Kobe Shoin Women’s University Repository
Title
インド開発計画批判
A Criticism on Indian Planning
Author(s) 黒沢 一晃(Kazuaki Kurozawa)
Citation 研究紀要(SHOIN REVIEW),第 9 号:114-130
Issue Date 1968
Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文
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イ ン
ド 開 発 計 画 批 判
黒
沢
一
晃
1,開 題 イ ン ド計 画 経 済 の指 導 原理 イ ン ドは独 立 以 来十 数 年 の才 月 を計 画 的 な 経 済 建 設 の た め に 捧 げ て きて い るが,果 して,そ の 効 果 は如 何 で あ ろ うか?た しか に,鉄 鋼 の 生 産 は 飛 躍 的 に 増 大 し,原 子 炉 開 発 は す で に 臨 界 状 況 に 達 し,灌 概 面 積 も大 幅 に増 加 して い る。 しか し,イ ン ド経 済 の 現 状 は,食 糧 危 機,イ ン フ レ,外 貨 危 機 に み られ る如 く,一 向 に 改 善 され て い な い 。 それ どこ ろ か,各 地 に 飢死 者 が 報 ぜ られ る な ど,独 立 以 来 最 大 に 危 機 に 立 ちい た って い る。(註1) こ こに お い て我 々 は,イ ン ドの経 済 建 設 が失 敗 す るに い た っ た根 本 原 因 を探 ろ必 要 が あ る。 そ こ で ま ず,イ ン ドの 経済 建 設 が い か な ろ指 導 原 理 に 基 づ い てい る か を考 察 しよ う。 イ ン ド憲法 は,そ の 「国 家 政策 の 指 導 原 理 」 と して,国 民 の福 祉 の 増 進 を採 り上 げ,そ の 達 成 のた め に,<国 家 は,社 会 的,経 済 的,政 治 的 正 義 が 国 民生 活 の あ ら ゆ る分 野 に 満 ち 満 ち る よ うな 社会 秩 序 を確 立 す る こ とに よ り,国 民 の福 祉 の 増 進 に 努 め るべ き こ と〉 を 宣 言 し,さ らに っ づ け て, 国 家 の責 務 と し て,次 の三 項 目を規 定 して い る。 (註2) a.国 民 が男 女 を 問 わ ず,充 分 な 生 活 の 糧 を得 る権 利 を有 す る こ と。 b.社 会 の物 的資 源 の 所 有 な らび に そ の 処 分 は,社 会 全 体 の利 益 に な る よ うに 行 な わ れ る べ き こ と。 c,経 済 社 会 の仕 組 み が,富 や 生 産 手 段 の過 度 の集 中 を来 た した り,公 共 の利 益 に反 す る こ との ない よ うに 努 力 す べ き こ と。 こ の精 神 に基 づ き,イ ン ド政 府 は1954年12月,い わ ゆ る 「社 会 主 義型 社会 」(SocialistPatternofSodety)の 建 設 を ぱ,そ の 社 会 ・経 済 政 策 の 目標 と して宣 言 す るに い た った。 具 体 的 には,民 主 的 な 手 段 に よ って雇 傭 を 促 進 さ せ る と共 に,正 義 に基 づ きす べ て の 国 民 に機 会 均 等 を約 束 す る 社会 秩 序 を打 ち建 て る こ とが,計 画 の一 大 支 柱 と な る にい た った ので あ る。 か くて政 府 は,全 産 業 を三 分 類 し,A類(17項 目)の 産 業 に っ い て は, (註3) 既 設 の もの の発 展 を除 くほ か,す べ て新 設 は 政 府 の手 に よ る もの と し,そ の うち で も特 に鉄 道 お よ び航 空 輸 送,武 器 弾 薬 の製 造 な らび に 原 子 エ ネ ル ギー の 開発 は,中 央 政 府 の専 管 と した 。B類(12項 目)に 関 して は,私 企 業 の新 設 を認 めっ っ も,必 要 とみ とめ た と きに は 政 府 が直 接 介 入 す る権 利 を留 保 し,そ の他 のC類 に つい て のみ,原 則 と して私 企 業 の手 に まか せ る とい う根 本 方 針 を 明 らか に した。 さ て,現 在 イ ン ドは,3次 に わ た る5力 年 計 画 を終 え,本 来 な らば す で に 第4次 計 画 の 達 成 に 努 力 してい る は ず な の で あ るが,種 々 の 障 碍 の 故 に,第4次 計 画 が 事実 上 棚 ざ ら しの状 態 に あ る。 本 稿 にお い て我 々 は,イ ン ドに お け る計 画 経 済 の成 否 を,数 次 の5力 年 計 画 の反 省 を 通 じて解 明 し,第4次 計 画 の 批 判 を通 じて,イ ン ド経済 の将 来 を 占い たい 。 (註2) (註3) A類 (註1)最 近 の 報 道 に よ れ ば,イ ン ドの 各 地 で 飢 死 者 が 続 出 し,遂 に1967年8月8日 に は,マ デ ィ ア ・プ ラ デ ッ シ ュ 州 に お い て 「飢 餓 宣 言 」 が 発 せ ら れ る に 至 っ て い る 。 イ ン ド共 和 国 憲 法 第38条 お よ び39条 IndustrialPolicyResolution ,1956年 1 2 3 4 5 6 7 8 武器 ・弾薬 の製造 な らび に関聯国防産業 原子力 エネルギー 製鉄業 鉄 鋼の鋳造お よび鍛造 製鉄 ・鉱山等 特殊産業 に必要 な重工業施設ならびに機械類 重 電設備 石炭な らびに亜炭 石油 115
