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要介護者の副介護者向けリーフレット配布の主介護者における効果 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 横内 理乃 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 看護学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第 362 号 学 位 授 与 年 月 日 平成28年3月23日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 ヒューマンヘルスケア学専攻 学 位 論 文 題 名 要介護者の副介護者向けリーフレット配布の主介護者における 効果

(Effects of leaflet distribution for associate caregivers in family caregivers of care-needed persons)

論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 小林 康江 委 員 教 授 浅川 和美 委 員 教 授 宮本 和子 委 員 教 授 中本 和典 委 員 准教授 坂本 文子 委 員 非常勤講師 新田 静江

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 現行のヘルスケアシステム下で活用できる簡便で有効な要介護者と家族介護者支援プログラムを 提言するために,副介護者による家族支援を明確化し,副介護者向けリーフレットの作成とその効果 の検証,及び介護初期相談時と3 ヵ月後の主介護者の介護負担感と精神的健康状態の実態明らかに することを目的とした. 仮説1.地域包括支援センター及び居宅介護支援事業所における初期相談時に相談のみを実施した場 合より,リーフレットを用いた副介護者支援を実施した場合の主介護者の介護負担感は軽い. 仮説2.地域包括支援センター及び居宅介護支援事業所における初期相談時に相談のみを実施した場 合より,リーフレットを用いた副介護者支援を実施した場合の主介護者の精神的健康状態は 良い. (方法) 本研究では、居宅介護支援事業所40 ヵ所及び地域包括支援センター1 ヵ所における介護初期相談 時の主介護者50 名を対照群とし,対照群の紹介後に相談に訪れた主介護者 31 名を介入群とし,副 介護者向けリーフレットを用いた指導とした.Zarit 介護負担尺度日本語版(J-ZBI),精神健康調査 票12 項目版(GHQ-12)を初期相談時と 3 ヵ月後に測定する時系列デザインを用いた.データは Mann-Whitney 検定,χ2検定,Wilcoxon の符号付き順位検定,Kruskal-Wallis 検定にて変数間

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の関係及び経時的変化を分析した.なお,山梨大学医学部倫理委員会の承認および施設管理者と対象 者の承諾を得ている. (結果) リーフレットよる指導介入をした職種は,看護師5 名,社会福祉士 7 名,介護福祉士 19 名であ り,説明に要した時間は5 分以内 17 名,5~10 分 14 名であった. 対象者概要,介護・生活状況,副介護者の支援状況,主介護者のJ-ZBI と GHQ-12 の初期段階に おいて対照群と介入群に有意差はなかった.リーフレット配布後3 ヵ月の J-ZBI,GHQ-12 の対照 群と介入群に有意差はなかった.副介護者の支援頻度は,初期段階と3 ヵ月後ともに両群間の違い はなかった.主介護者の概要は、女性54 名(66.7%),続柄は実子 42 名(51.9%)で,就労者は 42 名(51.9%)であり,介護者の性別による要介護者の状態像に変わりはなかった. 初期相談時のJ-ZBI 総合得点は 31.3±17.5 点で,就労有より無(z=-2.137,p=0.033),「自 由に使える時間」有より無(z=-4.093,p=0.000)の方が高かった.個人負担因子項目「介護を 受けている方の行動に対し,困ってしまうことがありますか」(z=-3.690,p=0.000),「介護を受 けている方に対して,どうしていいかわからないと思うことがありますか」(z=-2.258,p=0.024) で,初期段階に比べ3 ヵ月後に有意な低下がみられた. 初期相談時のGHQ-12 は 5.30±4.00 点で,就労有より無(z=-2.795,p=0.005),「自由に使 える時間」有より無(z=-3.846,p=0.000)の方が高かった.GHQ-12 の項目「自分のしている 事に生きがいを感じる事があった」(46.9%)「いつもよりストレスを感じたことがなかった」(34.6%) は肯定的回答の割合が半数未満であった. (考察) 副介護者向けリーフレット配布により3 ヵ月後の主介護者の介護負担感と精神的健康度に変化は みられなかったことは,複数の専門職者からの介入方法に違いが生じ,副介護者が内容を十分理解で きなかった可能性があることから,介入方法の統一をはかるための指導マニュアル作成などの必要性 があった.また,副介護者の役割に関する認識や行動の変化を直接副介護者から確認ができなかった ことで,支援状況に変化がなかった要因が明らかにできなかったため,副介護者への調査が必要であ った. 初期段階から3 ヵ月後の主介護者の変化として,要介護者の行動や対応について困っていた人が 3 ヵ月後に少なくなったことは,相談・支援により徐々に主介護者が要介護者の行動の意味や対応方 法を理解できるようになったことによると推察される.また,副介護者から「留守番・見守り」の支 援を毎日受けている主介護者の3 ヵ月後の精神的健康状態が良くなっていたことは,主介護者が「自 分の時間」を確保し,心身ともに休息がとれるような副介護者からの支援の必要性が示されている. (結論) 1.副介護者がいる主介護者に対して,初期段階に相談のみを実施した場合と,リーフレットを用い た副介護者支援を実施した場合の3 ヵ月後の介護負担感と精神的健康度に違いはなかった.そ の主な要因として,次の2 点が挙げられた. 1)リーフレットの読み上げでは,内容を具体的理解しにくく,副介護者の意識や行動変容につ

