• 検索結果がありません。

ThePrinciplesofTeachinginPhysical-KnowledgeActivities 乳幼児の遊びとその指導法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ThePrinciplesofTeachinginPhysical-KnowledgeActivities 乳幼児の遊びとその指導法"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

乳幼児の遊び とその指導法

‑ 「 物と関わる遊び」における保育者の言葉かけと手だてを通して ‑

ThePr i nc i pl e sofTe a c hi ngi nPhys i c a l ‑ Knowl e dgeAc t i vi t i e s

( 2 0 0 5

3

31

日受理)

尾崎 恭子 加藤 春彦 長贋真理子

Os ak iKyoko Kat oYas uhi ko Nagahi r oMar i ko Keywor ds:

乳幼児の遊び,言葉かけと手だて,物 と関わ る遊び

要 約

『幼稚園教育要領』および 『保育所保育指針』において,乳幼児期の遊びは重要 な学習であ り,遊びを通 して総合的 に指導す る重要性が述べ られている。 しか し,子 どもたちの発達を促すためには具体的に どのような言葉かけや手だて をすればよいのかについては,は っきりしないのが現状であ り,実際の遊び場面 における言葉かけと手だての内容を明 らかにす ることが重要である。

そのような視点か ら,本研究は 「物 と関わ る遊び」を取 り上げ,カ ミイ ら (

1 9 8 5)

の研究にもとづいて,その指導法 を明 らかにす ることに した。本研究ではまず,理論的な観点か ら指導上の原則を明 らかに し,さらに,遊びの導入場面 , 遊びの展開場面,遊びの終わ りの場面にわけて具体的な言葉かけと手だてを示 した。最後に,それ らの具体的な指導法 にもとづいて,

5

歳児のボー リング遊びにおける言葉かけと手だてを考察 し,保育者の望 ま しい言葉かけと手だての内 容をまとめた。

序 請

遊びは,『幼稚園教育要領』では,「心身の調和のとれ た発達の基礎 を培 う重要 な学習である。」 と明記され て お り,『保育所保育指針』においても,「乳幼児期にふさ わ しい体験が得 られ るように遊びを通 して総合的に保育 を行 うこと。」 と記され ている したが って,多 くの保 育者は,"遊びを通 しで '"総合的に"指導す ることの重 要性については認識 しているが, しか し,実際の遊びに おいて,具体的にどのような言葉かけや手だてをすれば よいのかについては,は っきりしないのが現状である。

遊びにおける言葉かけと手だてについての研究は, カ ミイ らが開発 した物 と関わ る遊びについての研究

( Ka

mi i ,C. & De Vr i e s,R.1 97 8)

や集団遊びについての研

( Kami i ,C.

&De

Vr i e s,R.1 9 8 0)

,デプ リーズ らの

研究

( De Vr i e s,R

,∑an,B.,Hi l d e br andt,C. ,Edmi as t on,R. ,Sa l e,C.2 0 02)

があげ られ る

そこで,本研究では, カミイとデプ リーズの研究にも とづいて,「物 と関わ る遊び」の言葉かけと手だての原 則を明 らかに し, さ らに,̀̀ボー リング遊び" を取 り上 げて,より具体的にどのような言葉かけや手だてをすれ ばよいかについて明 らかにす ることにす る。

(1)

「物 と関わ る遊び」 とは

「物 と関わ る遊び

は, カ ミイ らによって開発 された

「物理的知識に基づ く遊び」のことであ り,ピアジェ派 カリキ ュラムの中で,集団ゲームと共にその中核をなす ものである。その呼称は,知識の内容,獲得の しかた, その知識の源の違いによって区別された

3

つの知識の内 の1つ,「物理的知識」に由来 している。

(2)

乳児期か ら幼児期の子 どもは,何でも口に入れた り, さわ った り,い じくりまわす。 (探索行動,い じくり期 と呼ばれ る)こういった現象は,子 どもが 自分をとりま く世界のいろいろな物を知ろうとしている行動であ って, 乳幼児の発達の核心、をなす ものである。物理的知識を十 分身につけていると,子 どもの世界は,それだけ豊かに なり,さらに作 り出 した り,利用 した り,表現 した りす る世界も一層豊かになって くる。学習に対す るこうい っ た考え埠,子 どもは大人や先生に教えてもらうことによっ て,いろんなことを学ぶのだという伝統的な考え方 と大 変異 っている。積極的な子 どもは, 自分をとりまくいろ んな事物に対 して,常に好奇心を持 ち敏感である。そ し て自発的にそれ らを試 してみようとす る。 したが って, できるだけ素材性豊かな物的環境を準備す ると共に子 ど も自らが,いろいろな事物に働 きかけるような態度や活 動を促す ことが保育者の1番重要な手だてとなるのであ る。物 と関わ る遊びを通 して,子 どもたちは物理的な知 識だけでなく,いろんなふうに物に働 きかけ,多 くの要 素を関係づけて考えている。そうい った意味で子 ども自 身,考える質 と量が良ければ良いほ ど,又,多ければ多 いほ ど,発達全体が豊かになるのである。そ して, こう いった教育のや り方がよいのは,時間,空間,論理 ・数 学的知識,言語 などのあ らゆる分野が関連す る遊びを通 して,子 どもたちが総合的に自分の知識を発達 させてい くことができるか らである

