超高真空実験用スパ ッタ蒸着源の開発
徳高
平蔵
・・ 百武
秀昭
料
.西
守・ 克己
*。高島
克己
**(1981年 5月 30日 受理)
Sputtering DepOsitiOn Source for an Ultra High Vacuum(UHV)Experiment.
Heizo ToKUTAKA*,Hideaki HYAKUTAKE準
■,Katsumi NIsHIMORI*
_and Katstxmi TAKASHIMAキ
(Received May 30,1981)
Abstract
Sputter evaporation source has been developed to observe the initial growth of thin film on the substrate in an ultra high vacuum(UHV)atmosphere.The source is necessary to control easily a low sputtering speed and、 vork at a low voltage for the
experiments frhe triode source 、vas mandfactured and tested in an ordinary high vacuum The operation M/as successful to make sputter deposition of Cu,WIo,ヽ ヽ「and Mo‐ Si
The sputter yields which vere additionany obtained froni the experiments agreed
very wen with the values in the already published reference.
1。 ま え が き スパ ッタ蒸着法は
,半
導体,Mo,Taな
どと合金を作 る金属 (Fe,Nり など),又
,高
融点物質(MO,W)な
どの薄膜化が可能であ り,高
純度の薄膜 を作 り得る。 又,膜
厚の制御が比較的容易に行なえる等の特徴 を有 しているので,薄
膜作成 には,有
用な技術である。 これ は,簿
膜成長過程の研究において,注
目される技術で も ある。そこで,オ
ージェ電子分光法 (Auger ElectronSpectrottopy;AES),低
速電子線回折 (Low EnergyElectron Diffraction;LEED)な どを使用 して
,団
体表 面領域の分析,そ
して特に金属薄膜の成長過程,お
よび シリサイ ドの形成過程の研究を行 うために超高真空装置 用のスパ ッタ源の製作を行 い,そのスパ ッタ源を用いて, 金属並びに半導体の薄膜生成実験を行った。1.1
スパ ッタ リングの薄膜形成過程 電界 によ り加速 されたイオ ンが,団
体表面 に衝突す る と,二
次電子放出,X線
放射,イオンうめ込 み等の現象 が起 る5衝
突イオ ンは,電
界放 出 された電子 によ り中和 され るが,運
動量 はその まま保存 じ団体 内に突入す る。 突入 した中性 イオ ンは,固
体 を構成 する原子や分子 と衝 突 し徐 々 にエネルギーを失 ない停止す る。団体内で は, 中性 イオ ンの突入 によ り結晶格子 を構成 す る原子が相互 に衝突 を繰 り返 し,つ
いには表面の原子や分子が,外
部 に放 出 され る。 このように,原
子サイズの粒子が,団
体 表面か ら,固
体 を構成 してい る粒子 を,た
た き出す こと を,ス
パ ッタ リング とい う。Fig。 1に ,これ らの諸現象 を示す。り,分 スパ ッタ リングによる薄膜形成 の過程 は,①
陰極面 で ・ 電子工学科 Department of ElectrOnics 構Anode
Substrate
Cathode
(―ヽKV) Fig。 l Phenomena by an ion bOmbardment.
のスパ ッタ リング
,②
陰極か らたた き出 された中性原子 (スパ ッタ原子)の
プラズマ空間中の飛行,③
基板面へ のスパ ッタ原子の到達 と薄膜形成の3段階に大別 される。 第1段階 は,上
述のように,イオ ン衝撃 による団体表 面の一現象であ る。スパ ッタされ る原子 の相対的な数 は, 陰極物質の種類 に依存 し,衝
突 イオ ンのエネルギーに よ り変化 する。第2段階では,ス パ ッタ原子 は,プラズマ中 を,ガ
ス分子やイオン と衝突 しなが ら通 り抜 け,基
板面 に到達 する。 スパ ッタ原子の運動エネルギースペ ク トル は,数eVに
強 い ピークを持 ってお り,入射 イオ ンエネル ギー付近 まで長 く尾 を引いているが,平均エネルギーは, 10 eV前後である。スパ ッタ原子 の放 出は,余弦則 に従が うと言われ るが,ス
パ ッタ リング中のプラズマガスの圧 力によ り,基
板表面への到達過程 は違 うであろう。圧ガ10 2Torrの アル ゴン中での平均 自由行程 (mean free
path i m.fp.)で 約0.5 cmであるか ら
,ス
パ ッタ原子 は, 陰極 (ターゲ ッ ト)か
ら基板 まで (約4 cm)飛行 する間 に,中
性分子やイオ ン との衝突 を繰 り返 し,初
期エネル ギーを失 ない,一
部 は,後
方散乱 され,拡
散 に近 い形 で 飛行す ると考 えられ る。又,圧力 10 4Torrの アルゴン中 でのm.ip.は ,室
温で数10 Cmであるか ら,ス
パ ッタ 原子 は余弦則 に従 う分子流 として飛行すると考 えられ る。 第3段階 は,基
板表面 における薄膜形成の問題で,ア
ル ゴンの中性分子およびイオ ンの衝突,ス
パ ッター原子 のエネルギー,基板温度 とガス吸着,等に左右 されるが, 付着強度の大 きい微細結晶構造 を とる傾 向があ る。1. 2
スパ ッタ蒸着法の種類 以上に述べたスパ ッタ現象を利用 したスパ ッタ蒸着に は,多 数の方法が考案 され実用化 されている。ここでは, 代表的なスパ ッタ方法について,そ
の概略を記す。(1)二
極 スパ ッタリ これは,Fig.1に
示すようにスパ ッターされるターゲ ット(陰極)と 膜 をつける基板およびそのホルダー (陽 極)と か らなる最 も簡単な方法である。 (21 高周波(RF)ス
パ ッタめ これは,二
