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β位修飾反応を利用した新規ポルフィリン多量体の合成

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Synthesis of New Porphyrin Oligomers Utilizing βFunctionalization Reactions( Abstract_要旨 ). Tokuji, Sumito. Kyoto University (京都大学). 2013-03-25. http://hdl.handle.net/2433/175146. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) ( 続紙 1 ) 京都大学. 論文題目. 博. 士(理. 学). 氏名. 德地. 澄人. Synthesis of New Porphyrin Oligomers Utilizing  -Functionalization Reactions (β位修飾反応を利用した新規ポルフィリン多量体の合成). (論文内容の要旨) ポルフィリン多量体は、光合成中心のモデル分子として、あるいは新規機能性分子 創成の観点から関心を集めており、様々な合成例が報告されている。特に近年、β位 ホウ素化ポルフィリン合成法が開発され、β位同士を架橋基でつないだ多量体の合成 が可能になった。実際、種々のβ位架橋ポルフィリン多量体が報告されている。申請 者はより新規性の高いβ位架橋ポルフィリン多量体の創成と物性の発現を目的として 研究に着手した。特にこれまで報告された多量体のほとんどはアリール基で架橋され たものであることをふまえて、架橋鎖としてメチレン鎖あるいはブタジインに焦点を 当て、多量体合成法の確立とその物性発現を試みた。さらに新たなβ位修飾反応とし て、パラジウム触媒を用いたポルフィリンβ位直接アリール化反応が報告された。こ の反応はメゾ無置換ポルフィリンのβ位に効率よくアリール基を導入することができ るが、メゾ位に官能基を有するポルフィリンに対しては、その反応性、位置選択性と もに未知であった。申請者はこの反応を、メゾ位にホルミル基を有するポルフィリン に適用し、さらに得られたアリール化体のホルミル基を足がかりにして新規多量体合 成を試みた。 β 位 ホ ウ 素 化 ポ ル フ ィ リ ン か ら 得 ら れ た β –モ ノ ア セ チ ル ポ ル フ ィ リ ン に 対 し て ジ ヨードサマリウムを用いたピナコールカップリングと、続く酸性条件下での転位を行 うことによりβ位同士が一つのメチレン鎖で架橋されたポルフィリン二量体の合成に 成功した。さらに強酸を作用させると、メゾ位・β位それぞれが一つのメチレン鎖で 架橋されたテトラヒドロペンタレン縮環ポルフィリン二量体が生成することを見出だ し た 。そ の 二 つ の ポ ル フ ィ リ ン ユ ニ ッ ト は 空 間 的 に 互 い に 近 接 し て い る た め 、 sp 3 炭 素 原子で架橋されているにも関わらず共役のつながりがあることを明らかにした。 β 位 ホ ウ 素 化 ポ ル フ ィ リ ン か ら 得 ら れ た β ,β ’–ジ エ チ ニ ル ポ ル フ ィ リ ン か ら 、 パ ラ ジウム触媒を用いた酸化的カップリングによりブタジイン架橋ポルフィリン三量体が 高 収 率 で 生 成 す る こ と を 見 出 だ し た 。 同 様 の 基 質 に 対 し て 銅 を 用 い た Glaser カ ッ プ リ ングを行うと、三量体ではなくブタジイン架橋ポルフィリン二量体が生成することが 既に報告されている。この選択性の違いは炭素− 炭素結合形成時における反応機構の 違いに由来すると考えられる。通常、環状多量体の高効率な合成は難しい。この三量 化反応は、環状多量体の新たな高効率合成法として期待できる。 パ ラ ジ ウ ム 触 媒 を 用 い た ポ ル フ ィ リ ン の 直 接 ア リ ー ル 化 反 応 を メ ゾ –ホ ル ミ ル ポ ル フィリンに対して適用したところ、ホルミル基を保持したままβ位がモノアリール化 されることを見出だした。さらに、得られたβ− アリール− メゾ− ホルミルポルフィ リ ン に 対 し て McMurry カ ッ プ リ ン グ を 適 用 す る こ と に よ り 、 新 規 ビ ニ レ ン 架 橋 ポ ル フ ィリン二量体を合成することに成功した。β位にアリール基がないビニレン架橋ポル フィリン二量体に比べて、その紫外可視吸収スペクトルでは大きな長波長シフトが見 られた。これはβ位に導入されたアリール基がビニレンとポルフィリンのなす二面角 の変動幅を制限するため、より効果的にπ共役が拡張したためであると考えられる。.