例えば,「ボー リングあそび」を例にとって説明 しよう。

ボー リングゲ‑ムは,子 どもたちがボールとピンなどを 関連づけることによって,いろいろな知識を総合的に発 達 させ ることができる。間隔の十分にあいた莫 っす ぐに 並ぶ2本の ピンの間にボールを転が して遊んでいる時, 子 どもたちは, ピンの間の間隔を狭めたほうがいいと思 いっいて, ピンの間隔をせばめて両方の ピンに当てる。

こういった ピンの倒 し方がわかると,つぎに子 どもたち は,一回でた くさんの ピンを倒すや り方を考えようとす る。 これ らは,子 どもたちが 自分の望む結果を作 り出す ために,物に働 きかけなが ら位置や場所や方向について 考えている 「空間的思考」の例である。時間的思考 も又 , こうい った遊びの過程の中にみ られ る。即 ち,今回はこ うなったけれ ど,前回の時はどうだ った,前 々回の時は どうだ った等 々について考えるのがそれである。

発達のもう一つの側面は,論理 ・数学的知識のひとつ である 「分類」である。 ピンの他に どんなものが倒せ る か子 どもたちがさがす場合,たいていお皿のような物で はなく,長い積木のような物を選ぶ。 これは,子 どもた ちが,ボールを当てると倒れ る物 と倒れ ない物に,それ ぞれを分類す ることを示 している。

子 どものいろいろな行為 (ピンを並べるということと, ボールをいろいろに転がす ということ)と,それに対す る物の反応 (ピンがいくつか倒れるということ)とをマ ッ チさせ るためには,子 どもたちはいろいろな事実 (原因 と結果)の間にどういう関係があるかを構造化 しなけれ ばならない。第1回 目にボールが ピンより左に行きすぎ, 第2回 目には右に行 きすぎ, 3回 目で また少 し右に行き すぎたが,前回よ りはそんなに外れていないというよう に,子 どもが どうや った時にどうなったかということを 関係づけている。 も し,子 どもがこういった関係づけを すれば,

4

回 目の成功のチ ャンスは ぐんとふえるであろ う このように子 どもは, 自分の働 きかけと物の反応を 関係づけることによ って,「論理性」 を発達 させてい く のである。

子 どもたちは叉,ボー リングゲームを しなが ら数量に ついても学んでいる。

3

歳では 「ボクはこれだけ倒 した よ」 とか 「た くさん倒 したよ」 というふうに,大まかな 数量 しかわか らないが,4歳〜 5歳になると,倒 した ピ ンの数を数えることができるようになる そ して

6

歳〜

7

歳になると得点をつけたが り,最初は,

1

回ごとの数 を足 してみんなの合計を出すようになる (計数,数唱, 足 し算と引き算)。子 どもたちは, こういった自分にとっ て意味のある状況のもとで,もっと自律的に算数を学習 しているのである。 (保育者は,数 を暗唱 しているだけ の場合と,数の意味がわか っていることとの違いをはっ きりと知 っておかなければならない。数え方や読み方, 書き方を教えるよりも,もっと大切 なことは,子 どもの 頭の中に数の構造を作 り上げることである)0

さらにボー リングゲームは,子 どもの言語と社会性を 発達 させ るのにも役立 言語は無意味な練習をさせ る よりも, 自分にとって必要なことを相手に伝えようとし て使われ る時に最 もよ く発達す るのである。例えば,み んながみんな1番にや りたい時,子 どもは自分たちでこ の間題を解決 しなければならないことを迫 られる。1番 ,

(3)

2番,3番 といった言葉 も,そういう自然な状況のもと で,習得されるのである 子 どものケンカです らも,千 どもたちがお互いに受けいれ られる解決策を話 し合うこ とによって,子 どもの社会性を伸ばすのに役立っのであ るこ

