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仮名によるフィンランド語固有名詞の表記基準に関する考察

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Academic year: 2021

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(1)仮名によるフィンランド 語固有名詞の. 表記基準に関する 考察 堀. 誉子美. [ キーワード ]. 仮名表記、 表記基準、 借入過程、 聴覚テスト、 音韻制約. はじめに. 仮名による外来語表記に 関する研究は、 表記のめれの 実態や日本語への 借入 過程に生じる 音韻変化についての 議論が中心であ った。 仮名表記される 外来語 として英語が 大多数を占めることから、 研究の多くは 英語から日本語への 借入. 過程が取り上げられてきた。 しかし、. 日本語と英語以覚の 言語の音声特徴や 昔. 韻 体系を比較し、 表記の原則について 論じた研究は. 本稿では、. ブ. インランド 語 と日本語の音韻の 対照研究をもとに、 フィンラン. ド語を仮名表記する. 際に問題となる. 点を整理し、. 名表記基準に 関する試案を 提案する。. が読むとき、. 数少ない。. 更に、. フィンランド 語固有名詞の 仮. 仮名表記された 単語を日本語話者. 日本語と音韻配列が 異なることに. 20. 表記通りの発音が 困難な場. 合 がないか、 仮名表記された 単語がフィンランド 語のタイミングを 維持しフィ ンランド語話者に 許容されるものであ. 必要性を指摘し、. るかどうか、. 具体的な例をあ げて検証の. フィンランド 語話者に理解され、 日本語話者に 無理なく発音. されるという 点を考慮した 基準の設定を 提唱する。 本稿で考察する. 表記基準は、 原音主義に立ち、. かっ形態面や 音韻面で他の 語. との混乱を最小限にとどめることを 目的としたものであ る。. 1. 外来語の仮名表記に 関する先行研究 韓国語や中国語の 地名や人名を 仮名表記する 際の表記基準は 既に設定されて. いる。 梅田. (19㏄ ) によると、 韓国語の仮名表記については、. 字 表記法」として 文教部 ( 文部省 ). から原則が示されたⅢ。 一4 一. 「韓国語の仮名文. これは韓国語のす.

(2) べての音節に 仮名を一つ当てるというものであ. り、 異なる地名との. 混同をさけ. るために漢字名を 付記するという 原則も加えられている。 一方、 中国語に関し ては「中国語ピン 昔 と仮名書きの 対照表」が教科書センタ 一で作成され、 約 42 0. の中国語の音節に 対応した仮名に. よ. る表記法が一 つ 示されている (,)。 韓国語. や中国語固有名詞の 仮名表記に関しては 音節対応の仮名一覧が 用いられている が 、 その仮名が選択された 理論的根拠 や 、 各言語においては 弁別的であ るが日. 本語において 弁別的でな い 音素に関しての 問題解決の方法などは 明らかにされ ていない。. ドイッ語において 仮名による表記基準の 設定を目的とする 議論が行われた ( 信貴 1985)。. ドイッ. 語 固有名詞を仮名表記する 際に生じる問題のうち、 促音 挿. 人の原則について 調音法との関連から 議論された. ( 成田. 1990)0. 一方、 日本語研究においては、 外来語表記の 揺れの実態が 明らかにされ 垣 1978、 遠藤 論じられ. ( 大嘗. 1 ㏄③、. (楳. 外国語を取り 入れる過程が 形態面と音声・ 音韻面から. 1991, かソ ケンブッシュ 1991L 、 外来語表記の 問題が日本語. 教育への応用の 中で示された. 音韻論の立場からは、. ( 国立国語研究所. 1990)。. 日本語に借入される 際に生じる音韻過程に 関する議論. があ る。 中でも松崎 (1993) は、 外来昔を受け 入れる許容範囲という 点から 本語の音韻体系を 検討し、 外来語音を「日本語の 音韻体系の『あ. 出たり入ったりするもの」としてとらえ、 取捨選択され、 典侍的に安定した. 「諸覚国との. 日. きま ] 。 , ) に. 接触の度合いによって. 形として外来語音を 含む音韻体系を 構築する」. ことを提唱している。 借入される際の 音変化に関して、 高橋 (1990) は、 音節 構造の改変をもたらす 連結子音を検討して、 有声 性 、 調音法、 調音点などの パ ラメータの間に 階層,性が存在することを 指摘した。 従来の外来語の 表記に関する 研究は、 日本語として 定着した英語系覚来語を 日本語の音韻体系の 中で論じるものが 中心であ. れる際の原則に 関する議論は 数少ない。. 一5 一. り、 個別言語が日本語で 表記さ.

