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フォトニックネットワークシステム技術の研究開発

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Academic year: 2021

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(1)

3. 1. 2 新世代ネットワーク研究センター 超高速フォトニックネットワークグループ

グループリーダー  和田尚也 ほか 11名

フォトニックネットワークシステム技術の研究開発

【概 要】

 光の属性を極限まで効率的に利用する最先端のフォトニックネットワークシステムを実現するため、低消費 電力光ネットワークノード技術、極限高効率光通信システム・光信号処理技術に関する研究開発を行っている。

(1) 1宛先ラベル当り数十ピコ秒の光処理技術と、パケット交換時のエネルギー効率が飛躍的に向上する、最 先端の光処理超高速・低消費電力光パケット交換ノード構成技術を確立する。

(2) 対位相雑音特性に優れた NICTオリジナルの位相同期検波方式及び光サブシステム構成などにより、帯域 当たり極限の情報伝送効率及び極限高効率光信号処理技術を実現する。

【平成 22年度の成果】

(1) 光の多重性を利用した光ラベル処理技術と、その光通信システムへの応用研究 パケット通信では、それぞれのパケットに宛先情報(ラ

ベル)が付加されており、光信号でパケットを伝送する フォトニックネットワークでは、光信号のラベルの生成お よび識別処理が重要で高度な技術を要する。

NICTでは、1台の回路で同時に複数のラベルの生成お よび識別処理行う技術を研究しており、平成 22年度は、

処理可能なラベル数を中期計画目標の 1,000個(2の 10乗 程度)より大幅に増加(最大で 2の 50乗)する方式の実 現可能性を明らかにし、実験実証により 4,096個の光ラベ ル処理技術を確立した(図 1)。また、光ラベル多重処理 技術の 40G化に関する研究を実施し、光ラベル処理時間を 自らが持つ従来記録の 1/4に当たる 25ピコ秒まで高速化 することに成功した。

(2) 超低消費電力ノードシステム

世界最速(最速電気ルータの 32倍)の入出力インタフェースと光バッファを有し、毎秒 1ビット当たり のスイッチングに要する消費電力を、数百ピコ W/bpsにまで低減可能な、1.28Tbps/port光パケットスイッ チプロトタイプ(図 2)を用い、NICTテストベッド JGN2plusで 100km フィールド伝送実験に成功した

(図 3)。

また、従来の光通信で用いられ てきた強度変調(OOK)だけでは なく、差動位相変調(DPSK)や、

差動 4値位相変調(DQPSK)等複 数の変調フォーマットの信号を、

同一のノードシステムで交換可能 とする光処理基盤技術の実験実証 を行った。さらに、光パケット交 換と光パス交換とを統合した世界 初の「光パケット・光パス統合ノー ドシステム」の実現に向けた基盤 技術として、光パケット交換ノー ドと光パス交換ノードの協調動作 に成功した。

3.1 新世代ネットワーク研究センター

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図 1 光符号処理回路1台当たりの処理可能符号 (宛 先ラベル )数

図 2 光パケットスイッチプロトタイプ yoshida Title:p014̲015-3̲1̲2.ec7 Page:14  Date: 2011/09/26 Mon 18:34:15 

(2)

 3.1 新世代ネットワーク研究センター

(3) 多値実時間復調技術

6bit/symbol以上の多値実時間復調技術においては、光源のスペクトル線幅に対する要求条件を大幅に軽 減する光位相雑音除去法とデジタル歪補償技術の高度化を推進し、64QAM (6bit/symbol)の実時間復調 伝送実験に成功した。さらに、256QAM(8bit/symbol)での位相雑音許容光ファイバ無誤り率伝送の実現 可能性をシミュレーション実証した。

100Gbps超級を目指したデジタルコヒーレント光送受信技術に関する総務省直轄研究において、複数の民 間企業(キャリア、ベンダー)とともに引き続き協力し、平成 23年度に予定されるフィールド伝送評価に 向けた基本技術の研究に着手した。

また、次期中期計画に向け、光通信インフラの飛躍的な高度化のための光イノベーション技術(EXAT)

に関して、研究会を主催し 2本の報告書を取りまとめた。関連技術の研究開発として、ファイバーフューズ の高速検知と素子技術を開発し、IEC (InternationalElectrotechnicalCommission) への標準化提案を行っ た。さらに、マルチコアファイバの設計ツールとして標準的に使用可能なシミュレータを開発し(図 4)、

マルチコアファイバと結合装置を開発した。これらの装置を用いて伝送容量の限界に挑み、1本の光ファイ バ で 109Tbpsの 世 界 最 高 伝 送 記 録 を 樹 立 し、平 成 23年 3月 に 開 催 さ れ た 光 フ ァ イ バ 通 信 国 際 会 議

(OFC/NFOEC2011)において、最難関であるポストデッドライン論文に採択された。

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図 3 フィールド伝送実験

図 4 マルチコアファイバのイメージと開発した汎用シミュレータ画面 yoshida Title:p014̲015-3̲1̲2.ec7 Page:15  Date: 2011/09/26 Mon 18:34:15 

参照

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