 各施設・学校における雇用形態別の状況 雇用形態 私立 国行立政・法独人立 公立(を都含道む府)県・市区町村立 保育所 総 数 192,404 15 139,440 (171,598/146,843) (一/一) (142,201/145,897) 正規職員 171,312 13 121,819 (156,409/134,122) (ー/ー) (126,687/128.912) 非正規職員 21,093111%1 2 17,611

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区 宮1

2,720

区画

(ー/ー) (15,514

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設1

6,985Iu.6%D 総 数 110,402 幼稚闘 正規職員

非正規職員 児童養護施設 総 数 4,636

164 (4,422/3,755) (187/200) 正規職員 4,436

160 (4,231/3,560) (176/199) 非正規職員 19914.3%1

412.4%1 (191 1[歯195~ (11~1 1[函 注)保育所および児童養護施設については2009年10月1日現在のデータ(厚生労働省大臣官房統計情 報 部 編 r平 成21年社会福祉施設等調査報告』厚生労働統計協会, pp.324-325)を基本とし,併せて 『平成18年社会福祉施設等調査報告』厚生統計協会, p.413, p.415および『平成15年社会福祉施設 等調査報告下巻』厚生統計協会, p.133を参照した。幼稚園については2011年5月 1日現在のデー タ(文部科学省『平成23年度学校基本調査(確定値)J2012年2月 6日公表)にそれぞれ依拠して,中 根真が作成。なお,表中の( )内の数値について,左は2006年10月 1日,右は2003年10月 1日現在 のデータである。口内の%は非正規職員比率をさす。 ( 3 ) 保育者の年齢・勤続年数・労働時間・賃金等の状況 保育者の年齢・勤続年数・労働時間・賃金等の状況は表

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のとおりであった。 - 50ー 龍 谷 大 学 論 集

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表4 保 育 者 の 年 齢 ・ 勤 続 年 数 ・ 労 働 時 間 ・ 賃 金 等 の 状 況 年 齢 勤 続 年 数 所働定時内間実数労 超 過 実 労 働時 間 数 すきるま現っ金て給支与給額 保 育 士 女 33.5 7.9 171 5 218.4千円 12033十 人 (34.0) (7.8) (171) (4) (215.4千円) (12869十人) 男 29.9 5.6 171 4 234.5千円 572十 人 (31.4) (6.3) (170) (3) (239.1千円) 855十 人 幼 稚 園 女 30.2 6.7 175 2 216.0千円 5597十 人 教 諭 (30.4) (6.7) (176) (2) (216.6千円) (5143十人) 男 40.6 11.8 177 316.0千円 274十 人 (41.2) (10.9) (176) (1) (331.9千円) (256十人) 41.3 11.9 165 13 323.0千円 1971819十 人 全産業 (41.1) (11.4) (165) (11) (318.1千円) (2042052十人) 注)企業規模については最も多い flO...99人」に限定し, rlQO...999人J(労働者数,保育士2,796十 人・幼稚園教諭620十人)および f1.000人以上J(労働者数,保育士315十人・幼稚園教諭77十人) を捨象した。なお,表中の( )内は平成21年データをさす。厚生労働省統計情報部編 r賃金センサ ス 第3巻』労働法令を参照の上,中根真が独自に作成。

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4

)

保 育 者 の 採 用 ・ 退 職 の 状 況 1 ) 全 体 の 状 況 保 育 者 の 採 用 者 数 ・ 退 職 者 数 の 状 況 は 表5の と お り で あ っ た 。 な お , 表 中 の 数 値 に つ い て , 保 育 所 は 常 勤 保 育 士 の 数 値 で あ り , ま た 幼 稚 園 は 転 入 者 ( 設 置 者 を 問 わ ず , 高 等 学 校 以 下 の 学 校 の 本 務 教 員 か ら の 異 動 者 ) を 含 ん だ 数 値 で あ る。 表5 保 育 者 の 採 用 者 数 ・ 退 職 者 数 の 状 況 採 用 者 数

退 職 者 数 保 育 所 38,784 29,776 幼 稚 園

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15,916

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11,424 注)保育所については2008年10月1日...2009年9月30日の期間のデータ(厚生労働省大臣官 房統計情報部編 r平成21年社会福祉施設等調査報告』厚生労働統計協会, p.362}に,また 幼稚園については2009年4月1日...2010年3月31日の期間のデータ(文部科学省『平成22 年度学校教員統計調査中間報告Jp.6)にそれぞれ依拠して,中根真が作成。 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work.LifeBalance)研究序説(中根) -

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51-2 ) 退職理由 幼稚園教諭のみではあるが,その退職理由は表6のとおりであった。 表B 幼稚園教諭の退職理由 計 女 男 計 11,424(12.857) 10,914(12,361) 510(496) 定年(勧奨を含む)のため 738(735) 668(674) 70 (61) 病気のため 535(442) 501(412) 34 (30) 病気のうち精神疾患のため 229 219 10 死亡 43(62) 20(40) 23 (22) 転職のため 2,160(2,944) 2,032(2.776) 128(168) 大学等入学のため 64(59) 58(54) 6(5) 家庭の事情のため 3,561 3,516 45 職務上の問題のため 176 157 19 その他 4,147(8.615) 3,962(8,405) 185(210) 注)2009年4月 1日'""2010年3月31日の期間のデータ(文部科学省 F平成22年度学校教員統 計調査中間報告.8pp.6-7)に依拠して,中根真が独自に作成。なお, ( )内は2006(平成 18)年度聞の数値。

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V

.

