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ビル避難群集流のシミュレーション

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Academic year: 2021

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(1)

小特集・ビル防災

∪.D.C.519.87る.5=〔301.182‥占1ム84L5::725・2〕

ビル避1難群集i充のシミュレーション

A

Simulation

Mode10f

Crowd

円owin

EmergencY

近年,建築物の大形化に伴し、火災等災丁押寺の剋雉が柑二間過となっている。般過 な避難誘や計画を作成するには,避難誘き藷を行なった場合の肝築の流れ方を推定し, 計画の事前評価を行なう必要がある。[J+て製作仰ま,このようなl妨災計画策志のた めの群集丁克シミュレータを開発した。 従来のモデルでは,群集の流れの方ドりを条件として与えなければならなかったが, 本稿のモデルでは,問1相の状況が群集の動きに及ぼすji与壬響を力学的手法で記述する ことにより,群集流の方向をも含めてシミュレーートすることを ̄叶能にした。その結 果,流れの方向を直接与一えなくても,避稚時間や滞留人数の経特約変化を求めるこ とができる。 l】 緒 言 火災など災1榊寺の逝弓椎誘導計画は,各椎の災;キ状況に応じ た最適な避難の道順をあらかじめ決めておき,その道川自に沿 って誘ブ#する方式が望ましい1)・2)。殻過な道順は,いろいろ な避喜唯路選択の代替案を比較評価してブ央志する。この評価に

は,群集流の滞留(待ち)や避難時F了与jを推定するための,避難

群集i充シミュレーションが不可欠である。J 従来は,群集流をネットワーク流とみなし, ̄交差点部で分 岐する人数比を与一える手法により群集流の模ヰ疑が可能であっ た3ト5)。この手法では,ネットワークを作る段階で群集の流 れの方向を外生的に与えなければならないが,大規模なビル, 地下街,コンコースなどでは,群集流の方向を予想しにくい ため,この手法を適用することが困難である。 このようなi壁難方向i選択の白山度が大きい場所で,i旺雉群 集流を模撤するため,群集流の方向をモデル内で生成し,群 集流をシミュレm卜するモデルを作成した6)。 凶 群集流のモデル 群集の流れを衷わすには,流れの方向と流れのi辻を求める 必要がある。 2.1 群集;充の方向 群集の流れ方は,周凶の状況に依存するが,本モデルでは, これを「各種二状才兄要凶が群集を特定の方rh=二移動させる力と して作川する+と考え,人を田点,各椎二状批要因の影響をプJ とする力学モデルで人々の動きを表わす。 すなわち,て洋集流は力場の中の質点群の連動として記述す る。力場は各椎二状況要因ごとに定義されたカグl,F2,…… F′Zの和で与えられる6)▼7)。 F=∑F々 ‥…‥…・・・…‥…‥…・・…・…‥…‥‥…・(1) 々 具体的な状況要因としては,次に挙げるようなものがあり, それらが避費紺草葉に及ぼす影響は,火災,地定言などの ̄亨岬J調 査から知ることができる8ト10) (1)火 災 人は火煙を見ると恐怖心から遊星椎行動をとるt〕このことか ら,火煙が人に及ぼす影響は,煙濃度C5(γ,己)をパラメー タとし,Cgの最も′トさい ̄方を向き大きさがCgに比例する力 として表現する。 吉原郁夫* 中尾和夫** 大成幸手彦* 小栗正裕*** yo5んiんα・r(IJんひ0 仙んα0 斤αヱ〟r) 0几αγg 〟gんJんfた0 0ダ址γ∫〃耶αんJγ0 (2)避難誘禅 譲頼灯の杵築制御力は,一矢印の方向に向かった 一左の力で 表わす。) 一一方,人による現場誘導には八々がよく従うが去をき竿する範 凹が限られているので,その影響は誘導地点を中心にある範 州だけ有点な他をもつ関数で表わす。 (3)iは推†空 群集の流率は,群集密度がある程度以_卜大きくなるとかえ って低 ̄1丁することから,群集密度の高い所から低い所へ八を 向かわせる力が働く と考える。 この力は,群集が混雑している地点を回避して通る性質を 表わしている。)

