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生徒の豊かな人間関係づくりをめざした実践研究 -学級経営、生徒指導、道徳教育からのアプローチ-

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生徒の豊かな人間関係づくりをめざした実践研究

-学級経営、生徒指導、道徳教育からのアプローチ-



稔彦

*





Practical research to establish the better interactive relationship among junior high school students

through an attempt from the perspective of class management, student guidance and moral education

Naruhiko HATA

 

キーワード:学級通信、班ノート、学ぶ姿勢、道徳の時間 1 実践校および研究の概要  各学年3学級からなる小規模校である。人なつっこく、素直な生徒が多いが、困難にぶつかると努力する 前にあきらめたり面倒がったりする傾向がある。赴任した当時、器物破損・生徒間暴力・授業のエスケープ 等、問題行動が絶えない状態であった。そこで、教科指導はもちろん生徒指導面にも力を入れ、生徒の心の 中にある良識を呼び起こすために、「以前からあった価値観」を否定し、教師が常識を語っていった。それ に感じ、芽生えはじめた生徒の良識を学級通信に載せ、紙上交流というかたちで「いいことはいい、悪いこ とは悪い」という学級の世論を育てていった。同時に一人ひとりのよいところを見つけ、他者に学ぶという 姿勢を育てるという願いから、「感じて動く=誠意あふれる行為」ということを折に触れ語り、学級通信に も掲載してきた。  こうした取り組みを通して、生徒との距離も近くなり、教師の思いをくみ取り前向きな姿勢で授業や毎日 の生活を送るようになってきた。幸い赴任4年目から2年間、文部省(現文部科学省)の「中学校生徒指導 総合推進校」の研究指定を受け、生徒理解・授業についての研究を深める機会も得た。ある一定の落ち着き を取り戻したが、学校教育目標に掲げられた「人間性豊かなたくましい実践力のある生徒を育成する」には 迫りきれなかった。それは、心の教育は学級指導の中で行っているという思いから、道徳の時間を充実させ ていなかったことに原因があると考えた。そこで、赴任5年目からは道徳教育の充実を図る手だてを考え、 その充実に取り組んだ。  2 以前からの価値観を否定する取組 ~赴任1年目~ 3階廊下の床には砂があり、所々コンクリートが見えていた。教室の床には、ガムがこびりついて黒くな った跡やタバコを押しあてたであろう黒い焦げ跡が見られた。水拭きをし、掃除機をかけてもきれいになっ たという実感がわかなかった。2重サッシは枠だけのところも多く、机や黒板には落書きが掘ってあった。 その中で、教師が塗り替えた壁のペンキだけがきれいに浮かび上がっていた。4月、新入生を迎え入れる前 日の光景である。荒れの傷跡がある教室で、前任校との違いに戸惑うスタートであった。入学してきた生徒 * 豊郷町立豊日中学校 に先を見通し確かな戦略をもつ経営者であることが求められる時代である。戦略は、学校が社会の信頼を得、 魅力ある学校となるために不可欠なものである。学校経営において戦略的思考・能力は最も重要な能力だと いってよいだろう。ビジョンや戦略をつくり、それを教職員に伝え、理解を得て、そこに協働意欲と協働関 係をつくり、個人と組織の中に一定の変化を生み出す力はリーダーシップと言われる。このリーダーシップ はビジョンや戦略を生み出す力だけでなく、人を動かしてそれらを具体化する力であるし、さらにはこうし た行動をつうじて学校に文化をつくる原動力となるものである。実ははじめて「戦略:ストラテジー」を耳 にしたとき違和感を覚えた。何か学校教育にそぐわないように感じたのは事実であるが、「経営」と同様に言 葉のうえでも「学校」という聖域に固守して井の中の蛙になってはいけないとある研修で言われたことを記 憶している。 4 おわりに 学校再生という大きな目標を掲げて取り組んだ2年であった。本稿では、自らの経験を交えながら、自律 的学校経営における校長のリーダーシップを中心課題として論をすすめてきた。 次には組織、人材育成、地域との連携強化などについて述べたい。また、開かれた学校づくりの在りよう について、C 中学校が今年から始めたコミュニティースクールをとりあげ新たな学校像が描ければと思って いる。 註 1)「大津市立C 中学校いじめ防止基本方針」 平成27年4月 3 ページ 2)「大津市立C 中学校学校経営管理計画」 平成27年4月 17 ページ 3)「校訓を活かした学校づくりの在り方について」(校訓を活かした学校づくり推進会議) 平成21 年 2 月 文部科学省 4 ページ 4)小島弘道編著『校長の資格・養成と大学院の役割』 東信堂 2004 年 5 ページ 5)中央教育審議会答申 「今後の地方教育行政の在り方について」 (平成10〔1998〕年 9 月) 6)小島弘道編著『校長の資格・養成と大学院の役割』 東信堂 2004 年 5 ページ 7)児島邦宏・天笠 茂 編著『スクールリーダーとしての校長 学校の裁量権と経営責任』 ぎょうせい 2001 年 7 ページ