(3) 2. 仮名表記基準を 設定する際の 問題点 外来語借入の 際に生じる変化には、 まず L があ. げられる。 原音主義に立っ. 韻や音声レベルでの. 仮名表記法を. l. の語音の変化と 音節構造の変化. 考察するためには、. 前者に対し 昔. 考察が、 後者に対しタイミングに 関する考察力秘要となる。. さらに、 音韻配列の違いを 考慮に入れて、. L 2. の話者に正しく 発音されるかの. 検討も必要であ る。 本節では、 フィンランド 語の仮名表記基準を 設定する際に 考察すべき点を 語 昔の変化と音節構造の 変化の両方からまとめる。 尚 、 フィンランド 語は 一 音素. 一文字表記の 原則を持っので、 本稿では単語を 音素表記しⅢ 、. /. / で 表す。. 音韻面では、 フィンランド 語の子音音素は 破裂音 /p, t, d, k/ 摩擦音 /s, h/, 唇歯音 /v/. 鼻音 /m, n,. 少なく、. rft-ri@ 上土 /, 抗日 /1, げがあ り、 日本語の子日日素より 数が. いくつかの 有 声子音の音韻環境は. ド語の母音音素は. あ. り. 制約されている。 一方、 フィンラン. 八 つ で、 日本語と共通する 五つの母音の 他に れ , 6, y/ が. る。. 音声的特徴については、. 二つの言語に 共通する音素であ. の音素が他方の 言語の別の音素と 類似した音声特徴を. っても、. 一方の言語. 持っ場合、 音声的検証が. 必要となる。 例えば、 日本語話者に「 、ンャ 」と「 サ 」の中間音として 知覚され る. フィンランド 語の /s/に 関して. れる. (堀. 1994)や、 /VhCV/ における子音の 前に現. /h/ に 関しては検証が 必要であ る。. 音節に関しては、 日本語は開音節が 中心で閉音節は 鼻子音 /N/ で 終わる音節 のみであ り、 一方フィンランド 語も 80 パーセント以上が 開音節であ ると言われ ている。 子音の連続には 制約があ り、 語頭では現れず、 語中では三 つ まで、 語 -iT.A-V 末 で許容されている 閑日郎. は /s,. t, m, n/ で 終わるもののみであ る。. ここで仮名表記上の 問題点を整理する。. (1) セグメントに 関わる問題 (1)-1 日本語で弁別的でな い 音素を含む音節の 表記 母音. /a, 6, y/ 、 子音 /r, l/など 一6 一.

(4) (1)-2 音声的検証が 必要な音素を 含む音節の表記 /sA 、 /VhC/ における /h/ なと。. (2) 音節構造に関わる 問題 (2)-1 二子音連続 /(C) VC, C, V/ の場合の表記 ①. C, C, が二重子音の 場合. ②. C,. と C,. が 異なる子音の 場合. C, が/h/ の場合. /ht, hd, hk, hm, hj, hn, hv, hl, h,/. C, が/p, t, k, s/の場合 Cl. /pp, ss, tt, kk, ll,rr/. l/の場合. カソ r,. /ps, tk, ts, ks, kr, sk, st/. /rp, rs, rt, rk, rh, rv, rj, rm, lp , ls,. C , が/m, n/ の場合. Ⅰ. セ. , lk, lh , v , lj, m/ Ⅰ. Ⅰ. /mp, ns, nt, nk, nh/. (2)-2 三子音連続 /(C) VC, C, C, V/ の場合の表記 C, が鼻音の場合. ①. C, C, が二重子音の 場合. /n, m 十 kk, pp, tt, ss/. C, C, が無声子音の 場合. /n, m 十 sk, st, ts, ps, ks/. その他 /rsk, rst/. ②. (2)-3 語末に単独子音 [C井 ] が現れる場合の 表記 /s, t, m. ,. n/. 3. 表記基準の 一 試案. 本節では、 前節であ げた問題点に 関して、 外来語表記の 慣用や フ ィ ン ラ ン ド 母語話者に行った 聴覚テスト (,,をもとに、 表記基準の提案を 試みる。. 語. ニ. で 提案した基準の 信頼性を高めるためには、 母語話者に対するテストや 音声 検. 証を繰り返さなければならない。 前節でみた問題点の い レ. ) くり. (Ⅰ. ) a[a. コ. ノミノが現れる. ①. 語頭. 環境は以下のとおりであ る。 若 Ⅰ若. 君 苦 ni. 若 mm. 若. 一7 一. く. っ かを順次検討して.

