• 検索結果がありません。

日本特有の風(台風、風の乱れ)を考慮した風車設計

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "日本特有の風(台風、風の乱れ)を考慮した風車設計"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)主要な研究成果. 日本特有の風(台風、風の乱れ)を考慮した風車設計 背 景 近年、我が国においても風力発電設備の導入が進められており、規模も大型化する傾向にある。風車を含む 風力発電設備には国際規格(IEC61400)があり、風力発電設備はこの国際規格に定められた標準風条件(風 速、および風の乱れの組み合わせ)を満足する風車クラスに合致する規格品として提供されている。しかしな がら、この規格は商業用風車の開発先進国である北欧地域での風条件、地形条件の経験に基づいて設定されて おり、我が国のように台風等の熱帯性暴風や複雑な地形の影響を受けた強風や風の乱れが考慮されていない。 また、冬季雷のような非常にエネルギーの大きな雷による影響も考慮されていない。 このような状況から、我が国の風車において、台風時の風車の倒壊や落雷によるブレードの破損、脱落など の事故が発生しており、設備の大型化に伴い、その影響も大きくなることが懸念される。そのため、風力発電 設備の安全性確保の観点から、我が国の風、雷の条件を考慮した、技術基準の見直しや設計ガイドラインの策 定が必要となっている。また、このような気象条件下での発電量予測についても、予測方法の開発や予測誤差 の評価が必要とされる。. 目 的 風車設計の際に考慮すべき日本特有の気象のうちで、風条件の評価手法と発電量予測システムの開発を行う。. 主な成果 1.風車模型を用いた風洞実験 風の変動が風車の応答に与える影響や風車応答の解析精度検証のため、1,000kW 級実機の 1/30 相当の風 車模型(ロータ直径 2m、ロータ回転数 600rpm)を作成し、三菱重工業(株)の大型風洞にて実験を行った。 これにより、変動風条件でのブレードとロータ軸の影響を明らかにし、数値解析の精度を確認した(図 1)。 2.複雑地形上に立地される風車に及ぼす風の乱れの評価手法の検討 当所で開発してきた乱流の取り扱いと地形の表現方法の違う既存の 4 種類の流体解析コードによる単純な 波状地形に対する風速と風の乱れの解析を行い、いずれのコードも波状地形上の乱流場を精度良く解析する ことを明らかにした。さらに、その中の一つのコードを用いて、実際の風力発電所の地形を対象とした風況 解析を行い、複雑地形に起因する風の乱れについて、観測値と解析値が一致することを確認した(図 2)。 3.風車発電所(ウィンドファーム)における発電量予測システムの開発 予測計算の初期値となる日本周辺の気象予報データおよび各物理モデル(気象解析モデル、風況解析モデ ル)について、複数のコード間(気象解析モデル:東京大学、(財)日本気象協会、伊藤忠テクノソリュー ションズ(株)、および当所の有するコード、風況解析モデル:(財)日本気象協会と当所の有するコード) の比較を実施し、予測時に生じる各物理モデルの誤差や不確実性の程度について比較・評価した。また、風 況解析モデルについては実測をもとにモデルの改良を行った。それらの結果に基づき、気象の変化を考慮し た風車毎の発電量、ならびにそれらを合計したウインドファーム全体の発電量を求めることの出来る予測シ ステムを開発した(図 3)。 4.発電量予測システムの検証 この発電量予測システムを用いて、風況場の特性が異なる全国 5 ウィンドファーム(東北 3 サイト、関東 1 サイト、九州 1 サイト)を対象にした予測計算を実施し、当初に定めた精度目標値(今の発電状態がそのま ま続くと仮定した発電量に対して、改善率(当日予測 20 %以上、翌日予測 30%以上)、予測誤差(当日予測 15 %以下、翌日予測 20%以下))を達成することを示した。なお、当日予測とは予測発表時刻から 24 時間先 までを対象とした予測であり、翌日予測とは翌日 0 時から 24 時を対象とした発電量予測である。. 今後の展開 耐風、疲労や落雷の検討結果は「発電用風力設備の技術基準を定める省令」などの設計指針に反映され、開 発した発電量予測システムは実用化を進めるとともに、山岳部や洋上などの新立地の検討に活用する。なお、 本研究は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究(日本型風力発電ガイドラ イン策定事業、気象予測に基づく風力発電量予測システムの開発)として実施した当所の成果の一部を記述し たものである。 主担当者. 地球工学研究所 首席研究員 田中 伸和. 114.