9. 10. 11. 12. 13, 14. 15. 16, 17. B類1. 2. 3. 4. 5. 6, 7. 8. 9. 10. 11, 12. C類 以 上A, 鉄鉱 石,マ ン ガ ン鉱 ク ロー ム鉱,石 こ う,硫 黄,金,ダ イヤ モ ン ド 銅,鉛,亜 鉛,錫,モ リブデ ン,鉄 マ ンガ ン重 石 の 採 掘 な ら び に処 理 原子 力 エ ネ ル ギー に 関す る特 殊 鉱 石 航 空 機生 産 航 空 事業 鉄 道 事業 造 船 業 電 話 お よ び電 話 ケー ブ ル,電 報 お よ び無 線 装 置(た だ し,ラ ジオ 受信 機 を 除 く) 発 電 な ら び に電 力 供 給 特 に 認 め る もの以 外 の鉱 石 の採 掘 アル ミニ ェー ム な らび にA類 に含 ま れ な い 非 鉄金 属 機 械 工具 非鉄 合金 な らび に工 具 用鉄 鋼 化 学 工業 に必 要 とさ れ る基 本 的 物 質 な らび に 中 間生 産 物 抗 生 物 質 な らび に基 本 的薬 品類 肥 料 合 成 ゴ ム コー ク ス の製 造 精 製 パ ル プ 陸 上 交 通 海 上 交 通 Bに 含 まれ ない もの 2,諸5力 年 計画 の 経 緯 と反 省 1951年 に 始 ま る第1次5力 年 計 画 は,そ れ ま で の諸 計 画 を ひ きつ い だ 形 で 始 め られ たが,こ れ は 農 業,特 に灌 概,発 電 設 備 の 拡 充,運 輸 施 設 等 の (註1) 改 善etc.に 重 点 を お く こ とに よ って,将 来 に お け る よ り急 速 な経 済 発 展 の基 礎 固 め をす る もの で あ った。 さ て,独 立 後 の数 年 は,た え ざ る イ ン フ レ圧 力,食 糧 需 給 の ひ っ迫,交 易 条 件 の悪 化,印 ・パ 分 離 に 伴 な う経 済 的 分 断 な らび に 避 難 民 問 題,国 際 収 支 に 関 す る不 安 の 時期 で あ っ た が,そ の 後 の 好 天 候 に よ る食 糧 需 給 の 好 転,イ ン フ レ圧 力 の 消 滅 等 に よ って,第1次 計 画 は 予 想 以 上 の 成 功 を 収 め,国 民 所 得 も計 画 の12%を 上 回 る18%増 を記 録 した 。 これ に ひ きつ づ く
第2次 計 画 は,第1次 計 画 に よ っ て始 め られ た基 本 計 画 を更 に推 進 さ せ, 投 資,生 産,雇 傭 の 機 会 を 増 大 せ しめ る こ とを 目標 と した が,そ の 具 体 的 な 特 色 は 基 本 的 重 工 業 の 発展 に重 点 がお か れ た こ とで あ る 。 これ は 一 っ に は, (註2) 灌 瀧 と発 電 の た め の 計 画 とい わ れ た第1次 計 画 に対 す る反 省 と,一 っ に は 社 会主 義諸 国,特 に 隣 国 中 国 にお け る 開発 成 果 に刺 戟 さ れ た 面 もあ る。 こ の 重 工業 重 視 の政 策 は必 然 的 に資 本 財 の輸 入 の 急増 を来 た し,最 初 の2年 間 に外 賃 準備 が激 減 し,国 際 収 支面 の危 機 と な っ て現 わ れ た。 加 うるに 食 糧 政 策 の欠 如 が 大 き な 問題 と な るに い た った 。 結 局,外 貨 準 備 の 喰 い っ ぷ し,外 国援 助,1.M.F.よ りの借 り入 れetc.を もって 急 場 を しの ぐこ と コ ア ブ ロ ジ エ ク ト と な っ たが,そ のた め 政 府 は 計 画 の 修 正 に 迫 られ,い わ ゆ る重 点 計 画 を 発 表 す るに い た った 。 要 す るに,第2次 計 画 は 第1次 計 画 に比 して必 らず し (註3) も好 結 果 を もた ら した とは い え な い の で あ る。 とい うの は,す で に 第2次 計 画 期 の 初 期 に あ って,株 式 市 場 ブー ム,機 械 産 業 のか な りの発 展,一 部 大都 市 の 商 工 階級 の 繁 栄 の か げ に,増 大 す る失 業,村 落 手 工 業 の 不 況,農 業 生産 不 振 に よ る食 糧 価 格 の 高 騰,そ れ に 伴 な う農 民 や 下 層 民 の 購 買 力 の 低 下 等,適 正 な る社会 政 策 を 欠 い た 開発 投 資 の 弊 害 が現 れ 始 め て い た の で あ る。 1961年 に 始 ま っ た第3次 計 画 は,15年 に わ た る長 期 の 見 通 しを もっ もの で あ るが,そ の 間に イ ン ドの経 済 を急 速 に 発展 さ せ るの み で な く,自 立 経 (表1.2) 済 の 達 成 をそ の 目標 と し,第2次 計 面 に ひ き つ づ き重 工 業 を 優 先 す る もの であ り,前2計 画 期 の合 計 に 匹敵 す る 大 規 模 な る投 資 を 行 な い,期 間 中 に 農 業 生 産 を30%,工 業 生 産 を70%,国 民所 得 を30%(年 率5%)増 加 さ せ る こ とを 目標 と した 。 と こ ろ が現 実 に は,国 民 所 得 は,第1年 目2.5%, 第2年 目ユ.7%,第3年 目4.9%,第4年 目7.6%の 増 加 しか 示 さ ず,最 終 年 に は 逆 に4.2%の 下 落 を示 した の で あ る。 こ れ は 国境 問 題 等 予想 外 の 要 因 もさ る こ とな が ら,当 局 も率 直 に 認 め る如 く,計 画 の不 備 も大 き な原 因 (註4) で あ った とい え よ う。 た とえ ば灌 瀧,発 電 の大 計 画 は あ っ て も,そ れ らを 充 分 に 活 用 す る た め の 補助 的 な い し補 完 的 計 画 が不 充 分 で あ った こ と,特