考察と結論

( 1 ) 各種統計に関する検討 1 )各施設・学校の設置状況 各施設・学校のうち,私立が占める比率は保育所54.4%,幼稚園61.9%,児 童養護施設91.7%となっており,いずれも私立が過半数を超えている。保育者 の多くが私立の施設・学校に勤務している事実だけでなく,彼女らが児童福祉 や幼児教育の制度・政策上においても実質的な担い手であることを考慮すると, 私立施設・学校に勤務する保育者に重点をおく必要がある。したがって,表1 の基本的な枠組みのA--Fの6パターンがさしあたり研究の焦点になる。 2 )各施設・学校における雇用形態別の状況 幼稚園教諭の雇用形態別データは把握できなかったが,保育所および児童養 護施設については正規・非正規職員の実数把握に加え,全体に占める非正規職 - 52ー 龍 谷 大 学 論 集

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員比率をそれぞれ算出できた (2009年10月 1日現在)。私立の場合,非正規職 員比率は保育所11%,児童養護施設4.3%であり,公立の場合も 12.6%,2.4% となっている。ちなみに 2003年, 2006年, 2009年における比率の変化を確認す ると,保育所は8.7%,8.9%, 11%へと微増しているのに対し,児童養護施設 は5.2%,4.3%, 4.3%へと比率低下後に変化がない。 したがって,私立保育所に限って言えば,確かに非正規職員の比率が年々増 加してきているという事実がある。この点については各種調査等でも既に指摘 されている。例えば,全国保育協議会の「全国の保育所実態調査報告書」 (2008年 5月)では「保育土の平均人数は 14.3人。正規保育士が8.8人,非正規 保育士が3.6人」と題し,「運営主体別では,公営の方が私営よりも正規保育士 の割合が少なく,非正規保育士の割合が高い状況にあるJ(全国保育協議会 2008 : 4)と指摘している。さらに「運営主体別にみると, r公営』の方が非正 規割合が高い傾向にあり, 6"70%以上』を非正規職員が占めている保育所が6.3 %, r60%以上70%未満』の保育所も 13.5%,qO%以上60%未満』の保育所が 35.4%と,厳しい結果になっているJ(全国保育協議会2008: 5)と指摘してい る。 また,『保育白書』の各年版をみると, 2009年版では「保育労働の非正規化J と題し,保育研究所・保育行財政研究会の「保育行財政に関する市町村アンケ ートJ (2009年 6月)による結果をふまえ,「公立保育所の通常保育を担う非正 規保育士の比率は42.5%であり, 60%を超える市町村は27.5%を占めるJ(全 国保育団体連絡会/保育研究所編2009: 55)と指摘している。 2010年版では自 治労連埼玉県本部保育部会・福祉保育労埼玉県本部・埼玉県保育問題協議会の 「公私保育労働者全県調査J (2008年)による結果をふまえ,「全保育士に対す る正規雇用の比率が民間では57%であるのに対して,公立では39%となってい たJ,r回答のあった公立の非正規雇用の保育士624人のうち約半数の311人が, 私立では213人のうち 6割にあたる 126人が,クラス担当保育士として働いてい た。公私立ともに増えている非正規雇用の保育士が,『臨時的・補助的』な仕 事ではなく,まさに正規職員が担うべき仕事を担当しているJ (全国保育団体 連絡会/保育研究所編2010: 56)と指摘している。なお, 2011年版では「増え 続ける非正規雇用の保育士」と題し, 2010年版とほぼ同一の記述がある(全国 保育団体連絡会/保育研究所編2011: 70)。 以上,公私立の保育所における非正規職員の比率が増加している旨の指摘で あったが,その比率の高低をめぐっては慎重に見極める必要がある。表 7は総 保育者のワーク・ライフ・パランス (Work.LifeBalance)研究序説(中根) -

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53-表 7 雇用形態別にみた雇用者(役員を除く)の推移 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 (平成19) (平成20) (平成21) (平成22) (平成23) 10--12月 10--12月 10--12月 10...12月 10...12月 実 数 役員を除く雇用者 5156 5185 5107 5153 5134 (万人) 正規の職員・従業員 3418 3390 3343 3354 3300 非正規の職員・従業員* 1738 1796 1760 1798 1834 割合(%) 非正規の職員・従業員 33.7 34.6 34.5 34.9 35.7 I 注)総務省による平成21年10--12月期平均「労働力調査(詳細集計)(http://www瓜at.go.jp/ data/roudou/rireki/4hanki/dt/pdf/2009_4. pdf)および平成23年10--12月期平均「労働力調査 (詳細集計)(http:/ /www.stat.go.jp/data/ roudou/ sok凶ou/4hanki/dt/pdf/05500.pdf)の表 1を参照の上 (2012年 3月31日アクセス),中根真が一部改編して作成。 ・非正規の職員・従業員は, rパート・アルバイトJ,r労働者派遣事業所の派遣社員J,r契約社 員・嘱託」及び「その他」の合計 務省「労働力調査」の結果にもとづき,筆者が独自に作成したものであるが, これによれば, 2007'"'"'2011年10'"'"'12月期における「非正規の職員・従業員」の 割合は33.7%,34.6%, 34.5%, 34.9%, 35.7%とおおむね増加傾向が認めら れる。 要するに,このデータと先述した私立の各施設における非正規職員の比率 (保育所11%,児童養護施設4.3%)を照らし合わせると,当該施設の非正規 職員比率が高いと言えるかという疑問がある。 2009年10月の状況で言えば, 100人の職員のうち,労働力調査結果ではおおむね35人,私立保育所ではおお むね11人,公立保育所ではおおむね13人,私立児童養護施設ではおおむね4人, 公立児童養護施設ではおおむね

2

人がそれぞれ非正規職員であったことになる。 ここでは,その断定を避け,全産業における非正規職員比率の3分のl以下の 現状にあるという事実を確認するにとどめよう。 とはいえ,今後も非正規職員比率の変化を追跡し,保育所問および施設問の 差異を注視し続けることに加え,非正規職員のWLBを考えていく必要がある。 元来, WLB問題は男性正規職員の長時間労働是正,女性正規職員の育児休業 取得や継続就業のための短時間勤務の推進という点から進められてきたように, 従前の推進政策や研究は正規職員の問題として議論され,非正規職員は論外と されてきた。その理由は,非正規職員の労働時間が総じて短いため,正規職員 の長時間労働,仕事と子育ての両立の諸問題が該当しないとみなされてきたか らである(松田2010: 29)口 - 54- 龍谷大学論集