(4)避

難路 群集が逝推する際,妓も分かりやすい道は,日常多くの人 八が迫っている道すじ,すなわち日常動線である。ここでは, ‖儒・動線に沿い出口に向かう力を導入することにより,特定 の追を一選んで避難する傾向を表わす。 2.2 群集の;充量 肝集の流_昌ミニは,フロアを区伸‖二分渕し,担二画と区画の境界 を通過する人数で表わされる。例えば,ある区画月から隣接 【ヌニ両月′に』吉時間内に流出する人数¢芸′(亡)は次のように求め る(図1)._. 郎′(亡)は,一基両月にいる人のうち,Rと月′の境界に到達 できて、かつその境界の帖員を通過できる人数である。月と 月′の境界に到達できるのは,図1の○印を施した領域にいる 人であるく) 二の領J或の良さJは,』川抑引勺の群集歩行距離の月月'ノブ 「〔りへの射岩手Ⅴ月COS(月月',F月)』fで与えられる。ここでⅤ〟 は群集歩行速度であり,これは図2のように肝集密度に依存 して変化する11)。 月と月′の境界の幅員Ⅳ芸′を通過できる人数は≠Ⅳ芸′』吉であ る。ここで≠は,単イ_、き二時間当たり単位幅員を通過できる人数 (群集流山係数)であり,その値は1.5人/m・Sである8)・10) 以_Lのことから,隣接区画への遷移人数は次式で与えられる。

酪(舌)=mよ乃〔警Ⅴ月COS(甜,F山七≠仙〕…(2)

* 日_弦巻望作所システム開発研究所 ** 日二、∴整望作戸斤システム開発研触叶工学博士 *** u、ンニき望作所機電車二半本部 23

(2)

978 日立評論 VOL.58 No.12(柑76-12) J

卜、、

(3 区画月 Ⅴ月 0 00 0 0 0 0

古、ご

区画月′

¢票′(り

α 図l隣接区画への群集流出領域 オー時間内には,○印の領域内の群 集が右側の区画斤′へ流出できる。 2 (∽\∈)軸珊 ひ=1.1〆8'7954 U 1 2 3 密度(人/m2) 図2 群集歩行速度11) 群集歩行速度は群集密度に依存する。 B

避難群集流のシミュレーション

避難群集流のシミュレ【ションは,2.のモデルを骨・ナとし, 図3のフローに示す手順で行なう。以下,同図に従いシミュ レーションの方法を説明する。

(1)想定する災害条件に其づき,各区画の初期人数データや

力場の関数(煙の動き,避難誘導の方向など)を与える。 初期人数は,実測値がなければ,建物の用途別群集密度を もとに,乱数で各区画のばらつきを加味して与える12)。力場 は2・lで述べた考えに基づき,時間王,空間月の関数で表わL 与える。 なお,建物自体に関するデータは,プログラム作成時にパ ラメータとして与えている。これには縦方「礼 横方向の区画 数,各区画の一辺の長さと面積,区画間の幅員などがある。

以上のデータをもとに,』才時間(0.5∼2秒程度に選ぶ)間

隔で,以下の手順(2ト(6)を繰り返し,群集流をシミュレート

する。

(2)毎時刻ごとに,各区画の力場を算出し,群集が流出して

行く方向を求める。 24 1.シミュレーション デナタ入力 対象の区画割り テナント

[亘□

テナント 7 ̄ ナ ン ト ゆ 毎 土中 亡十』エーg 2.各区画の力場の算出 混雑回避の力 煙回避の力 3・隣接区画へ歳出す.る人数の算出 ∨各区画め初期人数 火息煙ぬ動き ̄(£) 避難蔑導の方向(妻)

l

l

0 0

吉江土。。′。

月吋

I

4.£+加時点の区画人数め算出 ̄ Ⅳ兄(£十加卜

=Ⅳ月川ヰ∑甜(∼卜∑靡潮∼〉

月' ぎ

l

5.各時刻でのデータの集計及び綻計 000 0ご㌔ 0。 O b 6. 0

。○羊b:恐

環太 庶出 兄ノ

麟..ょう

涜入 避難著数 由ゴ≠争

l

避難尭了? (避難者数ご初期人数)

...i..

