• 検索結果がありません。

ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について

Heating by Heaterless Heatpump Type Air Conditioner

β

勘」円山

1 はじめに

 1978年4月に開催された国際エネルギー機関(lnternational Energy Agency−IEA)、東京 理事会で打ち出された新エネルギー研究開発プロジェクトに呼応して,通産省工業技術院は、 廃熱の再利用を目的とする工業用ヒートポンプの新開発及び国際的な普及活動に参加してい る。そして,新らしく開発された技術がムーンライト計画の一つの商品化として,工業用ヒー トポンプとは規模が小さいが,家庭用ヒートポンプ型暖冷房兼用エア・コンに結実し,高効率 化の促進と共に、エア・コン市場は、冷房専用タイプからヒートポンプ型暖冷房兼用エア・コ ンへと需要構造が大きくシフトしている。  家庭用エア・コンとして最も一般的である冷房能力2,240キロカロリー/時、壁かけ型(スフ。 リット型)の機種について、特性の現状を報告する。 註ムーンライト計画  月の光までエネルギー化しょうとする徹底した省エネルギーのキャッチフレーズとして命名された。政 府は、1978年以来、省エネルギー技術研究開発をムーンライト計画として一本化して推進している。工場 から放出される廃熱を、効率的に回収し利用する工業用ヒートポンプの研究開発も、その政策の一環であ る。

(2)

和恨

t

万台台 50一 一 00 一 一 冷房専用型 一 50■ 幽 ■ 一 00噸 一 一 ヒートポ ンプ型 裳 「「 1 ヒートポンプ・インバータ 亘 1 1 i墨’\ \ ︶碍 50一 \ 一 ・\ 羽皿 60 一 50 00瞬 一 ノ ノ 40  隔

ノ沸

一騨 30 50}

口 z 髪iiiliiii ⋮iiii⋮iiiiiiiiiト●.・. 一一 20 P0 年度 44 46 48 50 52 54 56 58 60    図1 エア・コンの需要構造の推移

2 ヒートポンプ

 冷媒の潜熱として断熱空間または室内から熱を吸収し(汲みあげ)、大気空間に棄てる装置 が電気冷蔵庫であり、冷房専用エア・コンである。これらの製品は、冷凍サイクルを構成す る。使用される冷媒は、電気冷蔵庫にはR−12(CCI2F2・ジクロルジフルオルメタン)、エァ ・コンにはR−22(CHCIF2・クロルジフルオルメタン)である。冷媒は、冷凍サイクルを循 環する。冷凍サイクルで熱を汲み上げるから、電気冷蔵庫や冷房専用エア・コンはヒートポン プである。このヒートポンプの原理を用いて暖房もするのがヒートポンプ型暖冷房兼用エア・ コンである。  冷凍サイクルを循環する冷媒の流れの方向を逆方向にして、屋外の大気空間から熱を吸収 し、圧縮機で濃縮し、高温の状態で狭い室内に熱を吐出することができる。これを冷凍サイク ルの暖房サイクルという。  冷暖房兼用エア・コンは、冷媒の流れを四方弁で切替えて、季節によって,冷房サイクルま たは暖房サイクルとして空気調和をするものである。       26

(3)

ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について

室内側 キヤピラリーチューブ 室外熱交換器

t

室内熱交換器 四方弁   ウ

圧縮機 冷房サイクル

石内側 キヤピラリーチューブ

室外熱交換器 室内熱交換器 四方弁

  2濠

 圧縮機          暖房サイクル

図2冷凍サイクル

ー・一P)・  大気空間の熱エネルギーは、マイナス273℃でゼロになるが、マイナス273℃を超えると熱エ ネルギーが存在する。厳寒季でも、無限大気には莫大な熱エネルギーが存在する。暖房サイク ルはその熱を利用する装置である。

3 ヒーターレス・ヒートポンプ型暖冷房兼用エア・コンの特性改善の推移

 ヒートポンプ型暖冷房兼用エア・コンは、昭和36年、窓かけ型(ウインド)として登場した が、暖房能力が低く、2∼3年で市場から消えた。そして昭和46年に再登場する。当時の暖房 能力は2,200キロカロリー/時位で、冷暖比は1程度であった。(日立家電生活情報No.6より) 冷暖比は年々向上し、三菱重工エア・コンについては、昭和48年度に対して約56%の改善であ る。暖房の場合のEER(エネルギー消費効率)は、34%、成績係数COP(Coefficient of Performance)は、33%改善された。昭和61年度COP 3,51の意味するところは、ヒートポ ンプによって、入力エネルギー(熱量換算)の3.51倍の熱エネルギーが得られたことを示して いる。  インバータエァ・コンは、東芝が昭和57年度に、家庭用に初めて商品化し、その翌年から各 社が参入した。  インバータ方式は、エア・コンの心蔵部である圧縮機の回転数を広範囲に制御することで、 暖房能力または冷房能力の制御を可能にした。