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しかし,非正規職員のWLB問題は,収入や雇用の安定性,育児休業,企業 独自の両立支援制度,保育所の利用など労働時間の長さ以外にあるとすれば (松田2010: 31),特に非正規職員比率が増加傾向にある公私立保育所に勤務 する保育者のWLB研究上,重要かつ不可欠の研究テーマとして位置づけられ る。 3 )保育者の年齢・勤続年数・労働時間・賃金等の状況 表

4

は保育者の年齢や勤続年数,労働時間,賃金等について平均的な状況を 示しているが,その特徴は全産業との比較において浮き彫りになる。 まず,平均年齢は男性幼稚園教諭を除けば,男性・女性保育土および女性幼 稚園教諭がおおむね29~34歳となっており,全産業の平均年齢よりも 7 歳ほど 若い。また,平均勤続年数もおおむね 5~8 年となっており,全産業の平均 11. 9歳よりも短い。保育者の大多数が短大卒であることをふまえると,卒業後 10年以内で離職する者が多い現状にあると考えられる。 なお,参考までに幼稚園教諭のデータを示せば,表8のとおりである。この 表から読み取れることは経営主体,つまり国公私、立別に勤務年数区分別の教員 構成バランスが異なり,特に私立5年未満の50%超の数値が顕著である。裏を 返せば,私立幼稚園教諭の離職率,新任採用率が高い事実を示していると言え よう。 表8 勤務年数区分別教員構成(幼稚園) (%) 区分 計 '""5年 5'""9年 10'""14年 15'""19年 20"-24年 25年 平均勤務年数(年) 計 100 45.8 20.8 9.6 6.0 4.4 13.4 10.3 国立 100 16.8 16.5 17.1 15.6 11.6 22.3 15.8 公立 100 27.5 15.1 9.9 9.2 7.3 30.9 16.4 私立 100 50.2 22.1 9.5 5.2 3.6 9.2 8.9 注)r平成22年度学校教員統計調査中間報告J(2011年7月28日公表)における教員個人調査高校以 下の rlO 勤務年数区分別 教員構成(高校以下)Jに依拠し,中根真が独自に改編して作成。 次に,労働時間はおおむね 171~177時間となっており,全産業の平均 165時 間よりも長いが,逆に超過労働時間はおおむね 1~5 時間となっており,全産 業平均13時間よりも短い。 最後に,その賃金については男性幼稚園教諭が全産業の平均額に近いものの, 男性・女性保育士および女性幼稚園教諭は劣悪な状態にある。『保育白書』に 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work-LifeBalance)研究序説(中根) ー55ー

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よれば,「介護の職場に近い低待遇Jや「毎年賃金の低い新卒の保育士が補充 されるので問題が顕在化しにくいJ (全国保育団体連絡会/保育研究所編 2010 : 55), r保育士の賃金は,初任給の段階では他の業種と遜色がないように 見えても,昇給はきわめてわずかである。つまり,不安定な雇用形態や昇給し ない賃金体系から『生涯の生活を支えることができない.0, r働き続ける展望の 持てない』雇用の水準となっているJ(全国保育団体連絡会/保育研究所編 2011 : 70)と指摘されている。 他方,『平成22年度 学校教員統計調査中間報告』によれば, 2010 (平成22) 年9月の 1か月分の平均給料月額(本俸のみ。諸手当及び調整額は除く)は幼 稚園221,000円(平均年齢35.5歳)と小学校349,000円(同44.3歳),さらに国 公立幼稚園 296 , 000~325 , OOO 円と私立幼稚園 202 , 000 円の結果が如実に示すよ うに,その賃金格差は著しい白なお, 2001年度から 2010年度までの平均給料月 額等を表9に整理した。 表9 幼稚園および小学校における教員平均給料月額比較 (千円) 区 分 幼稚園 小学校 2001(平成13)年度 230.6(34.4) 388.9(43.4) 2004(平成16)年度 226.6(34.6) 379.4(44.1) 2007(平成19)年度 222.8(35.0) 365.5 (44.4) 2010(平成22)年度 221.1(35.5) 349.1(44.3) 国立 325.6 336.8 公立 296.1 349.2 私立 202.9 346.0 注) ( )内は平均年齢(歳)である。文部科学省 r平成22年度学校教員統計調査中間報告』 p.5の表14に依拠して,中根真が独自に改編して作成。 ところで,義基祐正によれば,戦後における民間保育者の賃金の歴史は次の 3つの時期に整理される(義基2009b: 270-281) 。すなわち,①1945~1975年 は低賃金実態の告発と労働条件向上の時期ではあったが,具体的な保育の質と 関わって調査や研究がされず,問題提起に止まった。次に,②1976~1995年は 労働条件向上が鈍化した時期であった。具体的には,労働条件や賃金に関わる 調査・研究が激減し,専門職としての保育者の資質向上の議論において,保育 者の詳細な労働実態の分析を後景に退け,言ってみれば,保育者の労働実態抜 - 56- 龍谷大学論集

(12)

きの保育の議論が展開された時期である。最後に,③

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年は社会福祉 市場化によって労働条件が崩壊した時期であるo つまり,保育者の賃金の公的 基準が崩壊する一方,そのなかにあって,

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年代以降には「労働条件の問題 とケアの質や専門性との関係に具体的に切り込もうとしているJ調査・研究が 登場している。 以上の整理,とくに①および②の時期については,筆者が独自に進めている 全国社会福祉協議会保育協議会編 r保育年報』に関する

