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留学生チューターの手引き

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Academic year: 2021

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留学生チューターの手引き

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1.チューター制度

チューター制度とは、本学で学ぶ外国人留学生に対して、指導教員の推薦のもとに本学 が選んだ学生を「チューター」として配属し、生活・教育・研究について、個別に指導を 行い、留学生の教育・研究の向上を図ることを目的とした制度です。今回、あなたがチュ ーターとして採用されたのは、あなた自身にとってとても有意義な体験となることでしょ う。チューターを引き受けるにあたって、まず、チューターの役割と留学生について基本 的な知識を持つことが必要となります。 ⑴チューターとは チューターは、留学生の指導教員の推薦に基づき、原則として留学生の専攻する分野に 関連のある日本人学生の中から選ばれ、各留学生の学習・研究の手伝いや日本語指導、 日常の世話(住居探しの補助、諸手続きのための役所や金融機関等への同行、学内外の 案内、買い物)などを行います。チューターは、留学生の良き友人として、留学生の本 学での学習・研究生活の大きな支えとなりますが、チューターとなった日本人学生もま た、国際交流への関心を深める良い機会となります。 チューターによる指導期間は、学部レベルの留学生については渡日後最初の2年間(国 費留学生の予備教育期間を除く)、大学院レベルの留学生(教員研修留学生を含む)につ いては渡日後最初の1年間(予備教育期間は除く)程度を目安としていますが、留学生 の中には大学進学前に日本語学校に通うなど在日期間の長い者、または再度の留学など 必ずしも原則どおりの実施期間を必要としない者もおり、また、対象期間終了後も修学 レベルの違いからチューターによる課外指導(研究、実験のサポート等)が必要な場合 も考えられるので、一律的な実施ではなく留学生個々の状況に応じて弾力的に実施する ことが望ましいと考えられます。 ⑵留学生の区分・種類 静岡大学には様々な留学生がおり、大きくは下記のような区分になります。担当する 留学生の身分がどのようなものか知っておくことが必要です。特に、正規生と非正規生 は、手続きなどが異なる場合がありますので、注意してください。 〈在学身分による区分〉 ①学部学生 正規生 4年以上修学して、本学の学士号を取得する。 ②大学院学生 2年以上または3年以上修学して、本学の修士号また は博士号を取得する。 ③研究生 非正規生 指導教員のもとで、特定の研究テーマについて研究を 行う。在学期間は半年または 1 年で、研究生期間が満 了しても学位は得られない。日本政府から奨学金をも らう国費留学生にあっては、大学院進学前に、予備教 育として半年間集中的に日本語を勉強する日本語研修 コース留学生も含まれる。 ④科目等履修生 本学が開設する1つまたは複数の授業科目を履修す る。履修した科目について試験を受け、合格した場合 には所定の単位が与えられる。 ⑤特別聴講学生 本学と協定関係のある大学の学部学生・大学院生で、 本学で短期間(1年以内)授業科目を履修する。履修 した授業科目については、本人の請求により成績証明 書を交付する。

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〈費用による区分〉 ⑴国費留学生 日本政府(文部科学省)が留学経費を負担している留学生で、下記のような区分に分か れます。 ⑵私費留学生 日本政府から奨学金を受けずに留学している留学生で、一般の学部生や大学院生以外に も、以下のような協定校からの交換留学生や日本政府以外から奨学金を受けている留学生、 静岡大学から奨学金を得ているABP留学生も含まれます。

2.留学生が必要とする支援内容

担当する留学生によって支援の内容が異なります。日本語が堪能で日本での滞在期間の 長い留学生については、大学案内や授業の説明、履修の仕方、勉強方法など、勉学面での サポートが中心となります。初めて来日した留学生に対しては、以下に挙げる来日直後の 生活支援が必要となります。ただ、ここに記載する内容はあくまで目安であり、指導教員 とよく話し合い、どのような支援を行うのかを確認してください。「留学生ガイドブック」 も参考になります。各学部の学務係、浜松学生支援課留学生係、創造科学技術大学院係、 国際交流課でもらうことができます。