(5) y. a. s 荏k. y J. p. 1. sa Pe. ⅠⅠ. en 皿. /. 申己. p. 盤. 中. 土日. 母. ②③. フィンランド 語の若 [a] は 、 前よりの a[a] であ り、 尾崎 (1986) は / けを 「. ェ 」で表記し、. /a/ と 区別し、 小泉 (1983) は日本人フィンランド 語学習者. に 二 つが 異なることを. 示すために、 引 a] を「 あ. 」・. a[a]. を「 ア 」と表記し. ている。. 一方、 英語で意味の 弁別に使われるいくつかの 母音要素が・ 日本語で一つの. 母音音素に統合されてしまい、 仮名表記の際にすべてが されてしまっている。 但し、 されるが、 同じ. [ 引であ. 英語からの覚来語で. っても /hat/. /cat/は. 日本語の. [a]に統一. 「キヤット」と 表記. 「ヒヤット」ではなく「ハット」と 表. は. 記するのが慣用となっているという 例もあ る。 フィンランド 語の若 [a] に関しては、 / 位置、 更に. ノ. ミ. ノが二重母音を形成する. 若. / に 先行する子音の. 特性や語中での. 場合など、 環境に よ る聞こえの違 いの有. 無を検証する 必要があ る。 こうした手順を 踏むことにより、 /a/. と/. 巨. /0 区別. を 仮名表記において. 明確にすることは 困難であ っても、 語形が正しく 認知され. る 可能性は高まると. 思、 われる。. 1>. ( 提案. ①. /. 圧. / は 語頭において「. ア 」と表記. 桶 ti アイティ. ② 子音に後続する 場合は ア段か ェ段で表記. (2). m. 五. mmi. メンミ又は マン. ミ. [y]. y. /y/ の 現れる環境を 整理する。 ①. 話頭の /y/. YFo@. ②. 二重母音. Ky6sti. ③. /Cy/ ・. C が /j/の場合. ・その他の場合. yksi@ yliopisto P6y. Ⅱ. y. も. 巨. yty あ. Jyvaskyla Ryyn. 若. nen. Pyykko. kysymys. y [y]は舌を [i¥の構えにして 唇を丸めて発音されるので、 日本語話者に. 一8 一.

(6) 「. ユ 」と知覚されることがあ. る. 0/u/ と /y/, /ju/ と /iy/ また、 /y/ と /ju/は 日本. 語では弁別的でない。 これらを表記上区別するには「 イュ 」「 ユィ 」を用いる など、 新たな表記法を 用いなければならない。 しかし、 これは松崎. ( 前掲 ). の. 提唱する日本語音韻体系の「あ きま」にも存在しない 音節であ り、 クヮ 」「 ヴ 「. 」. などと同じく 新しい音節の 成立に対する 了解が必要となろう。 先行する子音の 特徴や語中での 位置、 Wy/ が 二重母音を形成する 場合など環境に. よ. る聞こえの. 違 いの 有無を検討しなければならない。 ( 提案. 2>. ①語頭の /y/ と 二重母音における 第二母音の /y/ は. 「. ユ 」と表記. yksi ユクシ ② /Cy/ における /y/ は掛 音としてとらえ「 ュ 」と表記 kylpy. キュルピュ. 但し、 Wjy/は Jyvasky. 「. ユ 」と表記. 憶ユ バスキュラ. 従って、 この方法では Wjy/と /y/ は 区別できないことになる。. (3) 0[ 。. コ. /. Ⅳの現れる環境を 整理する。. ① 語頭の /6/. 6y16tti. ② 二重母音. vyo@. h6yry. sailio@ Poysti. ③ /CO/ ・. C が /j/ の場合. ・その他の場合. j6r6 TOOlLo. hollmo. soPo. b[o] は舌を /e/ の形にし唇を 丸めて発音されるので、 日本語話者に「. ョ 」と. 知覚されることがあ る。 フィンランド 語話者の聴覚テストから、 これらの語中 でかっ二重母音の 中では「 よ. る表記. よ. 提案する。/. ョ 」と表記し、. 子音に後続する 場合、 ェ段 やオ 段に. り物音として 表記することを、 語頭では「 オ 」と表記することを、 ぁ. / や /y/ の場合と同じく、. 先行する子音の 特徴や語中の 位置に よ る. 聞こえの違 いの 有無も検討する 必要があ る。. 一9 一.

