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日中間における「特殊貿易」の進展

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(1)日中間における「特殊貿易」の進展 上 1.. 野. 秀. 夫. 「4つの近代化」と中国貿易政策の変化. 2.. 外貨獲得をめぐる中国の対応策. 3.. 日中委託加工貿易の進展. 4.. 繊維製品委託加工貿易の取引形態. 5.. 専属工場方式とその事例. 6.. 日中委託加工貿易の問題点と展望. ー委託加工・補償貿易, 合弁企業方式一. 1.. 「4つの近代化」と中国貿易政策の変化. 国交回復以後の日中経済関係において, め,. 1978年 2 月の日中長期貿易取り決. 同年8月の日中平和友好条約の各調印は重要な意義をもつものであっ. た。 いずれも日中間の経済協力を支える基盤となるものだったからである。 この大きな動きとともに, 中国の長期にわたる国民経済発展計画の一環とし て, 外国貿易と経済技術交流をめぐって未曽有の新局面が展開してきたので ある。 ふりかえって,. 1976年10月の北京政変以後, 中国の貿易政策は大きく軌道. 修正されることになった。 それまでの貿易政策上の大きな混乱が収束され, 貿易拡大の方向が明確に打ち出されるのは1977年 7 月に開催された全国対外 貿易経験交流会議によってであった。 同会議で余秋里副総理(国家計画委員 会主任)は,「4人組」に. `. ねじまげられた. ”. -125 (481)-. 貿易政策を修正,. 先進技術. ・.

(2) 設備導入の必要性とそれを保障するための 輸出拡大努力の必要性を 強調し た (I) 。つづいて李強対外貿易部長も,輸入拡大の必要性を説くとともに,輸 出重視をうちだし,また貿易拡大のために「各種の貿易方式を弾力的に運用 していかなければならない」として,新しい貿易取引形態の可能性を示唆し t·(2) �. 0. ,. ' ・ -1978年に入ると中国の貿易政策には,単なる軌道修正から貿易政策自体の. 変更ともいえる変化がみられた。まずそれを示唆したものは1978年2月から スタ ー トした経済発展10カ年計画である。同計画の特徴が急速な工業化をめ ざしているところにあり,そのために中国は,積極的に外国の先進技術 ・ 設 備を導入していく方向へと貿易政策を大きく変更したからである。工業化の 進展に伴う先進技術・設備の導入は, 当然それなりの 外貨準備を必要とす る。このためとくに輸出拡大が強調されるようになった。こうした状況から 中国は,従来から堅持してきた「外国の援助,借款,投資は受け入れない」 という対外経済·金融に関する基本原則を大きく修正して,国家主権の維持 ができる限り,この3原則を弾力的に受け入れる姿勢を明確にした。そして 従来否定的であった石油など資源の輸出にも積極的な姿努を示し,資源開発 のための技術や資金面での協力を西側先進国に求めた。 では大量の外貨獲得のためにいかなる輸出拡大策をとろうとしたのか。そ れは1978年6-7月の全国財政貿易会議に 一 端をみることができる。同会議 において余秋里副総理 は「国民経済の高速発展を促すために奮闘しよう」と 題する報告を行い,そのなかで輸出振興策としてつぎの新しい方策を提唱し た (3) 。(1)輸出商品の増産に 取り組み, 大口商品, 小口商品ともに注意を払 う。(2)農産物・副業産物の輸出拡大と同時に,輸出に占めるエ鉱業製品,耐 久消費物資の比率を増大させる。(3)原料の加工,見本通りの加工,組み立て 業務を拡大させる。(4)補償貿易の方法を採用し,技術・設備を導入し,製品 で支払ってもよい。(5)輸出の基地・専門工場を計画的に建設する。(6)輸出商 品の生産企業の重要 な査定基準は,外貨の稼ぎ高,契約履行度に置く。(7)輸 -126 C 482)-.

(3) 出に関係する地区・部門に, 外貨配分の特典を与える。!8)契約に規定された 数量, 品質, 規格, 包装, 期限を重んじ, 国の信用と名誉を守る。 (9)国際市 場の調査研究を強化し, 商売に強くなる。 さらに李強対外貿易部長も, 全国 財政貿易会議に沿って, 輸出拡大策の1つとして, 委託加工貿易方式をはじ めとして弾力的な貿易方式を採用したこと. 、また採用可能な国際貿易におけ る商慣習に沿ったやり方をすることを明らかにしている (り。 委託加工貿易方式は貿易取引形態からいえば, 通常の輸出入実務とは異な る特殊貿易実務になるわけだが, この方式をはじめとして中国は, 全国財政 貿易会議を契機に, 可能な限り各種の貿易方式を公然ととり入れはじめ, 輸 出の拡大を図ることになった。「これまで中国の 輸出商品の原料と部品はす べて中国で製造されたものであって対外貿易のやり方は型にはまっており,' 商品の競争力が劣り市場の需要に追いつかなかった。 今日中国は, 来様加工 (サンプルをとりよせて加工する), 来料加工(原料をとりよせて加工する) を喜んで引き受け. 商品に買い手の商標, 商品名を書き, <中国製造>と書 かないことができる・.....」 (5) 。中国の画期的な変化であった。. (1). 「人民日報」 1977年 7 月 29 日。. (2)李強「分清路線是非,積極発展社会主義対外貿易」 er紅旗J 1977年第10期,35頁)。 「人民日報」 197舷f.7月 3 日o (4) 「中国対外貿易」 1978年第3期, 2-4頁。 (5) 何玲「中国対外貿易の新政策」(『七十年代』<香港・七十年代誌>1978年 8 月号)。. (3). 2.. 外貨獲得をめぐる中国の対応策 ー委託加工. ・. 補償貿易, 合弁企業方式一. 中国にとって外国からの大量のプラント•技術導入を可能ならしめる対外 支払手段の確保は, 中国の対外経済政策の重要な柱である。 1979 年2月から 数力月間. 中国側にプラント輪入の契約を保留するという問題が生じたが.. -127'(483). 一.

(4) それは端的には中国の支払い能力に問題があったからである。 対外支払手段確保のための中国側の対応策として, 在来の一般的商品貿易 による輸出振興策に加えて, さまざまなものが出された。その提案も, 比較 的付加価値の低いものから高いものまでバラエティを持ちながら, また地域 の特長を 生かして進められており,. その決済方式, 取引方式も委託加工貿. 易, 組み立て方式, 生産分与方式その他の補償貿易あるいは金融方式を混ぜ ながら考えられはじめた。さらに, 自動車や家電の部品生産だけを受注生産 する方法を提案したり, 相手国市場に合わせて, 外国バイヤ ー の商標, デザ イン, 付属品, 包装資材などを利用 する方式なども日本側に提案してきた。 結局わが国との貿易交渉のなかで出された取引形態・方式は, 1978年の 1 年 間に限ってみても次のように多彩なものであった (1》 。それを単純に羅列して みると一—。生産分与方式, 加工貿易方式, 部品受注方式, 商標付着方式, 付属品使用 方式,. 意匠受託方式, 包装指定方式, 組み立て貿易方式, 合作. (貿易) 方式, 合弁企業方式, バ ー タ ース. ・. 一. 方式, 借款方式, 委託貿易方式, リ. レンタ ル方式, モノポリ契約・代理店方式, 事業合作(提携)。. 「鎖国経済」に等しい時代からいわば「開放経済」ヘーー中国側の多彩な 経済協力. 貿易方式は政策転換を鮮やかに印象づけた。それらの方式が実務 上, 完全に整理されるまでにはかなりの時日を要するであろうが, ここでは とりあえず, 取引形態・方式をめぐっての中国側の対応策をつぎの 4つに整 理 することができよう。(1)委託加工貿易等, いわゆる特殊貿易実務による外 貨獲得,. (2)補償貿易(Compensation·deal)等によるプラント・技術の導. 入, (3)合弁企業設立によるプラント ・ 技術の導入, (4)在来の商品貿易拡大に よる外貨獲得、 (1), (2), (3)は 1978 年に新たに採用された政策である(後述 す るように,. 1 部 は1970年代初めに実施されたこともあるが), (4)は確実な輸. 出振興策として 1978 年以来とくに強化(従来の輸出品の生産を改善, あるい は取引条件•取引方法の改善を通じて)されたものである。 新規に採用された取引形態・方式のなかでこんにちもっとも急進展をとげ ー128 (484)-.