(1)来日直後の支援

留学生が日本で生活するにあたって、まず、居住地での生活基盤を築かなければなりま せん。しかし、来日直後の留学生は大学のことはもちろん、静岡市や浜松市のこともほと ①日本語・日本文化研 修留学生 母国の大学において日本語または日本文化を専攻する学部学 生で、これらの専門を深めるために来日する留学生(1年間) ②教員研修留学生 海外の初等・中等学校教員および教育関係機関の専門職員を日 本の教員養成系大学(学部)に留学させる制度によって1 年半 滞在する留学生。(来日後半年間の日本語予備教育を受ける。) ③研究留学生 留学生自身の研究を目的として留学する研究生や大学院生。通 常半年の日本語研修後、大学院に進学する。 ④学部留学生 4年制大学で学ぶ留学生。進学前に日本において日本語を中心 とした1年間の予備教育を受講後、本学学部に進学する。 ⑤日韓共同理工系学 部留学生 日韓両政府が経費を負担して日本の理工系大学(学部)に在籍 している韓国人留学生。10 月に入学し、半年間の日本語教育後、 学部へ進学する。 ①交換留学生 大学間交流協定等に基づき、母国の大学に在籍したまま1年以内 の短期間、協定校から本学に留学する学部・大学院生 ② 外 国 政 府 派 遣 留 学生 外国政府が人材育成を推進するために、留学経費を負担して送り 出している留学生で、本学ではマレーシアなどから受け入れてい る。 ③ABP留学生

Asia Bridge Program(ABP)で学ぶ留学生(学部と修士課程)で、 インド、インドネシア、タイ、ベトナムをはじめとする16 カ国 から受け入れている。

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んどわかりません。さらに、留学生が日本語をあまり話すことができない場合もあります。 そこで、来日直後に、下記の事項を迅速に行う必要があります。 ⑴出迎え 留学生が静岡駅または浜松駅に到着する時間に、駅の改札口に迎えに行きます。留学生 の名前を書いたサイン・ボードを持っていくと便利です(もし、ホームへ入場する場合は、 入場料はチューター謝金に含まれます)。留学生に会ったら本人の氏名を確認し、自分がチ ューターであることを知らせます。 ⑵住居に案内 新規の留学生は、国際交流会館や大学寮、民間のアパートなどに入居することになりま す。あらかじめ留学生の住居を確認しておき、住居に案内してください。大きな荷物があ る場合、車か、車がない場合はタクシーを利用し、その料金は留学生に払ってもらいます。 国費留学生の場合、宅急便で空港から住居に荷物を送付することが多いので、バスなどの 交通手段を利用します(この場合のチューター自身の交通費はチューター謝金に含まれま す)。住居に着いたら部屋に案内し、部屋の設備(トイレ、シャワー、エアコンなど)の使 い方や生活のルール(ゴミの日や出し方など)を一緒に確認します。国際交流会館の場合 は、職員がいますので、一緒に聞いて説明してあげてください。 ⑶必要なものをそろえる さしあたり、数日間の生活に必要なものをそろえます。浜松国際交流会館1号館(TEL: 053-458-3361)の部屋には寝具(布団・枕・シーツ)や台所用品がありませんので、いず れは買い揃えなければなりません。静岡国際交流会館と浜松国際交流会館2号館では寝具 は料金に含まれています。必要に応じて、留学生と一緒に近くの店に行き、買い物をしま す。その際、その日の夜の食事と翌日の朝食をどうするか確認します。国際交流会館の場 合は、もし同じ国の出身者などが住んでいれば、その留学生を通してサポートしてもらえ ると、留学生にとっては心強いでしょう。 ⑷国際交流会館 住居が国際交流会館の場合、前項で述べたように職員が対応してくれます。ただし、9:00 ~19:00 までの間です。到着時間がこの時間帯ではない場合は、留学生を迎えに行く者が事 前に鍵を預かっておく必要があります。時間内の到着の場合でも国際交流会館に事前に連 絡をして、到着予定時間を知らせてください。 ⑸大学への交通手段の説明と大学での手続き 留学生の住居から静岡大学まで留学生と一緒に行き、行き方を覚えてもらいます。留学 生の多くは自転車通学をしますので、すでに自転車がある場合は通学路の確認を、できれ ば一緒にしてください。バスで通学する、または、自転車を購入するまでの間公共交通機 関を使って通学する場合は、バスや電車の乗り方・時刻表の見方などを説明します。 大学に着いたら、留学生の所属する学部事務室または国際交流課(国際交流センター) に行き、以下の必要な手続きを行います。 ①所属する学部での手続き 入学手続きをし、学生証(または身分証明書)を発行してもらいます。学生証などの学 生であることを示す書類がないと、交通機関の学生割引券が購入できませんので、すぐに 申請してください。なお、JR については、正規学生以外には学割を発行しませんので、気 をつけてください。 ABP留学生はグローバル企画推進室(静岡:共通教育A棟4F内線3065、浜松:附属 図書館分館・学生支援棟(S-Port)1F内線 1631)でまとめて手続きをしますので、予定 を確認してください。