(7) く. 提案. 3). ① 語頭の /6/. は. 「. ② /C+ O/ は /6/ ィ旦し/jo/ は. (4). 「. オ 」と表記. 61]y. 」と表記. mokki. 2. ]0 Ⅰ 0. ヨ. ョ. ヨ 」と 長言 ラ 己. 「. オルユ ョ. リ. ッキ ヨ. 二重子音. 日本語の促音は 無声子音にしかおこらず 無音状態であ るが、 フィンランド 語 の 二重子音は有声子音にもおこる。. pallo. Harri. 0 丁線部分 /r ル l/ は 無音状態ではないため、 「. 「ハル. り. 」「ハーリ」や「パルコ」. パ 一口」などの 表記も考えられる。 しかし、 長母音はフィンランド 語で弁別. 的であ るので、 混同をさけるため 二重子音には 用いないことにする。 日本語 語 者の「ハッ. リ. 」という表記の「. であ れば「ハッ ( 提案. リ. ッ 」の発音が無声子音の. 場合と同じく 無音状態. 」という表記も 可能であ ろ. 4). 有 声の二重子音 Ham. 「. ェ. /rr/ソ 11/0 第一子音は「 ル 」と表記 pall0. / )レリ ト. パルコ. (5) /VhCV/ における /h/ /V hCV/ における /h/ にはすべての 母音が先行する。 先行母音に従 い 環境を そろえて単語を 示す。 /ah/@. Ahti@ Lahti@. kahvi. ノミ h/. s 若 hk6. / ih/. Pihk aala lhmilnen. /eh/. Lehto. /oh/. Pohjola. /oh/@. mohkale@ pohkb@. /uh/@. kuhmo@. juhia@ keuhko. /yh/@. yhtio@. yhdessa@. t 若 hk 苓. n 囲 hden. vihta. rehtonl. tehdas. ohra. tohtori rohkia. kyyhkynen. Karlsson(1983)によるとⅣ h/ は 母音問では弱く 発音されるが、 子音の双 一. Ⅰ. 0. 一.

(8) で 特に. /t/や /k/の前では強く 発音される」という。 また、 小泉 (1980)は、 子. 音の前の /h/ に 関して「後昔母音 /a,o,u/の後では「 ハ Ⅰの音に近い。 子音の双 にあ って前古母音 /. 且. , e,i,6,y/の後では、 日本語の『. ヒ 』に近く聞こえる。」. という。 フィンランド 語の /h/ は ドイツ語のように 前の母音を長音化して 無声 になることはないが、 フィンランド 語話者の聴覚テストでは /h/ に 先行する 母 昔の影響を反映させた 表記が選ばれた。 この場合、 先行母音 /a, れぞれ、 ( 提案. 「. ァ 」「 ォ 」「 ゥ 」の 各段 で表記する。. 5). /VhC/ において. ソ h/ は 先行母音に従って. ① /a,a/ の後ろで「. 次のように表記. Ahti. ア ハティ. ② /e/ の後ろで「 エ 」と表記. Lehto. レヘト. ③ /i/の後ろで「 イ 」と表記. Pihkala. ピ. ① /0,0/ の後ろで「. Pohjola. ポキ ヨラ. kuhmo. クフモ. (6). ア 」と表記. オ 」と表記. /u,y/の後ろで「 ウ 」と表記. ⑤. d, y/ はそ. ヒカ ラ. 連続する子音. 連続する二子音の 先行子音は /h/ 以外に /p, s, t, k, r, l, n, m/ があ る。 英. 挿入によって. 譜系覚来語と 同様に /u/ を 挿入して表記することを 提案する。 しかし、 /u/ の 新たに音節が 生じても ブ インランド語のタ. イ. まト. ン. グ は保持できる. のか、 またそれが許容できる 程度のものかが 明らかにされなければならない。 音声検証の結果、 フィンランド 語のタイミングが 損なわれてしまっていると 断された場合には、 他の表記法を 考えなければならない。 ( 仮説. ①. 6) C が鼻子音 /n, m/ の場合、 新しい拍を想定し「 Hanko. ①. ハンコ. va. 「. ]0. ン 」と表記. / ドル ヨ. その他の場合 7u/ を 挿入し新しい 拍を想定しゥ 段で表記 kaksi. ヵク、 ン. pal]on パルコン. 4. 音韻制約と日本語話者による 発音の問題 一 11 一. 判.