このように,物と関わる遊びには,子 どもたちが総合 的に自分の知識を発達させ,論理的に考える機会がた く さんある。

(2) 「物と関わる遊び」の3つのタイプ 1)物を動かす活動

観察よりも動かす活動の方が重要な役割を果すもので, 物を押す,転がす,すべ らせ る,傾かせ る,投げる,落 す,吹 く,吸う,引 っぼる,ゆする,振 り回す,バラン スをとる,ける,などして遊ぶ活動が含 まれ る。

2)物を変化させる活動

動かす活動よりも観察の方が重要な役割を果すもので, 料理す ること,氷や水で遊ぶ こと,陶器をつ くること,

ロウを溶か しロウソクをつ くること,絵の具を混ぜ るこ と,粉絵の具 と水を混ぜ ること,絵の具をかわかす こと などの遊びが含まれる。

3)物を動かす活動と物の変化を観察す る活動が共に重 要で分ける事の出来ない活動

水に入れて浮 くか沈むかをみる,ふるいにかける,か げふみ遊び,鏡で遊ぶ,虫メガネでみる,磁石で遊ぶな

どが含 まれ る。

(3) 「物と関わる遊び」を選ぶときの基準

物 と関わる遊びを選択するにあた って,次の

4

つの基 準に留意す ることが大切である。

1)子 どもが自分自身の働きかけによって,物を動かす ことができるもの。

物と関わる遊びは,子 ども自身が物に働きかけること と,それに対する物の反応を子 どもが観察す ることが根 本になる。つまり,選択する遊びは,子 どもが 自分 自身 の働きかけによって,何かを作 り出すものでなければな らないということである。例えば,ボー リングの場合, ボールを転がすとピンが倒れるというように,子 どもが

働 きかけたこと (ボールを転がす こと)によって,物を 動かす (ピンが倒れ る)ことができる。

2

)子 どもが働きかけ方を変化させることができるもの。

子 どもが働きかけを変えると,それに応 じて物の反応 に変化が起 これば,子 どもが法則性を構成す る機会にな る。例えば,ボー リングゲームの場合,右に転がす と右 の ピンしか倒れなか ったので,次はまっす ぐ転がす こと に したというように,動きを変化させ ることができる。

また, しゃぽん玉の場合では,例えば,丸いワクを吹い た ら, しゃぽん玉ができなか ったので,次は振 ってみる ことに しようというように,子 どもが 自分の働 きかけを いろいろ変え られ ることが大切である。

3)物の反応が観察できるもの

子 どもが原因と結果を関係づけて,両者の規則性 (因 果関係)を構造化す るためには,子 どもの働 きかけに対 す る物の反応 (動きや変化)がはっきり観察できること が大切である。 したが って,保育者が どんな素材を選ぶ かによって,観察は確かなものにもなるし,不確かなも のにもなるのである。例えば,色水遊びでは,不透明な 容器を使うと,観察を妨げて しまうし,透明な容器を使 うと,色の変化が観察できる。

4)物の反応がす ぐに起 こるもの。

物の反応がす ぐに起 こることで,子 どもは自分が した 働きかけ (原因)と,それによって起 こった変化 (結果) とを関係づけることができる。例えば,ボー リングでは, ボールが ピンに当たるとす ぐ倒れ るし,当た り方によっ て倒れ方も散 らば り方もさまざまである。つまり,当て るという原因と倒れるという結果がす ぐにあ らわれ, し かもその反応を子 どもが 目で見ることができるというこ とが大切である。

(4) 「物と関わ る遊び」の内容

以上の視点か ら乳幼児に適 した遊びの内容を以下に示 す。

(4)

表 1.物 と関わる遊びの リス ト

遊 び 名 該 当 年 齢

・物 .動遊のきをうびとちな. とい遊び 4‑ 5歳児

ボJ )ング遊び 1‑ 5歳児

ブローイ ング遊 び 4‑ 5歳児

振 り子遊び 1‑ 5歳児

ビー玉遊び 4‑ 5歳児

バ ランスゲーム 4‑ 5歳児

ピックア ップステ ィック 4‑ 5歳児

影遊び 4‑ 5歳児

ローラー遊 び 4‑ 5歳児

ドミノ倒 し 2㌻ 5歳児

クーゲルバー ン 3‑ 5歳児

ジ エンガ 3‑ 5歳児

斜面遊び 1‑ 4歳児

磁石遊 び 4‑ 5歳児

空 き箱 自動車 4‑ 5歳児

レゴブロ ック 3‑ 5歳児

浮 くもの沈む もの 5歳児

物の 変 化を 伴う

遊び ‑ク ッキ ング 1‑ 5歳児

水遊び 1‑ 5歳児

シ ャボ ン玉 1‑ 5歳児

色水遊 び 1‑ 5歳児

氷作 り 4‑ 5歳児

小麦粉粘土 1‑ 5歳児

土粘土 4‑ 5歳児

フ ィンガーペイ ン ト 1‑ 5歳児

物 と関わる遊びの指導法

(1) 指導上の原則

構成論か ら示唆 され る教育 の方法は,伝統的 な教育 と は大いに異 なっている。意識的であるにせ よそ うで ない にせ よ,今 なお多 くの保育 者 た ちが抱 いてい る経験 論

