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特 集 日常診療にすぐに役立つ CT/MRI の基礎と活用法 中枢神経系疾患 1.CT/MRIによる診断的有用性 1-3. 脱髄疾患の画像診断 崔朝理, 三木幸雄 大阪市立大学大学院医学研究科放射線診断学 IVR 学 Magnetic Resonance Imaging of Demyelinati

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(1)

日常診療にすぐに役立つCT/MRIの基礎と活用法 —中枢神経系疾患—

はじめに

脱髄疾患の画像診断において、主に重要な役割を果た すのは磁気共鳴画像(

MRI

)である。

MRI

による脱髄病変 の検出感度は高く、典型的な画像所見を呈する場合は

MRI

での診断は容易であるが、非典型的な画像を呈した 場合や病変数が少ない場合は、画像のみで他の疾患(炎 症性疾患、腫瘍性疾患、脳血管障害)や加齢性変化と鑑 別するのは必ずしも容易でない。実際の日常臨床では、 患者の背景や病状の進行速度および臨床所見を考慮した 上で、

MRI

での病変の分布、形態を評価し総合的に診断 に至ることも多い。脱髄疾患の代表である多発性硬化症 (

multiple sclerosis: MS

)では、国際診断基準である

McDonald

診断基準に

MRI

所見が組み込まれ、診断に重 要な役割を担っている1)。また

MS

においては、その病 巣検出感度の高さから、

MRI

が早期発見・早期治療によ

1.CT/MRIによる診断的有用性

1-3.脱髄疾患の画像診断

崔 朝理,三木 幸雄

大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・

IVR

学 る予後改善を目指すための重要な「

paraclinical test

」と して確立されている2)。さらには、病態の把握や臨床試 験の効果判定などの目的で

MRI

の定量研究が盛んに行わ れており3-5)

MRI

は「

imaging biomarker

」としても注 目されている6)。本稿では、

MS

とその鑑別すべき疾患を 中心に、

MRI

撮像法の実際と画像診断の進め方を述べる。

多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)

1.MSの疾患概念と画像診断について 1)疾患概念および診断基準

MS

は白質の血管周囲への炎症細胞浸潤と脱髄を特徴 とする、中枢神経系の炎症性脱髄疾患である。髄鞘に対 する細胞性免疫機序が主な原因とされるが、障害機序の 詳細は未だ不明である。

MS

に特異的な初発症状はなく、 病変の部位により多彩な神経症状を呈する。最近の全国

Magnetic Resonance Imaging of Demyelinating Diseases

Asari Sai, M.D., Yukio Miki, M.D., Ph.D.

Summary

Magnetic resonance imaging (MRI) has been established as the most powerful tool for di-agnosing demyelinating diseases. In addition, it is increasingly being used for monitoring disease activity, disease progression, and therapeutic effects, and is now recognized as offer-ing an “imagoffer-ing biomarker” for demyelinatoffer-ing diseases, particularly multiple sclerosis. Non-conventional MRI techniques, including double inversion recovery imaging, diffusion-weighted imaging, magnetization transfer imaging, magnetic resonance spectroscopy and susceptibility-weighted imaging, provide further information regarding subtle pathological changes in demyelinating diseases. Furthermore, MRI has been making ongoing contribu-tions to our understanding of the pathogenesis involved in these diseases. This review covers recent advances in MRI, both as a diagnostic tool and as an imaging biomarker for demyelin-ating diseases.

Department of Diagnostic and Interventional Radiology, Osaka City University Graduate School of Medicine

NICHIDOKU-IHO Vol.59 No.2 55-72 (2014)

(2)

診断基準として現在国際的に広く用いられている

McDonald

診断基準は

2010

年に

2

度目の改定がなされ1)

臨床的に

CIS

でも

MRI

基準を満たす病変があり、

MRI

上 の再発(同時期に

Gd

増強病変と非増強病変が混在)が証明 されれば

MS

と診断し得るとされた。また、アジア、ラ テンアメリカ地域または小児例においても適応が可能に なったことや、治療方針の異なる視神経脊髄炎(

neuro-myelitis optica: NMO

)を除外することの重要性も記さ

れている。改定された

McDonald

診断基準における、空 間的・時間的多発性に関する

MRI

基準を以下に記す。 (a)空間的多発性に関するMRI基準 脳室周囲・皮質近傍・テント下・脊髄のうち

2

つ以上の領 域において、それぞれ

1

個以上の

T2

強調像で高信号を呈 する病巣が認められる(

Gd

造影病巣の有無は問わない。 脳室周囲ではない深部白質は含まれないことに留意)。 (b)時間的多発性に関するMRI基準 下記のうちいずれかを満たす。 ①基準となる

MRI

(初回発作時から規定の時期に撮像 されていなくても、どの時期でもよい)と比べて、 再検した

MRI

で新たな

T2

病巣または造影病巣が認 められる。 ②ある時点において、無症候性の

Gd

造影病巣と非造 影病巣が同時に認められる(

1

回の

MRI

でも診断が可 能)。 日本人(アジア人)の

MS

における特徴は、通常型の

MS

でも脳病変が欧米に比べて少ない、小脳病変が特に少な いことなどが挙げられる。欧米では、

MS

患者のうち、

2

5

%が小児期に発症するといわれるが10)、本邦では

15

歳前発症の頻度は全体の

6.3

%であり、欧米より若干高 い11、12)