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②国際交流課での手続き 日本語予備教育のみ静岡大学で受講する国費留学生(日本語研修コース入学、専門教育 は他大学)は、国際交流課(共通教育A棟4F)で所定の手続きを行います。 ⑹すぐに必要な手続き ①印鑑の作成 日本の社会では、正式文書には印鑑が必要となるので、必ず作ります。特に、金融機関 に口座を開設する場合には、必要となります。カタカナや漢字の当て字でもかまいません が、その後静岡大学に申請する氏名の表記となりますので、気をつけてください。学部に よっては学務係で作るところもありますので、作る前に必ず所属学部事務所で確認してく ださい。 ②区役所での手続き(住民登録・国民健康保険・国民年金加入) 1)住民登録 2012 年7月より、3ケ月以上日本に滞在す外国人は住民登録するようになりました。新 しく来日した留学生は、静岡市/浜松市へ来てから14 日以内に、区役所で手続きをしなけ ればなりません。在留カードとパスポートを持参して、住民登録をできるだけ早く済ませ てください。駿河区役所(1階戸籍住民課6番窓口)・静岡市葵区役所(1 階戸籍住民課 10 番窓口)・清水区役所(1階戸籍住民課 10 番窓口)または浜松中区役所(1階区民生活課 3番窓口)に同行して手続きをおこないます。日本の他の市から静岡市/浜松市へ引っ越 してきた人は、以前住んでいた自治体で発行された転出証明書も必要となります。 ③国民健康保険 在留期間が 3 ヵ月を超える留学生(住民票がある者)は、同時に国民健康保険にも加入 します。その場合、本学の学生であることを証明するもの(学生証や在籍証明書など)が あると、支払い軽減措置を受けることができます。手続き後、区役所から「納付通知書」 が留学生の住所に送られてきますので、銀行などで支払います。口座振替もできます。 ④国民年金 日本国内に住む 20 歳以上 60 歳未満のすべての人は、国が運営する国民年金に加入しま す。住民登録をした留学生も全員加入しなければなりません。ただし、「学生納付特例」に 申し込めば、保険料の支払いが猶予され、その後も継続されますので、留学生は必ず申し 込んでください。 交換留学生や研究生などの非正規生は「一般納付特例」に申し込みます。その場合、6 月に改めて「一般納付特例」に申し込む必要があります。申し込まないと、通常の納付通 知書が送られてきますので、注意してください。もし、納付通知書が送られてきたら、区 役所に行き、「一般納付特例」の手続きを再度、行ってください。 ⑤郵便口座と銀行口座の開設 国費の留学生は、必ずゆうちょ銀行で本人名義の口座を開設します。ここに毎月の奨学 金が振込まれます。必要なものは、在留カード(区役所で住民登録が済んだもの)、パスポ ート、印鑑です。ゆうちょ銀行以外の銀行でも、同様な書類が必要となります。

(2)落ち着いてからの手伝い

来日直後の手続き等が終わったら、大学生活を送る上での大学の施設や決まりを知って もらう必要があります。チューターは、留学生が大学生活にあたって困ることがないよう 案内・説明を行ってください。もし、指導教員との顔合わせが終わってないようであれば、 会えるようにセッティングするといいでしょう。 ⑴大学施設の紹介及び利用の説明

