責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察
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(2) 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 20 (612). 表 2 1 Ali による多段階活動基準損益計算書. ��� ����������� ������ ����������� �������� �������� ������� ���������� ������ �������� �������� ��������� ���������� ��������� ������ ��������� ������ �������� ������������� �������� ���������� ������. �� A ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. �� B ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ����� 1 ����� 2 ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. �� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. Ali, 1994, p. 54. Ali, 1994, p. より一部修正 54. ������. すことを目的とする.. た多段階活動基準損益計算書である.ここでは,. ����������. ��������. �������. �������. 2. 責任会計と ABC. ⑴ Ali に よ る 多段階活動基準損益計算書 と 業 ���������������. 績評価の視点. ������ ① Ali の多段階活動基準損益計算書. ������. 原価を複数の段階に分けて控除することによっ て様々な貢献利益が算出されている.特に従来 の直接原価計算に見られる,売上高から変動費 を控除することによって増分貢献利益を算出す. ��������. る計算構造に加えて,固定費をさらに区分して. ������������������� ������� 1980 年代後半に誕生した ABC の概念は,1990. 増分貢献利益から段階的に控除することによっ. ������ �������� 年代に入り経営管理ツールとしての潜在力が認. て,様々な貢献利益を算出している点に注目す. められるようになった.しかし経営管理に有用 ������������� �������. べきである.Ali は,このような多段階の貢献. な情報を提供する方法については十分な研究が ���� ��������. 利益を算出することによって,多くの経営管理. 行われているとは言えなかった.そこで経営管. に役立つ情報,特に意思決定に役立つ情報を提. 理に有用な情報を損益計算書上に明確に示した. 供することができると考えていた.このことは. のが Ali である.表 2 1 は Ali によって示され. 以下の記述からも明らかである.. ������� ������. ������. ��������. ������������������������. �������������������������. -1-.
(3) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (613). 21. 「多段階損益計算書 は 段取時間,生産計画. に関連している.その結果,業績評価の観点か. や材料の効率性の向上,進歩した生産シス. ら見た場合,企業では発生した固定費を責任の. テムの導入に関連する意思決定の原価と見. ある管理者に跡付けるためのより適切な方法を. 込まれる節約額を示す.伝統的意思決定(た. 模索していると考えることができる.固定費を. とえば自製か購入かの意思決定,製品の廃. 責任のある管理者に適切に跡付けることが重要. 止に関する意思決定)による原価と節約額. な問題であるという事実は,Ali の以下の記述. 6) もさらに簡単に明らかになるであろう. 」. からも読み取ることができる.. Ali が特に意思決定に役立つ情報を提供する. 「世界的競争,戦略的経営 の 進歩,戦略的. ことを念頭に置いていたことはこの記述から明. 生産 シ ス テ ム の 導入 は,増加 す る 固定製. らかであるが,これらの情報がどの程度有用な. 造間接費の負担を管理者が計画,統制する. ものかを知るためには,彼がどのような基準に. のに役立つより正確な製品原価と他の原価. よって固定費を区分し,このような多段階の貢. データを提供することを管理者に求めてい. 献利益を算出したのかという点を明確にする必. る.」7). 要がある.そこで以下では,原価の区分という. このように,近年の企業を取り巻く様々な環. 点に焦点を当ててこの損益計算書を考察する.. 境の変化の中で,企業が意思決定や業績評価の. ② 多段階活動基準損益計算書における固定費. ために必要な情報を適切に獲得するためには,. の区分. 固定費をより適切に区分し跡付けることが重要. 原価を区分する視点として,次の視点を挙げ. な要素の 1 つであると考えることができるであ. ることができる.まずコスト・ビヘイビアの観. ろう.. 点から,原価は変動費と固定費に区分すること ができる.変動費は営業量に対して総額が比例. ⑵ 原価階層の概念と Ali による管理可能性. 的に発生する原価である.それに対して,固定. ① 固定費の配分と管理可能性の概念. 費は営業量によって発生額が変化しない原価で. 前述のように,責任のある管理者に対して責. ある.このような原価の区分を管理者の業績評. 任を適切に跡付け,業績をより正確に測定する. 価に有用な情報を提供するという観点から考察. ためには,発生した金額に対して管理者が影. するためには,変動性に従って区分された原価. 響を与えている原価を適切に把握する必要があ. をさらに管理可能性の視点から区分する必要が. る.そこで Ali は,管理者に責任のある原価を. ある.変動費を管理可能性の視点に基づいて考. より正確に把握するための原価分類の視点とし. 察した場合,管理者は変動費に対して短期的に. て次のように述べている.. 影響を与えることができることから,変動費は. 「原価は営業量に基づくビヘイビアによっ. 管理者にとって管理可能な原価であると考える. て 2 つのカテゴリー,すなわち変動費と固. ことができる.同様に固定費を管理可能性の視. 定費に分けられる.加えて,原価は考えら. 点から考察した場合,原価をさらに管理者に委. れる意思決定と分析された問題に対する関. 譲された意思決定権限の範囲や対象とする期間. 連性と管理可能性の観点から分類されるか. によって,それを管理可能な原価と管理不能な. もしれない.」8). 原価に区分することができる.. この記述から Ali は,原価を区分する方法の. このように様々な概念に基づいて原価,特に. 1 つとして管理可能性の観点を取り入れている. 固定費を区分しているのは,企業において発生. ことがわかる.管理可能性に基づいて原価を区. する原価総額の中に占める固定費の割合が増加. 分すると,その管理者が自らの責任で行った行. しているという現在の多くの企業が抱える状況. 動から発生した原価とそうでない部分から発生.
