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(1) どうすれば低炭素社会を描けるか温室効果ガス排出量の 60-80% 削減と人々が住みたいと思う社会とが両立する 2050 年の日本低炭素社会をまず描き それを実現する対策を考える バックキャスティング の手法を採用した 具体的には以下の手順を採用した 1CO2 削減の目標である 2050 年の

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低炭素社会シナリオ構築に向けて

(独)国立環境研究所 藤野純一 Keywords: 低炭素社会、イノベーション、ビジョン、バックキャスティング 1.なぜ低炭素社会が必要なのか? 既に温暖化の影響は顕れている。サンゴ礁の白化、北極の氷の減少、ヒマラヤ等の山岳 氷河の融解、マラリヤ等伝染病を媒介する蚊の生息域の拡大が進んでいる。日本では2007 年7 月 14 に観測史上最大規模の台風が九州に上陸。8 月 16 日に多治見市および熊谷市で 最高気温 40.9℃を記録。すべての現象や影響が地球温暖化の原因とはいえないが、今後温 暖化が進むと上記のような事柄は起こりやすくなる。また、気温が2 から 3℃上昇するとど の地域でも温暖化により受ける経済的な損失の方が便益を上回ると 2007 年に発表された IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第 4 次レポートは報告している。 国立環境研究所が中心となって開発した気候・経済シミュレーションモデルで、2℃抑制 を実現する温室効果ガスの排出量推移を計算したところ、2100 年以降の温室効果ガス濃度 を二酸化炭素換算で約500ppm に(現在約 430ppm)、世界全体の排出量を 1990 年に比べ 2050 年に約半減する必要があることがわかった。 2050 年に世界全体の温室効果ガス排出量を現在から 50%削減しようとすると、先進国で ある日本はそれ以上の削減努力が求められうる。世界の一人当たり排出量を均等にしよう とすると、日本は約80 から 90%の削減が求められる。そこで、脱温暖化 2050 研究プロジ ェクト(http://2050.nies.go.jp)では、幅をもった範囲(60%から 80%削減)での検討を 進めている。 2.どうすれば実現できるのか? 2.1 日本低炭素社会シナリオ 2004 年のプロジェクト開始当初、2050 年の温室効果ガスを 90 年比 60 から 80%削減す るような低炭素社会について説明する度に、「そんな目標設定は現実離れしていて、できる わけがない」、という反応を多く受けた。今までの日本のエネルギーシステムが経験してき た改善速度から推計すると、最大でも40%削減が関の山なので、やむを得ない反応だった。 しかし、抜本的な対策がとられずに地球温暖化が進むと、気候の不安定さが増し、そもそ もの生産基盤や生活に様々な影響が及ぶことで安定した豊かな人間活動が送れなくなる恐 れが高まる。そこで、2007 年 2 月 15 日に「2050 日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス 70%削減可能性検討」報告書を発表し、2050 年に大幅削減が可能なことを示した。