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年創刊以降の年次 別分析ともほぼ一致している。要約的に言えば,

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年までの

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年間は 保母の健康・生活・労働・組織(労働組合),労務管理,人事管理などの項目 が毎年記述されているが,

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年以降は育児休業法や男性保育者(以上,

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年版),職員の労働時間(1

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年版)を除くと,従前の項目は皆無になってい る。 ここで興味深いのは,①から②の時期への大転換がなぜ,どのように起こっ たかという分析であろう。関連する調査・研究の激減は大きな背景であったと は考えられるが,研究者個人の研究関心の変化・変容というー要因に帰するの は短絡的であり,むしろ,この時期における様々な動向や状況を重ね合わせて 複眼的に分析してみる必要がある。例えば,当時の児童福祉政策の動向をはじ め保育所の整備状況,保母養成の状況,保育団体の動向,保育所入所を必要と する保護者の状況などが列挙できる。 以上の複合的な動向や状況分析の際に参考になるのは,杉野昭博が整理した 今後の社会福祉研究のうち,「中範囲の研究Jの一例としての「政策過程論」 である(杉野

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)

。それによれば,「政策過程論」は rr利害集団』の力 関係や相互作用を政策決定過程の主たる要因と見なす点において,社会学とり わけ組織社会学の視点と強い結びつきを持っている」と説明されるが,児童福 祉分野に引き寄せれば,保育政策過程論や児童福祉政策過程論の研究が必要に なる。その場合,サービス利用者・サービス供給者・費用支払い者の 3つの集 団の利害関係が影響していると考えるのが基本であるo 「サービス利用者」は 子どもとその保護者,さらに国民一般であるo「サービス供給者」は社会福祉 法人等の「サービス事業者」と,全国保育士会等の「専門職業者集団」の

2

つ に大別される。「費用支払い者」は国・自治体ということになる。さらに,社 会福祉法人等と取引のある建設業,チャイルドビジネス産業等の様々な事業者 が保育政策や児童福祉政策に利害関係を持っている。ただし,日本ではサービ ス供給者や費用支払い者に比べて,サービス利用者の利害を代表するような団 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work-LifeBalance)研究序説(中根) ー 5

(13)

7-体が脆弱であり(近年,元・施設利用児童の組織が発足しているが),子ども や保護者の声が政策に反映されていない可能性がある。前者では保護者・保育 所・地方自治体の3つが,後者では例えば児童養護施設を例にすれば,入所児 童・児童養護施設・地方自治体/政府の3つがそれぞれ問題になってくる。 以上のように,保育や児童福祉の政策過程が様々な利害関係者の相互作用の 産物であると考えれば,保母・保育士の諸問題の取り上げ方の変化・変容もま たそのような相互作用の結果として捉えることが可能であると考える。 さらに言えば,保母・保育士の諸問題を単にドメスティックな問題として認 識するだけでなく,国際的な問題として理解しておく視野が必要不可欠である。 三富紀敬によるケアワーカーの国際比較研究は,英米両国における介護や保育 の従事者を「福祉国家の忘れられた人々」として捉え,その高い移動率と不充 足率を指摘した(三富2005: 325)。保育者= r福祉国家の忘れられた人々J と は衝撃的な理解ではあるが,その

WLB

が未だ問題化されない厳しい現実を示 す堅実な認識であるロ また,最近になって翻訳・刊行された rOECD保育白書』の第7章 rECEC

ω

職員のための適切な養成と労働条件J(OECD編著=星美和子ほか訳2011: 183-203)も示唆的である。それによれば,各国は乳幼児期教育者 (early childhood educators)が質の高いサービスの鍵であることを暗に了解し,教 育制度が集中的な教員養成の機会と良い労働条件を提供しなければならないと 認識しているにもかかわらず,多くの国でこの目標が未達成であるという (OECD編著=星美和子ほか訳2011: 183)。より具体的に言えば,各国政府 は生涯学習が人的資本形成の鍵であり,かつその基礎が乳幼児期にあると次第 に考えるようになってきたが,その認識にもかかわらず,その労働力の職業上 の地位は依然として低い傾向にあること (OECD編著=星美和子ほか訳 2011 : 184),また女性雇用に対する見方がその職員配置や給与に影響を及ぽし ていること (OECD編著=星美和子ほか訳2011: 197)等が指摘されているロ とりわけ,決定的に重要なのは「職員の採用をどう決めるかは,実は,その国 家が乳幼児に提供したい質のレベルを決めるJ(OECD編著=星美和子ほか訳 2011 : 197)との指摘である。これまで述べてきたわが国の保育者の労働と生 活をめぐる統計的な実態は,この国の乳幼児に対する保育の質を知実に反映し ていると言える。 - 58ー 龍 谷 大 学 論 集

(14)

