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Ⅰ 1 非正社員の積極的活用が急がれる日本の労働市 労働力人口減少に対応するために 非正規社員の積極的な活用が必要 少子高齢化が進み 労働力人口が減少する中 就業構造の変化や働き方の多様化に伴い 非正社員数は年々増加し 雇用労働者全体の3 分の 1 以上を占める等 我が国の経済活動に重要な役割を果た

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職務評価基準の

作成法

人事制度

Ⅰ 非正社員の積極的活用が急がれる日本の労働市場

1.労働力人口減少に対応するために、非正社員の積極的な活用が必要 2.非正社員の均衡待遇改善を促すパートタイム労働法の改正ポイント

Ⅱ 職務内容の客観的比較が可能となる職務評価手法

1.職務の客観的な比較が可能となる要素別点数法 2.職務と待遇を連動させることができる職務評価手法

Ⅲ 職務評価表を活用した処遇改善法

1.職務(役割)ポイントと時間賃率にてパートタイム労働者と正社員の待遇格差を改善 2.正社員への登用も可能な等級制度の策定法

Ⅳ 非正社員の待遇改善を実現させた導入事例

1.職務評価の導入を図り、等級ごとの役割を基本給に反映させたA社 2.機能別職種と習熟度に基づく等級をベースに賃金制度を改定したB社

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少子高齢化が進み、労働力人口が減少する中、就業構造の変化や働き方の多様化に伴い、 非正社員数は年々増加し、雇用労働者全体の3分の 1 以上を占める等、我が国の経済活動 に重要な役割を果たしています。また、雇用形態が多様化する中で、従来の補助的とされ た仕事に限らず、役職に就くなど基幹的な働き方をする非正社員も増加するなど、非正社 員の働き方がより多様化する傾向が見られます。 ■正規雇用労働者と非正規雇用労働者数の推移【図 1-1-1】 (資料出所)平成 11 年までは総務省「労働力調査(特別調査)」(2 月調査)長期時系列表平成 16 年以降は総務省 「労働力調査(詳細集計)」 その一方で、非正社員の待遇がその働き・貢献に見合ったものになっていない場合もあ り、正社員との不合理な待遇の格差を解消し、働き・貢献に見合った公正な待遇を確保す ることが重要な課題となっています。 平成27年のパートタイム労働法の改正では、正社員と差別的取扱いが禁止されるパー トタイム労働者の対象範囲の拡大や、「短時間労働者の待遇の原則」が新設されました。 労働力人口減少に対応するために、パートタイム労働者と正社員の均等処遇を行い、パ

非正社員の積極的活用が急がれる日本の労働市

労働力人口減少に対応するために、非正規社員の積極的な活用が必要

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パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、納得して働くことができるようにするため、 平成 27 年 4 月 1 日から、パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関す る法律)や施行規則、パートタイム労働指針が変りました。主な改正ポイントは次の通り です。 ■パートタイム労働法の主な改正ポイント

(1)パートタイム労働者の公正な処遇の確保

・正社員と差別的な取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象が拡大 ・パートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、職務の内容、人材活 用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない

(2)パートタイム労働者の納得性を高めるための措置

パートタイム労働者を雇い入れたときは、雇用管理の改善措置の内容について、事業主 が説明しなければならない

(3)パートタイム労働法の実効性を高めるための規定の新設

雇用管理の改善措置の規定に違反している事業主が、厚生労働大臣の勧告に従わない場 合は、厚生労働大臣は事業主名を公表することができる

パートタイム労働者とは

◆パートタイム労働法の対象となる(短時間労働者)とは、「1週間の所定労働時間 が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い 労働者」のことです。 ◆「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、 呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働 者」としてパートタイム労働法の対象となります。