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(1)どうすれば低炭素社会を描けるか 温室効果ガス排出量の60-80%削減と人々が住みたいと思う社会とが両立する 2050 年の 日本低炭素社会をまず描き、それを実現する対策を考える「バックキャスティング」の手 法を採用した。具体的には以下の手順を採用した。 ①CO2 削減の目標である 2050 年の社会がどうなっているか、まず社会像を描いた。人々 がどのような社会を選択するかによって、対策も変わる。ここではA、B の二つの違う社会 を描き、それぞれどのような対策を組み合わせることで低炭素社会が実現できるかを検討 した。②その社会を描いたときに、そこに住んでいる人はどのようなサービスを必要とし ているのか、どんな家に住みたいのか、どんな暮らし方をしたいのか、そのために鉄やセ メントはどれくらい必要なのかといったことを推計した。③そして、そのような社会での エネルギー需要量を算出した。これは、部屋に照明をつける場合には、白熱灯から蛍光灯 さらに、LED 照明といったより省エネ、省 CO2 の対策を選択すると想定した。そういっ たことを積み重ねていくと必要なエネルギー量が算出され、具体的にどれくらいのエネル ギー量が必要なのかがわかる。④エネルギー需要量と供給量のバランスをとってみて、そ のときの一次エネルギー量、二次エネルギー量を求めます。そして対策によるCO2 削減量 をひとつひとつ積み上げていくボトムアップ手法により、CO2 排出量が 70%削減になるか どうかを検討した。⑤その際、需要側が必要とするエネルギー量を供給する方法があるの か、また、CO2 の少ないエネルギー源で供給する方法はないのか、検討した。 (2)将来の日本の 2 つの姿 50 年後に考えられる日本社会の姿とそれに至るまでの道筋を、シナリオ A、B の二通り で設定したが、具体的な違いを表1 に示した。シナリオ A(ドラえもん型)は、人々は都市に 集中して、活発に働き続けるという技術志向の社会の姿を描いたものである。シナリオB(サ ツキとメイ型)というのは、人々がゆとりを求めて郊外に住まいを求めるという、ゆったり とした自然志向の社会の姿であり、必ずしも高いGDP だけを求めないで社会的貢献をする 人が増えていくといった社会を描いている。実際には、この両シナリオが地域ごとに、ラ イフステージごとに選択できるよう、お互いが調和しながら将来の社会を形作っていくも のと思われる。 シナリオA では一人当たり GDP の成長率を年率 2%、シナリオ B では 1%と想定してい るが、エネルギー消費量の増加に直結する暖房や移動(旅行や買い物など)、オフィス環境 などのサービス量は、利用する人々の姿を想像しながら現状よりも適度に向上させる程度 に設定した。つまり、冷暖房を24 時間つけっぱなしの住宅や、人々があまりにも分散して 住むために長時間移動が必要となるような都市構造といった過度なサービスを人々が求め るような姿は想定していない。

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も進行するために1 世帯当たりの構成員も減少していくと想定した(図 1)。 表1 2050 年低炭素社会の描写例 社会・文化的価値を尊ぶ より便利で快適な社会を目指す GDP1人当たり1%成長 GDP一人当たり2%成長 地産地消、必要な分の生産・消費 もったいない 集中生産・リサイクル 技術によるブレイクスルー 分散型/コミュニティ重視 都市型/個人を大事に ビジョン B: ゆとり、サツキとメイの家 ビジョンA: 活力、ドラえもんの社会 社会・文化的価値を尊ぶ より便利で快適な社会を目指す GDP1人当たり1%成長 GDP一人当たり2%成長 地産地消、必要な分の生産・消費 もったいない 集中生産・リサイクル 技術によるブレイクスルー 分散型/コミュニティ重視 都市型/個人を大事に ビジョン B: ゆとり、サツキとメイの家 ビジョンA: 活力、ドラえもんの社会 絵:今川朱美 0 20 40 60 80 100 120 140 2000 2010 2020 2030 2040 2050 P op ul at io n (T ho us an d) 80-60-79 40-59 20-39 0-19 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 00 20 05 20 10 20 15 20 20 20 25 20 30 20 35 20 40 20 45 20 50 Others Parent-Children One-Person Couple-Only Couple-Children T yp e of ho us eh ol d (% ) (M ill io n) age 0 20 40 60 80 100 120 140 2000 2010 2020 2030 2040 2050 P op ul at io n (T ho us an d) 80-60-79 40-59 20-39 0-19 0% 20% 40% 60% 80% 100% 20 00 20 05 20 10 20 15 20 20 20 25 20 30 20 35 20 40 20 45 20 50 Others Parent-Children One-Person Couple-Only Couple-Children T yp e of ho us eh ol d (% ) (M ill io n) age year 2000 2050 A B 人口 (百万人) 126.9 94.5 100.3 高齢者の割合 (%) 17.4 38 35.8 平均世帯人員数 2.71 2.19 2.38 一人暮らし世帯の割合 (%) 27.6 42.6 35.1 year 2000 2050 A B 人口 (百万人) 126.9 94.5 100.3 高齢者の割合 (%) 17.4 38 35.8 平均世帯人員数 2.71 2.19 2.38 一人暮らし世帯の割合 (%) 27.6 42.6 35.1 図1 人口・世帯数の将来推移