4 )保育者の採用・退職の状況 WLBの視点から特に注目されるのは,幼稚園教諭の退職理由である。退職 理由全体に占める比率は高い順に「その他」が36.3%,r家庭の事情のため」 が31.2%,r転職のため」が18.9%となっている。最多の「その他」の詳細が 不明であるものの,第2位を占める「家庭の事情Jが3割強を占める現実は, 幼稚園教諭のWLBをめぐる負の結果であるo 次に,この結果を相対化するために小学校教員との比較表にまとめ(表10), 女性教員聞の比較を試みれば,いくつかの事実が明らかになるo まず,定年の 比率は幼稚園6.1%,小学校58%であり, 9倍以上の開きがある。次に転職の 比率は幼稚園18.6%,小学校4.3%であり, 4倍以上の聞きがある。さらに 「家庭の事情」比率は幼稚園32.2%,小学校14.9%であり, 2倍以上の聞きが ある。最後に「その他」比率は幼稚園36.3%,小学校17.2%であり, 2倍以上 の開きがある。これらの簡単な比較から導かれる帰結は次のようになる。すな わち,年間でみると,女性幼稚園教諭100人のうち,定年退職者は 6人,転職 者はおよそ19人,「家庭の事情」による離職者はおよそ32人,「その他J による 離職者はおよそ36人である。 表10 幼稚園および小学校における教員離職理由比較 幼稚園 小学校 区分 計 女 男 計 女 男 計 11,424 10,914 510 16,836 10,290 6,546 (12,857) 02,361) (496) (14,812) (9.108) (5,704) 定年(勧奨 738(735) 668(674) 70 (61) 10,354(9,928) 5,965(6,097) 4,389(3,831) を含む) 6.1% 58% 転 職 2,160(2,944) 2.032(2,776) 128(168) 1,310(1,215) 440(333) 870(882) 18.6% 4.3% 家庭の事情 3,561 3,516 45 1,693 1,536 157 :32.2% 14.9% その他 4,147(8,615) 3,962(8,405) 185(210) 2,497(3,032) 1,771(2,317) 726(715) 36.3% 17.2% 注) ( )内は2006(平成18)年度問の数値である。文部科学省『平成22年度学校教員統計調査中間 報告Jp.7の表18に依拠して,中根真が独自に改編して作成。 なお,管見の限りでは,保育士の離職に関する本格的な研究は未だ行われて いないようである。ただし,地域限定的かつサンプル規模も小さいが,職業継 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work-Life8alance)研究序説(中根) -

(15)

59-続理由に関する探索的な研究がある(菊池2007: 221-227)。それによれば,現 任保育士の不満や負担感の発生理由のうち,最多の回答は「保育者の問の人間 関係」を筆頭に以下「保護者の対応j,i事務仕事j,iピアノなどの音楽活動」 の順になっている。以上の結果をふまえ,「一般に年齢が低い,すなわち保育 歴が浅い保育士ほど職場の人間関係のトラプルを負担に感じており,これが早 期離職率の高さの一因となっているj (菊池2007: 226)と指摘している。自ず と限界のある研究知見であるが,保育者のWLBと表裏一体の関係にあるとい う意味で保育土の離職に関する本格的な研究の展開が待たれるところである。 ( 2 ) 保育者のWLB論議が低調である背景や理由 以上,既存の政府刊行物を活用してデータの加工と整理を試みたが,これら をふまえ,保育者のWLB論議が低調である背景や理由を仮説的に述べておく。 すなわち,各種データを総合すれば,保育者は依然として長時間労働,低賃 金の諸問題に直面しており,その結果として早期退職に象徴されるような離職 率が高い現状にある。言ってみれば,保育者はWLB論議以前の諸問題が山積 した状況下にあることを反映しており,加えて,近年では非正規職員比率が次 第に高まるなか,正規職員の論議すら低調であるため,非正規職員もまた論議 の対象になりえていないのではないかと考えられる。 そもそもWLBの論議は働き方の見直し,具体的には女性のM字型就業構造 や,生活時間(家事・育児時間)における男女の「アンバランス」の改善が起 点であった。ところが,本稿でデータを示してきた保育所,児童養護施設,幼 稚園のいずれにおいても保育者は独身女性が圧倒的多数を占め,逆に言えば, 既婚かつ有子の女性は少数派にとどまっている可能性が示唆された。こうした 状況のなかにあっては,保育者のWLB論議が生起するはずもなく,「特に中 堅の世代の層が職場で薄くなってしまうことj (社)全国保育士養成協議会専門 委員会編2010: 273)や「中抜けの年齢構成j (垣内編著2011: 122)という組 織的構造の反映であることは否めない。 したがって,公立施設・国公立学校勤務の一部の保育者を除けば,大多数の 私立施設・学校勤務の保育者は短大・大学等を卒業後,独身時代を中心に勤続 10年以内に「家庭の事'情」等により退職する傾向が高いため,既婚かつ有子と いうライフ・ステージにおいて本格化する WLBの論議は生起しにくしたと え生起したとしても低調であると考えられる。 以上をふまえ,その歴史的社会的文脈は全く異なるが,想起せずにはおれな -60 - 龍谷大学論集

(16)

い一節が社会事業家・生江孝之の論文のなかにあるo 女性社会事業家としての成功の途は何であるかと云ふに,それは独身生活か 未亡人生活かであるo之は何れも不自然の社会生活である…(中略)…知何に 愛に富み智能に老けても二三年にして家庭の人となるに於いては女性の虞価は 到底斯業の上に発揮し能はざるのみならず,我が社会事業は遂に愛と同情とに 澗渇したる事業に堕し去るであらう(生江1929: 12)。 女性は愛に於いても智能に於いても社会事業に最も適任者であるが,結婚生 活に入る関係からその本質的好適性を発揮し得ないが,変則的には独身者とし てその使命を全ふせられ,普遍的には後援者としてその任務を尽きれんことを 要望するのである(生江1929: 13)。 今から80年以上前の指摘ではあるが,保育者のWLB論議が低調であること の根源的な背景を暗示しているように思えてならない。まさに「古くて新しい 問題」の 1つをここに再発見するのである。

v

.

