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イメージ化から考える算数文章題の授業づくりと事後学習 : 通常学級における自閉症スペクトラム児童とクラス全体のニーズをふまえて

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Academic year: 2021

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(1)  イメージ化から考える算数文章題の授業づくりと事後学習 一一. ハ常学級における自閉症スペクトラム児童とクラス全体の二一ズをふまえて一.      キーワード:算数文章題、通常学級、イメHジ化、自閉症スペクトラム.                            特別支援教育学専攻                            特別支援教育コーディネーターコース.                            M10109H礒田かおり I 問題と目的. 理解ルート」もあるのではないかと、考えられる。.  特別な教育的二一ズのある児童生徒から開始した わかりやすい授業作りは、他の児童生徒にとっても.  また、算数文章題の指導では、絵や図をかかせる. 非常に有効である(廣瀬,2007)。算数文章題は、特に. それを指導に活かすことも大事な視点である。. 健常児の中にも解決に困難を感じていることが多い.  そこで本研究では、自閉症スペクトラム児童の在 籍する通常学級において、算数文章題解決過程にイ. (遠藤,2010)。自閉症スペクトラム児童は、その特性. ことによって児童の分かり方が見える(用中,2007)。. 想像することが苦手である。そのために、算数文章 題によく使用されるrぜんぶ」など局所的な言葉だ. メージ化方略を導入した効果を検討する。また、文 章問題のイメージを絵にかかせ、それを手がかりに した文章理解の特徴についての分析方法について検. けに着目して演算したり(里見,2010)、「昨肩、今日、. 討する。. 明日」r前、後」といった時間に関する理解にっまず. n 第I介入期. いたりしやすい(上野ら,2008)。しかし、視覚的にイ. 1.一. から、ことばや文の理解、関係性をとらえることや. 菇@. 閉症スペクトラム児童が文章題を理解するために、. 【支橡】対象児はB町立C小学校2年生の通常学級 に在籍する男児。広汎性発達障害の傾向と診断。 対象児の在籍する学級は35人(男子21人、女子14. 視覚的な手がかりを用いて内容をイメージさせるこ. 人)で、全体に注意集中の苦手な児童が多い。担任は、. とは、思考の手助けになると考えられる。. 経験年数6年の女性教諭。. メージすることで内容を把握することは得意なこと が多い。文や関係性、時間に関する理解の苦手な自.  算数教育の立場では、テープ図の効果的な指導の. 【実施期間】X年4月∼6月第2週. 在り方が検討され、テープ図の段階的な指導が検討. 【内容】単元名「かくれた数はいくつ」(全4時間). されている(石田ら,2007)。また、テHプ図を用いて. 4類型(①減少数推論②増加数推論③増加前推論④. 時間を捨象し数量関係を読み取らせる指導の有効性. 減少前推論)を各1時間ずつ指導。. が検証されている(清野,2009)。. 2年生で初めての文章題単元。加減逆思考の文章題 【方法】イメージ化の手立てとして、身近な内容を.  しかし、自閉症スペクトラム児童に代表される認 知特性のある場合、アノレゴリズム的な解決方法に陥 りやすいことが危惧される。.  算数文章題が困難である要因の一つは、解決過程 の複雑さにある。坂本(1997)は「Mayer(Maye班992. 設定した。また、時間の関係がわかるように視覚的 に提示した。さらに動作化を取り入れた。 【謂面】①注意集中している人数30秒ごとのタイ ムサンプリング②毎授業時間前後の文章題テストで. ;Mayer et a!,1991)が、算数文章題解決を①変換、. 内容理解とイメージ絵と立式の状況を調査③授業の. ②統合、③プラン、④実行という4つの認知過程に 分類した」とまとめている。これは、①文理解、②. 前後に自己効力感アンケート④個別指導後の理解状 況調査. 関係性理解、③立式、④計算実行の「言語理解ルー. 2.結果. ト」と言い換えることができる。一方、問題文は読. 1)注意への効果. めたがそれがどういう状況なのか捉えにくい学習者.  視覚的な提示をしたり活動をさせたりしている 時には、集中している人数が平均よりも増えた。し かし、対象児は、話を聞く時間が長くなると姿勢が. に対して、その状況をコンピューターシステムのア ニメーションで見せる支援をする効果が報告されて いる(坂本,1997)。これは、言語理解での困難さを視. くずれ、集中が途切れていた。. 覚的な認知の力を生かして理解を促すことを示唆す. 2)毎時間前後の立式正答率とイメージ絵. るものである。r言語理解ルート」に対し、視覚認知. 算数文章題を児童が絵で表したものを見ると、立 式からだけではわからなかった児童の思考に気づく. の強みを生かしイメージ化を介して理解する「視覚. 一210一.