に 重 工 業 施 設 な どの投 資 に お け る懐 妊 期 間 にっ い て の 楽 観 か ら くる派 及 的 遅 延,公 共 部 門 の非 能 率etc.が あ る。 これ を要 す るに,第3次 計 画 期 の イ ン ドは,独 立 当 時 に 比 す べ き困難 に直 面 してい た とい え よ う。 特 に前 期 よ りひ きつ が れ た イ ン フ レは 益 々 猛威 をふ るい,物 価 は 第3次 計 画 期 中 に 36%の 騰 貴 を示 し,一 般 大 衆 の 生 活 を圧 迫 した 。( 註5) (註1)独 立 直 後,実 業 家 のグ ルー プに よ って,い わ ゆ るボ ンベ イ ・プ ラ ンな る もの が立 案 され て い た 。 なお,1950年 に発 足 した 計 画 委 員会 は 翌 年7月 に第1次5 力年 計 画 要 綱 を 発表,1952年12月 に最 終 案 が 議 会 を 通 過 した 。 (註2)開 発 資金 支 出区 分(A)(単 位:億 ル ピー)
「
\
公 共 部 門 支 出 うち公共部門投資私 的部門矧
第1次 計画 196.0 156,0 180.0 第2次 計画 460,0 365.0 310.0 画 一漏
鞭
750.0 630,0 410.0 投 資 合 詞1336.・ 一一一 ・1∼ 675、01。040.0 』1:F._: い '1,600 ,0 い 〔1・360・O l775.0/ r!乳135.0 開発資金支 出区分(B) (単 位:億 ル ピ ー)\
農 業 及 地 域 開 発 大 ・中 規 模 灌 概 発 電 村 落 及 小 工 業 鉱 ・ 工 業 運 輸 ・ 通 信 社 会 福 祉 他 調整項 目!そ の他 第1次 計 画 (%) 29,1(15%) 31.0(16%) 26.0(13%) 4.3(2%) 7,4(4%) 52.3(27%) 45.9(23%) 第2次 計画( %) 53.0(11%) 42.0(9%) 44.5(10%) 17.5(4粥) 90,0(20%) 130.0(28%) 83.0(18%)讐
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65.0(9%) 101,2(13%)!l禰
1
241.0〔15.ユ 粥1 96.4(6%} 203,0〔12.7粥1 264(4%)13乳 ・(23%) 152°(2°%)18ga6(24° 鮒 1480(20%)1罰LO(188%) 十 ニ ヨ ロ 196,0460,0 (100%)(100%)領欝
(註3)こ れ は1957年 に発 表 せ ら れ,1958年 にそ の 修 正 案 が提 出 され て い る 。(註4)GovernmentofIndia,PlanningCommiss丘on:TheThirdPlanMid-terni Appraisal.Nov、,1963. (註5)最 近 の 政 府 の 財 政 支 出 状 況(単 位 二億 ル ピ ー) 鳶 一斐 慾 」 ・96・6・ 「1963-641・964-65 入 出 足 入 出 足 目 不 目 不 目 支 項 . 項 . 収 収 支 過 収 支 過 項 常 本 合 経 資 雑 総 工 乞 a 4 87.746 82.621 十5.125 112'700 100.053 12.647 -6 .087 十11.685 184.614 165.860 十18.754 138.085 175.995 -37 .910 十2.470 -16 .686 207.920 185,005 十22.915 179.084 208.000 -28 .916 -2 .029 -8 .030 1965-66 218.269 195.247 十23.022 192.872 210.034 -17 .162 -5 .486 十 〇.374 GovernmentofIndia,PublicationDivisioロ:India1966. 表1-A「 長 期 見 通 し 」 に よ る 発 展 予 想
論(1直 ボ_[
餌1211
国 民 所 得(億 ル ピー) 国 民 総 生 産(億 ル ピー) 外 国 援 助(億 ル ピー) 国 民 総 支 出(億 ル ピー) 資 本 形 成(億 ル ピー)う「
公 共 支 出(億 ル ピ ー) ち1 個人消費(齢 ピー〉 人 口(百 万) 一 人 あ た り所 得(ル ピー) :一人 あ た り消 費(ル ピー) 1,414 ユ.594 52 1.646 210 116 11320 439 322 13°1 196519701975 -66-71-76 1,8002,6003,730 2,0442,9784,321 55350 2,0993,0134,321 350630930 210280390 1,5392,1033,001 492555625 366468597 313379480 年 間 成 莚 琿r傷,一' 1旦ll]191111皇1言[1三写1[1皇籍 5.0 5.1 5.0 10.7 12,6 3.1 4 君 0 9 自 り 白 8 ロ 0 6.6 6.9 6.6 10,5 8.4 5.6 24 4.2 3.2 7.7 7.7 7.5 12.5 6.0 6.4 2.4 5.0 4.0 7、5 7。7 7.5 8.1 6、9 7、4 2.4 5.0 4.8 7.6 7.9 7.5 102 6.4 6.9 2.4 5.0 4.4 Source:NotesonPerspectiveofDevelopment,India:1960∼61to1975∼76, 119表1-B 「長期見通 し」 による発展予想(B)