非正規社員の均衡待遇改善を促す

パートタイム労働法の改正ポイント

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(1)パートタイム労働者の公正な処遇の確保

①正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大<法第9条> 有期労働契約を締結しているパートタイム労働者でも、職務の内容、人材活用の仕組み が正社員と同じ場合には、正社員との差別的取扱いが禁止されます。 ②「短時間労働者の待遇の原則」の新設<法第8条> 事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、そ の待遇の創意は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理とみ とめられるものであってはならないとする、広く全てのパートタイム労働者を対象とした 待遇の原則の規定が創設されました。 こうしたパートタイム労働者の処遇に関する考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇 用管理の改善を図ることが求められることになりました。 ③職務の内容に密接に関連して支払われる通勤手当は均衡確保の努力義務の対象に <施行規則第3条> 「通勤手当」という名称であっても、距離や実際にかかっている経費に関係なく一律の 金額を支払っている場合のような、職務の内容に密接に関連して支払われているのもは、、 正社員との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経 験などを勘案して決定するよう努める必要があります。 【正社員と差別的取扱いが禁止されているパートタイム労働者の範囲】 <現行> (1)職務の内容が正社員と同一 (2)人材活用の仕組みが正社員と同一 (3)無期労働契約を締結している 例えば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者が、職務の内容も人材活 用の仕組みも正社員と同じであるにもかかわらず、正社員には支給されている各種手 当の支給対象となっていない場合には、改正後は、正社員と同様に支給対象となるこ とが考えられます。 <改正後> (1)(2)に該当すれば、賃金、教育訓 練、福利厚生施設の利用をはじめすべての 待遇について、正社員との差別的取扱いが 禁止される

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(2)パートタイム労働者の納得性を高めるための措置

①パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設<法第 14 条第 1 項> パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容を事業主 が説明しなければなりません。 パートタイム労働者から説明を求められたときの説明義務(法第 14 条第 2 項)と併せ て、パートタイム労働者が理解できるような説明をしていく必要があります。 ②説明を求めたことによる不利益扱いの禁止<指針第3の3の(2)> パートタイム労働者が法第 14 条第 2 項に基づく説明を求めたことを理由に、不利益な 取扱いをしてはなりません。不利益な取扱いを恐れて、パートタイム労働者が説明を求め ることができないことがないようにすることが求められます。 ③パートタイム労働者からの相談に対応するための体制整備の義務の新設<法第 16 条> 事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を 整備しなければなりません。例えば、相談担当者を決めて対応させる、事業主自身が相談 担当者となり対応する、などです。 ④相談窓口の周知<施行規則第2条> パートタイム労働者を雇い入れたときに、事業主が文書の交付などにより明示しなけれ ばならない事項に「相談窓口」※が追加されます。 ※相談担当者の氏名、相談担当の役職、相談担当部署など 【雇い入れ時の説明内容】 ・賃金制度はどうなっているか ・どのような教育訓練があるか ・どの福利厚生施設が利用できるか ・どのような正社員転換推進措置が あるかなど 【説明を求められたときの説明内容の例】 ・どの要素をどう勘案して賃金を決定 したか ・どの教育訓練や福利厚生施設がなぜ使え るのか(また、なぜ使えないのか) ・正社員への転換推進措置の決定に当たり 何を考慮したか など 【文書などのよる明示事項】

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⑤親族の葬儀などのために勤務しなかったことを理由とする解雇などのについて <指針第3の3の(3)> パートタイム労働者が親族の葬儀などのために勤務しなかったことを理由に、解雇など が行われることは適切ではありません。

(3)パートタイム労働法の実効性を高めるための規定の新設

①厚生労働大臣の勧告に従わない事業主の公表制度の新設<法第 18 条第 2 項> 雇用管理の改善措置の規定に違反している事業主に対して、厚生労働大臣が勧告をして も、事業主がこれに従わない場合は、厚生労働大臣は、この事業主名を公表できることに なりました。 ②虚偽の報告などをした事業主に対する過料の新設<法第 30 条> 事業主が、パートタイム労働法の規定に基づく報告をしなかったり、虚偽の報告をした 場合は、20 万円以下の過料に処せられます。