(4) 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 22 (614). した原価を区別することができるため,管理者. のことから,Ali はこの損益計算書で業績評価. の業績を評価する上で考慮すべき重要な概念と. の側面からの有用性についても考えていたと言. なる.Ali はこの視点からの原価分類を考えて. える.Ali は損益計算書の目的の 1 つとしてビ. いたことから,彼は多段階活動基準損益計算書. ジネス・ユニットの業績測定に有用な情報の提. によって,意思決定の側面だけではなく業績評. 供を考えていたことから,その損益計算書に. 価の側面においても有用な情報を提供しようと. よって示される情報の目的について,意思決定. していたことが類推できる.そこで管理可能性. に有用な情報の提供と同時に,業績評価に有用. の観点からさらにこの損益計算書を検討する.. な情報の提供もその主な目的の 1 つであると考. 損益計算書の中で用いられている管理可能. えていたことがわかる.. 性の概念について,Ali は原価の発生に対して. ② Ali による原価階層と管理者の業績. 直接的に影響を与えることができる管理者にそ. ABC における原価階層の概念は,1990 年代. の原価の責任を跡付けることであると考えてい. 初頭 に Cooper と Kaplan に よって 提唱 さ れ た. る.したがってたとえば投資責任の場合,ある. 概念である11).それによると,製品の製造に関. レベルの管理者が投資に伴って発生した原価に. 連する原価は原価の変動性の違いによってユ. 影響を与える権限を持っているのであれば,そ. ニット・レベル活動,バッチ・レベル活動,製. の原価はその特定の管理者にとって投資の結果. 品維持活動,能力 (Facility) 維持活動12)の 4 つ. が続く期間にわたり管理可能となる.この考え. の 原価階層 に 区分 さ れ る.Ali は こ の Cooper. 方は次の記述からもわかる.. と Kaplan による原価階層の概念を損益計算書. 「原価はもし そのレベルの管理者がその. の貢献利益の概念と統合することで,表 2 1 に. 原価に影響を与える権限を持っている な. 示された多段階活動基準損益計算書の基礎とな. らば,特定の管理階層において管理可能と. る部分を構築している.. 考えられる. 」9). Ali の考える貢献利益レベルは,表 2 1 から. また多段階活動基準損益計算書を作成するに. わかるように製品レベル,製品ライン・レベル,. あたり,Ali は ABC におけるコスト・ビヘイ. 営業 (Operations) レベル,能力 (Facilities) レベ. ビアの拡張と管理可能性の概念を次のように関. ルの 4 つの階層である.製品レベルでは,売上. 連づけている.. 高 か ら Cooper と Kaplan の 原価階層 の 概念 で. 「関連性と管理可能性の範囲内でコスト・. 指摘 さ れ て い た ユ ニット・ベース 原価,バッ. ビヘイビアを拡張することで,価格決定,. チ・ベース原価,製品ベース原価の 3 つの原価. 損 益 分 岐 点,CVP 分 析,製 品 ミック ス,. が控除され,製品貢献利益が求められる.また. 製品の廃止あるいは追加の意思決定,自製. 製品ライン・レベルでは,製品貢献利益からブ. か購入かの分析,セグメント化されたビジ. ランド維持原価と製品ライン維持原価が控除さ. ネス・ユニットの評価に関連する短期的意. れて製品ライン貢献利益が求められている.さ. 思決定に関わる関連情報を管理者に提供す. らに営業レベルでは,製品ライン貢献利益から. 10). 顧客維持原価,チャンネル維持原価がそれぞれ. この記述から,Ali はコスト・ビヘイビアを. 控除されて営業貢献利益が求められる.最後に. 考える際に管理可能性の概念を基礎として考え. 能力レベルでは,営業貢献利益から生産能力維. ていたことがわかる.これは業績評価の中心的. 持原価,マーケティング能力維持原価,管理能. な概念である管理可能性の概念を基礎とし,そ. 力維持原価がそれぞれ控除されることで能力貢. の概念の中でさらにコスト・ビヘイビアによる. 献利益が求められている.. 原価の区分を考えていたことを示している.こ. 原価階層の概念を用いると,それぞれの原価. ることができる. 」.
(5) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (615). 23. 階層レベルでの活動量の変化に基づいてそのレ. 定することを可能にしたことであると考えるこ. ベルにおける原価の発生額が変化することか. とができる.. ら,ある種の「変動費」としてそれらの原価を. しかし責任会計の見地からすると,この多. 認識することができる.これらの原価について. 段階活動基準損益計算書には業績評価の観点か. の Ali の考え方は,以下の記述から見いだすこ. ら 2 つの問題点が存在することに注意する必要. とができる.. がある.1 つは跡付可能性と管理可能性の明確. 「原価 と コ ス ト ド ラ イ バーの 因果関係 に. な区分がなされていない点である.Ali のこの. よって, 配分された原価には関連性がある.. 原価階層による業績評価では,区分された活動. このように固定間接費は,維持された活動. レベルごとの業績を測定することは可能である. のレベルに対する変動費,あるいはより正. が,そのことが同様にそれらの活動を行うセグ. 確に言えば管理可能費と見なされる.」13). メントの管理者の業績を測定することを意味し. この Ali の記述からわかるように,彼は固定. ているとは限らない.なぜなら,跡付可能性の. 費をそれぞれの原価階層に応じて区分すること. 概念と管理可能性の概念は同一のものではない. によって固定費を変動費として認識している.. からである.. しかし Ali がここで示している「変動費」とは,. 製品レベルを例として考えてみよう.製品レ. 発生した原価のうちそれぞれの原価階層レベル. ベルで発生する原価の 1 つとして,ある製品に. に跡付けることができる固定費を示している.. 関連する製造プロセスのデザイン費用が考えら. 要するに,ここで Ali の考える「変動費」の概. れる.製造プロセスのデザイン費用は,Ali の. 念はそれぞれの原価階層レベルに対する跡付可. 原価階層による区分では製品レベルの費用とし. 能性の概念を示しており,原価を跡付可能性の. て分類されていることから,製品レベルの管理. 概念に基づいた原価階層別に区分していたと言. 者に対する管理可能費として認識されることに. える.このことから,彼は跡付可能性の概念と. なる.しかし実際には,その管理者は製造プロ. 管理可能性の概念を同一のものとして捉えてい. セスの変更に関する意思決定の権限を有してい. たか,あるいは管理可能性の概念を認識しなが. ないかもしれない.その場合,その管理者にとっ. らも跡付可能性の概念を重視し,それに基づい. て製造プロセスのデザイン費用は管理不能費と. て原価を区分したと考えることができる.この. なるであろう.. ことは Ali が管理可能性に基づいてセグメント. 2 つ目の問題点として,Ali による多段階活. 管理者の業績を評価するということよりも,そ. 動基準損益計算書では時間的側面の考慮がなさ. れぞれのセグメントに対する跡付可能性に基づ. れていないことが挙げられる.あるいはもし製. いてセグメントの原価を正確に把握すること. 品レベルの管理者が設備に対する意思決定の権. で,意思決定に有用なデータの提供とセグメン. 限を有していたとしても,その管理者は短期的. トの業績評価に重点を置いていたと考えること. にはその原価の金額に影響を与えることができ. もできるであろう.. ない.つまり,その機械の耐用年数にわたる長. ③ 多段階活動基準損益計算書における問題点. 期的な視点から見た場合は製品レベルの管理者. Ali の貢献は,これまで示されていなかった. に対する管理可能費となるが,業績を測定する. ABC に基づく損益計算書の作成と,多段階活. ためには短期的な視点が利用されるため,この. 動基準損益計算書による管理者の業績評価とい. 視点によるとこのような原価は管理者に対する. う点に着目し,原価階層の概念を損益計算書の. 管理不能費として認識されることになる.. 中に組み込んでそれぞれの活動レベルごとに業. このように Ali は,管理者の業績を適切に評. 績を測定することによって,管理者の業績を測. 価するのに必要な情報を示すために,ABC に.
