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第15回日本助産学会学術集会集録一般演題 (口頭発表) 第2群

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Academic year: 2021

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(1)

6.破

水 か ら児 娩 出 まで の 時 間 と

会 陰 の状 態 につ い て

毛利 助産 所 ○ 山 本 令 子 Iは じ め に 現 在,分 娩 促 進 の 目的 で 人 工 破 膜 が 行 わ れ る こ とが 多 い 。 しか し,破 水 か ら児 娩 出 まで の 時 間,こ の 時 間 と 会 陰 の状 態 との 関 係 に つ い て の報 告 は な い。 今 回著 者 は,破 水 か ら児 娩 出 ま で の 時 間が 会 陰 の 状 態 に及 ぼ す 影 響 に つ い て以 下 の研 究 を行 った 。 II方 法 日本 の2助 産 院 と1病 院 に おけ る合 併 症 を有 しな い 頭 位,単 胎,正 期 産 の うち 会 陰 切 開 を 実 施 して い な い 自 然 分 娩,そ れ ぞ れ402例,374例,計776例 を対 象 と した。 分 娩 記 録 か ら破 水 時刻,破 水 の 様 式,児 娩 出 時 刻,会 陰裂 傷 の 有 無 を検 討 した 。 会 陰 裂 傷 の 判定 に はSweetの 定 義1)を 使 用 し,裂 傷 の 有 無 で2群 に分 け た 。 破水 か ら児 娩 出 まで の 時 間 を 破 水 一娩 出時 間 と し, 5分 未 満 の もの を 「T5」 群,5分 以 上10分 未 満 の も のをrT10」 群 と し,以 下 同様 に 「T20」 群,「T30」 群,「T60」群,「T120」 群,「T300」 群 と した 。 破 水 一娩 出 時 間が300分 以 上 の もの をrLong」 群 と し た 。 III結 果 1.破 水 か ら児 娩 出 まで の 時 間 につ い て 助 産 院 の分 娩402例 に お い て,破 水 一娩 出 時 間 は0分 ∼77時 間23分 ,中 央 値33分 で あ り,最 頻 値 は0分 で あ っ た 。 その うち,自 然破 水 の 場 合(n=292)は 中 央 値44分 で,人 工 破 膜 の 場 合(n=107)は,中 央 値 22分 で あ った 。 病 院 で の 分 娩374例 の 破 水 一娩 出 時 間 は,0分 ∼51時 間43分,中 央 値20分 で あ り,最 頻 値 は5分 で あ った 。 自然 破 水 の場 合(n=154)は 中 央 値55分 で,人 工破 膜 の場 合(n=211)は,15分 で あ った 。 2.会 陰 の 状 態 につ いて 助 産 院 で の 分 娩 に お い て,「 裂 傷 な し 」 が234例 (60.4%),「 裂 傷 あ り」 が159例(39.6%)で あ っ た 。 自然 破 水,人 工 破 膜 に 分 けて 検 討 す る と,自 然 破 水 の 場 合 は 「裂 傷 な し」 は178例(60.9%)「 裂 傷 あ り」 が114例(39.1%)で あ った 。 人 工 破 膜 の 場 合 は 「裂 傷 な し」 は64例(59.9%),「 裂 傷 あ り 」 が43例(40.1%)で あ った 。 病 院 での 分 娩 にお いて, 「裂 傷 な し 」 が80例(21.4%),「 裂 傷 あ り」 が 294例(78.6%)で あ っ た 。 自 然 破 水 の 場 合 は, 「裂 傷 な し 」 は31例(20.1%),「 裂 傷 あ り」 は 123例(79.9%)で あ っ た 。 人 工 破 膜 の 場 合 は, 「裂 傷 な し 」 は48例(22.7%),「 裂 傷 あ り」 は 163例(77.3%)で あ っ た 。 3.破 水一娩 出 時 間 と 会 陰 の 状 態 との 関係 に つ い て 助 産 院 で の結 果(表1):破 水 。娩 出時 間 の 各群 別 に 会 陰 裂 傷 の 有 無 を み る と,「 裂 傷 な し 」 は 最 も高 い 「T10」 群 で75.8%,最 も 低 い 「T120」 群 で50% で あ った 。 病 院 で の 結 果(表2):「 裂 傷 な し」 は 最 も 高 い 「T5」群 で32.6%,最 も低 いrT60」 群 で11.5 %で あ った 。 いず れの 施 設 に お いて も,破 水 一娩 出 時 間 の 短 い群 につ い て 会 陰 裂 傷 の な い も の の比 率 が 多 くな る 傾 向を 認 めた 。 IV考 察 出 産 時 の 会 陰 裂 傷 の 原 因 と して分 娩 体 位2),出 産 回 数 3) ,生 下 時体 重3)が 関 係 す る との 報 告 が あ る。 しか し, 著 者 の知 り得 た 範 囲 で は,会 陰 裂 傷 と 破 水 か ら児 娩 出 まで の 時 間 との 関 係 に つ い て報 告 は な い 。 助 産 院 に お いて,破 水 一娩 出 時 間 の 最 頻 値 は0分 で あ り,児 娩 出 と 同 時 に 破 水 す る分 娩 が 多 か っ た 。 こ の 理 由 と して 以 下 の2点 の こ とが 考 え られ る。 ① 「な る べ く 人 工 破 膜 を せ ず 自 然 破 水 を 待 つ 」 と い う 助 産 院 の 方 針 を 反 映 し て い る。 ② 助 産 院 で は 分 娩 時 の 体 位 が 自由 で あ る こ と や 産 婦 が リラ ッ クス で き る こと が 影 響 して,分 娩 ま で 胎 胞 に強 い圧 力 が か か っ て い な い 可 能 性 が あ る と 思 わ れ る。 一 方,病 院 で の 破 水 一娩 出時 間 の 最 頻 値 は5分 で あ っ た 。 こ の 理 由 と して,病 院 で は,自 然 に破 水 す る胎 胞 に お い て も 自然 破 水 を 待 た ず,そ の 直 前 で 人 工