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パートタイム労働者と正社員の均等・均衡を図るためには、パートタイム労働者の処遇 が職務(役割)によって 規定されていることが多いことから、パートタイム労働者の仕事 の大きさと正社員の仕事の大きさを比較する「職務(役割)評価」を活用することが有益 と考えられます。 職務(役割)評価とは、社内の職務内容を比較し、その大きさを相対的に測定する手法 であり、人事管理上、よく用いられている人事評価とは異なるものです。大別すると、次 の 4 種類が挙げられます。 ■職務(役割)評価の手法【図 2-1-1】 手法 内容 単純比較法 社内の職務を 1 対 1 で比較し、職務の大きさが同じか、あるいは、異 なるかを評価します。比較の際に、職務を細かく分解せず、全体とし て捉えて比較します。 分類法 社内で基準となる職務を選び、詳細な職務分析を行った上で、それを 基に「職務レベル定義書」を作 ります。「職務レベル定義書」に照ら し合わせ、全体として、最も合致する定義はどのレベルかを判断し、 職務の大きさを評価します。 要素比較法 あらかじめ定めておいた職務の構成要素別に、レベルの内容を定義し ます。職務を要素別に分解し、その要素ごとに最も合致する定義はど のレベルかを判断することにより、職務の大きさを評価します。分類 法のように、職務全体として判断するよりも、客観的な評価が可能で す。 要素別点数法 要素比較法と同様に、職務の大きさを構成要素ごとに評価する方法で す。評価結果を、要素比較法 のようにレベルの違いで表すのではな く、ポイントの違いで表すのが特徴です。要素別にレベルに応じたポ イントを付け、その総計ポイントで職務の大きさを評価します。

職務内容の客観的比較が可能となる職務評価手法

職務の客観的な比較が可能となる要素別点数法

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■職務(役割)評価の手法(イメージ図)【図 2-1-2】

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「単純比較法」は、簡便である反面、違いの程度まで把握することができません。「分類 法」は、丁寧な評価が可 能ですが、詳細な職務分析を行う必要があるため、手間のかかる 手法です。「要素比較法」や「要素別点数法」は、 簡易にも精緻にも実施可能であり、よ り客観的な評価を行うことができます。 そこで、本書では、やり方次第では、簡易にも精緻にも実施可能であり、かつ、職務の 大きさを定 量的に把握でき、結果を様々なことに応用できる「要素別点数法」について記 載します。 要素別点数法による職務(役割)評価は、「職務(役割)評価表」を用いて職務(役割)評価ポイ ントを算出して行います。職務(役割)評価表は、評価項目、ウェイト、スケールの 3 つの 要素から構成されています。 ■職務(役割)評価の手法【図 2-1-3】 要素 内容 評価項目 要素別点数法で用いられる職務内容の構成要素を示します。 例えば、以下のような 8 つの項目から職務の大きさを測定します。 ウェイト 会社の事業特性等に応じた構成要素の重要度を示します。 重要な「評価項目」であれば、ウェイトを大きく設定します。 ウェイトを大きく設定することで、職務(役割)評価ポイントが大きく 変化します。 スケール 構成要素別にポイントを付ける際の尺度の基準を示します。 本書の例では、5 段階の尺度の基準を設定していますが、より精緻な 評価を行う場合であれば、段階を増やすことも有用です。

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評価項目別のポイントは、「ウェイト」×「スケール」で計算され、全ての評価項目のポ イントを総計したものが当該職務の大きさです。 下記の例では、職務の大きさは 18 ポイントとなります。この値を「職務(役割)ポイン ト」と呼びます。 ■職務(役割)評価表【図 2-1-4】 (資料出所)厚生労働省 要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン 上記のように、要素別点数法では、評価項目、ウェイト、スケールの 3 つ要素に、レベ

