阪神高速道路の
維持管理の現状と課題
平成25年8月23日阪神高速道路㈱
加賀山 泰 一
1.はじめに
2.阪神高速道路の現状
3.データベース・マネジメントシステム
4.点検
5.長期維持管理
6.終わりに
はじめに
31.4% 18.3% 15.9% 24.9% 9.6% 40年以上 30~39年 20~29年 10~19年 9年以下 79.7km 24.5km 63.3km 40.3km 46.4km 総延長 254.2km 40年以上 大阪池田線、守口線、森小路線 堺線、神戸西宮線等 30~39年 大阪堺線、東大阪線、松原線、大阪西宮線等 20~29年 大阪東大阪線、湾岸線、北神戸線等 10~19年 大阪池田線延伸部、東大阪線、湾岸線、北神戸線等 9年以下 北神戸線、神戸山手線、京都線 (H24.10末時点) 池田木部 東大阪JCT 西石切町 (第二阪奈) 中国自動車道 近畿自動車道 阪和自動車道 神戸淡路鳴門 自動車道 山陽自動車道 高石 京滋バイパス
阪神高速道路の現状
総延長254.2kmのうち 経過年数40年以上が約30%(約80km) 30年以上が約50%(約130km)構造物比率
NEXCO 首都高速 阪神高速 一般国道 : 高速道路便覧2011より : H24.4時点 : H24.10時点 : 道路統計年報2011より 橋梁やトンネルなどの構 造物比率が92%と高い 高架橋 1,171 (15%) 高架橋 239 (79%) 高架橋 208 (82%) 高架橋 2,525(5%) トンネル 787 (10%) トンネル 29(10%) トンネル 25(10%) トンネル 1,717(3%) 半地下19(6%) 土工 5,800 (75%) 土工 15 (5%) 土工 21(8%) 土工 50,769 (92%) 0% 25% 50% 75% 100% 高速国道 (NEXCO) 首都高速 阪神高速 一般国道 25% 95% 92% 8%出典:平成22年度 道路交通センサスデータより ※1 大阪府:大阪府内の地方道における大型車交通量 ※2 一般道:日本全国の一般国道、地方道における大型車交通量 【大型車の平均断面交通量(道路別)】 ※阪神高速道路の集約料金所で計測された軸重違反車両の軸数を集計 【過積載車両の実態】 9,730 17,975 12,658 2,224 1,006 0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000 高速国道 (NEXCO) 首都高速 阪神高速 大阪府 一般道 ( 台 / 日 ) 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 11t~ 12t 12t~ 13t 13t~ 15t 15t~ 17t 17t~ 20t 20t~ 平成22年度 249,176 101,869 54,900 8,522 3,415 592
使用環境
大型車交通量は大阪府内道路の約6倍、全国一般道の約13倍 設計荷重を越える過積載車両が多数通行 ※1 ※22,438 4,425 5,423 7,988 11,001 14,963 22,565 29,463 35,855 38,420 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 損傷発見数 補修数 要補修損傷数 ※ Aランク損傷とは機能の低下があり,対策の必要がある損傷をいう 緊急を要する損傷はSランクと判定し、すでに補修を
損傷状況
(Aランク損傷の推移)
補修を必要とする損傷(Aランク損傷)が年々累積され、 H23末時点で約3.8万件 要補修損傷数は補修工事を進めているが、増加傾向鋼床版のデッキプレートとUリブ 溶接部のき裂 主桁端部下フランジの断面減少 さび・腐食: 断面欠損が部材厚の10%以上 き裂・溶接われ: 主桁本体、溶接部にわれが発生 ※応急処置
鋼桁の損傷例
(Aランク)
主桁の鉄筋露出 主桁のひびわれ
コンクリート桁の損傷例
(Aランク)
ひび割れ: ひび割れ幅が0.3mm以上。
不良音: たたき点検において鋼板1枚の1/3程 度以上の範囲に不良音 鋼板補強されたRC床版で不良音 が確認された部位のチョーキング 鋼板補強されたRC床版端部で 不良音が確認
