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「武道としての剣道」を深めるための授業づくり : 高校剣道授業における「形」導入の試み

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Academic year: 2021

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(1)「武道としての剣道」を深めるための授業づくり. 一高校剣道授業における「形」導入の試み一                  専  攻. 教科・領域教育学.                  コ 」 ス                  学籍番号                  氏  名. 生活・健康・総合内容系. I.研究の目的  平成24年度から中学校では武道必修化が実施 され,これまで以上に体育授業で剣道が行われる 機会が増える。このことにより,高等学校では選 択制ではあるが,その流れを受けた剣道の授業が 必要となってくる。高等学校指導要領に記載され ているように,剣道の授業では礼法や基本的な技 の学習が重要視されている。しかしながら,礼法 や基本的な技の学習だけではr武道としての剣道」 を学習したことにならないと考える。武道を日本 の伝統的な運動文化として授業展開させるとした なら,r相手があって自分がある」といった相手を 尊重し,相手から学ぶ姿勢,すなわち,対人的な 学習法を基盤とした授業展開を基本として,相手 の動きに応じた対応動作や対応技術の楽しさや魅. M10220E 秋山雅彦. 2.単元計画  高等学校の生徒6クラス78名(剣道選択者) を対象に,15時間中,礼法や基本的な技の練習を 4時間程度実施する。2クラス(27名)・B群には’ 基本技,応じ技を継続して指導し,残りの4クラ ス(51名)・A群には日本剣道形を4時間程度実 施してから仕掛け技・返し技を実施する。. 表1.単元計画 1審. 1音. l11肋11榊1〕1面の1欄1㈱み1〕1面鰍1舳1醐1〕1小手、脚 1・1. 素刷打1蝸. 1人1超1面打1〕■違籠技1打1込椰/1組〕. 6 i. 力を学ぶことを重視したい。山神(2010)の唱え るところのr対人性」,r技の攻防」,r礼」である。. 灘枷機一助1脚11刷 11剣111IlI111. 面打1、榊1、肺11鰍榊面、醐〕. 垂. そこで,学習者にとって技の攻防が理解しやすい と考えられる,日本剣道形を導入に用いたい。日 本剣道形は,大太フゴ七本・小太刀三本から構成さ れており,対人性を学ぶ際にも有効であると考え られる。今までにも日本剣道形をとり入れた授業 は行われてきたと思われるが,その効果について 検討されたものは見当たらない。特に,応じ技の 習得を課題として,日本剣道形をとり入れること により,生徒が武道としての剣道をより深く味わ うことができるのかどうかについて検証するのが. 鵬鮒1面1小1噺打1,1手植. 1本1道腕1111111演酷〕. 面打1、小手打1、肋1I鰍榊1面、面11冊. 防具唾枷1着喜一脇1f1右日、1捌. 11椒11面、l1層〕、逼/榊1逼/面〕. ll. 鰍1.1I小1鵬1面11,l111. 蝋醜/1〕、榊1雄1〕、燃111). 〃. 面打1、小手11、肺11鰍小手か1面、醐〕. 舳酬、撒1欄、l1鮒1手、. ll. 蝋酬、榊小綱、1ぱ舳1〕. 111面〕、1榊1面. 嚇醐〕、撒11111〕、l1鮒1、. 1稽古、試合諌1. 菌ば姻1,1稽1. 1鮪、誌1擦音. ,. 1−. P. lllll. 本研究の目的である。. 3、授業に対する生徒の評価の把握 lI.研究方法. 3−1..「剣道観尺度」の作成. 1.日本剣道形の検討  日本剣道形は,次のように工夫したものを用い る。初心者が運動しやすく,相手が打突する機会 を与えるための動作をした後,打たせてダイナミ ックなr抜き技」やrすり上げ技」を繰り出す,.  この尺度は,生徒が剣道をどのように捉えてい るのかをみるためのものである。まず,剣道に対. する一般的な印象を把握した浅見らの研究. これらを導入して一連の動作を学ばせっつ,授業. (1995)を参考に,伝統性や文化性を意識した項 目を新たに加え,31項目から成る質問紙を作成し, 授業実施校の学年生徒全員(271名)を対象とし た調査を行った。得られたデータに因子分析を施 した結果,表2に示すようにr伝統的価値」,r実. を展開する。. 践不安」,r武道観」,r格闘性」の4因子を抽出し,. 大太刀一本目・二本目・五本目である。筆者の経験 上,初心者にはこれら大太刀三本は体得しやすく,. 14項目へと質問項目を精選した。研究授業(15. 一406■.