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- 32 - と数カ月接する中で、次の点に力を注ぐ必要性を感じた。 ・良識を育てる。 ・私的人間関係だけでなく、公的人間関係を学ばせる。 ・自分たちの学年からこの中学校をよくしていくという意識を持たせる。 (1)具体的な取組 ○リーダーを核とした学級の世論づくり。 ○「殺す、しね」という言葉の追放。 ○班ノートを活用した仲間づくり。 ○器物破損 非常ベルを押す・マジックで壁に落書きをする・掲示物を破くなど 、アメ・ガムの問題など、 起こった問題は生徒一人ひとりに考えさせ、紙面交流する。 ○問題行動を起こした生徒には教師は複数で指導にあたった。 (2)過程と成果   ○学級のリーダー数人と1冊のノートを交換し、担任と生徒の意志の疎通を図った。学級の状況を分析し、 出てきた課題の解決方法を探るというものであった。まず教師が本音を綴り、リーダーたちの心に灯をつけ た。目指したい学級像を出し合い、それを達成するための手だてを考え、※実行に移していった。この陰のリ ーダー会は、2年後半から中心となる生徒会執行部のメンバーを意識して構成した。学級の建て直しを経験 させておくことが、この先学年・学校を引っ張っていく土台になると考えたからである。 ※①学級のリーダーが書いてくる文章を学級通信に意図的に取り上げ、生徒の良識を呼び起こそうとした。 ②週に1回はリーダー会を開き、現状を話し合った。 ○「殺す、しね」という言葉をよく口にしていた。  これらの言葉は絶対に使ってはいけないという毅然とした態度で臨んだ。私自身が落書きで書かれ、とて も傷つき、悩んだという苦しい胸の内も話した 図1、2 。    図1 学級通信『あすなろ倶楽部』1R     図2 学級通信『あすなろ倶楽部』1R

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と数カ月接する中で、次の点に力を注ぐ必要性を感じた。 ・良識を育てる。 ・私的人間関係だけでなく、公的人間関係を学ばせる。 ・自分たちの学年からこの中学校をよくしていくという意識を持たせる。 (1)具体的な取組 ○リーダーを核とした学級の世論づくり。 ○「殺す、しね」という言葉の追放。 ○班ノートを活用した仲間づくり。 ○器物破損 非常ベルを押す・マジックで壁に落書きをする・掲示物を破くなど 、アメ・ガムの問題など、 起こった問題は生徒一人ひとりに考えさせ、紙面交流する。 ○問題行動を起こした生徒には教師は複数で指導にあたった。 (2)過程と成果   ○学級のリーダー数人と1冊のノートを交換し、担任と生徒の意志の疎通を図った。学級の状況を分析し、 出てきた課題の解決方法を探るというものであった。まず教師が本音を綴り、リーダーたちの心に灯をつけ た。目指したい学級像を出し合い、それを達成するための手だてを考え、※実行に移していった。この陰のリ ーダー会は、2年後半から中心となる生徒会執行部のメンバーを意識して構成した。学級の建て直しを経験 させておくことが、この先学年・学校を引っ張っていく土台になると考えたからである。 ※①学級のリーダーが書いてくる文章を学級通信に意図的に取り上げ、生徒の良識を呼び起こそうとした。 ②週に1回はリーダー会を開き、現状を話し合った。 ○「殺す、しね」という言葉をよく口にしていた。  これらの言葉は絶対に使ってはいけないという毅然とした態度で臨んだ。私自身が落書きで書かれ、とて も傷つき、悩んだという苦しい胸の内も話した 図1、2 。    図1 学級通信『あすなろ倶楽部』1R     図2 学級通信『あすなろ倶楽部』1R ○班ノートは  月からはじめ、次のような約束でおこなった。 ・班員で順番にまわす。班ノートを書く日は生活ノートを書かなくてもいい。 ・書く内容は、学級のこと、最近思うこと、特に制限はもうけない。 ・当番の班は、昼休みに班員全員で班ノートを6冊読み、一番いいと思われる内容を帰りの会で読み上げる 教 師の思いと違うものを選んだときは、その意図を聞く 。 ・担任は朱書きを入れない 班員が共有するものだから 。   班ノートを通して、生徒自らが学級や自分自身について、モニターとなる機会を得た。1学期は私的な 人間関係で班がえを強く希望していたA子も、3学期の班ノートには公的な見方で班がえについて文章を 書く 図  及び図  など変容が見られた。   図  学級通信『あすなろ倶楽部』1R    図  学級通信『あすなろ倶楽部』1R ○器物破損等についての指導は次のようにした。 ・非常ベルが鳴れば、全校生徒は運動場に避難するという方針がとられた。いたずらであっても、この姿勢 を貫いたことで、非常ベルが命をつなぐ大切な物であることを生徒が身をもって理解した。いたずらで押 すことで、学習時間が削られたり、復旧するために関係機関に迷惑をかけたりこと、しいてはそれが中学 校への信頼を失うことにつながると、学級では避難する度に話した。 ・「むかついていたから」という理由で掲示物が破かれる事があった。不必要な物が掲示されているの   ではなく、なければみんなが迷惑をし、作った人は嫌な気持ちになるという世論を学級で高めた 図  4 。破かれた掲示物を補修する生徒の姿から、物に込められた気持ちを学ぶ生徒も見られた。    

