上監委告第 4 号
地方自治法第199条第 1 項及び第4項の規定に基づき、定期監査を実施したので、同条第 9 項の規定により、その結果を公表する。
平成24年3月6日
上越市監査委員 大 原 啓 資
上越市監査委員 勝 島 朝 子
上越市監査委員 山 﨑 一 勇
記 第1 監査の種類 定 期 監 査
第2 監査の対象 人事課、農業政策課、農業振興課、農林水産整備課、議会事務局 第3 対 象 年 度 平成23年度
第4 監査の方法 提出された資料に基づき、帳簿、書類の全部又は一部を抽出調査する とともに、担当職員の説明を聴取した。
「別紙」
被 監 査 課 等 内 容
農業振興課
○ 肉用子牛生産振興対策事業補助金
肉用子牛生産振興対策事業補助金は要綱において、当該事業年の3月1日から 翌年2月末日までに「生まれた子牛」を補助対象として、受精卵移植または人工 授精といった生産方法の違いによって補助金を交付する内容となっているが、平 成22年度の実績報告では、要綱に定める期間前に生まれた子牛や、補助事業実 績報告時点で生まれていない子牛が含まれており、市はこれら要綱上補助対象と ならない子牛に対しても補助金を支払っていた。
その理由について、受精卵移植にかかる補助では、市では「生まれた子牛」 ではなく、移植1 回につき補助金を交付する制度として運用していたが、要綱 の内容をこれに対応させないまま処理していたため、実務上の処理と要綱の内 容で違いが生じたものである。要綱について、市の補助目的や補助対象及び事 務処理の実態の再確認を行い、これと適合する内容に改められたい。
次に、人工授精で生まれた子牛への補助については、申請者側で前年度に申 請漏れとなった子牛を翌年度の補助対象に含めて報告してきたため、22年度の 補助対象期間前に生まれた子牛が含まれていたが、これに対する市のチェック が十分でなかったことによるものである。実績報告の内容確認を確実に行われ たい。
なお、この件に関連して、平成20年度の事務を調査したところ、申請者から 提出された補助対象となる子牛の一覧表と実際に市が支払った補助金額では子 牛の頭数が一致せず、また、その差を説明する資料の添付もないことから市が どのような根拠の上で補助金額を決定したか判断できないなどの問題も見受け られた。
今後の事務処理においては、実績報告の精査に加え、補助内容に対し市民に 明確に説明できるよう、必要な文書・資料の保存を確実に行われたい。