( e mpi r i c i s m)

的 な学習理論では,保育者 による知識の 教示 と子 どもの理解,賞罰 による強化,そ して従順 さが 求め られている。一方,構成論 によれば,保育者による 教示 よ りも子 ども自身 による自発的 な構成,強化 よ りも

興味,従順 さよ りも自律性,そ して,子 ども同士の相互 作用 と協 同が求め られ る。そ こでは,保育者はまず子 ど もを受容 し,子 どもとの間に愛情 と信頼 のこもった社会 情緒的人間関係 を築 くことが大前提 となる。そ ういう前 提 の下で,指導の原則 をい くつかの発達的側面か ら具体 的 に示す と以下 の通 りである。

1

)情意的側面か ら

・保育者は,子 どもの気持 ちや感情 を受け容れ,子 ども が 自分の意思で判断 し行動す ることを励 ましているか。

(5)

(内的統制 >外 的統制 )

・保育者 は,子 どもた ちが生 き生 きと楽 しく活動 してい ることに敏感 であ るか。

(内発的興味 >外的強化,能動的 >受動的)

2

)知的側面 か ら

・保育者 は子 どもに教 え るよ りも,子 ども 白身で考 え る よう促 しているか。 (思考 >教授 )

・保育者 は子 どもが経験 してい ることを理解 し,子 ども に 自分 自身 で考 え させ る (論理数学 的知識 ),や って み させ る (物理 的知識 ),教 え る (社会 的知識 ) とい う

3

種類 の言葉かけを使 い分けてい るか。

(援助 >指導 )

3)社会的側面 か ら

・保育者 は,子 どもがで きるだけ 自分の ことは 自分で し ょうとす る態度 を励 ま してい るか。

(自立 (責任 )>依存 )

・保育者 は,子 ども同士 の意見のや りと りを促 し,子 ど も間の協 同を励 ま してい るか。 (協 同 >強制 )

4

)道徳的的側面 か ら

・保育者 は,賞罰や権威 を用 いず,子 どもた ちが善悪や ルールに基づ いて 自分達で問題 を解決 しよ うとす る態 度 を励 ま してい るか。 (自律 >他律 )

(2)

具体 的 な指導法

物 と関わ る遊 びの導入時,展開, まとめの

3

つ の段階 におけ る保 育者 の指導上 の留意点 を まとめ ると,次 のよ うになる。

1)遊 びの導入場面 で

遊 びを始 め るにあた って,次の

3

つ の遊 び方 を導入 し てい くことが大切であ る。

① 子 どもた ちの 自発性 を最大 限に生 かす ような方法で遊 びを紹介す る (第1段階 の遊 び)

保育者 は, まず子 どもが 自然 な形 で引 きっ け られ る素 材 を用意す ることが大切 であ る。そ して,保 育室 に子 ど もた ちが興味 を引 くよ うな素材 を出 して,「これ らの物 を使 ってで きると思 う遊 びを, どん なことで もいいか ら

や って ご らん なさい」 と言葉かけす るだけで,子 どもた ちは興味や 自発性 を示す。

例えば,初めて,振 り子 に出会 うと,子 どもは誰で も, 振 ってみ た り, くる くる回 してみ た り,押 してみた り し ているい るに振 り子 に働 きかけ る。 こうい った言葉 かけ によ って,子 どもは,物 を使 っていろん な遊 び方 をつ く り出す ことを動機づけ られ, いろいろな方法で物 に働 き か け よ うとす る(こん なふ うにもで き るよ, あん なふ う に もで きるよ‑遊 びの広が り)。

② ある結果 を作 り出す遊 びを導入す る。(第2段階 の遊び) 保育者 は,子 どもが どの ように物 に働 きかけて遊 んで いるか をよ く観察 し,時期 を見 て,次 に,子 どもが興味 を持 て るような, あ る結果 を作 りだす遊 びを紹介す るこ とがで きる。す なわ ち,

「 ○

○ が で き ます か ?