(2) 時間)の実施前後に,日本剣道形を導入して授業 展開したクラスのA群と筆者がこれまで行ってき た日本剣道形を用いないクラスのB群でどのよう な違いが生じるかを比較する。これらのことによ り,研究のねらいである日本剣道形を活用した授 業の効果を明らかにしていく。. 表3.A群,合計得点の平均値. A群 伝統的価値. 事 前 14.36. <. 15.39. 実践不安. 10.48. <. 10.93. 武道観. 10.07. >. 9.45. 10.75. <. 12.01. 格 闘性. 事後 *. *. *P〈.05 n=49        *P〈.05 n=49. 表2.因子分析の結果 項目文章 書手、.素足での異胡き珍.ζ独特ψ勲.き右を字ぴμ㌧... 表4.B群,合計得点の平均値 因子・. 固係. 一岬.. o.oo. 伝統的価値. O.61. O.44 q1邸.. P仏.鱒臓や騎賦!帆そう轍,..25.剣道のr一本」の判定は、留る人1ことってわかりにくい二一一一 o,与睾.. O.51. 実践不安. P、刀」.. ユ..剣導1杯ポ÷ツ確く、」旦奈余弦の成道動る二一111.剣道では、技術よリ毛気力が重視される。. q,65.. O,4日. 武道蟹. O.63. Pア,.剣道で!圭、.捷術占.狼体力が真裸され弘.」.. 13.99. 実践不安. 10.08. >. 10.00. 武道観 格闘性. 8.92. <. 9.04. 11.43. <. 11,47. .q.黎..... O.51. 事後. r関心・意欲」,r学び方」,r協力」においてrは い」の回答が多い結果となった。このことから, おおむね効果的な授業であったといえる。 IV.考察. ..o、凋.... P量、」.鱒での打ち創搬栂!、鰍秘!lllOl.雛嚇頼体力鰯紙...縦〕.継はケガ紗右いように息う。. 格電性. O.57 O.52. 3−2.形成的授業評価の実施  3時間毎に、実施した授業に対して理解できた かを,高橋ら(1994)の形成的評価法を基に,rは い」,rどちらでもない」,「いいえ」の3件法から. 生徒の評価を捉えた。加えて,印象に残ったもの について生徒の感想を自由に記述させた。.  特にA群のr伝統的価値」に対する,事前より も事後の合計得点の平均値の高さは,日本剣道形 を剣道授業に導入することによって,武道の特性 のより深い学習が可能となることを示唆している。 同じく,事後において,A群の「格闘性」に対す る合計得点の平均値の高さは,日本則適形を学習. するにあたり,木刀を使用しての吋止め」動作 をするなど,筋力が必要とされたためと考えられ,. 4.実験授業 (1)対象:兵庫県姫路市の普通科高等学校第1年 次生(78名,6クラス). A群(日本剣道形を導入した4クラス:51名) B群(日本剣道形を導入しない2クラス:27名). (2)実施目:平成22年9月∼12月 (3)調査内容.  授業は,先に示した単元計画に基づいて筆者が 行った。授業場所は,高等学校内の武道場で行っ た。3時間毎,授業の最後に学習カードを配布し て記入させた。. 「剣道での打ち合いは痛みが強く,危険そうであ る」という項目が当因子に含まれていることから,. 防具を着装しない「寸止め」の動作に対して危機 感を抱いたことが影響したと考えられる。また, 防具をつけずに木刀を用いてのr形」学習は集中 力を要し,真剣味があり,ダイナミックな動作を 行うと同時に,迫力あふれる授業展開となった。 これは,日常には存在しない,武道(武術)とし ての特性を学習者が日本剣道形を通じて体感した 結果であると考えられる。. V1結論. 皿.結果.  以上の結果から,「日本剣道形」を導入した剣道. !.r剣道観」.  A群・B群各々の「伝統的価値」,「実践不安」,. r武道観」,r格闘性」各因子の事前・事後の合計. 得点の平均値は表3(A群),表4(B群)のとお りであり,t検定を行った結果,A群のr伝統的 価値」(p〈.05),「格闘性」(p<.05)に有意. な差がみられ、A群で事後において事前よりも肯 定的に反応したといえる。. <.             n=26 2.3時間毎の形成的授業評価  形成的授業評価の結果,A群B群とも「成果」,. O.45. g2(勘、.鱒嚇丁仕種.日.鱗…. 13.92. .q。與... ソ=鯛好蝶の蹴ら触妙孝だ,..P争,胸有鰍収みたい。01.雛そば、美しい動きカーが紬られる1一’. …...剣勘.1りレ1拠そつで.砺.そ.. B群. 事前. 伝統的価値. 因名. 授業は,伝統的価値観を高めるといった武道の授 業のねらいに応じうる運動であるということが明 らかとなった。すなわち,剣道の特性である文化 的な運動を通じて,より深く剣道を味わうことが できると考えられる。.         主任指導教員:永木耕介.         指導教員:永木耕介. L407一.

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