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- 34 - ・教室にマジックが置かれていない現状を生徒は不便  に思っていた。なぜそうなってしまったのか理由を  考えさせた。壁に落書きをすることが信頼を失って  いたと理解したこの学年は落書きをしなかった。 ・アメ・ガムなど、不要物は追放しようと各学級で取 り決めた。破る生徒がいれば、自分の信用を失うと いうことにつながり、この中学校をよくしようと頑 張っている生徒を裏切ることになると話した 一人 の行為が全体の評価になることも教えた 。破った生 徒には、学級みんなの前で謝罪をするか、学級通信 に反省文を掲載した あくまでも、過ちを犯したが、 反省してこれから頑張っていく自分を見てほしいと いう目的からである 。 ・公共物を大切にしていくことが、自分たちの環境を 豊かにしていくと繰り返し話した。「修理するお金 は 税金があてられている。もとは各家庭から出さ れており、君たちの両親が働いて稼がれたお金であ る。その貴重なお金を、「むかついたから」という    図4 学級通信『あすなろ倶楽部』1R4  理由で壊された物の修理にあてられていると知った  らどんな気持ちがしますか」と心情に訴えた。そして、「校舎を大切にし、修理をするところがなくなれ ば、今まで使われていたお金は別の使い方がされると思いませんか」と折りに触れ話した。 ※6年間で修繕された主な箇所  廊下の床の塗り替え・トイレの改修・体育館の立て替え 階段の手すり設置・下駄箱を新調・教室の扉を 新調・黒板の塗り替え・2重サッシの補修などにより環境も整えられていった。その度に校舎を大切に使っ ているから、このように直していただけると話した。 ○教師が複数で指導にあたることで次のような成果を得た。 ・指導の際に役割分担でき、言い忘れなど、おさえるポイントを逃さなかった。 ・指導の後半には必ず生徒のよさを再確認し励ましているが、具体的な事柄が多く語れた。 ・どの生徒を次年度担任しても、指導の経過をつかんでいるので指導に生かせた。 ・教師自身が指導の在り方を学び合えた。また、指導した事柄を、同じトーンで全ての学級に返すことがで きた。        ○問題を起こした生徒を指導する際は、「自分のしたことの結果は自分の責任で引き受ける」ということを  徹底した。生徒を子ども扱いすれば、大人が全て尻拭いしてくれるという甘えのもと、自分のすることの  結果も見通さず、他人にどのような迷惑をかけるか想像もできない生徒になってしまうと考えたからであ  る。 