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表1助 産院 にお ける破水-娩出時 間と会陰 の状態 表2病 院 にお ける破水-娩出時 間と会陰の状 態 破 膜 が 行 わ れ て い た こ とが 考 え られ る 。 会 陰 の状 態 を 助産 院 と病 院で 比 較 した 時,助 産 院 の方 が 「裂 傷 な し」 が 多か った 。 助 産 院で は 産 婦 が 自由な 分 娩 体位 を選 び, 仰臥 位 が 少 な いが,病 院 で の 分 娩体 位 は仰 臥位 で あ る。 分娩 体 位 にお い て仰 臥 位 と そ れ 以外 の垂 直 位(立 て 膝, 立位,躑 踞 位,座 位)を 比 較 し た場 合,会 陰 裂傷 は, 垂 直 位 の方 が 少 な い と報 告 さ れ て お り2),こ の こ と が 助 産 院 に お いて 裂 傷 が 少 な か っ た理 由 のひ と つで あ る と考 え られ る。 会 陰 の 状 態 を 自 然破 水 と人 工 破膜 で 比 較 す る と,い ず れ の 施 設 で も 両 者 に は ほ とん ど 差が な か った 。 これ は,会 陰 の 状 態 と破 水 の 様 式 が 無 関 係 で あ る こ と を示 して い る。 破 水 一娩 出 時 間 と会 陰 の状 態 と の 関係 に つ い て は,い ずれ の施 設 に お いて も破 水-娩 出 時 間 の 短 い群 に つ いて 会 陰 裂 傷 のな い もの の 比 率 が 多 くな る 傾 向 を 認 め た 。 破 水一娩 出時 間 が0分 で あ る と い うこ と は,胎 胞 が 児 娩 出 ま で 残 っ て い る こ とを 意 味 す る 。 す な わ ち,分 娩 経 過 中 に 胎 胞 が 破 れ る ほ どの 強 い圧 力 が 胎 胞 に 加 わ って こな か った とい う こ とで あ る。 そ の 際,胎 胞 が ク ッ シ ョ ンの 役 割 を は た し,会 陰 裂 傷 もお こ り に く くな った 可 能 性 が あ る 。 さ ら に,被 膜 児 の 場 合 は,胎 胞 と会 陰 との 摩 擦 が 少 な く,会 陰 が 傷 つ き に くい 状 態 に あ った と も考 え られ る 。 今 回 の 検 討 か ら,会 陰 裂 傷 の 予 防 の た め に は,胎 胞 を児 娩 出 直 前 ま で 残 し,破 水 一娩 出時 間 を よ り短 く した 方 が 良 い と 思わ れ た。Selective(選 択 的)な 人 工 破 膜 は正 期 産 に お け る 合 併 症 の な い 自然 分 娩 で の 分 娩 時 間 を短 縮 さ せ る と い われ て い る4)。 しか し,一 方,分 娩 第 一 期 で の 人 工 破 膜 は,異 常 な 児 心 音 を 増 加 させ5),女 性 に と って 何 もメ リ ッ トが な い と い う報 告6)も あ る 。 今 回 の 検 討 の 結 果 と も合 わ せ て考 え る とroutineの 人 工 破 膜 は 再 考 の 余 地 が あ る ので は な い か と考 え られ た。 V結 論 破 水 一娩 出 時 間 と会 陰 の 状 態 に つ いて 検 討 した 。 破 水 一娩 出 時 間 の 短 い 群 につ い て 会 陰 裂 傷 の な い も の の 比 率 が 多 く な る 傾 向 を認 め た 。 生 下 時 体 重 、 出 産 回数, 分 娩 体 位 の 要 因 も 会 陰裂 傷 に 関係 す る と いわ れ て い る が,破 水 一娩 出時 間 を よ り短 く す る こ と が 会 陰 裂 傷 の 予 防 に有 効 で あ る 可 能 性 が 示 唆 され た 。 本 研 究 は 、 英 国 のThames Valley大 学 大 学 院 助 産 学 修 士 課 程 に提 出 した 修 士 論 文 の 一 部 で あ る 。 参 考 文 献

1) Sweet, BR: Mayes' Midwifery, 12th ed, Bailliere Tindall, 1997.

2) Nicodem, V. C.,: Upright vs recumbent position during the second stage of labour, In Enkin, M. W. et al, Pregnanncy and Childbirth module, The Cochrane Database of Systematic Reviews, Update software Disk, 1994.

3) Gardosi, J. et al: Randomised contorolled trial of squatting in the second stage of labour, The Lancet, July 8, 74-77, 1989.

4) Johnson, N. et al: Randomised trial comparing a policy of early with selective amniotomy in uncomplicated labour at term, British Journal of Obstetrics and Gynaecology, 104(3), 567-571, 1997.

5) Goffinet, F. et al: Early amniotomy increases the frequency of fetal rate abnormalities, British Journal of Obstetrics and Gynaecology, 104(5), 548-553, 1997.

6) UK Amniotomy Group: A multicare randomised trial of amniotomy In spontaneous first labour at term, British Journal of Obstetrics and Gynaecology, 101(4), 307-309, 1994.

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7.分

娩 期 ケ ア の 質 の 評 価(第4報)

