新指導要領に寄せて
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(2) . 新学習指導要領に寄せて. 豊. 村. onthe New. 洋. 子. Course of St udy. Y6ko TOYOMURA Facu l fHo i ido Un iver i fEduca ion( Sappo tyo t tyo t ) r o l ne Economi csEduca s on ,Hokka. Summary The course of study for the upper secondary schoo l was announced by t he Min i t s ry of. Edca ionattheendofAugus t t , Thecoursesofstudyforthelowersecondaryschoolandthe ,1978. l lthecoursesuptothe uppersecondary el ementary schoolhad been announcedinjuly l977,and a lareready. schoo. i ica l l Th i l t ththose new emswi spaperintendstoexaminecr ytherevised points,andthe prob ion ofthecurr icu1um most 1y coursesofstudy andtorefertothesubjectsconcerningtheorganizat ion. ofhome economicseducat. intso fthe new course o fstudy 1. Po i lmentofa great quantity ofteaching contents. ta l) Cur ion ink muchofl ient ia ltraining,andtoemphasize uniting mentaleducat 2) Toth abour/expe r , lcul ture andbod i l mora y education.. ipofthe 3) Toemphasize maki ngagood useoftheteacher’sinventiveideaunderthel eader sh i ies lauthor t schoo . ioni i thhome economicseducat 1 1. The problems wi nther ev sed course l ftheinstruction are curtai l) Thesocial/economic mattersinthe contents o ed. a. ( t tHous lnt heelementaryschoo l facedandi l ing ti sef sinc udedin( : The Home sectioni ” ththe Family section. Wi. d l b l l l f i th l t t choo :”Fami e”i sl ereferredto. y Li . n e owersecon arys he upper secondary schoo l T b h l i f c. ln t t j n c o c erning economy and f es : u ecs ami e are yl i l ta much cu r ed ,. i l i f ink ing muchaboutthefuture tytothe actuall tth 2) To emphasize onlytheadaptabi e , ,no i l ies are not ishment of fac i ixed number of teachers, the establ t 3) The increase of a f ient ia l tra ining and exper iment/pract ica l exerc ise are abour/exper guaranteed and only l , ized. emphas 125.
(3) . 豊. 村. 洋. 子. i ther iond i f f icu l tudyi t ion t makeseducat nge 4) ThoughShぴwingthewayt。C0educat ,Whats ,i l i for boysand g r s , m. onthe organization 。fthe contentsin home economicseducation ion as fo l l ows : Home Economics l understand whati s essentialin home economics educat l i。n o izat tura fhea l th and cul ich a im atthe real istsi cons n teaching science and techniques wh t nd how science l h d t h i i h h fami l i fe yl ,to compre en correc ythe mec ansm nt e ome managemen,a l d l f df l h i d d b h i h i t d f d t i l di t o y and ec n ques ave een ut se n or er o een an eve p e ean ami . Through ionsi lyl f i bi i l drento betorecognize contradict thosestudies nthefami e ,and ,to try to rng up ch lement iveto ar ive atsett to have a perspect r .. ief l From this pointo fv i iedtorefertoa plan abouthome economicseducation ch y on r ewlt ll the uppersecondary schoo eveL. は じめ に. 978年) 8月末, 文部省は高等学校学習指導要領を発表した. これに先だち, 昨年 (1977 本年 (1 年) 7月に小学校ならびに中学校の学習指導要領が告 示されており, 義務教育と後期中等教育段階 までの学習指導要領が, これですべて出そろったことになる. 本稿は, これらの学習指導要領 (以下「指導要領」と略) について, その特徴や改訂の問題点を主と して家庭科を中心として考察し, 合わせて若干の教育 内容編成の課題について述べる. 小・中学校. の新 「指導要領」 は, 告示されてよりす でに 一年を経過し, 諸者の意見もさま ざま出され, 筆者も }の で そ れ ら と も 若 干 の 重 複 は や む を え な い が でき る だ け避 け て 述 べ た い ま 私 見 を 述 べ て あ る1 , . , .. 978年) 6月下旬, 新 「指導要領」(案) が出され, 現時点の2 カ た, 高等学校についても, 本年 (1 月の間に 「日教組」(日本教職員組合. 以下 「日教組」 と略称) によっ て 「批判検討」 の冊子がす で ) 今次 8月末に告示された高校 「指導要領」 は 「指導要領」(案) からの修正 に発表されている2 , , . 6年1 2月 『小学校, 中学校及 97 は3 8箇処 である. また, 新 「指導要領」 の基準を示した 「答申」(1 び高等学校の教育課程の 基準の改善について』 の答申. 以下 (「答申」 と略称) についての抄見は別 4 ) 本論は これらにひきつ ぐものとして準備し 必要に応じて 「答申」 と新 「指 ) ’ 掲してあるの で3 , , , 導要領」 の関連も考察した.. 工. 新 「指導要領」 の特徴と問題点 改訂された 「指導要領」 において, 小~高校に一貫して見られる特徴は, 文部省の言葉を借りて 言えば,「人間性豊かな児童生徒を育て」 , ,「ゆとりのある,しかも充実した学校生活が送れるように」 「国民として必要な基礎的・基本的な内容を重視」 し, 子供の 「個性や能力に応じた教育」 を行う ため, (以上 「答申」 による.) 小~高校の教育を一貫的にとらえ, 第1に, 教育内容の 「精選」 を行い,. 第2に, 勤労にかかわる体験的学習の充実. また, これに関して, 知・徳・体の三位一体の教育 の指導の強化. 第3に, 教育課程編成上ならびに実施上における弾力的措置. 学習指導に, 学校及び教師の創意. 工夫を生かすこと. 126.