(5) ているのは, いうまでもなく委託加工貿易等の特殊貿易である。これの考察 が小稿の主題であるが, これを検討するにあたってまず, (2), (3)の問題につ いてもその動向を若千触れておかなければならない。 まず補償貿易によるプラント• 技術導入である。補償貿易は, 外国から機 械, 設備, ノウハウの提供をうけ, できた製品の1部をもって設備費を一定 期間に返済する形態である。すなわちわが国としては, 中国にない機械設備 を輸出 して専用工場を つくり, 技術交流も おこなって新製品(中国からみ て) を製造, 輸入する仕組みである。その機械設備の代金は製品を輸出 した 代金をあてることになる。石油, 石炭に関し. 生産分与方式で共同開発を行 うこともこの概念の中に含まれる。中国からみれば,設備の輸入に必要な対 価の支払いが, 設備の提供者に生産物を引き渡すことによってあらかじめ解 決している側面があるので, 相手方が生産物をとりきめ通り引き取っていく ならば, いわば元手なしで設備輸入が可能となる方法である。したがって, とりわけ中国の地方当局にとっては, 中央から輸入の外貨割り当でがなくて も自らの必要とする設備を入手できる現実的な方法として, 外国企業との間 で具体的なとりきめができつつある。 こんにち補償貿易として話題にのぼっているのは, 石油, 石炭, 非鉄金属 等の資源関係のほか水産, 食用関係である。まだ具体的な方法が確立されて いないが, しかしいくつかの交渉が行 なわれてきた(別表参照)。もっとも, 中国側から補償貿易の提案をうけたわが国商社には戸惑いもあった。縫製品 など軽工業製品には乗り気になったが, 中国側が望む 先 端技術については問 題点が多いことが指摘されているからである。 それは1つには東欧諸国にみ る補償貿易の経験である。かつて 1960 年代に東欧諸国は西側諸国との間に数 百件の商談をまとめたのだが,品質管理の悪さとか納期の不確実さが原因し てその殆どが失敗している。わが国のばあいも,品質が不安で日本市場での 販売が可能かどうかの問題がでてこよう。また補償貿易は決済面でも当面障 害になろう。L/C を開設することができない無為替輸出 は標準外取引とし. -129 (位5)-.

(6) 8月 ) 日中間における委託加工 ・ 補償貿易合弁方式の主な契約状況 (9178年 9月 - 1979 年 約 合 年 日本 企 業 I 中 側 備 考 生 産 内 容 窓口 I成 月 i •意 1 形態 ・ 方式 I 国 設置 。 部 設 ラ イ ン 取 希 望 品 の供 給 ト 自動車E業 賞嬰国家計画委 ( 1978 年 工場の 建 9協 ラ 委託加 ック 工 貿易 南京請 に生産 三 菱 側力月 り 。 請) 製と 品 の引 き 中 国 技術について 9 月 178 年 9 , 不 二 交 易 中 国公 機械 進出 口 機山械 の 補 償 貿 易 鋳 物指導の生 産方法や加 工 機類及 械 び鉱パ 司 意) 建設 総 。 合 部品 ルプ 製 品 の (. I. l. 萬 東伊 藤 レテキスクイル サンリット 産業. ー. no. 日. 綿 実. c 486 ) |. 稽水化学工. 業. 業. 金属 三 菱綿 実 日 業. 岡 本 理研ゴ 近. I. ム. 藤忠商事. 東邦 電器. 197 8年11月. 中 国 公 織 品進出 司 口総 紡. ほ. 中 国 公 織品 司上進出 分 口総 紡 海 公 司. 北済京 中. 1 1 月 1978 年 合. (. (. ). 約 紳士用. 中. 意). プ ス チック成 品型 ラ. と 12 発一 鉛 鉱 設 山開 側力協 年月請) 鉛貫精・亜 錬所 建 国. 1 978. 要. 委託加 貿易 工. で の 専 工場 属 工 生産 委託加 合作 (提携) 事 事 業 業 貿 易 また 補償 弁 合 企 は. 業. 委託加 工貿易. 約 小型 2月 179 年 9 カ ー ペ敷ッ ト き き ラッグ) (置 ) 成. 委託加 工貿易. 9 179 年1月 約 ゴ ) レ (成. 中 国 土 公 畜 産進 , 出 口総 産産 司 上 分 公 司 海 市 畜. (. 3月 基1979 年 的 合 意) 本. (. I要. と ム引布を 素材 した ーン コー ト. 工 業 品進 中 国 軽 公 司 出 口総. 軽 公 業品進 中 国 工 司上 海 出 分 口総 公 司. 繊合 プレザ ー. ラックス , ドレ ス シ 1 19 78 年1月 約 ス ャ ンバ ー , ) ャッジ 成. (. 市員羹命委経 委. 国 金属学 会. I. 要. テ. イ ー. プレコーダ ー , マ クロホ ン , ス ビ ーカ など. ー. ポ , 付属 品を東レ が 量エ ス テル生地 全リ 給 リ第 ッ約 ト が縫 製 技術指 導 供 , サン , 加 工 貿易成 1 号 。 属 の3 つ の 縫 製工場を専 工場 プレ ス機区 特 の , 殊ミシン を 送 り 近代 化 。 上 地海. ・ 業用塩 ビ製 品。, 内 容 は 当 面 ,農業工 基 ど な 料 ,包 装 材生産 産業用 礎 資材. 陽 , 株 錬所 の ) ・ の両 東省 械南省自動 防止 州 機と (湖 化 化精。 広 潅公 害 設 凡口 山 の 増 ど な 。 鉱. を 供 の 場 引布の 原 約 ゴ・ ム間 紐ヘ 契 数 か 給海 。工 , 1 万着 皮韓 月 国 ら の 転換 。. 上. な の機械 工 業 ビルト ルど ア 設刺 しゅう用 な 備原 や クリル, ポ リエ ス テルど 材料供給 。 の. 資 1 日本 9 。 本 資 ↓ 中 国 5 % 委託加 工 貿易 出 術 土地 ノウ,建 物ハウ, は , 比 4 劣 , 現 資材 , 金 中 国率 が 現 合 弁 企 業 日本が技 , 資材 , , 金.