-ケ ア環 境 と産 婦 が 受 けた ケ アの

質-福 島県立 医科 大学 ○ 内 藤 和 子 聖 隷 クリストファー看護 大学 藤 本 栄 子 高知女 子大学 岸 田 佐 智 聖路 加看 護大 学 堀 内 成 子 森 明 子 東京都立 保健科 学大 学 恵美須 文枝 厚 生労働 省保 険 局 岩 澤 和 子 1.は じ め に 出 産 に 関 わ る ケ ア の 質 に つ い て 、 我 々 は こ れ ま で に 消 費 者 と ケ ア 提 供 者 の 各 視 点 か ら 評 価 を 行 い 、 さ ら に ケ ア 提 供 に 関 す る 病 院 の 構 造 上 の 条 件 の 実 態 を 報 告 し て き た3)。 本 研 究 の 目 的 は 【ケ ア 提 供 に 関 す る 環 境 構 造 】 (以 下(環 境 構 造1と す る)と 【産 婦 が 受 け た ケ ア の 質 の 過 程 】 と 【成 果】(以 下 【産 婦 の 過 程 】 【産 婦 の 成 果 】 と す る)と の 関 連 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。 II.方 法 質 の 保 証 モ デ ル2)に 基 づ き 構 造 、 過 程 、 成 果 の 各 変 数 を 考 え た1)4)。 【環 境 構 造 】 変 数 は 、<病 棟 目 標><消 費 者 の 視 点 に 基 づ く 体 制><病 棟 形 態><忙 し さ 要 因><設 備 ・ 備 品 ・物 品 の 充 実><ケ ア 継 続 性>等 の 項 目 か ら 構 成 し た 。 【産 婦 の 過 程 】 変 数 は 、 我 々 が 独 自 に 開 発 し た<日 常 生 活 援 助>7項 目(α =0 .85)と 、 毛 利 が 開 発 し た 尺 度 の 修 正 版<サ ポ ーティブ ケア>12項 目(α30 .91)で あ り 、 【産 婦 の 成 果 】変 数 は 、<分 娩 サービ ス満 足 度>12項 目(α =0 .92)と<出 産 体 験 の 評 価>5項 目(α=0.76) で 、 両 変 数 と も 我 々 が 開 発 し た 。 こ の4変 数 は5段 階Likert尺 度 で 、 得 点 が 高 い ほ ど 産 婦 が 受 け た と す る ケ ア が 多 い 、 あ る い は 産 婦 の 満 足 度 や 出 産 体 験 の 評 価 は 高 い 、 分 析 はSPSS を 用 い た 。 III.結 果 1.対 象 の 特 性;回 答 が 得 ら れ た57病 院(回 収 率98.3%)の 病 棟 婦 長 、 お よ び796名(回 収 率 93.1%)の 産 婦 を 分 析 対 象 と し た 。 年 間 分 娩 件 数 は 平 均671.9(±369.2)件 、 病 棟 形 態 は 分 娩 室 単 独 は1施 設(1.8%)、 分 娩 室 を 含 む 産 科 病 棟16(28.1%)、 産 婦 人 科25(43.9%)、 産 婦 人 科 と 他 科 と の 混 合 病 棟15(26.3%)で あ っ た 。以 下 の 分 析 で は 分 娩 室 単 独 お よ び 分 娩 室 を 含 む 産 科 病 棟17(29.9%)を 産 科 と い い 、 産 婦 人 科 と 他 科 と の 病 棟40(70.1%)を 混 合 病 棟 と す る 。 産 婦 の 年 齢 は 平 均29.3歳 、 初 産 婦415名 (52.1%)、 経 産 婦380名(47.8%)で あ っ た 。 2.【 環 境 構 造 】 の 実 態3):今 回 の 分 析 は 【環 境 構 造 】 の 中 で も<消 費 者 の 視 点 に 基 づ く 体 制>の6項 目 を 中 心 に 行 っ た 。 体 制 「あ り 」 と 回 答 し た 病 院 の 割 合 は 、 《バ ースブ ランの 記 録 用 紙 》36.8%、 《産 婦 と の ケ ア の た め の 話 し 合 い 》61.4%、 《産 婦 と の 分 娩 の 振 り 返 り 》40.4%、 《分 娩 期 ケ ア 満 足 度 の 確 認 》47.4%、 《ルティーンの 産 婦 ケ ア の 見 直 し》64.5%、 《分 娩 期 ケ ア の 見 直 し 》57.9%で あ っ た 。 3.【 産 婦 の 過 程 】 と 【産 婦 の 成 果 】:【 産 婦 の 過 程 】 の<日 常 生 活 援 助>平 均25.2土5.3、 <サポーティブ ケア>平 均48.9±7.8、 【産 婦 の 成 果 】 の<分 娩 サービ ス満 足 度>平 均47.7±8.2、(出 産 体 験 の 評 価>平 均20.6±35で あ っ た 。<日 常 生 活 援 助><サ ポ ーティブ ケア>と 、<分 娩 期 サー ビ ス満 足 度>と の 間 に は い ず れ も 強 い 相 関 関 係 が 、<出 産 体 験 の 評 価>の 間 に は 、 そ れ ぞ れ 有 意 な 相 関 関 係 が あ っ た 。(図1)分 娩 期 に 日 常 生 活 の 援 助 や サ ポ ー テ ィ ブ な ケ ア を 多 く 受 け た と 評 価 し て い る 産 婦 は 、 分 娩 時 の サ ー ビ ス に 満 足 を 感 じ て お り 、 出 産 体 験 も 肯 定 的 に 受 け 止 め て い た 。 4.【 環 境 構 造 】 と 【産 婦 の 過 程 】 の 関 連 (表1)【 環 境 構 造 】 の<看 護 目 標>、<消 費 者 の 視 点 に 基 づ く 体 制>の6項 目 、<病 棟 形 態>の 計8項 目 と 【産 婦 の 過 程 】 変 数 は 、 い ず れ も 有 意 な 差 が 認 め ら れ た 。 す な わ ち 、 看 護 サ ー ビ ス に 関 す る 具 体 的 な 目標 を 設 定 し 、 バ ー ス プ ラ ン を 把 握 す る た め の 記 録 用 紙 が あ り 、 産 婦 と ケ ア に つ い て の 話 し 合 い や 分 娩 の 振 り 返 り を す る 体 制 、 分 娩 期 ケ ア に つ い て 産 婦 お よ び 家 族 の 満 足 度 を 聞 く 体 制 、 ル テ ィ ー ン の 産 婦 ケ ア や 分 娩 期 の ケ ア に つ い て 定 期 的 に 見 直 す 体 制 が あ り 、 産 科 単 独 の 病 院 の 方 が そ う で な い 病 院 に 比 べ て 、 産 婦 は 分 娩 期 に お い て 日 常 生 活 上 の 援 助 や サ ポ ー テ ィ ブ な ケ ア を 受 け た と 高 く 評 価 し て い た 。 5.【 環 境 構 造 】 と 【産 婦 の 成 果 】 の 関 連(表

