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小学生の自然体験活動の現状と効果に関する研究 ―野外指導員への質問紙調査を中心に―

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Academic year: 2021

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小学生の自然体験活動の現状と効果に関する研究 一野外指導員への質問紙調査を中心に一 学 校 教 育 専 攻 学校改善コース 田 遺 一 晃 L 研究の目的 今日の学校教育において、自然体験活動 が重視されるようになってきているにもか かわらず、今日の日本の教育状況を臨みれ ば、必ずしもそうした機会の定着に至って いないのが現状である。子ども達にそのよ うな機会を提供していくためには、国の教 育政策はもとより、地方公共団体や NPO 団体、地域のボランティア団体などの施策 および協力が必要不可欠である。そこで、 本研究では、名古屋市が委託してかっ学生 ボランティアを活用している事例を取り上 げて、子ども達に自然体験活動の機会を提 供するに至った経緯やフ。ログラムを提供し ている運営組織の担当者へのインタビュー 及び学生ボランティアの意識調査を通して、 し、かにすれば各地方公共団体で広く機会を 提供できるのかを解明することを目的とし、 調査を進めていくに至った。 2.研究の課題と方法 上記の目的を達成するために、以下のよ うな研究の課題と方法を設定した。 ①「おんたけ子ども村Jの設置の経緯を明 らかにする。 ②野外指導員がもっている一般の子どもと 「おんたけ子ども村j に参加した子ども のイメージを比較する。 ③子どもが「おんたけ子ども村j に参加し 指 導 教 員 岩 永 定 て向上すると考える「能力・資質Jを明 らかにする。 ④自然体験活動の指導を通した野外指導員 自体の変容を管理公社職員はどう捉えて いるのかを把握する。 ⑤「おんたけ子ども村Jの運営方針や外的 条件に関する野外指導員と管理公社運営 職員の課題認識の相違点における要因に ついて考察する。 研究の方法としては、「自然体験活動が小 学生にもたらす効果jを見るために、運営 者側にあたる野外指導員へのアンケート調 査、運営職員へのインタビュー調査という 2つの方法をとった。質問調査紙やインタ ヒ守ュー調査を通して、自然体験活動が小学 生にあたえる能力・資質の変容を捉えるこ ととした。 3.研究の結果と考察 (1)野外指導員が認識する小学生の実態 野外指導員が、現代の子どもに対し、特 に不足していると考える力が、「規範意識j 「安全認識J

r

思考力J

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忍耐力jの低さに あるということが明らかになった。 その反面、子どもには f好奇心J

r

冒険心J 「元気の良さJについては、非常に高いと の認識をもっており、子どものもつ「好奇 心Jや「官険心j を受け入れることができ る活動の一つに自然体験活動があると考え Q d -i

(2)

ていることが明らかになった。 (2)運営者側が認識する自然体験活動がも たらす小学生の変容 自然体験活動に小学生が参加することに より、日常生活とは異なった人間関係や自 然環境が子ども一人ひとりの好奇心や自己 形成が高まりやすい契機となることがわか った。野外指導員は、一般の子どものイメ ージに比べて、自然体験活動に参加した子 どものイメージの方が「規範意識J

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忍耐力J を始めとする多くの能力・資質が、高いと 考えていることが明らかになった。このこ とは野外指導員が、自然体験活動を通して、 子どもの中にある不足している能力・資質 向上を高める糸口になっているとの認識を もっていることが分かつた。その反面、「安 全意識Jや「思考力jにおいては、キャン プ参加での効果が見られず、子どもに不足 している能力・資質のニーズに全て対応し きれているわけではないという認識がある ことも明らかになったo 管理公社運営職員 は、向上した能力・資質が一時的なものに 過ぎない可能性を示唆し、自然体験活動の 一定の限界を指摘していた。 (3)野外指導員自身の変容 「子どもの変容Jが身近で確認できるこ とが野外指導員自身の変化に繋がったとい うことが窺えた。しかし、学生自体の安全 意識や研修に対する自主性に運営職員は満 足な見解を示しておらず、その不十分さが 自然体験活動に参加する子どもの事故やけ がに結びついているのも事実である。 (4)運営者側の課題認識の実態とその相違 子どもへの自然体験活動を提供する多く の事業団体は財的な面や人的な面で多くの 課題を抱えていることが明らかになった。 さらに、同じ運営者側との間でも課題の認 識にはいくつかの相違点が生じていること がわかった。そうした要因には、 f野外指導 員と運営職員の現状共有におけるコミュニ ケーション不足jや「相違した立場が招く 野外指導員側の課題認識不足j、 f野外指導 員間の伝達不足」等が考えられたD このよ うな現状への対応策として、①課題認識の ズレを無くし、共通理解を図ること、②野 外指導員への研修を充実させること、③野 外指導員同士のコミュニケーションの活性 化を図る手立てを考え、実践すること、が 必要性であることが明らかになった。 4.今後の課題 子どもが、豊かな人間性を身につける上 で、自然体験活動が果たす役割は非常に大 きいと言えるo しかし、自然体験活動が、 その有効性を十分に発揮するためには、解 決しなければならない問題が多く残されて いる。第 1に、厳しい人的・財的課題にさ らされている自然体験を提供する全国の事 業団体を、行政や自治体がどう支援してい くかという問題である。第 2には、社会教 育の充実にあると考える。すなわち自然体 験活動を提供していく運営者側自体が、十 分な(自然)体験活動を経験しないままに 育っているのも事実である。そうした現状 を打開するためにも、子どもを指導できる 大人を育成するような社会教育の活性化が 重要になってくるように思われる。 結論的に言えば、自然体験活動を実施す る中で学校教育と社会教育がし、かに連携し て、できるだけ多くの子どもが容易に参加 できるようなプログラムの開発と環境づく りが今後の課題であるD

参照

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