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現代剣道における称号・段位制度の構造と展開

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Academic year: 2021

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現代剣道における称号・段位制度の構造と展開

教科・領域教育専攻 生活・健康系(保健体育) 三 牧 岳 1.はじめに 「 貧l随は死ぬまでできるjとしづ言葉をよく耳に する。これは、貧l随は、生涯をかけての断子で、あり、 修行を重ねれば重ねるほど技体泊句にも精神的にも深 まっていくとしづ考えが背景にある。生涯にわたり 実践できるということは、貧1随の特性のひとつであ るといえ、それをシステムとして支えているのが称 号・段位制度である。また、称号・段位審査は、試 合に流れたスポーツ的な貧i随を本来の貧l随に近づけ ていく役割も果たしている。 現在においても称号・段位制度は、貧憾の奨励お よび、その向上に資する目的として貧l随界に多大な メリットをもたらしている。 本研究では、他のスポーツにない武道独特評価方 法である称号・段位制度の意義、規則変遷やその背 景を明らかにすることにより、新しい知見を取り入 れようとするものである。また、称号・段位審査に おける統計や合格者の手記、称号段位を取り上げた 番組等を分析し、様々な角度から称号・段位制度に ついて考察を行うこととした。そのことにより、審 査を通して、人間としての生き方、考え方、貧随に 対する取組み方がし、かに変化していったのかを把握 し、貧l随における修行の意味を考え、今後の貧JI道活 動に役立てようとするものである。

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研究方法 本研究では、称号・段位制度の変遷、実態等を以 下の資料や文献を整理・検討することにより明かに しようとした。主な資料は以下の通りである。 (1) 大日本武徳会における称号・段位審査規則 指 導 教 官 木 原 資 裕 及て界各種規程 (2) 全日本食随車盟における称号・段位審査規 程及て井各種規渥 (3) 日本剣道連盟『剣道称号・段位審査規則』 及び細則、実施要領 (4) 全日本剣道連盟広報紙『剣窓』 (5) N H Kドキュメントにっぽん『心で闘う 120 秒~貧IJ道・日本最難関試験に挑む~~ (6) 『八段の樹子』スキージャーナル 2側 年 (7) 愛媛県剣道連盟広報紙『剣道愛媛』 第1号 第 8号 (8) 徳島県剣道連盟広報紙『徳島の剣道』 第 12 号~17 号

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結果と考察 (1 )称号の始まりは、 1895年(明治 28) 年に大 日本武徳会が、精錬証を設けたのに始まり、 1902 年(明治35)に範士、教士を誕生させた。段位にお いては、警視庁が級制度を採用しており、武徳会も それに習し級制度を採用していたが、 1917年(大正 6)に嘉納治五郎の進言で段制度を採用したことに はじまる。称号は、武道家地位を守ること、級は、 貧l践の修行の段階・実力を示すことを目的とし、双 方に振興奨励策として誕生していた。 (2)称号・段位制度の変遷の特徴としては、剣 道を取り巻く環境の変化に伴うものと、称号と段 位の関係、に応じて改正がみられた。称号段位の目 的や意義は、普及振興・奨励策から剣道家の地位 を優遇・表彰へ、実力を表わすもの、指導者とし ての能力等を対象とするなど様々に変わってい

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た。これらのことは、称号・段位の権威の向上や 公正な審査を目指してのことであるといえる。 (3) 1鈎9年6月24日に制定された現行の規則 支出においては、

10%

未満であった。その結果、全 剣連の、大きな財源として称号・段位制度は成り立 っていた。 においては、段位の基準審査員選考委員会、綱 (6)合格者の手記守物、号・段位審査を取り扱った 紀委員会の設置、審査方法の改善、その他様々な 番組からは、称号・段位審査を通して、人々の精神 項目を加えてし九厳格な審査と受審者への胞意、 的、貧l随のまだ紺句な深まりをみることができた。手 教育的配慮を目指し、細則、要項を制定してし九 記におし、ては、合格を機に指導を受けた人、稽古し 以下のグラフは近年の称号の授与者数推移であ た仲間、家族への感謝の気持ちと恩返しを誓い、更 る。 称号慢与者の推移

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2α均年の新規則施行年度においては、称号の授与 は大幅に減少している。このことは、全輿臆の称号 の権威を高めていこうとする意図をみることができ る。

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全剣連が実施している六段、七段、八段審査 では、六段、七段の近年の合格率は、

20%

前後であ り、八段は

1%--2%

であり、八段審査だけ極めて 難関であった。加盟団体に委託されている五段以下 の審査では、初段の受験申請者が一番多く、五段ま で段が上がるに連れて減少していた。これは、各段 位の受審資格にある年限の関に何らかの阻害要因に より剣道から離れていることが推察できる。 (5)全貧JI連が公開している、決算報告によれば、 称号・段位審査における収入(審査会費収入、登録 費収入)は、総収入の75%を占めていたやその反面、 なる修行や貧JI道の発展に貢献していくことへの意欲 を示していた。

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7

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八段受有者においては、自分の精神的境地や 貧11道の技術を自分の言葉として表現していた。さら には、貧l随のあり方そ暢行のあり方などの実践例を 示していた。そして、自分の経験や技術を生かし、 後進の指導にも取り組んでいた。称号・段位審査受 審を通して、日々の修行への意識が高められている こともわかった。以上のことから、称号・段位制度 が、貧l随の伝統竹備の伝承に多大な貢献をなして いることがわかる。

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まとめ 称号・段位制度が他のスポーツにはない最もすば らしい点は、貧l随修行者のモチベーションを高め、 生涯貧Ij道を実践させ、少年、成年、熟年の三世代の 交流と稽古ができる形態を実現させていることにあ るといえる。称号・段位制度をとらえる視点として は、振興奨励策、集金システム、剣道の伝統そせ蛾

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の伝承があげられる。また、これらのことにより現 代貧随が支えられている。そして、それぞれ個々人 におして、称号・段位審査を通しての貧l鑓樹子が展 関されていたといえよう。 私自身、今回の研究を通して、称号・段位制度の もたらす効果と意義を考えることができた。今後の 課題として、剣道を通しての自分自身への気づきを 大切にしながら、さらに、剣道の深まりを求めてい きたいと決意している。

参照

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