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①情報基盤センター 留学生によっては、すぐに家族や友人にメールを使って連絡をとりたい人も多いはずで す。できるだけ早く利用申請をして、コンピューターが使用できるように手伝ってあげて ください。学内のPCやWiFi 利用については情報基盤センターに申し込みますが、使える ようになるまで1週間ほどかかります。静岡キャンパスの場合、すぐにインターネットを 利用したい留学生は共通教育A棟4Fと5Fに国際交流センターのWiFiが設置されていま すので、国際交流課でパスワードを教えてもらえば、インターネットがすぐに利用できま す。 担当する留学生が非正規生の場合は、静岡大学安否確認システムに登録する手伝いをし てください。(http://anpi.ipc.shizuoka.ac.jp/menu.cgi)。登録方法は、情報基盤センターで 聞くことができます。登録しておくと、静岡県と隣接県で震度5弱以上または国内で震度 7以上の地震を観測した場合、登録したアドレスに自分の安否情報を入力するよう促すメ ールが自動配信されます。このシステムによって静岡大学が留学生の安否を確認でき、保 護者や家族への情報伝達に役立ちます。 ②図書館利用 図書の貸し出しを受けるときに学生証が必要となります。まだ学生証がない場合は、図 書館で図書利用票を作成すれば、本を借りることができます。また、図書館の中を案内し てください。留学生向けコーナーとしては、静岡キャンパスでは4Fに、浜松キャンパス では2Fに留学生コーナーがあり、日本語教材を借りたり、DVD などを視聴したりできま す。 ③保険の加入手続き 留学生へは❶学生教育研究災害傷害保険(学研災)と❷学生賠償責任保険(学生賠償) に加入することを強く勧めています。❶は所属部局の留学生担当窓口で、❷は生協で申し 込みます。生協で申し込む場合、④の生協加入手続きが必要となります。短期留学(1年 間)の場合、両方で約2,700 円(+生協加入費)になります。 ④静岡大学生協への加入手続き 大学生協へ加入すると、書籍・CDが割引になります。加入手続きにはお金がかかりま す(一口3百円で十口3千円以上)が、解約時に戻ってきます。③の保険(学研賠)の加 入時に必要となりますので、一緒に生協に行き、学生証を提示して、手続きをして下さい。 ⑤保健センター 場所や利用時間(平日 9:00~16:30)の説明。簡単な治療や具合の悪い時には薬を出 してもらえます。また、健康に関する相談やカウンセリングなども行っています。また、 本学に入学したばかりの留学生は健康診断を受けなければなりません。健康診断の日時、 場所を確認して、確実に受診できるように手伝ってください。 ⑥クラブ活動 本学のクラブ活動を説明し、もし興味のある活動があれば、連絡方法などのサポートを してあげてください。クラブ活動についての詳細は学生生活課(共通教育A棟3F)、浜松 学生支課学生支援係(S-port 1 階)で確認してください。 ⑦証明書類の発行場所の案内・説明 証明書の発行場所である各学部の学務係の場所や自動証明書発行機の使用方法などの説 明をしてください。 ⑧掲示板・メールボックスの確認 大学からの情報提供・連絡は、メールによる案内のほかに、掲示板やメールボックスを 通じて行います。留学生と一緒に掲示板・メールボックスの場所に行き、確認してくださ