極スパ ッタ装置の陰極に高周波電力を導入 するために,構
造 に工夫がなされている。 この方式の特 徴は金属で も誘電体で もスパ ッタできること,高
周波放 電のため,低電圧でも高密度のプラズマが発生するので, 膜の生成速度が大 きいことである。(3)三
極又は四極スパ ッタ°'9 Fig。 2に 装置の概略を示す。熱陰極 と低電圧陽極の間 に,熱
電子放射によ り支えられたプラズマを作 り,´ この プラズマに対 して,タ
ーゲ ットを負電位に保ち,プ
ラズ マの中のイオンで,タ
ーゲッ トを衝撃 してスパ ッタリン グを行 う。安定化電極のあるのが,四
極スパ ッタと呼ば れ,放
電の安定化がなされている。 この方式の長所は, ① 103∼10 4Torr台 の低圧中で,ス パ ッタ リングできるIを
貿
A schemc of
apparatus. StabitHy Etectrode Tetrode sputtering R I Fig。2
徳高平蔵・ 百武秀昭・ 西守克己 。高島克己 こと
,②
放電 (プラズマ)電
流 とターゲ ッ ト電流 を独立 に制御できること,③100℃以下の低温度で膜が生成でき ること,等
がある。一方,酸
素を用いる反応性 スパ ッタ リングに適 さないこと,広
いターゲッ ト面積に対 して均 ―なプラズマを作ることが難 しいことなどの欠点がある。 (4)マ グネ トロンスパ ッタ° 前述 したスパ ッタ方式では,ス
パ ッタ蒸着速度を上げ ることが,非
常に困難である。(仮に,投 入電力を増大 し ても,膜
への悪影響がある。)こ
の問題 を解決 したのが, マグネ トロンパッタである。電界 と磁界の相互作用によ って電子がスパイラル運動をし,電
子によるガス分子の イオン化確率が増 し,閉
じ込められたプラズマの密度が 増大する。このためターゲット電圧が-500V前
後で放電 プラズマ電流密度が従来の方式よリー桁は上げることが 出来る。(JHV装
置 中でのスパ ッタ蒸着薄膜の初期成長の 観察 には,こ の方法は,し
かしスパ ッタスピー ドが大 き すぎることが現時点では都合がわるいこと,ま
た磁石を 使用するため,電
子分光分析に支障をきたすため,現
時 点ではとり扱かなわいことにする。2.三
極 スパ ッタ蒸 着 法2. 1
従来の三極スパ ッタ蒸着法 第 1章 で,スパ ッタ蒸着法の一般的な特徴 を述べたが,UHV用
のスパッタ源を考えた場合に,低圧力(109∼ 104 TOrr)下 でのスパ ッタリングが可能で,プ
ラズマの制御 が比較的容易な三極スパ ッタ方式が適 している。 まず始めに,Fig。 2を 基にして三極スパ ッタ装置 を製 作 した。スパ ッタ源は,タ ーゲ ット,陽
極 (プレー ト), フィラメント,水
晶振動子 (基板)か
らなってお り,ス
パ ッタされた原子が,真
空容器 (ベルジャー)内
に飛散 しないように,ス
テンレスボックス(Fig。2中
の点線) に納められている。放電の発生のにおいては,フ
ィラメ ントープレー ト間の距離が問題 となるが,圧力10 4Torr台 で,安定なプラズマを作 るためにその距離は 4 Cmと なっ ている。プラズマ電流は,数 kオ ームの安定化抵抗(Fig。 2中 の抵抗R)に
より,安
定はしているが,プ
ラズマは ボックス内全体 に広がっていて,タ ーゲットの裏面まで 被っているものもと思われる。 スパ ッタリングの動作機構については,第
1章 2節 で 述べた。スパ ッタリングには,安
定かつ高密度のプラズ マを発生させることが最 も重要である。一般には,プ
ラ ズマの軸方向に直交 した磁界をかければ,電
子は,フ
ィ ラメントからプレー トに向かう間にらせん運動をし,ガ
ス分子 との衝突が増 し,結
果 として,プ
ラズマの密度 を :超高真空実験用スパ ッタ蒸着源の開発 高 めることがで きる。 しか しなが ら,こ
の装置 において は,フィラメン トープレー ト間の距離 が短 かいために磁界 によるプラズマの高密度化 は十分 には達成 されないだ ろ う。又,プ
ラズマ中のアルゴ ンイオ ンが磁界 をか けるこ とによ り集束 され,電
場Eと磁場BとによってE× Bな る方向 に力 を受 け,ターゲ ッ トに到達 す るアル ゴンイオ ンの量が減少 し,タ
ーゲ ッ ト電流が結果 として減少す る と考 え られ る。従がって,UHV用
のスパ ッタ源 を製作 す るにあたっては,プ
ラズマの安定化 と高密 度化 に磁界 を 用 いない他の方法 を考 える必要が あ る。2.2
集束 チ ューブを用 いた三極 スパ ッタ蒸着法°'つ 前述 した通 り,フ
ィラメ ン トとプ レー トの間 に発生 す るプラズマを均一かつ高密度 に集束 させ る ことは,プ
ラ ズマスパ ッタ法 において,最
も重要であ る。集束 チュー ブを用いて,これを達成する装置の概要 をFig。 3に示す。 これは,低
圧力,低
電圧 で高密度 のプラズマ を作 り出す ために考案され,LVS(Low Voltage Sputterillg)シ ス テム として実用化 されてい る。 ここで は,プ
ラズマ発生装置の集束チューブ (管
)を
モデル解析 して述べ る°。プラズマの軸方向の断面 をFig.4の ように考 える。軸方
向の電界
Ezを
管断面 に一様 と仮 定 す る と,電
子 の速度Veは,rに よらず一定で 生=μ
ea(μ e:電
子の移動度)で与 え られる。任意の管断面 について
,電
子電流ieは, nを電子密度 とすれ ば, プん=ο″ク92π′″/ =σ%oノ(″ )ク?2π″′″ となる。但 し, n。 は軸 中心での電子密度,
元(イ )イよべ ッセル関数である。″ と半径 rに は,r=R/2.41・ πの関 係があ るか ら,娩
は,ブ
先
=2彪
拗
(希
)2π胞 …………嘲
となる。電子電流 えは,式 2中を ″=0∼
ア=241ま
で 積分す ることによって,ん
=2瘤
拗
(希
)2
畑ァ爪分′π
=136っυθ父2η。 となる。 ここで,プ
ラズマ中では,電
子 とイオ ンの密度 が等 しいか ら,プ
ラズマ電流 (管電流)iは
,持ん
Q十拶義
………的
とな り,軸 中心での電子密度は,式
3の ieを iに入れ替0-300Vdc
O-10 Amps
ng。 3 A scheme Of a Low Voltage Sputtering system6】7).