6

歳以下では男女差はなく、急性脳炎様症状で 発症することがある13)。また、視野障害の頻度が成人よ 見られる)。 ・

T1-black hole

(図

1B

: T1

強調像にて低信号を呈す る不可逆的な慢性期病変。軸索消失や脱髄の程度が 強いことが示唆される。

FLAIR

像では多彩な信号を 示す〔

cerebrospinal fluid

CSF

)よりは高信号〕。 ・

Callosal-septal interface lesion

subcallosal

stria-tion

)(図

1C

):側脳室壁と垂直方向に広がる脳梁内 病変。感度、特異度ともに

MS

で高いとされる。薄い スライスの

FLAIR

矢状断像が早期診断に役立つ14)

Isolated U-fiber lesion

juxtacortical lesion

)(図

1D

:

皮質下白質(

U-fiber

)に沿って広がる病変であ る。約半数の

MS

患者で少なくとも

1

個は見られる15) 皮質下白質に沿って走行する静脈周囲の炎症を反映 していると考えられている。皮質下白質病変は

MS

に 比較的特徴的とされ、

McDonald

診断基準の「空間的 多発性に関する

MRI

基準」の領域の

1

つに加えられて いる。後述の皮質病変とともに高次機能障害にも関 連するとされる15、16)

Cortical lesion

(図

1E

: MS

は白質のみならず、皮 質や中心灰白質も侵す。慢性期の高次機能障害と関 連するとされ16)

double inversion recovery

DIR

法や高磁場(

3T

)・超高磁場(

7T

MRI

を用いれば、 より高率に描出できるという報告もある17)

Tumefactive MS

(図

2

:

直 径

2cm

以 上、

mass

ef-fect

、リング状増強効果、脳梁を介した両側大脳半球 の伸展などから、脳腫瘍のように見えるもの18)。前 頭葉と頭頂葉が好発部位だが、いかなる場所にも発 生し得る。膠芽腫や悪性リンパ腫などとの鑑別が重 要になってくるが、膠芽腫や悪性リンパ腫で見られ るような単純

CT

で高吸収部分が見られないこと、膠 芽腫で見られるような磁化率強調像で病変内部に点

(3)

図1 50代,女性.MS(RRMS)

A T2強調横断像 ovoid lesion:側脳室壁と垂直方向に細長い高信号病変が散見される(→). B1〜3 Gd造影後T1強調横断像・冠状断像,FLAIR冠状断像 T1-black hole: 側脳室周囲白質 にT1強調像で低信号を示す結節病変が複数見られる(→).FLAIR像では内部がさまざまな信号 を呈している(→).

C FLAIR矢状断像 callosal-septal interface lesion:側脳室壁と垂直に広がる脳梁内病変が 見られる(→).

D,E DIR横断像 isolated U-fiber lesion, cortical lesion:皮質下白質(U-fiber)に沿って高 信号が見られる(D:→).皮質にも小さい高信号病変が見られる(E:→).

B1 B2 B3 C

(4)

状低信号が見られないこと19)

open-ring sign

20)が見 られ得ること、灌流画像で腫瘍よりも灌流低下を示 す傾向があること21)が鑑別に有用とされる。

MS

の新 しい治療薬である

fingolimod

投与後に、このような 病変が出現したとの報告もある22)

Baló

s concentric sclerosis:

障害程度の異なる病巣 が同心円上に何層にも重なって見える非常に稀な病

変。以前は剖検により初めて診断されたため致死的 な病変と考えられていたが、必ずしも致死的ではな く、良好な経過をたどる例も従来考えられていたよ り多い23)

NMO

NMO spectrum disorder

でもこ のような病変が見られ得るとの報告もある24、25) (b)脊髄病変(図3)

MS

の脊髄病巣は

NMO

の脊髄病巣と異なり、矢状 図2 20代,女性.MS(RRMS) A FLAIR横断像 B T2強調矢状断像 C Gd造影後T1強調矢状断像 Tumefactive MS.脳幹部~中小脳脚にかけて腫瘤状の高信号域が見られる.造影後(C)は辺縁のみが増強されている(→). A B C