(9) 音節ごとに仮名を 当てることができても、 音韻配列が日本語と 異なる場合、 表記どおりに 発音されないことが 生じる。 日本語話者が 仮名表記されたフィン ランド語の単語を 発音する際に 問題になると 思われる点を 以下にあ げる。. (1) 日本語にない 音節 日本語では、 感嘆詞や副詞以外には 現れな Ⅴ VVCC/ し. という音節がフィン ラ. ンド話では名詞にも 存在し、 固有名詞にも 多く現れる。 ①. Riitta, Jaakko, kaappi¥ 人名 ). これらを「リ ーッタ. 」「ヤ一ッコ 」「カーッ ピ 」と 表言己しても、 「リータ」「 ヤ一. コ 」と発音されることが 予測される。 フィンランド 語母語話者が「リータ」. を. どの程度許容するかによって、 日本語の音韻配列を 考慮した表記法を 選択する ことも一つの 方法であ ろう。. (2) 有 声子音による 二重子音 日本語の促音は 無声子音にしかおこらないが、 フィンランド 語の二重子音は 、 ノー. rr-/,/-1 Ⅳなど 有 声子音にも起こる。 ② Harrl, Ulla, 「ハッ. リ. Kar li U ソ 名 Ⅱ. 」「ウッ ラ 」「カッ. Ⅰ. リ. Ⅰ. 」と表記しても、 特に意識が向けられないと. 「アッラ一の 神」と表記された 語が「アラ一の 神」と発音されるのと 同じよう に、 「ハリ」「ウラ」「カリ」と. 発音されることがあ. る (。 ) 。. 考慮して「 か Ⅰ」と書いても「 Kari 」氏も実在するので、 る 必要があ. 日本語の音韻配列を 「カッ. リ. 」と表記す. る。. 5. まとめ 仮名表記の原則を 考える際に問題となる 点を整理し、 表記基準に対する 考え 方を提示し提案を 試みた。 本稿で考察したことをもとに、. よ. り. 精級 な仮名表記. 基準を作成するためには 以下の手続きが 必要と思われる。. (1) 語音の特徴を 音声処理システム 等を用いて検証する。 (2) 本稿での考察と (lVの音声検証の 結果をもとに、 音韻環境をそろえた 単 語 リストを作成し、 複数の仮名表記をする。. 一. 12. 一.