一1・96・-6・1・965-66
1970∼711975∼76 完 成 鋼 材(万 トン) ア ル ミ ニ ュ ー ム(万 ト ン) 窒 素 肥 料(万 ト ン)1 燐 酸 肥 料(万 トン) 苛 性 ソ ー ダ(万 ト ン) ブ ラ ス チ ヅ ク(万 トン) セ メ ン ト(百 万 トン) 石 炭(百 万 トン) 鉄 鉱 石(百 万 トン) 電 力(億KWH) 食 糧 穀 物(百 万 トン) 油 性 種 子(百 万 トン) 棉 花(百 万 俵) 砂 糖 キ ビ(グ ル)(百 万 トン) ジ ュ ー ト(百 万 俵) 農 業 生 産 物 総 価 額(億 ル ピー) : 245 1.9 9.9 5.4 9.9 1.0 8,0 53.0 11.0 164.0 81,0 6.6 5.39 10.6 3.98 868.3 580 6,8 50.0 20.0 30.0 7.5 12,0 89.0 27,0 396.0 90.0 7.5 6.34 11.0 6.16 990.2 1,150 24.0 175.0 75,0 60.0 27.0 23.0 140.0 60.0 792.0 122.0 11.2 9.80 13.2 7,34 1,326,5 2,150 36.0 300.0 170.0 100,0 55.0 36.0 210.0 90.0 1,255.0 151.0 15.7 13.50 17.8 9.30 1,684,4 So皿rce:NotesonPerspectiveofDevelopment,India1960∼61to1975∼76, 3,イ ン ド経 済 の現 状 と第4次5力 年 計画 1966年8月29日,計 画 委 員会 は 第4次5力 年 計 画 草 案 を議 会 に 提 出 した が,こ れ は 総 額2,375億 ル ピ ーに 達 す る甚 だ 野 心 的 な もので あ った。 (表2.3) そ もそ も,第3次 計 画 が1960∼61年 か ら1975∼76年 にい た る15年 間 の長 期 計 画 の 第1期 計 画 と して提 出 され た もの で あ り,従 って,第4次 計 画 は 残 る10年 間 の 大 綱 を も示 しつ つ,特 に そ の前 半 の5力 年 間 に っ い て の 具体 策 を 示 す もの で あ るが,こ れ に 先 立 つ第3次 計 画 が 無 残 な 失 敗 に終 り,イ ンブ レ,食 糧 危 機,外 貨 危 機etc.に よ り,イ ン ド経済 が独 立 以来 最 大 の 苦境 に 陥 っ てお り,特 に1966年6月 に は.57%に も及 ぶ 為 替 相 場 の 切 り下 げを行 な わ な け れ ば な らな か った の で あ る。 しか も,こ の為 替 相 場 の切 り下 げ が,当 局 の 期 待 通 りの 効 果 を もた ら さず,交 易 条 件 の人 為 的 悪 化 の 結 果,国 際 収 支 は益 々悪 化 の一 途 を た どっ て い る。 か くて,イ ン ドは 超 緊 縮 (註1) 財 政 を 採 る こ とを余 儀 な くされ,現 在 の とこ ろ,第4次 計 画 の 本 案 は 未 だ 提 出 さ れ てお らず,や っ と草 案 を もと と して,1年 毎 の暫 定 予 算 が 承 認 さ れ てい る にす ぎ ない 。 しか し なが ら,以 上 の如 き事 態 は 決 して 予 想 し得 ぬ (註2) こ とで は なか った ので あ る。 す なわ ち,1963年11月 に 発 表 せ られ た 「第3 次 計 画 中 間 報 告 」 それ に つ づ く1964年10月 の 「第4次5力 年 計 画 に 関す る (註3) メ モ ラ ンダ ム」 の発 表 を契 機 と して,イ ン ドに お け る計 画 経 済 の あ り方 ,(註4) あ るい は そ の方 向,規 模 に っ い て,か な りの 論 議 が 展 開 され て い た の で あ る・ す な わ ち・ 第3次 計 画 中,中 ・印 国 境紛 争,印 ・パ 戦 争 等 不 測 の障 碍 に見 舞 われ た とはい え,計 画 が 当初 の 目標 とは 程 遠 い 達 成 率 しか示 し得 て い ない が故 に,第4次 計画 は な お さ ら一 そ う大 規 模 な ら ざ る を得 ない とす る,主 と して計 画 委 員 会 側 の立 場 と,然 る が故 に,次 の 計 画 は 現 実 をふ ま え た もので な くて は な らな い とす る,主 と して在 野 の 学 者,実 業 家 の 間 に,烈 しい 論争 が 展 開 され てい た の で あ る。 而 して,草 案 提 出 の 段 階 ま で は,積 極 論 者 の 主 張 が 認 め られ てい た 如 くで あ るが,最 近 に い た り,現 実 主 義 者 の 緊縮 論 が勝 ち を 占 め た もよ うで あ る。 121
(単,位:億 ル ピー ン 表2第4次5力 年 計 画(支 出〉 総 支 出 (C+D) 331.0 96,4 427.4 208.0 69,0 628,6 364.0 1.269.6 130.0 14』 58.7 37,3 178.0 18.0 6.0 14.5 1.0 9.5 5.0 9.0 481.0 7.0 190.O a375.0
項