(5)

断像で頭尾方向に短く、横断像では側索・後索を含む 脊髄の外側後部辺縁に優位に分布し26)、脊髄萎縮も 高頻度に見られる傾向にある27) (c)視神経病変(図4)

T2

強調像で高信号を呈する。急性期には増強効果 が見られ、視神経鞘に及ぶこともある28)。また、急性 期には視神経腫大、慢性期には高率に視神経萎縮を来 す27、29)。さらに、急性期には、約半数の症例で、視 神経前端部周囲のくも膜下腔の拡大が認められる28) 2.MSにおける「imaging biomarker」としてのMRI

MS

は身体障害が数年かかって進行するが、再発と身 体障害の相関は低く、臨床的

biomarker

も確立されては いない30)

MRI

MS

病変検出に関して感度が高いうえ、 客観的で再現性が高く、連続かつリニアな定量が可能で あることなどから、

MS

における「

imaging biomarker

」と して広く利用されている6、31、32)。現在、

MS

治療薬の臨 床試験では、

T2

強調像における病変体積が最も広く利用 されている。

T2

病変体積は、脳萎縮の関与が反映されて いないこと、

T2

病変は様々な病理に対応していること、

normal-appearing white matter

も何らかの症状を来す可 能性があること、脊髄病変の関与が反映されていないこ となどの理由から、その時点での臨床症状とあまり相関 しないと報告されているが4、5、33、34)

5

年以上後の臨床 図3 30代,女性. A T2強調矢状断像 B Gd造影後T1強調矢状断像 C Gd造影後T1強調横断像 MS脊髄病変.頸髄に1椎体ほどの大きさのT2強調像高信号病変が見られる(A). 病変部の脊髄に軽度の腫大が見られる.造影後(B,C)はやや不均一に充実様に 増強されるが,左外側に偏在している. A B C

(6)

症状とよく相関するので長期予後の予測には非常に有用 である35、36)。また、

Gd

造影像における造影病変数も頻 繁に定量化の対象とされており37)、最近では、脳の萎縮 度の定量化も注目されている。また、

T1-black hole

の定 量化や脊髄萎縮の程度も臨床試験で利用されている37) さらに近年の新しいシークエンスでは、磁化移動比画像 (

magnetization transfer imaging

)や拡散テンソル画像 (

diffusion tensor imaging: DTI

)は

T2

強調像高信号病変 部の内外で起きている構造変化の病理学的な重症度とそ の広がりを定量化し得るとされる。1

H-MR

spectrosco-py

MRS

)ではこのような変化の生物学的性質に関する 情報が追加されると言われており、また

functional MRI

fMRI

)では

MS

の不可逆的な構造損傷に対する皮質の適 応的な変化に関して新たな洞察を与えるとされる。 3.日常臨床でのMRI撮像プロトコル

MS

症例における

MRI

撮像プロトコルは、施設によっ て大幅に異なっているのが現状である。

Lövblad

らは、 簡易的なプロトコルとして、①

FLAIR

像および②

dual-echo

(後頭蓋窩の病変に対しては、プロトン密度強調像 は

FLAIR

像よりも検出感度が高いので)横断像(皮質病 変描出目的)、③

option

でどちらかの矢状断像(脳梁病変 描出目的)、④

Gd

造影

T1

強調横断像、⑤

option

で拡散 強調像(

diffusion weighted image: DWI

,他疾患除外目 的)の計

5

シークエンスを推奨しており、これで

90

%近く の

MS

を診断し得るとしている37) 4. Conventional MRIのシークエンスにおけるMS像と 臨床的意義 1) T2強調像・FLAIR像

MS

病巣には、炎症・浮腫・脱髄・軸索消失・グリオーシ スといった多彩な病理学的変化が起こるが、いずれも両 者で高信号として描出されるため特異性は乏しい。

T2

強調像で信号異常がなくても顕微鏡的な脱髄や軸索消失 があり得るとされる(

normal-appearing white matter

)3) 深部白質にびまん性の淡い高信号が見られることがある 一方で38、39)、鉄沈着のため深部灰白質や皮質が

T2

強調 像にて低信号を呈することもある27)

FLAIR

像は脳溝・ 脳室近傍の病巣が視覚的に捉えやすいのが特長である が、後頭蓋窩の病巣の検出感度がやや劣ることには留意 すべきである40)

MS

NMO

で見られる視神経炎の診断には、

short in-

version time inversion recovery

STIR

)法や脂肪抑制

fast spin-echo

FS

)法を用いて眼窩内の脂肪の信号を落 とすことで病変検出感度が高まる27、29) 2) T1強調像

T2

強調像で描出される

MS

病巣の

10

20

%は脱髄や軸 索消失の程度が強いことを反映して、

T1

強調像にて低信 号として描出され(

T1-black hole

)、臨床症状との相関 も比較的強い41)。ただし、急性期の病巣は浮腫のために 図4 30代,男性.MS Gd造影後T1強調冠状断像 MS眼病変.右視神経の腫大と,視神経内部および神経鞘に増強効果が 見られる(→).

