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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 堀 田 裕 司

学 位 論 文 題 名

Formation of Controlled Thin‑Films of Clay Particles Prepared        by Langmuir‑Blodgett and Self‑Assembly Methods        and Their Electrochemical Behavior        {‑

(ラングミュアーブロドジェッド法と自己集積法によって準備した粘土微粒子のコントロールした

    薄膜形成とその電気化学的ふるまいに関する研究)

学位論文内容の要旨

  粘土鉱 物の水 分散液を 電極基 板上に キャス 卜して それを 乾かす方法で薄膜をっくる方 法では、 薄膜の 厚さや 徽粒子 の向き を分子 オーダ ―で完 全に制御することは不可能であ る。粘土 修飾電 極の機 構を分 子レベ ルで明 らかに したい と考え、ナノメータースケ―ル で厚さや 粘土徹 粒子の 配向の 制御さ れた膜 を作ろ うと試 みた。そのための第ーの方法と して、 有機分 子の単 分子膜 をっく るのに 広く用い られて いるLB (Langmuir‑B|odgett) 膜製造法 を用い ること にした 。この 方法は 、疎水 化した 粘土微粒子をク口口ホルムなど の非水 溶媒に 分散さ せる。 それを 水界面 上に展開 して溶 媒を蒸 発させ ると、 徽粒子 が1 個ず つ 離 れ 離れ に な っ て水 界面上 に浮か んでい る状態が 実現さ れる。 その後 にLBトラ フの面 積を狭 めてい くと徽 粒子同 志が接 近して微 粒子が1層だけ からな る膜が 水界面 上 に 形 成 さ れ る こ と にな る 。 こ れがLB膜で あ る 。 このLB膜 を適 当 な 基 板に1層ず つ 積 層してい けば、 厚さも 微粒子 の方向 もそろ った膜 ができ る。

  LB膜製 造 に 必 要な ク 口 口ホル ムに分 散でき る疎水 性の合 成サポ ナイト ををっ くるた めに、第 ーに合 成サポ ナイ卜 とシラ ノ―ル 化剤と を反応 させ疎水化粘土徹粒子を合成し た。得ら れたシ ラノ― ル化サ ポナイ 卜にさ らに化 学修飾 を加えて長いアルキル基を結晶 端に も っ た サポ ナ イ 卜 粒子 をっく った。 この試 料を用い てLBト ラフで表 面圧一 面積曲 線を 測 定 し たと こ ろ 、 粘土 微粒子 は1―3層 の層を 形成す ること がわかっ た。こ の膜を LB膜 製 造法 に よ ル グッ ラ シカ ーボン 電極に のせ電 気化学 的活性 物質であ るルテ ニウム

(||) 錯体を もちい て電気 化学的 測定を 行った 。

    LB膜 製 造 に必 要 な ク 口口ホ ルムに 分散でき る合成 サポナ イトを をっく るため に、

第二に4級アン モニウ ムカチ オンを 合成サ ポナイ トにイン タ―カ レ一卜 させ疎 水性粘 土 粒子 を っ く った 。 得 ら れた 疎水性 合成サ ポナイ トを用い てLB卜 ラフで表 面圧― 面積曲 線を 測 定 し たと こ ろ 、 単― 層の膜 が形成 できる ことがわ かった 。この 膜をLB膜 製造法 によ ル グ ッ ラシ カ ― ポ ン電 極にの せ電気 化学的 活性物質 である 鉄(lI) 錯体、 ルテニ

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ウム(lll)錯体をもちいて電気化学的測定を行った。この膜は厚さを1層の単位で 制御できるので、粘土微粒子膜の厚さをかえて錯体イオンの電極修飾膜中を拡散する速 度を、膜厚との関係で測定した。その結果、膜が厚くなるにっれみかけの拡散定数は大 きくなり、粘土に吸着したイオンはみかけ上動き易くなることが示すことがでた。この 実験により、初めてコン卜ロールした粘土膜をもちいた粘土修飾電極の膜厚による活性 物質のふるまいを示すことができた。

  粘土微粒子薄膜形成の第2の方法として自己集積法を試みた。ここで自己集積法と は、基板となる固体表面の原子と吸着分子が化学反応を起し固体表面に単分子層を形成 する方法である。ー般的によく用いられている反応はチオ―ル基(SH基)と金表面の 金原子との反応である。そこでチオ―ル基を有するシラノ―ル化剤と塩化マグネシウム 等の2価の金属塩との反応により、アルキルチオール基が結合したスメクタイト型粘土 を合成した。この化合物のク口口ホルム分散液を金の表面に触れさせると、粘土微粒子 が金の表面に結合して微粒子1分子の厚さを持った薄膜が形成することが解った。この 様子は、水晶振動子マイクロバランス法(QCM法)による金電極の質量変化を追跡す る方法および原子間力顕微鏡による表面観察する方法(AFM法)をもちいて追跡した。

原 子間 力顕 微鏡 では 、数10時間 の間 に金 表面 が厚さ1.5nm、大きさ約30nmの微 粒子により覆われていく過程をとらえることができた。この研究により、固体表面に粘 土 粒 子 の よ う な 無 機 化 合 物 の巨 大分 子が 自己 集積 す るこ とを 初め て示 した 。