(2) 7.新エネルギー/自然災害・計算科学. 図1 台風時における風車の風荷重評価 左図:風洞実験に用いた風車模型(1/30縮尺)の主要部の写真(ナセルカバーをはずした状態) 右図:風速の時間変化に対応した実験値とシミュレーション結果との比較(台風時には時間とともに風速が 急激に変化する。それに伴う荷重の変動を既存の解析コードが精度良く再現することが確かめられた。). ︵ 変 動 風 速 の 標 準 偏 差 ︶. ︵ m ︶. ︵ 高 さ ︶. (m). (風の乱れ). 図2 周辺標高の起伏に富んだ風力発電所を対象とした数値解析コードを活用した風の乱れの評価 左図:数値解析により得られた変動風速の標準偏差の鉛直断面空間分布(赤色の領域は値が大きく、青色の 領域は値が小さい。風車の疲労強度の評価パラメータの一つである変動風速の標準偏差が、地形の起伏によ り、空間的に大きく変化していることがわかる。) 右図:風車設置地点における変動風速の標準偏差の鉛直分布(観測値(点)と解析結果(実線)とは良く一 致しており、数値解析技術を用いて風の乱れに起因する風車の疲労評価が可能であることがわかる。). [m/ s]. 風速 MARS 25 RSM- GPV RSM-GPV 20 観測値 15 10 5 0 2006/12/22 21:00 21:00 2006/12/23 9: 9:00 00 2006/12/23 21:00 21: 00 2006/12/24 9:00 9: 00 2006/12/24 21: 21:00 00. [deg]. 360. 風向. MARS RSM- GPV RSM-GPV. 270. 観測値. 180 90. 0 2006/12/22 21:00 21:00 2006/12/23 9: 9:00 00 2006/12/23 21: 21:00 00 2006/12/24 9: 9:00 00 2006/12/24 21: 21:00 00. [kW]. 1500. MARS RSM- GPV RSM-GPV. 発電出力. 観測値. 1000 500. 0 2006/12/22 21:00 21:00 2006/12/23 9: 9:00 00 2006/12/23 21: 21:00 00 2006/12/24 9: 9:00 00 2006/12/24 21: 21:00 00. 115. 図3 気象モデルを用いた予測 計算結果の一例  風速(上図)、風向(中図)、発 電出力(下図)について、気 象庁の予報データ(図中の RSM-GPV)、当所開発の気象 予測システム(MARS)によ る予報値、および観測値を比 較したもの。  これらの図より、気象モデ ルを用いることにより、低気 圧の通過など、局所的な気象 現象を捉えることができるこ とがわかった。 (赤○:小低気圧の通過、緑 ○:季節風の吹き出しに伴う 発電出力の増大). 7.

(3)

参照

関連したドキュメント

大型風車の導入実績の伸びには著しいものがあるが,ブレードの破損や,低周波騒音の発生などの諸問題が

Large-eddy simulation (LES) of the wind flow around the wind turbine was performed using an actuator disk model for the rotor and by explicitly resolving the tower and nacelle. In

強制空冷時は、風速 2.7m/s

地域の名称 文章形式の表現 卓越もしくは変化前 断続現象 変化後 地域 風向 風向(数値) 風速 風力 起時

羅漢果ゼリーのミルクジャスミン風味 Chinese Longevity Fruits

特定非営利活動法人..

開催期間:2020 年 7 月~2021年 3 月( 2020 年 4 月~ 6 月は休講) 講師:濱田のぶよ 事業収入:420,750 円 事業支出:391,581 円. 在籍数:13 名(休会者

開催日時:2019 年4 月~ 2020 年3 月 講師:あかしなおこ. 事業収入:328,200 円 事業支出:491,261 円 在籍数:8 名,入会者数:1