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国語科における発声
E発音の研究 一発声圃発音と腹式呼吸との関係を中心!こー
新ヰ・領域教育専攻 言語系コース(国語う
キ
j松 貴 仁I 研究の動機E 目的
現在、伝統文化が注目され、国語科教育にお いても音読・朗読といった伝統的な指導法が見 直されつつある。平成 20年版小学校学習指導 要領の〔第 3学年及び第 4学年〕の〔伝統的な 言語文化と国語の特質に関する事項〕のうち、
「ア伝統的な言語文化に関する事項jでは、
r(了)易しい文言百周の短歌や俳句について、情景 を思し、浮かべたり、リズムを感じ取りながら音 読や暗唱をすること」と示されている。また、
〔第5学年及び第6学年〕では「
σ )
親しみゃすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章につい て、内容の大体を知り、音読すること」と示さ れている。このように日本の伝統的な言語文化 によって生み出された作品が注目されて、「音読 や暗唱Jを通じて、日本の言語文化に親しんだ り、豊かな古音感覚を養うように示されている。
しかし、古文や漢文といった作品だ、けが伝統 的な言語文化ではない。現代の言語生活を成立 させている呼吸や発声・発音も日本の伝統的な 言語文化と見なければならない。このように日 本の伝統的な言語文化を捉えれば、国語科教育 において古文・漢文の作品を読むだけでは不十 分である。私たちが現在使用している言語こそ、
紛れもなく日本の苛吾文化の上に成り立ってい るのであり、日本の伝統的言語文化を生み出し、
現代の言語を支えている呼吸や姿勢、発声・発 音を学ぶことも重要ではなし泊、
また、発声・発音の半分は呼吸で決まると言
指導教員 余 郷 裕 次
われている。そして、呼吸の半分は姿勢で決ま ると言われている。これは国語科において発 声・発音を扱う場合、呼吸や姿勢の問題を無視 することができないことを意味している。そも そも優れた発声・発音とはどのような発声・発 音を
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旨すのか。また、優れた発声・発音はどの ような呼吸から生まれるのであろうか。さらに、優れた発声・発音を生み出す呼吸はどのような 姿勢から生まれるのであろうか。そこで私は、
発声・発音指導の在り方を求めて、発声・発音 と呼吸と姿勢の関係性を明らかにするとともに、
発声・発音指導における呼吸の指導や姿勢の指 導の在り方を明らかにしたい。
E 論文の構成
はじめに研究の聾麟と目的と方法 第1章優れた発声とは何か
第1節先行研究に見られる優れた発声・発
コ 乞日
第2節先行研究に見られる優れた発声・発 音の条件
第 3節先行研究に見られる優れた発声・発 音を支える呼吸
第4節先行研究に見られる優れた発声・発 音に支える姿勢
第2章発声・発音のサウンドスペクトログラ ムによる分析
第1節先行研究に見られる発声・発音にお ける分析結果
- 228 - 第2節姿勢と呼吸の訓練前後の発声・発音
の分析
第3節優れた発声・発音を生み出す呼吸法 と姿勢
第3章国語科における発声・発音指導の提案 第1節優れた発声・発音を生み出す姿勢の
指導
第2節優れた発声・発音を生み出す呼吸法 の指導
第3節発声・発音指導の在り方 おわりに研究のまとめ
E 論文の内容
第1章第1節では、「聞き取りやすしリ発声・
発音とは、科学的には3000"‑'4000Hzの周波数 帯の成分を含んでいるということが明らかにな ったO
第2節では、聞き取りゃすい発声・発音の条 件が、腹王相手吸であることが明らかになった。
第3節では、私たちは胸郭のスペースを広げ て肺に空気を入れる胸式呼吸と、横隔膜の上下 によって肺の周りのスペースを広げる腹式呼吸 を併用して呼吸していることが明らかlこなった。
腹式呼吸とは横隔膜を優位に用いた呼吸法なの である。また、腹式呼吸を成立させるために、
吸気のための筋肉として発達した横隔膜や外肋 間筋を、呼気の際にも「息の支えj として用い ることが重要であることも明らかになったO
第4節では、腹舟乎吸を成立させる条件とし て、横隔膜や外肋間筋などの筋肉群に、余分な 力みのない姿勢が必要であると明らかになった。
その姿勢とは、地球の重力方向に「真っ直ぐ」
ぶら下げられた姿勢であり、真っ直ぐな姿勢に より上半身がリラックスすることで、舌根が下 がり、喉頭蓋が立つ。喉頭蓋の司勤によって体 積の変化する空間を本研究の便宜土「喉頭蓋側
共鳴腔」と名付けた。喉頭蓋が立つことで、喉 頭蓋側共鳴腔の体債が多くなり、その部分での 共鳴がしっかりとできる。さらに、声帯で発生 した喉頭原音が、喉頭蓋側共鳴腔を通じて鼻腔 や口腔といった他の共鳴腔に龍ることなく届く
といった共鳴の助長が期待で、きる。「のどの奥を 聞いて声を出しなさい」など、経験的知識によ って行われてきた指導は、喉頭蓋側共鳴腔の体 積を確保するための指導であり、先に述べた理 由から真っ直ぐな姿勢や腹式呼吸が必要なので ある。
第2章では、聞き取りゃれ、発声・発音を身 につけるための訓練姿勢と腹式呼吸の訓練は妥 当であるかどうかを明らかにするためにサウン ドスペクトログラムを用いた実験を行った。サ ウンドスペクトログラムでの分析において 15 人中 14人の発声・発音に効果が見られ
t . co そ のことから、姿勢と腹式呼吸の訓練が聞き取り やすい発声・発音を身につけるための訓練とし て、妥当であることを検証した。
第3章では、発声・発音指導の在り方として、
姿勢、呼吸の基礎的な指導の段階を経てから、
声の表現技法や口形の指導を行うといった、系 統的な指導が行われるべきであると提案した。
そのためにはまず、教師自身が身体の構造キ機 能を踏まえた上で、子どもたちに聞き取りゃず い発声・発音の手本を示していく発声・発音指 導の在り方が必要であると提案した。
N 主要参考文献
野口三千三 2003[F原初生命体としての人間』
岩波書庖
余鋼裕次 2013
r
発声・発音の学習指導に関す る研究の成果と展望.J[F国語科教育学研究の成 果と展望I T
Jl学芸図書米山文明 2011 [F声の呼吸法』平凡社