7.シミューレーション枯葉の出力 兼出 時間 NT=1 A-KAIDAN=1 B-KAIDAN NT=2 A-KAIDAN=3 B-KAIDAN NT=3 NT=4 NT=5 NT=6 NT=7 NT=8 丁=0

l

図3 シミュレーションの手順 初期人数,火息避難誘導の方向等 を与えると,群集流モデルに従い』f時間ごとの群集移動を計算する。

(3)

ビル避難群集流のシミュレーション 979

(3)各区画に対し,隣接する区画に流出する人数を(2)式から

算出する。

(4)すべての区画にわたr),舌時点の人数に,隣接区画からの

流入人数を加え,かつ流出入数を減らすことにより,王+』∼ 時点の人数を算出する。

(5)毎時剥ごとに,避難場所到着老数,滞留者数などの集計

と統計的処理を行なう。

(6)避難場所への到着者数と初期人数とを比較し,全員避難

したかア書かを判定する。避難が完了していない場合は先の(2)

にもどる。

(7)指定した時刻での避難群集の分布や滞留の時間変化など,

シミュレーション結果を出力する。群集分布は,直観的に分 かりやすくするため,各区画を区画群集数に応じた濃淡図で 表わす。滞留は各地点ごとの人数の時系列的変化のグラフか ら知ることができる。 事 務 室 A階段

与∼F

や、 】 て _ゝ H や\ l て ユ H 事務室 B階段 図4 高層事務所ビル ヘ避難する状況を模擬する。 二の階のF点で出火L,人々がA階段,B階段

T=0秒

T=5 T=10

T=15

i I l 1 T=20 T=25 T=30 T=35 l 1 l ユ 】 l 卜 +▼ l 】 + _+⊥ +J

 ̄「 †_._ t i ! ヰー .⊥_⊥ L T=40 T=45 9 4 二 T 】 l l WT ̄' 1

羊二'

I 】 -←

! ⊥_ + 【 十 ++ 1

■卜已 l † -ト 帖 伊 凡 〈 田 口 ■ ■ ■ A「 人2-59一1 一 一 nU 1 3 (b n) l [] [出 盛 田 閻 15-21 22-28 29-35 36-44 45-b4 図5 群集分布の推移 出火階での各時刻の群集分布を濃淡図で表わす。 25

(4)

980 日立評論 VO+,58 No.】2(柑76-12) Ⅳ一 0 0 5 ∩∨ (Y)封神泉㈲ 0 5 階段への到着者数 (累積)

′・£二

一一■----、 階段前の滞留人数 20 40 時 間(s) 60 0 0 5 0 (Y)意柵強靭 0 5 階段への到着者数 (累積) ′′一一一-、---ノl 階段前の滞留人数 20 40 時 間(s) 図6 A,B階段への群集集結 階段が詰まっているときは,階段前に破線で示すような滞留が生ずる。ビル避難群集流のシミュレーション 高層事務所ビルの途中階(図4)で火災が発生Lた場でナの出 火階内のイ洋集拐己動をシミュレートし,初期人数や避難誘導が 1滞留や避難時間に与える宗き響をみる。 シミュレーションに当たっては,次の仮定を設けた。