(2) 作成し、宿題として実施した。. 手がかりを得ることができた。そこで、児童の授業. 【評価】4類型の評価テストでイメージ絵と立式状. 後にかいた絵を分類定義した(表1)。また分類され. た児童の絵の例を一部示した(図2)。. 2.結果.      衰1イメージ絵の分類 比較絵. 況調査。.  宿題用ワークシート実施後の立式正答率は、授業. 過去と現在(現在と未来)の数を比較したもの. 後より上昇した。また、r減少数推論」r増加数推論」. 数量関係絵 時間を捨象し数量関係と答えの数が表れているもの 部分絵. で比較絵、「減少前推論」で数量関係絵が増加した。. 問題部文中の数や答えなど部分の数だけ表したもの. また、宿題用ワークシートを実施した後の絵には、. 誤り絵   明ら洲こ内容を理解できていないと思われるもの. 矢印の入った絵や3コママンガの絵のような関係性 のわかる絵が出現していた。. 例題:クッキーが20こありました。何こか食べ. たので残り5こになりました。何ご食べました. 1V総合考察. く比較絵〉      <数量関係絵>.  文や関係性、時間に関する理解を促すためのイメ ージ化の手立てによって、対象児を含む多くの児童. が集中した。対象児は、3時間目の授業で指名され てロールプレイした時に正しく立式ができた。視覚 提示だけでなく、実際に活動することで理解につな がることが示唆された。しかし、対象児は自閉症ス       図2 イメージ化の分類例.  4時間分の授業前後のテストの立式正答率は、1 時間目以外は授業後に上昇したが、全体に達成率は 低かった。そこで児童のイメージ絵を見た。すると 変化数を求めるr減少数推論」r増加数推論」は、時 間の前後の数量を比較していた児童は、正しい立式 ができていた。また、始めの数を求めるr増加前推 論」「減少前推論」は、数量関係がとらえている児童. は、立式が正しくできていた。さらに、内容理解は. 誤っているのに立式が正しくかけていたり、なぜ誤 答したのかの原因を見つけたりすることができた。 対象児は、ロールプレイをした3時間目の立式は正 答であった。. ペクトラム傾向があるため、聴覚的な言語理解が苦 手である。そのため、口頭による指示や説明が続く と、数分間集中が途切れてしまったことを考慮する と、視覚的なわかりやすい手立てと活動することが 必要であると示唆された。.  さらに、文理解や関係性理解を促すために、問題 文を短いことばと矢印で図式に表した宿題用ワーク シートは、時間の流れに伴う数の変化が視覚的に捉 えやすく、正答率の上昇につながった。このことか ら、時間の経過や関係性を理解させるような視覚的 な手立てが、文脈や時間に関する理解の困難な自閉 症スペクトラム児童に有効であると示唆された。.  テープ図による図的表現を取り入れた指導の工夫 は数多く研究されている。しかし、時間を捨象した テープ図での数量関係による指導だけでなく、文理. 3)自己効力感アンケートの結果  個別に配慮した対象児の自己効力感尺度は上昇。. 解や関係性理解を促す手立てが必要であることがわ. 4)対象児の授業終了後の個別指導. かった。.  具体物を介して、文章題の内容の物のやりとりを.  また、イメージ絵の分析をすることで、「減少数推. 実際に行い、そのやりとりをノートに絵図でかいて. 論」「増加数推論」では比較絵、「増加則推論」「減少. 未知数を求めさせた。その結果、絵図だけでもでき. 前推論」では数量関係絵がかけていれば正しく立式 できることや、立式が正しくても内容理解が誤って. るようになった。個別指導時間中の評価テストで、4. 皿第I介入期. いる児童がいることや、誤答の理由がわかった。こ のことから、イメージ絵の分析は、児童の思考を知. 1.方法. るアセスメントになる可能性が示唆された。. 問正しく立式することができた. 【対象】 対象は、第I介入期と同一。. 【実施期間】4時間授業3日後から約3週間. 主任指導教員 宇野宏幸. 【内容】文理解や関係性理解を促すために、問題文. 指導教員   宇野宏幸. を短いことばと矢印で図式に表したワークシートを. 一211一.

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