Tantatum
Fitament
一一――>Z Axis
Wall
Fig. 4 Cross― section of cylindrical focussing tube. えて, 舛 協 … …… … … … …
0
となる。ついで,管壁面 における電子密度 nRを求 め る。 一般 に,単位長 当 りの面 をたた く電子数は,Ceを
電 子の 平均熱運動速度 として,%nRCe 2
πRで
表わされ る。こレ一
れだけの電子 が壁面 での再結合 で毎秒失 なわれ る。一方, 電子の毎秒の発生数 は,単位長当 り,電離頻度 を Й とす る と フぢ戸であ るか ら,壁
面 での電子密度nRは, 効=締
… … …0
となる。式5, 6よ り,壁
面 と軸 中心 での電子密度の`比 率 は, 縁=2,72
残二 .………(7) ηO π ερ とな り,管
の半径Rに
比例 す る。一般のアル ゴン放電 プ ラズマで は, nO>>nRと
なる。それ ゆえ,集
束 チュー ブを用いたプラズマ装置では,高
密度のプラズマ を作 る ことがで きる。管壁面の電位VYは
,電
子,イオ ンの電 流密度 をJe及びJ+とすると,」+=Jeの
条件か ら次のよう になる。乃
=孝
rⅢ
………
…
………
0
但 し,kは
ボルツマン常数,Teは
電子温度である。これFirament
suppty
徳高平蔵・ 百武秀昭・ 西守克己・高島克己 :超 高真空実験用スパ ッタ蒸着源の開発 は
,Je>>Jキ
の とき,負である。このために,集束チュー プは電気的 に絶縁 され,「 プ ラズマ と関係 した電位 を持つ ように してあ る。以上の ことよ り,集
束 チューブを用い た三極 スパ ッタ装置 は,高
密度のプラズマを作 り得 る も の と考 えられ る。3.ス
パ ッタ源 及 び 実 験 方 法3. 1
スパ ッタ源 の構造 集束 チ ューブ を用 いた三極 スパ ッタ蒸着 法の理論 と Fig。 2を基 にして製作 したスパ ッタ源 を参考にして,UHV
用のスパ ッタ源 を製作 した。その概 要 を,F転
5に示 し た。 このスパ ッタ源 は,タ
ーゲ ッ ト,陽
極(プレー ト),フ ィラメ ン ト,集
束 チューブ及 び基板 としての水品振動子 とか らなっている。 集束チ ューブは,電
気 的に絶縁 されてお り,プ
ラズマ を閉 じ込 めるようになっている。スパ ッタされた原子が, 真空容器 (ベルジャー)内
に飛散 しないためのボックス として も役立 っている。ターゲ ッ トは,厚
さ0,l mm∼ 1.0 nullのもので, 集東 チュー ブ とは,セラ ミックで絶縁 され てお り,タ
ーゲ ッ トと対向 して置 かれている水品振動子 の中心軸上 に くるように製作 した。 フィラメ ン トは,φ O,15 mllのタングステン線 を1回巻 きに して用いた。水晶 振動 子に対 する熱放射及 びターゲ ッ トか らフィラメン ト ベ 飛び込 むスパ ッタされた原子の影響 を少な くす るため に,集
束チ ューブ とは別のステンレスボ ックスに納 め, 水晶振動子,ターゲ ツ トか ら見 えない位置 に取 り付 けた。 プL/_卜は,ス
テンレス製で ターゲ ッ トと同様 に集束 チ ユー ブ とは,セ
ラ ミックで絶縁 されている。 放電 の発生 は,フィラメン トープレー ト間の距離 に非常 に影響 され る。今 回製作 したスパ ッタ源 では,圧
力101 Torr台で安定 な放電 を得 るために,この距離 を 4 2cmと した。又,ス
パ ッタ蒸着速度及 び膜厚の均一性 を高 める ためには,膜
生成 に有効 なスパ ッタされだ原子の数 を増 せ ば良 い。すなわ ち,水晶振動子―ターゲ ウ ト間の距離 は 短 い1まど良 い。 しか しなが ら,そ
の星巨離が短 かす ぎると ターゲ ッ トの負電位 によってで きるイオ ン輪 によつて, プラズ マが破壊 され る恐れが ある。今回製作 したスパ ッ タ源 知 は,ターゲ ッ トー水晶振動子間の距離 は,3.7 cmと した。3.2
実験方法 スパ ッタ蒸着実験 は,ウ
ェッ ト系 の高真空装置 を用い て行 った。 ここでは,実
験手順 とスパ ッタ源の放電特性 につ いて述 べ る。 3。2.1
実験手順 実験 には,予備実験 として高真空装置(油回転 ポンプ十 油拡散 ポンプ十窒素 トラップのいわゆるウェ ッ ト系 と呼 ばれ る もの)を使用 した。到達圧力 は∼ 10 STOrr程 度で あ る。 スパ ッタ源の各部分 を10%硝
酸溶液で超音波洗浄 した 後 に,ア
セ トンで洗浄 し,高
真空装置 にセ ッテ ィングす る。 後述す るMO Siの
実験 で は,Siを 標準エ ッテイング液 で5分間の表面エ ッテ ィングの後 に,ターゲ ッ トに取 り 付 けた。 排気後,2.0∼45×10→TOrrの圧力 まで排気 して,5
分間程度,タ
ングステ ンフィラメン トのガス出 しを行 う (フィラメ ン ト電流35A)。
次 にアルゴンガスを徐 々 に 導入 し,8∼
9×10 4Torr程度のアルゴン雰囲気 を作 る。 この圧力下 で,フ
ィラメ ン ト電流3.5A,プ
レー ト電圧300Vを
印加 すれ ば,放電 が生 じプラズマ状態がで きる。 この とき,プ