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学位論文審査の要旨

主査  教授  山 岸晧 彦 副査  教授  魚 崎浩 平 副査  助教 授  中田 允夫 副査  助教 授  荒又 明子

    大 学院 地球 環境 科学 研究 科( 触媒 化学 研究 セン ター )

学 位 論 文 題 名

Formation of Controlled Thin‑Films of Clay Particles Prepared       by Langmuir‑Blodgett and Self‑Assembly Methods        and Their Electrochemical Behavior

(ラングミュアーブロドジェッド法と自己集積法によって準備した粘土微粒子のコントロールした

    薄膜形成とその電気化学的ふるまいに関する研究)

  粘土鉱物は層状の無機高分子である。従来粘土鉱物はその広い表面積、イオン交換特 性あるいは酸塩基触媒作用などの観点から幅広く用いられてきた。特に層構造に由来す る薄膜形成能カは他の類似の無機材料(ゼオライ卜、シリカなど)には見られぬ性質で あり、最近この性質を用いた電極修飾材などの固体表面の修飾材料としての応用が注目 を集めている。従来このような用途においては、薄膜形成は水分散液を基板上にキャス 卜してそれを乾かす方法でっくられてきた。しかしこの方法では、薄膜の厚さや徽粒子 の向きを分子オ―ダ―で制御することは不可能である。本研究においては、粘土修飾電 極の機構を分子レベルで明らかにしたいと考えナノメ―タ―スケ―ルで厚さや粘土徽粒 子の配向の制御された膜を作製することを目的とした。本論文はその結果について述ぺ ている。

  第1章では本研究の背景が述べられている。ここでは分子レペルで制御された薄膜 を作る方法として2つの方法(LB膜法および自己集積膜法)が提起されそれらの無機 物質への適用の可能 性が述べられている。第2章と第3章ではLB膜法による粘土単分 子膜製造法とその電極修飾膜への応用の結果が述べられている。LB膜法を粘土鉱物に 適用するためには疎水化した粘土徽粒子を作製する必要があり、それを本申請者は長鎖 アルキルアミンをイオン交換して製造した。これをク口口ホルムなどの非水溶媒に分散 させ水界面上に展開した。溶媒を蒸発させると徽粒子が1個ずつ離れ離れになって水界

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面上に浮かんでいる状態が実現された。その後にLBトラフの面積を狭めていくと徽粒 子同志が接近して徽粒子が1層だけからなる膜(LB膜)が水界面上に形成された。こ のLB膜をグ ラシカーボンの電極基盤上に1層ずつ積層し、厚さも徽粒子の方向もそ ろった膜をっくることができた。得られた粘土薄膜修飾電極中に電気化学的活性物質で あるルテニウム(I|)錯体を含ませ電気化学的測定を行った。この膜は厚さを1層の 単位で制御できるので、粘土徽粒子膜の厚さを変えて錯体イオンの電極修飾膜中を拡散 する速度を測定した。その結果、膜が厚くなるにっれてみかけの拡散定数は大きくなり、

粘土に吸着したイオンはみかけ上動き易くなることが示すことがでた。この実験により、

初めてコントロールした粘土膜をもちいた粘土修飾電極の膜厚による電解活性物質のふ るまいを示すことができた。

  第4章では粘土徼粒子薄膜形成の第2の方法として自己集積法を試みた結果が述べ られている。自己集積法とは基板となる固体表面の原子と吸着分子が化学反応を起し固 体表面に単分子層を形成する方法である。一般的によく用いられている反応はチオール 基(SH基)と金表面の金原子との反応である。そこで申請者は、チオール基を有する シラノール化剤と塩化マグネシウム等の2価の金属塩との反応により、アルキルチオー ル基が結合した新規なスメクタイ卜型粘土を合成した。この化合物のク口口ホルム分散 液を金の表面に触れさせると、粘土微粒子が金の表面に結合して微粒子1分子の厚さを 持った薄膜が形成が形成することが示された。すなわち、水晶振動子マイクロバランス 法(QCM法)による金電極の質量変化を追跡する方法および原子間力顕徽鏡による表 面観察する方法(AFM法)を用いて自己修飾粘土膜の形成が確かめられた。とくに原 子 間力顕 徽鏡を用 いた結 果では、 数10時間 の聞に金表面が厚さ1.5nm、大きさ約3 Onmの徽粒子により覆われていく過程をとらえることができた。この研究により、固 体表面に粘土粒子のような無機化合物の巨大分子が自己集積することを初めて示した。

さらに申請者は同様な方法により層闇に酸化還元活性のあるニッケルイオンを含んだ自 己 集 積 粘 土を 合 成 して 、 そ の薄 膜 で 修飾 し た 金電 極 に つい て も 調 べて いる。

  以上の結果は、従来有機物質に限られていた薄膜形成の手法を粘土鉱物という無機 物質にまで展開して、その結果今までまったく知られていない無機薄膜を製造する手段 を開発したものとして評価される。ここに審査員―同は申請者が博士(理学)の学位を 得る十分な資格があると認めた。

    以上

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参照

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