RC床版の損傷例
(Aランク)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 k m あ た り 損 傷 数 供用経過年数 kmあたりの損傷数
損傷状況
(供用経過年数毎のkmあたり損傷)
☆ kmあたりの損傷発生数は 供用後35年~40年を経過 すると増加傾向 池田木部 東大阪JCT 西石切町 (第二阪奈) 中国自動車道 近畿自動車道 阪和自動車道 神戸淡路鳴門 自動車道 山陽自動車道 高石 京滋バイパス当時国土交通省国総研 西川所長 2010.10講演資料より
P.F.ドラッガーは・・・
1. 情報を集めること
2. 情報を知識に転換
3. 知識を行動に具体化する
「チェンジ・リーダーの条件 みずから変化をつくりだせ! P.F.ドラッガー著」マネジメント(維持管理)の役割とは
☆点検、資料調査、事例収集、情報交換
データ分析、原因究明、診断、劣化予測
補修・観察、情報の蓄積と共有、目標設定
維持管理の基本的手順
一般的考え方
☆ 点検・モニタリング 維持管理計画の立案 (予算・計画、優先順位) 工事の具体化 工事の実施 保全情報管理 データベース 維持管理方針再評価 データ更新 損傷評価・判定 劣化予測 維持管理方針再評価このPDCA回すのが難しい。 何故か?
目標が不明瞭、共有化できていない
(とにかく損傷を直したい)
満足な予算がない
データ精度も悪い
検証方法も不明瞭
組織・体制
(人がいない・人事異動・目先の対応に精一杯)
戦略的維持管理
管理水準明確化 具体的シナリオ 更なる進化 戦略的維持管理 現実のギャップ 長寿命化アウトカム指標による業績評価 ロジックモデルの活用 サービス水準把握 (CS調査) 点検評価の見直し 大規模補修工事等 工事の集約 総合補修計画・点検の合理化 マネジメントシステムの活用 長期的予算 の確保
戦略的維持管理の枠組み
アセットマネジメント
損傷・費用予測 H-BMS 状態把握 点検/調査 投資判断 維持修繕計画 工事の実施 補修/補強 評価 検証 アウトプット/アウトカム 点 検 簡易補修データベースの変遷
昭和60年より開発
昭和62年 データベース運用開始
専用端末による運用
平成5年
第1世代システム
全体構築完了
平成12年 運用上の課題が顕著となり改良検討
平成15年
第2世代システム
の運用開始
社内LANによる運用
平成23年
ウェブ形式(第3世代)
に変更
平成24年 一部携帯端末の運用
当時の課題
システム利用方法や何が出来るかわからない
補修履歴と点検履歴をリンクしたデータがあれば有効。
資産と補修のリンクを正しくする必要がある。
データの精度に疑問があるため概算数量算出にしか利用できない。
データが入っていない項目がある。
目的を定め、そのデータを100%に仕上げる必要がある。
過去の補修履歴情報の一覧が見たい。
データの誤り発見時の対応方法を明確にしたい。
データテーブル表を施工者からの電子化対応を考えてほしい。
※平成11年10月アンケート調査結果よりデータに関する具体的な改善
(1)テーブルの統廃合(案) ・ 標識板、標識柱 → 標識 (現在の2テーブルを一つにまとめる) ・ 下部工 → 梁、柱、全体(現行の1テーブルを複数に分割する) (2)項目の見直し 土工、トンネル、のり面、点検関係のテーブルの見直しが必要 ・ 資産 583項目 → 348項目に 235項目の削減 ・ 補修 155項目 → 83項目に 72項目の削減 ※この見直しにより上記項目数が削減された。これにより現行のデータ精度はテーブルにもよるが 概ね80%程度の精度を(データ作成率、データ正確率)を確保できる (3)その他 ・ 補修テーブル(データ)は、補修工事完了後の竣工図書の一つとする ・ 点検業務の成果はデータ入力のみとし、紙ベースの成果品は廃止 ・ 資産、点検、補修データを同一画面で閲覧 ・ 検索結果データはエクセルベースで取り出し、詳細検索はエクセル上で実施。データは
シンプル
、かつ
継続
して蓄えることが最も重要
データベースの運用・メンテナンス体制を
構造物の現況支援データ
建設時 点検時 補修工事時. 管理資産の点検基本データ