(4) . 新学習指導要領に寄せて. 等があげられる. これらについて, 以下に若干の意見を述べる. 1。 教育内容 「精選」 について 新 「指導要領」 を手にすると, まず, 教育内容が大巾に縮 小されたことに気づく.「大綱的基準を示す」 にとどめて, 学習事項の説明部分がすべての教科から 減じているからである. 量的比較が必ずしも質的差に結びつくとは限らないが, 一定の判断の基準. にはなり得る.. 新旧学習指導要領の内容量比 学 校段階 改 小学校. 中学校. 訂 109. 現 行 212. 家. ページ数. 現-改. 現に対する. 差(減) 減少率(%) 103. 48. 改訂要 点説明. 152. 261. 287. 65. 科. 連. 関. ページ数. 現-改 現に対する 差 G蘭 減少率(%). 改 訂. 現 行. 家 庭. 4. 9. 5. 55. 68. 53. 85. )庭 ) 599 G も も の 138 G. 439. 庭. 教科名称. (〃)4 (〃) )( 1)( 9) 技術・家 30 3 (〃( 1 5 ( (全)1 5 2) ( 123. 高 校. 般. 全. 家 庭. 15 40 7. 選択. 28. 28. 25 21. 28. 25 100 75. 単純な冊子ページ数の比較 であるが, 小~中学校新 「指導要領」 では, 現行の約半分量になり, 高校では現行の約%量に減っ ている. 教科間でのバラつきはさほ どないが, 中学校や高校段階で, 職業科的な科目を抱える教科では多量に減少している. 家庭科 でいえば, 小学校段階ではほぼ平均 をとっ ているが,中学校では現行の約%量になり, 関連の選択教科の記述はすべ て削除されている。. 「技術・家庭」 という選択教科が 「音楽」 , 「保健体育」 と共に新設されたが, これらの教 , 「美術」 必修教科の内容から選ぶことにな 育内容は, すべて, った。 記述が簡単に整理され過ぎて, 中学校. 「技術・家庭」 の 「内容の取り扱い」 などの解説文 (指示事項) は, すべての領域にわたっ て, ど. う解釈すべきかわからない文になっている. 高校の家庭科では現行の老量となり, やはり, 平均よりみれば, かなり減少している。 家庭科や,. とりわけ職業科 では科目の統合整理が相当大量に行われたの で, その反映がみられる.(第1, 2, 3表参照)こうしてみると, 今次 「指導要領」 改訂の重要眼目 である教育内容の 「精選」 は, 「削減」 という語とほとん ど同義に近いよう である,. 「精選」 は, 学校生活に 「ゆとり」 をもたらすため でもあったが, その 「ゆとり」 を生みだすこ. とにもっ ともかかわりのある授業時間数削減の面からみてみよう. 表. は小~中学校の新旧 (現行)「指導要領」 との対比において算出したものであるが, 単純算. 術計算で合計時数及び比率を出し, また小~中学校段階を合計して同様の計算をし,「一貫教育」に ついて客観的に観察したいと考えた. 高校については, 小~中学校の教育課程とは異なった構造を とっ ているの で, 現行と新改訂点の要点の比較を表5, に示した。 改訂作業過程においては, 各教 科毎のセクトやエ ゴも発散して, おのおの守備範囲を明け?度さず, 結果的には全教科に平均的な時. 間削減になった筈であるが, これでみると, 学校段階それぞれでも, また, 小~中学校の合計の比 に お い て も, 教 科 間 では か な り の 開き がみ ら れ る.. 127.
(5) . 豊. 第1 表. 村. 洋. 子. 科. 高校 学 科の 統 合・整 理 (職業関連). 学 科. 現 行. 訂. 改. 科 目. 農 業. 8. 10. 農. 業. 目 の 削 減 (職業関連). 改 訂. 現 行. 削減数. 30. 54. 24. 削減率(%) ( ) 4 4. 工 業. 13. 21. 工 業. 64. 164. 100. ( ) 6 1. 商 業. 5. 7. 商 業. 18. 36. 18. ) ( 5 0. 水 産. 3. 6. 水 産. 22. O. 8. ( ) 2 7. 5. 家 庭. 25. 6. ( 4 ) 2. I. 看 護. 家 庭. 4. 看 護. I. 計. 34. 第2表. 減. 率 節学科 優勢 ). 護. 50. 19 5. 5. O. ) (0. 158. 314. 156. ( ) 5 0. 高校家庭に 関する科目の統合・ 整理 新. 改. 定. 被服, 食′物, f 呆育, 』 皮 家庭難産営 ・ 住居, ネ 、ザ、 皮服*オ 岐服≠ 服 製イ 乍, を ラ料, を 管理, 服飾 デ. イン, 手芸, 調理, 栄養, 食品, 食品? 弱 生, 公衆億 呆育原理・技祁 呆 衛生, f テ , 小児f 健, 児童心理, 児童福祉, 家庭に関する そ の 他の手斗目. 現. 行. 服飾史, 食物管理, 集団糸 合食, 被服1, 疲服1 名 1, 食坊 勿1, 食物ク1 1, 献 立・ 調理, △ O △ △ ず呆育 原理, f 呆育 技祢 1 呆育, 家庭 糸 産営, テ ,ず. 衣 皮服*窄料, ネ 皮服管 理, 服飾 デ、ザメ ン, 被. 服製イ 乍 , 手芸, 栄養, 食品, 食品衛生, 公衆〒 蔚生, 小児f 呆健, 児童心 ・理, 児童福 ネ 止, 家 庭に 関 する その 他 のネ斗目. 注). 第3表. 右肩の印は、 ×……削除されたもの 新改定において. 高校. △……統合されたもの. 0……さらに他の分野が 加えられたもの. 職 業に関する 学科と科目 (改訂されたもの). 農業に関する学科 工業に関する学科 商業に関する学科 水産に関する学科 家庭に関する学科 看護に関する学科. 農業科, 園芸科, 畜産科, 生活科, 食品製造科, 農業土木科, 林業料 ・ (8学科) , 造園料, 機械科, 電気科, 電子科, 情報技術科, 建築科, 設備工業科, 土木料, 化学工業化, 金属工業科, 窯業料, 繊維科, インテリ ア科, デザイン科 (21学科) 商業科, 経理科, 事務科, 情報処理料, 営業科 (7学科) 海洋漁業科, 栽培漁業料, 水産製造料 (5学科) 家政科, 被服科, 食物料, 保育科 (4学科). 衛生看護料. 特徴的なものをあげると, 今次改訂で一層強調されることになっ た「道徳」 ならびに 「特別活動」 の重視がピタリとあてはまる. 新 「指導要領」 では教科の分としての減少は, 小学校後学年で週平 均4時間, 中学校 では3.5~4. 5時間で 「ゆとり」 が生じているが, 全体的には, 「特別活動」 の時 間が特設されたため, 総授業時数 で小学校低学年 では, むしろ34時間増加, 週あたり1時間多くな り, 後学年 では2時間の 「ゆとり」 に, 中学校 では週当り3~4時間となっ ている 時間的捻出が , . 「ゆとり」に直結するわけ でもないであろう が, 削減によって産み出された時数の約半分は 「道徳」 , ならびに 「特別活動」 に費されることになる. 因みに日教組の教育改革 「試案」(1 9 6年5月, 日本教 7. 職員組合 中央教育課程検討委員会報告. 以下 「試案」 と略) に よ る と 詰 め 込 み 解 消 ゆ と り あ る 教育 学 , , ,. 校5日制等とも関連し, 授業時数の20~30%削減を提起している 文部省新「指導要領」では小~中 . 学 校 を 合 わ せ て, 4.5% 減 に な っ て い る . 128.