(6) 24 (616). �������� ������������� �������� ���������� ������ � 2-1 Ali ��������������� Ali,横浜国際社会科学研究 第 1994, p. 54. ������ 11 巻第 6 号(2007年 2 月) 表 3 1 Shillinglaw による損益計算書. ����������. ��������. �������. �������. ��������������� ������. ������ ��������. ������������������� ������. ������� ��������. �������������. �������. ����. ��������. �������. ������. ������. ��������. Shillinglaw, 1957, p. 85.. �������������������������. 基づいた多段階活動基準損益計算書を作成し,. 題の解決方法は,ABC をベースとした多段階. その中で固定費を様々な原価階層レベルに区分. 活動基準損益計算書においても有効であると考. し跡付けることによって,そのレベルの活動を. えられる.. 行うセグメントの業績測定に役立てようと考え. Ali の意図を反映し,より適切な管理者の業. ていた.しかし責任会計の観点から見た場合,. 績評価に必要な情報を提供するためには,これ. Ali の示した多段階活動基準損益計算書に基づ. ら 2 つの問題点の解決方法をふまえた ABC に. いて管理者の業績を正確に測定するためには,. 基 づ く 多段階活動基準損益計算書 を 作成 す る. 2 つの問題点が存在することが明らかとなっ. 必要がある.そこで次節以降では,Shillinglaw. た.. や Raiborn による論文を考察し,これらの問. ところがこれらの問題については,すでに. 題に対する解決方法を ABC に基づく多段階活. 過去において解決しているという点が重要であ. 動基準損益計算書の中に組み込むことを検討す. る.すなわち 1 つ目の問題である管理可能性と. る.. 跡付可能性の明確な区分がなされていない点に ついては,1957 年の Shillinglaw の論文におい て管理可能性と跡付可能性を明確に区分した損 益計算書の作成が行われている.また 2 つ目の 問題である時間的側面の考慮については,1971 年の Raiborn の論文において,管理可能性の概 念に基づいて区分された原価をさらに短期的な 側面と長期的な側面に区分した損益計算書が示 されている.そしてこれらの論文に示された問. -1-. 3. 管理可能性の問題と時間的側面の問題への 過去におけるアプローチ ⑴ 管理可能性と貢献利益の概念 管理可能性 の 概念 を 最初 に 損益計算書 の 中 に組み込んだのは,1957 年に論文を公表した Shillinglaw である14).そこで管理可能性と跡付 可能性の明確な区分を行った Shillinglaw の論 文をここでは考察する.. ��� ��� ��� ��� ���.
(7) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (617). 25. 表 3 1 は Shillinglaw によって示された損益. 理者に責任のある原価総額の間に相違が生じる. 計算書である.その中で,彼は 4 つの利益概念. ことから,事業部の業績とそこに存在する管理. を提示している.. 者の業績をそれぞれ正確に測定するためには両. 「どのような利益が適切な測定という要求. 者の測定尺度を区分して示すことが必要になっ. にかなうように定義されるべきか? 4 つの. た.. 主要な選択的概念がその問題に答えるため. この点について Shillinglaw は次のように述. に調査されるかもしれない.. べている.. 1.販 売 マージ ン. 総 売 上 収 益 (Total. 「純利益は 4 つの利益概念の中でもっとも. Revenue) から製造と販売に対する変. 役に立たない.純利益を算出するために行. 動費総額を控除する.. われなくてはならないその事業部以外の費. 2.管理可能利益.販売マージンか ら 事 業部が管理可能な固定費総額を控除 する.. 用の恣意的な配分によって,評価とガイド に対する有用性は無効になる.」16) 彼が主張するように,管理者の業績を測定す. 3.貢献利益.管理可能利益 か ら 事業部. るためには,発生した原価に対して影響力を持. に直接跡付可能な他の固定費総額を. たない原価の恣意的な配分による結果は考慮さ. 控除する.. れるべきではない.責任会計の概念に基づいて,. 4.純利益.貢献利益 か ら 一般管理費 や. 管理者の業績をより正確に測定するためには恣. サービス・センターの費用の割当額. 意的な配分を回避し当該管理者の管理可能な原. 15). を控除する. 」. 価だけを考慮した結果を用いるべきであり,こ. こ れ ら の 利益概念 か ら,Shillinglaw は 直接. の考え方によると,管理者の業績を正確に測定. 原価計算による損益計算書をベースに考えてい. することができない純利益は,責任を測定する. たことがわかる.また管理可能利益と貢献利益. 利益概念としては望ましくないと言える.. と い う 新たな 2 つの利益概念が損益計算書 の. そこで Shillinglaw は,管理者の業績を測定. 中に組み込まれている点に注意する必要があ. するための利益概念として管理可能利益を損益. る.Shillinglaw の 記述 に も あ る よ う に,管理. 計算書の中に組み込んでいる.. 可能利益は販売マージンから管理者にとって管. 「次の考えられる概念は,事業部管理者が. 理可能な原価を控除して求められ,管理可能利. 直接統制を行える利益の測定尺度である.. 益から事業部に対する跡付可能固定費が控除さ. これは,売上収益からすべての変動費と利. れて貢献利益が示されている点を考慮すると,. 益センターの管理者によって管理可能な固. Shillinglaw は,こ の 損益計算書 に よって 管理. 17) 定費を控除した後に残った利益である. 」. 者の業績と事業部組織の業績を測定することを. Shillinglaw は管理者の業績を測定するため. 念頭に置いていたと考えることができる.. に管理可能利益を算出する際,管理可能な変動. Shillinglaw によるこのような損益計算書が. 費と固定費を控除している.つまり彼は,管理. 示されるまでは,組織の業績と管理者の業績を. 可能な原価として変動費だけではなく固定費も. 測定する利益概念は区分して示されていなかっ. 考慮に含めている.このように,変動費だけで. た.しかし事業部制の導入によって様々な権限. はなく影響を与えることができる固定費も考慮. が委譲されるようになり,それぞれの事業部が. に含めることで,その管理者にとって管理可能. 1 つの組織体と見なされるようになった.しか. なすべての原価を控除すること可能となり,よ. し投資権限の委譲の程度や本社費の配賦などに. り正確な業績を測定することができる.. よって,事業部で発生する原価総額と事業部管. こ の よ う に,Shillinglaw が 損益計算書 に 組.