データベースは基本資料
マネジメントシステムの検討内容
1.劣化モデルの検討
舗装、塗装、伸縮継手、コンクリート構造物、鋼構造物、床版、支承について点検デ ータから統計処理をした劣化予測 回帰モデルによる劣化曲線、マルコフモデルによる劣化曲線、マルコフモデルによ る推移確率行列、相対評価による劣化曲線2.補修時期の検討
適切な維持管理を実現するための補修時期の計算方法 LCC評価による最適補修時期、評価指標を維持するための補修時期3.業務プロセスの検討
保全業務の業務プロセスのあり方 アウトカム指標による業績評価、H-BMSの使い分け、ロジックモデルによる成果評価マネジメントシステムの検討経緯
1.条件整理と課題抽出 (H14~H15)
H-BMSが対象とする舗装、塗装、伸縮継手、Co構造物、鋼構造物、床版に対し、将来 発生する維持管理費用を試算するための条件を整理、その結果を評価し、実用に向け た課題整理2.精度向上検討 (H16~H18)
整理した課題に対し、実務的な精度向上を目指した検討。点検結果に基く劣化予測手 法の精緻化と、最適補修時期を決定するためのLCCを構成する補修費用や外部費用 の精度向上に関する検討3.H-BMSの活用方法と機能の検討 (H19~H22)
保全業務におけるH-BMSの活用方法の検討、H-BMSがもつべき機能の整理 短期的には確定モデルによる劣化予測を行い、補修箇所の抽出を実施。長期的には維持管理方 針の意思決定の参考情報を与えるために、確率モデルによる劣化予測を行い、劣化の不確実性 を考慮した維持管理費用の推計を実施。劣化モデルの検討
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 経過年数(年) M C I コンクリート床版 鋼床版 土工 健全度分布の推移 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 経過年数 健全度割合MCI:9.0-10.0 MCI:8.0-9.0 MCI:7.0-8.0 MCI:6.0-7.0 MCI:5.0-6.0 MCI:4.0-5.0 MCI:3.0-4.0 MCI:0.0-3.0
マルコフモデルによる劣化曲線
点検結果のばらつきに十分対応できない
マルコフモデルによる推移確率
維持管理業務をPDCAサイクルを用いた改善が図れるマネジメントシステムを確立。 経営レベル、企画レベル、実施レベルのそれぞれの階層が実施する業務の流れを明 確にし、各階層においてPDCAサイクルにより業務を評価することで、保全業務の全 体の適正化を図る。
より高い成果を効率的に実施するために、P「定量的
な目標設定」、D「施策」、C「達成状況分析」、A「評価・
見直し」のサイクルを構築し、政策評価システムを核と
した道路行政運営の仕組み。
① 業績・評価(アウトプット・アウトカム)による内部統制
② 契約システム等、市場メカニズムの活用
③ 顧客主義への転換
④ ピラミッド型組織構造の簡素化
HELM(ロジックモデル)
支援ツール
道路行政マネジメントシステム(道路事業NPM)
予算・人員 (例:点検頻度、清掃頻度) 業務実施によって生み出される結果 (例:穴ぼこ発見件数、回収土砂量) 業務実施により生じる成果 (例:路面の不具合の低減、走行時の快適性の確保) 最終的に目指している成果 (例:安全・安心、快適、経営管理) 資源・活動 インプット 結 果 アウトプット 成 果 中間アウトカム 経営目標 最終アウトカム 管 理 水 準 の 見 直 し
ロジックモデルとは、最終的な成果を設定、インプット、アウトプット、アウトカム
を指標化(数値化)し、それを実現するために何を行う必要があるのかを体系的
に示したもの
ロジックモデルとは