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職務と待遇を連動させるためには、次の2つを確認して合わせる必要があります。 ①パートタイム労働者と正社員の職務の大きさ ②パートタイム労働者と正社員の均等・均衡待遇の状況 ①を図式化すると、【図 2-2-1】のようになります。 【図 2-2-1】は、パートタイム労働者のAさん、Bさんと正社員のCさんについて、職務 (役割)評価を実施した結果です。職務(役割)ポイントは、各々Aさん 18 ポイント、Bさん 22 ポイント、Cさん 22 ポイントとなりました。BさんとCさんは、同じ 22 ポイント なので、職務全体の大きさが同じであることが分かります。 価項目別に見てみると、「③専門性」でBさんが 6 ポイントと高く、Cさんが 4 ポイン トと低くなっていますが、「②革新性」や「④裁量性」では、CさんがBさんより高くなっ ている、というように職務(役割)評価を用いると、各人が担当している職務の大きさや構 成要素のどこに違いがあるのかが分かります。 ■パートタイム労働者と正社員の職務の大きさ【図 2-2-1】

職務と待遇を連動させることができる職務評価手法

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②を図式化すると、【図 2-2-2】のようになります。 【図 2-2-2】では、賃金(時間賃率:1 時間当りの時間単価)について、パートタイム労 働者のBさんと正社員 のCさんの間で均等・均衡待遇の状況を検証した図です。 BさんとCさんの間では、職務(役割)ポイントが同じですから、同程度の処遇が望まし いと言えます。 ところが、実際にはCさんの時間賃率 1,200 円に対して、Bさんの時間賃率は 800 円 と大きく開きがあり、均等・均衡待遇が図られていない可能性があります。 均等・均衡待遇が確保されているかを判断するには、「人材活用の仕組みや運用など」を 考慮する必要がありますが、これらが同じ場合はBさんの時間賃率を正社員のCさんと合 わせます。 ■パートタイム労働者と正社員の均等・均衡待遇の状況【図 2-2-2】 (資料出所)厚生労働省 要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン

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(1)職務(役割)ポイントの算出

職務(役割)評価を適用してみたいパートタイム労働者や正社員を数名リストアップし、 それぞれが担当する職務(役割)を評価します。ここでの作業で使用する職務(役割)評価表は、 次ページ【図 3-1-1】のとおりです。また、パート労働ポータルサイトから IT ツールを ダウンロードすることも可能です。 注:IT ツールは「パート労働ポータルサイト」【URLhttp://part-tanjikan.mhlw.go.jp/)】より、ダウンロ ード可能です。 まず、「評価項目」と「定義」を 1 つ 1 つ確認します。 次に、「ウェイト」と「スケール」です。「ウェイト」は、職務 (役割)評価の作業に慣れ るまでは、全て「1」に設定します。「職務(役割)評価表」 の「ウェイト」欄に、「1」 を書き込んでください。 「スケール」は、【図 3-1-3】の「職務(役割)評価の評価項目別のスケール」を参考に します。スケールは 5 段階となっており、数字が大きいほど、高度な職務と判断されます。 このスケールに照らし合わせて、「職務(役割)評価表」の「スケール」欄に該当する定義 のポイントを書き込んでください。 最後に、「ポイント」欄です。この「ポイント」欄には、「ウェイト」に「スケール」を 掛け合わせた値を記入してください。全ての「評価項目」について「ポイント」の計算が できたら、集計して一番下の欄に総計を記入します。 この値が「職務(役割)ポイント」になります。当該職務の職務(役割)ポイントを算 出する際は、労働者の個人の特徴ではなく、職務(役割)そのものを評価します。