(8) 26 (618). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). み入れた管理可能性の概念によって,管理者の. 「・事業部管理者 の 給料,減価償却費,固. 業績を適切に測定するためには管理可能利益を. 定資産税,保険料のように,トップマネジ. 用いることが望ましいことが明確に示された.. メントや過去の意思決定によって事業部に. すなわち,Ali による多段階活動基準損益計算. 押しつけられた固定費は,事業部レベルで. 書では明確に区別されずに扱われていた管理可. は現時点で管理可能ではない.. 能性 の 概念 と 跡付可能性 の 概念 を Shillinglaw. ・たとえ管理不能固定費の一部(例えば. は明確に区分している.そしてそれを,管理可. 減価償却費や固定資産税)が管理者の過去. 能性の概念に基づいて管理者にとって管理可能. の 投資意思決定 を 反映 し て お り,全体的. な原価を販売マージンから控除し管理可能利益. な成績を明らかにしているとしても,業績. を計算し,またそのセグメントに対する跡付可. 評価の側面は,当期の利益業績のデータを. 能性の概念に基づいて跡付可能な原価を管理可. 介するよりも資本支出の特別な再調査を介. 能利益から控除している.これらのことから,. することによってはるかに効果的に示され. セグメント貢献利益を計算するのが望ましいと. る.」18). いうことは,すでに Shillinglaw によって解決. こ の よ う に,Shillinglaw は 固定費 の 認識 に. されていた問題であったことが明確に示され. ついて,長期的な固定費と短期的な固定費が存. た.この管理可能性の概念と跡付可能性の概念. 在することは認識していたが,それらを区分し. の区別が Ali の示す多段階活動基準損益計算書. て示すことは行っていなかった.それは,年度. には欠けている部分であり,Shillinglaw によ. ごとに示される損益計算書においてその期の管. るこれらの概念の区別を Ali の示す損益計算書. 理者の業績を測定することに重点を置いていた. にも組み入れることで,適切に管理者の業績を. のであって,単年度で原価の発生に影響を与え. 測定することが可能となる.. ることができる管理可能費に基づいて管理者の 業績を測定することを考えていたからである.. ⑵ 管理可能利益と時間的尺度. しかし管理者の業績を短期的視点だけで測定す. ① 短期的な業績測定尺度に対する問題. ることは,管理者が企業業績の長期的な向上に. Shillinglaw に よって 示 さ れ た 損益計算書 か. 向けた努力を怠る恐れがある.たとえば設備投. ら,Ali による多段階活動基準損益計算書では. 資に対する意思決定権限を持つ管理者の場合,. 欠けていた問題である管理可能性と跡付可能. 高価で能率の良い機械への設備投資を行わない. 性の概念の区別が,すでに考慮されていた問. かもしれない.なぜなら長期的にはそのセグメ. 題であったことが明らかとなった.しかしも. ントの業績が向上するかもしれないが,その設. う 1 つの問題である時間的な側面,すなわち. 備への投資を行うことによってそのセグメント. 長期的な側面では管理可能となるが短期的な. の業績が短期的には向上しないからである.こ. 側面では管理不能となる原価に対する問題は,. のように,短期的な視点から捉えた場合ではそ. Shillinglaw で は 重要視 さ れ て い な かった.す. の設備投資を行わない方がよいように見える. な わ ち,Shillinglaw は 管理者 の 業績 を 評価 す. が,長期的な視点から捉えた場合にはその設備. る利益概念として管理可能利益を示したことが. 投資を行うことが結果的に企業にとって大きな. 大きな貢献であるが,しかし彼が損益計算書に. 利益をもたらす意思決定となるかもしれない.. よって求めようとしていたのは管理者の当期,. ところが Shillinglaw による短期的な業績測定. すなわち短期の業績であり,長期的な業績を測. 尺度のみに基づいた場合,長期的には企業の業. 定することを意図してはいなかった.このこと. 績を向上させる意思決定であっても,短期的に. は以下の記述からも読み取れる.. 管理者の業績を向上させる意思決定でなければ.
(9) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (619). 27. 表 3 2 Raiborn による事業部業績報告書. ��� �������������. �������. ������� ���������. �����. ��������. �������. ���������. �����. ������. �������. ����������� ������������� ���������. �����. �����������. �������. �������. �����. �����������. �������. �������������� ���������. �����. ��������������. �������. �������. ���. ��������������. ������. Raiborn, 1971, p. 23.. ���������������������. 管理者はその意思決定を行わないであろう.つ. べきである.. まり長期的に企業全体の業績を向上させるため Raiborn は管理可能な領域の原価をさらに 2 �������� には,短期的な管理可能利益のみに基づいて管 つに区分し,短期業績マージンと長期業績マー ���� ���� 理者の業績を測定するのではなく,長期的な視 点から管理者の業績を測定することも必要であ � ������� �� ��������� る. � � ② 長期的な業績測定尺度の測定 � � そこで Raiborn は,このような問題点に対し � � ������� て,管理可能性の概念と時間軸の概念を組み込 � ������� んだ損益計算書を作成することを提案した19).. ジンを算出しているが,ここで示された短期業 �������Shillinglaw の示す管理可能利益 績マージンは ��������� と同じ利益概念を示している.すなわち単年度. に管理者にとって管理可能な原価を控除して得 られた管理者のその年度における業績を測定す ������� る利益概念である.Raiborn はそれだけではな ������� く,さらに Shillinglaw では管理可能費に含ま. れていなかった機械の減価償却費などの長期的 表 3 2 は Raiborn に よって 示 さ れ た 損益計算 �3-1 ������������������ 書である.この損益計算書を見るとわかるよう に管理可能な原価について,それらを短期業績 に,Raiborn は跡付可能費をさらに事業部の統. マージンから控除することで長期業績マージン. 制に従属するか否か,すなわち管理者にとって. を算出している.すなわち Raiborn による損益. 管理可能か否かに基づいて区分して表示してい. 計算書では,長期業績マージンが収益から管理. ���� 者にとって管理可能な原価を控除した管理可能 る.それだけではなく,管理者にとって管理可 能な原価と管理不能な原価をそれぞれ自由裁量 固定費と拘束固定費に区分している点に注目す. ����. 利益の概念となる. ではなぜ彼は管理可能性の概念に基づいて区. ����. ������ ���� �������. ������ ����. �������. �4-1 ��������������������.