課題と展望

今後の検討課題は以下のとおりである。紙幅および時間の制約のため,本稿 では捨象した保育者の問題として,第1に頚腕症候群(猪野1973: 3-10)など 健康被害は,保育者の流産を含め歴史的に継続してきた問題である。第

2

に保 育者の育児休業の問題がある(萩原2010: 95)。この問題に関する保育士のデ ータは入手できたが,未整理であるため,本稿では割愛した。 最後に今後の研究の展望を述べておく。第1に現状はかなり過酷であるが, その一方で自らのWLB実現に向けて奮闘している保育者や,かつて奮闘して きた保育者の存在に目を向ける必要がある。たとえ絶対数は少なくともインタ ビュー調査を通じて諸事例を丁寧に収集し,そこから WLBを実現させるため の具体的な諸条件を実証的に明らかにしていくことは十分可能であると考えて いる。 第2に, WLB実現のための諸条件は組織問,地域聞における相違が顕著で あると想定される。したがって,組織レベルの諸条件としては経営主体別,雇 用形態別の相違に留意しつつ,育児時短等の福利厚生制度,管理者の人事方針 やリーダーシップ等を検討する必要がある。さらに,地域レベルの諸条件とし 保育者のワーク・ライフ・バランス (Work-LifeBalance)研究序説(中根) -

(17)

61-ては三世代同居や祖父母世帯との近居,当該地域における賃金水準等を視野に 入れた検討が併せて必要である。 註 (1) 保育者という用語に保育所保育士,施設保育士,幼稚園教諭を含める使用例が 一般的である(森上・岸井編2001: 14-15小田・森編著2001: 2-3 :民秋編著 2007 : 18-19)。 (2) 最新の情報については,内閣府男女共同参画局・仕事と家庭の調和(ワーク・ ライフ・バランス)推進ホームページを参照 (http://www8.cao.go.jp/wlb/ index.htm1, 2012年 3月17日アクセス)。なお,白書としては, r少子化社会白書 (平成18年版)Jにおいて初めてWLBという用語が登場し(内閣府編2006: 62), その後「ワークライフバランスと雇用システム」と題する『労働経済白書(平成 19年版)J等が刊行されている(厚生労働省編2007)。 (3)少子化対策の政策展開と WLBとの関連については,大石亜希子らが5期に区 分している。具体的には,第l期 (1990-1996年),第 2期(1997-2001年),第 3 期 (2002-2004年),第 4期 (2005年以降),第 5期 (2009年秋以降)である(大 石・守泉2011: 14-16)

(4) 2008年10月発足。詳細は以下のホームページを参照 (ttp://wlb.issルtokyo. 笠主j,2012年3月17日アクセス)。 (5)なお, WLB論ではないが,幼児教育者の問題の1つとしての「教職的自覚」 に関する荘司雅子の指摘がある。 1980年代半ばという歴史的な状況を伝える資料 として興味深いので,長文であるが,あえて引用する。すなわち,「いままでの 女教師は,ややもすれば自己の職務に対する自覚が欠けていた。そのために一時 の腰掛けとして幼児教育の職につき,責任を十分はたすことなしに中途でその職 を去るものが多くみられた。職務中に自己の私的な問題で同僚に迷惑をか付るこ とも少なくなかった。このような教師にかぎって,わが身が教職にあるという公 的意識と,自己および自己の家庭生活に関する私的意識とを混同する場合が多か った。これは教育の一大障害である。 周知のとおり,わが国の今日の家庭生活は,女性の奉仕の上に成り立っている ために,一般に女性が家庭生活と職業生活との両立をはかることはひどく困難で ある。しかしいったん教職についた以上,いかなる私的なものも,そこにもちこ むことは許されない。公的生活と私的生活との聞に横たわる陸路をどうして克服 するか,それは別の角度から検討してその解決のための運動を展開すべきであっ て,いやしくも教職にあるかぎり,そこに私的生活をもちこむことは,教育の冒 漬であって決して許されるべきことではない。教職にあるものはこの点を強く肝 に銘じていなければならないJ(庄司 1985: 283)。 (6) 試みに「ワークライブバランス」の用語で CiNii検索を行うと,医療従事者 (医師,看護師,作業療法士,理学療法士等),研究者(日本物理学会等),電子 情報通信分野等でWLBが活発に議論されている (2012年 3月30日現在)。なお, - 62-龍谷大学論集

(18)

保育者としてのアイデンティティ形成における危機体験の lつとして「プライペ ートとの両立の難しさ」を位置づける研究(足立・柴崎2009: 94)があることを 付記する。 (7) 例えば, NHKが2012年3月16日に「待機児童解消を阻む“保育士不足"」,同 年2月15日に rr総合こども園』の行方は?( 2 ) j などにおいて報道している。 他方,中日新聞CHUNICHIWEBは2011年8月5日に「低賃金で不足に拍車 昇給ない『非正規』も増加」を,大分合同新聞は2011年3月10日「実質千人?待 機児童保育士不足も“一因"」 を,日本経済新聞電子版は2011年1月12日に 「保育士が足りない 重労働に低賃金…園新設が拍車」をそれぞれ報じている。 (8) この問題への着想は2009(平成21)年7月まで遡る。筆者は当時,保育実習IIIの 巡回指導のため児童自立支援施設Aを訪問し,学生が配属されていたB寮の児童 生活支援員C氏と面会した。夫婦小舎制の下, 4歳. 3歳, 0歳の子どもを育て る母親でもあるC氏は入所児童(中学生男子)と日常的に起居を共にしていたが, 職住一致の特別な環境のなか,自らの育児と入所児童へのケアをめぐる様々な悩 みや葛藤をはじめ,産前産後休暇や幼稚闘への通園を含む子育ての状況等を聴か せていただいたことに端を発する。生活と仕事がほぽ同一の時間と空間のなかで 展開されるなか,母親と施設職員という 2つのアイデンティティを保持しつつ, その役割を遂行するC氏にとってのWLBとは何かという素朴な疑問にはじまり, 他の児童福祉施設に勤務する職員のWLBの実態に興味・関心を抱くに至った。 (9) 保育士資格の保有者について.2003年以降は毎年4万人以上が取得しているが, そのうち約9割が養成校卒業生である(全国保育士養成協議会監修2010: 107)。 また,幼稚園教諭免許状の保有者については一般系の短期大学74.1%,大学15.9 %となっている(平成22年度学校教員統計調査教員個人調査幼稚園 r4 学歴 区 分 別 年 齢 区 分 別 教 員 構 成j (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do? bid = 000001 038370&cycode =0, 2012年3月31日アクセス)。