(7) 海電子設 上拉 且線 傭I 2 工. 'll!ll!. 東 一 北 京丸 三 越事 ,, サン ト リ 商ー ど な 八 木. 通. 京 服務. 公 司. 9179年4 月 約 北 (成 ). 分 商上 公司海 繊維服装. 京風味レストラン. 合 弁 企. 9179年4 月 約 シルク,ボ エステル 委託加 に した 森 (成 ) 英デ恵シンを素材 フアッション のプ ウス ラ リ. 業. 工貿 易. 。 本 51 万 円日 中国 東 5,000 ・ 大阪 % 人 コ で開 店 。 , 94 鍬 京 中国 導 技 指 遣 派 。 日本 , ック の 術. 資 本金. 年間35,000枚生産 。. | 131 '(4 87')ー ’. = 材出 し の代金 決 と 9179 年5 月 約 ダンプカ ー, ラック , 西建 和 銀 行 出 そ ー材 ト 補償 貿易方式 開 発用資 款 ( 0済 西日 広 など 口供応 築公 司 料 して ・ニ和銀行 の直接借 1 億円 (成 ) 本 貿 易 。 せ わ き 合 る 口 を ) 抱 腱 司 唇 進出. 慶. 三. 洋 電. 神. 器. 栄. 鉄工 崎 山. 上場. 海. 輸. 市営 10 1エ. 中国 糧 食 品 総 公 司 出福 海口 市 食省油品 分 . 公 建食 品 分 司. 進 司上 公. 備済 南 中 国機械 司 公 設 , 場 出 総 第 一機械 工. 輸. 9179約 生年 ラジオ組が立 7産 月 中製波造 専用 成 ( • 開始) て 9179渉年8 月 (交 中). 栽培, 加 枝豆 の 託. 工の委. 技 約 19 79年8 月 約 の 術 用 普通旋盤 契 供 生 提 (成 ) 汎与 , 産 携. 委託加. 工 貿易. 197 年 8. よ を 通 じ部 り洋 品 機取` 械 引 ヘ再器。香全輸港量日。 側 準ジ 備電 末 を 送 り三 本 き り東 南 ア ア 出. 合 ( 提携) 作 事 業. 子は 日本 から の持ち込み 91 枝豆年秋の種 ら 験 79 か 試 栽培 。. 技術 償 貿 易 補. ロイヤ テ 入 ィ ー無 に旋盤 料, 代 は 1 償 台 。 年約間 1200- 300 のベ を 安 く 契 ー 。 ス, 5年 リ. 輸. 聞報道に よ る。 出 所:新 企 業連が 合 中 国 電 が 9179 年7 月 日 と 子 と 備考:上記企 業のほか,注目された の , した 機械 体 松下幸之助氏 は 子 機械 業界を一 本 の 電 現が遠 の いた 側から は 分 弁 合 会社を 設立する構想を 発 表 し たこと ある が, 中 国 で 。 これ実 に加 の後,従来の軽工業野 え は そ 化 ー な きて いる。 合 企 業へ の出 資要請をして のサ ビス業や重 学工業にも弁 て,外食 産 業ど.

(8) て通産大臣の認可が必要であり,わが国としては未だ慎重な態度をとってい るのが現状である。 この貿易方式は中国側が,わが国だけでなく,香港華僑に対しても新しい 外資導入方式として,1978 年 9 月にうち出 している (Z) 。華僑が大型の工場一 式と,その工場に必要な原材料を提供し,中国はその工場を自主的に生産管 理し,その製品を売った収入によって同工場を買いとるというものである。 香港側は低価の土地と労賃を活用でき, 中国側は資本(技術,機械,原料) と技術習得の利点があるということだろう。香港側からすれば,地場製品は 韓国や台湾との競合が強まり,より付加価値の高い産業への切り替えも迫ら れつつあることから得策との見方もでてきてはいるが,一 方において,工場 を提供してもそれが十分に活用されるのかどうかの問題,また補償貿易が発 展すればその製品が香港製品を圧迫し,香港経済に大きな影響を与えるかも しれないとの警戒心も多い。いずれにしても補償貿易の具体的展開は今後の 課題であろう。 つぎは合弁企業設立をめぐっての動向である。1979 年 7 月の第 5 期全国人 民代表者大会第 2 回会議で「中華人民共和国中外合資経営企業法」(合弁法 または外資導入法) が施 行されたことは,これによって中国が,資本主義国 の資本をも受け入れ合弁事業に本格的に取り組もうとする意欲を示すもので あった。同法は15条から成る。おもな規定を拾うと一一。 (1)外資側が中国政 府の認可済みの取り決め,契約に基づいて合弁企業に投資した基金,その他 の適法な権益を法律で保護する. C 2 条), ・(2)投資比率は外�資側25劣以上(4. 条),(3) 外資側の投資技術, 設備は先進的なものであることC 5 条),(4)中国 側の投資には土地使用権を含む(5条), (5) 合弁企業の理事長(薫事長)は 中国側が.副理事長は外資側が担当する (6 条), (6)企業預金, 労働者奨励 金, 福祉基金, 企業発展基金などを除いて所得税を課す(7条), (7)原材 料,燃料,資材は原則として中国国産品を調連する(9条), (8)生産品は輸 出 優先.国内販売も可 (9 条),(9) 契約満期, 契約途中中止時に持ち分の資 -132"'(488)-.

(9) 金の本国送金は可. oo条)。 UOJ正当な収入は外国(本国). への送金可能 (11. 条)' (11)紛糾仲裁は,第 3 者または中国の仲裁機関にゆだねる ( 14条)。 中国政府が合弁方式による外国企業の誘致政策に踏み切り,日本産業界に 具体的な提案を寄せてきたのは,上述 の合弁法が出来上がる以前の1978年 11 月であった (3) 。借款から合弁まで受け入れるとの政策転換にわが国関係者は 一様に驚いたのである。 しかしこの段 階での中国における合弁会社設立は, 中国側の法体係の整備をまた ねばならず,また中因側が合弁事業そのものの 理解, 認識を 欠いていた面があった。 にもかかわらず 1979 年春には合弁企 業の設立についての合意が 2 件なされたことが報道された。 東邦電器と中国 軽工業 品輸出入公司上海分公司 ・ 上海電子設備工業公司 • 上海無線電第 2 エ 場との間の設立合意 (f) (1979 年 3 月22日), 東京丸ー商事と北京市服務公司 (窓 口は北京革命委財貿弁公室) との間の設立合意 <5> ( 1979 年 4 月 5 日)であ る。 前者の事例は, テ ー プ レ コ ー ダ ー など弱電部品を日本側の技術, 生産指導 により生産し,製 品の半分を中国国内販売,半分を日本側が引き取り海外で 販売しようとするものである。 当初は加工. ・. 補償貿易の形をとりながら, 合. 弁企業に切り替 えていく計画。 出資比率(中国51劣,日本49 彩), 利益配分 (売上高から原価, 償却費,労賃保険料, 税金などを差し引いた 純利益を出 資比率で分配), 労働者賃金 • 福祉制度, 技術移転(技術, ノ ウ ハ ウ は合弁 企業にすべて公開し,双 方の合意にもとづき中国が第 3 者に技術移転するば あいは代金を支払う) など21 項 目 にわたる合弁方式の内容を盛り込んだ協議 書が作成された。後者の事例は, 北京風味 レ ス トラ ンを日本で開業しようと 計画されたものでその内容は , 出資比率が日本51劣, 中 国49%, 資本金5 , 000 万円,中国が円で送金,配当は北京市服務公司へ円で送金することになると いう。日本で中国の持ち味をいかし, しかも既存の日本の産業界 と 競合しな いサ ー ビ ス 部品で合弁事業を実施 し, その合弁 を通 じ て中国側が合弁の ノ ウ ハウ, 企業管理の あり方を吸収しようと いうねらいがあるものと 考 えられ. -133 · ( 489 ) -.