ラズマ電流 を測定す る。プラズマ電流 の変 化 は,主 にFig.5のプレー トと電源の間の安定化抵抗R
(数kΩ)の
値 を変 えることで,行
った。 プラズマ状態の中で,ターゲ ッ トに負の電圧(-500∼― 1200マ)を印加すれば,スパ ッタ リングが行われ る。ター ゲ ッ トの表面 には,酸
化物 や付着物 の被膜がで きている ので,タ
ーゲ ッ ト電圧 印加後,漸
く,ス
パ ッタ洗浄 をし てか ら,ス
パ ッタ蒸着実験 を行 う方が,好
結果 を生 む と[
一
Cu
凱
破4思
諷 「「 Target Voltage ‐500^-1500V To Earth Or Roating 300V酎
g. 5 A scheme of a Triode sputtering
︵く E ▼ 年 ︺と , o 聟 長 沼 正 思われる。又,水品振動子は,水冷 をしてお く必要がある。
3. 2. 2
スパ ッタ源の放電特性 スパ ッタ蒸着法において,再現性のある膜 を得るには, 一定条件で放電を安定に持続 させることが最も重要であ る。放電特性に影響を及ぼす因子 としては,圧
力,フ
ィ ラメン ト電流,磁
界の有無等が考 えられる。Fig。6に
, Preure(Torr)Fig. 6 Characterねtics of plasma discharge as a function of Ar pressure.
Fig。 7 Characteristics of plasma discharge aS a function of filament current.
プ レー ト電圧及 びフィラメン ト電流 を一定 に保 ち
,ア
ル ゴン雰囲気 の圧力変化 に対 するプラズマ電流の変化 を瀬 した。放電 は,9×
10 4Torで起動 し,プラズマ電流 は, 4×10“TOrr付近 まで一定 してい るが,それ以下の圧力 では,急速 に減少す る。2.6×10 4Torr近くで消滅 した放 電 は,再度圧力 を 9×10JTorrまで高 めない と再起動 し ない。 次に,プ
レー ト電圧及 び圧力 を一定 に保 ち,フィラメ ン ト電流 を変化 させた時のプラズマ電流の変化を Fig.71 に示 した。フィラメ ン ト電流が,3.2A以
上 では,プラズ マ電流 は一定 してい るが,3.2A以
下 になる と,フィラメ ン ト電流の小変化 に対 して,プ
ラズマ電流 は急激 に大 き く変化 する。以上 の ことよ り,放
電 は,ア
ル ゴン雰囲気 の圧力60×10 4Torr,フ ィラメン ト電流35A付
近で非 常 に安定 であることが解 った。3.3
膜厚測定 法膜厚の変化 を測定 する方法の一 つに水晶振動子法 があ る。 スパ ッタ蒸着実験で は
,こ
の方法 を用いて膜厚の測 定 を行 った。 この方法の原理 は,水
品振動子の固有振動が,そ
の質 量の変化 によ り,変
イとす ることを利用 した ものである。 すなわ ち,水
品振動子 に薄膜が付着 され る と水品振動の 質量 に比べ その薄膜 の質量が十分 に小 さけれ ば,単
に水 晶振動子の質量 あ るいは厚 さが増カロしたの と同 じ効果が 生 じ,質
量変化 にナヒ例 した固有振動数 の変化 を生ず るこ とを利用 した ものである。 結論 として,膜厚変化dtDと周波数変化 dfは 次の式で 表わ されている。′
チ
っ
=一甍デガ
………・
9
となる。 ここで,Pcは
水晶振動子の密度, pDは 付着 膜の密度,Nは
周波数定数, fは 水晶振動子の基本周波 数である。 これは,膜
厚が増加すると,周
波数が比例減 少することを示 している。使用 した水晶振動子の各定数 は, デ=60″
r彦=6.0× 106ルN=1670カ
Frz=1.670×106rr7 ρc=2.65♂ん″ であるから,式
9に 代入すると, プあ=123琴
醒]…
… …… … …… α9 となる。これより,銅(pD=8,98g/爾
),モリブデン(PD=
10.20g/∬),タ ングステン(ρD=19.30g/師
),そ の他 ︵ く E ▼ 写 望 L D O 延 E め 重 区 FiLrrlent Current(A)146
徳高平蔵・ 百武秀昭・ 西守克己・ 高島克己:超高真空実験用 スパ ッタ蒸着源 の開発material
densityρ
D(gた
m3)
プ
tD/7fC u
陥
W
N i
A l
駒
醍
8.93
10,20
19。
30
8.90
2,69
16.60
7.86
-0。1377-0.1205
-0.0637
-0。1381-0,4570
-0.0741
-0.1564
の物 質 につ いて,周
波数 ―膜 厚 変換 式 を求 め,Table I に示 す。Table I Frequency=thickness conversion for■lula of thick4ess counter for
several materials`
延
Target voltage -500V
●IP=140mA ITg2 90mA ▲
IP=90mA IT=1 80mA
・IP=50mA IT=115mA
12345
Deposi‖on Time(min)
Cu sputter deposition characteristics as a function of plasma current at a
target volttage of-500V.