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1) 【環 境 構 造 】 の<看 護 目 標>、<消 費 者 の 視 点 に 基 づ く 体 制>の6項 目 の 内5項 目 と 、 【産 婦 の 成 果 】 変 数 は 、 い ず れ も 有 意 な 差 が 認 め ら れ た 。 し か し 、 《産 婦 と ケ ア の た め の 話 合 い 》 の 体 制 の 有 無 と 〈分 娩 期 サービ ス満 足 度 〉 、 《ル テ ィ ー ン の 産 婦 ケ ア の 見 直 し》 体 制 の 有 無 と 〈出 産 体 験 の 評 価 〉 と は 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 さ ら に 、 《看 護 単 位 》 と 〈分 娩 期 サー ビ ス満 足 度 〉 〈出 産 体 験 の 評 価 〉 は 、 い ず れ も 差 が 認 め ら れ な か っ た 。 IV.考 察 消 費 者 の 視 点 に 立 っ た ケ ア 提 供 の 体 制 が 整 っ て い る 病 院 で は 、 消 費 者 の ニ-ズ 把 握 や ニ ー ズ に 応 じ た ケ ア 提 供 が 行 わ れ や す い た め 必 然 的 に 産 婦 へ の ケ ア は 質 的 に 高 い も の と な り 、 産 婦 か ら の ケ ア へ の 評 価 が 高 い 結 果 が 得 ら れ て い る 。 つ ま り 、ケ ア の 質 を 考 え る 場 合 、 こ う し た 体 制 づ く り は 非 常 に 重 要 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 と こ ろ が 《産 婦 と ケ ア の た め の 話 合 い 》 《ル テ ィ ー ン の 産 婦 ケ ア の 見 直 し 》 の 体 制 の 有 無 は 成 果 変 数 に お い て 有 意 な 差 が な か っ た 。 こ れ ら は 体 制 の 有 無 よ り も 、 常 に 実 施 し て い る 施 設 が そ れ ぞ れ 約23%、 約35%と 少 な く 、実 施 率 が 関 係 し て い る た め と 考 え る 。 ま た 、 看 護 単 位 と 〈分 娩 期 サービ ス満 足 度 〉 、 〈出 産 体 験 の 評 価 〉 は 差 は 認 め ら れ ず 、 我 々 の 先 行 研 究 と 異 な る 結 果 で あ り 、 こ の こ と は ケ ア の 質 に 関 す る 要 因 の 更 な る 分 析 の 必 要 を 感 じ た 。 V.ま と め ケ ア の 【環 境 構 造 】 と 産 婦 が 受 け た ケ ア の 質 に 焦 点 を 当 て て 分 析 を 行 っ た 。そ の 結 果 、 体 制 の 整 備 に よ り ケ ア の 質 が 高 ま る こ と が わ か っ た が 、 バースプ ラン把 握 の た め の 記 録 用 紙 の 整 備 や 分 娩 の 振 返 り 、 分 娩 期 ケ ア の 満 足 度 の 確 認 に 関 す る 体 制 に つ い て は 、 整 っ て い る 病 院 が ま だ 半 数 以 下 で あ り 、 ケ ア 提 供 を す る た め の 体 制 作 り が 必 要 で あ る と 考 え る 。今 後 は 、 他 の 【環 境 構 造 】 に 関 す る 要 因 や ケ ア 体 制 の 実 施 の 有 無 に 関 し て も さ ら に 分 析 を 進 め て い く 必 要 が あ る 。 な お こ の 研 究 は 平 成9.10.11年 度 の 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 を 受 け た 一 部 で あ る 。 引 用 参 考 文 献: 1.藤 本 栄 子 他:出 産 に 関 わ る ケ ア の 質 の 評 価(第2報)-消 費 者 の 視 点,第19回 日 本 看 護 科 学 学,486-487,1999. 2.藤 本 栄 子 他:分 娩 期 ケ ア の 質 の 評 価 一産 婦 と 助 産 婦 に よ る 評 価 の 検 討,日 本 助 産 学 会 誌,9(2),111-114,1996, 3.岸 田 佐 智 他:分 娩 期 ケ ア の 質 の 評 価 一 構 造 変 数 の 実 態, 日 本 助 産 学 会 誌,13(3),96-97,2000。 4.Holzemer,W..L,:米 国 に お け る 各 種 の 看 護 研 究 の 動 向-評 価 研 究 の 定 義 と モ デ ル の 概 念 化,看 護 研 究,4-9,1989, 5.内 藤 和 子 他:分 娩 期 ケ ア の 質 の 評 価 一 助 産 婦 の ケ ア を 構 成 す る 因 子 の 検 討,日 本 助 産 学 会 誌,9(2),107-110.1996. 図1.過 程 変 数と成果 変数の 相関 表1.環 境構 造 変数 と産 婦過 程 変数 ・成 果 変数 との関 連

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8.分

娩 期 モ ニ タ リン グ機 能 に

影響 す る要素 の検 討

京都大 学医療 技術短 期 大学 部 ○柳 吉 桂 子 カリフォルニア大学サンフランシスコ校博士課程 山崎 あけみ 岐阜 県立看 護大学 堀 内 寛 子 Iは じめ に 少 子 化 が進 む 中,女性 に と って 貴 重 な 体 験 とな る出 産経 験 は,安全 性 の 保 証 と共 に,体験 され る こ と が個 人 に と って 意 味 あ る もの か ど うか が 問 わ れ,ま た経 験 が そ の 後 の 育 児 に も影 響 す る と言 わ れ て い る。 助 産婦 は,母子 に と って 生 理 的 現 象 に 近 い 体験 とな るため,身体 的 ・精 神 的 変化 のモ ニ タ リン グを 分娩 に対 して行 って い る。 そ れ らの モニ タ リング は,産婦 や 家族 が不 安感 を抱 か な い よ う に,負担 が 少 な い よ う に配 慮 され て 実施 さ れ る こ とか ら,不 可視 的で 評 価 さ れ に くい 。 本研 究 で は,助産婦 が 行 ってい る産婦 を中 心 と した分 娩期 のモ ニ タ リン グ機 能 の実 態 を 明 らか にす るこ とを 目的 と した 。 II方 法 本研 究 は,帰納 法 的 質 的 因 子探 索 型 に よ る記 述 研 究 で あ る。 京 阪神 の病 院 ・助 産 院 に勤 務 す る 臨 床 経 験5年 以上 の 助産 婦20名 に,分娩期 に効 果 的 な モ ニ タ リン グ機 能 が 発 揮 で きた 事 例 に つ い て,半構 成 型 面接 を 実施 した 。 イ ンタ ビュ ー は 対 象 者 の 同意 の も とに録 音 し,逐語 記録 を作 成 した 後 カ テ ゴ リー の抽 出 を行 った 。 デ ー タ収 集 ・分析 は,8事 例 が終 了 した時 点 で,研究 者 全 員 で 分析 結 果 を検 討 しイ ン タ ビュー ガ イ ドの 修正 を行 った 。 続 く9事 例 のデ ー タ収 集 ・分 析 で は,各研 究 者 は カ テ ゴ リーの 確認 ・カ テゴ リー 間 の関 連性 ・共 通 す る ス トー リー ラ イ ンを見 極 め る こ とを念 頭 にお き行 っ た 。計17事 例 の終 了時 点 で,デー タ の飽 和 を み た が,その後3事 例 の デー タ 収 集 ・分析 を行 い カ テ ゴ リー の飽 和 の確 認 を行 った 。 III結 果 助産 婦 が 分娩 期 に行 って い るモ ニ タ リング機 能 の 実 態 には,モ ニ タ リ ング機 能 を構 成 す る 要 素 と モ ニ タ リング機 能 に影 響 す る要 素 が抽 出 され た 。 1。 モニ タ リン グ機 能 を構 成 す る要素 分 娩 期 に行 って い るモ ニ タ リン グ機 能 を構 成 す る要 素 と して ① 医療 介 入 の タ イ ミ ン グ② 自然 に 産 むカ ③ 分娩 へ の 取 り組 み ④ 信 頼 関係 ⑤ 本 物 の 分 娩 進 行 の5つ の カテ ゴ リー が 抽 出 され た。 そ れ ら は,助 産 婦 が常 に 母子 の 安全 な分 娩 を念 頭 に 置 き, 産婦 の 身体 的 側 面 と同時 に精神 的側 面 も含 め て ホ リス テ ィ ッ ク に。妊 娠 期 か ら分 娩 了 まで の 経 時 的 な変 化 が モ ニ タ リング され て い た 。 ① 医療 介 入 の タ イ ミング 助 産 婦 は,産婦 の 産 む 力 で 安 全 性 が 確 保 さ れ た 分 娩 に な る か ど うか の 予 測 を たて な が ら,どの よ うな 医療 の介 入 が い つ必 要 か をモ ニ タ リング して い た 。 下 位 カ テ ゴ リー と して,胎児 の 予 備 能 力 の 査 定 ・自然 に 任 せ られ る限度 の 見 極 め ・リス クの有 無 が あ った。 ② 自然 に産 む 力 助 産婦 は,産婦 の分 娩 経 過 で の 身体 的 適 応 を モ ニ タ リ ン グ して い た 。 下 位 カ テ ゴ リー と して.自 然 に発 来 して い る 陣痛 に よ る分 娩 の 進 行 度 ・進 行 して い く分 娩 へ の 乗 り具合 ・分 娩 の進 行 に あ った 体 力 の 使 い 方 の適 切 さ ・疲 労 の程 度 ・安楽 の 程度 が あ っ た。 ③ 分 娩 へ の取 り組 み 助 産 婦 は,産婦 の 分 娩 時 の 心 理 社 会 的 適 応 をモ ニ タ リン グ して い た 。 下 位 カ テ ゴ リー と して,分 娩 に対 して 前 向 きか ・恐 怖 心 の 有無 ・どん な分 娩 の イ メー ジ を持 って い るか ・集 中 して い るか ど うか ・ 提示 した い くつ か の方 法 を選 択 で き るか な どが あ った 。 ④ 信 頼 関 係 助 産 婦 は,分娩 の 場 で の 信頼 関 係 を モ ニ タ リン