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・教室にマジックが置かれていない現状を生徒は不便  に思っていた。なぜそうなってしまったのか理由を  考えさせた。壁に落書きをすることが信頼を失って  いたと理解したこの学年は落書きをしなかった。 ・アメ・ガムなど、不要物は追放しようと各学級で取 り決めた。破る生徒がいれば、自分の信用を失うと いうことにつながり、この中学校をよくしようと頑 張っている生徒を裏切ることになると話した 一人 の行為が全体の評価になることも教えた 。破った生 徒には、学級みんなの前で謝罪をするか、学級通信 に反省文を掲載した あくまでも、過ちを犯したが、 反省してこれから頑張っていく自分を見てほしいと いう目的からである 。 ・公共物を大切にしていくことが、自分たちの環境を 豊かにしていくと繰り返し話した。「修理するお金 は 税金があてられている。もとは各家庭から出さ れており、君たちの両親が働いて稼がれたお金であ る。その貴重なお金を、「むかついたから」という    図4 学級通信『あすなろ倶楽部』1R4  理由で壊された物の修理にあてられていると知った  らどんな気持ちがしますか」と心情に訴えた。そして、「校舎を大切にし、修理をするところがなくなれ ば、今まで使われていたお金は別の使い方がされると思いませんか」と折りに触れ話した。 ※6年間で修繕された主な箇所  廊下の床の塗り替え・トイレの改修・体育館の立て替え 階段の手すり設置・下駄箱を新調・教室の扉を 新調・黒板の塗り替え・2重サッシの補修などにより環境も整えられていった。その度に校舎を大切に使っ ているから、このように直していただけると話した。 ○教師が複数で指導にあたることで次のような成果を得た。 ・指導の際に役割分担でき、言い忘れなど、おさえるポイントを逃さなかった。 ・指導の後半には必ず生徒のよさを再確認し励ましているが、具体的な事柄が多く語れた。 ・どの生徒を次年度担任しても、指導の経過をつかんでいるので指導に生かせた。 ・教師自身が指導の在り方を学び合えた。また、指導した事柄を、同じトーンで全ての学級に返すことがで きた。        ○問題を起こした生徒を指導する際は、「自分のしたことの結果は自分の責任で引き受ける」ということを  徹底した。生徒を子ども扱いすれば、大人が全て尻拭いしてくれるという甘えのもと、自分のすることの  結果も見通さず、他人にどのような迷惑をかけるか想像もできない生徒になってしまうと考えたからであ  る。  3 学級通信を中核に据えた取組 ~赴任2年目から3年目~  1年生の3学期から学級通信を日刊したことが、生 徒と教師、生徒と生徒の有機的なつながりを促進する のに有効な手だてという確信を得た。2年目からは学 級通信を中核に据えて学級経営を行うことにした。学 期が進む中で迷いが出たときは、年度当初に作成した 学級経営案 図5 を読み直し、自分が育てたい生徒像 を確認しながら、学級経営を進めた。 (1)学級通信のねらい  ○生徒が互いのよさを認め合い、自分のものとする   きっかけと位置づける。  ○教師の思いや価値観を繰り返し語る手段とする。 (2)ねらいを達成するために配慮してきた点  ○日常の諸問題を教材化し できるだけ取り上げる   タイミングは外さない 、それに対する高い価値   観を持った生徒の声を紙上交流することで、ある   べき方向を指し示していく。                 ○新聞のコラムや本などから様々なものの見方や      図5 学級経営案( 年  組)   考え方を紹介し、生徒の価値観を高める。  ○生徒の頑張りを載せるために、よく観察する。  ・そうじや帰りの会の前など。また、教科担当の教師からの情報や授業評価のコメント、学級日誌の1日   の感想、休んだ生徒への連絡の手紙、生徒の何気ない素晴らしい一言など。 (3)学級通信を日刊化したことで得たもの  ○日常生活を教材化したことで、生徒の考えていることが見えてきた。  ○紙上交流 学級通信に掲載された生徒の思いを知る→それに対する自分の思いを書く というスタイル  で、教師が間に入ったかたちの間接的な交流を意図的に仕組むことで、仲間を多面的に見る力が着実に育  ち、自分たちの生活を客観的に見つめる生徒が増えた。このことは生徒の良識を育て、物事を前向きにと  らえる「プラスの世論」で学級が動くようになった。  ○担任は、自分の思いを文章にすることで、話す内容を推敲することができた。また、以前話ししたこと  も文章として残っているので、一貫した指導が  できた。 (4)担任教師と生徒の心をつなぐ  ○担任教師が、生徒の誕生日に学級通信 図6   で、祝福やその生徒のよいところなどを書い  た。また、学期の終わりには「一人一人のいい  ところ」(図7)を生徒が互いに書く機会を設け た。生徒はこの企画を大変楽しみにしていた。                             図6 シリーズ 十五歳になって

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- 36 - (5)その他 ○赴任2年目から、文化際の取組を縦割りの団では なく、学級単位で展示かステージ発表をすることに なった。新しい伝統にしていこうと、校内で唯一演 劇に挑戦した。中学生の頑張りを外に発信していこ うと、管理職の先生にお願いしていただき、地域の 文化祭で発表する機会を得た。地域の多くの方に自 分たちの 演劇を見てもらったことで、生徒たちは 今までにない緊張感と成就感を味わえた 図8、図 9 。 この年以降、毎年地域の文化祭で中学校の演劇が 1本上演されている。文化祭で演劇に取り組む学級 の生徒たちは、地域の文化祭でステージに立つこと を目標に取り組むようになった。               図7 学級通信『からかぜ』 号  図8 学級通信『こがらし』 号       図9 学級通信『こがらし』 号