(10) た。 こ う した気運のなかで, 上述 したよ う に1979年 7 月 , 中国が資本主義諸国 に対 し て も 適用する 「中外合資経営企業法」 を制定 し た こ とは, 中国経済の 近代化の た めの資金源の相 当 部分を外国の政府, 民間か ら 躙達す る 姿勢を示 し た も の と 解釈で き る。 も っ と も 合弁法の規定を分析すれば, さま ざ ま な問 題点が指摘でき る 。 契約の法的効力 の程度, 工業所有権等で 出資す る 場合の 評価方法 先進技術 ・ 設備の判定基準, 理事会の構成 と その意志決定方式, 理事長の職権, 事業活動への日本政府の介入の程度. 「経済契約」 と いう 言 葉の概念 従業員の雇用 と 解雇の問題, 賃金水準の 決定, 中国側 出資形態 ・ 用地使用権の評価方法, 合弁企業の外貨保有. 外資に対する保護奨励規定な ど の諸点であ る 。 合弁法を補完する 中国国内 の立法措置(会社法, 民法, 商 法, 税法, 外為法, 特許法, 労働法な ど) も 講 じ ら れてお ら ず, それは, 投 資条件 (投資の安全性, 利潤の確保, 利潤の回収) を中国は どの程度考え て い る のか と い う 問題に も な ろ う 。 いずれに し て も合弁事業を円滑 に す る ため には民間企業の努力には 限界が あり, 国 家 レ ベ ルでの環境づ く り が必要とな っ て こよ う 。 政府間の投資保証 協定, 二重課税を 回避 す るための租税協定,. ト ラ ブ ルの仲裁 ・ 執行の機構整. 備等がそれであ る 。 と りわけ政府間によ る 投資保証協定は, 巨 大な市場をも つ中国との合弁事業を本格的 に 進めるために , 巨額な投資が不可欠である 以 上, 是非と も 必要に なってく る 。 合弁法では合弁企業の営業期間が明示され ていな い た め , いつ国有化 さ れ る かわか ら ない と い う 問題があ る 。 わが国と しては国有化政策などで損失を こ う むった と き の補償方式を政府間で決めて お く ために も 投資保証協定は不可欠 と な っ て こ よ う 。 1979年 7 月 , 松下幸之 助氏が, 日 本電器業界が 企業連合を組んで 中国 と 合弁事業を,. と 提案 した. こ とは . その背景の 1 つに, 1 企業では ま だ リ ス ク が大きすぎ る と判断 し , 「業界 ぐるみ」 の形で リ ス ク を分散 しよ う と の 思惑があ った。 いずれに して も中国 と の合弁事業の推進 (i>_, 実現には問題が山積 し てい る ·o -134 ,、( 490 D. 一.

(11) (1)、 ' 「国際貿易」 (日本国際貿易促進協会) 197�毛 7 月 4 日 。 そ の他 「日 本経済新聞J 197.�年 8 月 24 日, 10月 20 日 , 12月 10日・ 「毎 日新聞」 1978年 9 月 28日な ど。. (2f t日本経済新聞」 i978年10月 22 日。. 1978年 1 1 月 28-29 日 ) での正式提案。 「 日本経済新聞J 197�年 3 月 23 日 o 「日本経済新聞」 1979年 4 月 5 日。 r朝日新聞」 r毎 日 新聞」 1979年 1月 1 1 日。. {3) 日中貿易滉合委員会 '(北京,. (4). (5). (el. 3�. 日 中 委託加工賣 易 方式 の遣展. 日 中両国間に 長期に安定 し た取引を確立 し て い く た め には, 取 引 方式の 多 様化, 各種新方式の採用 , 体制の不十分な商品 の 日 本側に お いての受皿体制 の強化, 新規商品の開発等が重要となった。 多様な新 し い貿易方式や契約の 方式が研究 さ れ普及さ れる こ と が必要となった。 中国が提案 し た 協力 方式の なかで. こ ん に ち も っ とも進展 し て いるのが委託加工貿易, な かでも繊維製 品の委託加工で あ る 。特殊貿易である委託加工貿易 (「来料加工」) は, 中 国 の工場が外国企業か ら 原料を受け取り, ' こ れを加工 し て外国企業と契約 し た 製品 に 仕上げ, ` 加工賃を受け取 り 製品を相手に 引 き 渡す貿易方式で ある。 繊 維製品のばあ い. 日 本側か ら みれば, わ が国繊維業者が中国へ縫製ゃ刺纏な ど の 加工を委託 し , 製品を引 き 取り加工賃を払う の で あ る。 製品は発注者の も の と な り , 中国は加工賃を受けと る とい う 形態である。' 組み立て貿易方式すなわち中 国の工場が外国企業から 部品 ( 「零件」) を受 けと り , こ れを組み立て ( 「装配」 ) ,. 契約し た製 品 に 仕上げ,. ·し て完成品を相手に 引 き 渡す貿易方式 (「来件装配」),. 加工賃を受領. さ ら に発注者の提示. し た サ ンプル(デザ イ ン , 図面等) にもとづ き , 中国側が生産する形態 「 ( 来 様加工」) な ども加工貿易の 範 囲に入 ろう。 この方法を通 じ て 中 国側は輸出 能力を身につけ外貨 を獲得し よ う と するね ら いが あ っ た。~ さ て こう し た 多彩 な貿易方式が . わが国業界に提案さ れて き たのは 1978年. -13.5 :( 491:)-.

(12) 3 月頃からであった。 しかし委託加工貿易方式が, 日中貿易のなかで「新 々 貿易」として行われ始めたのは何も1978年が最初ではない。 すでに, 197172年にかけて,繊維製 品委託加工方式が繊維服装商談などで 「新貿易」 とし て中国側から提案されてきていた(服装商談は春秋の広州交易会,2月と 8 月の専門商談会と年4回開かれ,とくに繊維衣料製 品のばあいは,色やデザ イ ン等について複雑な商談が必要であり, アポイ ントの関係からも専門商談 会が中心となってきた)。 そこには, 中国における合繊素材の開発の遅れが 目 立つこと,そしてわが国における繊維製品の 消費の高級化の進展に見合っ た商品の開発の必要性もあって,これを打開するための新しい形の貿易取引 が要請されたのである。 そこではいうまでもなく,日本の新しい合繊素材を 中国へ付属品も含めて売り,それを中国が縫製 加工し製 品化したものを日本 側が買い戻すという ものであった。 しかしながら,こうした事情のなかで出 発した委託加工貿易方式もいくつ かのトラ ブ ルがあり, 1973-74年にかけて結果的には失敗してしまった。 そ の原因 を日本側からいえば, 当時のわが国の物価高騰,とくに原料などの素 材類が急騰して高い コ ス トの素材を出 さ ざるをえなかった点にある。 ま た手 続きの面でもわが国には委託加工輸出 に対する諸制 約があった。 中国側にも 失敗の原因が あった。 輸出 入の窓 口 を 別にしてしまいス ム ー ズに 連関さ せ なかったこと, すなわち 輸入窓 口 で は 高い輸入関税を課したりまた 素材価 格を 値切ったりし, さらに売りの際には 熱心に 高く売ろうとしたことなど であった。 輸出 入手続 き の面でも 保税手続き, 倉庫内管理 面での 不備が重 なっていた。 結局, 委託加工方式の失敗は 双方の準備不足に あったといえ よう。 こうして繊維製 品についての「新貿易」は結果的には失敗に終ったの である。 委託加工貿易方式が結果として失敗したあと, すでに述 ぺたように 1978年 春から新貿易方式があらわれてきた。それは両国の 各界経済代表国が相互訪 問するなかで,また広州交易会のなかで提起されたものだった。 と く に中国. -136 . ( 492 )-.