最終アウトカム 中間アウトカム 中間アウトカム指標 アウトプット インプット 路面の不具合による 被害の低減 路上障害物による 被害の低減 排水の不具合による 被害の低減 穴ぼこ、轍掘れ等 の発見 日常点検(路上) 落下物による 事故発生件数 路面の滞水による 事故件数 跳ね石による 事故発生件数 落下物の発見 路面の土砂処理 排水桝の土砂処理 路面清掃(機械) 排水設備清掃 路面清掃(人力) 路面凍結による 事故発生件数 路面凍結の解消 雪氷対策 (融雪剤散布) 穴ぼこ・轍ぼれに よる事故発生件数 路上走行の 安全性の確保 落下物による ひやり件数 跳ね石による ひやり件数 路面の滞水による ひやり件数 路面凍結による ひやり件数 穴ぼこ・轍ぼれに よるひやり件数 路下損傷の発見 日常点検(路下) 路下の落下物によ る事故発生件数 路下の落下物によ るひやり件数 路下の不具合による 被害の低減 不点灯の 発見・復旧 照明設備点検・補修 夜間視認性不良に よる事故件数 夜間視認性不良に よるひやり件数 夜間視認性に起因す る疲労・被害の低減 顧客の 信頼・評価
阪神高速ロジックモデル(抜粋)
平成23年度実績と平成24年度目標(公表値)
指 標 平成23年度 実績 平成24年度 目標 本線渋滞損失時間 419 万台・時/年 415 万台・時/年 路上工事による車線規制時間 112 時/km・年 130 時/km・年 工事渋滞損失時間 17.5 万台・時/年 20.0 万台・時/年 死傷事故率 25.5 件/億台キロ 25.5 件/億台キロ 道路構造物保全率(舗装) MCI≧5.6 92% 92% 道路構造物保全率(橋梁) 87% 88% お客さま満足度 3.6 ポイント 3.6 ポイント■ 構造物保全率
■ 路上損傷平均復旧時間(MTTR)
Σ(損傷発見時刻-復旧時刻)
路上損傷平均復旧時間(hr)=
路上Sランク損傷発見件数
構造物管理のアウトプット指標の例
Aランク以上の損傷がある径間・橋脚数
構造物保全率(%)=
全径間・橋脚数
■ 絶対的評価
リスク評価によりアウトカムのある目標を達成するよ
うに定める。
■ 相対的評価
業務のパフォーマンス状態を示すために、ベンチマ
ーク的に定める。
■ 業務体制評価
ある事象を処理するための時間を定める。
例:MTTR:Mean Time To Repair
■ インプット
指標:日常点検(路上)の頻度
■ アウトプット
路上の穴ぼこの発見
指標:穴ぼこ滞留量(路線毎で計算可能)
■ アウトカム
走行安全性の確保
指標:お客様の穴ぼこによるひやり事例数
穴ぼこに起因する事故・管理瑕疵発生件数
年間Sランク穴ぼこ発見件数(件/年・km)
穴ぼこ滞留量(件/km・回)=
日常点検(路上)頻度(回/年)
リスク評価による管理水準設定の例(1)
① リスク指標(影響度×発生確率)を設定
② リスク水準(管理水準)をアウトカムのある目標に対して設定
「穴ぼこの見逃による管理瑕疵を起こさないように路上点検を行う」
③ リスク水準のマージンを考える:穴ぼこは交通パトロールでも発見
している → データ分布の分散値幅(±
σ 分)をマージンとして取る
発生確率 (穴ぼこ滞留量) 影響度 (断面交通量) 危険側の マージン 安全側の マージン 阪神高速として目指すべき水準 リスクの高い 領域(B) 過剰に管理されて いる領域(A) (例)管理瑕疵発生路線の リスクの平均値ライン X(交通量) Y(穴ぼこ滞留量)=
リスクの平均値リスク=影響度×発生確率
断面交通量×穴ぼこ滞留量
リスク評価による管理水準設定の例(2)
穴ぼこにおけるリスク最適化のイメージ リスクとコストの比較(試算) 現況 現況 見直し案 見直し案 リスクの比較 コストの比較 コ ス ト 、 リ ス ク (穴ぼこ ×交通量×延長)
-18%
-7%
総リスク、コストともに減少することができる 試算では、コストが 約7%削減可能 路線毎で点検を重点化リスクの最適化の例(日常点検の頻度変更)(1)
維持管理戦略ガイドラインの策定
☆E第1章維持管理戦略ガイドライン概要 第2章維持管理の現状と課題 維持管理の現状 資産、点検、補修、管理水準等 第3章機構との協定 第4章補修の実施方針 周期補修、個別補修、構造改良、効率的補修 第5章今後必要な新技術、ノウハウの伝承 更なる努力
点検では何が大事か
見ればそれで終わりでない
• 構造物を見るだけでは意味がない
マニュアルによる損傷判定のみでは意味がない。
橋梁の体
質
(弱点)を知ること
• 医者の診察と同じ、症状を見るだけでなく、処方が必要
損傷判定後に、損傷の進行を予想し、今後の処置を判断す
ることが重要。時には英断も。