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(3)快適な居住空間と省エネの両立を求めた家作り 我が国の住宅平均寿命は 35 年程度であり、2050 年には、現存する住宅の多くが建て替 えられている。このため、今後の建て替え需要を見込んで、快適で過ごしやすい省エネル ギー型高断熱住宅へと誘導することによって、快適性の高い居住空間と省エネルギー性能 が両立した良質の住宅を増加させていくことが可能となる(図2)。 現在のエネルギー需要は、電力が 40%、都市ガスが 20%、石油が約 40%といった割合に なっている。世帯当たりのエネルギーサービス需要は住居面積の増加、家電製品の増加等 で3%程度増えると想定した。一方、世帯数が減少することでほぼ同量のエネルギーサービ ス量が減少されうる。利便性の高い生活を追及するシナリオ A が、ゆとり生活を志向する シナリオ B と世帯当たりのサービス需要で見ると同程度であるのは、快適な生活の追及に よって冷暖房需要や家電製品利用が増える一方で、外食率や集合住宅率の増加によって、 エネルギーサービス需要が抑制されるためだ (図 3) 。 高効率照明 【白熱灯→蛍光灯→イン バータ蛍光灯→LED照明等】 太陽光発電 環境負荷表示システム (家電・自動車 標準装備) エコライフ実践の ための環境教育 暖房需要60%削減 100%普及 3400-6900万kW (日本の屋根の25%~47%に普及(現在は1%程度)) さらに、超高効率太陽光発電 (変換効率30%以上)、色素増感太陽電池 成績係数(COP)=8, 100%普及 (注)成績係数とは消費電力 1kW当たりの冷暖房能力(kW) 超高効率エアコン 太陽熱温水器 普及率20~60% (現在は8%程度) ヒートポンプ給湯 COP=5 30~70%普及 燃料電池コジェネ 0~20%普及 (現在は0%程度) 高断熱住宅 効率100%増加 100%普及 待機電力削減 33%削減, 100%普及

低炭素社会における家庭

-快適な居住空間と省エネの両立-

屋上緑化 太陽の恵みを活かした 家作り 高効率機器の開発・普及で 少ないエネルギーで冷暖房・給湯需要を 満たし安全・安心で快適な生活を お得で環境に役立つ 情報の提供で 人々の行動を より低炭素へ 図2 家庭部門の対策例

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17 10 23 9 4 3 3 4 0 10 20 30 40 50 60 70 2000年(実績) 2050年(シナリオA)2050年(シナリオB) エ ネ ル ギ ー 需 要 (M to e) 世帯数の増加 世帯当たりサービス需要 の増加 世帯当たりサービス需要 の削減 エネルギー効率の改善 系統電力 水素 太陽光 バイオマス 都市ガス 石油 2000年のエネルギー需 要 世帯数の増加:2050年に向けてA、B両シナリオとも世帯数は減少 世帯あたりサービス需要の増加:利便性の高い生活の追及により増加 世帯あたりサービス需要の削減:高断熱住宅、魔法瓶浴槽、HEMS等により節約 エネルギー効率の改善:エアコンやヒートポンプ、給湯器やコンロ、待機電力削減など 図3 家庭部門の対策例 高断熱住宅など寒くない家に作り変えることで、約10Mtoe のエネルギー需要を削減する ことができる。さらにエアコンや電気給湯器のヒートポンプの効率向上、給湯器やコンロ の燃焼効率向上、照明の効率向上、待機電力消費率を大幅に削減するような各種技術の開 発および徹底的な普及を後押しすることで、2050 年のエネルギー需要合計が 2000 年に比 べて約 50%にまで削減することができる。さらにシナリオ A では、利用段階で CO2 を排 出しない電気や水素の利用割合が増加し、シナリオ B では太陽熱・太陽光、バイオマスな どの再生エネルギーの利用割合が向上することによって、家庭部門からのCO2 排出量をほ とんどなくすことができる。 (5)2050 年 CO2 排出量 70%削減は可能 シナリオA、B では、2050 年の GDP は 2000 年に比べて 2 倍と 1.5 倍に増加すると想定 したが、適切なインフラ整備、産業構造転換に加え、エネルギー技術進歩等の各種イノベ ーションによって、サービスレベルを低下させずにエネルギー需要を 2000 年に比べて 40 ~45%削減することは可能であり、さらに供給側の低炭素化によって 1990 年比で CO2 排 出量の70%削減は可能であるという結果を得た。 シナリオ A では、家庭・業務や産業、運輸での高効率機器の導入など需要側のエネルギ ー効率改善と、原子力や水素利用などのエネルギー供給側での低炭素エネルギー利用の効 果が大きい。一方、シナリオ B では、運輸や家庭・業務でのバイオマス利用や太陽エネル