(7)

T1

強調像で低信号を呈することがあり、真の

T1 black

hole

と判定するためには、

6

ヶ月以上低信号が続くこと を確認する必要がある40)。逆に、活動病巣の辺縁は淡い 高信号を呈することがある。 また、約

20

%の

MS

患者で小脳歯状核が高信号を呈す るという報告がある42)。頭部への放射線治療歴のある患 者でも高頻度に同様の所見が見られるという報告43)が続 いたが、その後、

Gd

造影を頻回に行った患者において 同様の所見が見られ得るという報告がなされ、

MS

患者 や頭部への放射線治療歴のある患者において小脳歯状核 が高信号を呈する場合、

Gd

投与が関与している可能性 が指摘されている44) 3) Gd造影T1強調像 活動病巣(新規病変・増大病変)の多くは、血液脳関門の 破綻により、

Gd

造影剤によって造影され、臨床上再発と して認められるエピソードの

5

10

倍の頻度で活動病巣 の存在を捉えることができるとされる45)。病巣周囲の炎 症を反映してリング状に増強されることが多いが、リン グが途切れていることもある(

open-ring sign

20))(図

5

)。 造影病巣の体積は罹病期間と負の相関関係がある46)。再 発寛解型

MS

では造影病巣の体積は

T2

病巣体積と正の相 関関係が見られるが、慢性進行型

MS

では見られない4) 図5 10代,女性.MS(RRMS) A Gd造影後T1強調横断像 B Gd造影後T1強調冠状断像 C 拡散強調横断像 Open-ring sign.右脳梁膨大部に結節病変が見られる.一部リングが途切れたような増強効果 を示している(A:→).拡散強調像(C)でも高信号を呈しており〔ADCでも低信号(非掲載)〕, 活動性の高さが示唆される(→).一方,左前頭葉のspot lesion(B)は増強効果,拡散制限とも に見られない. A B C

(8)

5.Non-conventional MRIのシークエンスにおけるMS   像と臨床的意義

1)Double inversion recovery(DIR)像(図6)

2

つの反転回復(

inversion recovery

)パルスにより、脳 脊髄液と白質の両方の信号を抑制した画像である。

MS

の皮質病巣の検出感度が

spin echo

SE

)法の約

5

倍、

FLAIR

像の約

1.5

倍と高いため注目されている6,47) 2)拡散画像

MS

病巣の一部〔特に活動(

Gd

増強)病巣〕は、

DWI

で 高 信 号 を 呈 す る48)。 そ の 多 く は、 い わ ゆ る

T2-shine

through effect

によるものだが、拡散能が低下している こともあり、細胞性浮腫の存在が示唆されている49)

DTI

では、病巣の拡散異方性の低下が見られ、深部白質 にびまん性の拡散異方性(

fractional anisotropy: FA

)の 低下が見られることも報告されているが38)、特に

acute

plaque

の中心部で

FA

の低下が見られるという報告もあ

る49)。また、

DWI

を用いた脳温測定法(

DWI

thermome-try

)により、

MS

患者で正常コントロール群よりも有意 に脳温が低いことが報告されており、

MS

患者の脳代謝 低下を反映している可能性が示唆されている50)。拡散尖 度画像(

diffusion kurtosis imaging: DKI

)では、

MS

患 者の正常に見える白質(

normal-appearing white

mat-図6  40代,女性.MS(RRMS)U-fiber lesion の描出

A,B DIR横断像 C FLAIR冠状断像

U-fiber lesionがDIR像のほうがFLAIR像よりも明瞭 に描出されている(→).Cortical lesionも評価可能.

A B C

(9)

ter

)の拡散尖度は、健常人の白質と違いがあることも報 告されている51、52) 3) 磁化率強調像(susceptibility-weighted imaging: SWI) 磁化率の不均一性を強調した画像である。

MS

病巣の 内部およびそれに連続して、拡張した静脈が見られるこ とがある53)。また、病巣内や深部灰白質に鉄沈着が捉え られることもある53)。脳室周囲の髄鞘障害による組織酸 素消費減少(組織内のデオキシヘモグロビンの減少)を反 映して、

MS

患者は正常人と比較して

SWI

における静脈 描出が減少するという報告もある54)

4) High-field MRI(3T)、Ultra high-field MRI(7T)、 およびMagnetic resonance spectroscopy(MRS)、 Phase imaging 高磁場