とい う 言葉かけを して, あ る活動 を子 どもた ちに提案す るや り 方であ る (遊 びの深 ま り)。

子 どもた ちが 自発的 な遊 びを十分 した後や,その物 の 使 い方 をよ く知 ってい る場合 には,保育者 はす ぐにあ る 課題や 目標 (‑がで きますか ?)を提案すべ きであ る。

子 どもた ちの興味が先生 の提案 と違 った とき,子 どもが それ を拒 否 で き るよ うな 自由な雰 囲気が あれ ば (保 育 者 と子 どもの人間関係 が権 威的 なもので なけれ ば),課 題 を与え ることは, なん ら,子 どもの 自発性 を妨 げ るもの では ない。む しろ, こうい った言葉かけ によ って,子 ど もはあ る 日標 を達成す るため に, よ り深 く豊か な物理的 知識や空間的,時間的推理 を促 され るのであ る。

なお,子 どもた ちが相互 にかかわ りなが ら一緒 に遊ぶ ことは大切 であ るが,その前段階 と して, まず,一 人一 人の子 どもが 自分で使 え る十分 な素材 を与え て,一人ず つ の子 どもが並行的 に遊べ るや り方か ら始め るのが適切 であ る。 こうすれ ば子 どもた ちは,一人一人 自分の もの を使 って,十分 に 自分 の したい ことがで き, 自発性 を育 て ることがで きるか らであ る。集 団ゲー ムの前提 となる 子 ども同士 の相互作用や協 力は,初 めか ら保 育者 によ っ て課 され た ̀̀協 力" か らよ りも,子 どもた ちの並行 的遊 びか ら, よ り自然 に生 まれ発展 して くるものなのであ る。

③ 集 団ゲームに発展 させ る。 (第

3

段階 の遊 び) あ る活動 に焦点 を しぼ った遊 びが盛 り上が った り,逮

(6)

に飽 きてきた りしたとき,保育者はその遊び方 を第2段 階の遊びを集団ゲームに発展 させ ることができる。そ し て,それによ って,物理的知識以外 にもた くさんの発達 を (道徳的,言語的,社会的,論理 ・数学的知識)を促 す ことができる。例えば,マ ト当て遊びか らボー リング ゲームへ と発展 させ るのがそれである。

2

)遊びの展開場面で

遊びが展開 されている途中で,保育者が留意すべ き点 は次のようなものである。

①子 どもたちが どんなことを考えているかを理解 し,チ どもの考えにそ って関わ ること

子 どもは知識を外側か ら大人に教えてもらうことによっ てではな く,内部か ら自分で構成す るのであれば,保育 者は子 どもが どんなふ うに考えているのか,その考えに そ って子 どもと関わ らなければな らない。

言葉かけ と手だてを区分 してその具体例を示せば,次 のようになる。

く保育者の言葉かけの例)

遊びの中での保育者の言葉かけのタイプは次の

3

つで ある。

ィ.物に働 きかけ,それが どのような反応をす るか見 る 第1段階の遊びの時

・「あなたが‑ した ら,それは どうなると思う ?」

・「‑ した らどんなになるか,いろいろため してみ ま しょ う ?

ロ.望むような結果をっ くり出す第2段階の遊びの時

・「あなたは‑できますか

? 」

・「あなたが〜できる他の物を見つけ られ ますか

?」

・「どうや って‑ したの

?」

・「どっちが うまくい くか しら?

・「どっちがや さ しか しら

?」

・ 「 ○

○ ち ゃんは〜 を違 った声、うにや っているけれ ど, どうや ってや ったのか ら

?」

・「も し, あ なたが‑‑‑した な らば,何かちがいがで る か しら?

く保育者の手だての例)

一般的に,幼児は言葉 よ りも行動 に強い関心 を持 って いるので,保育者は言葉 よりも何か具体的な行動を通 し 関わ るほうがより効果的である。

ィ.子 どもが 自分で実験や観察をすすめ られ るよう,具 体的に子 どもの手助けをす る。

いろいろな物を使 ってやることを思いっけばっ くほ ど, 子 どもが 自分1人でや ることができない問題がでてきる。

そのような時,子 どもがいろいろ試せ るよう,保育者が 手助けす ることが必要である。

ロ.比較を促すための物を与える。

状況に応 じて物を補填す ることによ って,いろいろ比 較 した り,関係づけて考えた り,試 した りす る活動を高 め ることができるO

ハ.新 しい可能性 をそれ とな く保育者がや ってみせ る。

子 どもの遊びが停滞 して進 まないようになった り,輿 味が な くなった りした時,保育者が新 しいアイデ ィアを や ってみせ ると子 どもたちの活動をもう一度活発にさせ ることができる。