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い。各学部留学生用掲示板およびメールボックスは各学部の事務室にあるので、チュータ ーの人も場所を覚えておくと便利でしょう。静岡キャンパスの場合、共通教育A棟東側と 共通教育A棟4Fに留学生用掲示板があります。浜松キャンパスでは、各学部の掲示板の ほかに、S-port 1階に留学生掲示板があります。 ⑨その他の大学施設の案内 留学生がよく利用する学生食堂、生協、日本語の授業が行われる国際交流センター(静 岡キャンパス)や工学部7号館(浜松キャンパス)、大学会館(静岡キャンパス)、各種運 動施設などを案内してください。 ⑵大学外での手伝い ①通学にかかわる割引券 ルルカカード(静鉄)やナイスパス(遠鉄)などの割引カード購入の手伝いをします。 それぞれの営業所で、身分を証明できるもの(学生証など)を提示の上、必要に応じて購 入してください。 ②携帯電話の契約 最近は、ほとんどの留学生が来日後に携帯電話やスマートフォンを購入します。通常、 電話料金の請求は翌月になりますので、留学生は帰国時に電話料金を精算することができ ません。したがって、帰国時に帰国月の電話料金をどのように支払うか店の人と確認して おく必要があります。また、プリペイド式携帯電話もありますので、詳しくは各携帯電話 会社で相談してください。 ③住居近くのスーパー等の案内 留学生が日常生活を送る上で、食べ物や日常品を購入するのに居住地近辺のスーパーな どを紹介してあげてください。その際には食材の説明や選び方、実際の買い方なども教え てあげてください。もし、留学生の母国料理の食材店やレストランなどの情報があると、 留学生も喜ぶでしょう。 ④ゴミの出し方の説明 静岡市や浜松市のゴミの出し方について、ゴミの分類表をもとに詳しく説明してくださ い。分別を守らないと、アパートの大家さんや近所の住民の方からの苦情が大学に来るこ とがあります。また、使用する指定のゴミ袋の購入場所やゴミを出す時間なども説明して あげてください。国際交流会館の場合は、職員が説明してくれます。 ⑤アルバイト 留学生がアルバイトをするときには、事前に資格外活動許可を取得する必要があります。 許可を得ないでアルバイトをすると法律違反となりますので、注意してください。資格外 活動許可を申請する際には、資格外活動許可申請書(入管にある)、パスポート、在留カー ドが必要となります。アルバイトをすることのできる時間は、週28 時間以内(長期休暇中 は1日に8時間以内)となっています。許可を受けたら、所属部局の留学生担当係へ届け 出ます。一度許可を受ければ、在留期限内は有効となります。 国費留学生の場合、十分な手当てをもらっているため、特別な場合を除き、大学として はアルバイトを勧めていません。 ※なお、2012 年7月より、成田・羽田・中部・関西の各空港で申請できるようになり、許 可が下りれば、即日交付されます。 ⑶大学生活における手伝い ①日本語のサポート 留学生と相談の上、日本語の手助けを行ってください。国際交流センターの日本語の授 業は、大学院と非正規生が対象です。初級、中級、上級があり、留学生の日本語のレベル に応じた授業を受けることができます。また、授業とは別に自分で勉強するという学生も

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います。日本語の教え方については、国際交流センターの教員に相談すれば、いつでもア ドバイスをしてもらえます。担当する留学生と日本語で話すことも、留学生にとって大変 よい日本語学習です。 ②専門分野の指導 専門分野の指導についてのサポートを求められたら、指導教員と相談の上、指導内容の 計画を立ててください。自分の専門とは違うことがありますから、できることとできない ことは、はっきりとさせておく必要があります。 ③指導教員との関係 留学生にとって、指導教員との関係は留学生活を送る上で、非常に重大な影響を及ぼし ます。もし、あなたが留学生と同じ指導教員の場合は、留学生と一緒に積極的に指導教員 から指導を受けるようにしましょう。もし、違う場合は、指導教員の在室日や時間を確認 し、できるだけ指導教員の指導を仰ぐように留学生にアドバイスしてください。 ④国際交流課 静岡キャンパスでは、国際交流課(国際交流センターの事務組織)で留学生にかかわる 様々な情報を提供しています。また、その横にある国際交流センターの掲示板には、留学 生に対する重要な情報が張り出されていますので、できるだけチェックするように指導し てください。また、国際交流課があるフロアーには、国際交流センターニュースなどの印 刷物が置いてありますので、必要に応じて目を通してください。 浜松キャンパスでは、各学部の掲示板で留学生情報を提供していますが、工学部7号館 3Fの資料室には日本語学習に関する雑誌や国際交流センターニュースなどが置いてあり ますので、活用することができます。また、浜松キャンパスではホームページやEメール を使っての情報提供も行っていますので、留学生のEメール・アドレスや携帯電話番号を 国際交流センター教員(袴田准教授)まで知らせてください。 (4)カウンセラーによる留学生相談 静岡と浜松のキャンパスでは、専門のカウンセラーによる留学生相談を行っており、新 しく本学に入学した留学生には全員カウンセラーとの面接を義務付けています。どんなに 些細なことでもかまいませんので、必要に応じて積極的に活用するように留学生に話して ください。日本語と英語の両言語において対応できるカウンセラーが配置されています。 相談日や場所などの詳細については、国際交流センター掲示板で確認するか、国際交流セ ンター教員または国際交流課に問い合わせてください。 (5)センター教員による留学生相談 国際交流センター教員が留学生の相談に乗っています。英語や中国語が堪能な教員がい ますので、日本語での指導が難しいときなど、積極的に活用してください。