(3) (続紙 2 ) (論文審査の結果の要旨) ポ ル フ ィ リ ン 多 量 体 は 、光 合 成 中 心 の モ デ ル 分 子 と し て 、あ る い は 新 規 機 能 性 分 子 創 成 の 観 点 か ら 関 心 を 集 め て お り 、様 々 な 合 成 例 が 報 告 さ れ て い る 。特 に 近 年 、β 位 ホ ウ 素 化 ポ ル フ ィ リ ン 合 成 法 が 開 発 さ れ 、β 位 同 士 を 架 橋 基 で つ な い だ 多 量 体 の 合 成 が 可 能 に な っ た 。申 請 者 は 架 橋 鎖 と し て メ チ レ ン 鎖 あ る い は ブ タ ジ イ ン を 用 い て 、新 規 性 の 高 い β 位 架 橋 ポ ル フ ィ リ ン 多 量 体 の 創 成 と 物 性 の 発 現 を 行 っ た 。ま た 、新 た な β 位 修 飾 反 応 と し て 、パ ラ ジ ウ ム 触 媒 を 用 い た ポ ル フ ィ リ ン β 位 直 接 ア リ ー ル 化 反 応 が 報 告 さ れ て い る 。申 請 者 は こ の 反 応 を 、メ ゾ 位 に ホ ル ミ ル 基 を 有 す る ポ ル フ ィ リ ン に 適 用 し 、さ ら に 得 ら れ た ア リ ー ル 化 体 の ホ ル ミ ル 基 を 足 が か り に し て 新 規 多 量 体 合 成を行った。 申 請 者 は β –モ ノ ア セ チ ル ポ ル フ ィ リ ン に 対 し て ジ ヨ ー ド サ マ リ ウ ム を 用 い た ピ ナ コ ー ル カ ッ プ リ ン グ と 、続 く 酸 性 条 件 下 で の 転 位 を 行 う こ と に よ り β 位 同 士 が 一 つ の メ チ レ ン 鎖 で 架 橋 さ れ た ポ ル フ ィ リ ン 二 量 体 の 合 成 を 行 っ た 。さ ら に 強 酸 を 作 用 さ せ る と 、メ ゾ 位・β 位 そ れ ぞ れ が 一 つ の メ チ レ ン 鎖 で 架 橋 さ れ た テ ト ラ ヒ ド ロ ペ ン タ レ ン縮環ポルフィリン二量体が生成することを明らかにした。その縮環二量体におい て 、 二 つ の ポ ル フ ィ リ ン ユ ニ ッ ト は 空 間 的 に 互 い に 近 接 し て い る た め 、 sp 3 炭 素 原 子 で架橋されているにも関わらず両者に共役のつながりがあることを明らかにした。 申 請 者 は β ,β ’–ジ エ チ ニ ル ポ ル フ ィ リ ン に 対 し て パ ラ ジ ウ ム 触 媒 を 用 い た 酸 化 的 カップリングによりブタジイン架橋ポルフィリン三量体が高収率で生成することを 明 ら か に し た 。 同 様 の 基 質 に 対 し て 銅 を 用 い た Glaser カ ッ プ リ ン グ を 行 う と 、 三 量 体ではなくブタジイン架橋ポルフィリン二量体が生成することが既に報告されてい る 。こ の 選 択 性 の 違 い は 炭 素 − 炭 素 結 合 形 成 時 に お け る 反 応 機 構 の 違 い に 由 来 す る と 考 え ら れ る 。通 常 、環 状 多 量 体 の 高 効 率 な 合 成 は 難 し い 。こ の 三 量 体 の ブ タ ジ イ ン 部 位 は 硫 化 ナ ト リ ウ ム に よ り チ オ フ ェ ン へ と 変 換 す る こ と が 可 能 で あ る た め 、環 状 多 量 体を高効率に合成する一つの手法として有望である。 さ ら に 、申 請 者 は パ ラ ジ ウ ム 触 媒 を 用 い た ポ ル フ ィ リ ン の 直 接 ア リ ー ル 化 反 応 を メ ゾ –ホ ル ミ ル ポ ル フ ィ リ ン に 対 し て 適 用 す る と 、 ホ ル ミ ル 基 を 保 持 し た ま ま β 位 が モ ノ ア リ ー ル 化 さ れ る こ と を 明 ら か に し た 。さ ら に 、得 ら れ た β − ア リ ー ル − メ ゾ − ホ ル ミ ル ポ ル フ ィ リ ン に 対 し て McMurry カ ッ プ リ ン グ を 適 用 す る こ と に よ り 、 新 規 ビ ニ レ ン 架 橋 ポ ル フ ィ リ ン 二 量 体 を 合 成 す る こ と に 成 功 し た 。β 位 に ア リ ー ル 基 が な い ビ ニ レ ン 架 橋 ポ ル フ ィ リ ン 二 量 体 に 比 べ て 、そ の 紫 外 可 視 吸 収 ス ペ ク ト ル で は 大 き な 長 波 長 シ フ ト が 見 ら れ た 。こ れ は β 位 に 導 入 さ れ た ア リ ー ル 基 が ビ ニ レ ン と ポ ル フ ィ リ ン の な す 二 面 角 の 変 動 幅 を 制 限 す る た め 、よ り 効 果 的 に π 共 役 が 拡 張 し た た め で あ ると考えられる。 以 上 の よ う に 申 請 者 は ポ ル フ ィ リ ン 多 量 体 に 関 す る 研 究 を 発 展 さ せ た 。よ っ て 、本 論 文 は 博 士( 理 学 )の 学 位 論 文 と し て 価 値 あ る も の と 認 め る 。ま た 、平 成 2 5 年 1 月 15日論文内容とそれに関連した口頭試問を行った。その結果合格と認めた。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日以降.

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