これ らの保育者の言葉かけや手だてをす るときには, さらに次の点についても配慮 してお くことが必要である。

遊びの中での保育者の役割を強調す るあまり,保育者 が絶えず,子 どもの遊びに関わ るのは望 ま しくないとい うことである。すでに述べたように,子 どもたちの 自律 性を育てようとす る限 り,保育者の言葉かけや手だては 控えめにす るべ きである。言葉かけや手だてのタイ ミン グが悪か った り見当違 いの場合は,子 どもたちが無視 し に くいだけにもっと悪 い結果 になって しまう。子 どもの 遊びを妨害す るような言葉かけや手だてになっていない か どうかについて,保育者は特 に敏感でなければならな い。結論 と して言えることは,子 どもが 自発性をもって 遊んでいる時には,原則 と して遊びに直接かかわ らない で見守 ることである。 しか し,子 どもの 自発性が とだえ たような時には,子 どもの興味をそそ るようなアイデ ィ アや問題を提供す ることが必要 になって くる。そ して, それが押 しつけになっていなか どうかは,子 どもの反 応 によって決めることが大切である。

②子 ども同士の相互作用を促す。

並行的な遊びが (一人ずっの遊び) うまくい っている 時,保育者の次の役割は,子 どもたちが相互に調整 し合 っ た り協力 し合 った りす る相互作用 を増やす ことである。

(7)

相互作用を促す言葉かけは次のようなものである。

ィ.予測させ ること 「もし〜 した ら, どうなるか しら?

この言葉かけは,子 どもたちの不確実な点 と他の子 ど もたちか らの予測を引き出すので特に有効なものである。

しか し,場合によっては子 どもの思考の流れを邪魔す る ことにもなるので, この質問のタイ ミングは,よ く状況 を把握 した上で しなければならない。

ロ.望むような結果 をつ くり出させ ること 「‑ができま すか

?」

望む結果をつ くりだす こと (第2の段階の遊び)につ いて,子 ども相互の関わ りを促す方法は,みんなの前で 難 しい課題をとりあげた り,誰かこれができるか しらと 尋ね ることである。そうすれば, 自然に子 どもたちが比 較 した り, まねた りす るのを促す ことができる

ハ. どのように して望むような結果をつ くり出 したか, 気づ くようにさせ ること 「そうや るのには, どのように

したの

?」

どうや って したか他の人に説明 している間に,子 ども たちは しば しば 自分が無意識に していることがは っきり とわかるようになる こうい った言葉かけは, どうや っ た らできるかを他の子に教えてあげる子 どもにとっても,

どうや ってその結果をつ くり出 したかを考えている子 ど もにとっても有益 なものである

3)遊びを終わ る場面で

遊びの後で,子 どもたちが見つけ出 したことや望むよ うな結果を どのように して作 り出 したかについて,一緒 に話 し合いなが ら考えてみ ることは大切 なことである。

このような話 し合いでは,子 どもたちが 自分がや った こ と, 自分が観察 した ことを率直に出 し合い,子 ども同士 の活発 な話 し合いを促す ことが重要である。他の子 ども の指摘についてまじめに考えた り,それをみんなが どの ように考えたかが重要 なのであ って,保育者が聞きたい と望んでいた り,意図 した りしている正 しい答えを考え 出させ ることではない。 ここで重要 なことは,そのよう な話 し合いを通 して,子 どもが脱中心化 し, 自分の考え や既存の知識 を修正できるような,̀̀敏感 ざ'を育てる ことにあるのである。

実践例 「 ボー リング遊び」における 言葉かけと手だて

以下のような環境構成にもとづいて,

5

歳児のボー リ ング遊びにおける保育者の言葉かけと手だてを観察 した。

そ して, カミイ らの 「あそびの理論 と実践」の

3

つの段 階の遊びの導入方法を参考に して,その結果を考察 し, 保育者の望 ま しい言葉かけと手だての内容を以下のよう にまとめた。

(1)

1

段階の遊び :倒 して遊ぼう 1)環境の構成 と準備物

①用具 ボー リング

3

セ ッ ト (

1

グループ

1 5

本) ボー リングの球 7個 (子 ども1人につき1個 +保育者1個)

②人数

6

人 (

3

1

組)

2

)望 ましい言葉かけと手だて

①保育者は, ピンを図のように1本ずっ,間隔を開けて 一列に並べ る。

②投げ る位置に子 どもたちを集めて,「これか ら,向こ うにあるた くさんの ピンを倒 して遊ぼう

A

チームは,ボールを転が してこちら側にあるピンを 倒 します。

B

チームはあちら側にあるピンを倒 して遊 び ま しょう。」 とい って,1人 1個ボー リングの球 を 渡 し,「さあ,うまく倒す ことができるかな ?