same as Fig. 8 at a target voltage of
l kV. 貧 ︶協 O E ψ 一f
4.ス
パ ッタ 蒸 着 実 験 の 結 果 と検 討 第3章 2節 , 3節で述べ た実験方法及 び膜厚測定法 を 用 いて,金
属及 び半導体 をターゲ ッ ト材料 として,ス
パ ッタ蒸着実験 を行 ない成功 した。 このスパ ッタ装置で安 定 な放電 が得 られ る,ア
ル ゴン雰 囲気 の圧 力6.0×10 4 Torr,フィラメン ト電流3.5A,プ
レー ト電圧300Vの
付近 に一定 に保 ち,全
ての実験 を行 った。 ターゲ ッ ト材 料 として用 いた物質 は,銅
,モ
リブデン,タ
ングステ ン 及 びシ リコンである。銅 は,貴
金属で加工 しやす く,生
成膜 の色別 が容易 なため,モ
リブデ ン及 びタングステ ン は高融点物 質であ り,ス
パ ッタ蒸着法以外では,な
かな か薄膜化することが困難 なため,ターゲ ッ ト材料 として 選 んだ。又,シ
リコンは,モ
リブデンと合わせて2つの ターゲ ッ トとして用 い,合
金膜 を生成 す るために使用 し た。 以下 に,銅
,モ
リブデ ン,タ ングステン,モ
リブデ ン ーシ リコンのスパ ッタ蒸着実験の結果 とその検討 を記す。 図中あるいは表での使用文字 を次のように定義する。IP:プ
ラズマ電流PT:タ
ーゲ ッ ト電力 (I VTI× I IT I) IF:フ ィラメン ト電流DT:ス
パ ッタ時間 VP iプレー ト電圧df:周
波数変化VT:タ
ーゲ ッ ト電圧dtD:膜
厚変化IT:タ
ーゲ ッ ト電流Ds:ス
パ ッタ蒸着速度 4。l Cu,Mo,W,Mo―
Siの スパ ッタ蒸着実験の 結果 と検討 Fig. 8,Fig。9に
集束チユープを絶縁 した場合の, 0 Fig. 8 ︵ < ︶い の O C 主 υ 一〓 卜 m 3 m 2 ∝ D Fig. 9鋼のスパ ッタ蒸着実験 の結果 を示 した。
Fig.8の
結果 は,周
波数―膜厚変換式dtD= 01377
dfを 用 いて,実
験結果 を膜厚 に換算 した ものであ る。こ れ らよ リスパ ッタ蒸着速度(A/min)を
算出 し,Table
Hにその一例 を示す。
Fig, 8,Fig.9は
ターゲ ッ ト電Table II One eXample of sputtering speed Of Cu at 6×10 4Torr Ar atmosphere.
Target Power(W)
Fig。 10 Cu deposition rate vs target power
圧 を一定 に保 ち
,プ
ラズマ電流 を変化 させ た ときの膜厚 の変化 を,時
間の関数 として示 した ものであ る。良好 な 直線性 がみ られ,時
間並 びにプラズマ電流 によって膜厚 の制御が容易にで きることがわかる。 プラズマ電流,タ
ーゲ ッ ト電圧 を増加 させ る と,膜
厚 もこれ らに順 じて増 加 してい る。 これ は,膜
厚の増加すなわ ち,スパ ッタ蒸着速度 が こ れ らの関数であ ることを意味 してい る。 ここで,タ
ーゲ ッ ト電圧 を変化 させ る場合 と,プ
ラズマ電 流 を変化 させ た場合 のスパ ッタ蒸着速度の変化 を比較 してみる と,例
えば,ターゲ ッ ト電圧二500V,プ
ラズマ電流50 mAで
の, スパ ッタ蒸着速度8,68A/minを
基準 として,タ ーゲ ッ ト電圧 だけを-900V(1.8倍
)に増加 した場合 に,ス
パ ッタ蒸着速度 は,1597A/min(184倍
)とな り,プ
ラ ズマ電流 だけを,90 mA(1.8倍
)に増加 した場合 には, スパ ッタ蒸着速度 は,1245A/min(1.43倍
)となる。 すなわ ち,ス
パ ッタ蒸着速度は,プ
ラズマ電流 よ り,タ
VT(V) IP(mA) IT(mA)
Ds(A/min)
-500
-1000
50
90
140
50
90
140
1.15
1.80
2.90
1.40
2.20
3.40
8.68
12.45
17.68
17.78
26.63
39.66
今 ・E⊆ ヽ 。< ︶0 中“ 匡 C P , 石 0 住 0 0148
徳高平蔵・ 百武秀昭・ 西守克己・ 高島克己:超高真空実験用 スパ ッタ蒸着源の開発 ―ゲッ ト電圧により大 きく依存 していることが解る。 スパ ッタ蒸着速度は本来,タ
ーゲッ トをスパ ッタ リン グするイオンのエネルギー量に依存する。 これは,タ ー ゲットで消費 される電力が,ス
パ ッタ蒸着速度の関数で あることと同義である。Fig,loに スパ ッタ蒸着速度の変 化を,タ
ーゲッ ト電力の関数 として,示
した。スパ ッタ 蒸着速度が,タ
ーゲッ ト電力にほlFIL例していることが 解 る。多少のバラツキがあるのは,プ
ラズマ電流を変化 させて,一定条件で測定できなかったためと考えられる。 これ より, この装置では,ス
パ ッタ蒸着速度を,タ ーゲ ット電力で制御することが可能なことが解る。 次に,集束チュiブ
を接地 した時の Cuの スパ ッタ蒸着 実験のng。 11で は,上