職務評価表を活用した処遇改善法

職務(役割)ポイントと時間賃率にて

パートタイム労働者と正社員の待遇格差を改善

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■職務(役割)評価表【図 3-1-1】

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■職務(役割)評価の評価項目別のスケール【図 3-1-3】 スケール 定義 ①人材代替 5 採用や配置転換による代替人材の確保が不可能な仕事 4 採用や配置転換による代替人材の確保が非常に難しい仕事 3 採用や配置転換による代替人材の確保が難しい仕事 2 採用や配置転換による代替人材の確保が容易な仕事 1 採用や配置転換による代替人材の確保が非常に容易な仕事 ②革新性 5 現在の手法と全く異なるものが求められる仕事 4 現在の手法を参考程度にしながら、異なるものが求められる仕事 3 現在の手法をある程度活用出来る仕事 2 現在の手法をかなりそのまま活用出来る仕事 1 現在の手法をそのまま活用出来る仕事 ③専門性 5 担当分野において高い専門性が必要とされ、かつその周辺分野においても高い専門性が必要とされる仕事 4 担当分野において高い専門性が必要とされ、かつその周辺分野においても平均的な専門性が必要とされる仕事 3 担当分野において高い専門性が必要とされる仕事 2 担当分野において平均的な専門性が必要とされる仕事 1 それほど専門性が必要とされない仕事 ④裁量性 5 自由裁量を行使した結果が、企業全体に影響を与える仕事 4 自由裁量を行使した結果が、当該部門全体に影響を与える仕事 3 自由裁量を行使した結果が、当該部門の一部に影響を与える仕事 2 自由裁量を行使した結果が、本人のみに影響を与える仕事 1 原則として自由裁量のない仕事 ⑤対人関係の 5 部門外・社外との交渉・折衝業務が非常に多い仕事  複雑さ 4 部門外・社外との交渉・折衝業務が多い仕事 (部門外/社外) 3 部門外・社外との交渉・折衝業務がやや多い仕事 2 部門外・社外との交渉・折衝業務が少ない仕事 1 部門外・社外との交渉・折衝業務がない仕事 ⑥対人関係の 5 部門内との調整作業が非常に多い仕事  複雑さ 4 部門内との調整作業が多い仕事 (部門内) 3 部門内との調整作業がやや多い仕事 2 部門内との調整作業が少ない仕事 1 部門内との調整作業がない仕事 ⑦問題解決の 5 最初から新しい方法を用いなければ解決出来ない仕事  困難度 4 既存の方法を参考にしつつも、新しい方法を用いなければ解決出来ないことが多い仕事 3 既存の方法を大きくアレンジすることで解決出来ることが多い仕事 2 既存の方法を少しだけアレンジすることで解決出来ることが多い仕事 1 既存の方法で解決出来ることが多い仕事 評 価 項 目

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(2)時間率の計算

パートタイム労働者と正社員の賃金の違いを生む主な要因には、「職務の内容」と「人材 活用の仕組みや運用など」があり、「活用係数」は「人材活用の仕組みや運用など」の賃金 に対する影響を考慮するためのものです【図 3-1-4】。 ■パートタイム労働者と正社員の賃金の違いの主要因【図 3-1-4】 (資料出所)厚生労働省 要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン 「人材活用の仕組みや運用など」とは、具体的には、「時間外、休日労働、深夜勤務等、 労働時間の柔軟性の違い」、「転居を伴う配転等、働く場所の柔軟性の違い」、「職務や職種 の変更等、従事する仕事の柔軟性の違い」、「将来のキャリア形成の違い」などの賃金に影 響を与えると考えられる要因である反面、職務(役割)評価では取り扱いにくいものを指し ます。そこで、この「人材活用の仕組みや運用など」の影響を、「活用係数」を用いて以下 のように調整します。 もし、パート労働者と正社員が同じ職務に従事していても、「人材活用の仕組みや運用な ど」の違いからみて、パート労働者の賃金は正社員の 80%に設定するのが適正であると 考えれば、「活用係数」は 80%になります。この「活用指数」の適正な水準は、各企業の 事情によって異なります。「人材活用の仕組みや運用など」の現状を踏まえるとともに、合