MRI

では

S/N

比が向上し、

MS

病変の個数およ び体積ともに検出能も向上する。実際、

1.5T

よりも

3T

の方が

MS

での白質病変検出率が高いとする報告がある が55)

McDonald

診断基準による診断には影響しないと 考えられている56)。超高磁場(

7T

以上)では、さらに病変 検出率が上がり皮質病変の詳細も捉えられると報告され ている57)。磁化率変化によるコントラストの改善や、化 学シフトの分散が高まるなどの利点から、

MRS

でも高 解像度のスペクトルが描出され、軸索損傷に影響を及ぼ す組織代謝の定量化も可能と考えられているなど、病態 解明に利用されつつある57)

5) Ultra small particles of iron oxide(USPIO) enhanced MRI

USPIO

(本邦では未発売)による造影

MRI

では、

MS

病巣に、マクロファージにより貪食された鉄(

USPIO

)の 取り込みが見られることがある58)

Gd

造影と合わせると、

MS

の活動性病変が

50

%以上描出・評価可能だとする報告 もある59)

MSと鑑別すべき脱髄疾患の疾患概念と画像診

断について

1.視神経脊髄炎(neuromyelitis optica: NMO) 1)疾患概念および診断基準 重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする疾患で、 本邦では

MS

の亜型と考えられてきたが、この疾患に特 異的な、水分子チャンネル蛋白である抗アクアポリン

4

抗体(抗

AQP4

抗体;

NMO

に特異的な自己抗体)が発見さ れたこと、病理学的に高度のアストロサイト障害が見ら れ脱髄は二次性病変であること60)

MS

の治療薬である

interferon

IFN

)β投与は無効であり増悪を来すことが あること61)などから

MS

とは異なる新しい疾患であるこ とが確定している62)。また、改定された

MS

診断基準に

NMO

を除外する必要性が記載されている1) 臨床的には、発症年齢(平均

39

歳)、男女比(女性が

9

割)、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス (

systemic lupus erythematosus: SLE

)、抗リン脂質抗 体症候群、橋本病などの自己免疫性疾患の合併や可逆性 後頭葉白質脳症(

posterior reversible encephalopathy

syndrome: PRES

)の 合 併(

NMO

MS

よ り 多 い)(図

7

)63)

oligoclonal band

の陽性率(

14

%と低い)などで

MS

と違いがある64)

NMO

の診断基準は、確定的

NMO

として、視神経炎、 脊髄炎と、次の

3

項目のうち

2

つ以上-

3

椎体以上に連続 的 に 広 が る 脊 髄

MRI

病 変(

longitudinally extensive

transverse myelitis: LETM

)、脳

MRI

所見が

MS

診断基 準を満たさない、抗

AQP4

抗体が陽性65)を満たすとされ る。確定的

NMO

に加えて現在では、単相性あるいは再 発性の

LETM

、再発性あるいは両側同時性の視神経炎、 全 身 性 自 己 免 疫 疾 患 を 合 併 す る 視 神 経 炎 あ る い は

LETM

NMO

に特徴的な大脳病変を有する視神経炎あ るいは

LETM

を有する患者群をより広い疾患概念(

NMO

spectrum disorder: NMOSD

)として捉えるようになっ

てきている64、66)。さらに、最近、抗

AQP4

抗体陰性の

NMOSD

患 者 に お い て、

21

% が

myelin

oligodendro-cyte glycoprotein

MOG

)抗体陽性であり、抗

AQP4

体陽性の

NMOSD

よりも発作回数が少ない、脳病変の頻 度が比較的低い、延髄病変は稀であるなどの特徴がある と報告されている67) 小児の

NMO

では

98

%に視神経炎、横断性脊髄炎のい ずれかを発症する。また、

42

%は自己免疫疾患の合併が 見られる。脳病変が見られる頻度やその分布は成人とほ ぼ同様で、約

1

割は初発時急性散在性脳脊髄炎(

acute

de-myelinating encephalomyelitis: ADEM

)と区別がつか ない68、69) 2)画像所見 (a)脳病変

AQP4

が多く発現する部位(第三・第四脳室周囲、延髄 最後野、視床下部など)や錐体路に好発する。境界不明 瞭で斑状の多発増強病変(

cloud-like enhancement

)が

(10)

図7 10代,女性.NMO+PRES A T2強調矢状断像 B T2強調横断像 C 拡散強調横断像 D FLAIR横断像 多椎体に及ぶ中心性の高信号域が見られる(→). 視神経炎も存在,抗AQP4抗体も陽性であり,NMOの診断であった. 大脳はびまん性に皮質および皮質直下白質に異常信号が見られる. A B C D