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農 灌 業 概 公 共 部 門 私的部門 1経糖 出1搬(B)合 計{c)饗D算 835 157.5 964 241.0 964 90.0 投 資 総 纈 (B+D) 247.5 96,4 83.5 157.5 241,090.0 247.5 96.4 96.4一 96.4 83.5 一 253.9一 一337,490.0 343.9 一 203.0 203.05.0 208.0 14.0 23.0 37,032.0 55.0 一 393.6 393.6235.0 628.6 一 一 301.0 301,063.0 364.0 14.0 920.6 934.6335.0 1,255.6 74.0 47.0 121.09.0 、 56.0 15 .0 9.0 14,0一 9.0 34.3 24.4 58.7一 24.4 一 37.3 37.3 37.3 一 28.0 28.0150.0 178.0 11.5 6.5 18,0一 6.5 4.0 1.0 5,01.0 2.0 6.5 8.0 14.5一 8.0 0.7 0.3 1.0一 0.3 一 9.5 9.5一 9.5 1.5 3.5 5,0一 3.5 3.0 6.0 9.0一 6.0 一 一 140.5 180.5 321.0 160.0 340.5 一 2.0 5.0 7.0一 5.0 '●. ●,■ …190 .0 190.0 240.0 1,360.0 1,600.0775.0 2唱135.0 電 業 業 信 産 産 通 模 ・ 織 輸 規 発 小 組 運 教 育 科 学 研 究 保 健 ・衛 生 他 給 水 住 宅 ・ 建 設 未 開 部 族 対 策 社 会 福 祉 職 業 訓 練 ・労 働 対 策 協 同 組 合 事 業 農 村 対 策 未 開 地 開 発 難 民 の 社 会 復 帰 他 目 項 の 整 そ 調 総 合 計 Source:FourthFiveYearPlan,ADraftOutline表3第 \ 一 項 目 ' 、 4次5ヵ 年 計 画(物 的 目標) 摘 要
\
物 花 ト の 子 弟 く 作 ︻ ビ 種 キ 糧 ユ 性 糖 食 棉 ジ 砂 油 窒 素 肥 料(生産能力) 燐 酸 肥 料(〃) 発 電(能 力) 灌 概(追 加 面 積 累 計) 鉄 石 鉱 石 炭 砂 糖(消 費高) 紙(〃) 新 聞 用 紙(〃) 鉄 鋼(イ ン ゴ ッ ト) 銑 鉄(最 終 製 品) ア ル ミ ニ ュ ー ム 機 関 車(製 造能 力) 農 業 用 トラ クタ ー(〃) 商 業 用 自動 車(〃) 機 械 工 具 セ メ ン ト 主 要 港 湾 荷 役 能 力 初 等 教育(6才 ∼11才) 中 等 教 育(11才 ∼14才) 高 等教 育(14才 ∼17才) 単 位 1965∼66年 度 第4次草 案に よ る計面1 197⑰一71印1囎 糠i
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100万 ト ン100 100万 俵7.06 100万 俵6,2 100万 ト ン10 100万 ト ン9.82 エ000!漸 )1.000 "400 `P讐Or風 虹} 100万KW 100万 工 一 カー 12.7 29.5 100万 ト ソ 100万 ト ン 0 ρ0 0 0 0 ∩ 0 0 り 100万 ト ン3,5 1.000ト ン700 1,000ト ン120 100万 ト ン 100万 ト ン 1,000ト ン 9.2 1.5 80 台360 1,000台10 1,000台60 億 ル ピ ー3泊 100万 ト ン13 100万 ト ン49 同 年 令 層 比76,4% 〃28.6% 415・6% 72.3 4.73 4.48 12,12 6,14 120 8、6 8.0 13,5 10.7 233 111 2,000 1,000 10,2 18.0 20 31 23.0 68.0 54,0 106,0 3.55 550 30 4.5 900 150 6,2 1,2 65 11,7 3,0 330 276 5.6 68、5 2,3 10,8 50.2 417 35 170 10,5 20,0 82.5 78,5% 32.2% 17.8% 92,2% 47.4% 22.1% Sources:ThirdFiveYearPlan. MemorandumontheFourthFiveYearPlan. FourthFiveYearPla且,ADraftOutline. (註1)拙 稿 「印貨 ル ピー 切 り下 げ の 功 罪 を 論ず 」(松 蔭 女 子学 院 大 学 ・短 期 大 学 研 究 紀要 第8号,1966年12月)に お い て,私 は こ の切 り下 げが 為 替 レー トの切 り 下 げ を ク ッシ ョン と した イ ン フ レ収拾 策 で あ る と論 じ,よ ほ ど の英 断 を も って 123め ぞ ま ぬ 隈 り,第2,第3の 切 り下 げ が 必 要 と な る で あ ろ う こ と を 指 摘 し た 。 (註2)④ 第4次 計 画 第1年 度 に あ た る1966∼67年 度 の 支 出 計 画 は,1966年3月 に, 222億1,000万 ル ピ ー と 決 定 せ ら れ て お り,こ れ は 全 計 画 の14.0%に 相 当 す る が,1965年 度 の 農 業 の 不 作 に か ん が み,農 業 部 門 に 重 点 的 に 支 出 さ れ て い る 。 FourthFiveYearPlan,DraftOutlineP.45. ◎1967年7月26日 に い た り,1967∼68年 度 の 年 次 支 出 案 が 提 出 さ れ て い る が, 今 回 も農 業 お よ び そ の 関 連 計 画 に 最 高 優 先 権 が 与 え ら れ て い る 。 