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グ して い た 。 下 位 カテ ゴ リー と して,助産 婦 の 言 動 や 行 動 に対 す る産婦 の反 応 ・産婦 と家 族(特 に 夫 と実 母)の 分娩 に対 す る意 見 の 一致 度 があ った。 ⑤ 本物 の 分娩 進行 助 産婦 は 確 実 な分 娩 の 開始 ・確 実 な 分 娩第2期 へ の移 行 の 兆 候 を 見極 め るた め ,産婦の身体 を注 意 深 くモ ニ タ リン グ してい た 。下 位 カテ ゴ リー と して,産科 的 変化 と して,児の 下 降 に伴 う子 宮 口の 開大 度や 陣痛 の程 度 の バ ラ ンス ・児 の回旋 ・児 の心 音聴 取部 位 の下 降 があ った。 また産 婦 の行 動 の変 化 と して,声かけ な どの 対 応 の 変化 ・分 娩 に 対 す る 集 中 の仕 方 の 変化 ・産痛 部 位 の変 化 に 伴 う呼 吸 法 や マ ッサー ジ部 位 の 変 化 があ り,身体 症 状 の 変化 と して,嘔気 や 嘔吐 の有 無 ・眠 気 の 有 無 ・発 汗 の有 無・腰 部 の張 り・い きみ の程 度 ・肛 門部 圧 迫感 の程 度 が あ った 。 これ らは,助産婦 が 産婦 の そば で産 通 緩和 な どの サ ボー トを行 い な が ら,でき る だ け 多 く本 物 の分娩 進 行の 徴候 をモ ニ タ リングす る様 子が表 現 され た。 2.モ ニ タ リン グ機 能 に影響 す る要素 助 産婦 は,モニ タ リ ング機 能 に 影響 す る要 素 と して,⑥助 産 婦 と医 師 との信 頼 関係 ⑦ 産 婦 と関 わ った時 間 の2つ が抽 出 され た 。 ⑥ 助産 婦 と医 師 との信 頼 関係 助産 婦 のモ ニ タ リン グ を効 果 的 に機能 す るた め には,医師 との 相 互 の 信頼 関 係 が 存在 して い る か ど うか に よ って影 響 され る と述 べ てい た。 下位 カ テ ゴ リー と して,医師 が助 産 婦 の 判 断 を信 頼 して い るか ど うか ・助 産 婦 と医 師 の責 任 の 範 囲 が相 互 理解 されて い るか ど うか が あ った 。 ⑦ 産 婦 と関 わ った 時 間 助 産婦 が産 婦 に とって 的確 なモ ニ タ リング行 う た め には,産婦 と関 わ った 時 間 の 長 さ に影 響 され る と述 べ て いた 。 下 位 カ テ ゴ リー と して,妊娠 期 か らの関 わ りで そ の人 の対 処 パ ター ンを知 ってい る こ と ・分 娩 期 とい う期 間で 産 婦 の 全体 像 を理 解 す るた めの時 間 が述 べ られた 。 3.分 娩期 のモ ニ タ リング機 能 の実 態 助産 婦 は,図1の ご と く,産 婦 を中心 と したモ ニ タ リン グ を行 い,④ 信 頼 関 係 を築 き② 自然 に 産 む 力 と③ 分 娩 へ の 取 り組 み を,①医 療 介 入 の タ イ ミ ング との バ ラ ンス を と りな が ら,⑤本物 の分 娩 進 行 を見 極 め るモ ニ タ リング を行 って いた 。 そ の経 過 の 中 で,で き るだ け⑦ 産婦 と関 わ る時 間 を 持 つ た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン技 術 を使 っ て い る こ と を 表 現 し て い た 。 図1分 娩 期モニタリング機 能の 実態 IV考 察 先 行 研 究 で は,分娩 期 の モ ニ タ リ ング ケ ア を測 定 す る因 子 と して,母子 の 安 全 を保 障 す るた め に 問題 を予 知 す る こ とをあ げて い る1)。本 研 究 で も, 医 療 介 入 の タイ ミン グ と して カ テ ゴ リー 化 され, 安 全 な助 産 ケア を提 供 す る ため に どの よ うにモ ニ タ リン グ して い るか が 表 現 され た 。 特 に,本研 究 の 助 産 婦 達 が 共 通 して 中 心 的 に 取 り上 げ た 話 題 は,安全 な 分 娩 だ けで は な く,安楽 で 満 足 の ゆ く出 産体 験 とな る こ とを重 要 と して い た。 産婦 との 信 頼 関 係 を築 き,でき るだ け 産 婦 と共 の 時 間 を過 ご し,産婦 の 自然 に産 む 力 を最 大 限 に発 揮 で き る よ う に,分娩 へ の 取 り組 み に沿 うこ とが で きる よ う にモ ニ タ リン グ して い た 。 そ の 中,自然 に産 む 力 や 分娩 へ の取 り組 み を医療 介 入 の タイ ミン グ との バ ラ ンス を と り,その バ ラ ンス の 傾 き を決 め る き っか け とな る本物 の 分娩 進 行 を注 意 深 くモ ニ タ リ ン グ して い た 。 そ の た め,産婦 の 自然 に産 む 力 や 分 娩へ の取 り組 み を 守 る ・温 存 す る ・回復 す る ・強 め る・阻害 因子 の除 去 す るた め,食事の 摂 取 を促 す ・シ ャ ワー 浴 や足 浴 を勧 め る ・睡眠 の環 境 作 り・適 切 な時 期 の排 泄 を促 す ・夫 の サ ポ ー トの調 整 等 の 助 産 ケ ア が展 開 され て いた 。 モ ニ タ リング を行 う た めに,普 段 か らの⑥ 医師 との信 頼 関係 を築 け る 環 境 をつ くって い た。 【参 考 文 献 】 1)内 藤 和 子 他:分 娩 期 の ケ ア の 質 の 評 価 一助 産 婦 の ケ ア を 構 成 す る因 子 の 分 析,日 本 助 産 学 会 誌,107-110,9(2),1996, (本研究は平成11・12年文部省科学研究費補助の助成を受けて実施した)