(10) 28 (620). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 分された原価をさらに自由裁量固定費と拘束固. 負担する管理可能固定費は,短期業績利益. 定費に区分したのであろうか.そこで自由裁量. を測定する時には控除されるべきであり,. 固定費と拘束固定費の定義を見てみよう.岡本. 数年間にわたって回避不能かあるいは拘束. 氏によると自由裁量固定費と拘束固定費はそれ. される原価を業績測定から除外すべきであ. ぞれ次のように定義される.. る.」21). 「コ ミッテッド・コ ス ト (committed costs). この記述からも,Raiborn が管理者の業績を. とは,物的生産販売設備や基礎的組織の維. 測定する際に原価を時間的な側面からも区別し. 持費 で あって,…いった ん 投資 に ふ み き. て示すことが望ましいと考えていることがわか. ると,耐用年数の全期間に結合して発生す. る.つ ま り Raiborn は,管理者 が 短期的 に 影. る と い う 意味 で 長期原価 (long-run costs). 響を与えることができる原価に基づいて業績を. で あ り,…マ ネ ジ ド・コ ス ト (managed. 評価することは Shillinglaw と同様の主張であ. costs) は,…その原価の投入とそれによっ. るが,それだけではなく短期的には管理不能だ. て生ずる効果との最適な関係が不明なため. が長期的には管理可能となる長期的な管理可能. に,経営管理者がそれぞれの方針によって. 費に対する責任を測定するために,Shillinglaw. その発生額を年度予算のなかで定めざるを. では示されていなかった時間的な尺度を損益計. 得ない原価である.…したがってこれらの. 算書に組み込んでいる.そして,管理者の業績. コストはコミッテッド・コストと異なり,. を管理可能性の概念と時間的側面の両方から考. 短期原価 (short-run costs) で あ り,万一不. 慮し,短期的な業績測定尺度と長期的な業績測. 況にでもなれば短期的に大幅に削減するこ. 定尺度を区分して用いるべきであるということ. とも可能である. 」20). を明確に示している.. こ の 定義 に 基 づ く と,自由裁量固定費 は 短. ③ 管理可能性の概念の中にある時間軸の概念. 期 の 固定費として,また拘束固定費は長期 の. このように,Raiborn は損益計算書において. 固定費としてそれぞれ認識することができる.. 原価をそれぞれ拘束固定費と自由裁量固定費に. Raiborn はこの自由裁量固定費と拘束固定費の. 区分し,それらを別々にマージンから控除する. 定義に基づいて区分する概念を用い,管理可能. ことによって短期業績利益と長期業績利益を測. 性の概念に基づいて区分された原価をそれぞれ. 定することを提案している.そしてこのことに. 長期と短期という時間軸の概念に基づいてさら. よって Raiborn は 管理者 の 業績測定 に とって. に分解している.このようにして,Raiborn は. 有用な情報を提供することを目的としていた.. 管理可能性の概念と時間軸の概念をともに考慮. 表 3 2 を見るとわかるように,貢献利益から. した損益計算書を作成し,管理者の業績をより. 管理可能な自由裁量固定費を控除して短期業績. 正確に測定しようと考えていたと考えられる.. マージンが,そしてそこから管理可能な拘束固. 「セグメントの管理者にとって,基本的な. 定費を控除して長期業績マージンが算出されて. 評価目的は管理可能な原価要素と収益要素. いる.しかし長期業績マージンから管理不能な. に関する責任の達成度を測定することであ. 自由裁量固定費を控除することによって短期セ. る.短期業績利益と長期業績利益はこの測. グメント・マージンが示されるため,長期的な. 定を行うことができる段階である.時間に. 指標を示す利益概念のあとで短期的な利益概念. 関係する測定は業績評価の感度を高める.. を示す指標が示されることに疑問を感じざるを. なぜなら自由裁量固定費と拘束固定費の違. 得ない.そこで,管理可能性の概念と時間軸の. いがあるからである.期間的な承認あるい. 概念がどのような関係にあるのかを整理する必. は割当ての意思決定(自由裁量)が原因で. 要がある..
(11) �������������� ���������. �����. ��������������. �������. �������. ���. ��������������. ������. ����������������������� ���������������������. 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (621). 29. �������� ����. ����. ������� � ������� �� ��������� ��������� � � � � ������� � � ������� � ������� ������� 図�3-1 3 1 管理可能性の概念と時間軸の概念の関係 ������������������. 管理可能性の概念と時間軸の概念はともに原. この Raiborn の考え方に基づくと,4 つに区. 価を区分するための概念であり,視点の違いに. 分された原価を計算構造に組み込む際に,管理. よってそれぞれ区分される原価は異なる.この. 可能性の枠を中心に構成していると考えること. 関係を図示したものが図 3 1 である.この図を. ができる.また彼は,基本的な評価は管理可能. 見るとわかるように,管理可能性の視点は横軸 ����. 性に基づく責任の測定であって,時間的な側面 ����. で,時間軸の視点は縦軸でそれぞれ示した.同. による原価の区分は管理可能性に基づく責任の. じ発生した原価であっても,管理可能性の視点. 測定を行う上でのプロセスに過ぎないと考えて. 間軸の視点によって短期原価と長期原価に分け. 基づいて区分しているのではなく,管理可能性. ることができる.それらを組み合わせることに. の概念によって区分された原価をさらに時間軸 �������. ����. ������ ������ によって管理可能費と管理不能費に,そして時 ���� いる.このことから,彼は原価全体を時間軸に ���� �������. よって,短期管理可能費,長期管理可能費,短. に基づいて分離して示すことを意図していると. 言える. 期管理不能費,長期管理不能費の 4 つに区分す �4-1 �������������������� ることができる. Raiborn のこのような考え方は管理者の業績 Raiborn はこれらの 4 つに区分された原価を. 評価を正確に行おうとしていることに起因して. 控除することによってそれぞれの利益概念を提. いる.つまり Shillinglaw の示した管理可能利. 案している.その際,これらの原価概念をどの. 益の概念によると,管理可能性に基づいて原. ように計算構造の中に組み込み様々な利益概念. 価を区分することで管理者の業績を測定するこ. を示すかが重要な部分となる. この点について,. とが可能となることはすでに示されたとおりで. Raiborn は,業績評価のためには基本的に管理. ある.しかし Shillinglaw の提案では,管理者. 可能性による区分が重要であることから,管理. の短期的な業績を測定することはできても管理. 可能性の概念を基礎として考えているようであ. 者の長期的な業績を測定することはできなかっ. る.このことは以下の記述からわかる.. た.そ こ で Raiborn は,こ の 問題 を 解決 す る. 「セグメントの管理者にとって,基本的な. 新しい損益計算書の形式を提案した.すなわち. 評価目的は管理可能な原価要素と収益要素. Shillinglaw による問題を解決するため,管理. に関する責任を測定することである.短期. 可能性に基づいて区分された原価をさらに短期. 業績利益と長期業績利益はこの測定が行わ. 的に管理可能な部分と長期的に管理可能な部分. れる段階である. 」22). に区分し,それぞれを控除して別々の利益概念. -2-.