(4)

表1 (ヒーターレス。ヒートポンプ型)暖冷房エア・コンの改善率

      年 度

チ性

  48年度 iSRK−228JH−J)

 61年度

rRK−2246JDH

改善率 能   力 2240kcal/時 2240kcal/時

消費電力

1170W 900W 23% 冷   房

E E R

1.91 249 30%

C O P

2.23 2.89 30% 能   力 2240kcal/時 3500kca1/時 56%

消費電力

990W 1160W 暖   房

E E R

2.26kca1/W 3.02Kca1/W 34%

C O P

2.63 3.51 33%

暖房能力

冷暖比=

冷房能力

1 1.56 56% 室 内 機 32kg 10kg 69%

本体重量

室 外 機 47kg 35kg 26%        冷(暖)房能力 kca1 (注)1,EERエネルギー消費効率・        消費電力   W        冷(暖)房能力   2.COP成績係数・       消電力熱量変換値   3.消費電力熱量変換値=消費電力(W)×O.86kcal/W・時   4.サンプル・三菱重工エア・コン(100V・60Hz) その結果 (1)スイッチONから快適温度に到達するまで、定格を超えた能力で運転できるので、立  上り、暖まりにくい従来機の欠点が改善された。 ② 室温の寒暖にキメ細かく適応した能力で運転できるので、従来機の圧縮機のON・  OFF制御による室温ムラを解消した。 (3>エネルギー消費効率(EER)が改善された。

4 特性改善の背景

(1)圧縮機の効率化 ④ 往復ピストン式からロータリーピストン式へ  エア・コンの消費電力の約90%は、圧縮機で消費されるので、高効率化が進められてき  た。その一つに、ロータリーピストン式への転換が昭和40年代初あから始まり、現在のエ  ア・コンは、すべてこの方式になっている。ロータリーピストン式圧縮機は、高効率、小  型軽量で、安定した品質で多量生産ができ、構造上、高い信頼性がある。        28

(5)

ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について 3700kcar/h 3600kcal/h 3500kca1/h ・3,500 3400kcal/h 鯵

「記ボ

・2,000 1870W 3150kc飢/h 碍 ・3,000 寸320W 138 黶 OW 131 消費電力 @ lw (暖房) @1350W 1151

W

2800kca1/h ●一 \ 3.11 り一」■一一一つ一。 3.10 ,93.18 ・3.0 2.7卿 2.8♂

・誓、

9 ● 2.73 葺 2.67 2.67 一  ● 4,000

`

・2.0 ・2,500 `   A

1ジ

 ●一

^盗3

9一」一■一一一曾一

EE

2.4 q

・糠T

暖冷房比 ● ■ ≧︶只鯉叡混 ・1.0 書,ε︾R R理 理事竈 L25 ・イ●一 .5 Q240 1kcaエ/h 1.40 一.一↓一「一’一 1.52      ■一4_■■一■■離日■■噌■●・1 │    1.56 1.61 1.68

y房

ll

能力 補助ヒーター 810W 700W なし なし 1 なし なし 機種  RASQ21JKHMP 225RAS

@SKH

225 RAS

@YFH

 RASQ25JKHVR 225RASEVR Q25伽JFHRAS

年度 50 53 56 59 60 61 図3 ヒートポンプ型暖冷房エア・コンの特性改善の推移    (サンプル・東芝エア・コン100V 60Hz) ◎ 能力制御型圧縮機の開発  フルパワー運転時は、能力制御バルブは閉じていて、圧縮機に吸入された冷媒のすべてが  圧縮されて,吐出口から押し出される。   能力制御バルブが開いているときは、⑤方向に冷媒の一部が押し出され、その結果、圧  縮機吐出口での冷媒循環量は、フルパワー運転時から、約30%低下する。したがって、圧  縮機の仕事量が減少し、能力と消費電力が減少する。先発メーカは、松下電器(昭和55年  度)。〔図5 能力制御の様式図参照〕 ⑤ インバーターによる圧縮機の能力制御  @は、冷媒循環量を2段に変更して、能力制御を行う方式で、圧縮機の回転数は変えな  い。インバーター方式は、圧縮機の動力源である誘導電動機の回転数を、自由に制御する  ことが可能で、圧縮機の能力、したがってエァ・コンの能力を、キメ細かく調節できる画  期的な方法である。

(6)