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9.出

産 の 想 起 に 関 す る 研 究

-出 産 体験 の ふ りか え りと母 親 の セ ルフ ・エ ステ ィー ムの安 定性 につ いて-名古 屋市 立大学 看護学 部 ○北 川 眞理 子 中 嶋 律 子 県立 長崎 シー ボル ト大 学 内 山 和 美 I.は じめ に 女 性 に とっ て 出産 は 自己実 現 の場 とも な り, 出産 体 験 は母 親 と して の役 割 を 果 た して い くた め に重 要 な意 義 を もつ も の で あ る。妊 娠 ・出 産 は 個 人差 が大 きい 出来 事 で あ り,特 に分 娩 期 に は,知 識 や 予 想 と実 際 の体 験 との 間 に ず れ が生 じや す く,陣 痛 へ の感 じ方 ・反 応 は産 婦 に よ っ て さ まざ まで あ る。 セ ル フ ・エ ス テ ィー ムは 従 来 「人 格 性 の絶 対 的 価 値 す な わ ち 尊 厳 を 自 己 にお い て 認 め る意 識 」 と い う意 味 か ら,古 くは 道 徳 的 動 機 と して 哲 学 的 ・倫 理 的 立 場 か ら論 じられ て きた 。 心 理 学 的 に は 「自 己評 価 の 感 情 」 と して と ら え られ て い る。 この セ ル フ ・エ ス テ ィー ムの 安 定 性 は どの よ うに 解 釈 され るべ きな の か 。 本 研 究 は 出 産 後 の 母親 の 自尊 感 情 の 安 定 性 を維 持 す る重 要 性 と方 法 に つ い て 出 産 体 験 の ふ りか え りをふ ま え て,明 らか に す る こ と を 目的 と して 行 った 。 II.方 法 1.調 査 期 間:平 成12年2月10か ら平成12 年6月30日 2.対 象:出 産 目的 で 入 院 し,出 産 した産 婦30 名(妊 娠22週 以 前 の 出産,死 産 は 除 く)。 3.方 法 1)参 加 観 察 法:出 産 の ふ りか え りは 出 産 後2 時 間 以 内 に 第1回 を実 施 し,産 褥2∼3日 目に 第2回 目 を実 施 した 。ふ りか え りを実 施 す る者 は 分 娩 期 に 産 婦 に関 わ っ た担 当助 産 婦 と した 。 産 婦 の 了解 を得 られ た24名 に つ い て は テ ー プ 2)質 問 紙 法:自 由記 述 に よ る用 紙 を ふ りか え り後 に 配 布 し,翌 日回 収 した 。 4.倫 理 的 配 慮 質 問 紙 配 布 時 に プ ラ イバ シ ー の 確 保 な らび に 調 査 協 力 に 同意 せ ず と も不 利 益 を被 らな い 点 を 伝 え,氏 名 記 載 は対 象 者 自 身 が 決 定 で きる よ う に した 。 III.結 果 対 象 者30名 の うち,2回 目 の 調 査 と 質 問紙 の 回 収 が終 了 した28名 に つ い て 分 析 した 。 1.対 象 の 属 性 初 産 婦15名(53.6%),経 産 婦13名(46.4%) で あ った 。 平 均 年 齢 は29.6歳 で あ った 。 流 早 産 の既 往 が あ る 者 は13名(46.4%)で あ り,そ の う ち69.2%の 者 が 初 め て の 既 往 体 験 を して い る 。 分 娩 期 が 正 常 な 経 過 で あ った 者 は82.1%で あ り,産 褥 期 に正 常 な 経 過 で あ っ た 者 は96.4 %で あ っ た 。 新 生 児 は健 康 な 状 態 で 出 生 した 。 子 宮 内胎 児 発 育 不 全 の 診 断 は14.2%で あ った 。 2.出 産 後 の 想 起 出 産 直 後 か ら2時 間 以 内 の レ ビ ュ ー か ら は 「喜 び 」 「感 動 」「達 成 」 「疲 労 」 「自 由」 とい う 心 的 な 開 示 を 示 した 。 産 褥2∼3日 目 に実 施 した レ ビ ュー で は 「喜 び 」 「感 動 」 「疲 労 」 「苦 痛 」 「不 十 分 」 「反 省 」 な どマ イ ナ ー な 感 情 と評 価 内容 が 現 れて き た 。 質 問 紙 か ら も 自分 の 出産 体 験 の過 程 を 明確 に