(13) 紡織品進出 口 公司が日本の繊維 メ. ー. カ ー , 商社に対 し て積極的に打診 し て き. た の が注 目 された。 そ の 内 容は, 「無為替で繊維機械を受入れ,. そ の 支払 い. 代金には加工生産 し た 製品を充当 し , 日本の技術者を受 け 入れてもよいし製 品はどこに販売 してもよい 《I) 」 とい っ たものであり, 単に委託加工貿易 の み でなく , 中国を生産基地と した第 (1). 3 国貿易の可能性をも示 し ていた。. 「 日 本経済新聞」 1978年 7 月 4 日 。. 4. .. 繊維製 品委託加工貿 易 の取 引形態. (1). 加工貿 易 の取 引 方式. 委託加工貿易は, これまで述べて き たよ う に 相手国で素材を加工して製品 化する, そ の過程で付加価値を高めるわ けだが, こ ん に ち さまざまな形態が あらわれている。 実施されて いるいくつかの事例をあげてみよ う. (I). 0. まず付属品使用 ・ 部品 持 ち 込 み 方式である。 繊維製品の 場合, 生地の う ち の 一部, たとえ ば ナ イ ロ ン. ・. タ フ タ とか P ・ C ( ポ リ エ ス テ ルと コ ッ ト ン の. 混紡)を日本から持ち 込んで, 中国にあるダ ッ ク ポ ー ツ 衣類 ( ダ ウ ン ジ ャ ケ ッ ト) , シェ ラ フ,. ・. タ ウ ンな ど を使用 し てス. 羽根ぶとんに仕上げて再び 日. 本に入れるの である。 羽根ぶとんでは, 日本から持 ち 込んだ生地と中味の羽 毛とを価格面での比率からみれ ば, 表地は製品 価格のおそらく 10-20% ほ ど に しかならな いであろ う 。 したがっ て主要素材が中国品になるわ けだが, こ れも部品持 ち 込 み の 加工貿易であること に変わりない。 この方式には, 家具 類 (ソファ. ー. )を輸入する事例もある。 これは日本または第. 3 国の ビ ニ ー ル. レ ザ ー を中国に持ち 込み, 中国で う わ 張りをして日本または第 3 国へ輸入す るものである。 ソ フ ァ. ー. をつく ると き , ビ ニ ー ル レ ザ ー の全部が日本から持. ち 込まれているわ け ではなく , 日本からの部品供給は50%以下とみられる。 一部は現地調達 ( ス プ リ ン グな ど),. 一. 部 は 第 3 国の 素材を使 用 する部品持. ー137 ( 493 )-.

(14) 品技術 ち 込み方式になってい る。 この方式のメ リ ッ ト は ビ ニ ール レザ ー の商 に あ る と いえる。 加工貿易方式で行 わ れなか った時期には, これは庫接の家 具輸入と なるわけだが, 中 国 の ビ ニ→り レ ザ ー を使った ソ フ ァ ーは色つやが で ずぎて い か にも 「安物」 と いう感をまぬがれなかった。 つぎは完全な委託加工貿易方式で ある5 これは 日 本または第 3 国か ら素材 を全部 中国へ持ち込む形態で,完全な形 の加工貿易であるから 加工賃 だ け を 中 国 に 支払うということになる。手袋の事例をみると,同じ ビ ニ ール レザー を中国 に持ち込み,その素材で ス キ ー 用 ,おし ゃ れ用 手袋を製 造して日本ま たは第 3 国へ出荷している。t:to;場居中国測匂!f'::f,,l虹厄える素材は 何もない。 手袋の手もとではめるスナ ッ プな ども日本から持ち込むことに なる。 (2). 加工貿易 の代金決済形態. 委託加工貿易方式が円滑に進められてい く かどうかの キ イ ポ イ ン ト に代金 決済方法, 価格取り 決め,つまり. `. カ ネ の や り とり “ の問題がある。決済方. 法から考え よ う <2>-.; まず無為替輸 出,加工賃支払いの方式で あ る o 加工貿易は通俗的ないい方 をすれば5「ある物をもっ て い く から加工せよ., 製品 になって かえ っ てくれ ば加工賃 を払 う 」 方式であるが,、 そ の 場合 「 モノ 」 は出ているが日本側は手 形を受け取 っ て い る わ けではない。 そこで 中 国 に 持 ち 込まれたわが国の素材 • 原材料に対してヽ 「在外資産」 を 保全す る 問題がか ら んで く る こ と に な る 。 すなわち売り掛け金が発生するこ と に なり,相手に対する信用 限度を設定し なければならな く な る 。結局, , 中 固側 に は有利な方式 と いえようが, わが因 企業 に と っては手続きの面で も 手間がかかり.またわが国政府が原則と し て 100万 円 以上の無為替輪出を認可 し ていないことで も あり, いずれにしても, どと ま で メ リ ッ ト の あ る 貿易方式で あるかが問題とな る の で あ る。 代金決済形態と して第 2 に考 えられるのが, いわ ゆる「売り っ ば な し ; 買 いっぱ な し 」 方式である。 中 国側は ' L/C を開いて ま ず素材を買 う 。 ‘ 製品は こ ん ど は 日 本側が L/C を開 いて ま た買 .う のであ る 。 こ の場合中国側 と し て -1認 >-(;49、 }一.