︵≧︶夜雨 2,000 1,000 3.0 2.0 1.0 力 能 房 暖

・灘

   ラ  0 0    む む

\綴

● ■

/ゼ

 .3440    ︵

力 能 房 暖 大 最 ︶ ︵ ︵ ミ ︶只避眺愈 ︵潤\罵。図︶R器財屡 oo 鉱ρ ●

冷房能力

2,000 2240(kcal/h)       COP(暖房)

3;・Y4−3‘2贅一重レ:3‘2巴\斎ヅ9レ磁

1300㈹・2… 295・29シ/・趣糞電力磯房、

1・000顕典・9・    . 消費電力(冷房)

  880 890

   e一一

L52    暖房能力 冷暖比=    冷房能力

・rイ溶rr二,詔一「二ま「「●∼・

    12gsT’”N一一・: :±.         1190(W)        

egレ●\eg・(W)

        の1.56     1.51       1。52    東芝(RAS).サンヨー(SAP).シャープtAY,。 松下(CS). 三菱MSHZ  三菱死t工  日立(RAS)    225−EV KV−23Gl 245F 222G ’ 2230R SRK2246 2247W       JGDH 図4 61年度ヒーターレス・ヒートポンプ型インバーターエア・コンの特性   誘導電動機の回転数は、電源周波数で制御できる。   インバーター(Inverter)は、商用周波数(関西では60ヘルツ)の交流電源から、任意  の周波数と電圧の交流を発生する周波数変換装置である。エア・コン用インバーターは、  30ヘルツ前後から130ヘルツ前後の交流電圧を発生する。この周波数を制御して、誘導電  動機の回転数を変え、圧縮機の能力つまり、エア・コンの能力を制御する。  〔表2 参照〕 ② 熱交換器の改善   熱交換器は、室内画と室外機に設けてあり、循環する冷媒が熱を吸収または放熱をす  る。冷媒が流れる管の内側}こ、60本のスパイラル状の溝をつくり、熱伝導率を40%向上さ  せた。管の表面に山形のスリットを成形し、表面の熱伝導を23%改善した。   室外機の熱交換器の吸気側フィンピッチを広くした粗密フィンを採用し、着霜による熱  交換器の目づまりをしにくくして、暖房能力の低下を少なくした。   室外機の熱交換器の除霜方式の改善(暖房運転時)        30

(7)

表2 イ ン バ 一 タ 一 エ ア・コ ン の能力可変範囲

東   芝 サ ンヨ 一 シヤ ープ 松   下 三   菱

三菱重工

日   立

RAS

SAP

AY

CS

MSHZ

SRK2246

RAS

225−EV KV−23GI 245−F 222−G 2230R

JGDH

2247W 定格暖房能力 3400 3600 3500 3500 3500 3400 3400 暖 (可変範囲) (1350−4000) (1350−4100) (1450−4200) (1050−4200) (1350−4100) (1550−4000) (1500−4200) Kca1/時 定格消費電力 1300 1290 1295 1265 1370 1295 1190 房 (可変範囲) (350−1540) (390−1570) (385−1580) (395−1500) (350−1650) (435−1520) (390−1560)

W

定格冷房能力 2240 2240 2240 2240 2240 2240 2240 冷 (可変範囲) (1350−2500) (1320−2750) (1500−2700) (1200−2500) (1500−2500) (1420−2500) (1500−2500) Kca1/時 定格消費電力 950 890 880 890 890 945 850 房 (可変範囲) (420−1250) (410−1380) (410−1200) (420−1070) (410−1140) (550−1250) (440−UOO)

W

一隣ーマヌ・κ一7輪冥刈。断外浜上巳豊Uつ

(8)

キヤピラリーチューブ     キヤピラリーチューブ 1   ▼       ▼二方弁    8

∫9三耕

FJ し、 L@   能力制御バルブ @    シリンダー 蒸発器  ’鞠f  、 P  、P  、、◎=▼ ㌧ 、 . 量   1、\レ、1   印 sストン 凝縮器 ベーン ぎヒ     捌慈・吐出ロ吸入ロ