(6) . 第4表 新教育課程の授業時数の増減比 (小・中学校) 学校段階. 学. 小. 1 年 2 年 3 年. 分. 区. (カッコ内は現行指導要領による授業数との比). 4 ・年. 校. 5 年 6 年. 272. 280. 280. 280. 210. 210. 68. 70. 105. 105. 105. 105. 1532. 語. (十34) (-35) ( 0) ( 0) (-35) (-35). 教 社. 会. 5) ( 0) ( 0) ( 0) (-35) (-35) (-35) (-10. 理. ヰ斗. 授 音. 楽. 別. 68. 70. 105. 105. 105. 105. 68. 70. 70. 70. 70. 70. 68. 70. 70. 70. 70. 70. 70. 70. 5) (-35) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0) (-3 ) ( 0) (-3 4) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0. 小=図画工作. 業 中=美術 (-34) ( 0 ) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0). (-71) 558. *2. 総授業時数 *1 *2 .. 105. 782. 840. 910. 910. 910. 910. 34. 35. 35. 35. 35. 35. 34. 35. 35. 70. 70. 70. 850. 910. 980. 1015. 1015. 1015. ) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0) ( 0 0) 5) (十35) (十70) (十70) (十7 (十34) (十3 0) ) ( 0) (-70) (-7 5 ) (十3 (十34) (十35. 385. (-35). 558. 140 105 105 (-11‐1) - ) ( 0) ( 3 5) (-35. (-70 ). (-7 0) 418. . ) (-34 418. (-34). (- 7‐5) ( (- 7‐5) (. 140 629. 70. 70. 35. ) ( 0) ( 0) 0. 35 70 70 ) ) ( 0 ) ( 0 0 70. 70. 105. 105. 105. 105. 105. 105. 140. 945. 945. 945. 35. 35. 35. ( 0 ) (-35) (-35) ( 0). ( 0 ) (-20 ) (-2 0) (-20) ) (-35) (-35) ( 0. 教科の授業時効計 ( 0 ) 40 -1 4 0) (-1 ) ( 0) ( 0) (-70) (. 特別 活 動. 140. 455. 140 140 105 (- 3.6) (-3) ( 0 ) ) ( 0 5. ( 0). 徳. 140. 5262. ( ‐ 350 ) 209. ( 0). (- 6 ‐7) (-1 -1 ) (‐160) ( 25) 60 (. 0 ) (. 0) ( 0) ( 0). 70 70 70 (十31 4 314 ( 0) (十2 0) ) (十20) (十2 時間) (十314) 1050 1050 1050 5785 (- 0‐6) ( ) (‐1 ‐1 40 05) -1 40) ( (-36). 05時間、 3学年において、 音楽、 中学校における 「選択教科」 の授業数については、 1~3年各学年において、1 美術、 保健体育、 技術・家庭のなかから35時間選択することを 標準とする。 現行指導要領には、 小学校段階の 「特別活動」 についての授業時数の 指定はないが、 高学年には、 週あたり2時 こと記されている。 間程度をあてるよう配慮するようも 新旧学習指導要領より作成. 科 計 率 (%). - 3. 3) (-70) ( 1. loll. (-3 ) 6. 105 105 105 105 105 102 小=体育 数 中=保健体育 ( 0) ( 0) ( 0 ) ( 0) ( 0) ) ( 0. 道. 140. 各 教 時 間. (-70). ( 0). *I. 140. 小 ・ 中 の 計. (時間). (-1 5 8) ( 0 ‐ ) ( 0) (-70). ( 0) ( 0). 選択数科. 175. (- 4‐4) ( 0) (-35) (-3 5). //// ////////. 小=家庭 時中=技術・家庭. 校. 学. 各 教 科 計 1 年 2 年 3 年 時 間 率 (%). 各国. 175 175 175 175 175 136 小=算数 科 中=数学 (十34) (十35) ( 0) (-3 ) 5) (-35) (-35. 中. (時 間). 385. 350. 175. ( 0). 315. (-6 0) 350. (-7 0). (-71 ). (- 4‐8). (-16‐7). 908 (-140. (-13‐4). ( 0 ). (-22‐2) (-16‐0) (-16‐7). 105. ) ( 0) ( 0 210. 3150. (- 385). (-15‐7). (- 8‐3). 2835 (-13‐6) ( …445). (十60). 943. (- 6‐6). ( -1 7 5 ). 175. 245. 1987. ) -1 ( 41. 増減率(%). (-15‐4). ) ( 0) ( 0 (-70). 時 間. 1396. 593. (-34 ) 593. (-3 4) 385. (-7 ) 0 942. 0 6 ). 350. (-70). (- 5‐4). (- 5‐ 4) (-15‐4). (- 6 ‐0) (-16‐7). 8097 (- 8‐9) (-795) 314. ( 0). ( 0 ). (十400). 524 (十2 3) 4 9‐ (十374). (-10‐9). 8935 (- 4‐5) (-421).
(7) . 豊. 村. 洋. 子. 第5表 高校学習指導要領 主要 点の比較 項. 新 改 定 学 習 指 導 要 項. 目. 8 0単位以上. 卒業に必要な単位数. 行. 85単位以上. 墓. 7 科 目, 32単 位. 11~12学 科, 42単 位. 専学. 7学科,2 7単位. 1転 ぼ 掌 巡 鮒 1 学科, 駈単位). ネ 斗. 共通履修単位. 現. 門科. 必修科目の取り扱い. (但し女子は8科目). (但し女子は1 2~1 3科目). (但し女子は8学科, 31単位) 学校裁量で, 生従の実態に応じて 単 位数 の 増 減 が でき る. 単位数の下限を固定. 年 間授 業週 数. 35週 を 標 準. 35週 を下 ら な い. 週当たり授業時数. 32単位時間を標準. 34単位時間を標準. 専 門科 目数. 158科 目. 314科 目. 30単位. 35単位. 専門科目の標準単位数. 設置者の自由裁量で決める. 科目ごとに具体的に明記. 習熟度別学級編成. 弾力的な編成. 触れず. 必修科目と専門科目との相互代替措置. 条件緩和, 許容範囲拡大. 条件つきで可. 専門学科における専門科目の最低 必修総単位数. 規定なし. 重視 を 明 記. 勤 労 体 験 学習. 職業系専門科目の実験・実習. 職業科目の履修の一部に替えられる 認めず 総授業時数の4 0%以上 総授業時数の5 0%以上. 新設学科の例示. 演劇, 写真, 書道, ホテル・観光. 定通制生従の職場での仕事. 習 熟 度別 学 級編 成. 工 夫す る こ と とする. 単位修得の認定. 学期末ごとでも可. 、. なし 規定なし. 学年末だけ. 「精選」 についての第2は, 選択教科時数の減少で, 前項で述べたことと一致する. しかも, 残 存した時間の中身を 「指示」 によっ てみれば, 外国語に各学年の時間数のほとんどを費し, 中学3 学年にな っ て週1時間当りを他教科 (音楽, 美術 , 保健体育, 技術・家庭) のなかから選ばれるという, 、 .. ほとん ど選択の余地のないものである. 中学校 で外国語がいまだに 「選択」 教科にしか位置してい. な い と い う の も, こ の グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン と い わ れ る 時 代 に 不 思 議 に 思われるが, いずれにしろ. 指定の外国語を除け ば, 選択教科は, ますますその存在が稀薄になっ た. 第3は, 小~中学校の計において, 授業時数減少の大きな方から教科をみると, 家庭科関連と社 会科で1 5~1 6%, ついで理科から13%の削減率になっ ている. こうしたことが必ずしも 「教課審」. (文部省 教育課程審議会.1973年1 1月, 文部大臣ょり諮問される.. 以下 「教課審」 と略称) の 審 議 過 程 に 密. 接するとはいえないにしても, 初等教育段階における社会科や理科の合科問題が, 全国小学校校長 会でとりあげられており, また, 家庭科の存廃について, 同会において発言が相次いでいることが 想起される.. 戦後の新教育制度のもとに, 新しく家庭科や社会科は発足したが, また共に, 絶えず変動を続け る社会や時代の意識が教育内容に最も反映されやすい教科 でもある. 教科書裁判などにもみられる ように , , 教育の原点まで問いかけられた社会科や, 民主的教育研究会等において, 人間の生き抜く 力の育成を中核として再編されようとしている家庭科関連の大巾減少は, その内にある者としては. 示唆的である. 現状では, 時間削減それ自体は避けられないが, 教育内容と関連づけて考察すれば, 単に一教科の問題に緩 小化 できない であろう. 教育内容にかかわっ ては, 後述の章で扱うので, こ. こ では 「精選」 の内実として, 今次教育課程改訂の性格を素描することにと どめた. 130.