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け入 れ られ な い 状 況 にあ る母 親,出 産 の体 験 を 良 い体 験 で あ った と肯 定 しよ う と して い る母 親 の 姿勢 が伺 え た 。 3.自 己評 価 に 関 して 出 産 を乗 り き っ た 能 力 に 対 す る 自己 評 価 を 「過 大評 価 」 と 「過 小 評 価 」 に大 き く二 分 類 し た 。産 後2日 目で は 心 理 的 な 援 助 を必 要 と判 断 し得 る 母親 の73%は 自 己 を過 小 に評 価 し,セ ル フ ・エ ス テ ィー ム の 低 い 人 た ち で あ った 。産 褥期 の 生活 に 対 して 劣 等 感,不 適 当感,無 価 値 感 お よ び 不 安 と して 経 験 され て い る 。現 実 の 行 動 と して は,対 児 感 情 の 低 下,日 常生 活 行 動 に 積 極 性 を 欠 く抑 うつ 状 態 と して の 傾 向 を示 し た 。 産 後3日 目 に肯 定 的 自 我 の 確 立 に む け た 関 わ りを行 う こ とで 母 親 の育 児 へ の 関 わ りが フ レキ シ ブル な も の と な る 。 そ の時 の 母親 の 自分 自身 に 向け られ る感 情 は 「好 ま しい 」 もの とな るに つ れ,気 持 ち は 外 に 向 け られ て い った 。 4.セ ル フ ・エ ス テ イー ム の 安定 性 出 産 時 の 現 実 の 自分 に つ い て の 評 価 と理 想 自 己 につ い て の 評 価 との あ い だ の ず れ の 小 さ い母 親 は 自分 に 対 す る 自 己評 価 と同室 の他 の母 親 に 対 す る 評価 を同 じよ う に変 化 させ,相 対 的 な位 置 関 係 を維 持 しよ う と す る傾 向 が あ っ た 。 IV.考 察 産 後 の レ ビュ ー 実 施 に関 して は 本 調 査 結 果 か ら出産 体 験 を 「喜 び」「苦 痛 」「疲 労 」「努 力 」「達 成 」 と い っ た 両 価 性 の 表 出 が み られ る産 後2∼ 3日 目 に実 施 す る こ との 意 義 は 自 己評 価 との 関 連 性 にお い て 重 要 な 意 味 を もつ もの で あ る 。 産 婦 の周 囲 に 位 置 す る家 族 や 医 療 関 係 者 の 人 間関 係 に何 らか の 困 難 さ を生 じた 場 合 や 出産 に 関 わ った 者 の評 価 の あ り方 の 経 験 な どは,次 第 に 母 親 自身 の も つ セ ル フ ・エ ス テ ィー ム を根 底 か らゆ さ ぶ る こ とに な る 。 自 己 を 「過 大 評 価 」 「過 小 評 価 」 す る こ と, な か で も過 小 評 価 す る こ とに よ って,抑 うつ 状 態 に 落 ち 込 む か,引 っ込 み 思 案 に な り親 業 の 遂 行 が 弱 くな る。 こ の過 大 ・過 小 評価 の 両極 の 絶 え 間 な い 動揺 に よ って 育 児 へ の 不 安 が起 こ る も の と考 え られ る 。 セ ル フ ・エ ス テ ィー ムの 安 定 性 に つ いて は現 実 の 自己 と理 想 自己 の ず れ を 小 さ くす る こ との 理 論 的 見 解 を認 め る とす れ ば,母 親 の 相 対 的 位 置 を維 持 す る た め に は 重 要 な 要 素 とな り得 る。 現 実 自 己 と理 想 自己 の ず れ の 大 きな 母 親 は,他 の 母 親 や 看 護 者 に 対 して も 自 己評 価 過 程 にお い て 防 衛 的 で あ り,相 対 的 位 置 を上 げ よ う と す る 傾 向 があ る 。 自尊 感 情 の ず れ は 自尊 感 情 の 安 定 度 に 関 連 し た も の と考 え る ウ ェ ル ズ ら(Wells,1986)の 主 張 と一 致 す る も の で あ る。 助 産 婦 の分 娩 時 の 関 わ りは産 婦 の バ ー ス ・プ ラ ン も し くは理 想 と描 く出産 時 の様 子 や 想 い に 対 して,少 しで も産 婦 の 望 む 状 況 へ と導 くた め に援 助 を惜 しま な い こ と に あ ろ う。 産 婦 は 自 ら も 「出 産 へ の 主体 性 」 と 「努 力 」 を もち 助 産 婦 ら専 門家 の ア ドバ イ ス に耳 を傾 け,実 現 へ 向 か って 行 動 を と る に 至 る。 セ ル フ ・エ ス テ ィー ム の 安 定 性 は 自己 評 価 の 揺 れ を 少 な くす る た め に も重 要 で あ る 。 さ ら に,出 産 体 験 の ふ りか え りは 現 実 自 己 と 理 想 自 己 の ずれ を 小 さ くす る上 で も 大 切 な イベ ン トとな ろ う 。 母 親 が 産 後 に 自己 を 過 小評 価 す る こ とな く, セ ル フ ・エス テ ィー ム の 相 対 的 位 置 関係 を維 持 す る こ とで 過 度 な 劣 等 感,不 適 当感,無 価 値 感 お よび 不 安 と い っ た 要 素 を コ ン トロ ー ル す る方 略 が 出 産 の 想 起 お よ び ふ りか え りに含 まれ て い る こ と を強 調 した い 。 参 考 文 献 1)平 岡 夫 美 子 ほ か:ふ りか え り場 面 に お け る 出産 体 験 の 経 験 化 の 援 助,母 性 衛 生,37(4), 430-435,(1996). 2)我 部 山 キ ヨ子:産 通 の 想 起,日 本 看 護 科 学 学 会 誌,13(3),186-187,1993. 3)和 田 サ ヨ子,近 藤 潤 子:出 産 後 の 想起 (Review)に よ る産 婦 の 妊 娠 出 産 過 程 に お け る情 緒 の 分 析,日 本 看 護 科 学 学 会 誌,6(3), 11-21,1986.

