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UAVとドップラーライダーを用いた急峻な山岳地域における気象観測 Observation of the Atmospheric Data in Steep Mountain Region Using UAV and Doppler-Lidar

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Academic year: 2021

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A01

UAV とドップラーライダーを用いた急峻な山岳地域における気象観測

Observation of the Atmospheric Data in Steep Mountain Region Using UAV and Doppler-Lidar

〇辻本浩史・井上 実・志村智也・町田駿一

〇Hirofumi TSUJIMOTO, Minoru INOUE, Tomoya Shimura, Syunichi MACHIDA

This study examines the possibility of atmospheric observation in steep mountain region by Compact Weather Sensor (CWS) mounted on Unmanned Aerial Vehicle (UAV) . In order to verify the accuracy of wind data measured by CWS on UAV, we compared it with data by anemometer on meteorological tower. As a result, temporal variation measured by CWS was good agreement with that of anemometer. Using these instruments, we observed atmosheric data around Mt.Yakedake in Hodaka alpine region on Sep.6-7 2016. It was found that CWS on UAV is useful instrument for measurement of atmospheric profile (wind,temperature,humidity) affected by complicated and steep topography.

1.はじめに 火山灰や火山ガスの拡散による被害を軽減する ためには火口を含む山岳地域での気象場を再現で きる気象モデルが有効なツールとなる。しかしな がら、モデルの精度を検証するために必要となる 実測データの取得は、急峻かつ複雑な地形や火山 活動による立ち入り規制等により容易ではない。 そこで本研究では UAV に搭載した小型気象セン サーとドップラーライダーを用いて急峻な山岳域 における気象観測を試みた。 2.観測機器 観測に用いた機器は、気象観測のためのCWS、 CWS を搭載する UAV および風 3 成分(u,v,w)を 測定する Doppler-Lidar(DL)である。CWS は小 型の超音波風向風速Type.A(重量約 250g、サンプ リング間隔1 秒)と、風向風速に加えて気温、湿 度の観測も可能なType.B(重量約 650g、サンプリ ング間隔1 分)を用いた。DL では最大高度 600m までの風の鉛直プロファイル(30m 間隔)を測定 する。CWS(Type.B)を搭載して上高地を飛行す る UAV を写真-1 に示す。センサーの取付け位置 はプロペラによる影響を避けるために機体中央部 の50~60cm とした。使用した UAV は CWS やデ ータロガーを搭載した状況で約 15 分の飛行が可 能であり、所定の高度に到達するまでの最大上昇 速度は5m/s、観測終了後の最大下降速度は 2.5m/s である。例えば高度1000m での観測を行う場合に は、到達までに200 秒、帰還に 400 秒を要するた めに高度1000m での滞空時間は約 5 分となる。 写真-1 CWS(Type.B)を搭載して飛行する UAV 3.観測結果 (1)気象観測塔データとの比較 UAV に搭載した CWS を用いて風を観測する場 合にはプロペラで引きこされる風の影響が懸念さ れる。プロペラ風の影響を調べるために京都大学 防災研究所宇治川オープンラボラトリの気象観測 塔に設置された風向風速計(高度55m)のデータ と、Type.A の CWS を搭載した UAV を近傍同高度 でホバリングさせて測定したデータを比較した。 その結果を図-1 に示す。CWS で測定された風向風 速データは気象観測塔の風向風速計とよく一致し ており、UAV の機体仕様に応じた適切な搭載位置 の条件を満たせば UAV のプロペラ風の影響を受 けることなく任意地点の風向風速データを観測で きることが判った。 (2)山岳域における観測結果 穂高連峰から続く主稜線をはさみ岐阜県側に位 置する穂高砂防観測所(標高1150m)に DL を設

(2)

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 m /se c ( ) 270.0 292.5 315.0 337.5 360.0 382.5 405.0 13: 37: 55 13: 40: 48 13: 43: 41 13: 46: 34 13: 49: 26 13: 52: 19 13: 55: 12 13: 58: 05 de g 図-1 CWS とプロペラ式風向風速計の比較 ST1

(Hodaka Sabo Station) ST2 (Kamikochi) Wind(u,v,w) profile

using doppler-lidar and ground data

Profiles of wind(u,v), temperature and humidity using UAV

図-2 観測地域の横断図 図-3 穂高砂防観測所に設置された DL により観 測された風の鉛直プロファイル時間変化図 置し、長野県側の上高地(標高1496m)では CWS (Type.B)を搭載した UAV を高度 500m まで飛行 させて観測を行った。山岳地域の横断図を図-2 に 示す。観測を実施した2016 年 7 月 14 日の稜線付 近は、800hPa の毎時解析 GPV データによると西 0 100 200 300 400 500 600 0 90 180 270 360 Heig ht( m ) Wind direction(deg) 0 100 200 300 400 500 600 0 2 4 6 8 10 Heig ht( m ) Wind speed(m/s) 0 100 200 300 400 500 600 15 16 17 18 19 20 Heig ht( m ) Temperature(℃) 0 100 200 300 400 500 600 20 40 60 80 100 Heig ht( m ) Relative humidity(%) 図-4 UAV に搭載した CWS によって観測された 上高地における大気の鉛直プロファイル 系の風(図-2 左側から右側)が吹いていた。 図-3 に穂高砂防観測所に設置された DL によっ て観測された風の鉛直プロファイルの時間変化図 を示す。気温上昇と共に午前10 時頃より上空の風 の場が動き出し、上空約200m 以上(標高約 1350m) では西系の風が卓越するようになる。一方、地上 から約200m高度までの風向は東から南系が多く、 上空とは異なる傾向を示している。また、11 時過 ぎからは鉛直風に数分の周期で上昇流と下降流が 観測されている。同時間帯、砂防観測所の屋上で は目まぐるしく変化する夏の山岳域特有の天候を 体感でき、時折冷たい空気が地面付近に下降して くるのが判った。 図-4 に主稜線をはさんで風下側にあたる上高地 における大気の鉛直プロファイル(標高1500m~ 2000m)を示す。高度 150m(標高 1650m)以上で は西系の風で概ね上空ほど風速が強まっているが、 地上から高度150mまでは南から東系の風であり、 また、気温も地上から高度 150m 付近で不連続と なっているのが特徴的である。 ●:CWS 風速(1sec) ■:CWS 平均風速(1min) ●:プロペラ平均風速(1min) ■:CWS 風向 ●:プロペラ式風向

図 -2 観測地域の横断図 図 -3 穂高砂防観測所に設置された DL により観 測された風の鉛直プロファイル時間変化図 置し、長野県側の上高地(標高 1496m )では CWS ( Type.B )を搭載した UAV を高度 500m まで飛行 させて観測を行った。山岳地域の横断図を図 -2 に 示す。観測を実施した 2016 年 7 月 14 日の稜線付 近は、 800hPa の毎時解析 GPV データによると西 0100200300400500600 0 90 180 270 360Height(m)

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