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3.チューターとしての心構え

留学生を世話するにあたって留意しなければならないことがいくつかあります。戸惑う ことも多々あるかと思いますが、そのような時は遠慮なく、国際交流センターの担当教員 に相談してください。以下、チューターとしての基本的な姿勢を説明します。 ⑴留学生は語学学習の相手ではない 日本語をあまり話すことができない留学生を担当するチューターの中には、自分の語学 に熱心で、留学生の日本語学習の手助けをあまりしない人を時々見かけます。来日当初は 日本語が上手でなく、留学生が理解できる言語を使用することは、留学生にとって大きな 助けとなりますが、留学生の日本語のレベルの向上にあわせて、日本語での会話を心がけ ましょう。もし、日本語以外の言語での使用を希望する場合、留学生とよく話し合い、留 学生の日本語学習にも配慮しながら、コミュニケーションをはかってください。 ⑵留学生のことを知る チューターとして、留学生をサポートする場合、留学生のバックグランドについて、あ る程度知っておく必要があります。以下の情報は、指導教員などから、事前に入手してお いた方がいいと思われる事項です。 ①留学の目的 留学の目的がどこにあるのか。学位取得なのか、日本語能力の向上なのか、日本文化の 勉強なのか、自分の研究を深めるためなのか。留学生によって、その目的は様々です。留 学の目的を知ることで、その目的が達成されるようなサポートを心がけましょう。 ②留学生の年齢 留学生の年齢は、幅広く(10~30 代)それによってチューターに求められる対応が違っ てきます。特に 10 代の学生には、家族的なフォローアップが必要となることがあります。 浜松では、留学生の掲示板に週末だけの短期のホームステイプログラムの知らせが掲示さ れますので、積極的に参加・活用するようにしましょう。チューターの年齢に比べて、か なり年上の留学生の世話をする場合もあるかと思います。その場合は、あまり背伸びをせ ず、日本の生活などのサポートを中心に、自分のできる範囲で手伝うという心構えがいい と思います。 ③経済能力 留学生はある程度の経済能力があるという前提で留学してきますが、母国と日本との経 済格差、物価の違いなどにより、特に私費留学生は苦しい経済状況にあります。国によっ ては物価に数倍から10 倍ほどの差があります。そのような海外からの留学生にとって、日 本での生活は厳しく、アルバイトをしながらの勉学を余儀なくされているという状況を理 解し、考慮する必要があります。激安スーパー、100 円ショップ、リサイクルショップ、ド ンキホーテ、割引乗車券(青春 18 切符等)、無料のイベントなどの情報は、留学生に非常 に喜ばれます。 ただ、国費留学生の場合は、学費免除の上、学部生レベルで月に12 万円程度、大学院生 レベルで月に15 万円程度の支給がありますので、かなり恵まれていると言えます。 ④宗教 世界には様々な宗教があり、留学生によって、宗教上の制約があることが多いものです。 例えば、イスラム文化圏からの留学生の場合(マレーシア、インドネシア、パキスタン、 中東の国々など)は豚肉や飲酒は禁止されており、断食する期間もあります。また、毎日 数回の聖地に向かってのお祈りがあります。インド文化圏からの留学生の場合(インド、 バングラデシュ、ネパール、スリランカなど)は、牛肉を食べないのが普通です。国によ っては、カースト制度という階級制度が依然として残っている場合があります。このよう