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されており、職務(役割)ポイントの算出の段階で「時 間外労働の有無・頻度など」を考 慮している場合には、活用係数の設定の際に「時間外労働の有無・頻度など」を 重ねて考 慮要素としないよう注意することが必要です。 (1)でリストアップした職務(役割)評価を適用してみたいパートタイム労働者や正社 員の時間賃率(賃金 1 時間当たり単価)を計算します。具体的な計算式は、下記のとおり です。 ■賃金 1 時間当たり単価 パートタイム労働者の時間賃率は、原則として、現在支払われている時給を用いて下さ い。また、時給以外に、職務に関連する手当(例えば、役付手当や精皆勤手当等)や賞与 が支払われている場合には、企業の実状を踏まえて含めることも可能です。 正社員の時間賃率は、基本給を所定労働時間で割り、活用係数を乗じることで計算しま す。例えば、正社員の毎月の基本給が 48 万円、月間の所定労働時間が 160 時間、活用 係数が 80%であるとすると、正社員の時間賃 率は「48 万円÷160 時間×0.8」で計算 され、2,400 円になります。 基本給以外に、パートタイム労働者と同様に、職務に関連する手当(例えば、役付手当 や精皆勤手当等)や賞与を、事業所の実状を踏まえて含めることも可能です。

(3)正社員とパート社員の待遇格差を改善

(1)でリストアップしたパートタイム労働者や正社員員の全員について、「職務(役割) 評価ポイントの算出」と「時間賃率の計算」ができたら、均等・均衡待遇が実際に図られ ているかどうか確認します。確認するために、横軸に職務(役割)ポイント、縦軸に時間賃

パートタイム労働者の時間賃率 = 時給

正社員の時間賃率 = 基本給÷所定労働時間×活用係数

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■プロット図(イメージ)【図 3-1-5】 まず、プロット図で職務(役割)ポイントの重なり具合を確認します。職務(役割)ポイント に重なりがあるということは、職務の大きさが正社員と同じ、もしくはそれ以上のパート タイム労働者がいることを意味します。 次に、正社員と同じような職務(役割)ポイントのパートタイム労働者は、正社員と同じ

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傾向(近似)直線をより論理的に求めたい場合には、【図 3-1-5】のような最小二乗線 を活用する方法があります。 最小ニ乗線とは、傾向(近似)直線の代表的なもので、1 次関数が測定値に対して最適 な近似となるよう、測定値との残差の二乗和を最小とするようにパラメータが決められた 直線です。 一般に「Y=a(傾き)X+b(切片)」の数式で表されます。Excel 等の機能を用いて、最 小二乗線を描くことができます。パートタイム労働者と正社員の傾向(近似)直線を比較 した時、a(傾き)や b(切片)に大きな違いがあれば、均等・均衡待遇が図られていない 可能性があります。「傾き」とは、【図 3-1-5】の直線の傾きを示しており、「切片」とは、 直線が Y 軸と交わる部分の時間賃率の額となります。 プロット図で、パートタイム労働者と正社員の待遇に格差がある、もしくは最小ニ乗線 の傾きや切片に大きな違いがある場合は、下記の方法でパートタイム労働者と正社員の待 遇格差を改善します。 ■パートタイム労働者と正社員の待遇格差改善方法 ・パートタイム労働者の職務(役割)の大きさ見直す パートタイム労働者に、待遇に対して過剰な職務(役割)を担当させている場合は、 職務(役割)を見直して軽減を図ります。 ・パートタイム労働者の時間賃率を正社員に合わせる 昇給や諸手当を含めたパートタイム労働者の賃金を見直し、正社員に合わせた支給 を行います。

