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DSpace at My University: 英語教育リレー随想 80号(2016.9) 夏の終わりの学会から Content-based teach ing(内容重視の英語授業)の落とし穴

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Academic year: 2021

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 80 号 1 リオオリンピックとともに 8 月が終わり、9 月に入りました。猛暑はまだ続い ていますが、不思議なことに、9 月に入ると空気のどこかに秋が感じられるよう になります。北は北海道、札幌の空気であればなおさらです。そんな 9 月のは じめに参加した学会から、英語教育に対する示唆を拾い上げてみたいと思いま す。 参加した学会は大学英語教育学会。大学における英語教育が主領域ですが、 常に英語教育の本質にかかわる多くの議論が繰り広げられます。特に今年は、 次期学習指導要領を視野に、小学校から大学までの英語教育を「アクティブ・ ラーニング」が席巻している感がありました。OECD が世界 41 の国と地域に対し て実施している PISA(生徒の学習達成度テスト)で日本は読解力、数学的リテ ラシーおよび科学的リテラシーについていずれもトップレベルにある一方で、 高校生の英語力については、CERF(ヨーロッパ共通参照枠)の A レベル程度と 言われています。ちなみに、CEFR では英語運用能力を大きく A(基礎段階の言 語使用者)、B(自立した言語使用者)、C(熟達した言語使用者)の三レベル群 に分け、さらにそれぞれの段階を 2 つに細分化して、A1、A2、B1、B2、C1、C2 の 6 レベルに分類しています。欧州では高校・大学で「自立した言語使用者」 の B レベルが該当するといわれ、日本のレベルを大きく上回っています。次期 学習指導要領がアクティブ・ラーニングを旗印に英語力の向上を目指すものと なっているのはいうまでもありません。 さて、学会の基調講演では示唆に富むさまざまな提案がなされました。その うちの一つの講演は語学教育における content-based teaching(内容重視の語 学教育)の妥当性を問い直すものでした。”Language is best learned when integrated with meaningful context.” をどう捉えるべきか。実証的に考察 す る た め に 、 多 く の 先 行 研 究 が 紹 介 さ れ ま し た 。 語 彙 や 文 構 造 な ど の metalinguistic instruction とコンテンツ焦点化との均衡はどうあるべきなの か。文法は明示的(explicit)に教えるべきなのか、伏線として(implicit)学び 取らせるのか。文法は教授者が計画的(planned)に教えるべきなのか、コンテン ツを学ぶ過程で偶発的(incidental)に学びとるものなのかが検証されました。 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター 〈英語教育リレー随想〉 2016 年 9 月

夏の終わりの学会から

Content-based teaching(内容重視の英語授業)の落とし穴

東條 加寿子 第 80 号

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 80 号 2 その結果、学習者の言語能力がある程度のレベルに達していて、meaning(意味) と form(文法) との関連性を理解できることが一つの閾値になることが分か った、との趣旨が述べられました。コンテンツに焦点を当てた英語教育、いわ ゆる英語で学び、その副産物として英語力をつけるという content-based teaching は、学習者のある程度の英語力を前提にしており、学習者がこのレベ ルに達していない場合には内容重視の英語授業は必ずしも効果をもたらすとは 言えないため注意が必要、と解釈できるのではないでしょうか。 学習者が主体的・能動的に学べるように、同時に英語力が現状より格段にア ップするようにと掲げられたアクティブ・ラーニング。Implicit で incidental な性質を本来的に内包しているアクティブ・ラーニングで確実に教育効果を高 めるためには、英語教育研究からの知見をカリキュラム編成や授業計画に反映 させることが有用です。 (とうじょう かずこ 教授/教員養成センター)

参照

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