と言っ

て始める。

③保育者は子 どもたちが投げることに集中できるように, また,できるだけ多 くの回数を投げ られ るように,保 育者が倒れた ピンをもとに戻 してや り,子 どもたちに

どん どん投げさせ る。

④ ある程度ボールを投げる経験を した ら,少なくなって きた ピンをそのままに しておき,子 どもたちが集中 し 工夫 して倒せ るよう促す。 (倒れた ピンをそのままに

してお く。)

⑤保育者は子 どもたちのボールの投げ方や,投げる位置 , ピン トボールとの空間的関係づけなどを注意深 く観察 した後,時期を見て, どのような投げ方をすればより 多 くのピンを倒すかについて,みんなを集めて話 し合 っ た り,ア ドバイス した りす る。

(8)

※当てるためには,物理的知識 (力の入れ方,転が るス ピー ド, 当た る強 さ),空間的知識 (方 向,位置,並 べ方),運動的調整力,習熟 (練習) な どの要素が関 係 しているので,次のポイ ン トに留意す る。

※ア ドバイスの

3

つのポイ ン トは,ボールの握 り方,立 ち方,手の振 り方である。必要 に応 じて,投げ方の基 本ができているか,個別 に指導す る。

そ して,子 どもたちが転が して倒す ことに慣れてきた ら,次の遊び方を提案す る。

(2) 第2段階の遊び

第2段階のこの遊びでは,第1段階の 自由な遊びで, 子 どもたちが どのように物 に働 きかけて遊んでいるかを 注意深 く観察 した後,時期 を見て,子 どもが興味を持て るような 「ある結果 を作 り出す遊び」を導入 してい く。

す なわ ち,‑ができますか ?という言葉かけを して,一 定の活動に焦点を しぼ った遊び方を提案す る方法である。

この段階の遊びの2つの活動を紹介 しよう

1)第2段階の遊び :みんなで全部の ピンを倒せ ること ができますか ?

①環境の構成 と準備物

ノ仁 用具 ボー リング4セ ッ ト (1グループ2セ ッ ト) ボー リングの球

6

個 (

1

1

個)

ロ.人数

6

人 (

3

人1組)

②望 ま しい言葉かけと手だて

1.保育者は10本の ピンを2列 に並べ る。

ロ.投げる位置 に子 どもたちを集めて,「今度は順番に, 向こうにある全部の ピンを倒 して遊びましょう。Aチー ムは,こちら側にあるピンを全部倒 してみよう Bチト ムは,あち ら側 にある ピンを全部倒 してみ よう。」 と なげかける。

「では投げる順番を決めて始めましょう。」 と言 って, 子 どもたちに順番を決めさせ,順番にボールを投げて, みんなで早 く全部の ピンを倒せ るよう励 ます。

2)第 2段階の遊び :どちらがた くさん倒せ るかな ?

①環境の構成 と準備物

ィ.用具 ボー リング2セ ッ トと球 2個

ロ.人数 2人

②望 ま しい言葉かけと手だて

ィ.子 どもを集め,「これか ら,2人でボールを投げて どち らがた くさん ピンを倒す ことができるか競争 して 遊びま しょう。」 と言う。

ロ.「どっちが先 に投げるか決めてち ょうだい。」 と言 っ て,順番を決め させ る。

.

「では,最初 に投げ るのは誰 ですか ?ピンを並べた ら, 白線 の所か ら投げ ま しょう。」 と言 って,ゲー ム を始める。

二.2人が投げ終わると,

「 ○

○ ちゃんは何本倒れたの

?」

「△△ ちゃんは何本倒れたの ? ・・・では, どち らが た くさん倒れたの

?」

ときいて, よ りた くさん倒すた めの活動を深め る。

(3) 第3段階の遊び :集団ゲーム 1)環境の構成 と準備物

①用具 ボー リング2セ ッ トと球 2個

②人数 2人

2

)手順

①ペアになった子 どもを保育者のまわ りに集める。

「2

人で/iiL ルを

3

回ずっ投げて, どち らがた くさん 倒す ことができるか競争 して遊び ま しょう。」 と言 う。

③ 「どっちが先 に投げ るか決めてち ょうだい。」 と言 っ て,順番を決め させ る。

④ 「では,最初に投げるのは誰ですか ?ピンを並べた ら, 白線の所か ら投 げ ま しょう。」 と言 って,ゲームを始 めさせ る。

⑤ 「投げた ら,何本倒れたか数え ま しょう。」 と言 う

数えようと しない子には,「あなたの ピンはい くつ倒 れたの ?