(10) (3) 単語リストに 従って日本語話者による 録音テープを 作成する (4). 日本語学習経験のない 複数のフィンランド. 者がこのテープを 聞き. 言を言 き. 原音に近 い ものを選択する. この調査で日本語の 拍感覚をそのまま 持ち込んだ仮名表記がどの 程度許容さ れるのかが明らかになれば、 日本語とフィンランド 語のタイミングの 類似性を 判断する一つの 根拠となろ. う. 。. 註 (Ⅰ ). この基準は 1 ㏄ 7 年 11月の文教部. ( 文部省 ). 則が設けられた 経緯に関し、 梅田 史や文化に関するものが. ( 前掲 ). 告知の資料の 中で示され、 原 は日本語の教科書に 韓国の歴. 多く、 また日本人向けの 案内書などにも 韓国の. 固有名詞が出てくる 場合が多いため (p48) と述べている。. (2) (3). 「地名表記の 手引き J. マルティネは「あ. (1975)参照. きま、 つまり結合 幅で 利用されていないものは 埋まる. 傾向があ る。 これは借用によって 行われることもあ る。 対応する外来 昔 素が、 使 い,慣れている調音を 組みあ わせたものにあ たるから、 た いした 困難もなく再生産されるのであ る」け一般言語学要理』. p288) と音韻. 体系の空位を 外来音素の受入れの 余地としてとらえる 考え方を示してい る。. (4). 音声的検証は. (5). 複数の表記法が 考えられる音素を 含む単語を数種類の 方法で仮名表記し. 次の段階で行うこととし、 本稿では音素表記にとどめた。. たものを筆者が 発音し、 フィンランド 語話者が聞いて 最も近いものを 選 択 するという方法で、 語話者に判断を. 2 ∼. 4 名の日本語学習者であ るフィンランド 語母. 委ねた。 今後同様の調査をする 場合は日本語学習経験の. ないインフォーマントを 対象とする。. (6) 滞日経験のあ るフィンランド 人から同じ指摘を 受けた。. 一. Ⅰ. 3. 一.

(11) 参考文献. (1). 秋 永一枝 5. (2). 分冊. (1986) 「日本語の音節. (拍 ). はいくつか」Ⅰ講座日本語教育第. 早稲田大学語学教育研究所. コ. 遠藤織 枝. ( Ⅰ 9 ㏄ ) 「覚来語の表記」. 下. 講座日本語と 日本語教育 8 日本語の. )J 明治書院 (3) 堀誉 手実 (1993) 「日本語の音節とフィンランド 語の音節」 文字表記. (上. 丁. 第六回日本. 語教育連絡会議報告書』. (4). 堀誉 手実 (1994) 「日本語の音節 とブ インランド詩話者にとっての 日本語 の音韻体系」『横浜国立大学留学生センタ 一紀要 J. (5). 堀誉子美. (1995a) 「音節量からみた. ンタ一紀要」. (6). 2. 音節構造」『横浜国立大学留学生. セ. 号 ミツケ ヴィッ. チ 大学. かソ ケンブッシュ 寛子 (1991) 「覚来語にみられる 日本語化規則の 習得 一英語話者の 調査に基づいて 一 」『日本語教育. (8)@. 号. 堀替 手実 (1995b) 「音節構造と 聴覚印象」「第八回日本語教育連絡会議. 報告書Ⅰアダム・. (7). l. KARLSSON. . Fred , l983@ Finnish@ Grammar. ,. J. W4 号日本語教育学会 Werner@ Sorderstrom. Osakeyht 田. (9) (10). (1983) 『フィンランド 語文法読本Ⅰ大学書林 国立国語研究所 (1990) 「覚来語の形成とその 教育 ]. 小泉 保. 国立国語研究所. (11)@ LIEKO , Anneli@ 1992@ Suomen@ kielen@ fonetiikkaa@ja@fonologiaa ulkomaalalsllle.Lolmaan. (12). 松崎寛. Kl apaino Oy. ⅡⅠ. Lolmaa. (1993) 「覚来語音と 現代日本語音韻体系」「日本語と. 日本語教育Ⅰ. 18 筑波国語国文学会. (13) 野沢素子 (19㏄ ) 「中国語の片仮名表記」 本語の文字表記. (下. [ 講座日本語と. 日本語教育. )J 明治書院. (14) 大嘗美恵子 (1991) 「英単語の音形の 日本語化」「日本語教育』 74 号 日本語教育学会. (15) 尾崎 義 (1986) 「フィンランド 語四週間 ] 大学書林 一. Ⅰ. 4. 一. 9 日.

(12) (16) 信貴辰喜 (1㏄ 5) 「ドイツ語固有名詞の 仮名表記について」「ドイツ 語学 研究. (17). 1. 高橋 渉. 要. 』. クロノス. ユ. (1991)「覚来語に生じる. 音韻過程. (1). 」. [. 信州大学教育学部 紀. 73 号. (18) 梅田博之 (1988) 「韓国語の片仮名表記」『講座日本語と 本語の文字表記. (19). (下. )J 明治書院. 楳 坦夷 (1978) 「覚来語の表記』研究社出版. ----. Ⅰ. 5 一一 .. 日本語教育. 9 日.

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