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Existence of enhanced binding in quantum field models      ( 量 子 場 の モ デ ル の 強 化 さ れ た 束 縛 の 存 在 )

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 河 野 裕 之

     学位論文題名

Existence of enhanced binding in quantum field models      ( 量 子 場 の モ デ ル の 強 化 さ れ た 束 縛 の 存 在 )

学位論文内容の要旨

  本研究は,粒子とボーズ場が相互作用する量子系の強化された束縛について考察してい る.結合定数えを持つ量子系では,んが0である時に基底状態を持たないにもかかわらず,

O以外のある値をとる時には基底状態を持っという状況が起こることがあるが,そのとき,

その量子系は強化された束縛を持っと言う.

  強化された束縛を持つ量子系の典型的な例は,その量子系のハミルトニアンがシュレー ディンガー作用素の場合である.即ち,ハミルトニアンが,d次元の二乗可積分空間上の作 用素よ式え)::−4十えレの形の場合である.ここで4はd次元のラプラシアンであり,Vは ポテンシヤルである.実際,Il(0)は基底状態を持たない.A≠0の時にnん)が基底状態を もっかどうかはレの具体的な形によるが,多くの場合はょ式え)は基底状態を持つ,シュレー ディンガー作用素型のハミルトニアンを持つ量子系の強化された束縛は古くから研究され おり,多くの結果が存在する(Reed and Simon (1978)).

  近年では,シュレーディンガー作用素型のハミルトニアンを持つ量子系だけでなく,粒 子 と 量 子 場 が 相 互 作 用 す る 量 子 系 の 強 化 さ れ た 束 縛 が 研 究 さ れ て い る .   Hir08hima‑Spohn (2001)によ って ,量 子電 磁 力学(QED)に おけ る, 双極 近似された Pauli‑Fierzモデルの強化された束縛の存在について研究が行われた.また,Arai‑ Kawano (2003)は,一般化されたスピンボゾンモデル(GSB modeDについて,ある条件下での強化さ れた束縛の存在が証明している.さらに,Araiく2003)は,その結果を拡張し,拡張された一 般 化 さ れ た ス ピ ン ポゾ ンモ デル に対 して も強 化さ れた 束縛 の存 在 を考 察し てい る.

  本論文では,粒子と量子場が相互作用する量子系の強化された束縛の存在について,二 つの結果が得られた.

  一っは,一般化されたスピンボゾンモデルが,ある条件を与えた時に強化された束縛を 持っことが証明されたことである,ここでは,相互作用するボーズ場のボーズ粒子の質量 が0でない場合と,質量 がOであり,かつ赤外発散がない場合とのニつの場合が証明されて いる,さらに,この結果をもう少し具体的なモデル である,双極近似された4の二乗の項 のないPauli‑Fierzモデルに対して適用している.

  本論文で得られた結果のニつ目は,Arai(2003)で導出された,拡張された一般化されたス ピンボゾンモデルが強化された束縛を持っための条件を満たす具体例なモデルが構成され たことである,

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学位論文審査の要旨

主 査   教 授   新 井 朝 雄 副 査   教 授   岸 本 晶 孝 副 査   助 教 授   山 /内 毅 彦

     学位論文題,名

Existence of enhanced binding in quantum field models

( 量 子 場 の モ デ ル の 強 化 さ れ た束 縛 の 存 在)

  近 年 、量 子 場 の数 学 的 理論に おいて 、量子場 の質量 が0で ある場合 に、量 子場の相 互作用 系 に お け る 基 底 状 態 ー ハ ミ ル ト ニ ア ン の ス ペ ク ト ル の 下 限 が 固 有 値 で あ る と き の 対応する 固有ベク トルー の存在を 示し、 関連する 数学的 構造を明 らかにし ようと する研究 が 盛んに行 われてき ている 。特に、 量子的 粒子と量 子場が 相互作用 を行う系 の基底 状態の存 在 を証明し 、その特 性を解 析するこ とは近 年の量子 場理論 の数理解 析におけ る重要 な研究の 流 れのひと っを形成 してい る。従来 は無摂 動系の基 底状態 が存在す る場合に おいて 、相互作 用 の入った 摂動系の 基底状 態の存在 を証明 するとい う形が とられて いたが、 最近、 無摂動系 の 基底状態 の存在を 仮定し ない場合 にも摂 動系の基 底状態 が存在す るかどう かを調 べる問題 が 研究され ている。 この問 題は強化 された 束縛の問 題と呼 ばれる。

  本論文 は、一般 化され たスピン ーボゾ ンモデル という 量子場の モデルに おいて 、強化され た束縛 の存在を 証明し たもので あり、 強化され た束縛の 問題に 対する独 創的で 新しい知見を 提供す るもので ある。

  よ り 具体 的 に 言え ぱ 、 量子的 粒子系 は抽象的 ヒルベル ト空間Hを状 態空間 とするも のをと り 、その ハミルト ニアン は下に有 界な任 意の自己 共役作用 素とす る。量子 場はボ ース場で あ り 、 こ れ は、d次 元ユ ー ク リッ ド 空 間上 の ル ベー グ 積分 の意味 で2乗 可積分 な関数空 間から っ く ら れ るボ ソ ン フオ ッ ク空 間Fを 用いて 記述され る。一 般化され たスピン ーボソ ンモデル の ハミル トニアン は、HとFのテンソ ル積ヒ ルベルト 空間上 の対称作 用素とし て定義 される。

著 者は、 まず、こ のハミ ルトニア ンの自 己共役性 を証明す る。そ して、あ る種の ユニタリ 変 換 とさま ざまな不 等式を 確立する ことに より、当 モデルが 強化さ れた束縛 をもっ ことを証 明 す る。

  これ を要する に、著 者は、抽 象ヒルベ ルト空 間と関数 空間上 のボソン フオッ ク空間のテン ソル 積ヒルベ ルト空間 におけ る自己共 役作用 素のある クラス の基底状 態の存在 にっい て新し い知 見を得た ものであ り、無 限次元解 析学あ るいは非 可換解 析学に対 して貢献 すると ころ大 なる ものがあ る。

よっ て著者は 、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格あるものと認める。

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参照

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