何を予想できたか
• 点検によるデータの多少のばらつきは仕方無い。データがある
ことが大事
データが蓄積されると様々な
分析・予測
ができる
阪神高速道路の点検
合理化に向けて
平成8年
改訂概要• 交通量の少い路線の日常点検頻度 5回→
3回
/週
•
補修工法検討会及び補修方針会議
の位置づけを明記
点検結果の内容確認、補修時期等の方針を関係者で審議。
• 上部工点検と下部工点検を
統合し、同時期に実施
• 上下部工点検の
中間年
に梁上点検を実施する。
• 点検頻度(上下部工点検)見直し 1回/
4~8年
Ⅰ 4年 : 昭和46年以前の基準で建設された路線 Ⅱ 6年 : 昭和46年~昭和53年の基準で建設された路線 Ⅲ 8年 : 昭和53年以降の基準で建設された路線点検の精度向上による煩雑化 データの増大
点検頻度見直し、判定法の統一、データベースへの対応
点検周期の考え方
(平成8年)
0 10 20 30 40 桁 損 傷 発 生 率 桁 損 傷 増 加 率 梁 上 桁 損 傷 発 生 率 梁 上 桁 損 傷 増 加 率 グループ毎の損傷発生状況 グループⅠ グループⅡ グループⅢ鋼桁の損傷の推移
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 平成 10 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 その他 HTB 亀裂・溶接われ 漏水・滞水 鋼端部さび・腐食 鋼本体さび・腐食 H18年頃から増加傾向、「さ び腐食(端部)」が多い。 「亀裂・溶接割れ」はH13年 頃まではウエブギャップ対策 で減少、近年の増加は鋼床 版部疲労亀裂が大半損傷の発生傾向の変化
リ ス ク レ ベ ル 時間 構造への影響が懸念される損傷 旧タイプの損傷 ・遅れ破壊 ・主桁切欠き部損傷 ・ウェブギャップ損傷 等 新タイプの損傷 ・鋼床板疲労亀裂 ・補強床版の損傷 等 近年顕在化した損傷 ・桁端部腐食 等 損傷の発生傾向は常に同じでない、時間とともに変化 変化する状況を把握できているか損傷の進行性・冗長性で判断
☆ 次世代点検判定技術の開発(損傷度から健全度に基づく点検判定) 部 材 と し て の劣化診断 n 次点検時の損傷情報 部材の劣化度 時間 n次点検 部材の限界状態 部材の劣化度 時間 n次点検 n+1次点検 部材の限界状態 時間 n次点検 n+1次点検 構造全体系の限界状態 造 全 体系と し て の劣化診断 n+1 次点検時の損傷情報 進行性の評価軸 冗長性の評価軸 進行性の ばらつき 部材損傷が構造全体系 に及ぼす影響の程度 損傷度に基づく点検判定 損傷度 健全度 冗長性大 冗長性 小 進行性 大 進行性 小 構 造 型 式 個 別 判 定 損 傷 内 容 状 況 路 下 条 件 ネ ッ ト 設 置 種 別 前 回 点 検 年 度 前 回 判 定 ラ ン ク 写真1 写真2 進 行 性 冗 長 性 点 検 判 定 M.C.B A さび・腐食鋼端部 主桁ウェブ断面減少 9/9mm 垂直スティフナ断面減少 10/19mm 駐車場 なし H19 A 大 中 小 無し 大 中 小 無し A B C OK点検判定の考え方
• 進行性
部材が破断等によって何時機能を失う状態になるか、また、そ
れが通常の点検周期で発見でき、適切な措置をとっていく余裕のある早
さで進行するか否かを評価
• 冗長性
発見された損傷が進行し、部材が破断(機能喪失)状態に達し
たとき、構造物全体が崩壊等、構造物としての機能を失う状態になる部
材での損傷か否かを評価する。
点検の時にできること
• 確認した損傷について、
別途補修工事で対応
• 補修費等の
効率化が図れていない
• 点検と補修が
切り離して
考えていた
これまでは
•
体制面・費用面ともに効率化を図る必要がある
➜ 定期点検時に応急措置(簡易補修)の実施
これからは
鋼構造物への応急措置
さび・腐食に対する応急措置
小規模のさび・腐食に対する
予防保全効果
や
鋼構造物の延命
平成22年度➜249箇所
点検員の意識向上も
3種ケレン
1層塗り
コンクリート構造物の応急措置
露出鉄筋,さび・腐食 に対する応急措置
損傷の進行抑止
を目的に実施.