(1)火ノブフニは,図4の図面卜側のFノブ土とL,この階からの遊雉

には,A階段及びBド培段だけがj ̄r卜、られる。 (2)初期人数は, ̄、ド均群集糖度0.125人/m2とし,乱数を用い て分散配置する。 (3)避難方向は,火煙,避難誘導,混雑度から決まるもの とする。煙は欠点から遠ぎかるに従い薄くなり,各方向には 一様に伝搬すると仮定L与える。避難誘導には誘導灯が用い られ,群集は最寄りの避難口に向かうものとする。混雑度の 影響については,群壌は非常に群集密度の高い地点を[叫逝し よ う とすると二号える。 (4)群集は,非常放送の指示で全員同時に避雉を開始するも のとし,その時点をシミュレーション時間の胤l.ま舌=0とする。 出火階の群集が,A階段及び8ド皆f貨に集結して行く過程を 図5に示す。同図の濃淡パターンは,各区画の人数の多少に 対応している。群集の流れ方をみると,まず去から通路に出, 通路に出た群集は火点近傍は別として,近いほうの階段に向 かう。火煙の影響は欠点のごく近傍にしか現われていないが, これは出火後ただちに避難するという似走のため煙が遠方に 届いていないからである。混雑度の影響は,階段に近し、案の 人が,通路の群集密度が高いためしばらく芋にいるという点 に現われてし、る。このような考察から逆にモデルのパラメー タの適否を判定することも可能である。A,B階段に集結す る群集数の累積を図6に実線で示す。この階からの避難者と 上階から下降して来る避難者の合流比が3:7とすると,図 6に破線で示す滞留が続く。 このようにして,初期人数分布,火点,避難誘導の方向な ど,避難条件の変化に応じた,滞留の場所的・時間的変動や 避雉時間が把握できることから,避難誘導計画の事前評価が 可能となる。なおビル全体の群集流は,各l;皆に対し上例のよ うな模擬を行ない,各階からの群集流を階段uを接点とし階 26 80 段内の群集流に接続することにより横寺旋される。 ■l 結 ビル避難群集流のシミュレータについて,モデルとシミュ レーションカーi去について述べた。本稿のモデルは,力場の概 念を導人することにより群集の置かれた同1ナ朋犬況から肝集流 を推定することを特徴としている。このモデルにより,群集 流の方「ajを外生的に与えなくとも,避難群集流の模挺が可能 である。 群集流シミュレータを用いることにより,様々な避難の道 順の選びガに対し,「どこに,どの程度の大きさの滞留が発 生L,避難時rポJがどの程度になるか+を推定できる。この結 果から,遡契佳誘や ̄方向の事前評価が可能である。 参考文献 1)Lリノ亡,赤沢ほか:「避雉誘導システム+,日立評論,58,971 (昭51-12) 2)吉J京,「fl尾ほか:「パターン制御方式による避難誘導システム の提案+,昭和51年電∼(学会全凶大全,1672(昭51-4) 3) ̄十川:「娃物全体を考慮した避難時間のシミュレーション+, 日本j圭築学会大全,621(昭48-10) 4)吉原,中尾ほか:「待ち行列型モデルによる避難群集流動の シミュレーション+,昭和50年電気学会全国大会,2072(昭 50-4) 5)藤田:「大震火災時における住民避難の撮適化+,生産研究, Vol.27,No.3,501(昭50) 6)二吉J京,中尾ほか:「避難環境の力場表現による群集流のモデ ル化+,電与i学会論文誌(投稿中) 7)吉原,中尾ほか:「メッシュポテンシャル型モデルによる群集 流動のシミュレ【ション+,昭和51年電乞も学会全国大会, 1673(昭51) 8)彰匝l杜編:建築学大系21(建築防火論),329(昭48) 9) ̄ 東京都防災会議:大震災時における地下街のパニック対策に 関する研究(昭47) 10)日本火災学会:災害時の心理と行動(昭48) 11)木村,仰京:「建築物内に於ける群集流動状態の観察+,日本 建築学会論 ̄文集,Vol.5,307(昭12) 12)日本火災学会:建築防火教材,87(昭51)

参照

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