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高性能極軟鋼せん断型ダンパーの静的および動的低サイクル疲労実験

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Academic year: 2021

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1 -373 土木学会第66囲年次学術講演会(平成23年度)

高性能極軟鋼せん断型ダンパーの静的および動的低サイクル疲労実験

愛知工業大学学生会員 O山下友樹 愛知工業大学学生会員 張 超 鋒 愛知工業大学学生会員 森田慎也 愛知工業大学正会員 青木徹彦

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序論 1995年兵庫県南部地震以降,免震ゴム支承が汎用化さ れてきたが,重量トラックによる交通振動の発生や,そ れに伴う上部工付属物としての照明柱,標識柱の基部の 疲労破壊が新たな問題として生じてきた.それに代わり, 経済的な極軟鋼せん断パネルダンパーの利用が考えら れる.著者らは,最近,パネノレ隅角部に溶接交点を設 けないことなどの改善を行い,静的漸増繰返し実験に よりで最大平均せん断ひずみ(最大変位とパネノレ部高 さ比)70%に達するものを開発した. 極軟鋼せん断パネルダンパーを橋梁の支承部に設置 する場合,地震時の変形により累積損傷による起因す るダンパーのエネルギー吸収能力の低下を耐震設計時 に考慮する必要がある. 本研究では,高変形能力を有する極軟鋼せん断パネ ノレダンパーを用い,低サイクル疲労寿命に着目し,静 的および動的一定ひずみ振幅繰り返し載荷実験を行い, 大変形,高ひずみ速度で載荷されたダンパーの疲労特 性を実験的に明らかにする.

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実験計画

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実験供試体 供試体のせん断パネノレの材質はLYP100で,パネルの 中央を谷型に削り,左右にリブを溶接した.パネル左 右には図-1に示すように平行移動できるリンクを設置 している. 図-1パネルダンパー供試体の構造

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載荷方法 静的実験では平均せん断ひずみ速度γvを極めて低速 である0.4%/secとし,正負側にそれぞれ20此30札40%, 及び 50%のせん断ひずみ振幅を与える.これらの供試体 名はSTとし,そのあとに振幅の数字を付ける.動的実験 では,静的実験と同じ, 20%'"'-'50%の4種類のひずみ振幅 を与え,それぞれに載荷振動数O.5Hz (周期 2秒)および

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OHz (周期 1秒)の2種類の動的載荷を行う.これらの供 試体をD05とD10とし,そのあとに振幅の数字を付ける. 3. 実験結果とその考察 3. 1 荷重一せん断ひずみ履歴曲線 静的および動的実験で荷重一せん断ひずみ曲線の一 例を図 2に示す.静的実験では,いずれも荷重のかけ 始めの半サイクノレで,荷重が除々に増加し,その後の サイクノレでほぼ一定の荷重値を保っている.静的実験 は動的実験に比べ,荷重の除下および再載荷の過程で 直線に傾きがみられ,若干菱形となっているが,動的 実験はほぼ矩形を成している. 800 800 0 0 0 0 0 4 4 ( E } 酬爆 400

a

0 制 !l>:-400 800 -60 -30 0 30 60 -60 -30 0 30 60 平均せん断ひずみ(%) 平均せん断ひずみ(%) (a)ST-40 (b) D05-40 図

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荷重一せん断履歴曲線 3.2 ピーク荷重履歴曲線 静的および動的実験の各サイクノレでの最大荷重をピ ーク荷重と呼ぶことにする.ピーク荷重の変化の様子 を図-3に示す.同図から静的載荷では,繰り返し回数 が増加しでも荷重は一定を保っているのに対し,動的 載荷では急速に低下している.この原因はパネノレが摩 擦により発熱し,剛性が低下したためと思われる.ま た始めの2,3サイクノレで達する最大値は動的実験の方 が約 20%大きかった.図-3の動的実験の荷重の低下の 傾き,すなわち荷重低下速度入(kN/sec)と平均せん断 ひずみ速度Vγとの関係、を求め,図示すると図-4のよう になる.同国から動的実験における荷重の低下率Fvは, 平均せん断ひずみ速度Vγと直線的関係にある. 3.2 低サイクル疲労特性 静的および動的繰り返し載荷実験において,ここで は最大荷重の 70%まで荷重低下した時の繰り返し回数 N70を疲労破壊の回数と定義する.各実験で得られた繰 り返し回数N70を表一1に示す.疲労曲線を図-5に示す. 各実験点に対して Manson一Coffin則による近似式と各 実験点がよく一致している.同一せん断ひずみ振幅を 与えた場合,載荷速度が大きいものほど,疲労サイク ノレ数は低下している. 3.3累積聖性せん断ひずみ量 各供試体の荷重一せん断ひずみ履歴曲線から,累積塑 性せん断ひずみを求め,せん断ひずみ振幅との関係を調 べると図-6のようになる.静的実験では指数関数的に減 少しているのに対し,動的実験ではほぼ直線的に低下し キーワード せん断型ダンパー,極低降伏点鋼,免震支承,低サイクノレ実験 連絡先:干 470聞0392愛知県豊田市八草町八千草1247 TEL: 0565・48・8121,FAX: 0565-48開0030 -745 -159