(8) . 新学習指導要領に寄せて. 2。 勤労にかかわる体験学習の重視と知 o 徳 ◎ 体の結合 今次改訂の基本方針には, 新たに 「勤労にかかわる体験的な学習」について規定され,「働くことや創造することの喜びを体得させる. と と も に 望 ま し い 勤 労 観や 職 業 観 の 育 成 に 資 す る」((高校, 総則, 第1款, 4. 同趣旨の 「勤労の尊さを知 「勤労・生産的行事」(高 り」 3 , 「生き方の追求」(小学校, 道徳 第2 「内容」 2 . 中学校, 同 第2 6. ) 中学校 第2 B (6) ) こ と が 目 ざさ 校, 特別活動 第2, D (6) ) 第2 ( 6 同 小学校 同 , , . .. れている. 労働体験もなく, 身体的な労働を軽視する風潮が, 見せかけの身長は伸びても 「体力」 がない子供, 精神的に病んでいる子供を増大させ, 教育の荒廃の一因ともなっ ている. 近年,「労働」. の見直し, 自然への回帰を求める声がひろがっている. 労働は, 知的な, 発達と身体の発達を結び つけ, 人間の全面的な発達への一役を荷うものとされているからである. 行政も, こうした要求を 汲みあげる必要が生じ, 小~高校の一貫した勤労・体験学習を重視する方向を調 いあげたものと思 われる. しかし, 今次の 「指導要領」 も 「答申」 も, 「勤労」 を全面発達の教育として位置づけるこ 1 9 5年1 7 0月) を出したあたり では, とを放棄してきている. もっ とも 「教課審」 が 「中間まとめ」( 勤労・生産的行事が学校教育内でほとん どおこなわれていない状況をつき,「教科として特設」の方. 1 9 6年1 2月)が出された後の教育座談会においては, 掃除や 向も提言されている. しかし,「答申」( 7 じ 奉仕活動を例にして,「汗を流して体と′ ・と知識というものが結び付くようなものが一つの勤労とい ) ) 「質的に変え6 う感覚でとらえられる5 ものではないかと 」 られている. 勤労・体験学習をどうお 」 こなうかは理解が第一であり,「各都道府県レベルとか, 各学校単位レベ ルのそれこそ創意工夫の問. 題にな」 り, 「自由時間の問題が非常に関心の的になっ て」 いる. 「学校がどれだけ弾力的にその精 神を生かしてくれるか, それから行政レベ ルではそれをよく理解してくれるかという問題が一番問 ) 題7 」 ではないかとして, 学校や地方行政に理解を托している。 「勤労」 教育についてのはっきりし たフィ ロソフィ がないため情感的な勤労学習に流される可能性は充分ある. 完全な人格形成をめ ざ すために, 知・徳・体の一致がはかられるが, その基底にあるこの教育が, 総合的な発達に ではな. く, 徳目の教育との結びつきに傾斜することも予 想される. 小~中学校では道徳に, 高校 では教育 課程以外の特別活動のホーム・ルームやクラ ブ活動など, また臨時的な 「学校行事」 に 組み入れら れている意味を充分考えておく 必要があろう.. ところ で 「答申」 によれば, 各教科の改善の基本方針において, 家庭科について 「小学校, 中学 校及び高等学校を通じて実践的・体験的な学習を行う教科としての性 格が一層 明確になるように留. 意し」と性格づけている. 文章表現は,「実践的」 と 「勤労的」 の違いだけで, 「勤労・体験学習」 と 極めて似通っているが, 「実践」 と学校生活の活動として強調される 「勤労」 とは若干異っ た意味づ. けで使用されているよう である. 家庭科の場合には, さらに実用的な卑近な生活についての性格も もたされているとみなされる. とはいえ, 家庭科は, 勤労・体験学習を行うに最も密接な教科とし ても位置づけられているともいわれる. それほど, 今次の 「勤労・体験学習」 は, 概念規定をあい まいなまま, 各地方行政や学校の裁量に委ねているよう である.. 授業時間が削減され, 必修単位が減少して自由に 3. 学校の創意工夫を生かすということ なった時間をどうするかは, 各学校の創意にまかせられ, また地域や生徒の実態に合わせて学校が 教育課程を考えることなども加っ ているが, 指導要領の法的拘束力は解かれていない. 大綱的基準 を国が作成し, 責任は地方教育委員会段階の研究とその指導助言がこれまでより大きなウエイトを 占め, 特に公立高校への指導の強化がねらわれている。. 131.