も っ と も可 能 な る 財 源219億2,000万 ル ピー に 対 し,支 出 は 合 計224億6,000万 ル ピ ー(農 業29.7億,工 業52億,運 輸 通 信41.9億.電 力38.5億,灌 慨14.7億,教 育11.2 億,そ の 他36.6億)と な り,5億4,000万 ル ピ ー の 財 源 不 足 が 予 想 さ れ て い る 。 一一 東 京 ・印 度 大 使 館 発 行lndiaNews .1967年8月2日 号 (註3)GovernmentofIndia,PlannillgCommission: TheThirdPlanMid-termApPraisa1,Nov.,1963. (註4)GovernmentofIndia,PlanningCommission: Memorandumon出eFourthFiveYearPユan,Oct.,1964 . 4,現 イ ン ド経 済 の 問 題 点 A.物 価 騰 貴 現 在 の イ ン ドの 最 大 の 悩 み は,止 ま る と こ ろ を 知 ら ない 物 価 の 上昇 で あ ろ う。 この イ ン フ レは,イ ン ド政 府 の 政 策 そ の もの が, 赤 字財 政 を 基 調 と した 経 済 発 展 政 策 を採 りつ づ け てい る以 上,避 け る こ と の 出来 な い もの で あ った とい え よ う。事 実,物 価 は 過 去10年 間 に80%の 騰 貴 率 を示 し,特 に 最 近 の2年 間 で28%も の騰 貴 を示 した の で あ る。 す な わ ち,1952/53年 を基 準 とす る 卸 売 物 価 指 数 は,1966年12月 に は,全 商 品 に っい てユ98,特 に食 糧 に っ い て は210を 示 した が,こ れ は それ ぞれ 前 年 比 17.4%高,23.1%高 を示 す もので あ っ た。 これ は 明 らか に,第1次 計 画 期 中 で33億 ル ピー,第2次 計 画 期 中 で95.4 億 ル ピー,第3次 計 画 期 中 で115億 ル ピ ー に及 ん だ 赤 字 財 政 が そ の原 因 の 一 つ で あ っ た こ とは 否 め ない 事 実 で あ る。 なお この イ ン フ レは,国 内 物価 騰 貴 に よ る輸 出減 少,外 資 導 入 の 阻害 等, イ ン ド経 済 の あ らゆ る面 に 悪 弊 を もた ら し,遂 に,イ ン ド政 府 は1966年6 月に,平 価 の切 り下 げ を行 な った の で あ るが,こ の 平 価 の切 り下 げは,見
方 に よれ ば,為 替 レー トを ク ッシ ョンに した 物 価 安 定 の 手 段 で あ っ た とい え る の で あ る。 (註1) B.公 共 部 門 の拡 大 と そ の非 能 率 一 現 在 の イ ン ド経 済 特 有 の 問 題 と しU(,開 発 計 画 の 進 展 と と もに,い わ ゆ る公 共 部 門(PublicSector)の 比 重 が非 常 に増 大 して 来 て い る こ とが 注 目せ られ ね ば な らない 。 過 去15 年 間 に,総 投 資 額 の70%以 上 が 公 共 部 門 に投 下 さ れ た に も拘 らず,現 在 の と ころ,総 国民 生 産 のわ ず か5%が 公 共 部 門 よ り生 み 出 さ れ て い るに す ぎ ない 。 こ れ は単 に 資 本 の効 率 が 悪 い とい うだ け で な く,特 に イ ン ドの 如 き 資 本 不 足 国に あ って は,私 的 部 門に 向か うべ き資 本 が 制 約 を蒙 って い る と い う意 味 に お い て,大 い な る損 失 とい うべ き で あ る。 特 に あ る論 者 に よ る と,私 企 業 の 平 均19%に 比 して,わ ず か に平 均1.7%の 粗 利 潤 を あ げ 得 て い るに す ぎ ない の で あ る。 これ は 公 共 部 門 とい え ど も充 分 な る利 潤 を あ げ, (註2) た だ 単 に 国 庫 に 一 定 の 収 入 を 約 束 す るだ け で な く設 備 の更 新,減 価 償 却 を 行 な い,自 己 の積 立 金 を もち,自 力 で 将 来 の 発 展 に 備 え る こ とが 期待 さ れ てい た こ とを考 え る と,大 きな 誤 算 で あ った とい わ ね ば な らな い 。 (註3) C.イ ン フ レ下 に お け る不 況 の 問題 一 最 近 の イ ン ド経 済 に っい て の 特 筆 す べ き現 象 の 一 つ は,前 述 の如 きイ ン フ レ下 に あ って,深 刻 な不 況 が 訪 れ てい る とい う事 実 で あ る。 そ もそ もこの イ ン フ レが,一 面 に お い て毎 年 の食 糧 不足 に伴 な う と ころ の 農 産 物 に 対 す る慢 性 的 高 度 需 要 と,原 料 高, 賃 金 高 よ りす る生 産 物 価 格 の 高騰 に 基 因 す るた め,一 般 庶 民 の 購 買 力 が極 度 に 低 下 し,食 糧 以 外 の生 活必 需 品 に 対 す る需 要 が 極 端 に 減 退 し,そ の 結 果,繊 維 製 品 の売 り上 げ も影響 を うけ,他 方,政 府 の 緊 縮 財 政 政 策 に もと つ く公共 投 資 の 削 減 は,土 木 関 係,機 械 工 具 関係 の 受 注 減 とな って あ らわ れ て い る。 こ こに お い て,実 業 界 で は,賃 金 凍 結 に よ るイ ン フ レ対 策 が 登 場 す る 一方,他 方 で は,公 務 員 等 に よ る,物 価 手 当(DearnessAllowance) の 増 額 要 求 と な り,こ れ が 政 府 の 財 政 支 出 の 負 担 とな り,ま す ます 開発 計 画 の 圧 縮 に 向 う結 果 と な ってい る 。 な お 現 在 の と こ ろ,繊 維 部 門 以 外 に も, (註4) 鉄 鋼 ,鉄 道 車 輌,熔 接 電 極,機 械 工 具 等 の 部 門 に 操 業 短 縮 が 多 くみ られ る。 ↓25