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パートタイム労働法第 13 条では、パートタイム労働者から正社員への転換を推進する ための措置を講ずることを事業主に義務付けています。 転換制度の運用を容易にするために、役割等級制度の運用が望まれます。役割等級制度 とは、それぞれの役職や仕事に求められる「役割」の大きさに応じて等級を設定し、その 役割を担当する社員の格付けを行う制度のことです。「同一役割・同一賃金」を前提として、 年齢やキャリアに関係なく、難易度・期待度の高い役割で成果を上げれば、それに見合う 賃金を支給します。 役割等級制度を運用することで、パートタイム労働者から正社員への転換を容易に行う ことができます。例えば【図 3-2-1】の場合、パート④と正社員 3 等級、パート⑤と正 社員 4 等級が対応関係にあり、こうしたパートタイム労働者と正社員の間で、正社員転換 が可能になります。また、パートタイム労働者及び正社員の職務(役割)評価の結果があ るので、両者間の職務内容の異同を明確に把握し、正社員転換の基準などを適正に設定す ることが可能になります。 ■正社員転換の対象範囲【図 3-2-1】

正社員への登用も可能な等級制度の策定法

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A社は、地域に根差して複数の店舗を展開する卸・小売業(正社員約 400 名、パート タイム労働者約 1,500 名)です。人事制度を改定する以前のA社には、「役職を外れても 基本給は高いまま」、「仕事を頑張っても何も変わらないし、変えなくてもいい」といった 言葉に代表されるように、社内において「新しいことを生み出そうとする社員が動きにく い」というような閉塞感がありました。そのため、経営層には、このままでは競合他社の 出店攻勢に十分に対応できないとの問題意識が生じていました。 そのような中で、経営層は社内の閉塞感の要因を探るため、アンケートや聞き取りによ る社員調査を実施し、その結果をもとに、新しい人事制度の構築に着手しました。2010 年の人事制度の見直しにあたり、職種別の市場価値を重視しました。賃金制度を整備する ため、職務(役割)評価を実施しました。

(1)職務(役割)評価のプロセスと効果

●プロセス:職務分析の実施後に要素別点数法による職務(役割)評価を実施 A社では、上記の調査結果から社内の閉塞感を打破するためには、社員を適切に評価し、 公正に処遇する必要があるとの結論に至りました。そこで、まずは仕事内容を具体的に把 握するため、職務分析を実施。その結果に基づき、社員ランク、職種を整理し、役割等級 制度を整備することとしました。その上で、要素別点数法による職務(役割)評価を実施し、 その結果を 基本給の設計へと活用しました。 職務(役割)評価を基本給の設計に活用する具体的なステップについては、まず①世間で 一般的に公開されている職務(役割)評価項目をベースに、自社でアレンジした 10 数項目 を設定、次に②10 数項目ごとに“5 段階のスケール”と“項目ごとに設定したウェイト” により“職務(役割)ポイント”を算出、続いて③職務(役割)ポイントを活用して“ポイント 単価”を計算、そして④ポイント単価に職種別、社員ランク別に算出した職務(役割)ポイ ントを掛け合わせた金額を“職務給”として、基本給の一部に採用する賃金制度を構築、 という流れです。そして、これらの内容が確定した後、賃金制度と並行して整備していた

非正社員の待遇改善を実現させた導入事例

職務評価の導入を図り、等級ごとの役割を基本給に反映させたA社

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■職務(役割)評価の実施プロセス ●効果:「仕事の大きさ」に応じた基本給を構築 A社は、職務(役割)ポイントにポイント単価を掛けることにより算出した職務給を採用 することで、「職務の価値の大きさ」と賃金を明確に結びつけることに成功しました。その 結果、賃金水準にメリハリがつき、当初の目的である「社員の向上心の醸成」を実現しま した。

(2)職務(役割)評価の実施における成功要因

●多くの部門が連携したプロジェクトチームを組成 賃金制度の改定を進める上で社内にてプロジェクトチームを組成。メンバーは 10 人程 度で、人事担当役員および人事担当者、現場の主要部署の担当者、現場スタッフ(男女)、 労働組合等と幅広い人材で構成しました。その上で、社員への情報提供は適宜プロジェク トチームを中心に実施。可能なかぎり“開かれた人事制度の構築”に取り組んだことは、 人事制度の改定の際に社員の納得感を高める上で効果があったと考えられます。 ●職務(役割)評価は少人数で実施 職務(役割)評価は、プロジェクトチームの中の人事担当者の数人で実施しました。そし て、その結果については、プロジェ クトチーム全体で妥当性の検証・調整を行いました。 担当者によれば、「職務(役割)の価値の大きさ」、「職務(役割)評価」という 考え方に当時は 多くの社員が慣れていなかったため、人事担当者の数人で職務(役割)評価を行い、その結