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(5)その他 ○赴任2年目から、文化際の取組を縦割りの団では なく、学級単位で展示かステージ発表をすることに なった。新しい伝統にしていこうと、校内で唯一演 劇に挑戦した。中学生の頑張りを外に発信していこ うと、管理職の先生にお願いしていただき、地域の 文化祭で発表する機会を得た。地域の多くの方に自 分たちの 演劇を見てもらったことで、生徒たちは 今までにない緊張感と成就感を味わえた 図8、図 9 。 この年以降、毎年地域の文化祭で中学校の演劇が 1本上演されている。文化祭で演劇に取り組む学級 の生徒たちは、地域の文化祭でステージに立つこと を目標に取り組むようになった。               図7 学級通信『からかぜ』 号  図8 学級通信『こがらし』 号       図9 学級通信『こがらし』 号 4 授業改善の取組 ~赴任4年目から5年目~  生徒との距離も近くなり、教師の思いをくみ取り前向きな姿勢で授業が受けるようになってきた。しかし、 「自らが学ぶ」という学習意欲については、あまり高まりを見せないままであった。そんな時に、『私の数 学の先生はやさしい人でした。難しいことも、わかりやすく一から十まで教えて下さいました。お陰で私は、 今では何もかも忘れてしまいました。』という新聞記事を目にした。少し誇張された文章かもしれないが、 私の授業を言い当てられたような気がした。  幸い平成  年度から2年間、文部省(現文部科学省)の「中学校生徒指導総合推進校」の研究指定を受け、 授業について研究を深める機会を得た。その中で強調されたのが、 ・カウンセリングマインドを生かす  ・学習集団づくり ・基礎・基本の明確化  の3点であった。これを機に、私なりに授業改善を考えた。 (1)学習意欲を高める  ◎学習意欲を高める手だて  どのようなことでも、褒められるとうれしいものである。それが些細なことであっても感激したりもする。  生徒にとっては、このような積み重ねが次の学習を進めるときのバネになる。(中略)生徒一人一人をよく みてみると、その生徒なりによいところがいくつかある。それらを見付けて、褒めたり、認めたりして、よ くないところが相対的に小さくなるように配慮するとことが大切である。生徒の質問や答えに対しても、 「良い質問だ。」とか、「素晴らしいアイディアだね」と言って、生徒を励ますことも必要である。それが また、他の生徒に対しても発言や活動を促す教師の暗黙のメッセージになるのである。 【「学習指導と評価の改善と工夫」平成5年6月 文部省 pp.52-53より抜粋】 ◎学習意欲を高める指導での留意点  時として、自分の考えをうまく表現できない生徒の発言や言葉は教師や他の生徒に理解しにくいところが ある。生徒の発言が教師に理解できないとき、ともすれば教師は無視するか否定しまいがちである。生徒の 考えをよく聞いて授業を進めることが、まず大切であろう。なぜなら、そのような場合、生徒の言語表現が 未熟であることに起因していることが多いからである。また、生徒の考えをよく聞いてみると、意外な発見 を含む場合もあるし、意外な学習の展開を生むこともあるからである。 【「学習指導と評価の改善と工夫」平成5年6月 文部省 pp.54-55】  ここに書かれてあることが、まさにカウンセリングマインドであり、自分なりにいくつかの項目で考えた。 ○教師の説明  板書させた解答や、生徒が説明したあとに、教師がもう一度説明することがある。以前は、「丁寧に」「わ かりやすく」を一番に考え説明していた。他の生徒は、本当にわかっているのか不安で、しっかり定着させ たいという思いからである。  しかし、「わかっている生徒には、この時間はどうなのだろうか」「説明したことを、もう一度説明され ることをどう感じているのか」ということを考えた。丁寧に説明することが、かえって生徒の学習意欲を削 ぐことになるのではと考えるようになった。そこで、 ・(板書させた)生徒に説明を求める。不十分な場合は、説明を聞いて納得した生徒に補わせる。 ・計算問題などでは、まず板書した生徒に、計算する際に気を付けたことを尋ねる。次に、同じ質問を他の

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- 38 - 生徒に投げかける。 ・教師が何気なく「ここで大切なことは、○○」とまとめてしまうことがある。これを「ここで大切なこと は何かなあ」「気づいたことはあるかなあ」「君たちが教師なら、何か生徒に伝えることはあるかな」と 聞いてみることで、生徒が自ら考えるように促す。 「教師の説明」から「生徒に問い返す」ことで、いつも教師に説明してもらえるという受け身の姿勢から、 自らが考えるという前向きな姿勢が育つことにつながると考えた。 ○教師の問いかけ  以前は、「○○がわかる人」「○○ができた人」という問いかけをよくしていた。この問いかけに肩身を 狭くしている生徒はいなかっただろうか。無意識のうちに、結果を優先する雰囲気を作り出していなかっ た だろうか。「自分の考えに自信がもてる人」という発問に変えることで、考えた過程を意識的に取り上げる ように心掛けた。 ・「何か疑問に思うことはありませんか」「困っていることはありませんか」と問いかけることは、わから ないことも一つの意見として取り上げることにつながる。与えられたものでなく、自分の疑問なので、ど のように解決されるか前向きな姿勢で聞くことにつながった。 ○教科指導における生徒指導  机間指導は、生徒との個別の関わりという意味でも重要である。課題解決に行き詰まっている生徒への声 掛けは、「ここができていない」とマイナス面を指摘するのではなく、「ここまでできているから、あとは この点に気を付けて」とプラス面で評価するように心掛けていた。また、解決できた生徒に対しても、「自 分一人でよく解いたね」と肩をぽんとたたいたり、「気を付けて解いたことはあるかな」と、自分の解き方 を振り返らせたりするようにした。  また学習場面では、同じ課題でも、解決方法が生徒一人ひとりによって異なる場合がある。具体物を使っ ての動作的操作や念頭操作、あるいは抽象的に考えることで解決を図ろうとする生徒の姿が見られる。やや もすると、生徒の意識の中には、動作的操作で問題解決に迫ろうとすることを高く評価しないことがある。 しかし、問題を解決しようと懸命に努力していることは同じであり、「真剣に考えている」という点で価値 は等しい。そのことをまず教師が認め、学習集団の認識としていくことが、生徒相互が認め合い、励まし合 う雰囲気を作り出すことにつながる。このことは、数学に対して苦手意識を持つ生徒が、自分のペースで学 習を進める際に少なからずプラスに働いている。 (2)学ぶ姿勢を育てる  学ぶ姿勢の基礎・基本は、課題に直面したときに既習の内容に立ち返り、比較・検討するところにあると 考える。生徒にとっては、それが前時の内容であることが多いことから、よりどころとなる授業ノートの充 実が必要になってくる。 ○ノートの使い方の指導  1時間の授業で、生徒は板書を写す。家庭に持ち帰り、復習する際にその日学んだことが蘇るノートにな  るよう、次のことに気をつけて指導した。 ・消しゴムを使わない→自分の間違いを残しておく→考えた跡が残る  見た目にきれいなノートは、自分の間違いを消し去っているため、後から見ても自分が悩み・考えた道筋  が読みとれない。赤ペンで×をして残しておくことは、同じ間違いを繰り返さないことにつながる。また、  自分が正解に至るときに気をつけたことが読みとれる。