(11)

NMO

に比較的特異的であるとする報告もある70)。脳幹 病変は

NMO

患者の

81

%に見られると言われ、延髄で

58

%と頻度が高く、またそのうち

61

%は最後野に病変が及 ぶとされている。その場合、難治性の吃逆という特徴的 な症状を示す71) (b)脊髄病変(図7) 上下

3

椎体以上に及ぶことが多く、例外もあるが中心 灰白質が高頻度に障害される26)。急性期病変は造影増強 効果を示す。 (c)視神経病変 ときに視交叉に及ぶ視神経炎72)。急性期には造影増強 効果を認める。

2. 急性散在性脳脊髄炎(acute demyelinating encephalo - mye litis: ADEM)

1)疾患概念 急性もしくは亜急性に、神経系の多数の領域に多症候 性の脳症症状(行動変化・意識の変容)を来す炎症性脱髄 疾患とされている73)。病態としては麻疹、水痘、風疹な どのウイルス感染や予防接種によるアレルギー反応(自 己免疫学的機序)による脱髄が考えられているが、特発 性のものは原因不明である。特発性の症例や、先行感染 の有無がはっきりしない症例があることから、

Interna-tional Pediatric MS Study Group

2007

年に策定した 定義からは、先行感染・予防接種の有無は

ADEM

の定義 からは外されており、診断にも必須ではないとされてい る73)。また、先行感染や予防接種の有無に関して

ADEM

MS

で有意差がなかったという報告もある74)

10

歳未満の小児に多く、臨床症状としては発熱、頭痛、 悪心、嘔吐、痙攣、視神経炎などがあり、急性に発症す る。 通 常 は ス テ ロ イ ド に 反 応 し 寛 解 す る(単 相 性)。

ADEM

は、通常、単発あるいは

1

回の再発にとどまり、

MS

のように生涯にわたって進行することはない。

2

回以 上の再発がある症例はまず

MS

である73) 2)画像所見(図8) テント上下の白質、中心灰白質に

T2

延長域が多発する が、脳室周囲白質の病変は比較的少ない。病変は

1

2cm

以上と比較的大きいことが多いが、

mass effect

は通 常目立たない。脊髄内にも

T2

延長域を認めることがあ る。結節状もしくはリング状の増強効果を呈することが あるが、増強効果を認めないことも多い73)。出血を合併 することもあり、急性出血性白質脳炎(

acute

hemorrhag-ic leukoencephalopathy: AHLE

)と呼ばれる75)

MS

の初回発作(

CIS

)との鑑別のための画像診断基準 として、「びまん性両側性病変が認められない」、「

T1-black hole

がある」、「

2

個以上の脳室周囲病変」の

3

項目 のうち

2

つ以上を満たす場合には、比較的高い感度(

81

%)・特異度(

95

%)で

MS

と診断できるという報告がある (

Callen MS-ADEM criteria

76))。

3. 治療に伴う白質脳症:メトトレキセート(methotrexate: MTX)脳症 1)疾患概念 抗癌剤(

MTX

)による白質の中毒性障害。髄腔内投与 や多剤併用、放射線治療との併用により発生しやすい。 軽度のものは薬剤中止により回復することもあるので、 早期診断が重要である。進行すると、予後不良の播種性 壊 死 性 白 質 脳 症(

disseminated necrotizing

leukoen-cephalopathy: DNL

)を発症する。

2)画像所見(図9)

MTX

脳症では、

MRI

T2

強調像で大脳半球白質、特 に半卵円中心や放線冠にびまん性の高信号域が見られ る77)

DWI

でも高信号を呈し、

apparent diffusion

coef-ficient

ADC

)の低下を認める(髄鞘内浮腫を反映)78)

T2

強調像で明らかな異常が捉えられない段階において、 磁化移動比画像のヒストグラム解析により、白質の軽微 な変化が捉えられたとする報告がある79)

DNL

症例では、

CT

にて大脳白質の低吸収と基底核や皮髄境界に石灰化 が見られるとされる(この石灰化は「

mineralizing

micro-angiopathy

」である)80)。結節状またはリング状の増強効 果を呈することもある。末期には萎縮を来す。 4.浸透圧性髄鞘崩壊症(osmotic myelinolysis) 1)疾患概念 低ナトリウム血症の急速補正により生じるものとされ るが、慢性アルコール中毒・肝移植後:頭蓋咽頭腫術後・ 低血糖の急速補正などでも生じ得る。橋に生じたものを

central pontine myelinolysis

CPM

)、橋以外(基底核、 視床、中脳など)に生じたものを

extrapontine

myelinol-ysis

EPM

)といい、前者が多い。 2)画像所見(図10)