と計数に焦点をあてる言葉かけをす る

※子 どもたちの数え方 (数詞の使 い方,数えとば し ・順 序づけ,数詞 との1対1対応,引 き算)に注 目して観 察す る。

⑥ 「数えた らホワイ トボー ドの所 に行 って, ピンを何本 倒 したか書きま しょう

。 」

と言 う

⑦かいたものが判読できない場合は,「何 をかいたの ?

と聞き説明 しても らう。

(9)

⑧ どうや って書 く (描 く)か子 どもに聞かれた場合は,

「あなたが1番 よいと思うものでかいてち ょうだい。」

と言い,数字でか くことを指示 しないようにす る。

⑨数字でもシンボルでも書 こうと しない子には,1ゲ‑

ム 目の1回 目だけ,倒れた ピンを見なが ら,保育者が ピンの絵 と棒 と○ の3種 の シ ンボルを描 いて見せ ,

「どれで描 いた ら1番 いい ?

と聞いて,子 どもに選 ばせ て表象 させ る

⑲ 「書 き終わ った ら,次の人 と交替 してゲームを続けま しょう。」 と言 う。

⑪ 「では, どっちがた くさん倒せたか勝 ち負けを決めま しょう あなたは全部で何本倒 しま したか

?」

と聞い て,子 どもなりの方法で倒 した ピンの本数 を数えた り 足 した りさせ る。数え方や足す方法は指示 しないよう にす る。間違 った総数を出 した子 には,「それで まち がいないか しら

?」

と言 って,それ とな く計算 し直す よう示唆す る。

⑫合計の出 し方がわか らない子 には,「どう した ら全部 でい くつ倒 したかわか るか しら?

と聞いて,子 ども 自身のアイデアがひきだせ るよう援助す る それでも アイデアが出せ ない子には,1ゲーム目だけ,指の使 用, トン トン,○ に置き換えて数えるの3つを示 して,

子 どもに選ばせて合計を出す よう援助す る。

⑮ 1

ゲームが終わ ったところで,

2

ゲーム 目を始める

『幼稚園教育要領』および 『保育所保育指針』 におい て記されているように,乳幼児期の遊びは重要 な学習で あり,遊びを通 して総合的に指導す ることが重要である。

今回, このような視点か ら,「物 と関わ る遊び」 の指導 法の原則を明 らかに した。その結果,

1)導入場面では,子 どもたちの自発性を最大限に生か す ような方法で遊びを紹介す ること (第1段階の遊び), ある結果を作 り出す遊びを導入す ること (第2段階の遊 び),集団ゲームに発展 させ る (第3段階の遊び)こと,

2)展開場面では,子 どもたちが どんなことを考えてい るかを理解 し,子 どもの考えにそ って関わ ることと子 ど も同士の相互作用を促す こと,

3)遊びを終わ る場面では,子 どもたちが見っけ出 した

ことや望む ような結果 を どのように して作 り出 したかに ついて,子 ども同士の活発 な話 し合 いを促す ことの重要 性が明 らか となった。

参 考 文 献

1

.C.

カ ミイ

&R.

デプ リーズ 遊びの理論 と実践 風媒社

1 9 8 5

2.氏.デプ リーズ&L.コールバーグ ピアジェ理論 と幼児教育の実践 (上下) 北大路書房

1 9 9 2

3.ⅠkVries,氏.,Zan,B.,Hildebrandt,C.,Edmiaston, R.,Sale,C.,IkveloplngConstructivistEarlyChildhood Curriculum.,TeachersCollegePress

,2 0 0 2

表 1 .物 と関わる遊びの リス ト 遊 び 名 該 当 年 齢 ・ 物 .動遊のきをうびとちな . とい遊び 4‑ 5 歳児ボJ )ング遊び1‑ 5歳児ブローイ ング遊 び4‑ 5歳児振 り子遊び1‑ 5歳児ビー玉遊び4‑ 5歳児バ ランスゲーム4‑ 5歳児ピックア ップステ ィック4‑ 5歳児影遊び4‑ 5歳児ローラー遊 び4‑ 5歳児ドミノ倒 し2㌻ 5歳児クーゲルバー ン3‑ 5歳児ジ エンガ3‑ 5歳児斜面遊び1‑ 4歳児 磁石遊 び 4‑ 5 歳児 空 き箱 自動車 4‑ 5 歳児 レゴブロ

参照

関連したドキュメント

世界的流行である以上、何をもって感染終息と判断するのか、現時点では予測がつかないと思われます。時限的、特例的措置とされても、かなりの長期間にわたり

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

これからはしっかりかもうと 思います。かむことは、そこ まで大事じゃないと思って いたけど、毒消し効果があ

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

単に,南北を指す磁石くらいはあったのではないかと思

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から