能力制御型圧縮機 註 一・ti一全能力運転 ・・t一一能力制御運転

図5能力制御の様式図

 ヒートポンプ暖房は、外気の潜熱を吸収して行うので、熱交換器(室外)への着霜は不 可避である。自動霜取り装置が作動して、圧縮機からバイパスを経て、高温の冷媒ガスを 室外熱交換器へ逆流させ、除霜する方式が一般的であった。このとき、暖房運転は停止す るから、室温低下と除霜後の暖房立上がりに、時間がかかり、暖房フィーリングを損な う。  ④クイック防霜システム    着霜量が増えると、自動的に、除霜用の熱を蓄熱して、室内機側に高温冷媒ガスを   送りながら、短時間に除霜する。除霜時間は約2分、従来の1/2から1/5に短縮。   (東芝方式)。  ◎ ノンストップ暖房システム    独自開発のシステムで、暖房運転を行いながら除霜して、実質の暖房効果を向上。   除霜時間は約7分。(シャープ方式) ㊦ MCタイムリー除霜方式    着霜によるエア・コンの能力変化を、マイクロコンピュータで感知させ、除霜運転   する。除霜回数は、従来の1/4となり、外気温が低いときの暖房能力を約10%向上す   るに等しい効率を得た。(三菱重工方式)。  ㊥ 二温度式除霜システム    室外熱交換器と外気温で、着霜状態を感知し、除霜の必要度を判定し、無駄な除霜   運転をカットし、同時に省エネルギー化をはかる。(日立方式)       32

(9)

ヒーターレス・ヒートポンプ方式暖房について

5 む す び

 ヒートポンプ方式暖房は、外気温70Cの時、100%の能力を発揮するが、0。Cに低下すると、 約18%能力が低下する。したがって、室内温度が快適温度に到達するのに時間がかかる。(0 ℃の場合約50分)  また、快適温度に到達する立上りに時間がかかる。(平均30分くらい)。電気ストーブや赤外 線ガスストーブのような放射熱を利用すよ暖房器と異なり、温風循環方式で部屋全体を暖める ものであるから、タイマーを利用して早目にスイッチONをしておくと、その欠点をカバー 室 温︵℃︶        時 間 (分) 図6 ヒートポンプ方式(ヒーターレス)暖房運転特性        (日立家電生活情報より)

表3暖房用エネルギー比較

エネルギーの種類 単   価 発 生 熱 量 1000キロカロリー当スりのエネルギー費 灯油を1とした場合のエネルギー費比率 ヒートポンプ暖房 i東芝RAS−225EVR) 27.7円/h 3600kcal/h @ (60Hz) 7.7円 1.01 灯    油 1200円/182 8800kcal〃 7.6円 1 ’電気ヒーター iジュール発熱) 20,06円/kwh 860kcal/kwh 23.3円 3.07 都市ガス(13A) 148.17円/㎡ 11,000kcal/㎡ 13.5円 1.78 LPガス 245円/kg 12,300kca1/kg 19.9円 2.62 備考 ユ,ヒートポンプ暖房:外気温7℃で消費電力量420kwh/月。     価を計算した。    2,その他の単価は昭和61年8月現在の価格 1日平均使用時間ユ0時間として単

(10)

できる。  ヒートポンプが室内に放出する熱は、大気空間から集めた熱と、その熱を室内に運びこむ心 臓の役割をする圧縮機で発生した熱である。装置をはたらかせるのに必要な電気エネルギーの 約90%は、圧縮機で熱に変換されそのまま暖房に役立つのである。したがって、暖房の場合、 エァ・コンの消費電力の約3倍(熱量換算)のエネルギーを得ることができる。エネルギー費 でいえば、ヒートポンプ方式エア・コンで暖房する場合、ランニングコストは、灯油並みにな った。  インバーターがエァ・コンに導入されて4年、立上りに発揮される大きな能力、定常状態に おけるキメ細かな能力制御運転、その結果としての高効率の実現を果して、いま、インバータ ーエァ・コンは、エア・コン市場の主流となりつつある。ヒートポンプ方式暖冷房兼用エア ・コンは、経済性、クリーンエネルギー、安全性、no care、省スペースの故に、将来におけ る立場を確実なものにしたといえる。 註本文の諸特性の数値は、電器メーカーのカタログに記載されたもの、または、その数値から計算によ  って導いたものである。暖房能力値(Kca1/時)は、日本工業規格(C9612)に定めてある外気温度7℃、  室内温度21℃で運転した場合を示してある。 参考文献 電波新聞 電気店 日立家電情報 34

参照

関連したドキュメント

Unfortunately, inequality (1.10) is not, in general, true for every complex number α.. To see this, we

The proof is quite combinatorial, with the principal aim being to arrange the functions involved into sets to which we can apply the critical maximal inequality of Bourgain, Lemma

本品は、シリンダー容積 2,254

水素爆発による原子炉建屋等の損傷を防止するための設備 2.1 概要 2.2 水素濃度制御設備(静的触媒式水素再結合器)について 2.2.1

③ドライウェル圧力 原子炉圧力容器内あるいは原子炉格 納容器内にある熱源の冷却が不足し

電気の流れ 水の流れ 水の流れ(高圧) 蒸気の流れ P ポンプ 弁(開) 弁(閉).

利用している暖房機器について今冬の使用開始月と使用終了月(見込) 、今冬の使用日 数(見込)

 ZD主任は、0.35kg/cm 2 g 点検の際に F103 弁がシートリークして