述の接地 しない実験 と同様なこ とが言える。ここで,Fig。 ■ に同一条件で集束チューブ を絶縁及び接地 した場合の実験結果 を示 した。これ より, スパ ッタ蒸着速度は,集
束チューブを絶縁 した場合の方 が,接 地 した場合よりも大 きいことが解る。これは,第2 章で述べたように,本
来,集
束チューブは,負 に帯電 し, プラズマ との間に,イ オン鞘を作 り,プ
ラズマを集束さ せるはずであるが,こ
れを接地することで, イオン輪が 消滅 し,プ
ラズマが集束チューブ全体 に拡が り,結
果 と して,タ
ーゲット電流 (流れ込むイオン)を
減少させる ためと考 えられる。 以下の実験では,集
束チューブを絶縁 した場合の結果 である。 Fig.乾 に,モリブデンのスパ ッタ蒸着実験の結果を示 した。 これより,銅
の場合 と同様なことが言える。スパ ッタ蒸着速度は,銅
よりも小 さい。 Fig 13に,タングステンのスパ ッタ蒸着実験の結果 を 示 した。タングステンのスパ ッタ蒸着速度は,銅
,モ
リ ブデンよりも小 さい。 モ リブデンとシリコンの 2つ のターゲットを用いて, 合金モ リブデンーシリコンの膜生成の実験 を行った。周波 数―膜厚変換式を用いて,実験結果 を膜厚に換算す るにあ た り,生
成膜の密度pDは夕ゲ
ツト電流密度が一様,ス パ ッタされた原子数の比率で蒸着するものとして,モ
リ ブデン及びシリコンの密度,タ
ーゲッ ト面積,ス
パ ッタ 革 を,各
々,pMoi psぃ AM。,AsI,sM。 ,Ssiと すれば,スパ ッタされる原子の数は
,タ
ーゲッ ト面積 とスパ ッタ 率に比例するので,約
=偽
よ下 希 砺 十ρ胸誌 … 硼ng.11
Deposition(min)
The difference of the Cu deposition
characteristics, whether the focussing
tube is earthed or■ ot.
Lrget Voltage -500V
Ⅲ140mA IT=3Л
OmA
IP=90mA IT=200mA
IP=50mA lィ='91 mA
012345
DepOsition Time(min)
Fig.12 MO Sputter deposition characterstiCS as a function of plasma current.
︵ 。 〓゛ n め o c 喜 υ 一〓 ト ︵も o8 E υ一f
左鴛昭
:黙
阜
g)ヽ\、
/
Target Vottage -500V IP=140mA IT=215mA
IP=90mA IT=150mA
IP=50mA IT=095mA
︵雷 じめ ぃ 。 C ェψ 一〓 卜012345
DepOsiJ On Time(min)Fig. 13 W Sputter depodtion characteristics as a function Of plasma current.
Mo― Si
Target Vottage -500V
・ IP='40mA IT=280 mA ▲
IP=90mA IT=1.77 mA
CIP3 50mA IT=115mA
ナ・ン ′
Deposition Time(minl
Fig. 14 MO― Si sputter depositio■
characteristics as a function of pLsma
current. と表わせるとした。Fig。 14に ,膜厚換算 した結果を示 し た。金属ターゲ ットの場合 と同様なことが言える。 以上のことより,こ のスパ ッタ装置では,ス パ ッタリ ングは
,ア
ルゴン雰囲気の圧力6.0× ll1 4Torr付近で安 定に起 こる。又,膜
厚 を時間 またはプラズマ電流で,ス
パ ッタ蒸着速度を,タ
ーゲ ッ ト電力で,制
御することが 可能で再現性 も良い。4.Cu,MO,Wの
スパ ッタ率の計算とその比較Fig.15に
,同
一条件(ターゲッ ト電圧-500V,プ
ラ ズマ電流 90 mA,ァ ルゴン雰囲気の圧力6.0× 10‐Torr) 下での,銅
,モ
リブデン及び,タ
ングステンのスパ ッタ 蒸着実験の結果 を示 した。図中の傾 きは,ス
パ ッタ蒸着 速度 を表わ している。その値 は,銅
>モ リブデン>タ ン グステンとなってお り,その比率は,2.45:1:0,7と
な っている。スパ ッタ蒸着速度は,ス
パ ッタ率 (1個 のイ オンの入射 によってスパ ッタされる原子の数,物
質に依 存する)に
比例する。 ここでは,ス
パ ッタ率を求める式 を導出する。 ・ 水品振動子に式を付着 した膜の面積SI〔
cm2〕 Target Vottage -500V Plasma Current 90mA :…Cu IT=1.80 mA `…Mo IT=2つOmA
)―W IT=1.50 mA
Deposition Timetmin)
Fig. 15 The comparね
on of the sputtering deposition characteristics among Cu,Mo and W at the same sputter
condition ︵菌 一め め ● C 喜υ 一〓 ト ︵電 ゛n め 。c ェυ 中〓 ト
150