(15) は L/ C を開いていったん買い入れてい る ので, 製品は 日 本側が必ず引 きと ってくれなければ問題が起 こ ってくるのであ る 。 日 本の 当該企業にもし倒産 などがあれば 中 国はただ働 きで不良在庫をかかえてしま うからであ る。” 前述 の無為替輸出の場合と反対に, 中 国側が代金支払い不履行 の リ ス ク を負 うこ とにな る のであ る 。 中 国は慎重にな り 加工貿易を開い てこ な いこ とに な る 。 そこで第 3 に 納期を短縮 す る ことによ っ て相互に L/ C を開設す る 形態 をと る 「売 り っばなし, 買いっばなし」· 方式が考えられてく る 。 素材 • 原材 料代を中 国が支払う際に中国側の差し出す L/ C はサ イト付きの L/ C に す る 。 日 本側が製品を引 きと る 際に出す L/ C はサ イト付きの L/ C を出す。 このように すれば中国側 の リ ス ク 負担はあ る 程度軽減される こ とにな る 。 す なわち 日 本側が原材料を輸出す る 際, 中国側の L/ C を標準決済で一 番長い B/L 1 8 0 日 で換金でき る という手形 を振 り出してもら う 。 日 本側はその L/ C で直ちに荷物を積み出す。 しかし 日 本側が代金を手に入れ る のは, 出荷商品 の B/L 日 付から1 8 0日 経 たないと換金できない。 もちろん 日 本側としては, B/L 1 8 0 日 の L/ C でも銀行 に持ち 込めば換金す る こ とができ る 。 しか し 国 と国との関係でいえば, 中国銀行 は 中 国側の、. L/C. 振出人からと り たて る の. が時期的に遅くなること に な る 。 あとは中 国側が納期短縮の努力をすればよ いことにな る 。 荷物を 日 本側がひきとらない場合. 中 国側は先 に出した L/ C を unpaid すればよ いことにな る 。 以上述 べてきた代金決済方式については, 中 国 側 も 柔軟化してきてい る 。 これを要 するに 中 国側としては, 信用 のあ る 相手に対しては , L/ C はそのま ま開設しようと いうことに な る 。 信用 のない 相手先 であると B/L 1 8 0 日 の L/ C を開くから, その範囲内で取引 しようということになる。 資金上の問 題もあって, 資金の豊かな 公司は一覧払いの L/ C を開 いても よ いと い う ことにな る が, 資金の乏しい公司は L/C を開く手数料だ けでも苦しいとい う状況にあ るわけで. そこからむ しろ中 国としては, 「売 り っばなし, 買い っ ばなし」 の形は 避け たいことにあ る 。 だから 制度的に 問題がなければ, -139 ( 495 }.-.

(16) 「無為替輸出 , 加工賃のみの支払い」 の方式を 採用することを 強く望んで い る。一部 ではこの方式がとられ て い るものの, といって金額的に多くなると この方式ではできなくなるだろう。しかし代金決済方式については中国側も 柔軟化してきているのである。 (3) 取引 価格の 決定妻因 中 国に帯を持 ち 込み刺纏されたものを持 ち かえる実例があ る(3) 。刺繕帯の 市中価格は大まかには素材つまり未刺繕の帯の価格に 中 国 へ支払う加工賃を プラスしたものになる。ところがわが国企業としては,加工製 品が日本の市 中価格としてあまり廉価になると国内で問題にされかねない点を考慮して, 素材つまり未刺織の帯を中国側がより高く買いとることを望む のである。ゎ が国企業にしてみれば, 素材価格を引き上げても持ち かえるときは同額で ひ きとるわけだから問題はないという考えである。たとえば中国側が素材価格 100元の L/C を開いていたのを200元にし, 日本側が ( 加工賃を100 元を上 乗せして) 200元で開いていたのを 300 元にすればよいのであってそれだけの 違いにすぎないということになる。 ところが 中国側は 不満で ある 。 資金需要 量が 2 倍かかることになるから である。 それよりも 中国側は 逆に加工賃の 増大を要 求してくる。それに対 しては日本側が応 じら れないという こ とになる。結局日本の年10%の金利を 加算して最初の未刺繍の帯を買いとることで落着した実例がある。このこと は,「無為替輸出 ,. 加工賃のみの支払い」 方式の場合には, 中国としては金. 利の問題を出 すことはないが,しかし未加工品を中国がいったん買いとると いう方式のときは金利加算が問題になってくるのである。金利負担のわが国 への要求と同時に, さらに倉庫料の増分をも要 求してくることが明らかにな っている。日本側としては100元でも200元でも同 じ と考えるのだが,中国で は重価算定で 倉庫料をとるから, 100元分の倉庫料と200元分の倉庫料とでは 違ってくることになる。200 元になれば当然その 負担増を日本側に要求して くることになる。. -140 ( 496 )-.

(17) このように 金利負担, 倉庫料負担を要求するということは. いまや中国も 自 由主義圏 での取引 方式を 採用してきている実情にあるといえる。 L/ C 方 式についても中国側はそれなりに対応しているにせよあまり採りたがらず, 「無為替輸出, 加工賃のみの支払い」方式を メ リ ッ トと考えている。 しかし わが国企業にすれば安全な委託加工貿易方式を行うのは, リ ス ク 負担の面か らも手続き上からも採りたがらないことになる。 それでもこの方式を採ると いうことになれば. わが国としても 自 由主義園方式で工場立ち入りや火災等 の保障を要求せざるをえないことになろう。 しかし中国側はそれを認めるこ とはできないというのが実情である。 (1) 拙稿 「繊維製品の委託加工・補償貿易の実態」( 日 中経済協会 ・ 中国経済関係調査. 報告書 「 日 中貿易の新 しい取引形態ー加工貿易方式ー」 1979年 4 月 ) 32-35頁参照。 (2) 拙稿 同 上論文, 35-38頁o (3) 拙稿, 同上論文, 38-39頁o. 5.. 専属工場方 式 と そ の事例. 委託加工. ・. 補償貿易の問題点をい く つか指摘したなかで , それを解決する. ための最も効果的な方策は. 日本的な フ ィ ー リ ン グと変らない製品をつ く る 工場―生産基地をつ く る必要 があるということである。 しかも各商 社が相 乗りというのではな く , 品種 ごとの商 社の専属 工場をつ く るなかで加工. ・. 補. 償貿易の問題点を解決していかねばならない。 日本の商 社もこうした方向で の提案を行ってきたが, 中国からもこれまで. 専属 工場について具体的な構 想が各企業に示され交渉がつづけられてきたのである。 それは多様性のある設備ということではな く , シ ャ ツ は シ ャ ッ , スラ ッ ク スは スラ ッ ク スというように専用の機械を大量に導入した高度な工場をつ く ろうとするものであった。 商 社側の商 業 ベ ー スからいえば, 中国の労働力. 労賃の現状からみて, 日本のような高度化され省力化された機械を導入 する. ー141 ( 491 )-.

(18) 必要はないとして も,中国としては日本人が好む 製品をつくるためには,日 本で現に使用している機械 • 製 造工程を導入することに強い意欲を示 してき た。そして1978年にはわが国商 社に よ る新しい縫製 工場の専属 化が実現 し, 設備も更新されたのである。 専属 工場方式の採用は,これまでの指定工場方式を一歩すすめたものであ っ た。従来の指定工場方式は,中 国側が複数の企業か ら 注文を受けていたも のであ り ,日本側 か ら いえば,工場の 中のいくつかの ラ イ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 50人な ら 50 人. あるいはいくつかの フ ロ アを指定した契約(これ も 委託加工. ・. 補償貿易. 品質の面で不安定な の 1 つ) であ っ た。いずれにして も この方式は,納期, 要素 も あ っ た。 しかし専属 工場方式は工場ぐるみで契約企業の注文生産に専 念す る ので長期安定的に商品供給が可能となっ たのである。 専属 工場の事例は,日本企業,それに香港に拠点をおく米国企業にすでに いくつかあ ら われている。日本企業の事例では. まず「伊藤萬」がある。同 品進出口総公司との間で,上海市の東 昌服装工場 社は1978年 8 月 ,中国紡織 への技術協力を含む繊維品の大量輸入契約を結んだ (1) 。東 昌工場は中国では 水準の高い縫製 工場であるが,9日式の ミ シ ンが多く,工場の レイ ア ウ ト も 悪 か っ た。しかし人件費がわが国の10分の 1 以下で生産性が高いため. 同社 は,台湾,韓 国など東南 ア ジ ア 諸国でこれまで 委託加工した分のうちの一 部 を移す形での り だした。従来の工場の横に別棟を建設して同社向け製品を生 産すること にな っ た。そして同年12月 か ら メ リヤ スパ ジ ャ マを主として生産 し, つづいて合繊 ス ー ツ ,作業着, ワ イ シ ャ ツ ,プ ラ ウ スな ど品種を拡大し ている。また特殊 ミ シンを入れたことによ り品質管理 ,生産管理 も 円滑に行 われるようにな っ た。これにつき上海の 「文灌報J 紙は, 日 本企業と同工場 との契約の状況に ふれつぎのよ う に述 べてい る 。「東 昌 服装工場が 導入した 先 進設備は,生産工程にく組み合わせ配列法>を採用し国内の古 く か ら の配 列方法を変えたので,生産工程はさ ら に合理 的にな り , コ ン ベ ア上の半製品 の伝送時間は短縮され,移動運搬量 も 40-50%減少した。これに よ り 作業能 -142 ( 498 ) -.

