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Real-time PCR

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 赤 沼 正 堂

学 位 論 文 題 名

Real‑time PCR 法を用いたアデノウイルスに対する      消毒薬の評価

学位論文内容の要旨

  ヒト ア デノ ウイ ル ス(human adenovirus,HAd¥Dは51種類 の血 清 型に 分け ら れる 。HAdV感染 走は 呼 吸器 消化器,眼などに多様按む次を示す・。特にHAdV‑3,一4,―7,―8,‑11,‑19,ー37の7種の血清型は結膜炎起因 の主要 な血清型として知 られ世界各地でウイ ルスJ陸 結膜炎の流行を引き 起こしている。HAdVは時に院内感染 を 引 き 起 こ し , 手 指 や 眼 圧 計 チ ッ カ 奮 ど の 医 療 器 具 カ 湛 掛 ぬ た 大 の 原 因 と 考 え ら れ て い る 。   これ ま でに もHAdVに対 する 消 毒薬 の効 果 につ いて 報 告があっ たが、それらはプ ラーク法や細胞変性 効果 (CYtOPathic effect,CPE)を 用 いた 検討のため,増殖 鴾屋いHAdV血清型で はプラークやCPEの検出が困 難で あ る。 ま たHAdVの 感 染価 が低 い 場合 は, プ ラー クやCPEカ 瀬 出さ れず 消 毒効 果を 適切に評価ができな い。

Real‑time polymerase chain reaction (PCR)法 は, 定量 的 にDNA COPY数を 算出 することが可能であ り,

Real−time PCR法を用い た定量的な方法は客 観的に評価する点 で有益な手段であると考えられる。そこで,本 研究で はreal―time PCR法を用いて,臨床の 場で用いられるこ とが多いェタノール,ポピドンヨード,次亜塩 素酸ナトリウムのHAdVに対する消毒幼果を検討した。

  エタ ノ ール は1分 ,3分 ,5分 の消 毒時間ではHAdVへの消毒効果 はみられず 10分 以上の消毒時間が它 要で あるこ とが示唆された。 工夕ノールのみ・て 手指に付着したHAdVを消毒するには比較的長時間の消毒う泌要と 考 えら れ る。 現在臨床で用 いられている速乾陸 の工夕ノールを使 用する場合も,消 毒時間が短いためにHAdV の 消 毒 効 果 は 低 い と 考 え ら れ る た め る 流 水 で の 手 指 の 洗 浄 を 併 用 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。   ポピ ドンヨードはポリ ビニルピロリドンに ヨウ素を結合させたものであり,5%濃度ではHAdv13,14,―19,

―37に 対 して30分以上の消 毒B繝が必 要であり,HAdい8に関しては60分でも 消毒効果はみられ なかった。1% 濃度では,HAdV一4では1タトHAdVL3,―8,―19,−37では3分′斟肖毒効果カゞみられた。0.2%濃度ではHAdV―3,

−4,―19,−37では1分 ,HAdv18では3分で消毒効果 がみられた。5%濃度よりも低濃度の1%およびO.2%濃度 で 短時 間 での 消毒 効 果が みら れ 濃度 相関 陸 はみ られ な かった。 また、同じ濃度の ポピドンヨードでもHAdV の血清 型によって消毒に 必要な時間が異なり ,血清型による感 受陸の違いがみられた。希釈された低濃度のポ ピ ドン ヨ ード は温度,光に 対して不安定で長期 間餉字は困難であ るため,使用直前 に希釈液を作製して 用い るのカ蓬彊ましいと思われる。

  次亜 塩 素酸 ナトリウムは ,0,1%および0105%の濃度15秒の処 理でHAdvI胤Acopy数の減少がみられ短 時間 でHAWの 消毒 が 可能 であ る と考 えら れる。次亜 塩素酸ナトリウム は金属腐食陸があ るため金属製の医療 ヨ娯 の消毒には用いることカミできない。また皮膚に対する束lJ激陸があるため,人体に用いることは困難である。し か しな が ら, 腐食陸の少な し導隆属製の机など ,環境への利用に は短時間でのHAdvの消毒が期待できる と思 われた。