D.人 口 増 加15年 に わ た る 経 済 開 発 に も 拘 ら ず,イ ン ドの 一 人 あ た り 所 得 の 仲 び は 極 端 に 低 く,特 に 一 人 あ た り 食 糧 需 給 関 係 は 一 向 に 好 転 し て い な い 。 こ れ は 計 画 の 不 調 も さ る こ と な が ら,根 本 的 に は,予 想 以 上 の 人 口 増 加 が 大 き な 原 因 と な っ て い る 。 イ ン ド政 府 の 発 表 に よ っ て も, 近 年 の 実 質 人 口 増 加 率 は 年 率2.0%に 達 し,1966年 末 の 人 口 は5億 を 突 破 (註5) す る 。 し か も 農 業 生 産 の お く れ は 想 像 を 絶 す る も の が あ る 。 (註6) (註1)既 出,拙 稿 「印 貨 ル ビ ー 切 り下 げ の 功 罪 を 論 ず 」 (註2)N.A.Palkhivala;TheEconomicEnvironmentinIndia1967,P.P.11∼ 12. (註3)M.A.Master:DiscriminationBetweentheTwoSectors,1966. (註4)イ ン フ レ の 結 果,労 働 者 階 級 の 生 活 は ま す ます 圧 迫 さ れ,各 地 で ス ト ラ イ キ が 報 ぜ ら れ,最 近 で は1,100人 に 及 ぶ ボ ン ベ イ港 湾 労 務 者 の ス トラ イ キ と, AirIndiaの パ イ ロ ッ トの ス ト ラ イ キ が 大 き く報 ぜ ら れ て い る 。-FarEasternEconomicReview,August6∼12,1967. (註5)GovernmentofIndia,PublicationDivision,India1966. (註6)イ ン ド政 府 は,こ の た び,大 規 模 な 産 児 制 限 運 動 を 始 め て い る が,堕 胎 の 是 非 に つ い て は 公 的 な 発 言 を ひ か え て い る 。-FarEasternEconomicReview, Aug.6∼12,1967. 5,第4次5力 年 計 画 批 判 イ ン ド経 済 の 見 通 し 以 上 我 々 は,前3回 の5力 年 計 画 の 推 移 な らび に 第4次5力 年 計 画 の 大 要 を見 て来 た。 従 って 本 節 に お い ては,こ の第4次 計 画 な る もの が,現 在 の イ ン ドに と ってふ さ わ しい もの で あ るか ど うか?を 吟 味 し,あ わ せ て イ ン ド経 済 の前 途 を 占い たい 。 さ て,1964年4月 に 発 表 せ られ た,上 述 の 「イ ン ド経 済 長 期 見 通 し」 は 1960-61年 か ら1975-76年 ま で,す な わ ち 第3次 計 画 期 か ら第5次 計 画 期 終 了 ま で の15か 年 の経 済 成 長 を 見 通 す もの で あ るが,こ れ に よ る と,こ の 15年 間 に,生 活 水 準 の持 続 的 向 上;雇 傭 機 会 の増 大;外 貨 危 機 の終 焉 と外 国 援 助 か らの 脱却;所 得 ・富 の配 分 に お け る不 平 等 の解 消;公 共 部 門 の 能 率 増 進;教 育,科 学 研 究,公 共 福 祉 等 に 対 す る公 共 支 出 の拡 大;農 村 地 方
の 体 質 改善 をそ の 目標 と してい るが,こ れ を具 体 的 に示 す と次 の如 くな る。 a.第5次 計 画 終 了 時 ま で に,一 人 月額20ル ピー の 消 費 支 出水 準 を 確 立 し,特 に 農 村 地 方 に お け る生 活 内容 の改 善 を 目指 す 。 b.1975-76年 度 以 降,外 国援 助 な しで,年 率7%の 経済 成 長 を 維 持 で き る よ うに す る。 c.次 の10年 間 に充 分 な 雇 傭機 会 を提 供 す る 。 d.機 会 均 等 を保 障 す ろ 社会 秩 序 を 推進 し,所 得 な らび に 富 の 偏 在 を 出 来 る限 り排 除 す る。 しか らば,こ の15力 年 計 画 の 中 核 を な す第4次5力 年 計 画 は,以 上 の 目 標 達 成 に と って適 切 な もの で あ る とい え るで あ ろ うか?以 下 に,総 国 民 所 得お よび 一人 あ た り国民 所 得 の 伸 び,そ の 部 門 別 分 布 の 推 移,食 糧 輸 入 (表4)(表5) 状況,階 層 区分 別 一人 あ た り月 間支 出,政 府 負 債 の 増 加 状 況 とい う現 実 の (表6)(表7)(表8) 姿 と,第4次 計 面 もし くは この15年 計 画 自体 の 内 包 す る矛 盾 の 両 面 よ りこ れ を見 て み よ う。 1948-49 1950-51 1955-56 1960-61 1963-64 1964-65 865.0 953.0 998.0 1,414.0 1,721.0 2,001.0 865.0 885.0 1,048.0 1,273.0 1,397,0 1,505.0 249,6 266.5 255.0 325.7 370.9 421.5 249.6 247.5 267.8 293.2 301.1 317.0 Source:GovernmentofIndia,PublicationDivisionlIndia1966 127