(9) . 豊. 口. 村. 洋. 子. 家庭科教育課程改訂の問題点. 全般的に記述の量が大幅に減少したことは前述したが, 教育内容の 「精選」 については, 評価す べき点もある. 特に, 高校段階における 「答申」 が出されるま での, 「教課審」 の委嘱によっ てなさ 1 れた理科教育及び産業教育審議会の産業教育分科会( 9 7 0年5月 以下「理産審」と略)による報告は,. 時代の動向を察知し, 要請も吸収され, 困難な 「一般家庭」 と職業教育にも接近し, 家庭科の実践 に重要と 思われる視点はおしなべて取り入れられている. 今次改訂には,「理産審」 報告の影響が大 きいと思われるの で若干これにふれておきたい.「理産審」 報告は, 総合的な学習や社会生活とのか. かわりを強調しつつ, その内容 では, 個々の物の管理が中心として踏襲され, 社会生活とのかかわ りは, 具体的には薄められている. より近代的でスマートな処理・実技の展開となっ ても, 学習す. る知識や技術が, 真に健康な子供や, 家族個々人が生活の現状を把握し, 生活をきりひらく活きた 力に繋がるような配慮はいささか乏しいと思われる.. しかし, それにもかかわらず 「理産審」 報告は高校家庭科再編の新しい方向を示すものとして注. 目 し て よ い だ ろ う.. 今次の 「新導要領」 改訂が決まっ てよりここ数年の間, 家庭科関係者は, 小学校から大学にいた るま で, 新しい時代に対応する教育内容作りに, エネ ルギーを燃やしてきた. この間, 民間研究団. 体である日教組などから, 家庭科について注目に価する (案) が提起されたりした. 一方文部省の 後援を得て, 教育系大学の教官の3年にわたる討議が続行され, 家庭科の現状を認識した上で, そ ) の展望と教育内容構想について, 一定の合意はえた筈 である. それは 「冷徹な専門リアリ ズム8 」の 上にたっ て, あらゆる見解をその土俵に引っ ぱり込ん での討議であっ たと思う. 然し, 新 「指導要 領」 では, あのような 「合意」 の影も落していないかのよう である。 ともあれ, 家庭科の本質にかかわる面から新 「指導要領」 の問題点をとりあげたい.. 第1は, 総じて, 教育内容から社会・経済にかかわる課題が減少している. 第2, そのため, 依然として目前の生活適応的な学習になり, 未来社会 (生活) への発展性がみ. ら れ な い・. 第3, 教員の定員増や施設・設備の保障もなしに, 実践・体験学習や実験・実習を強化している. 第4に, 中学校以上の段階における 「男女共修」 については, 一応, その方向を示してはいるが,. 実際的に共修履修を困難にしている. 上記に ついて若干の補足をしよう.. 1, について 例えば, 小学校家庭科では, 4領域 (被服, 食物, すまい, 家庭) から 「食物」 , 「被服」 「 「 「 現行の 住 住居と家族 の3領域に整理されたが 学習内容の記述は 家庭 」 領域と 」 , , , 居」領域をそれぞれ若干削っ て合体したことと同然である.「答申」 では,「3領域に整理総合する」. ことが指示されていたの で, かかる不自然な配置をあえてとら ざるをえなかったのかとも推察でき. るが 「家庭」 領域の削除は, この後も問題として尾をひきそう である. また, 「領域」 の設定を 「被 服」 とか 「食物」 とかの, ものの集合体の名称になっているけれども, 現今の家庭科研究の動向か らしても, 反省してみる必要があろう. 先の 「教官集会」 等では, 学習領域に, 例えば 「衣生活」. とか 「食生活」 とかの 「生活」 を付して動的で, しかも, 「家族」 や 「家庭生活」 がリアルに感得出 来る方向にほぼ一致している.. 中学校 では, 技術・家庭科においては, もともと 「製作」 中心で,「生活」 を学ぶ場面が少ないが,. 今次改訂 でも 「保育」領域 で, 幼 児とのかかわりを持たせている程度で, 他の分野でも, 語句上で, 132.
(10) . 新学習指導要領に寄せて. 領域の後段に家庭生活とのかかわりをのべていることは現行とほとん ど変らない. 中学校 では, と. りわけ実践的 o 体験的学習の説明の内容は, 「物をつくる」 ことが目的となっている.. 高等学校の家庭科は, 第1章の表にも示したごとく, 現行のほぼ%量に削減され, 記述は 「科目」 にたいする目標と数個の項目がならべられているにすぎないが, そのなかでも特徴点をあげれば,. 現行 「家庭一般」 で, おしなべて項目に付加されていた 「000の経営」 という, 「経営」 の語句が. 消えている. それに代って, 「000の設計・□□□」 という表現が多くなっている. さらに, 現行 の中・小項目にあ げられていた内容が, 大項目に浮上して列挙されているものがある。 例えば,「調 理」 , 「被服製作」 や 「母性の健康」(「乳幼児の保育」 の項) が, それであり, また 「ホーム プロジェ クトや家庭クラブの意義と方法」 という小項目が,「ホームプロジェ クト・家庭クラブ」 という形で. 大項目に並んだ. 専門科目にしても例えば,「家庭経営」の学習内容の一部にあった住居関係 に れもチグハグなとり合. わせであったが)が,「家庭経営・住居」となっ て大項目となる. あたかも, これは, 小学校段階の「家 庭」 , 「すまい」 から 「住居と 家族」 への整理に似せたかのよう である。. 今次改訂の内容設定で, 「△△△・□□□」 と 「o」 でくくられた前後の語桑関係は, その意味を なしていない. また, 「答申」 では 「家庭一般」 について, 「家庭生活を経営する立場から」「例えば 『衣生活』 , 『住生活』 , 『保育』 及び 『家族と 家庭経営』 の5項目程度に整理統合する。」 , 『食生活』. と示唆していることからもかなりはずれてみえる. しかし,「答申」 に先だって発表さ れている 「理 (仮称) 基礎家庭」 の領域のたて方と 「答申」 はほとんど一致しており, 新 産審」 の報告を見れば 「 「指導要領」 の 「家庭一般」 の 「内容」 も, 「理産審」 の 「 (仮称) 基礎家庭」 の 「②内容」 のうち の領域→項目→内容」 の, いわば, 現行では, 中項目か小項目に当る内容が, アレンジされて改訂 の大項目に連なっているの である. つまり,「答申」 は,「理産審」 報告を前提とし, 新 「指導要領」. も「理産審」報告に依拠してはいるが, 援用に無理があるため結果的に不自然な記述になっ ている.. 前述の例にたち戻れば, 「理産審」 報告では, 被服-衣生活-衣生活の設計, 被服構成. 食物一食生 活- 食生 活 の 設 計, 調 理 (以上 領域→項目→内容の順で記した) と な っ て お り, 「・」 で, 指 導 内 容 をく. くっているわけ ではない。 また, 家族-家族と家庭生活-家庭生活の機能, 家族関係, 生活設計, 家庭と職業, ホーム プロジェ クトと学校家庭クラブの活動となっ ており, 指導方法としてあるべき ものが, そのまま報告の指導項目に挙げられてはいない.「整理」 に重点をおく があまりに, 誤用さ れたものと思う。 目標や内容にわたっ ては,「家庭一般」 でも専門科目においても, 概して家庭生活と社会とのかか. わりや,家庭生活の経済的側面 が省かれていることはすでに 述べた.地域や社会とのかかわりや経済 関係をぬきにした固定的家庭生活は未来への展望をもちえない, 運用においては, これらの側面も. 復活するかもしれぬが, むしろ, 基礎的事項として挙げておくことこそが 「精選」 の実をなすもの と考える.. 第2については, 上記ともかかわるし, 家庭科教育の内容が, しばしば, 即効的な実用主義であっ たり, 製作中心であったり, 科学の基本や社会的・経済的かかわりの稀薄な, 卑近な実践的, 体験 的学習は, むしろ家庭科の発展を押しとどめる役割を荷うことにもなりかねないことになる。 5/10以上を充てる」こととされている 第3は, 特に高校において顕著である. 実験・実習には,「. が, 実験・実習を充実させるための焦眉の課題をぬいて, 授業時間が量的に強調されている。実験 o 実習が, 科学と知識を結びつけて検証し, 技術を習得し, それを土台にさらに発展をめ ざす力とし て定着させることを願うなら, 教員定数の是正, 生徒定員の適正化, 施設・設備の充実の保障が先 決 であ る, (「理産審」 報告では, このことにふれている) そ れ らを な お ざり に して, ま ず 「基 準」 を決 め,. 133.