U

O

)

関連して,幼稚園や保育所の保育者に関するキャリア研究の乏しさを指摘する 無藤隆は,特に私立幼稚園・保育所の場合,数年を経ずに離職する者が多いため, 離職者を研究上どのように取り扱うかという難しい問題があるという。つまり, 熟達者と初任者の比較研究を行う際,経験年数だけでなく,保育者の資質の問題 がある。ただし,離職率の低い小中高の教師のキャリア研究ではおおむね経験年 数の問題として確認されるのに対し,離職率の高い保育者の場合,比較,確認す ることが至難であると指摘している(無藤2009: 162-163)。 (11) 現在,本学社会科学研究所所蔵の r保育年報』各年版を素材とし,保母・保育 士をめぐる諸問題の歴史的な変遷をたどり, WLB以前と以後の問題との連続性 と非連続性,両者の相関等を明らかにし,問題の構造化を試みつつある。その詳 細は別稿に委ねる。

2) ECECとは, Early Childhood Education and Careの略称である。

ω

足立里美らは今後 r危機に直面し,乗り越えられなかった保育者=離職者を 対象に,“なぜ乗り越えられなかったか",“どうすれば乗り越えられたか"を探

るための研究」の必要性を指摘している(足立・柴崎2009: 98)。

(19)

3-(14) 筆者は別稿において生江の保育事業論,内務省入省前の神戸における保育事業 をそれぞれ検討している(中根2011: 6-18 ; 2012 : 15-27)。

ω

例えば,小林美希 (2011: 30-36) を参照。 (16) 筆者は2011(平成23)年 6---10月にかけて,政令市D市内の私立(認可保育所) のE保育聞に勤務する保育士 9名 (36---69歳)およびF保育園に勤務する保育士 2名 (32,38歳),さらにG市内の私立児童養護施設H学園に勤務する児童指導 員1名 (40歳)および元・保育土1名 (43歳)に対するインタビュー調査を実施 している(いずれも女性職員,本調査に向げたパイロット・スタディとして実 施)。その詳細は別稿に委ねる。 仰木本喜美子は地域差について,地域の労働市場の相違だけでなく,家族同居規 範の違いを含め,女性労働の動向に大きな影響を与えているという。具体的には, 本人の出身家族,学歴,学校歴,職業,配偶者の階級・階層帰属等により大きく 異なるため,男性のみならず女性を同質的な集団として論じることは不可能であ ると指摘している(木本2010: 32)。 (18) 本調査は夫婦共働き率の高低に着目し,高位の地域として福井県,富山県を, 低位の地域として奈良県,大阪府をそれぞれ予定して準備を進めるなか,福井県 では三世代同居や祖父母世帯との近居が多いことがわかっている。 (19) 例えば,小林美希は北陸地方や東北地方の保育士の事例を交えながら,その厳 しい賃金や生活の状況をレポートしている(小林2011: 135-152)。 引用・参考文献 足立里美・柴崎正行 (2009) r保育者アイデンティティの形成と危機体験の関連性 の検討J11'乳幼児教育学研究.118, 89-100 秋田喜代美編集代表 (2009) Ii'新時代の保育双書今に生きる保育者論[第 2版]J みらい 浅井春夫・金津誠一編著 (2009) Ii'福祉・保育現場の貧困』明石書庖 「福祉問題研究J編集委員会編 (1973) r社会福祉労働論』鳩の森書房 後藤憲子 (2009) rデータから見る幼稚園・保育所の課題j rB E R DJ 16, 22-25 萩原久美子 (2006) r迷走する両立支援』太郎次郎社エディタス 萩原久美子 (2010) rr両立支援』政策におけるジェンダー」木本喜美子ほか編著 『社会政策のなかのジェンダー』ミネルヴァ書房,第3章所収, 75-101 猪野美子(1973) r保母』全国社会福祉協議会 伊藤嘉余子 (2007) r児童養護施設におけるレジデンシャルワーク』明石書店 垣内国光編著 (2011) r保育に生きる人びと』ひとなる書房 垣内国光・東社協保育士会編著 (2007) r保育者の現在』ミネルヴァ書房 菊池政隆 (2007) r現任保育者職業継続理由に関する調査j r佐野短期大学研究紀 要J18, 221-227 木本喜美子 (2010) r企業社会の変容とジェンダー秩序」同ほか編著『社会政策の なかのジェンダー』ミネルヴァ書房,序章所収, 9-35 北浦正行 (2009) r福祉の職場とワーク・ライブ・バランスJ11'月刊福祉JJ 1月, 56 - 64- 龍谷大学論集

(20)

-

5

9

小林美希

(

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1

1

)

rルポ職場流産』岩波書店 厚生労働省編

(

2

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)

r労働経済白書(平成1

9

年版)J独)国立印刷局 厚生省大臣官房統計情報部編(1

9

9

9

)

r平成9年社会福祉施設等調査報告上・下巻』 厚生統計協会 厚生労働省大臣官房統計情報部編

(

2

0

0

2

)

r平成

1

2

年社会福祉施設等調査報告上・ 下巻』厚生統計協会 厚生労働省大臣官房統計情報部編

(

2

0

0

5

)

r平成

1

5

年社会福祉施設等調査報告上・ 下巻』厚生統計協会 厚生労働省大臣官房統計情報部編

(

2

0

日) Ir平成2

1

年社会福祉施設等調査報告』厚 生労働統計協会 厚生労働省統計情報部編

(

2

0

1

0

)

r賃金センサス 第

3

巻』労働法令 厚生労働省統計情報部編

(

2

0

1

1

)

r賃金センサス 第

3

巻』労働法令 松 田 茂 樹

(

2

0

1

0

)r

非 正 規雇用者のワーク・ライフ ・バラ ン ス

Jr

Li

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J

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2

0

1

0

1

月号,

2

8

-

3

5

三富紀敬

(

2

0

0

5

)

r欧米のケアワーカー』ミネルヴァ書房 森上史朗・岸井慶子編

(

2

0

0

1

)

r新・保育講座②保育者論の探求』ミネルヴァ書 房 無藤隆

(

2

0

0

9

)

r保育者としての成長過程J同『幼児教育の原則』ミネルヴァ書房, 第1

0

章所収,

1

6

2

-

1

8

1

内閣府編

(

2

0

0

6

)

r平成1

8

年版少子化社会白書』ぎょうせい 内閣府編

(

2

0

0

9

)

r平成2

1

年版 少子化社会白書』佐伯印刷株式会社 内閣府男女共同参画局編

(

2

0

1

0

)