徳高平蔵・百武秀昭・西守克己・高島克己 :超 高真空実験用スパ ッタ蒸着源の開発 ・付着膜厚 ・ スパ ッタ蒸着時間 ・付着物の密度 ・付着物の原子量 ・ ターゲッ トの面積 ・ ターゲット電流 ・アボガ ドロ数 ・イオンの電荷 T〔cm〕 t〔SeC〕 ρ〔gl武〕M
S2〔Cm2〕 IT〔A〕 N=6.02X1023〔 個/ iOn〕 q=1.60× 101。〔C〕 ,スパッタリング幾何による係数A
とすると,水
晶振動子に付着 した膜の体積は,SlT〔cme〕 となるので付着物の重量は,SlTρ
〔g〕であり,単
位面積 当り,T建
〔g/cmB〕 となる。単位面積当りの付着物の原子 数は,TPN/M〔
個/∬〕となっている。1秒
間に単位面 積当り付着される原子数は,TpN/Mt〔
個/ば,SeC〕 と なる。一方,単
位面積当り, 1秒
間に,タ
ーゲットに流れ込むイオン奴 は,IT/S2q〔iOn/cば,SeC〕 であ る。 スパ
ッタ幾何 による係数
Aは
,スパ ッタされた原子 の水晶振 動子への到達割合であ るか ら,こ
れ を含めて,ス
パ ッタ 率 を求 める式 は, S三井弓角考
/豊
ィ
=965×
104養.糾
lTEIル朔 … … ,lD となる。係数Aを
求めるに当 り,タ ーゲッ ト面における 電流密度が一様,ス
パ ッタされる原子の角度分布が余弦 則に従 う,ターゲットー水晶振動子間で原子 は無衝突,付 着確率が 1で あると仮定する。Fig。 16に示すように,タ ーゲット面か ら,法
線方向に放出される原子数 I(0)と するとI(0)が 作 る球面全体 に放出される全原子数 Φを 求め るには,球座標 を考える。傲小面積 お =R2dヵ ″θ09
に放出される原子数は, 〆ο=甲
・内 ″′′′カ 三r(θ,?)sヶηθ″θ″?
………131 徒 って,全
原子数 は,ο
=/′
ω
=ズ
Ⅵ竹
(nの
sゲ"′
′
ヵ …
……
in 放出が,軸
方向対称 になるから式 14は0=2工
πXの
sゲ″′′′ … … …… … … …・α9 仮定より,法
線方向か ら,角
度 θで放出される原子数ng。 16 The sputtered specimen is assulned to fo1low a cOsine lav distribution at the substrate (a qzartz osdllator).
oscRIttOr
Fig。 17 A differential area on the sibstrate(a
quartz oscillator). は
,I(0)COSθ
で表 わ され るか ら,全
放 出原子 数 は,φ
=2工
π
XOた
ο
d偽ゲ
η
θ
′
θ
f f f ′ イ ︲ ︰ ▼ 島 事 i t i ︲ t l ヽ \ ヽ \ ヽ ﹂ ヽ \ ヽ ペヽ
、
ヽ
\
e
ゞ
ヽ
ヽ ヽジ
=ガ
(0) …… ……… …… …… …… …・l161次 に,半径 rの 水品振動子にスパ ッタされて到達す る原 子数 Φ′は,Fig。 17のように,中心か ら,χ離 れた幅 d″ の微小 円環の面積 あ
4=2π
ア・グ アでの水平面に到達す る原子 は,法
線 方向か ら来 るもの と,法
線 と角度 を持 っ て くるものの和 と考 えられ るか ら,ターゲ ッ トか ら水品 振動子 までの距離 をRと
す ると,次
の ようになる。φ
′
=2だ
(0)瓦算
幸
(εο
Sθ
+1)εOsθ
/ど 2死′
χ
…
…
lη ここで, I=ぬ
力θであ るか ら,式
17は,グ
=2Ж
Oノと
子
f(a姑,十嚇η
θ
″
′
=3だ
(0)ユ じοttα作 つ]…
… … … … 19 とな る。 よって,ス
パ ッタされ る全原子数 に対 す る水晶 振動子 に到達す る原子数の割合である係数4は
,式
16, 式 18よ り,4=ι
=3阻―
cOs(チα
″
持
)]…
…………
・
住
9 となる。r=o6cm,R=3 7cmと
して,式
19よ り,Aは
, 00387と なる。この値 を,式 12に代 入 し,このスパ ッタ 装置でのスパ ッタ率 を求め る式 を導 出する と,S=2.49×
10場緒ず■
………
…
201 この式 を用いて,銅
,モ
リブデン,タ
ングステンのス パ ッタ率を求め,TaЫ
e IIIに示す。 これは,文
献 (9) にある,500 eVの エネルギiを
持つアルゴンイオンによ るスパ ッタ率の70∼80%台
の値 になっている。 次に,上
記 と同様の仮定のもとで,ス
パ ッタ幾何を正 確に解析 し,係
数Aを
求めた。(Fig。 18参 照) ターゲッ トのある一点か ら,鉛
直方向か ら角度 θで放 出される原子数は,I(0)COSθ であ り,距
離 ′の基板のTarget
axls
axis
x axls
徳高平蔵・百武秀昭・西守克己・ 高島克己 :超 高真空実験用スパ ッタ蒸着源の開発
Table II Obterved ttputtering yields S of Cu,Mo andヽ V (Sputtering condition,IⅢ =90コ
nA,VT=-500
V,Target area三 5 cm2,Sputtering time=300 Sec,Ar pressure=6× 10 4Torr).