  この よ うにHAdvに 対す る消 毒 薬の 消毒効果をReal―timePCR法 を用いて検討した 結果、そ加そ抑の消 毒薬 には効果を示す濃度や消毒時間に違いがあることがわかった。

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(2)

学位論文審査の要旨 主査    教授    大野重昭 副査   教授   小野江和則 副査    教授    上出利光

学 位 論 文 題 名

Real‑time PCR 法を用いたアデノウイルスに対する      消毒薬の評価

  ヒ トア デ ノウ イル ス(human adenovirus,HAdl0は51種 類の血清型に分けられ、呼吸 器,消化 器,眼などに多彩な症状を示す。特にHAdV‑3,―4,―8,―19,―37の血清型は結膜炎起因の主要な血 清型として知られてしゝる。これらの血清型は時に院内感染を引き起こし,手指や眼圧計チップなど の医療器具が感染拡大の原因と考えられている。

  Real―time polymerase chain reaction (PCR)法は、定量的にDNA copy数を算出することが可 能であり、本研究ではreal−time PCR法を用いて、エタノール、ポピドンヨード、次亜塩素酸ナト リウ ムのHAdVに対する消毒効 果を検討した。その結果、エ タノールでは80%濃度で10分 の消毒時 間カ泌要であり、環境 や金属、非金属製の器具の 消毒に有効と考えられた。ポピドンヨードは1% または0.2%濃度3分 の消毒時間が必要であり、工 夕ノールよりも消毒時間が短くて済むため手指 の消毒に有用と考えられた。次亜塩素酸ナトリウムは0.1%または0. 05%濃度15秒の消毒時間カ泌 要であり、室内などの 環境や、非金属製の器具の消毒に有効と考えられた。そ捫ぞゎの消毒薬には 効果を示す濃度や消毒 時間に違いがあることがわかり、消毒の際には適応を選び消毒をすることに よってHAdVの感染拡大を未然に防ぐことが大切である。

  審 査にあたっては、副査小 野江和則教授から(1)ポピド ンヨードの濃度逆相関性の理 由につい ての質問があり、ポピ ドンヨードは希釈されたり 熱や光で分解されることによって、消毒効果を もつ 遊離ヨウ素濃度が高まる ため消毒効果が高くなると回 答した。(2)40%濃度エタ ノールが HAdV―4対して効きに くいことについて質問があり 、40%濃度工夕ノールでは、30分ではHAdV‑4の 消毒 効果がみられず、60分の 消毒時間カ泌要なことから消 毒の際には濃度と消毒時間 の注意カi 要であると回答した。 一方、副査上出利光教授か らは(1)ヘキソンやファイパーで消毒薬の有効 性が変わることについ て質問があり、ヒトアデノ ウイルスは血清型によってへキソンやファイパ ーに関連するタンパク 質が異なるために、夕ンバ ク質に作用するポビドンヨードでは血清型によ って 感受性が異なると回答し た。(2)インテグリン抗体を 用いたアデノウイルスに対す る治療に ついてのコメントがあ り、今後インテグリン抗体 を用いたアデノウイルスの治療薬や消毒薬の発 展が期待された。また 、主査大野重昭教授からは (1)ポピドンヨードの濃度がさらに低下した場 合の消毒効果について の質問があり、希釈された 場合遊離ヨウ素濃度が高まるある濃度までは消 毒効果が高くなり、そ こからさらに希釈された場 合には消毒効果が低くなる可能性があると回答

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(3)

した。(2) 手指を手洗いする前後でのアデノウイルスの量についての質問があり、本研究では手 洗い前後での検討は行っていないが、手洗いを行うことによってアデノウイルスの量は減少し消 毒効果が高まるというこれまでの文献報告を挙げ、手指の消毒の際には手洗いを併用する必要が あると回答した。

  

この論文は、ヒトアデノウイルスに対する消毒薬の効果をReal −time PCR 法を用いて報告 し、消毒の適応について述べている点で高く評価され、今後臨床現場での感染拡大防止に大 きく寄与するものと期待される。

  

審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併 せ 申 請者 が 博 士( 医 学 )の 学 位 を 受け る の に充 分 な 資格 を有す るもの と判定し た。

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参照

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