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fMRIを用いた人脳の咀嚼機能に関する基礎的検討

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Academic year: 2021

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Title

fMRIを用いた人脳の咀嚼機能に関する基礎的検討( 内容の

要旨(Summary) )

Author(s)

江, 依法

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第429号

Issue Date

2000-03-24

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14685

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 江 依 法(中国) 博 士(医学) 甲第 429 号 平成12 年 3 月 24 日 学位規則第4条第1項該当

fMRlを用いた人脳の岨喝機能に関する基礎的検討

(主査)教授 伊 藤 和 夫 (副査)教授 正 村

子 教授 松 波 謙 一 論 文 内 容 の 要 旨 岨囁とはヒトの摂食行動の一環として重要な運動で,口腔内の金塊を切断粉砕し,唾液を附加して咽頭方向へ 運搬して囁下にいたるまでの,岨囁筋,舌筋,顔面筋などの協調運動である。また,岨囁は歯や顎を動かすだけ の単純な随意運動ではなく,高度な続合機能が関与する運動であると言われている。岨囁を円滑に行うには,喝 囁リズムと岨囁力の調節が重要である。これまで,脳血管障害,脳腫瘍などの欠落症による高次神経心理学的な 解析の報告はあるが正常人の岨囁リズム及び岨囁力の調節に関する脳の機能局在の研究は殆どなされていない。 最近,血液中のヘモグロビンの性質を利用してMRIで脳の活性化部位を同定ができるようになった(脳機能を画 像化する技術は機能的fMRIと呼ばれている)。fMRIの大きな利点は.非侵襲的に,繰り返して検査を行うこと ができることである。本研究ではt fMRIを用いてリズミカルな岨囁運動(岨囁リズム)と持続的な噛みしめ運 動(岨囁力)を負荷としてヒト脳活動部位を同定した。さらに,この2つの運動パターンの脳内活動領域の差 異の比較により,岨囁リズムと岨囁力調節機構の局在を明らかにした。 研究材料と方法 1)使用した装置は,Sigan scannerl.0テスラ(GeneralEle.Co.,American)である。最初に解剖学的位置づ けのため,Tl強調画像(繰り返し時間(TR)/エコー時間(TE)=51ms/1.8ms)を使用し,全脳が観察で きるように,水平断面で14スライスを撮像した。FunctionalMRIの撮像はEPI(multisliceimaging)法を使用 した,1シリーズの撮像時間は150秒で,スライスの厚さは7mmを設定した,撮影条件はTR:2999ms,TE: 43.8/FE,FOV:24×24,matrix:128×128である。動きによるアーチファクトを押さえるために,特別に作成 したスポンジで頭部を十分固定したうえで負荷を行った。 2)対象は健常者(医学生,医療従事者等)6例,その内,男性4例,女性2例,すべて右利き,平均年齢32歳(19 ∼35歳)でおこなった。それぞれの対象者には実験内容を正しく説明し承諾を得た。 3)負荷の設計:スキャン時間は150秒で,安定したEPI画像を得るため,最初の30秒間は負荷をかけず,31秒か ら150秒までの120秒の間に,ONとOFFを連続4回線り返して行った。ON(9秒)の場合には被験者を自己通 常のペースでリズミカルな岨囁運動あるいは噛みしめ運動をおこなった。OFF(21秒)の場合には十分休ませ た。実験の間,被験者の両眼は閉じさせ,また,頑を動かさないように指示した。

4)画像解析:得られた画像はMCW AFNI2.20(MedicalCollege of Wisconsin Analysis of Functional NeuroImages Version2.20)を使って解析した。

研究結果と考察

(1)リズミカルな岨囁運動時には,補足運動野,運動野下部,体性感覚野下部,運動前野,小脳半球及び小脳虫 部に有意な血流量の増加が認められた。

(3)

-21-(2)噛みしめ運動時には補足運動野,運動野下部,体性感覚野下部,Brodmann44,45野及び小脳半球の一部に有 意な血流量の増加が認められた。 (3)噛みしめ運動と比べ,リズミカルな唄囁運動では補足運動野,小脳の血流量の変化が大きく範囲も広かった。 (4)噛みしめ運動時,Brodmann44,45野では血流量に有意な増加と減少が認められた。 今回のfMRIの結果から噛みしめ運動時とリズミカルな唄囁運動時との間で脳血流量の変化に明確な差異が認 められた。噛みしめ運動の場合,補足運動野,小脳共に血流量の増加は少なく,信号の変化も不規則で,明確な boxが認められなかったが,Brodmann44,45野には規則的で,明確なboxが出現した。 これはタスクによる脳 血流量の増加と減少であることが判明した。タスクによるfMRI信号の減弱現象はリズミカルな唄囁運動時に 小脳でも現れたが,Brodmann44,45野には認められなかった。 サル,ネコなどの大脳皮質連続刺激により,顎と舌とのリズミカルな協調運動が誘発される。連続刺激によっ てリズミカルな顎運動が誘発される領域は皮質岨境野と呼ばれ,サルでは6ba野,ネコでは眼高回吻側部に位置 している。また,扁桃核,外側視床下部,前交連,祝床網様核,被殻,内包,視床下部などの皮質下構造の連続 刺激によってもリズミカルな顎運動が誘発される。ヒトの皮質岨噂野についての報告はまだなされていないが, リズミカルな運動についてはいくつの脳皮質部位が議論されている。最も注目されているのは補足運動野であ る。複雑な指運動を行っている際にほ,運動野と補足運動野の両方に著しく血流量が増加することが指摘されて いる。今回の結果は噛みしめ運動よりリズミカルな岨囁運動のはうが補足運動野の血流量が著しく増加した。 したがって,ヒトのリズミカルな岨囁運動に対して補足運動野は重要な役目を果たしていることが示唆される。 岨囁時の小脳に向かう感覚情報は主に歯根膜からのものと唄囁筋の筋紡錘からのものが考えられる。リズミ カルな唄囁運動に比べ,噛みしめ運動時には小脳の血流量の変化が少なく」畝活部位も限られている。 おそら く,これは岨囁筋における筋紡錘の分布と関係があると考えられる。閉口筋には筋紡錘が豊富に分布しているが, 開口筋にはほとんどあるいは全く存在しない。噛みしめた時,閉口筋が収縮し,筋紡錘からの感覚情報は少な く,小脳の血流量の変化も少なくなるのであろう。また,リズミカルな唄囁運動が頻繁に歯根膜へ刺激を与え るため,小脳へ投射する情報が多いことも考えられる。 論文審査の結果の要旨 申請者 江依法は,人の岨囁に関わる脳部位を機能的MRI(fMRI)を用いて検討し,リズミカルな岨囁運動時 には,補足運動野,運動野下部,体性感覚野下部,運動前野,小脳半球及び小脳虫部が活性化され,噛みしめ運 動時には,補足運動野,小脳共に活性の変化は少なく,Broadmannの44,45野が強く活性化されることを明ら かにした。 この成果は!人の唄囁運動の神経機構の解明に少なからず寄与するものと認められる。 [主論文公表誌] fMRIを用いた人脳の岨噴機能に関する基礎的検討 平成12年1月発行 岐阜大医紀 48(1):10∼17

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