Atonlic mass
(M)
densityρ
(gたm3)
T(A)
IT(mA)
S
(Sputtered
atomsた on)
from
ref. 9C u
﹄
W
盗 υ55
95.94
183.85
8。93
1 0。 21 9.3
62.25
28.21
14.08
1.80
2.00
1.50
2,02
0,62
0.41
2,35
1.20
2,0
0,80
0.64
0.57
4=Д
O)此
二′
此止響 ′
/〃
カカ
此此イ五
″
ギ
許″
θ
′
空カ
ある微小面積 お′(=′ /′力 つに到達する原子数 は,冴S′/ ′2に 比例 す るか ら,お
fに到達 す る原子数 は,次式で与 え られる。W…
…… … …… …… 硼 これ を基板全体 について,一
様 として,タ
ーゲ ッ トの ある一点か ら,基板 に到達す る原子数 Φ′は,式21を積分 して,の
(名の
司時
I与
玉好遵と
″′
ゴ
これであたえ られ る,Φ′(χ, ノ)が ,タ
ーゲ ッ トの 全体で,同様 に考 えられ るか ら,式22は,ターゲ ッ トの微 小面積 憂X=ブ
π ブ ノ)を 与 えて,基
板 に到達す る総原 子数 Φ は,ο
=此
I:孤
名
)カ
カ
=止
此庄二洋ψ咀″〃′
″
力 硼
ここで,ω
S'こ R/′,″=(π
―/り 2+(ノ_ダ )2+父2 で与 えられる。基板 は,半 径rの円板であるから,基板上 の微小面積 ′S′は,円
筒座標系(″,θ )を用いて,お
′=
腕0で
与 えられる。また,ターゲットから放出される全 原子数は,タ
ーゲッ ト面積が4,う で表わされるので,4r(o),ぅ
でぁる。 従って,係 数4は
,式 23及 び,上 記の説明より,次 式 で与えられる。 4ρう これは, 4重
積分 を含む式であるので,台
形公式 を用 いて,数
値解析を行った。 この結果は,4=0.04■
2となってお り,近 似解析 した 値0,0387に近いものである。これにより,aみ
拷Ⅲに示 し たスパ ッタ率は,あ
る程度信頼できる値であると思われ る。スパ ツタ率が,文
献(9)の
値 より小 さくなった原 因 としては,係 数 ス を求めるための仮定が全て正 しいと は,考 えられないか らである。5.UHVス
パ ッタ装 置 へ の展 望5. l UHV用
スパッタ蒸着源 高真空装置では,第
3章 に述べた通 り,主
弁 を半開さ せて,ア
ルゴンガスを常にチャンバー内に流入 し,ア
ル ゴン雰囲気の圧力を一定に保 つことができ,ア
ルゴン放 電及びそれによるスパ ッタ リングが安定 に行なわれた。 しかしなが ら,UHV装
置では,排気速度が比較的小 さい ので,主
弁 を開 じ,ア
ルゴンガスを留めて,放
電及びス パ ッタリングを行わなくてはならない。 このことは,現
スパ ッタ源を,UHV装
置で使用する時の問題点である。 ここでは,UHV用
に製作 したスパッタ源を実際にUHV
装置内で,使
用するために,必
要な改良点 と操作につい て,そ
れらの概括を述べる。 (1)改良点 スパッタ源の大 きさは,適
当であると思われるが,(a)各電種の配置 (スパ ッタ鶏何
)と
,(げ
ス源の減少につ .参 考 文 献― いて,改
良点を箇条書きに述べる。 (a)O正確なターゲット電流とヽ,ス
パッタされるターゲ1)麻
蒔立男 :薄膜約喋の基礎(日刊工業新聞社,197の. ット面積を決定する.ために│,ターゲッ トにアパチャーを2)織
田善次郎:エレクトロニクス,昭
和 48年10月号 つける。1283.
O放
電は,フ
ィラメン ト及びぅプレー トの形状とそ3)細
川直吉 :真空 19(1976)329. の距離の強関数であるので,こ
れ らに工夫 をこらし,ア
4)織
日善次郎i― 麻蒔立男 ・ 牟田弘樹,濤
延孝夫 :応用 ルゴシ雰囲気の圧力10 4Torr台 で,放電ヒステリシスを物理
36(1967)28駐
減少さ士,安
定な放電を行うようにする。5)細
川直吉 :真空14(1971)211.
(b)0ガス源としてぶるまい得る“集東チュープとプレ
6)■
G TISone and P.D.CFuZan:Ji Vac.Sci・
― トボックスを一体化する。Technol.12(167D10681
0フ イラメン トを納めている
,フ
ィラメントボッタ7)W.ユ
Ryden,II_巳Binddl,L.Hi HOIshwander
スはォスパッタ源の中で
,最
も大きいガス涼 と考えられand E.F.Labuda:J,Vac.Scil TOChn01.15(1978)
るの為 これと
,集
束チュープを,マ
イカ等で,じ
ゃ断290.
し
,集
束チューブヘの熱伝導を小 さくする。3)本
1多侃士 :気体放電現象 (東京電機大学出版局,以上のこと力、
UHV装
置で用いる場合の改良点として, 1970).
提げられる。