(12) � � � � �� �. �������. �������. �������. �������. �3-1 ������������������ 30 (622). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). ����. ����. ���� ������ ����. �������. ������ ����. �������. 図 4 1 多段階活動基準損益計算書における組織階層. を示すという考えである.Raiborn はまず管理. 指標を用いるとそれらの費用が考慮されないと. 可能性の概念に基づいて原価を区分し,その次. -2いう問題があった.しかしこれらの問題につい. にそれらの原価を時間軸の概念に基づいて区分. ては,上記で考察されたようにすでに過去にお. している.. いてそれぞれ解決されている問題であった.. Raiborn に よって 示 さ れ た 損益計算書 か ら. そこで,過去にそれぞれの問題についての. わ か る よ う に,Ali の 活動基準損益計算書 で. 解決方法を提案していた 2 つの論文,すなわち. は 組 み 込 ま れ て い な かった 時間軸 の 問題 が,. Shillinglaw に よって 示 さ れ た 管理可能性 の 概. Raiborn の示した損益計算書によってすでに解. 念と跡付可能性の概念を区分して作成された損. 決された問題であったことがわかる.そしてこ. 益計算書と,Raiborn によって示された時間軸. の考え方を用いることによって,管理者の業績. の概念を組み入れて作成された損益計算書の考. を適切に測定することが可能となる.. え方をもとに,Ali による多段階活動基準損益. 4. 多段階活動基準損益計算書とより正確な管 理者の業績測定尺度 ⑴ 製造領域における原価階層と Ali による問 題の解消 ① 製品管理者の業績評価とユニット・ベース およびバッチ・ベース原価 前述の Ali によって示された ABC による多 段階活動基準損益計算書では,管理可能性の概 念と跡付可能性の概念を明確に区分していな かったことによって,管理者の業績を正確に測 定することができなかった.また減価償却費な どの長期的に発生する費用について,長期的な 視点からは管理可能であっても,短期的な視点 から捉えると管理不能費となってしまうため, 管理者の業績を測定する際に短期的な業績評価. 計算書を再検討する必要があると考えられる. まずはじめに,多段階活動基準損益計算書に おいてどの管理者の業績を測定するのかを明確 にしなくてはならない.Ali による多段階活動 基準損益計算書では,製品の視点から計算構造 が構築されていたことから,組織の中に製品ラ インがいくつか存在し,さらにその製品ライン の中に個々の製品が複数製造されていた.しか しこの論文で示す多段階活動基準損益計算書で は,管理者の業績を評価するという観点から計 算構造を構築する必要があることから,図 4 1 で示すような組織階層を念頭に置いている.そ してこの論文における多段階活動基準損益計算 書で業績測定の対象となる管理者は,それぞれ の製品ラインごとに存在する製品ライン管理者 と,その下位階層に存在する各製品に対する製.
(13) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (623). 31. 品管理者に焦点を当てている.なおここでは,. よりも下級の管理者,たとえば職長などにとっ. 原材料を外部から購入し,それを事業部内で組. て管理可能な原価と考えられることから,バッ. 立加工した上で消費者に販売する,機械や家電. チ・レベルを管理している管理者よりも上位の. などの組立加工を中心とした製造メーカー内の. 管理階層 に 位置 し て い る 製品管理者 に とって. ある事業部を想定している.. は,バッチ・レベルで発生した原価は管理可能. 上述の組織階層に基づいて,はじめに多段階. な原価であると考えることができる.. 活動基準損益計算書における製品管理者の業績. 下位の管理者レベルにおいて管理可能な原. 測定を考察することにする.ABC での原価階. 価がその上位階層の管理者にとっても管理可能. 層の概念を用いると,製造領域で発生した原価. であるという主張は,Ferrara の以下の記述に. のうち個々の製品と関連して発生する原価を,. よって明確に示されている.. ユ ニット・ベース 原価,バッチ・ベース 原価,. 「個々の従業員によって管理可能な原価を. 製品ベース原価にそれぞれ区分することができ. 合計すると,1 つの例外,すなわち職長の. る.それらの原価のうち,ユニット・ベース原. 職能に当てはまる原価を除いて,それらは. 価については管理可能性の概念と跡付可能性の. 部門長あるいは職長に対する責任の合計と. 概念の区別や時間軸の問題は生じない.なぜな. なる.」23). らユニット・ベース原価は 1 ユニットの増減に. この記述からわかるように,Ferrara は,あ. 応じて変動する原価であるため,短期的に変動. る階層レベルの個人にとって管理可能な原価は. する変動費として認識することができる.すな. そのレベルの上位にある管理階層の個人にとっ. わち長期的なユニット・ベース原価は存在し得. ても管理可能であることを示している.すなわ. ないことから,ユニット・ベース原価を時間軸. ちある階層レベルの個人から見た場合,その個. の側面に基づいて長期的なものと短期的なもの. 人よりも下位の管理階層における個人の管理可. に区分する必要がない.結果的に,ユニット・. 能費についてはすべてある階層レベルの管理者. ベース領域では時間的側面における問題は生じ. にとって管理可能であることを主張している.. ない.またこれらの原価は管理可能性と跡付可. つまり,製品管理者からするとバッチ・レベル. 能性の概念を区別する必要もない.なぜなら 1. やユニット・レベルで発生する管理可能費の金. ユニットの増減に基づいて発生額が変動するユ. 額に対して管理可能であると考えることができ. ニット・ベース原価は,製品管理者にとって管. ることから,これらを製品管理者の業績に含め. 理可能な原価であると考えられることから,す. るべきであると言える.. べての原価を製品管理者に対する管理可能費と. ② 製品ベース原価と製品管理者の業績評価. して認識することが可能だからである.. バッチ貢献利益が算出されると,次に製品領. 次にバッチ・ベース原価について考察する.. 域の計算が行われる.製品領域では,製品ベー. バッチ・ベース 原価 に つ い て も,ユ ニット・. ス原価を管理可能性の概念に基づいて管理可能. ベース原価と同様に,管理可能性の概念と跡付. なものと管理不能なものに区分し,それをさら. 可能性の概念の区別や時間軸に関する問題は生. に時間的な側面から自由裁量固定費と拘束固定. じないであろう. バッチ領域で発生する原価は,. 費に区分することによって,製品管理者が影響. すべてがバッチという比較的短い期間で変化す. を与えることができる原価に基づいて製品管理. る単位であることから,長期的に発生するバッ. 者の業績を測定することが可能になる.. チ・ベース原価は存在しないと考えることがで. 表 4 1 は製品領域における多段階活動基準損. きる.そのため時間軸の問題は生じないであろ. 益計算書である.この図を見るとわかるように,. う.またバッチ単位を考えた場合,製品管理者. バッチ領域で算出されたバッチ貢献利益から製.