(19) 率を高め,新式の 生産および部 門管理を行 う上で積極的な作用 をはたした。 その部 門では, 設備を導入する過程で絶えず管理の経験をさぐり, 総括をく り返し ア フ タ ー ケ ア , 品 質検査等の重要 な ポイ ントに対しては 措置を 強 め た。」(2) つ ぎに, 「 日 綿実業」 の 事例である。 同社は, 縫製加工品の専属工場を上 海に設ける契約を. 中国紡織品進出 口 総公 司上海分公 司と結んだ (3) 。1977年 初めか ら , 指定の 縫製工場が製造した ジ ャ ンパー , サ フ ァ リ. ・. ス ー ツ などを. 年間約25億 円輸入してきたが, 安定した数量を確保し品質 の 向 上 をはかるた め専属 工場方式を採用 し た のである。 専属工場は紡織品上海分公司さん下の 上海人民服装第 1 工場 ( 従業員約 300人). と上海シ ャ ツ 第 5 工場 (同約250. 人) な ど製品別に 3 カ 所あり, 数少ない優秀な工場と各商社から評価されて いたものであった。 3 工場ではそれぞれ ド レ ス シ ャ ツ , ス ラ ッ ク ス , ジ ャ ン パ ーを製造し, 日 本へ輸出 する。素材は中 国製をつか う が, プ レ ス 機, 特殊 ミ シ ンなどすでに1978 年末までに送られ, 設備の 更新が終わり工場 の近代化 がはかられている。 わが国ばかりでな く 香港 の華僑企業, 米 国企業などの加工. ・. 補償貿易への. 参画も積 極化しつつある。 と く に米国 の繊維業界は コ ス ト面から生産拠点と しての 中 国に注目 しは じ めており, 直 接取引, 加工. ・. 補償貿易などさ ま ざ ま. な形態を試みは じ めた のである。 米 中 間 のこのような形態の 貿易は, これま で米中貿易全国委員会が実現の可能性に言及していたが, 1978年秋の広州交 易会で, 米 国 の 2 つ の企業がこの方式に も と づく契約を実現することになっ た (4) 。 2 社は香港に設立されている Prestige Sportswear と Oxford In­ dustry で, 前者は高級婦人服用 の "Kannegiesser Continuous Fusing Ma­ chines" と "Gisse l l Garment Manufactures Forms" を, また後者は コ ー デ ュ ロ イ 紳 士服用 の "Kannegiesser Fusing Machines" をそれぞれ大連 と上海に1978 年末までに据えつけ操業開始した。 取引規模は小さいが, 両社 とも今後の動きをみて操業拡大を計画している。 こ の 方式によって 中 国は貴 -143 (499 ) -.

(20) 重な外貨を 使用することなく, 新型設備を入手でき, 中国製 衣料の 質を高 め,かつそうした衣類の米国な どでの市場性を高めることができる恩典を得 ることになろう。 以上いくつかの事例をあ げたが,外国企業はともかく,専属 工場という場 合,その名の通り日本の商 社と中国の工場との完全な専属 契約にな っ ている のである。たとえば,300人で 70万本製造可能なA工場は, A 商 社が買うの であ っ て他商 社は 入 っ てこない。 A 商 社と B 商 社が 入れかわり利用すると か,また 一部の スペ ー スを国内向けにまわすとかということはない。完全に 一. 本化 している。 わが国商 社の これまでの経験では, 専属 工場を設ける際. に,いくつかの工場の中から商 社側が選定するという 自 由 さ は殆 どないとい える。中国側が工場を選定するのであ っ て,そこにはこの機会に工場を レベ )レ ア ッ プし,モデル工場をつく っ て中国の紡織品を ひ っ ば っ ていくという中 国側の意向があるものと考えられる。 専属 工場でつくる製 品はすべてが フ ァ ッ シ ョ ン 製 品ということではないに しても,これまでの中国商品らしきものから日本人好みの製 品を種 々 つくり だしていこうとする意欲がみられる。婦人もの,紳 士もの,子供衣料までつ くられてこよう。専属 工場の方式は加工 ・ 補償貿易の大きな手段 とな っ てく るであろうし,その場合機械類の持ち込みが大きなウ ェ イ トを 占めるであろ う。 (1) 「 日 本工業新聞」 1978年 8 月 19 日 。 (2) 「国際貿易」 1979年 6 月 12 日 (『上海文灌報」 論文1979年 4 月 20 日 ) 。 (3) 「 日 本経済新聞」 197邸f:.1 1月 2 日 。 4 ( ) ジ ェ ト ロ 「通商弘報」 1978年11月 16 日 。. ー144 ( 500 ) -.

(21) 6. (1). 日 中 委託加工賣 易 の問 題点 と 農望 斬貿易 方式の 利点 お よ び藷問題. わが国商社による専属工場の設置をはじめとして各種の加工 スタ. ー. ・. 補償貿易が. トしているが,これが推進されるか たわら,今後 「新 々 貿易」 も 数多. く行われてくる も のと考えられる。新しい貿易方式の実行は,中国にとって さま ざまなメ リ ッ トがあるといえよう。それを列挙すれば次の諸点が考えら れる。 (1)外貨獲得の手段 となり得ること,乏しい外貨を有効に利用 できるこ と。(2)比較的短時間で,また少額の資本の投下で生産に入れること。 (3)技術 を急速に習得できること。(4)機械導入による 品質改善をはかれること。(5)工 場基地ができあがることにより国内向けに も 活用できること。(6)デザ イ ン, 包装の面で, 品質の点 で,ま た デ リ バリ の時期のことで 相手国輸入市場の条 件を充分に考慮し,国 際競争力のある商品を送り込めること。 一方わが国企業の立場からはどうか。問題点 を含めて考えると, 第 1 に, 最大のメ リ ッ ト は わが国業界にとって長期的に安定した輸入ができることで あろう。しかし繊維貿易の場合, フ ァ ッ シ ョ ン志向性の高い も のだけに納期 短縮化の問題がからんでくる。これまで,納期が長くなる 1 つの原因は,中 国が輸出する繊維衣料品が素材から副資材(裏地,芯地, フ ァ ス ナ ー , ポ タ ンなど) まで殆どの場合 輸出 向けの 別 注生産であることが 多かっ たのであ る。納期が長くなれば商品のリ ス ク ,相場の 1) ス ク も あろう。商 社にとって は季節商品であるゆえに 1 年前に見極めをつけるの に考慮を払う と ころであ ろう。その意味では安定輸入の メ リ ッ トといって も 必ずし も ス ム ー ズにいっ ているわけで はない。 第 2 に,商 社の狙いとするところは 品質の安定で あ る。わが 国 の良質なプ レ ス機,特殊 ミ シ ンを持 ち 込む ことによって,そこでつくりあげる製品が日 本と全く同じ も のができるというところにねらいがある。中国繊維産業の持. -145 ( 501 ) -.