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生徒に投げかける。 ・教師が何気なく「ここで大切なことは、○○」とまとめてしまうことがある。これを「ここで大切なこと は何かなあ」「気づいたことはあるかなあ」「君たちが教師なら、何か生徒に伝えることはあるかな」と 聞いてみることで、生徒が自ら考えるように促す。 「教師の説明」から「生徒に問い返す」ことで、いつも教師に説明してもらえるという受け身の姿勢から、 自らが考えるという前向きな姿勢が育つことにつながると考えた。 ○教師の問いかけ  以前は、「○○がわかる人」「○○ができた人」という問いかけをよくしていた。この問いかけに肩身を 狭くしている生徒はいなかっただろうか。無意識のうちに、結果を優先する雰囲気を作り出していなかっ た だろうか。「自分の考えに自信がもてる人」という発問に変えることで、考えた過程を意識的に取り上げる ように心掛けた。 ・「何か疑問に思うことはありませんか」「困っていることはありませんか」と問いかけることは、わから ないことも一つの意見として取り上げることにつながる。与えられたものでなく、自分の疑問なので、ど のように解決されるか前向きな姿勢で聞くことにつながった。 ○教科指導における生徒指導  机間指導は、生徒との個別の関わりという意味でも重要である。課題解決に行き詰まっている生徒への声 掛けは、「ここができていない」とマイナス面を指摘するのではなく、「ここまでできているから、あとは この点に気を付けて」とプラス面で評価するように心掛けていた。また、解決できた生徒に対しても、「自 分一人でよく解いたね」と肩をぽんとたたいたり、「気を付けて解いたことはあるかな」と、自分の解き方 を振り返らせたりするようにした。  また学習場面では、同じ課題でも、解決方法が生徒一人ひとりによって異なる場合がある。具体物を使っ ての動作的操作や念頭操作、あるいは抽象的に考えることで解決を図ろうとする生徒の姿が見られる。やや もすると、生徒の意識の中には、動作的操作で問題解決に迫ろうとすることを高く評価しないことがある。 しかし、問題を解決しようと懸命に努力していることは同じであり、「真剣に考えている」という点で価値 は等しい。そのことをまず教師が認め、学習集団の認識としていくことが、生徒相互が認め合い、励まし合 う雰囲気を作り出すことにつながる。このことは、数学に対して苦手意識を持つ生徒が、自分のペースで学 習を進める際に少なからずプラスに働いている。 (2)学ぶ姿勢を育てる  学ぶ姿勢の基礎・基本は、課題に直面したときに既習の内容に立ち返り、比較・検討するところにあると 考える。生徒にとっては、それが前時の内容であることが多いことから、よりどころとなる授業ノートの充 実が必要になってくる。 ○ノートの使い方の指導  1時間の授業で、生徒は板書を写す。家庭に持ち帰り、復習する際にその日学んだことが蘇るノートにな  るよう、次のことに気をつけて指導した。 ・消しゴムを使わない→自分の間違いを残しておく→考えた跡が残る  見た目にきれいなノートは、自分の間違いを消し去っているため、後から見ても自分が悩み・考えた道筋  が読みとれない。赤ペンで×をして残しておくことは、同じ間違いを繰り返さないことにつながる。また、  自分が正解に至るときに気をつけたことが読みとれる。 ・注意点・ポイントは自分の言葉でまとめる  教師のまとめを写すだけで、生徒はその必要性を理解し、納得しているのだろうか。自分の考えを自分の  言葉で書くことは、ごまかしがきかない。もちろん、まとめる前には、各自が考える場面がなければなら  ない。 ・他者の意見を書き留める  自分と異なる意見・考えもよいと思えば書き留める習慣をつけさせたい。このことで、多様な意見に耳を  傾ける姿勢を育てる。  こうしてまとめたノートを、授業の中でも意図的に読み返すような場面を作ることを心掛けた。このこと が課題に直面しても既習内容に立ち返って解決しようとする姿勢に結びつくと考えている。そして、それを 支えるものとして、 ○基礎学力の定着を図る   基礎的な計算や基本的な図形の性質は、自ら学び自ら考えるための基盤であり、それらの技能や知識を確 実に修得させることは中学校数学科の使命の一つである。しかし、そのことだけに重きを置き、何度も何度 も練習を繰り返しても「生きる力」は生まれてこない。「数学的な見方・考え方」も基礎・基本の一つと捉 え、課題への取り組み方や解決方法を身につけることも同じように大切である。生徒が課題に直面したとき に、どう立ち向かっていくという姿勢を育てることである。  そうしたことを踏まえた上で、基礎・基本の徹底を考えたときに、本校の課題として、重くのしかかって いるのが、低学力の生徒の割合が大きいことである。「数学的な見方・考え方のよさ」を数学の授業で感得 するためには、基礎学力が定着していなければならい。本来は、1時間の授業の中でその方策を探るべきで あろうが、本校の現状から朝の短学活でおこなうことが有効であると考え、1週間に2回の割合で小テスト をおこなった。前学年あるいは、現在習っているころの復習を中心に出題し、レディネステストとしても活 用した。 *朝学習の取り組みは、週に数学2回、英語2回、読書2回の割合で行った。 数英については、前日に予習 プリントを配布し、生徒はそれに取り組むことで家庭学習の習慣・基礎学力も定着してきた。 ○評価の工夫  定期テストのときに授業ノートを集めた。生徒のノートの使い方を見るのが目的で、生徒にはA,B,C の3段階で評価した。そして、できるだけ優れている点を短い文章で書くようにし、普段の授業に意欲的に 取り組んでいる姿勢や、発言こそはないが粘り強く課題に取り組んでいる姿勢なども認めるようにした。机 間指導の際や、発言した後に評価することも生徒の意欲につながるが、少し間を置いての評価も生徒には好 評であった。  5 道徳の時間を充実させる取組 ~赴任5年目から6年目~  生徒の豊かな心を育む道徳教育の充実を図ることが叫ばれる中、3年というスパンで推進計画を立てた。 1年目に当たる赴任5年目は、次の3つの点に力を注いだ。  ・道徳の時間を確保する。  ・道徳の時間の読み物資料、活用のための教材・ 教具の作成を推進する。  ・「道徳の授業」公開ができる力量をつける。 (1)具体的な取り組み