CPM

は、橋の中央に左右対称性の

T2

延長域を認める。 臨床情報と合わせれば診断は比較的容易である。

EPM

T2

延長域として描出されるが、分布や形態に特徴がな いので他の疾患との鑑別は難しい。

DWI

で早期に高信号

(12)

図8 10代前半,女性.ADEM A,B FLAIR横断像(テント上,下) C STIR冠状断像 D T2強調矢状断像 テント上下の白質,中心灰白質に高信号域が見られる(A,B). 左視神経炎を示唆する視神経の異常高信号が見られる(C:→). 頸髄にも比較的頭尾側に長いT2高信号病変が見られる(D:→). A B C D

(13)

を示す傾向がある81)。通常は

Gd

造影で増強されない。 5. 進 行 性 多 巣 性 白 質 脳 症(progressive multifocal

leukoencephalopathy: PML) 1)疾患概念

免疫不全患者〔特に

acquired immune deficiency

syn-drome

AIDS

)〕に 好 発 す る 進 行 性 の 脱 髄 疾 患。

JC

virus

による日和見感染症である。予後不良の病態とさ

れていたが、

AIDS

に随伴する症例では

HAART

療法 (

highly active anti-retroviral therapy

)により改善する 例も見られるが82)、逆に免疫機能の回復により過度に炎 症反応が惹起され〔免疫再構築症候群(

immune

reconsti-tution inflammatory syndrome: IRIS

)〕、これによって

PML

を発症、あるいは再燃・増悪することもある(

in-flammatory PML: iPML

)。また近年、生物学的製剤の 副作用として

PML

の発症が知られており(

monoclonal

antibody associated-PML

)、悪性リンパ腫などの治療 に使われるリツキシマブや、

MS

の治療薬であるナタリ ズマブなどで報告されている83)。ナタリズマブが投与さ れている

MS

患者の

0.1

0.2

%に

PML

が発症すると報告 されており84、85)、ナタリズマブが投与されている

MS

者の

MRI

を読影する際には、

PML

の可能性にも留意し つつ読影する必要がある。 2)画像所見(図11) 両側大脳半球の深部白質から皮質下白質に進展する

T2

延長域で、多発・癒合像も見られる。境界は不明瞭なこ とが多く、

mass effect

は示さない。

DWI

では活動性の 病変は高信号を示すことが多い。通常は

Gd

造影で増強 されないが、増強される場合は病変の一部のみに見られ る82)。ナタリズマブ投与による

PML

は、造影病変が見 られる頻度が

41

%と比較的高い85) 6.Marchiafava-Bignami病 1)疾患概念 慢性アルコール中毒や栄養不良状態に起因する稀な脱 髄疾患。

Wernicke

脳症をしばしば合併する。急性期(急 性の意識障害、痙攣で発症)と慢性期(認知障害やパーキ ンソン症状)で画像所見が異なる86) 2)画像所見 急性期は脳梁体部、深部白質に

T2

延長域が見られ、脳 図9 30代,女性.MTX脳症(ALLでMTX使用中) A T2強調横断像 B T1強調横断像 大脳半球白質にびまん性にT2強調像(A)で高信号域が見られる.T1強調像(B)では信号変化が目立たない. A B

(14)

図11 30代,男性.iPML(AIDSでHAART療法導入後) A T2強調像 B Gd造影後T1強調横断像 左側頭葉から後頭葉の皮質下白質にT2強調像(A)で高信号域が見られる(→).造影後(B)は一部が増強されている(→). A B 図10 50代,男性.CPM(低Na補正エピソード有) A T2強調横断像 B T2強調矢状断像 橋中央部,長軸方向に半円形の高信号域が見られる.Mass effectは見られない. A B

(15)