Ir男女共同参画白書(平成2

2

年版)J中和印刷株式 会社 中根真

(

2

0

1

1

)

r社会事業家・生江孝之の保育事業論」日本保育学会『保育学研究』

4

9

(

2

)

6

-

1

8

中根真

(

2

0

1

2

)

r神戸における生江孝之の保育事業」日本地域福祉学会『日本の地 域福祉J

2

5

1

5

-

2

7

生江孝之(1

9

2

9

)

r社会事業と女性の性能Jr社曾事業J

1

2

(1

2

)

1

0

-

1

3

野辺英俊

(

2

0

1

0

)

r保育制度の現状と課題Jr調査と情報J

6

6

7

1

-

1

1

野口晴子

(

2

0

0

9

)

r女性の就労支援と児童福祉」宮島洋・西村周三・京極高宣編 『社会保障と経済

l

企業と労働』東京大学出版会,第8章所収,

1

6

3

-

1

9

3

小田豊・森虞理編著

(

2

0

0

1

)

r保育者論』光生館

OECD

編著=星美和子ほか訳

(

2

0

1

1

) rOECD

保育白書』明石害庖 大石亜希子・守泉理恵

(

2

0

1

1

)

r少子社会における働き方」樋口美雄・府川哲夫編 『ワーク・ライフ・バランスと家族形成』東京大学出版会,第

1

章所収,

1

3

-

2

9

坂本雅俊

(

2

0

1

1

)

r介護職者のワーク・ライフ・パランスを実現するための一考察」 『長崎国際大学論叢JI

1

1

8

9

-

9

8

真田是編(1

9

7

5

)

r社会福祉労働』法律文化社 杉野昭博

(

2

0

0

8

)

r社会福祉学と社会学の視点Jr社会学部紀要J

3

9

(

3

)

4

7

-

6

1

保育者のワーク・ライフ・バランス

(

W

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-

L

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e

)

研究序説(中根} -

6

5

(21)

社)全国保育士養成協議会専門委員会編

(

2

0

1

0

) r

保育土養成資料集.JJ5

2

,社)全国 保育士養成協議会 社)全国保育土養成協議会監修

(

2

0

1

0

)

r保育士まるごとガイド[第

3

版].JJミネル ヴァ書房 社)愛誠会

(

2

0

0

9

)

r福祉サービス最前線第2

1

回 職員のワーク・ライフ・バランス の実現を支えるJ11'月刊福祉.8

4

月,

6

0

-

6

3

荘司雅子(1

9

8

5

)

r幼児教育学講座幼児教育学』柳原書店 民秋言編著

(

2

0

0

7

)

r改 訂 保 育 者 論 』 建 吊 社 田中享胤・尾島重明・佐藤和順編著

(

2

0

0

6

)

rMINERV A保 育 実 践 学 ② 保 育 者 の職能論』ミネルヴァ書房 鷲谷善教(1

9

6

8

)

r社会事業従事者』ミネルヴァ書房 山田昌弘

(

2

0

0

7

)

r少子社会日本』岩波書底 義基祐正

(

2

0

0

9

a

)r

現代ケアワーカー賃金の社会的位置J

r

総合社会福祉研究J

3

4

1

0

9

-

1

2

1

義基祐正

(

2

0

0

g

b

)r

民間保育者の賃金の歴史」浅井春夫・金津誠一編著『福祉・保 育現場の貧困』明石書底,

2

6

8

-

2

8

4

全国保育団体連絡会/保育研究所編

(

2

0

0

9

)

r保育白書2

0

0

9

年版』ひとなる書房 全国保育団体連絡会/保育研究所編

(

2

0

1

0

)

r保育白書2

0

1

0

年版』ひとなる書房 全国保育団体連絡会/保育研究所編

(

2

0

1

1

)

r保育白書2

0

1

1

年版』ひとなる書房 全国保育協議会

(

2

0

0

8

)

r全国の保育所実態調査報告書』全国保育協議会 【付記】 本稿は,文部科学省・平成2

3

年度科学研究費【基盤研究

(

C

)

】「保育士のワー ク・ライフ・バランスの実態と就労継続の諸条件の実証的研究J(研究代表者:中 根真)の助成によって行った研究の一部である。 キーワード 保育者 ワーク・ライフ・バランス - 66ー 龍 谷 大 学 論 集

表 4 保 育 者 の 年 齢 ・ 勤 続 年 数 ・ 労 働 時 間 ・ 賃 金 等 の 状 況 年 齢 勤 続 年 数 所働定時内間実数 労 超 過 実 労 働 時 間 数 す き る ま 現 っ 金 て 給 支 与 給 額 保 育 士 女 3 3
表 7 雇用形態別にみた雇用者(役員を除く)の推移 2 0 0 7 年 2 0 0 8 年 2 0 0 9 年 2 0 1 0 年 2 0 1 1 年 (平成 1 9 ) (平成 2 0 ) (平成 2 1 ) (平成 2 2 ) (平成 2 3 ) 1 0 - - 1 2 月 1 0 - - 1 2 月 1 0 - - 1 2 月 1 0

参照

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