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- 40 - ○授業者による事前・事後の打ち合わせをほぼ毎週行った。 ○効果的な資料を収集。先進校 信楽中学校・長浜東中学校・能登川中学校 の研究紀要や実践から学んだ。 ○読み物資料を充実させるために、県外 *1兵庫県教育委員会・*2神戸市教育委員会・*3長野県飯田東 中学校 からも資料を集めた。 *1明日に生きる-阪神・淡路大震災から学ぶ-より「語りかける目」「夜明け前 突然に」 *2幸せ運ぼう-中学校用- *3飯田東中学校50年史より「りんご並木の歴史」 ○授業者相互の授業参観を行い、力量を高め合った。 ○事前の打ち合わせを行うことで次のような成果を得た。 ・道徳的価値の確認 解説-道徳編-を扱う読み物資料と合わせて読み合わせ、本時のねらいとする価値につ いての理解を深める 、発問・終末の工夫、予想される生徒の反応など、綿密な打ち合わせのもと授業に臨 めた。このことは授業者による価値の捉え方のずれを修正しただけでなく、互いを意識することで、学期 が進むにつれ質の高い授業の創造へとつながった。 ・管理職の積極的な参加と助言により、授業者の道徳的な視野の広がりが見られた。 ・週1回の道徳の時間を確保することができた。 ・授業者自身、道徳の授業をすることへの抵抗がなくなり、逆に道徳の授業が楽しいと感じるようになり、 その必要性を実感するようにもなった。 ○事後指導として、学級通信に授業の感想や取り上げた価値に関わる文章を紹介した。道徳の時間の内容が くり返し生徒に伝えられたので、他者理解・自己理解が深まった。このことは、授業中の生徒の意欲的な発 言が増えたことにもつながった。また、授業参観だけでなく、普段からの道徳の授業の内容も家庭に伝わっ た。 ○事後の話し合いでは、生徒の反応の交流や発問・終末の素材が適切であったかを検討し、来年度の資料と した。 ○読み物資料だけでなく、ビデオ教材 裏庭での出来事・*1どろんこサブ 、*2さだまさしの唄 償い な どを取り上げ、有効な資料提示に努めたことで、1時間を大切にする生徒が多く見られた。 *1どろんこサブ:ごみ捨て場とかした谷津干拓を、かつての水鳥がくる美しい姿に戻そうと、十数年間ご みを拾い続ける森田三郎氏の話。 *2さだまさしの唄 償い :能登川中学校の実践 ○体験活動の全体計画に道徳の時間を盛り込み、関連する価値を深める資料を扱った。例えば琵琶湖デーに 向けての事前指導では、学活で世界各国のゴミ処理の取り組みをビデオで紹介した後、地域のゴミの現状に ついて知らせ、道徳では「どろんこサブ」を用い実践的心情を高めようとした。体験することの意義を別の 角度から生徒に示せたことで、思いを新たにして物事を肯定的に見る生徒が増えた。 ○道徳教育の推進にあたっては、「管理職のリーダーシップのもと」とよく言われている。実践校において は、授業者による事前打ち合わせに参加・助言というかたちだけでなく、参考となる書籍の紹介やコピーの 配布など、教職員の意識の高まりと勉強の機会を与えていただいた。また、「校舎・校庭や教室の環境は、 生徒の道徳性の育成に深くかかわっている」 解説-道徳-文部省p とあるように、学校の環境の充実・ 整備にも気を配っていただいている。このような支えも、管理職のリーダーシップであると実感した。 