(14) 32 (624). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 表 4 1 多段階活動基準損益計算書 (製品領域). ��� ���������� �������. ���. ��� ���. �������� ��������� ��� ��� ������������� ��� ��� �������. ��� ���. ������������� �������� ���������� ���������. ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ���. 品領域で発生した原価のうち管理可能な自由裁. セグメントの組織業績を測定するためには,製. 量固定費を控除することによって,短期管理可. 品に跡付可能ではあるが管理者にとっては管理. 能製品利益を算出することができる.管理可能. 不能である原価を控除し,製品セグメントの業. な自由裁量固定費としては,たとえば製品仕様. 績を明確に示す必要がある.そこで,長期管 ����� 1 ����� 2. 書の作成に必要な従業員の給料などが含まれ, ������ それらの原価をバッチ貢献利益から控除するこ ���������. 理可能製品利益から製品管理者の管理不能な固 ��� ��� 定費と超過キャパシティ原価を控除することに. よって製品貢献利益を算出する.これらの原価 ������� を長期管理可能製品利益から控除し製品貢献利 ������� ��� ��� の程度貢献したかを測定することができる. 益を算出することによって,その製品全体が企 ������������� ��� ��� 算出された短期管理可能製品利益から管理可 業の利益にどれほど貢献したのか,すなわちセ ����� ��� ��� 能な拘束固定費を控除すると,長期管理可能製 グメント全体の業績を明確に示すことができ ������������� ��� ��� 品利益を算出することができる.管理可能な拘 る. ������� ��� ��� 束固定費には,製品管理者の意思決定権限の範 このように,製造領域においてはユニット領 ���������� ��� ��� 囲内において行われた,個々の製品に個別に跡 域やバッチ領域で発生した原価を収益から段階 ���������的に控除し,また製品領域で発生した原価につ ��� ��� 付けることが可能な設備の減価償却費などが考 � 4-2 いては管理可能性の概念と時間軸の概念に基づ ��������������������� えられる.長期管理可能製品利益は,製品管理. �� ���. と で 算出 さ れ た 短期管理可能製品利益 に よっ て,製品管理者が短期的な企業の業績向上にど. 者が原価の発生に影響を与えることができる原. いてそれぞれ原価を区分して段階的に控除し,. 価を控除した結果として得られる利益概念であ. それぞれの段階で貢献利益を算出することに. り,これを算出することによって製品管理者の. よって,責任会計の観点から製品管理者の業績. 責任を明確に示し,管理者の適切な業績を測定. を明確に測定するために必要な情報を提供する. することができる.. ことが可能となる.. 製品管理者の業績を測定するために,製品管 理者にとって管理可能な原価を収益から控除し 長期管理可能製品利益を算出した.しかし製品. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���.
(15) �������. ��� ���. ������������� �������� ���������� ���������. ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ���. ����������������� ������ 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (625). 33. 表 4 2 多段階活動基準損益計算書(製品ライン領域). ������ ��������� ������� ������� ������������� ����� ������������� ������� ���������� ���������. ⑵ Ali による問題の解決策の製造ライン領域. ����� 1 ���. ����� 2 ���. �� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. 献利益が算出される.製品ライン領域で発生し. への適用. た原価についても,製品領域と同様に管理可能. 前節 で は,製造領域において発生する 原価. 性の観点と時間軸の観点からそれぞれ区分して. を区分して多段階の利益概念を示すことによっ. 示すことが可能であり,これを明確に区分して. て,製品管理者の業績を適切に測定することが. 示すことによって,製品ライン管理者に対する. 可能となった.そこで,次に製品管理者の上位. 業績を測定するために必要な情報を明確に示す. 階層に位置する製品ライン管理者の業績測定に. ことができる.以下では製品ライン維持原価の. ついて考察する.. 区分について考察する.. Ferrara の示すように,企業の組織内におい. 製品ライン領域には,製品ラインを維持する. て,管理者の管理可能な原価にはその管理者の. ために発生した原価が集計される.そしてそれ. 下位階層 に 位置 す る 管理者 の 管理可能 な 原価. らの原価は前述のように管理可能性の観点から. も含まれる.すなわち,製品ライン管理者の責. 管理可能費と管理不能費に区分する.管理可能. 任を測定するためには,製品ライン管理者の. 費として区分された原価はさらに時間軸の観点. 下位階層である製品管理者の管理可能な原価も. から自由裁量固定費と拘束固定費に区分するこ. その業績測定尺度の中に含める必要がある.ま. とができる.なぜなら,製品ライン維持原価は. た製品管理者にとって管理不能な原価のほとん. 比較的長期間にわたって発生する原価が多いこ. どは,製品管理者の上位階層である製品ライン. とから,製品ライン管理者の業績を測定すると. 管理者にとって管理可能な原価と考えることが できる.そこでこれらの点から,製品ライン管. -3-. いう観点から捉えた場合,これを区分して示す ことによって製品ライン管理者の短期的な業績. 理者の業績を測定するためには製品貢献利益か. と長期的な業績をそれぞれ明確に示すことがで. らスタートするべきであると考えることができ. きると考えられるからである.. る.. 製品ライン管理者にとって管理可能な自由裁. 表 4 2 は多段階活動基準損益計算書の製品ラ. 量固定費は,製品ライン管理者が影響を与える. イン領域である.製品ライン領域で発生した原. ことが可能な原価のうち短期的に発生する原価. 価は製品貢献利益から控除され,製品ライン貢. であり,主に製品ラインに関連する改善などの.
(16) 34 (626). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 表 4 3 多段階活動基準損益計算書(全体). ��� ����������� ������ ����������� �������� �������� ������� ������� ������� ������� ���������� ����� ���������� ������� ���������� ������ ��������� ������� ������� ������������� ����� ������������� ������� ���������� ��������� �������� ������ ��������� ���������� ������ �������� ������������� �������� ���������� ������. �� A ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. �� B ����� 1* ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ����� n ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ** 合計** �� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ��� ���. *. �. * 製品ラインはいくつかの製品から構成される.表 ���������������������� ��������� 1 ��� において製品ライン 1 は製品 A と製 4 34-3 品 BAから構成される.すなわち製品 A +製品 B =製品ライン 1 となる. 1 ���� ��� B �������������� A ��� B ������ ** 合計は製品ラインの集まりである.すなわち製品ライン 1 +…製品ライン n =合計となる. ** ������������������������� 1 ������� n ��� *. ���� 研究開発費用などが含まれる.短期的に発生す. 束固定費には,製品ライン全体に関連して発生. る管理可能な原価を製品貢献利益から控除する. している長期的な管理可能費であり,その製品. ことによって短期管理可能製品ライン利益が算. ラインで製造される各製品が共通で利用してい. 出され,それによって製品ライン管理者の短期. る機械の減価償却費などが含まれるであろう.. 的な業績を測定することができるようになる.. これらの原価を短期管理可能製品ライン利益か. また長期的に発生する費用である管理可能な拘. ら控除することによって,長期管理可能製品ラ. -4-.