(11) . 豊. 村. 洋. 子. 実施は設置者や学校の指導の強化や創意 工夫で 「適切に」 では, 子どもの全面的発達にかかわる陶 冶の教育としては, 専門的な争点も こもなりえない. 真の 思索には結びつかないが, 一見, 精神主義 的 な も の と か か わら せ て い る の も 一 つ の 解 消 法に な っ て い る の であ ろ う か.. ・ これま でのように 「女子向き」 新 「指導要領」 の中学校については, , 「男子向 地域や学校の実態 生徒の必要 一括して示し き」 の学習内容を分けずに, 条件を付しながらも, , , , 男女の相互理解のもとに,「相互乗り入れ」 の可能性も示されていて, 現行よりは前進したかに見え 第4について. る. しかし, 履習の仕方は, 男女それぞれの必修単位は決められ, あとは全体のなかでの選択が弾 力的に示されている.「共修」 を規定しないだけに, 現行のまま, あるいは, 女子にたいしては, 現 行より, さらに生産的技術を欠いた, そして 「共学」 をもなしえない運用もあるかと 一面 では 危ぶ ま れる.. 高校においては, 「答申」 が出されるま で, 共修問題 で; 文字通り ,熱戦が交わされたが, 現行通り 女子4単位必修に落ちついた. そのため, 専門学科では現行と同じように女子の履習が4単位 多く なっ ている. (表5参照) 普通科 では, 男女共通履修32単位であるから1科目女子4単位分に相当. して, 体育が男子に 必修を4単位増加してあるのも現行通り である. 一方 では, 今次改訂では, 第 」 に 「男子が選択して履修させる場合……」 云々 がある. 2章 「家庭」 , 「第3款」「3, (2) 選択にしろ想定したのは 男子の家庭科履習を, , 女子単独必修よりは 一歩前進であり, おそら. く文部省の家庭科担当官が, 他部会の乳機を受けながらも, 精いっ ぱいの努力の結果, 行に書きつ らねることができたの であろう. 現実的に単位履習に当っ てみると, 必修学習 では, 前項でのべた ように, 「家庭 一般」 と, 男子体育との抱き合せを示しており, 「指導要領」 作成の努力も, 真剣に. 共修の家庭科を考慮する学校や設置者でもないかぎりは, 実り難いものとなっ ている. もう一つは, ウエイ トの置き方であるが, 家庭科が女子必修 であるということは,「総則」という, いわば教育編成の大指針をなすところ で, くり返してのべられているが, 一方で男子が家庭科を選 択 す る 場 合に つ い て は, 教 科 の コ メ ン 、ト の な か に, や っ と 探 し て 見 つ け る こ と が でき る よう な 場 所. で述べられている. この位置づけを対比すると, むしろ 「女子のみの教科」 として の性格を定着化 しようとしているかとも疑われるほ どである. ともあれ, 家庭科の教科論や教育の再編が研究され る中で, 「共修問題」 も, その論議の中核をなしてきている. 生活を主体的に生き, また, 学び方,. 生き方にかかわる問題 だからである. これこそ 「冷徹な専門リアリズム」 の上での議論を続けねば なら な い こ と であ ろ う.. 1 1 家庭科の教育内容編成について 1 指導要領は, おしなべてその時代の社会の変化に適合して作りかえられてきている. ところが, 前述に見るごとく, 多くは国民的な要求は優先してはとり込まれず,知識, 科学・技術が個々の「物」. の消化・管理として, 扱われてきている. 操作そのものでは詳細に扱われたりするが, そこには, 「生きた人間」 の姿がない. しかし, 私達が知識を磨き, 技術を大切にするのも, 個々人が変化す る生活に適応しうる力をつけることのみ ではなく, 生活に関する科学的認識と生活活動を充分おこ. なう手だてとしての技術を学び, 習得し, それを通して生活に展望をもち, 生活を発展させ, 建設 しうる力を養うため である. また, 一方で, たとえ国民の願望に届かぬ指導が出されたとしても, 子供の生きざまにかかわり, 学力を培う大半の実務は教師が負うている. それに, 教育実践の結果が国民的な要求ともなれば, 改革へのひきがねになることもまたたしかである. それ故に,「指導要領」 を正確に評価し活用しつ 134.