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○授業者による事前・事後の打ち合わせをほぼ毎週行った。 ○効果的な資料を収集。先進校 信楽中学校・長浜東中学校・能登川中学校 の研究紀要や実践から学んだ。 ○読み物資料を充実させるために、県外 *1兵庫県教育委員会・*2神戸市教育委員会・*3長野県飯田東 中学校 からも資料を集めた。 *1明日に生きる-阪神・淡路大震災から学ぶ-より「語りかける目」「夜明け前 突然に」 *2幸せ運ぼう-中学校用- *3飯田東中学校50年史より「りんご並木の歴史」 ○授業者相互の授業参観を行い、力量を高め合った。 ○事前の打ち合わせを行うことで次のような成果を得た。 ・道徳的価値の確認 解説-道徳編-を扱う読み物資料と合わせて読み合わせ、本時のねらいとする価値につ いての理解を深める 、発問・終末の工夫、予想される生徒の反応など、綿密な打ち合わせのもと授業に臨 めた。このことは授業者による価値の捉え方のずれを修正しただけでなく、互いを意識することで、学期 が進むにつれ質の高い授業の創造へとつながった。 ・管理職の積極的な参加と助言により、授業者の道徳的な視野の広がりが見られた。 ・週1回の道徳の時間を確保することができた。 ・授業者自身、道徳の授業をすることへの抵抗がなくなり、逆に道徳の授業が楽しいと感じるようになり、 その必要性を実感するようにもなった。 ○事後指導として、学級通信に授業の感想や取り上げた価値に関わる文章を紹介した。道徳の時間の内容が くり返し生徒に伝えられたので、他者理解・自己理解が深まった。このことは、授業中の生徒の意欲的な発 言が増えたことにもつながった。また、授業参観だけでなく、普段からの道徳の授業の内容も家庭に伝わっ た。 ○事後の話し合いでは、生徒の反応の交流や発問・終末の素材が適切であったかを検討し、来年度の資料と した。 ○読み物資料だけでなく、ビデオ教材 裏庭での出来事・*1どろんこサブ 、*2さだまさしの唄 償い な どを取り上げ、有効な資料提示に努めたことで、1時間を大切にする生徒が多く見られた。 *1どろんこサブ:ごみ捨て場とかした谷津干拓を、かつての水鳥がくる美しい姿に戻そうと、十数年間ご みを拾い続ける森田三郎氏の話。 *2さだまさしの唄 償い :能登川中学校の実践 ○体験活動の全体計画に道徳の時間を盛り込み、関連する価値を深める資料を扱った。例えば琵琶湖デーに 向けての事前指導では、学活で世界各国のゴミ処理の取り組みをビデオで紹介した後、地域のゴミの現状に ついて知らせ、道徳では「どろんこサブ」を用い実践的心情を高めようとした。体験することの意義を別の 角度から生徒に示せたことで、思いを新たにして物事を肯定的に見る生徒が増えた。 ○道徳教育の推進にあたっては、「管理職のリーダーシップのもと」とよく言われている。実践校において は、授業者による事前打ち合わせに参加・助言というかたちだけでなく、参考となる書籍の紹介やコピーの 配布など、教職員の意識の高まりと勉強の機会を与えていただいた。また、「校舎・校庭や教室の環境は、 生徒の道徳性の育成に深くかかわっている」 解説-道徳-文部省p とあるように、学校の環境の充実・ 整備にも気を配っていただいている。このような支えも、管理職のリーダーシップであると実感した。  6 おわりに  実践校に転勤したての頃、学級担任としてやっていけるのだろうかと、不安がよぎったことを今でも覚え ている。それでも、なんとか続けられたのは、教職員の輪であったように思う。6年間支えられた当時の上 司の言葉がある。 『最初の1年、一人でいいから「先生のクラスでよかった」と言ってくれる生徒がいればいい。一人口に出  して言ってくれる生徒がいれば、口には出さなくても同じ思いの生徒が何人かいるから。』 学校長 『先生、うちの生徒はダイヤの原石なんや。素晴らしい輝きを、一人一人が放つことができるんや。でも、  磨かれてないから、本来のよさがでにくくなっている。大変なこともあると思うけど、どうか頑張って磨  いてやってな。』 教頭 『鉄は錆によって自らを滅ぼし、人は愚痴によって自らを滅ぼす。』 教務主任 『教師は生徒の前で、等身大の自分を語ることが大切である。』 学年主任 『授業案を考えるときに、3人の生徒の顔を思い浮かべなさい。』 教頭    文献  文部省:中学校学習指導要領 解説-道徳-  文部省:学習指導と評価の改善と工夫  信楽中学校:研究紀要「やまなみ」 

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参照

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