平成22年度➜2,394箇所
浮き錆除去後
防錆措置
点検情報の共有化 カルテの作成
2004 ランプ・渡り線 管理番号 A 環状 環S - 3 OK 表層種別 左側 環状 環P - 3 竣工年度_表層 右側 堺 環上P - 3 左側 0 竣工年度_基層 右側 0 タイプ 河川 パネル数 0 点検数 0 ■現況写真 ■損傷集計表 S A B C 計 2 2 4 6 3 9 3 3 1 8 9 8 6 11 25 鋼桁本体〔主桁〕 鋼桁端部〔横桁・横締〕 〔間詰・RC床版部〕 床版防水 排水性舗装 2002 切欠 主桁 点検年度 路下条件 は り 上 番 号 桁点検 上部工構造型式 床 版 M.C .B 損傷項目 鋼本体主桁HTBの折損 総 合 判 定 鋼本体さび・腐食 鋼本体主桁HTBの欠損 鋼本体主桁HTBのゆるみ HTBの折損が、H11の点検時に発見。遅れ破壊によるものと考えられる。 所 見 備 考 2002 塗膜系 損傷図 ※〔 〕内はコンクリート桁の表記 ※パネル数はRC桁床版部のみ記入 資産情報 点検情報 補修情報 所見記入 ここが重要 何を想定し、どう判断し たか。次回にチェック点検結果の見える化
橋梁健全性指標の年代別傾向
・H23年度末時点の橋梁健全性指標は87% ・年代別の橋梁健全性指標(H21年度末時点)では、供用後30年までに80%程度 に低下、その後一旦安定するが、40年以上経過すると69%に低下 指標が80%程度で横ばい 指標が低下 健全性指標 補修不要の径間数 全径間数点検・補修結果の見える化
構造物管理の評価例
梁上補修の集中的実施など、損傷の多発部位を集中的に補修 することで、全体の保全率を向上させるなど、個別の補修計画を 立てる以外に、マクロ的な計画・戦略は効果的 60 70 80 90 100 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 桁 床版 高欄 橋脚 脚梁上 橋梁情報の共有を目指して
Hanshin-Wikiの立ち上げ 阪神高速版Wikipedia コンテンツ ・お客様の声 ・お手軽情報共有 ・維持管理戦略ガイドライン ・維持管理レポート ・試験施工一覧 ・失敗事例集 ・損傷事例集 ・保全関係ハンドブック ・お役立ちデータSTEP1 STEP2 STEP3-1 構造物の機能低下への対応 ※適用設計基準の年次、劣化度、使用環境、 材料特性、構造特性等により判断 大規模修繕・大規模更新区間の決定 STEP-4 大規模修繕 大規模更新 大規模更新 大規模修繕 サービスレベル確保への対応 (着目するサービス) ・走行安全性 ・速達性、定時性 STEP3 大規模修繕と大規模更新の比較検討 検討対象区間の設定 供用後概ね40年を経過した区間 永続的な利用を想定した場合に大規模修繕、大規模更新が必要と考えられる構造の検討 有 無 STEP3-2 ※STEP2において、検討された 構造の内、PC有ヒンジ橋、建物 一体構造については、検討対 象区間外もSTEP3の検討対象 に含む。
長期維持管理
大規模修繕、大規模更新の検討