(12) . 新学習指導要領に寄せて. つ,教師は広汎な国民的課題ともなり,親たちや子供の要求にも応えうるような さらに 教師の相 , , 互が確信をもっ て実践に臨むことができるような試案 作りを,衆知を寄せておこなわれねばならず , そのような時がきている. 家庭科では, もちろん, す でに前章で試みた批判の諸点も こついて, 解決の一助になるような構想 がなされねばならない.. これまでの多くの現場実践に学びつつ, おおよそ, 家庭科教育 でおさえておくべき視点を次のよ うに考える, 健康で文化的な生活の実現をめ ざすために, ・. ・ ・ ・ ・. 家庭生活の営みや家庭生活の仕組みの事実を正しくとらえる。 科学の基本を知り, 基礎の技術を習得する. また, 科学や技術が家庭生活や生命を守り発展 さ せ る た め に どのよ う に 生 か さ れて い る か を学 びと る .. これらを通じて, 現実の家庭生活の諸事 象を把握し, 矛盾を認識する. 生活を創造的にきりひらくために, どのように解決するかの道すじを展望する 。 実 践 力 を つ け る. (以上, 日教組, 「試案」 等を参照した,). .しての家庭科の 「学習内容」 について大 このような観点‘ こたっ て本稿 では高校段階の基礎教養と 9 ) まかな試案を表9 にかかげた. また, 教育と子供の発達とにかかわらせた道す じを, 第6表のよう に お さ え る.. 教授過程では地域や社会とのかかわり がとりこまれてこそ,「生活活動」がダイナミッ クにとらえ. ら れる.. また, 当然, このような教育は男女の共修を基本として考える. 共修への関心は近年漸次に拡大 しつつある. 表7は, 道内高校向けアンケートの一部 である. 教師は総じて 一一 家庭科 専任も専任. 外でも, 圧倒的に共修志向がみられる. また 「家庭一般」 を学んだ経験のある女子は, 専任教師と の差がないほどに, 共修への意向を示す. 男子高校生 でも5 0%を超えている. ところで, 基礎教養として 「家庭一般」 を男女共修 で行うとして, 何を教え, また学びたいかを 問うたものを表8にかかげた. 家庭科教師, 父母, 女子学生 男子学生の別にそれ ぞれ第5位ま での , 項目をあげると次のよう である. 家庭科外教師:①消費者教育 父. 母. :①家庭経済. ③家庭経済. ②栄養・食品の知識. 高校生. 女子:①家庭経済. 高校生. 男子:①性教育. 総. 順位:①家庭経済. 合. ②家族関係. ②保育の知識 ②性教育. ③家族関係. ③家庭管理. ②献立・調理・マナー. ④公害問題. ④家庭管理. ④住宅政策. ③家庭経済. ③保育の知識. ⑤家族制度・女性史. ④消費者教育. ④消費者教育. ⑤保育の知識. ⑤住宅 ⑤保育の知識. ⑤家族関係. それぞれの側からの教育要求に少 しずつ バラつきがみられるが, 多分に, それぞれの集合体の平 均を示し, 全体から見れば, 特徴点となってあらわれている. 各 「家庭生活」 における個々人の位. 置づけや, 家庭科に対する意向も読みとることができる。 ここでの総合順位は, また社会的な平均 的要求とも合致しているよう である. 家庭科の教育内容編成には, 技術主義, 製作主義では父母の 、 要求に応えられないことがわかる.家庭科の教師や研究者たちが帰結をほ ぼ同じくしているように, 社会経済的な接近は特に不可欠である. 先に示した試案も, このような要求や課題にたえうるもの をめ ざしているが, 広く研究者たちとも審議を分ち, 実践者との交流においてこれを点検し, 細部 に い た る ま での 教 授 過 程 を 埋 め て い き た い と 考 え て い る .. 135.
(13) . . 豊. 村. 洋. 子. 表. 第6表 家庭科の学習活動と子供の発達の関連図 押 (社. 家庭生活を創造的に. 会). き り ひ らく 力. 家 庭 生 活. T↓TIT. 他教科. 生 活 活 動. 科学的認識 生活権の自覚 展望. ←÷. 「. 学 習 活動 :. の 学 習 との. 家庭. 家!…. ‘ -………-… ………-…… 庭科の 目 生 活 課標 ; “’ ’ : 1 題の に 照 抽ら 1 1 1 1 1 : . し 1 家族‐食.衣・. キ ↓↓↓. 獣た. →. ・科学の基本を押える. 宇. 関連. 的技能の習得. 家庭科の教育内容 家庭生活経営. ;’ . 1 モ 1‘ 住生活の生活 課題. 食 衣 住 生1生1生1. 1 1 1 1 1 …. こ. 芸 的 認. ↑ 課題の整理:子供の 発達に適合した質, 量, 系統性, 一貰性 ←÷家庭科の生活課題と教科内容との関連 ÷→ - ←÷ 家庭科の学習活動と子供の発達の関連 976年 資料:北海道教育 大学, 家庭科の教育内容精選試案, 1. 第7表 家庭科教育に対する考え方 (父. (家庭科 以外の教師). (家庭科 教師). 母). . ( ロ) 5 .4. ( ) 口. ( イ ). ,琵. ,. . 82 .3. イ ( ). ・. (高校 生. 女子). .. ,. 6 ‐1. 80 .7. 4 ‐8. 18 2. 74 ,2. 2 .3. i ) ( 口 ”. ‘ 26 5 &X. ( イ) ・. (高校生.男子) 4 ‐4. ィ ( ). . . ⑳. ー÷ ÷ 「. . ” ) 自立した人間として生活していくためには男女をとわず一般教養として, 家庭科が必要である。 に) 社会生活の中で男は職業女は家事という分担を前提とし, 今までどうり家庭科教育は女子だけ に必要である。 ◎ そ の 他 9 資料:北海道高教組情報号外 N 7 6 より o .5. 1 8名 36 アンケート集約総数 1 136.
(14) . 新学習指導要領に寄せて 第8表. 高校 で家庭一般を男女共修 で教えたいこと (教えてほしいこと) 家庭科外教師(%) 父. 家庭管理 家庭経済 家族関係 保育に関する知識 栄養・食品についての知識 , 献立・調理実習・テー ブルマナー. 繊維、 デザイン、 色彩について ぬいもの手芸 住居. 36.4◎. 45.1◎. 49,2◎. 22.O. 68,2◎ 56,I 56,I. 37.1◎ 32,6◎. 60.7◎ 31,9 57.0◎. 32.4◎ 25.9 31.6◎. 37.9◎. 35,5. 34.8. 30.3. 38.7. 21.2. 6,1 6.I. 11.4 12.4. 集団保育 住宅政策 食糧 エネルギー問題 公害問題. 消費者教育. 57.6 34.8. 32.6. 38.2. 57.5◎. 9.1. 15.2. 56,I. 22.7. 43,9 47.O 65.2◎. 25.8. 15,9. 5.7 27.7 17.4. 19.7. 15.9. 24.4. 28.8 28.8. 25.7. 27.2. 36.I. 32,1◎. 18.2 2.3. 13.O. 15.3 1.8. 63.6◎. その他. 19.4 10.4 30.1. 41.6◎ 18.3. 78.8◎. 家族制度・女性史. 29.O 45,1◎. 22.7 17,4. 56.I. 性教育. 高校生・女子(%) 高校生・男子(%). 65,2◎. 7.6 60.6. 母性保護. 母(%). 48.5. 資料:北海道高教組情報号外 N 76 より o .5 19 アンケート集約総数 136 8名. 10.1. 44.8◎. 1.4. 高校 「家庭一般」 教育内容試案. 第9表. 目標 ( 1 ) 民主的で健康な家庭生活を営むために、 生活に根ざした問題意識をもち その解決をめざして実銭しょ 、 うとする人間を育成する。 ( 2 ) 家庭と社会の関連を理解させ、 家庭生活・生活活動についての諸科学の基本を踏まえ 必要な基礎的知 、 識・技能を習得させる。 ( 3 ) これからの家庭生活を展望し、 家庭生活・生活活動を改善 応用 工夫して生活を創造的にきりひらく 、 、 変革の能力を作る。 目. 標. 家庭と社会の関わり を知り、 民主的で創造 的な家庭生活を営む力 を養う. 指. 導. 項. 目. 家庭生活の現状と 問題点 家庭生活の歴史. 教. 家族問題の現状. 育. 内. 容. 問題発生の要因とその分析. 資本主義以前の社会と生活 ・結婚の形態 , ・変化 ・資本主義社会 における結婚と家庭生活の特徴(近代-現代) ・生活の変遷と女性 の地位. ・家族構成 ・家族の成立 ・近代家族の機能 と家族 核家族 ・家庭生活設計. 母権と父権 ・家制度. 家庭生活と職業. ・婦人労働の現状 ・家事労働の現状 ・職業と婦人の問題 ・婦人労働 働の歴史 ・家事労働の社会化 りの社会化 -労働の権利の保障. 家族と法律. ・家族の法律(婚姻、親子関係、相続、扶養等)・憲法 ・人権の進歩と確立 ・社会保障の原則・社会保障の現状と問題点 ・諸外国との比較. 家庭生活と社会の. 責任 家庭経済. 家庭経済の現状. 生計費 ・生活水準と最低賃金制 ・社会的消費. 水準 ・物価問題 ・消費者の権利と消費者運動 8 , 生活と公害. ・生活と公害 ・公害の本質 ・日本の公害の現状とその特殊性 137.
