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特集「人工知能学会・情報処理学会共同企画─人工知能とは何か?─」にあたって

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Academic year: 2021

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606 人 工 知 能  31 巻 5 号(2016 年 9 月) 最近は,お互いの所属学会が異なる複数研究会での共 催イベントなどは珍しいことではない.著者の一人であ る栗原も,毎年 3 月に情報処理学会「知能システム研究 会」,人工知能学会「知識ベースシステム研究会」,「社 会における AI 研究会」,「データ指向構成マイニングと シミュレーション研究会」,そして電子情報通信学会「人 工知能と知識処理研究会」の五つの研究会による合同研 究会を開催しており,来年からは情報処理学会からもう 一つの研究会が合流することになっている.お互いに類 似する研究テーマを扱う研究会同士であってもそれぞれ の研究会コミュニティに所属する研究者は重複も多いも のの異なっており,一同に会しての研究会は議論が盛り 上がり,新しい研究者ネットワークが構築されるなどの メリットもあり,毎年規模が拡大している. しかし,異なる学会の学会誌同士の共同企画というの は恐らく初の試みではないだろうか.今回,本学会に研 究活動の軸足を置いている著者ら(栗原,山川,坊農) として,情報処理学会誌との共同企画に関わることがで きたことは感慨深い.まず,情報処理学会誌編集委員会 にて本学会誌との共同企画案が立ち上がり,当時本誌編 集委員会委員長であった栗原に打診があり,編集委員会 にて議論し,ぜひ連携しようということになった.この 共同企画のきっかけは当然ではあるが,昨今の人工知能 ブームである.今回のブームは研究サイドよりも,実用 サイドのほうが盛り上がっている.その主役は深層学習 法であり,日々新しい技術や応用例が登場している.IT 系大企業からベンチャーに至る情報処理関連部門におい て人工知能の導入に向けた動きが活発であることも,今 回の企画立案の背景であろう. 今回の情報処理学会誌 10 月号との共同企画のテーマ は「人工知能とは何か?」である.今さらと思われるか もしれないが,これだけ注目されている人工知能である にもかかわらず,その定義はいまだに曖昧である.「人 工知能とは」*1というタイトルの書籍が 2016 年 5 月に 出版されたばかりであり,13 名もの人工知能研究者が それぞれの人工知能論を展開している.人工知能に対す る捉え方の多様性を実感することができる内容となって いる.そこで今回は,情報処理研究という広い視点で人 工知能研究について考えてみることになった. 特集は 3 部構成となっている.まず第 1 部は情報処理 学会誌編集委員会編集長・神戸大学大学院工学研究科の 塚本昌彦先生と栗原の対談である.司会は,公立はこだ て未来大学の角 康之先生にて,1 時間という短い時間で あったが,多岐にわたる話題で盛り上がった.この対談 は情報処理学会誌にも掲載される.なお,対談記事とし てはページ数の問題で掲載できない話題も多く,それら の内容も他の機会に公開できればと思う.第 2 部では人 工知能研究と関連のある情報処理研究分野から 11 名の 研究者に,情報処理学会誌には各自の専門領域の動向に ついて寄稿いただいた.そして,本誌には同じ 11 名に それぞれ「人工知能における人道とは?」というお題に て寄稿いただいた.ぜひ,情報処理学会誌も併せてご一 読いただきたい.そして,第 3 部は,「技術紹介」とし て東京大学の松尾 豊先生ほかによる「人工知能と倫理」 と題した人工知能における倫理に関する最近の議論につ いて,そしてドワンゴ人工知能研究所の山川 宏による 「汎用性の創発を脳に学ぶために」と題した,山川を中 心とした研究コミュニティである全脳アーキテクチャ・イ ニシアティブでの研究についての紹介である. 今回の共同企画をきっかけに,両学会会員がそれぞれ 両方の会誌を手に取り,普段参加しない研究会への参加 を通した新たな研究交流が生まれるなど,連携すること での人工知能・情報処理研究全般の活性化が加速すると 幸いである.

特集「人工知能学会・情報処理学会共同企画

   ─人工知能とは何か─?」にあたって

栗原 聡

((前)人工知能学会誌編集委員長/ 電気通信大学大学院情報理工学研究科/ 人工知能先端研究センター)

坊農 真弓

(人工知能学会誌・情報処理学会誌編集委員/ 国立情報学研究所)

長野  徹

(情報処理学会誌編集委員/ 日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所)

山川  宏

(人工知能学会誌編集委員長/ 株式会社ドワンゴドワンゴ人工知能研究所) *1 人工知能学会 監修:人工知能とは,近代科学社(2016)

参照

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