梁腫大を伴う。

Gd

造影でしばしば増強される。慢性期 には脳梁体部の萎縮が見られる。

終わりに

以上、代表的な脱髄疾患の画像診断と、それに必要な 臨床的知識を中心に述べた。

MRI

は脱髄疾患の診断に既 に重要な地位を築いているが、今後、疾患の

imaging

biomarker

としての利用もさらに発展・普及するものと 期待される。 【参考文献】 1) Polman CH, Reingold SC, Banwell B, et al: Diagnostic criteria for multiple sclerosis: 2010 revisions to the McDonald criteria. Ann Neurol 69: 292-302, 2011 2) Filippi M, Grossman RI: MRI techniques to monitor MS evolution: the present and the future. Neurology 58: 1147-1153, 2002 3) Loevner LA, Grossman RI, Cohen JA, et al: Microscop- ic disease in normal-appearing white matter on con- ventional MR images in patients with multiple sclero-s i ventional MR images in patients with multiple sclero-s : a ventional MR images in patients with multiple sclero-s ventional MR images in patients with multiple sclero-s e ventional MR images in patients with multiple sclero-s ventional MR images in patients with multiple sclero-s me nt w it h m a g net i z at i o n - t r a n ventional MR images in patients with multiple sclero-s fe r measurements. Radiology 196: 511-515, 1995 4) Miki Y, Grossman RI, Udupa JK, et al: Differences be-tween relapsing-remitting and chronic progressive multiple sclerosis as determined with quantitative MR imaging. Radiology 210: 769-774, 1999 5) Miki Y, Grossman RI, Udupa JK, et al: Relapsing-remit- ting multiple sclerosis: longitudinal analysis of MR im-ages--lack of correlation between changes in T2 lesion volume and clinical findings. Radiology 213: 395-399, 1999 6) Filippi M, Agosta F: Imaging biomarkers in multiple sclerosis. J Magn Reson Imaging 31: 770-788, 2010 7) Osoegawa M, Kira J, Fukazawa T, et al; Research Committee of Neuroimmunological Diseases: Tempo-ral changes and geographical differences in multiple sclerosis phenotypes in Japanese: nationwide survey results over 30 years. Mult Scler 15: 159-173, 2009 8) Matsui M, Nagayama S: [Diagnosis of multiple sclero-sis]. Nihon Rinsho 71: 811-816, 2013 9) Doggrell SA: Good results for early treatment of clini-cally isolated syndrome prior to multiple sclerosis with interferon beta-1b and glatiramer group. Expert Opin Pharmacother 11: 1225-1230, 2010 10) Krupp LB, Hertz DP: Pediatric multiple sclerosis. Neu-rology 68(Suppl 2): S1-S2, 2007 11) Kira J: [Recent advances of multiple sclerosis research in Japan]. Rinsho Shinkeigaku 49: 549-559, 2009 12) Kira J, Ishizu T, Osoegawa M; Research Committee of Neuroimmunological Diseases: Multiple sclerosis in Ja-pan: Nationwide surveys over 30 years. Neurology Asia 13: 131-143, 2008 13) Banwell B, Ghezzi A, Bar-Or A, et al: Multiple sclero- sis in children: clinical diagnosis, therapeutic strate-gies, and future directions. Lancet Neurol 6: 887-902, 2007 14) Palmer S, Bradley WG, Chen DY, et al: Subcallosal striations: early findings of multiple sclerosis on sagit-tal, thin-section, fast FLAIR MR images. Radiology 210: 149-153, 1999 15) Miki Y, Grossman RI, Udupa JK, et al: Isolated U-fiber involvement in MS: preliminary observations. Neurolo-gy 50: 1301-1306, 1998 16) Rovaris M, Filippi M, Minicucci L, et al: Cortical/sub-cortical disease burden and cognitive impairment in patients with multiple sclerosis. AJNR Am J Neurora-diol 21: 402-408, 2000 17) Nielsen AS, Kinkel RP, Tinelli E, et al: Focal cortical lesion detection in multiple sclerosis: 3 Tesla DIR ver-sus 7 Tesla FLASH-T2. J Magn Reson Imaging 35: 537-542, 2012 18) Lucchinetti CF, Gavrilova RH, Metz I, et al: Clinical and radiographic spectrum of pathologically con-firmed tumefactive multiple sclerosis. Brain 131: 1759-1775, 2008 19) Kim HS, Jahng GH, Ryu CW, et al: Added value and diagnostic performance of intratumoral susceptibility signals in the differential diagnosis of solitary enhanc- ing brain lesions: preliminary study. AJNR Am J Neu-roradiol 30: 1574-1579, 2009 20) Masdeu JC, Quinto C, Olivera C, et al: Open-ring imag- ing sign: highly specific for atypical brain demyelin-ation. Neurology 54: 1427-1433, 2000 21) Cha S, Pierce S, Knopp EA, et al: Dynamic contrast-enhanced T2*-weighted MR imaging of tumefactive demyelinating lesions. AJNR Am J Neuroradiol 22: 1109-1116, 2001 22) Pilz G, Harrer A, Wipfler P, et al: Tumefactive MS le- sions under fingolimod: a case report and literature re-view. Neurology 81: 1654-1658, 2013 23) Karaarslan E, Altintas A, Senol U, et al: Baló’s concen-tric sclerosis: clinical and radiologic features of five cases. AJNR Am J Neuroradiol 22: 1362-1367, 2001 24) Matsuoka T, Suzuki SO, Iwaki T, et al: Aquaporin-4 astrocytopathy in Baló’s disease. Acta Neuropathol 120: 651-660, 2010 25) Masuda H, Mori M, Katayama K, et al: Anti-aquapo-rin-4 antibody-seronegative NMO spectrum disorder

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参照

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