(15) . 豊. 村. 洋. 子. ,子どもの生活と現状 ・児童観の推移 ・子どもの福祉 ・子どもの文化 子どもをとりまく現 1 . 子 どもと社会 生命の尊厳 状を知り、 2. 生命の誕生と保育 ・生命の誕生と発達 ・結婚・家庭・家族 ・家庭環境と子ども ・母 性保護 ・小児保健の現状と問題点 ・周産期事故 育 と正しい保育 のあり方 の責任 を明らかにする 3 , 家庭保育と集団保育 ・家庭保育の意義・集団保育の意義・保育政策と保育施設・家庭と社会的保育の責任 保. 食 生 活. 健全な食生活を営む 1, 健康な食生活 知識と技能を習得し生 2 食事の基本 . 活を切り開く力を養う. ,食生活の実態 ・食生活の歴史 ・食品の購入と管理 ・わが国の食糧事情. .栄養素の機能・ 消化吸収・日本人の栄養所要量 ・国民栄養の現状. 把握 ・家族の食事 ・特殊栄養とその献立 ・調理実習. ・食品公害 ・食物連鎖 3 . 生命維持と安全性 ,食品加工の特徴・食品衛生法 ・食品添加物の実験 4. 食生活の課題. ・米の消費量と国民所得の 推移 ・流通過程 ・国民栄養の現状と国際 比較・食糧政策と自給率との関係・食糧消費型の国際比較 ・輸出入の関連. 住生活の実態を知り、1. 住まいの基本的条件 .家庭の生活程度 (住居の安全) ・集団生活の場・個人生活の場 ・ 住 健康で文化的な住生活 ・夫婦生活 ・育児 ・老人の生活 ・家事労働との関連 ・接容 を営む力を養う ・日照(生活と日照・日照の確保) ・熱効果 ・光効果 ・日照権 ・住 2. 健康と住居 まいと空気環境(新鮮な空気対流) ・暖房 生 ・職業による住形式の違い ・生活圏の規制 3. 職業と住居 ・人間生活と住居のかかわり。 堅穴式、 高床式……住居 4. 住居と社会生活 活 ・通勤 ・住 5 . 住生活の問題点と ・住宅事情(諸外国との比較含む) ・狭小住宅 ・過密住 住 ・開発と居 ・都市計画 環境 今後の課題 着装の原理を理解 し、1 . 被服と社会 衣 健康で合理的な衣生活 2 着装の原理 . ができる力を養う 3. 被服と健康 生. 活. 4 . 家族と被服計画. 5. 被服製作の基本と. 技術. ・被服の変遷。 社会的位置づけと男女差。 和洋の特色. ・保護性、 対候性 ・生活活動の糖助 ・社会性 ・繊維の種 類と性質 ・繊維の性質と織り方. ・被服の購入の仕方 ・被服管理の現状 ・被服整理 ・洗濯 ・収納関係 ・製作の観点(① 人体の構造と活動に適した被服 ②用途に 応じた製作 ③創造性を育成し、 作る喜こびを得させる). 6. わが国の衣料事情 ・衣料の供給と消費 ・衣料公害(洗剤問題含む) 7, これからの衣生活 .文化と被服。 ・物的、 機能的、 心理的役割 ・個性の表現と社 会 生活との関連 ・縫製の社会化 ・流行. 文. 献. 978年 中の拙論参照 77北海道の教育, 1 1)’ 77合同教研編集委員会編,’ 7 8年7月 2) 日本教職員 組合, 新高等学校学習指導要領案の検討, 19 977年 8巻第1号, 1 要, 第2 北海道教育大学紀 答申に寄せて 3) 豊村洋子, 教育課程改訂の , 等参照 1 9 7 8年 家庭 第1 7号 資料篇 北教 号外 4) 北海道教職員組合, , , , 97 7年 5) 教育課程研究会編, 教育課程審議会の答申, ぎょうせい, 1 6) 同上掲書 7) 同上掲書 8年9月号 参照. 「冷徹な専門リア 97 8) 関 寛治, タカ派論理の超克と平和の課題,「世界」 誌, 岩波書店 1 あげたものである. 氏は, 世界 一文人の発言をとり ける ある座談会にお 中で リズム」 という語は, 関氏が論文 , 「 」 と説く ねばならぬ 和問題を研究せ 論議として平 「 」 度な 専門 . ここに述べられる 平和 的見地から, しかも高 どに見え そろしいほ という語をそのまま 「教育」 におきかえてみるとき, われわれが落ちこんでいる問題点がお グは, いちじるし てくる. 語録的に文の一節を2~3挙げれば,「大学改革をめぐる日本の知的努力のタイム・ラ り 必要とするばか 新鮮な体系化を 「 それ自体 いて く深刻であるように思える」 . 平和秩序形成への知的連携につ は 平和の研究 「 今や現代の 」 ない たなければなら , だけの力を持 . ではない. 世界の情報と秩序を創りかえていく 論議す 科学技術政策の再検討というテーマを科学技術論のあたらしい バラダイ ズムの提唱と平行させて盛んに だ論文に思える 示唆に富ん も非常に 立場に引き寄せて 分の専門の . これらを自 」 る必要がでてくる . 76年を参考とした. 9 9) 北海道教育大学, 家庭科教育内容精選試案, 1 (本学助教授.札幌分校) 138.
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