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なことを理解し、尊重する態度が重要です。「郷に入れば郷に従え」などといって、日本の 習慣を強要することは、慎まなければなりません。 ⑶トラブルはつきものです 留学生のチューターになるということは、異文化接触の中に自ら飛び込んでいくことに なります。いやがうえにも文化の違いを痛感するはずです。その時に大切なことは、異文 化を素直に受け入れる柔軟な姿勢です。相手の文化を尊重する思いやりです。そのような 気持ちがあれば、どのような問題が生じてもきっと解決するにちがいありません。ここで は、チューターが遭遇しやすいトラブルの例をいくつか挙げておきますので、参考にして ください。 ①文化・習慣の違いによる誤解 文化の違う人間が交わるとき、異なる考え方や習慣により、様々な問題が生じます。そ のようなトラブルを否定的に捉えるのではなく、自文化や自分を知るための良い機会だと 肯定的に考えるようにしましょう。相手の立場に立った考え方をするよう努力する必要が あります。トラブルを乗り越えることで、人間的に大きく成長することができます。どの ように対処したらよいのかわからないときは、国際交流センターの担当教員まで遠慮なく、 相談に来てください。 ②異性関係 相手の留学生が異性である場合には、互いに戸惑う場合もあります。日本という異国で 勉強する留学生は孤独で不安な気持ちでいる場合が多いものです。寂しさから、チュータ ーに対して特別な感情を抱くことがあるかもしれません。そのような場合には、指導教員 または国際交流センター教員に遠慮なく相談してください。問題が大きくなる前に、第三 者に相談することが重要です。 ③よくある不満の例 以下の事例は、実際によく起こるトラブルの例です。このような不満がどちらかに生じ たとき、お互いによく話し合うことが重要です。もし、自分だけで解決するのが難しいと 判断した場合、指導教員や国際交流センターの教員に相談してみましょう。 〈留学生側から〉 ・チューターが忙しくて、なかなか会ってくれない、連絡がつかない。 ・チューターが英語ばかり話して、日本語を全然使ってくれない。もっと日本語で話して 欲しい。 ・もっと日本の友達を紹介してほしい。できれば、チューターの友達の中に入れてほし い。 〈チューター側から〉 ・留学生が約束の時間を守ってくれない。時間に対してルーズだと思う。 ・レポートの日本語チェックを頼まれた。間違いだらけでどのように直したらよいのか わからない。また、チェックが大変すぎる。 ・お世話している留学生がとても馴れ馴れしく、違和感をもつ。 ・留学生が日本語を話せないので、どうやってコミュニケーションをとったらよいのか わからない。

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4.チューターの手続き

チューターの指名を受けた学生は、下記により各学部の学務係(工学部は教務・留学生 担当)で手続きを行ってください。 ⑴チューター業務実施計画書兼承諾書(兼承諾書) チューターを引き受けた学生は、留学生に対する特別指導についてあらかじめ指導教員 などの指導を受けるとともに、実施する日時について留学生とも協議のうえ「チューター 業務実施計画書」を作成し、担当事務係に提出してください。 ⑵銀行振込み依頼書 チューターを引き受けた学生は、担当係にチューター謝金の銀行振込み口座を届出して ください。 ⑶チューター業務実施管理簿(タイムシート) チューターは、実施した月ごとに「チューター業務実施管理簿(タイムシート)」に所要 事項を記入し、指導教員の認印を得て、翌月10 日までに担当係に提出します。 チューターとしての従事時間数は、半期において45 時間、1年間で 90 時間を限度とし ます。留学生に対するサポートの実施回数の目安は週1回(2時間)程度ですので、実質 的にはこの時間以上のサポートをしていても、すべての時間に手当が付くわけではないの で注意してください。初来日の留学生については、初期の支援がかなり必要になることか ら、最初の月の実施時間が多くなることになります。したがって、決められた時間の中で 指導教員と話し合いながら、時間の調整をすることになります。 ⑷謝金の支給 業務実施管理簿に基づき、毎月の実施時間数に対する謝金をチューターに支給します。 謝金支給は原則実施月の翌月ですが、手続き時期によっては翌々月になる場合もあります。 ※実施場所 原則として学内で行うことになっていますが、学外で行う場合は指導教員の許可を得て ください。

チューターに関する質問、相談は、下記の国際交流センター教員まで。遠慮し

ないで来てください。

〈静岡キャンパス〉 国際交流センター教授 原沢 伊都夫(はらさわ・いつお) 研究室 共通教育A棟5F 505室 TEL/FAX 054-238-4971 E-MAIL harasawa.itsuo@shizuoka.ac.jp 〈浜松キャンパス〉 国際交流センター准教授 袴田 麻里(はかまた・まり) 研究室 工学部7号館3F 305室 TEL/FAX 053-478-1675 E-MAIL hakamata.mari@shizuoka.ac.jp

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