9817 7)(47.5) 一 一 〇333 4)(19.3)一 一 乳一 一 4281 6)(16.3) 1,027 (51.3) 360 (18.0)一 296 (14、8) 6299 7)(17.4) 329 (16,4) ■_ 一 一
\
年度\
;lll-「
輸 入 量 60万 トン 513 745 万 ト ン 万 ト ン 1966 972万 ト ン Sollrce2FarEasternEconomicReview 表7階 層 区 分 別1人 あ た り 月 間 支 出 1人 あ た り月 間 支 出(単 位 ル ピー) 一 8 11 13 15 18 21 24 28 34 43 55 上 以 = = 一 皿 一 一 一 一 一 5 5 0 8 1 3 5 8 1 4 8 4 3 1 1 1 1 2 2 2 3 4 百 分 比 農村1都
会 6 12 10 10 14 10 7 7 8 5 2 3執
釦541
§
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0 2 6 5 6 11 10 7 8 10 10 8 13;伝、
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Souroe:Governme皿tofIndia,PublicationDivision言India1964表8 年 次 イ ン ド 政 府 の 債 務 状 況(単 位 言億 ル ビー) 一蝿 .劉 対 外 債 務1内 外 債 務 合 計 1951年3月 1956年3月 1961年3月 1966年3月 1967年3月(見 込) 3.202 11.363 76,096 262.918 329.344 1 205,433 244,335 473,896 804.980 892,025 Source;GovernmentofIndia,PublicationDivision:India1966. 以 上 の 数 字 は,イ ン ドの 経 済 が ま す ま す 苦 境 に 陥 っ て い く こ と を 示 す 以 外 の 何 もの で もな い 。 し か る に 一 方,政 府 は 第4次5力 年 計 画 に,そ の5 力 年 間 の 国 民 所 得 総 計 の20%に 相 当 す る2,375億 ル ピ ー の 開 発 支 出 を 予 定 し,そ の うち の1,600億 ル ピ ー を 公 共 部 門 の 支 出 に あ て て い る の で あ る 。 そ こ に 担 税 力 の 限 界 が 感 ぜ ら れ ろ の で あ る 。 (表9) 表9資 金 源(単 位:億 ル ビー) 現 行料率 における税 収 現行料金 による鉄道 運賃収 入 公共企業収益 公債(純 増分) 小額貯蓄(郵 便貯金が主 と思 われる) 既往債務 の返済延期 強制年金等の積 立分 雑資本収入 非計画部 門支出の節 約 301.0 26.0 108.5 150.0 100.0 56,5 15.0 66.5 33,5 857.0 海 外 援 助(P.L.480条 特 別 援 助 を 含 む)… ・・・…470.0 新 規 財 政 措 置(1966年 度 よ り確 定 分)9aO 今 後 の 有 効 な る 国 内 資 金 の 動 員180.0 合 計1,600.0 一一 一一 「 Source:YOJANA1966年9月4日 号 。 結 語 一 以 上 要 す るに,我 々 は現 在 の イ ン ドの 開発 計 画 が,あ ま りに も現 実 ば な れ の した もの で あ る こ とを 知 る こ とが 出来 た の で あ るが,果 し 129
て 現 在 の イン ドは,国 民 大 衆 の生 活水 準 の 向 上 を 目指 してい る の で あ ろ う か?そ れ と も,た だ 単 に 国 際 的威 示 運 動 を の み 目標 と してい るの で は な い のか?一 体 ど う して低 開 発 国 にお け る経 済 発 展 が,必 らず し も工 業 化 に よ らなけ れ ば な らな い の で あ ろ うか?人 口 の70%が 農 村 とっ な が りを もち,国 民 所 得 の50%が 依 然 と して 農 業 よ り得 られ てい る イ ン ドの よ うな 国 にお い て,資 本 集 約 的 な大 規 模 工 業 を新 設 す る こ とが 得策 で あ ろ うか? た と えば,借 地 条 件 の ご と き制 度 上 の 改 善 とか,品 種 改 良 あ るい は 肥料 の 効 率 的 使 用 に よ って,現 在 の低 い 農 業 生 産 は 相 当改 善 出来 るは ず で あ る し,工 業 に お い て も,技 術 者 の 養 成,機 械 の 取 り扱 い 面 あ るい は 経 営 管 理 面 の 改 善 に よ って 比 較 的 安 価 に 工 業 生 産 の 引 き上 げ も可 能 とな ろ う。 こ こ に イ ン ド特 有 の 開 発 の 型 が 考 え られ て もよい とい う主 張 の根 拠 もあ るわ け (註1) で,一 般 論 と して も,ヌ ル ク セ の主 張 す る如 き,余 剰 労 働 を 社 会 的 一 般 資 本 の形 成 に 転 用 す る示 唆 の余 地 があ る。 (註2) (註1)Gadgi1:PlanningandEconomicPolicyinIndia. (註2)土 屋六郎訳:ヌ ルクセ 「後進諸国における資木形成」