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1 -373 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度) ていることがわかる.本せん断パネノレの疲労損傷度の限 界値は累積せん断ひずみで約1800%と見なされる. 600 ハ υ n υ 勾 ' -制権 制 定 200 ーや--ST20 一合守-D05-20 -O-DI0-20 ーや--ST30 _,ト--D05-30 -O-DlO-30 o 10 20 30 40 50 繰返し回数(回) (a)r=20目 10 20 30 繰返し回数(回) (b) r=30目 --o-ST50 ー会一-D05-50 -0一DlO-50 10 20 30 40 50 繰返し回数(回) 20 30 40 50 繰返し回数(回) (c) r=40百 (d)r=50目 図-3ピーク荷量履歴曲線 40 10 20 30 40 疲労サイクノレ蜘(回数) 語30 Fv=O.17γv-4.8 ¥ ) 遺20 ドL 富10

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t

50 100 150 200 せん断ひずみ適度V,(枯Isec) 図

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せん断ひずみ速度と 荷重低下速度の関係 表一1繰り返し回数N70 図-5疲労曲線 供試体名 N70 供試体名 N70 供試体名 N70 ST20 42 D05-20 28 D10-20 25 ST30 23 D05-30 20 D10-30 15 ST40 15 D05-40 13 D10-40 11 ST50 10. 5 D05-50 9 D10-50 8 3.4 累積エネルギー吸収量 載荷実験によって得られた荷重せん断ひずみ履歴 曲線からエネルギー吸収量2:Eを求め,せん断ひずみ振 幅γ aとの関係、を図示すると図 7のようになった.同 図から静的載荷は指数関数的に,動的載荷は直線的関 係が得られた.本せん断パネノレに対して,累積エネノレ ギー吸収能力は,載荷加振周波数

f

=

1.

O

H

z

の値を累積 エネノレギー吸収量の代表値と考え, 890kN.mと見なす.

f

L

J

/

日2000

{

:

:

:

:

:

?500 60擦 も .EEDlO=L2γ+821 。L -0 20 40 せん断ひずみ振幅(%) せん断ひずみ振幅20 4γ(%)0 図

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累積塑性ひずみ量 図

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累積エネルギー吸収量 この値は,

f

=

1.

O

H

z

付近では,せん断ひずみ振幅,せん 断ひずみ速度に関係なく,一定値である. 3.5 破壊モード 載荷実験の破壊時付近の供試体の一例を写真一1に示 す.静的実験では,繰り返し増加とともに座屈変形量 が大きくなり,パネノレ隅角部の一つから亀裂を生じ, リブの溶接部に亀裂が広がって,荷重が低下した.動 40的実験では,繰り返しの増加とともにパネル面全体か ら発熱し,パネルに横方向に赤熱した帯が現れ,その 位置で横方向に破断した.以上のように破壊モードは 静的と動的載荷で異なった様子を見せた. (b) ST30 (22サイクル) (a)D1 0-30(終局) 写真一

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破壊の様子

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結論 本研究は高変形性能せん断パネノレダンパーを用いて, 変位振幅4種,載荷周期を 3種変えた静的および動的 繰り返し実験を行い,耐震性能の変化を調べたもので ある.実験によって得られた結論は以下のようにまと められる. 1)荷重一せん断ひずみ履歴曲線の各サイクノレのピーク 荷重は,静的実験は一定値を保ったのに対し,動的 実験では繰り返しとともに直線的に低下した.これ はパネルが摩擦により発熱し,剛性が除々に低下し たためと思われる.また始めの2,3サイクノレで達す る最大値は動的実験の方が約20%大きかった. 2)動的実験時の荷重低下速度は,せん断ひずみ速度γ

v

C

%

/

s

e

c

)

に比例する関係がみられた.せん断ひずみ 速度が大きいほど,発熱量が大きく材料が軟化する ためと思われる. 3)静的および動的実験においてせん断ひずみ振幅と繰 り返し回数との聞にManson-Coffin則の関係が得られ た.また載荷速度が大きくなると,同一疲労サイクノレ 数を得るための,せん断ひずみ振幅γは小さくなった. 4)本せん断パネルの疲労損傷度の限界値は累積せん断 ひずみで約1800%と見なされる. 60 参考文献 1) 劉陽,青木徹彦,高久達将,福本暁土:低降伏点鋼 せん断パネノレダンパーの繰返し載荷実験,土木学会 構造工学論文集,

V

o

l.53A, 2007年3月 2) 劉陽:高性能せん断型パネノレダンパーの開発と橋梁 への適用に関する研究,愛知工業大学博士論文, 2008.2 ←746 160

参照

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