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10.マ

ウ ス に お け る臍 帯 切 断 時 期 と

仔 の活 動 性 につ いて

愛 知医科 大学看 護学 部 ○鈴 木 和 代 名古屋大 学医 学部 保健学 科 玉里 八重 子 小木 曽助 産学 研究 所 小木曽みよ子 Iは じめに 哺乳 動 物 の種 に よる違 い は あ るもの の,生 殖 の 原 理 は 同 じで あ る こ とか ら,我 々 は これ まで にマ ス の胎 盤 の組 織構 造1)2)や 分 娩行 動3)に 関す る研 究 発表 を して きた 。 マ ウス にお い て も胎仔(仔 は 人の 児,子 に あた る)は 人 の胎 児 と同様 に独 自の 循 環 システ ム を構 築 して い る。 出生 時 に は肺 へ初 めて 外界 か らの酸 素 が吸 い込 ま れ て,胎 内循 環 か ら肺循 環 へ と移 行 す る。 そ の移行 時 期 の酸 素 供給 源 と して,臍 帯 ・胎盤 循 環 の役割 は重 要 と考 える。 近年 わ が 国 にお い て は,臍 帯 血流 を遮 断 させ る こ と(本 研 究 で は臍帯 切 断 を さす)が 新生 児 の第 一 啼 泣 を促 す こ とや,新 生 児 の多 血症 及 び病 的黄 疸 を予防 す る とい うこ とか ら,出 産直 後 に臍 帯血 流 を遮 断 させ るこ とが重 要 視 され る傾 向 に あ る。 一 方、「WHOの59か お産 の ケア実 践ガ イ ド」 で は 「十 分 な確 証 が な いの で,ま だ はっ き りと勧 め る ことが で きない こ と」 と して,「へ そ の緒 を早 期 に結 紮 す る こ と」4)を あ げ警 告 して い る。 本研 究 は,適 切 な臍 帯 切断 時 期 を知 る手 がか り と して,マ ウス にお け る臍 帯切 断 時期 と仔 の活 動 性 に 関す る実 験 を行 っ た の で報 告 す る。 II方法 分 娩 ま じか の胎齢18日 の妊娠 マ ウス を ジ ・エチ ルエ ー テル 麻 酔 下で 開腹 して子 宮 ごと全胎 仔(14 胎)を 取 り出 し,2名 の術 者 で全仔 の卵 膜 を一 斉 に 破 膜 し,出 生 直後,1分 後,3分 後,5分 後,10 分後 に分 け て各2仔 づ っ臍 帯 切断 を行 っ た。 ま た 仔 の 出生後 にお け る状 態 を把握 す るた め に,臍 帯 時 間 まで 出生 仔 の ビデ オ撮 影 を行 っ た。 さ らに 出 生 後2時 間後 に仔 の肺 を取 り出 し組 織 観察用 に固 定 液 に保 存 した。 樹 脂包 埋 後超 薄 切 片 を作 成 して 肺 胞 の 光学 及 び 電 子 顕微 鏡 観 察 を行 っ た。 III結果 臍帯 切断15分 後 の仔 の呼吸 数 は表1に 示 した。 出生仔 の呼吸 数 及び 活動 性 を観 察 した結果,切 断 時期 との関連 は な か った。 ま た,前 に発表 したマ ウスの 自然 出産 を ビデ オ撮 影 して観 察 した もの と 比べ て も違 いは認 めな か った。 なお,マ ウスの第 一啼 泣時 間 は判 明 しにく いた め,今 回 は調 査 よ り はず した 。 表1臍 帯切断15分 後 の出生仔の呼吸数 臍帯 切断 時期 呼吸数 次 に出生 後2時 間後 にお け る仔 の肺胞 形成 の 状 況 を臍 帯切 断時 期 ご とに検 討 した。 図1で は出生 直 後(A)と10分 後(B)の み示 した が,ど の時 期 に お いて も大 きな変 化 は認 め なか った。 図2は 図1で 示 した10分 後 の肺 胞 を電子 顕微 鏡 で観察 した もの で あ る。破膜 後10分 間 その まま放 置 した に も関 わ らず,肺 胞形 成 は 十分 され てお り,肺 胞 腔 に隣 接 した 毛細 血 管 が あ り,酸 素 を吸 収 しや す い状 態 で あ る こ とが わ か る。 なお,今 回図 に は示 して ない が,サ ー フ ァク タ ン ト産 生細 胞 にお いて も臍 帯切 断 時 期 に よる変 化 はな か っ た。

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図1マ ウス 出 生仔 の肺 の 光 学顕 微 鏡 像 肺 胞 腔 が 見 え る。 A:出 生 直後 、B:10分 後 自然 分娩 重視 の助 産所 な どで は臍 帯 拍動 停止 を 待 って臍 帯 切断 を行 って い る ところ が多 い。 ま た 異常 の な い限 り切 断 時 期 に こ だ わ らず,早 期 母 子 ・父子 接 触 を重 要 し,切 断 前 に母 親 に児 を抱 か せ た り,臍 帯切 断 に父親 を参加 させ てい る と ころ もあ る。 しか し,病 院 出産 で は,出 産 直後 の まだ 児 の第一 呼吸 が始 ま って いな い時期 に臍 帯 血流 遮 断 を行 って い るの が一般 的 で あ る。 一刻 も惜 しん で臍 帯血 流 を遮 断 した り,気 道吸 引をす る こ とは, 自然 に備 わ った 胎児 循環 か ら肺 循環 へ の移 行 の メ カ ニ ズム を無 視 す る こ とにな りは しな い か。 マ ウス の 自然 な分 娩行 動 を観 察 した我 々 の先 の 研 究 では,臍 帯切 断 の時 期 は胎盤 を食べ 終 わ る時 であ り,出 生 か らの 時間 は個 々 の新 生仔 で は異 な って いた が,10分 も放置 す る こ とはな かっ た。 今 回 の実験 で は,出 生時 点 では既 に 子宮 動脈 は切 断 され,母 体 か らの 血流 は途 絶 えた状 態 で あ り, 自然 な出産 の よ うに母 親 が仔 をなめ まわ す行 動 も な く,14匹 もの仔 が臍帯切 断時 期 に関 わ らず元気 で あ った。 この こ とか ら,動 物 種 に よる違 いは あ るもの の,哺 乳 動物 のほ とん どは母体 の み の無介 助 出 産 で あ り,出 産 に備 えて胎 仔(児)循 環 か ら 肺 循 環 への移 行 システ ム は多様 なア ク シデ ン トに 図2マ ウス 出生 仔 の肺 胞 の 電 子顕 微 鏡 像 (出生 後10分 後) 肺 胞 腔 に面 して薄 い肺 胞 上 皮 細胞 が あ る。 隣接 す る毛細 血 管 に は赤 血球 が 充 満 して い る。 Vま とめ マ ウス にお いて臍 帯 切 断時 期 と仔 の活 動 性 に 関 す る実 験 を行 った。 そ の結 果,臍 帯切 断時 期 に 関 わ らず,出 生 仔 の全身 状 態,出 生2時 間後 の肺胞 形成 に お いて 差 は認 め なか っ た。 この こ とは 人為 的介 入 の 多い 人 の分娩 のあ り方 に 多 くの示 唆 を 与 え る もので あ る。 最 後 に,実験 の ご指導 をい ただ いた名 古屋 大 学 医 学部 解剖 学 第 二講座 の小 林身 哉 助教 授 に感 謝 しま す。 引用 文 献

1) Kazuyo Suzuki, Miya Kobayashi et al. Structural and functional change of blood

vessel labyrinth in maturing placenta of mice.Trophoblast Research 9;155-164,1997. 2) Kazuyo Suzuki, Miya Kobayashi e t

al. Placental histology in twin-twin transfusion syndrome (TITS) in the mouse,

Trophoblast Research 13; 485.491,1999. 3)鈴 木 和 代,小 木 曽 み よ子 他:マ ウ ス 多 胎 妊 娠 に お け る胎 盤 の 構 造 と そ の分 娩 行 動 につ い て.母 性 衛 生39(1),4-8,1998. 4)WHO:WHOの59か 条 お 産 の ケ ア 実 践 ガ

参照

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