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ながらなかった可能性がある. 2)主介護者の支援内容に対するニーズと,副介護者の支援状況が合わなかったことが考えられ る. 2.介護相談の初期段階は,介護負担感が高く,精神的健康状態も悪い傾向にある. 3.副介護者から「留守番・見守り」の支援を毎日受けている主介護者は,3 ヵ月後に精神的健康 度が良くなっていた.主介護者が「自分の時間」を確保し,心身ともに休息がとれるように支援 することが,必要な支援であると言える. 4.介護相談導入3 ヵ月後には,主介護者は,要介護者の行動の意味や対処方法が理解できるよう になるとともに,要介護者の行動や将来に対する不安が減少する.

論文審査結果の要旨

1.学位論文研究テーマの学術的意義 論文タイトルは「要介護者の副介護者向けリーフレット配布の主介護者における効果」である。目 的は、居宅介護支援事業所の初回相談時に主介護者と共に来所した副介護者にリーフレットを用いた 副介護者支援をすることは、通常のケアに比べて、主介護者の3 か月後の介護負担感(J-ZBI)が低 く、精神的健康度(GHQ-12)が高いことを検証することである。さらに、介護相談初期段階と 3 か 月後の主介護者の介護負担感と精神的健康状態の実態を明らかにするものである。結果は、主介護者 の介入前後の介護負担感並びに精神的健康度に有意な差は無く、仮説は支持されなかった。副介護者 の支援頻度は、初期相談時と3 か月後ともに違いは無かった。3 か月後時点では、副介護者から「毎 日」留守番、見守りを受けている群は、留守番・見守りが「無い」群に比べて、精神的健康度が良か った。 介護保険制度では、在宅医療と介護連携の推進が図られ、今後要介護高齢者の在宅医療、介護が増 加することが推測される。この一方で、高齢者への気兼ね意識や介護サービス利用時の金銭的負担か ら、家族主体の在宅介護の形が続いており、家族介護者の介護による疲労やストレス、今後への不安 といった負担感は大きい。 本研究は、仮説を証明するに至らなかったが、専門職者が副介護者に対してリーフレットを用いて 支援することは、実行可能であることがわかった。また、特定の地域の居宅介護支援事業所40 か所、 地域包括支援センター1か所の初期相談時81 名の主介護者を対象とした研究データは、その地域の 家族介護の実態を示す貴重なデータであるといえる。今後は、本研究の結果を踏まえたさらなる研究 の計画、実施が期待される。家族介護者の負担感を軽減するために副介護者の存在は重要であり、専 門職者による簡便で効果的な副介護者への家族介護者支援の方法が構築されれば、その果たす役割は 大きいと言える。以上から本研究は博士論文に値する研究であると判断する。 2.学位論文及び研究の争点,問題点,疑問点,新しい視点等 介入方法は、専門職者が副介護者に直接面談しリーフレットを手渡し支援することを計画していた。 実際に、副介護者が来所しないことがあり、電話での面談や主介護者を介しての伝達という形でのデ ータ収集となった。副介護者に対しては、主介護者への支援の実際の有無が確認されておらず、コン タミネーションの問題が残る。計画時には実行可能性からサンプルサイズを算出している。J-ZBI

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の結果からt検定のサンプルサイズを求めると1 群 392 名必要であり、結果に影響している可能性 を否定できない。 3.実験及びデータの信頼性 統計的手法は適切に用いられている。しかし、2 で述べたことは、結果の信頼性に影響を与えてい ると考える。 4.学位論文の改善点 公開発表会、審査会での意見を取り入れ、的確に修正・改善された。

参照

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