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職務評価基準の

作成法

B社は、電気機器の開発・生産を行っている中堅製造業(従業員数:870 名(パートタ イム労働者含む))です。主要な 製品の多くが、世界中の家電製品や自動車部品メーカー などで活用されていることから、早くから販売や生産の拠点を海外に立地させ、品質や納 期といった顧客ニーズに対応してきました。 しかしながら、近年、グローバル化が進展する中で、国内外の競合他社に対する競争優 位性を確保するためには、品質や納期はもちろんのこと、コストに対する厳しい要求にも 応えていかなければ生き残れない状況に直面しています。 以前から人件費の安い中国に生産拠点を立地しているものの、厳しい事業環境に対応す るためには、「生産拠点の中心を日本から海外に移転させる」といった戦略をさらに進めて いくことが必要であると考えて、全社を挙げて取り組み始めました。 B社は、これまで年齢や勤続年数の長い従業員が比較的高い賃金となる年功的な賃金体 系であったため、新しい経営戦略で重要となる従業員を、適切に評価することが難しい状 況にありました。そのため、新たな経営戦略を推進する上で重要となる人材の適切な処遇 を目的に、新しい人事制度の構築に取り組むこととしました。 B社は、2003 年に役割等級制度を導入。業務に対する習熟度である“従業員ランク” と、「開発」、「営業」、「生産」、「スタッフ」などの“機能別の職種”を設定し、役割等級制 度を通じて従業員の役割を明確化するとともに、役割等級制度に対応した賃金制度を導入 することとしました。2010 年には、再び人事制度の見直しを実施。今度は、“職種別の 市場価値を重視”し、これに応じた賃金制度を整備するための職務(役割)評価を行いま した。

(1)職務 ( 役割 ) 評価のプロセスと効果

●プロセス:要素別点数法による職務(役割)評価の実施 B社は、専門家の指導の下で「要素別点数法」による職務(役割)評価を実施し、職種別 の市場価値を重視した賃金制度を整備しました。具体的には、次のプロセスで職務(役割)

機能別職種と習熟度に基づく等級をベースに

賃金制度を改定したB社

(24)

人事制度

職務評価基準の

作成法

●効果:賃金制度改定に対する社員の納得感が向上 B社は、職務(役割)評価を通じて、職種および役割等級ごとのポイント単価を計算する ことで、「仕事の価値の大きさ」に対する賃金水準について、数値での明確な比較を可能に することに成功しました。これらを賃金制度改定の際の根拠資料として活用することで、 賃金制度改定に対する従業員の納得感を得ることにつながったと考えられます。 ■職務(役割)評価の実施プロセス

(2)職務(役割)評価の実施における成功要因

●段階を踏んでの職務(役割)に関する理解の浸透 2010 年に職務(役割)評価を実施した当時の担当者が、「もし、従来の年功的な人事制度 を一気に現在の制度に変えていたら、大きな混乱をきたしただろう」と話をしていました。 確かにB社では、職務(役割)評価を実施する以前から役割等級制度が導入されていたた め、従業員の職務の定義や職種への理解があり、職務(役割)評価を比較的容易に導入す ることができたといえるます。 ●キャリアステップ等人材活用の要素を重視して導入 職務(役割)評価を実施すると、相対的に「仕事の価値の大きさ」が明確になります。 B 社では職務(役割)評価の結果に合わせて賃金制度を整備しているので、「仕事の価値の大 きさ」が小さい従業員のモチベーションが下がらないように、より「仕事の価値の大きさ」

参照

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