(17) 責任会計における多段階貢献利益法の適応可能性についての一考察(望月). (627). 35. イン利益が算出されることとなる.これによっ. し な が ら,管理可能性 の 概念 と 跡付可能性 の. て,製品ライン管理者が発生に影響を与えてい. 概念の区別については Shillinglaw が,また時. る原価の責任を明確に示すことができる.. 間軸の概念を考慮することについては Raiborn. 製品ライン管理者の業績は長期管理可能製品. が,それぞれ過去に伝統的直接原価計算をベー. ライン利益によって測定することが可能となる. スとして解決していた問題であった.そこで,. が,セグメントである製品ライン領域の業績を. Shillinglaw や Raiborn に よ る 解決策 を Ali に. 測定するためにはそこからさらに管理不能費と. よる多段階活動基準損益計算書に組み込み,新. 超過キャパシティ原価を控除する必要がある.. たに責任会計の見地から表 4-3 に示すような多. 表 4 2 に示すように,長期管理可能製品ライン. 段階活動基準損益計算書を作成することを試み. 利益から管理不能固定費と超過キャパシティ原. た.. 価を控除することによって,製品ライン貢献利. この損益計算書では,製品管理者の業績を長. 益が算出される.このように製品ライン領域で. 期管理可能製品利益によって,またセグメント. 発生した原価を控除して製品ライン貢献利益を. としての製品の業績を製品貢献利益でそれぞれ. 算出することによって,製品ライン領域全体の. 明確に示すことができる.また製品ライン管理. 業績を測定することが可能となる.. 者の業績については長期管理可能製品ライン利. これまでに示したように,製品管理者と製品. 益によって,そしてセグメントとしての製品ラ. ライン管理者の業績を測定するためには,製品. インの業績は製品ライン貢献利益によってそれ. 領域と製品ライン領域について表 4 1 と表 4 2. ぞれ測定することができる.このようにセグメ. に示すような多段階の利益概念を用いることが. ントの業績と管理者の業績を明確に区分して示. 重要である.これらを含めた多段階活動基準損. すことによって,それぞれの管理者の責任を適. 益計算書の全体を俯瞰すると表 4 3 のようにな. 切に示すことが可能となり,業績評価に有用な. る.表 4 3 において製品 A の金額と製品 B の. 情報を提供することが可能となる.それだけで. 金額を合計すると製品ライン 1 の金額となる.. はなく,管理可能な原価については時間軸の概. このように,製品ラインの金額はその製品ライ. 念を組み入れることで管理者の短期的な責任と. ンで製造されているいくつかの製品の金額を合. 長期的な責任を明確に区分して示すことができ. 計することで構成される.また製品ラインの金. るため,目標整合性の問題が生じにくくなり,. 額を合計することによって表 4 3 の合計欄の金. 管理者の業績向上に向けた努力と企業の長期的. 額が算出される.. 目標が一致することとなる.その結果,企業の 5. 結 論. 業績向上に向けた管理者の貢献という点からも 管理者の業績を適切に測定することができると. 本論文では,Ali によって示された多段階活. 考えられる.. 動基準損益計算書 を も と に,管理者 の 業績 を. 今回は製品管理者と製品ライン管理者に焦点. 測定する観点から新たな多段階活動基準損益計. を当てた業績測定のための損益計算書を示した. 算書を作成した.Ali による多段階活動基準損. が,ブランド維持原価,顧客維持原価,チャン. 益計算書は製品や製品ラインといったモノを中. ネル維持原価についてもそれぞれ区分し多段階. 心とした観点から作成されており,その結果. の利益概念を示すことによって,営業領域の管. 管理者の業績を測定するという観点からは 2 つ. 理者の業績を測定することも可能であると思わ. の問題,すなわち管理可能性の概念と跡付可能. れる.管理者の業績を測定するという観点から,. 性の概念を区別することと時間軸の概念が考. 営業領域の管理者の業績測定についての考察も. 慮されていないという問題が生じていた.しか. 必要な部分であると考えられる.また多段階活.
(18) 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 6 号(2007年 2 月). 36 (628). 動基準損益計算書によって管理者の業績を明確 に示すことは可能となったが,このことが二重 責任の問題などといった責任会計に内在する問 題を解決するまでには至っていない. このように ABC を用いた多段階活動基準損 益計算書で業績を測定することによって,適切 に管理者の業績を測定することに対してある程 度の貢献を果たしていると考えられる.しかし 責任会計には未だ解決できない問題が数多く残 されていることも事実である.それらの問題に ついても改めて考察していくことがこれからの 課題である.. 注 1)吉川武男 , ジョン・イネス , フォークナー・ミッ チェル『リストラ/リエンジニアリングのため の ABC マ ネ ジ メ ン ト』中央経済社 , 1994 年 , 24 26 頁. 2)櫻井通晴『新版 間接費の管理』中央経済社 , 1998 年 , 174 頁. 3)Ali, Hamdi F., A Multicontribution ActivityBased Income Statement, Journal of Cost Management, Fall, 1994, pp. 45 54. 4)門田安弘「「 ABC 貢献利益法」の 提唱─ABC と 貢献利益法 と の 接点」『企業会計』第 49 巻 , 第 9 号 , 1997 年 , 4 12 頁. 5)高橋賢「直接原価計算の長期的問題への有用 性 に 関 す る 一考察」『横浜経営研究』第 23 巻 , 第 1 号 , 2002 年 , 29 40 頁. 6)Ali, op. cit., p. 45. 7)Ibid., p. 45. 8)Ibid., p. 45. 9)Ibid., p. 45. 10)Ibid., p. 45. 11)Cooper, Robin, Cost Classification in UnitBased and Activity-Based Manufacturing Cost Systems, Journal of Cost Management, Fall, 1990, pp. 4 14. Kaplan, Robert S., Contribution Margin Analysis: No Longer Relevant/Strategic Cost Management: The New Paradigm, Journal of Management Accounting Research, Fall, 1990, pp. 2 15. 12)Facility は一般的に「設備」と訳すが,ここ で示された Facility レベルは設備を維持すると. いうよりは能力を維持するという意味合いが強 いと考えられることから,本論文では Facility を「能力」と訳すことにした. 13)Ali, op. cit., p. 48. 14)Shillinglaw, G., Guides to Internal Profit Measurement, Harvard Business Review, March April, 1957, pp. 82 94. 15)Ibid., p. 85. 16)Ibid., p. 85. 17)Ibid., p. 87. 18)Ibid., p. 86. 19)Raiborn, Mitchell H., Systems Planning for Performance Evaluation, Management Accounting, August, 1971, pp. 21 23. 20) 岡 本 清『原 価 計 算 〔六 訂 版〕』 国 元 書 房 , 2000 年 , 553 頁. 21)Raiborn, op. cit., p. 22. 22)Ibid., p. 22. 23)Ferrara, William L., Responsibility Accounting─A Basic Control Concept, NAA Bulletin, Sept., 1964, p. 12.. 参考文献 《洋文》 Ali, Hamdi F., A Multicontribution ActivityBased Income Statement, Journal of Cost Management, Fall, 1994, pp. 45 54. Cooper, Robin, Cost Classification in Unit-Based and Activity-Based Manufacturing Cost Systems, Journal of Cost Management, Fall, 1990, pp. 4 14. Kaplan, Robert S., Contribution Margin Analysis: No Longer Relevant/Strategic Cost Management: The New Paradigm, Journal of Management Accounting Research, Fall, 1990, pp. 2 15. Ferrara, William L., Responsibility Accounting ─A Basic Control Concept, NAA Bulletin, Sept., 1964, p. 12. Raiborn, Mitchell H., Systems Planning for Performance Evaluation, Management Accounting, August, 1971, pp. 21 23. Shillinglaw, G., Guides to Internal Profit Measurement, Harvard Business Review, March April, 1957, pp. 82 94. 《和文》 岡本清『原価計算〔六訂版〕』国元書房,2000 年..
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