0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 10 20 30 40 50 k m あ た り 損 傷 数 供用経過年数 :検討対象区間 約92kmを設定 ①1号環状線 (11.2km) ②11号池田線の一部 (14.2km) ③12号守口線 (12.1km) ④13号東大阪線の一部( 8.1km) ⑤15号堺線 (13.4km) ⑥16号大阪港線の一部( 2.1km) ⑦17号西大阪線 ( 3.8km) ⑧3号神戸線の一部 (25.3km) ⑨4号湾岸線の一部 ( 1.9km) 【供用区間毎のkmあたり損傷数】
検討対象区間の選定
(STEP1)
供用後概ね40年頃からkm当りの損傷数が増加傾向 同区間を大規模修繕、大規模更新の検討対象区間に 設定「構造物の高齢化等による要補修箇 所の増加」 Ⅰ 再劣化と再補修を繰り返す 構造物 Ⅱ 再補修できない構造物 Ⅲ 複合的な要因で機能回復 が困難な構造物 → 部分更新等(部材着目)、 又は全体更新(構造物着目) 「共存インフラからの進化要請」 ●建物一体構造において、建物側 の性能によって 更新を余儀なく される構造物 → 全体更新(構造物着目) 構造種別 検討構造物 検討要因 の分類 基礎 鋼製フーチング Ⅰ 橋脚 RC橋脚(ASR橋脚) Ⅱ コンクリート桁 有ヒンジPC橋 Ⅰ コンクリート桁 PCポステンT桁 Ⅰ 鋼桁 鋼桁端部腐食 Ⅰ 鋼桁 鋼桁疲労 Ⅰ 鋼桁 複合劣化した橋梁 Ⅲ 床組 補修済みRC床版 Ⅱ 床組 鋼床版疲労 Ⅰ 付属 鋼製高欄 Ⅱ 付属 支承 Ⅱ 土工 盛土のり面 Ⅰ 土工 切土のり面 Ⅰ トンネル 山岳トンネル Ⅰ トンネル 開削トンネル Ⅰ トンネル シールドトンネル Ⅰ
大規模更新等が必要な構造の検討
(STEP2)
構造上、維持管理上の問題から大規模更新が必要な区間 PC有ヒンジ橋 1号環状線 :長堀付近 3号神戸線 :京橋付近 14号松原線 :喜連瓜破付近 15号堺線 :大和川渡河部 建物一体構造 3号神戸線 :海老江付近 11号池田線 :中之島付近 13号東大阪線 :西船場JCT~東船場JCT間 複合劣化橋梁 3号神戸線 :湊川付近 11号池田線 :大豊橋 13号東大阪線 :法円坂付近 鋼製フーチング 15号堺線 :湊町付近 ASR橋脚 3号神戸線(19)、4号湾岸線(1)、 13号東大阪線(2)、14号松原線(1)、 15号堺線(20)、16号大阪港線(7)、 17号西大阪線(1) ( )内は基数 走行安全性、速達性、定時性確保の観点から大規模更新 が必要な区間 走行安全性 3号神戸線 :若宮カーブ 15号堺線 :汐見カーブ 速達性、定時性 3号神戸線 :魚崎付近、 生田川~摩耶間 11号池田線 :塚本付近 13号東大阪線 :森之宮~高井田間 :大規模更新(構造上、維持管理上の問題のある区間) :大規模更新(サービスレベルにより評価した区間) :大規模修繕 魚崎付近 森之宮~高井田間 生田川~摩耶間 塚本付近 若宮カーブ 汐見カーブ 大和川渡河部 西船場JCT~ 東船場JCT間 喜連瓜破付近 大豊橋 法円坂付近 京橋付近 海老江付近 中之島付近 湊町付近 長堀付近 湊川付近 大規模更新の実施区間約12km 大規模修繕の実施区間約24km ※ ASR橋脚は路線図には表示していない。