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ギーの利用などのエネルギー需要側での低炭素エネルギー利用の効果が大きい。 これを図 4 にそって細かく説明すると、シナリオ A では活動量変化による需要増が 31 Mt-C(炭素換算百万トン)あるが、エネルギー効率の改善、「家庭・業務」では高効率ヒー トポンプエアコンなどの普及、燃料電池や太陽光電池の普及、「交通」では電気自動車や燃 料電池自動車の普及で84 Mt-C の削減になり、エネルギー最終需要部門における削減量は (29+84+27 =140 Mt-C)となる。炭素強度改善のモーター駆動自動車の普及では、今まで のガソリン自動車をCO2 排出の少ない電気(再生可能エネルギーや原子力など炭素排出の 少ないエネルギー源から作られた電気)で動く自動車に置き換えることで炭素排出量を減 らしている。「産業」での石炭、石油から天然ガスへの燃料転換も同様である。 エネルギー転換部門におけるエネルギー効率改善、炭素強度改善は、原子力や水素利用 によるエネルギー供給部門での削減で、これが73 Mt-C となる。 一番下の炭素隔離貯留とは、CO2 が大量に出てくる火力発電所などで CO2 を回収し、こ れを地下や海底に隔離貯留する技術であり、これによる削減が42 Mt-C となる。この技術 には、貯留のために必要となる追加エネルギーや生態系に与える影響などの問題があるが、 将来、再生可能エネルギー等が本格的に普及する前のつなぎの技術として位置づけられて いる。 以上を合計すると256 Mt-C となって 1990 年の排出量に比べて 70%削減が可能になる。 CCS ・高効率化石燃料利用技術+炭素隔離貯留(CCS) ・化石燃料による水素製造+CCS エネ効率改善 炭素強度改善 ・電気自動車・燃料電池自動車等モータ駆動自動車の 普及 炭素強度改善 エネ効率改善 ・高効率ヒートポンプエアコン・給湯器・照明の普及 ・燃料電池の開発・普及 ・太陽光発電の普及 炭素強度改善 ・石油・石炭から天然ガスへ燃料転換 活動量*変化 ・高い経済成長率 ・人口・世帯数の減少 社 会 炭素強度改善 サービス需要削 減 サービス需要削 減 エネ効率改善 要因分類 ・原子力発電の維持 ・夜間電力の有効利用、電力貯蔵の拡大 ・水素の製造・輸送・貯蔵、利用に関するインフラの 設備 エ ネ 供 給 ・土地の高度利用、都市機能の集約 ・旅客交通の公共交通機関(鉄道・バス・LRTなど) へのモーダルシフトの促進 交 通 ・高断熱住宅・建築物の普及促進 ・HEMS・BEMSによるエネルギー消費の最適制御 民 生 ・生産機器のエネルギー効率の大幅改善 産 業 CO2排出量に変化を及ぼす主な要因 CCS ・高効率化石燃料利用技術+炭素隔離貯留(CCS) ・化石燃料による水素製造+CCS エネ効率改善 炭素強度改善 ・電気自動車・燃料電池自動車等モータ駆動自動車の 普及 炭素強度改善 エネ効率改善 ・高効率ヒートポンプエアコン・給湯器・照明の普及 ・燃料電池の開発・普及 ・太陽光発電の普及 炭素強度改善 ・石油・石炭から天然ガスへ燃料転換 活動量*変化 ・高い経済成長率 ・人口・世帯数の減少 社 会 炭素強度改善 サービス需要削 減 サービス需要削 減 エネ効率改善 要因分類 ・原子力発電の維持 ・夜間電力の有効利用、電力貯蔵の拡大 ・水素の製造・輸送・貯蔵、利用に関するインフラの 設備 エ ネ 供 給 ・土地の高度利用、都市機能の集約 ・旅客交通の公共交通機関(鉄道・バス・LRTなど) へのモーダルシフトの促進 交 通 ・高断熱住宅・建築物の普及促進 ・HEMS・BEMSによるエネルギー消費の最適制御 民 生 ・生産機器のエネルギー効率の大幅改善 産 業 CO2排出量に変化を及ぼす主な要因 活動量変化 による需要 増加31 20 5 0 年 C O2 排 出 量 20 00 年 C O2 排 出 量 需要削減 29 エネ効率 改善 84 炭素強度 改善27 エネ効率 炭素強度 改善 73 炭素隔離 貯蔵42 主 に エ ネ ル ギ ー 最 終 需 要 部 門 に お け る 削 減 ( M tC ) 主 に エ ネ ル ギ ー 転 換 部 門 に お け る 削 減 ( M tC ) C O2 削 減 量 (M tC ) C O2 増 加 量 シナリオA:2050年 22 9 19 28 6 10 34 12 73 42