(22) 続的な進展ぶりは, 各種の統計資料にみられるように• 繊維原料の工場投入 量の着実な増加によっても立証 さ れると こ ろ で ある。しかし国際的水準から みればまだ過少で あり, とりわ け品質の点で劣っていることは否めない。 素 材の点でみても, たとえばポリ エ ステルの長繊維にみるべきものは殆どなく, 多くは短繊維で ある。中国綿花を実際に使用した商品についてはかなり良質 なものができ, 短繊維についてはむ しろ韓国• 台湾よりも技術的に進歩して いるといわれる。しかし,「中国の紡績品の 多くは耐久性において す ぐれた 特長をもっているが, それでも綿布は縮みやすく, メ リ ヤ ス製 品は形がくず れやす < ' プリ ント布地は退色しやすいなどの欠点がある。捺染後の処理技 術もいくつかの国にくらべてかなり遅れてい る (1) 」といわれるように, まだ まだ 品質の バラッ キがあり, 日本では そのまま通用 しないものが多いので ある。 委託加工貿易をめぐる日本側にとっての第 3 の問題点は, 設備更新に伴う 機械の持 ち込みの場合の採算ベ ー スについてである。ある商 社では安い簡単 な機械ならば無償で持 ち 込んでいるが, 多くは中国側が購入する形になって いる。しかし採算 ベ ー スにはのらないという。中国側が採算 ベ ー スにのらな い商 社の努力を正当に評価してくれればよいが,. 一. 般的には加工・補償貿易. は「相互利益」 で あるという発想で の ぞんでくるので ある。だから日本側に 出費が あっても, 品質 向上に役立てばいずれ日本もプラスになるではないか という中国の発想である。 しかし中国側も資金の割当の面で問題があるとし ても再生産のために必要な設備なら ば積極的に購入しようとしている。しか も高級な機械を買わない と 「新 々 貿易」 の拡大は望めないとの理解をもって いる。問題は価格にある。 第4に, 専属 工場への立 ち入りの問題が ある。完全な形の委託加工貿易を 行う場合には, わが国にとってリ ス ク 負担の面から, 自 由主義圏方式で工場 立ち入りや火災等の保障を要求せ ざるを得なくなる。 専属 工場の設醤は, 技 術交 流の問麺にもつながるから, わが国関係者の長期滞在が認められ, 工場. 一. 146 ( 502 ) -.

(23) への 自 由 な立ち入りが認め ら れることなどが前提に な ら なければ な ら ない。 (2). 委託加工 • 補償貿易 の晨望. 以上みてきたように中国側はこれまでに見 ら れ ない大胆さで各種の新しい 貿易方式を提案し,日本側 も それへの対応を 試みてきたのである。結局, 繊 維製品に限 ら ず 対象品 目 か ら みた場合,「新 々 貿易」 の選択幅は 現実には限 定されているであろう。一般的に確実視されるのは, (1)中 国にしかで き ない も の, (2)労賃差 を求めていく も の,となろう。 「中国にしかできない も の」 については, 従来か ら 日本の企業が着 目 して いるところである。 シ ル ク 関係,剌織 も の(せんだい ひだの袴,訪問着の剌 繕,刺纏 ブラウ ス, ス ワ トウ,ハン カ チ ) などがこれにあたる。 シ ル ク 関係 の縫製テ ク ニ ッ ク では,中国は世界の最高水準にある。こうした伝統的技術 や複雑な 縫製の手を必要とする も のについては,よほどの高級品以外はわが 国では手がけ ら れなくなるであろう。 「労賃差 を も とめる」 品 目 の場合は, 方向性ははっきりしていて も かえっ て対応の難しい分野である。価格差に着眼して中 国への志向を強めることは 必然的な なりゆきであるとして も ,繊維品の場合, 「名 目的な価格差」 に着 眼すると同時に「相対的な価格差」 を充分に見込んでおかないと,結局従来 のパ ク ー ン,輸入ラ ッ シ ュ → 売り残し • 在庫増→ 代販店卸し→ バ ー ゲン→ 中 国品のイ メ. ー. ジ. ・. ダ ウ ン, をくりかえすだけと なる。中国製品は 日 本および. 近隣諸国のそれと比較するとき,まだ多くの問題を残しているか ら である。 しか も 通常の取り引 きで過去に生じた失敗のパタ ー ンが,委託加工. ・. 補償貿. 易に も くりかえされるとすれば,わが国としては損失を免れないのである。 こうした動きのなかでさ ら に問題となってきたのは,中国か ら の繊維品輸 入が,綿紡, 織布, 縫製業 を中心とするわが国繊維業界に強い警戒心を高め ているということである。中 国か ら の繊維品輸入が 1978年か ら 急 増したこと は, 中国が投資効率の良い繊維品によって外貨獲得をめ ざす一方,わが国の 大手商 社や ス ー パ ー マ ー ケ ッ トな ど も 肌着, シ ャ ツ など量産品の輸入基地を. -147 ( 503 ) -.

(24) イ ン フ レ の激しい韓国 な ど から中国に転換してきているからである。 わ が 国 繊維産業界が将来打撃を受 けるのではな い かとい う 不安は, かつて1973年の 繊維プ ー ムで韓国, 台湾, 中国, タ イ な ど から繊維素材, 製品が大量に流れ 込んだ結果, わ が国市場は混乱し長期不況の 強 く 働 いているためといえる。. ”集中豪雨. ”. ‘. 引 き金. “. にな っ たとの意識が. 的 な 輸入に悩 むわ が国の綿織物. • ア パ レ ル業界の一 部から輸入抑制 のため通産省の行政指導や二国間協定に よる規制を求める動きが 出たことに 目 を 向 け ねば な ら な い。 また中国が近 年, 空気精紡機な ど最新鋭の綿紡設備の導入や合繊設備の増強を行 っ て いる 点につ い て, わ が国綿紡, 合繊業界ではプ ラ ン ト 輸出に伴 う プ ー メ ラ ン効果 への警戒感がでていることにも注 目 しな け れ ば な ら な い 。 中国 は 4 つの近代化のための外国先進技術の導入と, 当面の外貨不足とい う 矛盾を委託加工 ・ 補償貿易, 合弁企業な どさまざまな方式を採用 すること によ っ て解決しよ う と し ている。 問題は 日 本として, あるいは個別企業と し て, こ れにい かに対処して いく かにある。. (1). 「北京周報」 1978年 9 月 19 日。 No. 37. 10頁。. ※ 本稿は,. 日中経済協会 ・ 中国経済関係調査報告書 「 日中貿易の新 しい取 引 形 態. —加工貿易方式—-J (1979年 4 月 , 通産省委託の調査研究). の う ちの私のと り. ま とめ分の 1 部を参照引用 し, そ の後の状況変化をふま えて新た に検討を加えた も のである。. 1979年 8 月 20 日. -1位 ( 504 ). 一.

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参照

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