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2.3 低炭素社会を実現するには 2050 年において想定した社会を実現させるは、産業転換や国土整備や交通網整備におけ るインフラ投資の方向性を今から適切に誘導していく必要がある。これらの投資は必ずし も温暖化対策として実施されるものばかりではなく、産業の国際競争力の強化が目的であ ったり、将来の安全・安心で住みやすい街づくりを目指すものだったり、あるいはエネル ギー安全保障を強化するためのものなど、いずれは実施されるべきものだ。 技術・社会イノベーションは、人々の生活が豊かになるために実施されるもので、その ときに同時に温暖化問題を解決するのが望ましい姿ではないだろうか。今、富山や青森で は、中心市街地活性化基本計画を立て、コンパクトシティー作りを目指しているが、それ は温暖化対策としてだけではなくて、そこに住んでいる人たちが豊かに暮らすための方策 を探っているものと考えるべきだと思うわけです。駅前に行政機関や商店などを集め、住 宅もそこを中心にして建てるというコンパクトシティーが作れれば、そんなに移動しなく ても日々のサービスは受けられますし、住民の相互コミュニケーションも図ることができ て、さらにうまくネットワークを作っていけば安心・安全で豊かな暮らしができる。そち らが大切であって、それが結果的には温暖化防止に繋がってくる、それが本当の在り方で はないだろうか。 今後、ここで描写した 2050 年像を実現する具体的な施策群について分析を進め、いつ、 誰が、どのような対策を行うことで2050 年低炭素社会を実現していくか、その道筋を見つ け出す作業を進めていく予定である。 謝辞:本研究は環境省,地球環境研究総合推進費・戦略的研究開発プロジェクト「脱温暖 化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測・立案手法の確 立に関する総合研究プロジェクト(脱温暖化 2050 研究プロジェクト)」(S-3-1)の成果の 一部である。 [参考資料] 脱温暖化2050 研究プロジェクト、http://2050.nies.go.jp 2050 日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス 70%削減可能性検討(2007.2) (http://2050.nies.go.jp/20070215press/index.htm) 東京大学RCAST 脱温暖化 IT 社会チーム、2050 年脱温暖化社会のライフスタイル―IT 社会のエコデザイン、電通(2007.1) 環境会議 2007 年秋号(2007.9)(脱温暖化 2050 研究プロジェクトの成果の一部を一 般向け記事で紹介)

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